JP2001193245A - 太陽電池フレーム構造と、太陽電池瓦およびその施工方法、ならびに太陽熱給湯システム - Google Patents

太陽電池フレーム構造と、太陽電池瓦およびその施工方法、ならびに太陽熱給湯システム

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JP2001193245A
JP2001193245A JP2000015085A JP2000015085A JP2001193245A JP 2001193245 A JP2001193245 A JP 2001193245A JP 2000015085 A JP2000015085 A JP 2000015085A JP 2000015085 A JP2000015085 A JP 2000015085A JP 2001193245 A JP2001193245 A JP 2001193245A
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solar
roof
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Ichiro Nagai
一郎 長井
Masakatsu Niwa
正克 丹羽
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽電池瓦の取付け・取外し施工をより容易
に行うことのできる、新しい太陽電池フレーム構造およ
び太陽電池瓦ならびにその施工方法を提供する。 【解決手段】 太陽電池セル(1)の棟側端縁部(1
1)および軒側端縁部(12)に装着される棟側横フレ
ーム部材(2)および軒側横フレーム部材(3)、なら
びに屋根部材上に配設される固定具(4)、および軒棟
方向に隣り合う棟側の太陽電池セル(1)の軒側横フレ
ーム部材(3)と軒側の太陽電池セル(1)の棟側横フ
レーム部材(2)との間に配設される連結具(5)を有
しており、固定具(4)に対して棟側横フレーム部材
(2)が上下回動自在に係合可能な係合構造、および軒
側横フレーム部材(3)と棟側横フレーム部材(2)と
を連結具(5)を介して分離自在に連結可能な連結構造
を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、太陽電池
フレーム構造と、太陽電池瓦およびその施工方法、なら
びに太陽熱給湯システムに関するものである。さらに詳
しくは、この出願の発明は、取付け・取外し施工が容易
で、メンテナンスなどを簡単に行うことのできる、新し
い太陽電池フレーム構造と、その太陽電池フレーム構造
を備えた太陽電池瓦、およびその太陽電池屋根の施工方
法、ならびに太陽電池屋根に設備される太陽熱給湯シス
テムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題への関心の高まりと
ともに、自然エネルギーを利用した新エネルギー技術の
ひとつとして、太陽電池によって太陽光エネルギーを電
力に変換する太陽光発電システムが注目され、その実用
化が加速されてきており、その実用形態のひとつとし
て、住宅等の屋根上に太陽電池瓦を配設することがしば
しば行われている。
【0003】この太陽電池瓦は、たとえば、太陽電池セ
ルの周端縁部(つまり、棟側、軒側、左側、右側の端縁
部)に横・縦フレーム部材が装着されてなるものであ
り、野地板や防水下地材などの屋根下地材あるいは平板
材などの屋根仕上材の上に載置される。なお、屋根下地
材および屋根仕上材その他太陽電池瓦が載置され得る部
材を屋根部材と呼ぶこととする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した太
陽電池瓦にあっては、太陽光発電システムの実用化をよ
り一層推進させるべく、太陽電池瓦の取付け・取外し施
工のさらなる簡易化を図り、施工性の向上による太陽電
池屋根のコスト削減や簡易メンテナンスなどを実現する
ことのできる技術が常に切望まれている。このような技
術を実現すべく、従来より、太陽電池セルに装着される
フレーム部材の構造についての様々な研究開発が行われ
ており、そのいくつかは実用されているが、未だに施工
現場からの要望などを満足することのできるものは実現
されていないのが現状である。
【0005】この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑
みてなされたものであり、太陽電池瓦の取付け・取外し
施工をより容易に行うことのできる、全く新しい太陽電
池フレーム構造を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、太陽電池セルの棟側端縁
部および軒側端縁部に装着される棟側横フレーム部材お
よび軒側横フレーム部材、ならびに屋根部材上に配設さ
れる固定具、および軒棟方向に隣り合う棟側の太陽電池
セルの軒側横フレーム部材と軒側の太陽電池セルの棟側
横フレーム部材との間に配設される連結具を有してお
り、固定具と棟側横フレーム部材とを係合可能な係合構
造、および軒側横フレーム部材と棟側横フレーム部材と
を連結具を介して分離自在に連結可能な連結構造を有し
ていることを特徴とする太陽電池フレーム構造や、太陽
電池セルの左側端縁部および右側端縁部に装着される左
側縦フレーム部材および右側縦フレーム部材を有してお
り、互いに左右方向に隣り合う太陽電池セルの一方の左
側縦フレーム部材の一部分と他方の右側縦フレーム部材
の一部分とが重なり合って漏水を防止可能な防水構造を
有していることを特徴とする太陽電池フレーム構造を提
供し、これらの太陽電池フレーム構造において、係合構
造が、固定具に対して棟側横フレーム部材を上下回動自
在に係合可能となっていることや、棟側横フレーム部材
に流し樋部が備えられていることや、左側縦フレーム部
材および/または右側縦フレーム部材に流し樋部が備え
られていることや、さらには上記の太陽電池フレーム構
造の両方からなる太陽電池フレーム構造において、互い
に軒棟方向に位置する左側縦フレーム部材の流し樋部同
士および/または互いに軒棟方向に位置する右側縦フレ
ーム部材の流し樋部同士が隣接して連続する流し樋を形
成するようになっていることなどを好ましい態様として
提供する。
【0007】また、この出願の発明は、上記の太陽電池
フレーム構造を備えていることを特徴とする太陽電池瓦
をも提供し、またさらに、この太陽電池瓦を屋根部材上
に載置する施工方法であって、屋根部材上の所定位置に
固定具を配設し、この固定具に軒棟方向に隣り合う軒側
の太陽電池瓦の棟側横フレーム部材を係合させ、この棟
側横フレーム部材に棟側の太陽電池瓦の軒側横フレーム
部材を連結具を介して連結させることを特徴とする太陽
電池瓦の施工方法をも提供する。
【0008】さらにまた、この出願の発明は、上記の太
陽電池瓦を施工した屋根において太陽光利用とともに太
陽熱利用をも促進すべく、温水導通用水路体が、軒側横
フレーム部材および/または固定具に備えられた水路空
間を通って屋根上に配設されていることを特徴とする太
陽熱給湯システムや、温水導通用水路体が、左側縦フレ
ーム部材および/または右側縦フレーム部材に備えられ
た水路空間を通って屋根上に配設されていることを特徴
とする太陽熱給湯システムを提供する。この太陽熱給湯
システムにおいて、水路体導通時の加熱(温水化)の効
率をより向上すべく、均熱板が太陽電池セルの裏側に備
えられた態様や、波状部分を有する均熱板を太陽電池セ
ルの裏側に設け、その均熱板の波状部分に沿って温水導
通用水路体を配設させた態様をも提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の太陽電池フレーム構造
は、上記のとおりに、棟側横フレーム部材および軒側横
フレーム部材ならびに固定具および連結具を有し、固定
具と棟側横フレーム部材とを係合可能な係合構造、およ
び軒側横フレーム部材と棟側横フレーム部材(この場合
の軒側横フレーム部材および棟側横フレーム部材とは、
屋根部材上に載置される際に互いに軒棟方向に隣り合う
棟側の太陽電池セルの軒側横フレーム部材および軒側の
太陽電池セルの棟側横フレーム部材をいう)とを連結具
を介して分離自在に連結可能な連結構造を有しているこ
とを特徴としているので、このような太陽電池フレーム
構造を備えた太陽電池瓦の施工においては、屋根部材上
の所定位置に配設した固定具に対して、軒棟方向に隣り
合う軒側の太陽電池瓦の棟側横フレーム部材を係合さ
せ、且つ、この棟側横フレーム部材に棟側の太陽電池瓦
の軒側横フレーム部材を連結具を介して連結させるだけ
で、太陽電池瓦をたとえば軒から棟方向または棟から軒
方向へ順に葺き並べることができ、屋根部材への取付け
を非常に容易に行うことができる。
【0010】また、取付け施工後であっても、上記の取
付け施工順序とは逆の取外し施工を行うことで、すなわ
ち、連結された棟側の太陽電池瓦の軒側横フレーム部材
と軒側の太陽電池瓦の棟側横フレーム部材とを連結具を
外して分離させ、且つ、棟側横フレーム部材と固定具と
の係合を解除することで、取外しも短時間で容易に、且
つ任意に行うことができる。
【0011】さらにまた、上記係合構造が、固定具に対
して棟側横フレーム部材を上下回動自在に係合可能とな
っていることで、連結構造による分離自在な連結ととも
に、係合構造による回動自在な係合によって、よりスム
ーズで容易な太陽電池瓦の取付け・取外しが可能とな
る。
【0012】これにより、太陽電池瓦の取付け・取外し
施工のより一層の簡易化を実現でき、施工性の向上によ
る太陽電池瓦、さらにはこの太陽電池瓦が載置された太
陽電池屋根全体のコスト削減や簡易メンテナンスなどが
可能となる。
【0013】一方、この出願の発明の他の太陽電池フレ
ーム構造は、左側縦フレーム部材および右側縦フレーム
部材を有し、屋根部材上に載置された際に互いに左右方
向に隣り合う各太陽電池セルの一方の左側縦フレーム部
材の一部分と他方の右側縦フレーム部材の一部分とが重
なり合って漏水を防止可能な防水構造を有していること
を特徴としているので、このような太陽電池フレーム構
造を備えた太陽電池瓦を屋根部材上に施工した場合、左
右に隣接した太陽電池瓦間などから雨水等が侵入して太
陽電池セルないし太陽電池瓦の裏面へ漏水してしまうこ
とを効果的に防ぐことができる。
【0014】また、このような防水構造による太陽電池
セルないし太陽電池瓦の裏面、最終的には屋根部材への
漏水を防ぐ防水効果を補助して、より一層優れた防水効
果を実現すべく、左側縦フレーム部材および右側縦フレ
ーム部材のいずれか一方もしくは両方や、棟側横フレー
ム部材には流し樋部が備えられていることが好ましい。
これらの流し樋部によって、隣接する各縦フレーム部材
間や横フレーム部材と太陽電池セルとの間などから雨水
等が万が一侵入してきたとしても、その侵入水が屋根部
材へ漏水することを防ぐことができる。
【0015】もちろん、侵入水を軒先まで導き流すため
に、互いに軒棟方向に位置するようになる各縦フレーム
部材の流し樋部同士、つまり左側縦フレーム部材の流し
樋部同士および/または右側縦フレーム部材の流し樋部
同士は、互いに隙間なく隣接して軒先方向へ連続する流
し樋を形成するようになっていることが好ましい。
【0016】なおここでは、太陽電池セルを間に装着す
る一対の縦フレーム部材の一方および他方を左側縦フレ
ーム部材および右側縦フレーム部材、それに対応する太
陽電池セルの側端縁部を左側端縁部および右側端縁部と
呼んでいるが、このように左・右としたのは説明の簡略
化のためであり、軒側から見た場合の左右位置に限定さ
れるのではなく、棟側から見た場合における左右位置の
ことでもよい。
【0017】この出願の発明は、以上のとおりの特徴を
持つものであるが、以下に添付した図面に沿って実施例
を示し、さらに詳しくこの出願の発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0018】
【実施例】[実施例1]図1は、この発明の太陽電池フ
レーム構造の一実施例を例示した分解斜視図である。
【0019】この図1に例示した太陽電池フレーム構造
では、太陽電池セル(1)の棟側端縁部(11)および
軒側端縁部(12)に装着される棟側横フレーム部材
(2)および軒側横フレーム部材(3)、ならびに屋根
部材(図示していない)上に配設される固定具(4)、
および軒側横フレーム部材(3)と当該太陽電池セル
(1)の軒側に位置するようになる他の太陽電池セル
(図示していない)の棟側端縁部に装着される棟側横フ
レーム部材(図示していない)との間に配設される連結
具(5)を有しているとともに、太陽電池セル(1)の
左側端縁部(13)および右側端縁部(14)に装着さ
れる左側縦フレーム部材(6)および右側縦フレーム部
材(7)を有している。
【0020】この場合さらに説明すると、まず、本実施
例における棟側横フレーム部材(2)は、たとえば図2
にも例示したように、太陽電池セル(1)の棟側端縁部
(11)(図1参照)が嵌着される、互いに上下に対向
する一対の平板部(21)(22)からなる断面略コ字
形状の嵌着部(23)と、後述する連結具(5)の連結
平板部(51)(図5参照)が嵌入される、嵌着部(2
3)の上方の平板部(21)およびそのさらに上方位置
にて対向した平板部(24)からなる断面略コ字形状の
連結部(25)とを有している。これら嵌着部(23)
および連結部(25)は互いに上下位置にて同一方向に
開口している。さらに、後述する固定具(4)の係合部
(43)と回動係合するR形状の引っ掛かりを持つ、嵌
着部(23)の背部から垂下した係合部(26)と、嵌
着部(23)の背部から平板部(21)(22)とは逆
方向に突出した流し樋部(27)とをも有している。こ
れら係合部(26)および流し樋部(27)は棟側横フ
レーム部材(2)の長手方向に沿って設けられている。
【0021】軒側横フレーム部材(3)は、図3にも例
示したように、太陽電池セル(1)の軒側端縁部(1
2)(図1参照)が嵌着される、互いに上下に対向する
一対の平板部(31)(32)からなる断面略コ字形状
の嵌着部(33)と、後述する連結具(5)の連結立板
部(52)(図5参照)が嵌入される、嵌着部(33)
から垂下した互いに対向する一対の垂下板部(34)
(35)からなる連結部(36)とを有している。
【0022】固定具(4)は、図4にも例示したよう
に、屋根部材(図示していない)上に載置されて固定さ
れる固定板部(41)と、固定板部(41)から立設し
た立板部(42)と、前述の棟側横フレーム部材(2)
の係合部(26)と回動係合されるR形状の引っ掛かり
を持つ、立板部(42)の上端部に設けられた係合部
(43)とを有してる。
【0023】連結具(5)は、図5にも例示したよう
に、前述の棟側横フレーム部材(2)の連結部(25)
に嵌入される連結平板部(51)と、前述の軒側横フレ
ーム部材(3)の連結部(36)に嵌入される、連結平
板部(51)から立設した連結立板部(52)とを有し
ている。
【0024】他方、左側縦フレーム部材(6)は、図6
にも例示したように、太陽電池セル(1)の左側端縁部
(13)(図1参照)が嵌着される、互いに上下に対向
した一対の平板部(61)(62)からなる断面略コ字
形状の嵌着部(63)と、後述するように右側縦フレー
ム部材(7)の嵌着部(73)の上方の平板部(71)
(図7参照)に重なる、嵌着部(63)の背部から平板
部(61)(62)とは逆方向に突出した重ね平板部
(64)とを有している。
【0025】右側縦フレーム部材(7)は、図7にも例
示したように、太陽電池セル(1)の右側端縁部(1
4)(図1参照)が嵌着される、互いに上下に対向した
一対の平板部(71)(72)からなる断面略コ字形状
の嵌着部(73)と、嵌着部(73)の下方の平板部
(72)の突出端縁から延設された流し樋部(74)
と、嵌着部(73)の背部から平板部(71)(72)
とは逆方向に突出した流し樋部(75)とを有してい
る。これら流し樋部(74)(75)は右側縦フレーム
部材(7)の長手方向に沿って設けられている。
【0026】このような本実施例1の太陽電池フレーム
構造は、以下のように太陽電池瓦を構成し、この太陽電
池瓦を屋根部材上に載置する。まず、上記の太陽電池フ
レーム構造における棟側横フレーム部材(2)、軒側横
フレーム部材(3)、左側縦フレーム部材(6)、およ
び右側縦フレーム部材(7)各々の嵌着部(23)、嵌
着部(33)、嵌着部(63)、および嵌着部(73)
に、太陽電池セル(1)の棟側端縁部(11)、軒側端
縁部(12)、左側端縁部(13)、および右側端縁部
(14)が嵌着される。より具体的には、たとえば、太
陽電池セル(1)の棟側端縁部(11)は、棟側横フレ
ーム部材(2)の嵌着部(23)を構成する平板部(2
1)と平板部(22)との間に嵌め入れられるともに平
板部(21)(22)により挟持されて嵌着部(23)
に嵌着される。太陽電池セル(1)の他の端縁部につい
ても同様である。
【0027】そして、左側縦フレーム部材(6)と棟側
横フレーム部材(2)および軒側横フレーム部材(3)
とは、たとえば図1に例示したように、固定ネジ(8
a)が左側縦フレーム部材(6)に設けられたネジ貫通
孔(65)を通って棟側横フレーム部材(2)および軒
側横フレーム部材(3)の左側端に設けられたネジ穴
(28)およびネジ穴(37)にねじ込まれて、互いに
固定され、同様にして右側縦フレーム部材(7)と棟側
横フレーム部材(2)および軒側横フレーム部材(3)
とは、固定ネジ(8b)が右側縦フレーム部材(7)に
設けられたネジ貫通孔(76)を通って棟側横フレーム
部材(2)および軒側横フレーム部材(3)の右側端に
設けられたネジ穴(28)およびネジ穴(37)にねじ
込まれて、互いに固定される。このようにして太陽電池
セル(1)の周端縁部に各フレーム部材(2)(3)
(6)(7)が装着されて太陽電池瓦が構成される。
【0028】続いてこの太陽電池瓦を屋根部材上に載置
する場合では、たとえば図8に例示したように、まず固
定具(4)を屋根部材(100)上の所定位置に配設す
る。これは、固定板部(41)を屋根部材(100)上
に載置して、固定板部(41)に設けられたネジ貫通孔
(44)(図4参照)を通る固定ネジ(8c)(図1参
照)によるネジ止め、あるいは後述の図11に例示した
ように固定クギ(8e)によるクギ止めなどにて行う。
【0029】この固定具(4)は、たとえば、予め墨出
しして表示された所定の位置に固定しておいても、順次
後述するように棟側横フレーム部材(2)の係合部(2
6)をその係合部(43)に係合させながら固定してい
ってもよい。また図1においては棟側横フレーム部材
(2)に対して短尺の固定具(4)を一つのみ図示して
いるが、もちろんその個数や棟側横フレーム部材(2)
に対する長さ寸法などは限定されるものではなく、棟側
横フレーム部材(2)を屋根部材上方において支持でき
るようになっていればよいので、たとえば二つ以上の短
尺の固定具(4)が用いられたり、一つの長尺の固定具
(4)が用いられるなどの態様も可能である。
【0030】次いで、施工対象の太陽電池瓦の棟側横フ
レーム部材(2)の係合部(26)を固定具(4)の係
合部(43)に対して回動係合させる。これは、棟側横
フレーム部材(2)の係合部(26)と固定具(4)の
係合部(43)とを位置合わせして引っ掛け、係合部
(26)および係合部(43)を軸として太陽電池瓦な
いし太陽電池セル(1)自体を斜め上方位置から下方に
下ろすことで行う。このように、棟側横フレーム部材
(2)の係合部(26)と固定具(4)の係合部(4
3)とによって棟側横フレーム部材(2)が固定具
(4)に対して上下回動自在に係合可能な係合構造が実
現されていることがわかる。
【0031】そして、棟側横フレーム部材(2)の係合
部(26)と固定具(4)の係合部(43)との回動係
合時に太陽電池瓦自体が上方から下方に下ろされると、
棟側横フレーム部材(2)の反対側にある軒側横フレー
ム部材(3)は、施工途中の当該太陽電池瓦の軒側に位
置した、既に載置されている軒側の他の太陽電池瓦の棟
側横フレーム部材(2)の上方に位置するようになる。
ここで、この軒側横フレーム部材(3)と棟側横フレー
ム部材(2)とを連結具(5)を介して連結させる。こ
れは、まず連結具(5)を、その連結平板部(51)を
棟側横フレーム部材(2)の連結部(25)に嵌入させ
て連結部(25)に取り付け、次いで軒側横フレーム部
材(3)を下ろして、下方に開口したその連結部(3
6)に連結具(5)の連結立板部(52)を嵌入させる
ことで行う。このように、軒側横フレーム部材(3)の
連結部(36)と棟側横フレーム部材(2)の連結部
(25)と連結具(5)とによって軒側横フレーム部材
(3)および棟側横フレーム部材(2)が連結具(5)
を介して分離自在に連結可能な連結構造が実現されてい
ることがわかる。
【0032】なお、連結具(5)と軒側横フレーム部材
(3)とは、たとえば図1に例示したように固定ネジ
(8d)を軒側横フレーム部材(3)に設けられたネジ
貫通孔(38)を通して連結具(5)に設けられたネジ
穴(53)にねじ込むことによって互いにネジ固定させ
ておいてもよい。また、屋根部材(100)上に載置さ
れた太陽電池瓦は通常屋根の勾配にしたがって傾斜する
が、棟側横フレーム部材(2)の係合部(26)のR形
状と固定具(4)の係合部(43)のR形状とが互いに
しっかりと噛み合って引っ掛かっているので、太陽電池
瓦が軒方向へズレたり外れたりすることはない。
【0033】以上のようにして、棟側横フレーム部材
(2)を固定具(4)に対して回動係合させ、且つ、軒
側横フレーム部材(3)をその軒側に隣接した他の太陽
電池瓦の棟側横フレーム部材(2)に連結具(5)を介
して連結させるだけで、非常に容易に、太陽電池瓦を軒
から棟方向または棟から軒方向へ順に葺き並べることが
できる。
【0034】もちろん、上述したように棟側横フレーム
部材(2)は固定具(4)に対して回動自在であり、且
つ軒側横フレーム部材(3)は棟側横フレーム部材
(2)に対して分離自在となっているので、連結された
軒側横フレーム部材(3)と棟側横フレーム部材(2)
とを連結具(5)を外して分離させ、且つ、分離された
軒側横フレーム部材(3)を太陽電池瓦ごと上方に上げ
るようにして棟側横フレーム部材(2)を固定具(4)
に対して回動させて固定具(4)との係合を解除するだ
けで、容易に短時間で太陽電池瓦の取外しも行うことが
できる。前述したように軒側横フレーム部材(3)と連
結具(5)がネジ止めされているときには固定ネジ(8
d)を外せばよい。
【0035】また、本実施例1では、棟側横フレーム部
材(2)の嵌着部(23)、軒側横フレーム部材(3)
の嵌着部(33)、左側縦フレーム部材(6)の嵌着部
(63)、および右側縦フレーム部材(7)の嵌着部
(73)はいずれも、それに嵌着された太陽電池セル
(1)の棟側端縁部(11)、軒側端縁部(12)、左
側端縁部(13)、および右側端縁部(14)の上面・
下面に接する部分が波形状となっている。より具体的に
は、たとえば棟側横フレーム部材(2)の嵌着部(2
3)を構成する平板部(21)および平板部(22)各
々の互いに対向する内側面が波形状を有している。他の
軒側横フレーム部材(3)、左側縦フレーム部材
(6)、および右側縦フレーム部材(7)も同様であ
る。このような波形状が設けられていることにより、太
陽電池セル(1)の棟側端縁部(11)、軒側端縁部
(12)、左側端縁部(13)、および右側端縁部(1
4)の嵌着がより強固なものとなり、太陽電池セル
(1)のズレなどの発生を抑制することができる。
【0036】さて、上述したように棟側横フレーム部材
(2)、軒側横フレーム部材(3)、固定具(4)、お
よび連結具(5)を介して屋根部材(100)上に載置
された太陽電池瓦にあっては、さらにその左右の左側縦
フレーム部材(6)と右側縦フレーム部材(7)とによ
って以下のように防水効果が実現されている。
【0037】すなわち、たとえば図10に例示したよう
に、左右に隣接した各太陽電池瓦の一方の左側縦フレー
ム部材(6)の重ね平板部(64)が右側縦フレーム部
材(7)の嵌着部(73)を構成している上方の平板部
(71)の上に重ね合うようになり、これによって、左
側縦フレーム部材(6)と右側縦フレーム部材(7)と
の間からの漏水を効果的に防止することができる。
【0038】また、万が一雨水等が隙間を伝って侵入し
てきたとしても、左側縦フレーム部材(6)と右側縦フ
レーム部材(7)との間からの侵入水は、右側縦フレー
ム部材(7)の流し樋部(75)によって屋根部材へ漏
れないようになっている。右側縦フレーム部材(7)の
流し樋部(75)はさらに、左側縦フレーム部材(6)
の嵌着部(63)およびそれに嵌着されている太陽電池
セル(1)の左側端縁部(13)の下方に位置するの
で、左側縦フレーム部材(6)の嵌着部(63)と太陽
電池セル(1)の左側端縁部(13)との間からの侵入
水をも屋根部材へ漏らさないようにしている。右側縦フ
レーム部材(7)の他方の流し樋部(74)は、右側縦
フレーム部材(7)の嵌着部(73)とそれに嵌着され
ている太陽電池セル(1)の右側端縁部(14)との間
からの侵入水を屋根部材へ漏らさないようにしている。
【0039】そして、互いに軒棟方向に位置した各右側
縦フレーム部材(7)の流し樋部(74)同士および流
し樋部(75)同士が隙間なく隣接して、棟から軒先ま
で連続する流し樋を形成することで、様々な経路からの
侵入水を屋根部材へ漏らすことなく軒先へ導き流すこと
ができる。
【0040】本実施例1では、右側縦フレーム部材
(7)のみに流し樋部(74)(75)が備えられてい
るが、もちろんこのような流し樋部は左側縦フレーム部
材(6)にも備えることができ、その形状や位置などに
ついては、侵入水を屋根部材へ漏らすことなく軒先方向
へ導き流すことができるようになっていればいよい。ま
た、左側縦フレーム部材(6)の重ね平板部(64)に
よって重なり合いによる漏水防止が実現されているが、
右側縦フレーム部材(7)にも、この重ね平板部(6
4)と同様な重ね平板部が、左側フレーム部材(6)の
平板部(61)の上に重なるように設けられていてもよ
い。
【0041】本実施例1ではさらに、棟側横フレーム部
材(2)にも流し樋部(27)が備えられており、図8
に例示したその位置関係からもわかるように、この流し
樋部(27)によって、施工後においてその上方に位置
した軒側横フレーム部材(3)の嵌着部(33)と太陽
電池セル(1)の軒側端縁部(12)との間などからの
侵入水をブロックして屋根部材(100)へ滴下しない
ようにしている。
【0042】また、防水効果をより一層高めるために、
たとえば図9および図10に例示したように、棟側横フ
レーム部材(2)の嵌着部(23)、軒側横フレーム部
材(3)の嵌着部(33)、左側縦フレーム部材(6)
の嵌着部(63)、および右側フレーム部材(7)の嵌
着部(73)には、それらと太陽電池セル(1)の棟側
端縁部(11)、軒側端縁部(12)、左側端縁部(1
3)、右側端縁部(14)との間の隙間を極力なくして
漏水の発生を防ぐように、防水パッキン(10)が備え
られていてもよい。
【0043】[実施例2]図11はこの発明の太陽電池
フレーム構造の別の一実施例を示した要部断面図であ
る。この図11に示した実施例では、棟側横フレーム部
材(2)の係合部(26)と固定具(4)の係合部(4
3)とによりなる係合構造が、前述の実施例1における
回動係合構造とは異なっており、軒方向に開口した係合
部(26)と棟方向に開口した係合部(43)との引っ
掛け係合によって、棟側横フレーム部材(2)と固定具
(4)との係合が実現されている。この係合構造によっ
ても、スムーズな太陽電池瓦の施工が可能であることは
言うまでもない。
【0044】また、本実施例2では、棟側横フレーム部
材(2)において、嵌着部(23)の下方の平板部(2
2)にも、その突出端から延設された流し樋部(29)
が備えられている。この流し樋部(29)によって、嵌
着部(23)とそれに嵌着された太陽電池セル(1)の
棟側端縁部(11)との間からの侵入水の、屋根部材
(100)への漏水が防止される。
【0045】また、固定具(4)の固定板部(41)
は、固定クギ(8e)によって屋根部材(100)に固
定されている。 [実施例3]ところで、太陽エネルギーの利用は、太陽
光により電気を作る太陽光発電システムに限られるもの
ではなく、太陽熱により温水を作る太陽熱給湯システム
(または太陽熱温水システム)も存在する。同一屋根に
おいて、太陽光発電システムおよび太陽熱給湯システム
の両方を設備することができれば、太陽エネルギーのさ
らに効率の良い利用を促進することができる。
【0046】そこで、この発明では、上述の太陽電池瓦
による太陽光発電システムとともに同一屋根に設備され
る太陽熱給湯システムを提供する。図12は、この太陽
熱給湯システムの一例を示した概念図である。この図1
2の例では、太陽電池瓦(図中では太陽電池セルの符号
(1)を記載)が配設され、軒棟方向に隣り合う太陽電
池瓦間に、温水が導通する水路体(9)(温水導通用水
路体)が走り巡らされている。より具体的には、この水
路体(9)は、たとえば以下の各例のように、太陽電池
瓦のフレーム部材等に設けられた各水路空間を通して屋
根上に配設することができる。
【0047】<図13の例>軒側横フレーム部材(3)
および固定具(4)に、水路体(9)用の水路空間(9
1a)(91b)が設けられている。さらに、軒側横フ
レーム部材(3)において、連結部(36)を構成する
垂下板部(35)が着脱可能な分離体となっており、こ
の分離体となった垂下板部(35)にも、水路空間(9
1a)(91b)に対応した水路空間(91c)(91
d)が設けられている。垂下板部(35)が取り付けら
れて、水路空間(91a)と水路空間(91c)とによ
りなる左右方向に連続した完全な水路空間、および、こ
の水路空間に並行して、水路空間(91b)と水路空間
(91d)とによりなる左右方向に連続した完全な水路
空間が形成される。水路体(9)は、これらの水路空間
を左右方向へ通って、太陽電池瓦の各段の間に配設され
るようになる。
【0048】また、垂下板部(35)が着脱可能となっ
ているので、水路体(9)の後付けや取外しを容易に行
なうことができる。もちろん垂下板部(35)は、その
取付け後、他方の垂下板部(34)とにより連結部(3
6)を構成し、連結具(5)の連結立板部(52)が嵌
入可能となっている。
【0049】<図14の例>軒側横フレーム部材(3)
のみに、一部開口した水路空間(91e)(91f)が
設けられた場合の一例である。この例では、図13の例
と同様に、軒側横フレーム部材(3)の垂下板部(3
5)が着脱可能な分離体となっているが、この垂下板部
(35)には水路空間は設けられていない。垂下板部
(35)の取付け(たとえば固定ビス(8f)により固
定される)により、水路空間(91e)(91f)はそ
の開口部分が覆われて完全な水路空間となる。
【0050】<図15の例>図14の例と同様に、軒側
横フレーム部材(3)のみに水路空間(91g)(91
h)が設けられているが、この例では、垂下板部(3
5)が着脱可能な分離体となっているのではなく、別体
の着脱可能なカバー体(96)が用いられている。この
カバー体(96)は、水路空間(91g)(91h)に
対応した水路空間(91i)(91j)を有しており、
軒側横フレーム部材(3)への取付けによって、水路空
間(91g)と水路空間(91i)とによる完全な水路
空間、および、水路空間(91h)と水路空間(91
j)とによる完全な水路空間が形成される。
【0051】またこの例では、水路体(9)を導通する
温水の加熱(温水化)の効率をより向上させるべく、太
陽電池セル(1)の裏側に均熱板(98)が設けられて
いる。たとえば鋼板製などの均熱板(93)は、太陽電
池セル(1)とともに、各フレーム部材(2)(3)
(6)(7)の嵌着部(23)(33)(63)(7
3)に嵌着されて取り付けられている(図20も参
照)。
【0052】<図16の例>太陽電池セル(1)の裏側
に波状部分を有する均熱板(98)が設けられていると
ともに、その均熱板(98)の波状部分に沿って水路体
(9)が配設されている場合の一例である。より具体的
には、均熱板(98)は、太陽電池セル(1)の裏面と
屋根部材(100)の上面との間において、左右方向に
延びた深い波形状となっており、その波状部分における
太陽電池セル(1)方向に開口した溝状部に、水路体
(9)が配設されている。この配設態様では、均熱板
(98)による温水化効率の向上だけでなく、より狭い
間隔で密に水路体(9)を配設させることができるの
で、さらなる効率向上を実現できるようになる。
【0053】なお、図15および図16に例示したよう
に均熱板(98)が用いられる場合には、たとえば、太
陽電池瓦および屋根部材(100)の間に熱気がこもり
やすくなる恐れがあるため、図中の白抜き矢印で示した
ように空気の流れを作って換気を実現する構造を付加す
ることが望ましい。具体的にはたとえば、空気の通り道
となる場所に換気用スリットなどを形成させておけばよ
い。図15および図16の例では、固定具(4)の立板
部(42)、棟側横フレーム部材(2)の連結部(2
5)の背部、および連結具(5)の連結立板部(52)
に(図15では必要があればカーバ体(96)にも)ス
リット(図示していない)を設ける態様が可能である。
【0054】たとえば以上のような水路体(9)の配設
や均熱板(98)の利用によって、図12に例示した太
陽熱給湯システムが太陽電池屋根において実現可能とな
る。図12の例では、まず、水源(水道など)からの水
路体(9)は、屋根上において軒側端の太陽電池瓦の軒
側を左→右方向へ渡って、棟側に位置する次の段の太陽
電池瓦との間において、右→左方向へ上述したように水
路空間(91a)〜(91j)を通る。水路体(9)
は、これを繰り返して屋根上に走り巡らされている。戻
ってきた水路体(9)は、貯水タンク(92)に接続さ
れる。この貯水タンク(92)には、給湯器システム
(93)のガスボイラー(931)が接続されている。
【0055】水源からの水は、上記のようにして配設さ
れた水路体(9)を通り、太陽熱により加熱されて温水
となる。この加熱(温水化)は、屋根上に走り巡らされ
た水路体(9)を導通することによって効果的に行なわ
れる。均熱板(98)が設置されている場合にはより効
果的な加熱が実現される。
【0056】屋根上からの温水は貯水タンク(92)に
溜められる。給湯器システム(93)には、太陽熱によ
る温水の温度を測定する温度センサ(図示していない)
からの温度データと設定温度(たとえば温水利用に必要
な温度)とを比較してガスボイラー(931)による温
水加熱を制御するコントローラ(932)が備えられて
いる。貯水タンク(92)の温水は、このコントローラ
(932)の制御により、設定温度に達していなければ
ガスボイラー(931)によって加熱され、設定温度と
なって種々利用される。温水の加熱手段はガスボイラー
(931)に限られず、ヒートポンプ(熱ポンプ)など
公知の種々の温水加熱手段を用いることができるのはも
ちろんである。
【0057】たとえば以上のようなこの発明の太陽熱給
湯システムによって、太陽光発電システムが設備された
屋根においても、さらに太陽熱利用の給湯を実現するこ
とができ、極めて効果的な太陽エネルギーの利用を図る
ことができるようになる。
【0058】図17および図18は、各々、この太陽熱
給湯システムの別の一例を示した概念図である。図17
の例では、屋根上での太陽電池瓦の敷設態様が図12と
は異なっているので、それに対応させた水路体(9)の
配設態様となっている。その他の構成は図12と同じで
ある。また、図18の例では、図17と同じ太陽電池瓦
の敷設態様ではあるが、さらに異なる水路体(9)の配
設態様を用いており、水源から三方バルブ(94)を介
しての水路体(9)は棟側端まで通された後、バルブ
(95)を介して2経路に分けられ、それぞれ太陽電池
瓦の各段間にて水路空間(91a)〜(91j)を通
り、軒側端にて合流して再び一経路となる。そして、戻
ってきた水路体(9)は、三方バルブ(94)を介して
給湯器システム(93)のガスボイラー(931)に接
続される。
【0059】図18の例では、貯水タンク(92)が設
けられておらず、屋根上での水路体(9)の導通時に作
られた温水は、直接ガスボイラー(931)に送られ、
コントローラ(932)の制御により必要な場合には加
熱されて、各種温水利用手段に供給される。また、コン
トローラ(932)は、三方バルブ(94)やバルブ
(95)(屋根上の水路体(9)の温水導通量などをも
調整する)の制御も可能となっている。
【0060】以上の図12〜図18の例は、水路体
(9)が屋根上にて左右方向に走り巡らされている場合
のものであるが、たとえば図19に例示したように軒棟
方向に走り巡らされた態様も可能である。
【0061】この場合では、水路体(9)を左右方向に
隣り合う太陽電池瓦間において軒棟方向に通す必要があ
る。図20および図21はその配設態様を可能とした、
太陽電池瓦の左側縦フレーム部材(6)および右側縦フ
レーム部材(7)における水路空間構造である。
【0062】<図20の例>左側縦フレーム部材(6)
および右側縦フレーム部材(7)に、水路空間(91
k)(91l)が設けられている。さらに、左側縦フレ
ーム部材(6)において、重ね平板部(64)が着脱可
能な分離体となっており、この分離体となった重ね平板
部(64)にも、水路空間(91k)(91l)に対応
した水路空間(91m)が設けられている。重ね平板部
(64)が左側縦フレーム部材(6)および右側縦フレ
ーム部材(7)の平板部(61)(71)を覆うように
取り付けられて、水路空間(91k)(91l)(91
m)からなる軒棟方向に連続した完全な水路空間が形成
される。水路体(9)は、この水路空間を通って軒棟方
向に配設される。もちろん、重ね平板部(64)が着脱
可能となっているので、水路体(9)の後付けや取外し
を容易に行なうことができる。
【0063】<図21の例>図20の例とは異なり、前
述の実施例1における左側縦フレーム部材(6)および
右側縦フレーム部材(7)自体の形状・構造は変更せ
ず、別体の着脱可能なカバー体(97)を用いた場合の
例である。カバー体(97)は、下方に開口した水路空
間(91n)を有しており、左側縦フレーム部材(6)
の平板部(61)および重ね平板部(64)を覆うよう
に取り付けられ、その際に、水路空間(91n)の開口
部分が平板部(61)の上面部により塞がれて、完全な
水路空間が形成される。
【0064】図19の太陽熱給湯システムでは、水路体
(9)が、上述したように図20や図21に例示した左
側縦フレーム部材(6)や右側縦フレーム部材(7)に
備えられた軒棟方向に連続した水路空間を通って、太陽
電池瓦の各列の間を軒棟方向に配設されている。水源
(水道など)からの往路の水路体(9)は屋根上の棟側
端にて、軒棟方向に延びた各水路体(9)と連通されて
おり、各水路体(9)は軒側端にて合流して一経路とな
って戻ってくる。戻ってきた水路体(9)は三方バルブ
(94)を介してガスボイラー(931)に連結されて
いる。
【0065】もちろん、水路体(9)の配設態様や各水
路空間の形状・構造態様は、上述の図12〜図21に例
示したものに限定されないことは言うまでなく、この発
明の太陽電池瓦が配設された太陽電池屋根において、太
陽熱による加熱(温水化)が適切に実現できれる態様で
あればよい。たとえば図13〜15の例では、水路体
(9)が二本同時に並行可能となるように水路空間(9
1a)〜(91j)が形成されているが、一本のみが通
るような態様でもよく、この場合ではたとえば図13に
おいては軒側横フレーム部材(3)または固定具(4)
のいずれか一方のみに水路空間(91a)あるいは水路
空間(91b)を備えることも可能であり、もちろん分
離体である垂下板部(35)の水路空間(91c)(9
1d)が必須であることもない。たとえば図16の例
(均熱板(98)の波状部分に沿った配設)と図13〜
図15の例(各水路空間を通した配設)とを組み合わせ
た態様なども可能である。また逆に、図20および図2
1の例では、水路体(9)の二本同時並行が可能となる
ように水路空間が二つ設けられていてもよい。
【0066】このようにこの発明は以上の例に限定され
るものではなく、細部についてはさらに様々な態様が可
能である。
【0067】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、太陽電池瓦の取付け・取外しを容易に、且つ短時
間で行うことができ、施工コストの削減などを実現し
て、太陽光発電システムの利用推進をさらに図ることが
できるようになる。
【0068】さらには、この発明によって、上記太陽電
池瓦が敷設された太陽電池屋根に、太陽光発電システム
とともに、太陽熱給湯システムをも設備することがで
き、太陽光利用および太陽熱利用を同時に実現でき、太
陽エネルギーのさらなる有効利用を図ることができるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の太陽電池フレーム構造の一実施例を
例示した分解斜視図である。
【図2】棟側横フレーム部材を拡大例示した要部断面図
である。
【図3】軒側横フレーム部材を拡大例示した要部断面図
である。
【図4】固定具を拡大例示した要部断面図である。
【図5】連結具を拡大例示した要部断面図である。
【図6】左側縦フレーム部材を拡大例示した要部断面図
である。
【図7】右側縦フレーム部材を拡大例示した要部断面図
である。
【図8】太陽電池フレーム構造を有する太陽電池瓦の施
工後を例示した要部断面図である。
【図9】施工後の棟側縦フレーム部材、軒側縦フレーム
部材、固定具、連結具を拡大例示した要部断面図であ
る。
【図10】施工後の左側横フレーム部材、右側縦フレー
ム部材を拡大例示した要部断面図である。
【図11】太陽電池フレーム構造の別の一実施例を例示
した要部断面図である。
【図12】太陽熱給湯システムの一例を示した構成概念
図である。
【図13】水路空間の一例を示した要部構成図である。
【図14】水路空間の別の一例を示した要部構成図であ
る。
【図15】水路空間のさらに別の一例を示した要部構成
図である。
【図16】水路体が均熱板の波状部分に沿って配設され
ている場合の一例を示した要部構成図である。
【図17】太陽熱給湯システムの別の一例を示した構成
概念図である。
【図18】太陽熱給湯システムのさらに別の一例を示し
た構成概念図である。
【図19】太陽熱給湯システムの他の一例を示した構成
概念図である。
【図20】水路空間の一例を示した要部構成図である。
【図21】水路空間の別の一例を示した要部構成図であ
る。
【符号の説明】
1 太陽電池セル 11 棟側端縁部 12 軒側端縁部 13 左側端縁部 14 右側端縁部 2 棟側横フレーム部材 21,22,24 平板部 23 嵌着部 25 連結部 26 係合部 27 流し樋部 28 ネジ穴 29 流し樋部 3 軒側横フレーム部材 31,32 平板部 33 嵌着部 34,35 垂下板部 36 連結部 37 ネジ穴 38 ネジ貫通孔 4 固定具 41 固定板部 42 立板部 43 係合部 44 ネジ貫通孔 5 連結具 51 連結平板部 52 連結立板部 53 ネジ穴 6 左側縦フレーム部材 61,62 平板部 63 嵌着部 64 重ね平板部 65 ネジ貫通孔 7 右側縦フレーム部材 71,72 平板部 73 嵌着部 74,75 流し樋部 76 ネジ貫通孔 8a〜8d 固定ネジ 8e 固定クギ 8f 固定ビス 9 水路体 91a〜91n 水路空間 92 貯水タンク 93 給湯器システム 931 ガスボイラー 932 コントローラ 94 三方バルブ 95 バルブ 96 カバー体 97 カバー体 98 均熱板 10 防水パッキン 100 屋根部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F24J 2/04 F24J 2/04 C H01L 31/042 H01L 31/04 R

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽電池セルの棟側端縁部および軒側端
    縁部に装着される棟側横フレーム部材および軒側横フレ
    ーム部材、ならびに屋根部材上に配設される固定具、お
    よび軒棟方向に隣り合う棟側の太陽電池セルの軒側横フ
    レーム部材と軒側の太陽電池セルの棟側横フレーム部材
    との間に配設される連結具を有しており、固定具と棟側
    横フレーム部材とを係合可能な係合構造、および軒側横
    フレーム部材と棟側横フレーム部材とを連結具を介して
    分離自在に連結可能な連結構造を有していることを特徴
    とする太陽電池フレーム構造。
  2. 【請求項2】 係合構造が、固定具に対して棟側横フレ
    ーム部材を上下回動自在に係合可能となっている請求項
    1の太陽電池フレーム構造。
  3. 【請求項3】 棟側横フレーム部材に流し樋部が備えら
    れている請求項1または2の太陽電池フレーム構造。
  4. 【請求項4】 太陽電池セルの左側端縁部および右側端
    縁部に装着される左側縦フレーム部材および右側縦フレ
    ーム部材を有しており、互いに左右方向に隣り合う太陽
    電池セルの一方の左側縦フレーム部材の一部分と他方の
    右側縦フレーム部材の一部分とが重なり合って漏水を防
    止可能な防水構造を有していることを特徴とする太陽電
    池フレーム構造。
  5. 【請求項5】 左側縦フレーム部材および/または右側
    縦フレーム部材に流し樋部が備えられている請求項4の
    太陽電池フレーム構造。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかの太陽電池
    フレーム構造と請求項4または5の太陽電池フレーム構
    造とからなる太陽電池フレーム構造。
  7. 【請求項7】 互いに軒棟方向に位置する左側縦フレー
    ム部材の流し樋部同士および/または互いに軒棟方向に
    位置する右側縦フレーム部材の流し樋部同士が隣接して
    連続する流し樋を形成するようになっている請求項6の
    太陽電池フレーム構造。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかの太陽電池
    フレーム構造を備えていることを特徴とする太陽電池
    瓦。
  9. 【請求項9】 請求項8の太陽電池瓦を屋根部材上に載
    置する施工方法であって、屋根部材上の所定位置に固定
    具を配設し、この固定具に軒棟方向に隣り合う軒側の太
    陽電池瓦の棟側横フレーム部材を係合させ、この棟側横
    フレーム部材に棟側の太陽電池瓦の軒側横フレーム部材
    を連結具を介して連結させることを特徴とする太陽電池
    瓦の施工方法。
  10. 【請求項10】 請求項8の太陽電池瓦を施工した屋根
    に用いられる太陽熱給湯システムであって、温水導通用
    水路体が、軒側横フレーム部材および/または固定具に
    備えられた水路空間を通って屋根上に配設されているこ
    とを特徴とする太陽熱給湯システム。
  11. 【請求項11】 請求項8の太陽電池瓦を施工した屋根
    に用いられる太陽熱給湯システムであって、温水導通用
    水路体が、左側縦フレーム部材および/または右側縦フ
    レーム部材に備えられた水路空間を通って屋根上に配設
    されていることを特徴とする太陽熱給湯システム。
  12. 【請求項12】 均熱板が太陽電池セルの裏側に備えら
    れている請求項10または11の太陽熱給湯システム。
  13. 【請求項13】 請求項8の太陽電池瓦を施工した屋根
    に用いられる太陽熱給湯システムであって、波状部分を
    有する均熱板が太陽電池セルの裏側に備えられており、
    温水導通用水路体が均熱板の波状部分に沿って配設され
    ていることを特徴とする太陽熱給湯システム。
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