JP2001193236A - 雨水貯留用継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 竪樋から取水した雨水を取水管路を介し
て貯水槽に供給する際、ゴミや枯葉が混ざった雨水を効
率よく取水し、かつ、浄化し、流水性を低下させること
がない雨水貯留用継手を提供するものである。 【解決手段】 外筒部２と内筒部３とよりなり、上端部
及び下端部に竪樋接続部２１、３２が設けられ、外筒部
２が水上の竪樋１１に、内筒部３が水下の竪樋１２にそ
れぞれ連通するように構成された雨水貯留用継手Ａであ
って、外筒部２と内筒部３とにより雨水の貯留部が形成
され、外筒部２には取水管路口２２が、内筒部３にはオ
ーバーフロー口３１がそれぞれ設けられ、外筒部２と内
筒部３との間隙部６に浸透部材７が詰め込まれて取水部
９が形成されるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、雨水貯留槽に対し
て、竪樋の中間部分に装着して竪樋内を流下する雨水を
取水して、雨水貯留槽に導入するための雨水貯留用継手
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、雨水の有効利用を目的として、竪
樋内を流入する雨水を取水して、貯留槽に導入する方法
は、種々の方法が取られている。例えば、実開平７−１
２５６１号公報に記載されている雨水取水装置が知られ
ている。この雨水取水装置は竪樋の中間部分に装着され
た集水器にて竪樋内を流下する雨水を取水して水勾配を
有する取水管路を介して貯水槽に導入する雨水取水装置
であって、取水管路の水上側近傍に取水管路と連通する
空気抜き管を上方に向けて突設せしめてなるものであ
る。

【０００３】この雨水取水装置は、竪樋内を流下する雨
水への空気の巻き込みを防ぎ、流水性を低下させず、効
率よく取水して、貯留槽に導入することができるもので
あって、簡便なものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の雨水
取水装置では、雨水に混ざってゴミや枯葉が流れてくる
と、集水器内の構造が複雑なため、集水器内でゴミや枯
葉が堆積し、流水性が低下し、堆積したゴミや枯葉を取
り除くための掃除がし難いという問題がある。

【０００５】そこで、本発明の目的は、簡単な構造で、
竪樋から取水した雨水を取水管路を介して貯水槽に供給
する際、ゴミや枯葉が混ざった雨水を効率よく取水し、
かつ、浄化し、流水性を低下させることがない雨水貯留
用継手を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するためになされたもので、請求項１の発明では、外
筒部と内筒部とよりなり、上端部及び下端部に竪樋接続
部が設けられ、外筒部の上端が水上の竪樋に、内筒部の
下端が水下の竪樋にそれぞれ連通するように構成された
雨水貯留用継手であって、前記外筒部と前記内筒部とに
より雨水の貯留部が形成され、前記外筒部の下端部には
取水管路口が、前記内筒部の上端部にはオーバーフロー
口がそれぞれ設けられ、前記外筒部と前記内筒部との間
隙部に浸透部材が詰め込まれて取水部が形成されるもの
である。

【０００７】本発明において、雨水貯留用継手の外筒部
と内筒部の材質は、適宜でよいが、軽量、腐食等の点
で、合成樹脂、中でも、ポリ塩化ビニル樹脂が好まし
い。又、浸透部材の材質は、雨水が浸透するものであれ
ば、適宜でよいが、例えば、合成樹脂製の連続発泡体や
織布、砂等でよく、軽量、腐食等の点で、合成樹脂が好
ましい。

【０００８】請求項１の発明において、外筒部と内筒部
との間で形成された間隙部に浸透部材が詰め込まれてい
るが、この浸透部材が筒状で一体ものでない場合は、浸
透部材にゴミや枯葉に堆積した時、浸透部材を取り出し
て掃除するが、外筒部を上げて、外筒部から内筒部を抜
き出すと浸透部材が内筒部に入るため、内筒部の外周部
分にさや管を設けておくと、浸透部材が内筒部に入るの
を防ぐことができるので、好ましい。

【０００９】請求項１の発明において、外筒部の上端部
の竪樋接続部と上側竪樋の接続は、嵌合接続にし、上下
方向に摺動自在にしておくと、簡単に浸透部材を取り出
して掃除することができるので、好ましい。又、内筒部
の下端部の竪樋接続部と下側竪樋の接続は、接着剤等で
固定接続をしておくと、竪樋の中間部分でしっかりと装
着できるので、好ましい。

【００１０】請求項１の発明において、外筒部と内筒部
との間の取水部の長さは、雨水貯留用継手で一次貯水が
できる程度の余裕を持たせることができる大きさにして
おくとよい。又、内筒部の上端部のオーバーフロー口よ
り浸透部材の上端を下げておき、雨水を溜めることがで
きる部分を設けておくと、ゴミや枯葉が混ざった雨水を
取水部で一旦溜めることができ、雨水中のゴミや枯葉が
直接下側竪樋に流れることがないので、好ましい。

【００１１】（作用）請求項１の発明では、外筒部と内
筒部とにより雨水の貯留部が形成され、外筒部の下端部
には取水管路口が、内筒部の上端部にはオーバーフロー
口がそれぞれ設けられ、外筒部と内筒部との間隙部に浸
透部材が詰め込まれて取水部が形成されているから、上
側竪樋の内周面を伝わって雨水に混ざってゴミや枯葉が
流れてきても、大部分の雨水は内筒部の外側に流れ、外
筒部と内筒部との間で形成された間隙部に入り、効率よ
く取水でき、取水された雨水は浸透部材で浄化すること
ができ、取水管路口より排出される雨水はゴミや枯葉が
混ざらない浄化された雨水で、活用範囲が広いものとな
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図１及び図２
に基づいて説明する。図１は本発明の雨水貯留用継手の
使用状態の拡大断面説明図、図２は雨水貯留用継手の使
用状態を示す説明図である。

【００１３】図１及び図２に示すように，Ａは雨水貯留
用継手であり、この雨水貯留用継手Ａは、硬質塩化ビニ
ル製で、雨水貯留槽４に対して、竪樋１の中間部分に装
着して竪樋１内を流下する雨水を取水して、雨水貯留槽
４に導入するもので、短管状の外筒部２と内筒部３とか
らなっている。

【００１４】外筒部２は、上端部に竪樋接続部２１と、
短管状の下端部の周面に取水管路口２２と、下端に底板
２３と、この底板２３のほぼ中央部に差込孔２４とが設
けられている。この取水管路口２２には短管２５が外方
に向けて設けられている。竪樋接続部２１は、縮径され
て上側竪樋１１の外径に嵌められ、上下に移動可能にな
されている。外筒部２の中央部と下端部の径は上側竪樋
１１と内筒部３の径より太くなされている。差込孔２４
は、竪樋１の内径より小さく、内筒部３の外径とほぼ同
じになされ、内筒部３が差し込まれるようになされてい
る。

【００１５】内筒部３は、上端部にオーバーフロー口３
１と、下端部に竪樋接続部３２とが設けられている。竪
樋接続部３２は拡径されて下側竪樋１２の外径が嵌めら
れ、接着できるようになされている。内筒部３の下端部
の外周面と外筒部２の差込孔２４との間にはゴムシール
５が嵌められている。

【００１６】外筒部２と内筒部３との間に間隙部６が設
けられ、この間隙部６には浸透部材７である合成樹脂の
連続発泡体が詰め込まれ、間隙部６の上端部で浸透部材
７が詰め込まれていない部分が集水部８が設けられ、集
水部８と浸透部材７とで取水部９が形成されている。こ
の取水部９は、一次貯水ができる長さになされ、上側竪
樋１１の側壁を伝って流れてくる雨水は集水部８に入
り、浸透部材７で枯葉やゴミが混った雨水は浄化され、
外筒部２の下端部の短管２５より排出されるようになさ
れている。

【００１７】次に，この雨水貯留用継手Ａと竪樋１との
施工方法と作用を説明する。先ず、工場にて、外筒部２
に内筒部３が差し込まれ、外筒部２と内筒部３との間隙
部６に浸透部材７が詰め込まれ、内筒部３の下端部と外
筒部２の差込孔２４との間にはゴムシール５が嵌めら
れ、外筒部２の下端部の取水管路口２２に短管２５が嵌
められた雨水貯留用継手Ａを作り、出荷する。

【００１８】次に、施工現場にて、竪樋１内を流下する
雨水を竪樋１から取水する位置を決める。次に、雨水貯
留用継手Ａの長さから両端部の竪樋接続部２１、３２の
長さを差し引いた長さとほぼ同じ長さだけ竪樋１を切り
取る。

【００１９】次に、上側竪樋１１の下端部に外筒部２の
上端部の竪樋接続部２１を嵌め込んで、外筒部２を上方
に移動させる。次に、下側竪樋１２の上端部に外周面に
接着剤を塗布し、内筒部３の下端部の竪樋接続部３２を
下方にさげて、下側竪樋１２の上端部に竪樋接続部３２
を嵌め込んで接着し、上側竪樋１１と雨水貯留用継手Ａ
と下側竪樋１２とを繋ぐ。

【００２０】次に、図２に示すように、雨水貯留用継手
Ａの外筒部２の下端部の取水管路口２２に短管２５と、
雨水貯留槽４の取入口４１とをホース１０で繋ぎ、竪樋
１内を流下する雨水を取水して、雨水貯留槽４に導入す
る。

【００２１】このようにすると、外筒部２と内筒部３と
により雨水の貯留部が形成され、外筒部２の下端部には
取水管路口２２が、内筒部３の上端部にはオーバーフロ
ー口３１がそれぞれ設けられ、外筒部２と内筒部３との
間隙部６に浸透部材７が詰め込まれて取水部９が形成さ
れているから、上側竪樋１１の内周面を伝わって雨水に
混ざってゴミや枯葉が流れてきても、大部分の雨水は内
筒部３の外側に流れ、外筒部２と内筒部３との間で形成
された間隙部６に入り、効率よく取水でき、取水された
雨水は浸透部材７で浄化することができ、取水管路口２
２の短管２５より排出される雨水はゴミや枯葉が混ざら
ない浄化された雨水で、活用範囲が広いものとなる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明してきたように、請求項１の発
明では、外筒部と内筒部とにより雨水の貯留部が形成さ
れ、外筒部の下端部には取水管路口が、内筒部の上端部
にはオーバーフロー口がそれぞれ設けられ、外筒部と内
筒部との間隙部に浸透部材が詰め込まれて取水部が形成
されているから、上側竪樋の内周面を伝わって雨水に混
ざってゴミや枯葉が流れてきても、大部分の雨水は内筒
部の外側に流れ、外筒部と内筒部との間で形成された間
隙部に入り、効率よく取水でき、取水された雨水は浸透
部材で浄化することができ、取水管路口より排出される
雨水はゴミや枯葉が混ざらない浄化された雨水で、活用
範囲が広いものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の雨水貯留用継手の使用状態
の拡大断面説明図である。

【図２】本発明の一実施例の雨水貯留用継手の使用状態
を示す説明図である。

【符号の説明】

Ａ 雨水貯留用継手 １ 竪樋 １１ 上側竪樋 １２ 下側竪樋 ２ 外筒部 ２１、３２ 竪樋接続部 ２２ 取水管路口 ２３ 底板 ２４ 差込孔 ２５ 短管 ３ 内筒部 ３１ オーバーフロー口 ４ 雨水貯留槽 ４１ 取入口 ５ ゴムシール ６ 間隙部 ７ 浸透部材 ８ 集水部 ９ 取水部 １０ ホース

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外筒部と内筒部とよりなり、上端部及び
   下端部に竪樋接続部が設けられ、外筒部の上端が水上の
   竪樋に、内筒部の下端が水下の竪樋にそれぞれ連通する
   ように構成された雨水貯留用継手であって、 前記外筒部と前記内筒部とにより雨水の貯留部が形成さ
   れ、前記外筒部の下端部には取水管路口が、前記内筒部
   の上端部にはオーバーフロー口がそれぞれ設けられ、前
   記外筒部と前記内筒部との間隙部に浸透部材が詰め込ま
   れて取水部が形成されることを特徴とする雨水貯留用継
   手。