JP2001192879A - 電気銅製造用の種板成形ロールおよびそれを用いて成形された電気銅製造用の種板、ならびに該種板を用いて電気銅を製造する方法および該方法により得られた電気銅 - Google Patents

電気銅製造用の種板成形ロールおよびそれを用いて成形された電気銅製造用の種板、ならびに該種板を用いて電気銅を製造する方法および該方法により得られた電気銅

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JP2001192879A JP2000004576A JP2000004576A JP2001192879A JP 2001192879 A JP2001192879 A JP 2001192879A JP 2000004576 A JP2000004576 A JP 2000004576A JP 2000004576 A JP2000004576 A JP 2000004576A JP 2001192879 A JP2001192879 A JP 2001192879A
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Koichiro Maki
孝一郎 槙
Hiroshi Kawakami
博史 川上
Yoshiaki Ihara
義昭 井原
Yukihisa Moriya
幸久 守谷
Hidenori Sasaki
秀紀 佐々木
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変形し難い銅種板を簡単にかつ安価に製造す
ることが可能となるとともに、積み重ねた際に空隙率が
高く、かつ荷山の4隅部における高低差が少ない電気銅
を簡単かつ安価に製造することができる手段を提供す
る。 【解決手段】 粗銅アノードを陽極に、純銅製種板をカ
ソードに用いて電気分解を行い、該カソード上に銅を電
着させて電気銅を製造する方法において、表面に形成さ
れた互いに平行に形成された列状の凸部と列状の凹部の
位相が隣接する列において縦方向にずれた状態で配列さ
れ、さらに隣接する列における隣接する凸部と凹部によ
り形成されるほぼ菱形部分では相互に相対する方向に突
出して凹凸形状が形成されている電気銅製造用種板を特
徴とし、この種板を成形するための成形ロールやこの種
板を用いて得られた電気銅を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造時に変形し難
い電気銅製造用の種板を成形するためのロールおよびこ
のロールを用いて成形された電気銅製造用種板、さらに
該種板を用いて電気銅を製造する方法ならびに該方法に
より得られた電気銅に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属の電解精製あるいは電解採取に代表
される金属電解においては、アノードとカソードとなる
種板を交互に並べて電解槽に装入して電解操業を行って
いる。このような電解操業を銅の電解精製を例に採り説
明すると、種板(カソード)が精製粗銅鋳造アノードと
交互に電解槽に装入され、電解の進行につれアノードか
ら溶け出した銅がカソードの種板上に電着し製品となる
電気銅が得られる。
【0003】このような金属の電解操業においては、生
産性向上のためアノードとカソード(種板)とは、可能
な限り小さい間隔をもって電解槽内に装入され、不利益
を生じない限り高い電流密度において電解される。この
場合、アノードとカソードの間隔を狭くし過ぎると、両
極の接触、すなわちショートを起こし、電流が無駄に流
れることになり、電解効率を悪化させる。またカソード
である種板の形状が不整な場合には、ショートを起こさ
ずとも、電解槽内のアノードとカソードに流れる電流に
ばらつきが生じ、接触の頻度が大きいことはもとより、
接触しないまでも突起あるいは曲がりの存在箇所に電流
が集中するため電解槽にショート頻度が急増する。した
がって、電解槽にカソードとして装入される種板は、そ
の形状(平坦度など)が整ったものでなければならな
い。
【0004】ところで、金属電解に用いる種板には、ス
テンレスなどの母板に銅を薄く電着させて、これを母板
から剥ぎ取ることにより製造するのが一般的であるが、
電着によって作られる薄い種板では、電着歪みや金属の
母板から剥ぎ取るときに歪が生じ易く、また運搬時やハ
ンドリング時などに非常に曲がり易いことから、平坦度
の確保が困難である。このため従来は母板から剥ぎ取っ
た種板にプレスをかけて曲がりを防ぐ種々の打ち出し筋
を設けることが一般的であった。この装置で作製された
種板の形状は、例えば図8のように直線溝を折り目とし
た屏風型のジグザグ断面形状となり、このジグザグ形状
そのものが種板全体の曲がり難さに寄与していることが
分っている。しかし電着によって作られた種板は、通常
板の中央部の厚さが厚く、周辺部が薄くなっているの
で、プレスによって打ち出し筋を形成しても、スプリン
グバック現象が生じて板全体が、捻れを生じる原因とな
った。さらに種板を連続的に処理する場合、プレスによ
る方法では金型の摩耗による矯正精度の悪化や作業効率
の低下などをきたすという問題があった。
【0005】このような問題を解消するため、成形ロー
ラによる連続処理によって歪みが少なく平坦度が比較的
良好な種板を得る装置も用いられている。この装置は、
基本的には複数のワークロールを上下千鳥状に配設して
種板に繰り返し曲げを付与するローラレベラと、外周に
複数個のリング状のフランジ部を有するロールで構成し
た溝付けローラで構成されたもので、この装置に電解用
種板を順次通すことにより、ローラレベラにて一次矯正
し、また溝付けローラにて打ち出し筋を形成する方式で
ある。すなわち、この装置はローラレベラにより種板の
進行方向の内部応力を消滅させた後、複数段の溝付けロ
ーラによって種板に縦方向(種板を懸垂した状態での上
下方向)の複数本の溝を成形することによって、種板を
曲がり難くするもので、その結果連続処理によって比較
的歪みの少ない平坦度が良好な種板を得ることができる
点で優れている。しかしながら、ロールによる成形はプ
レスによるものに比較して設備投資が少なく実施し易い
方法であるものの、成形ロールで成形された種板は成形
によって付与された直線状の溝によりこれが折り目とな
り横方向にすぐ変形し易いという欠点があった。また屏
風状に折れ曲がるために吊り具を取り付け直線上に固定
した時に種板全体が歪んでしまい再度平面への調整が必
要であった。
【0006】一方、製品の電気銅は、通常10〜30枚
程度を同一方向に積重ねて積層したものを1荷造単位と
して、販売、出荷、ハンドリングされている。この1荷
造単位を「山」と呼んでいるが、例えば大型溶解炉への
電気銅の装入作業なども、この1山毎に行われている。
そして現状では図9に示す通り、同一形状の電気銅1
1、11a、11b、…11nを同一方向に積重ねてい
るため、電気銅同士が密着して相互の側面間に隙間C′
が少ないという特徴がある。このように隙間C′が少な
く空隙率が低いという特徴には、1山の見掛け密度が高
くコンパクトになるという効果があり、例えば置き場ス
ペースの縮小やハンドリング効率の向上という点では有
利となっている。
【0007】しかしながら空隙率が低いという特徴には
その反面、製品の電気銅の山の見掛けの表面積が小さい
ために、また大型溶解炉中での熱の伝播や流動を阻害す
るために、溶解速度が遅く溶解用エネルギー原単位が高
いという問題点がある。特にステンレスなどの母板に銅
を電着させて剥ぎ取って製品とする、いわゆるISA方
法などにより製造された電気銅では、電気銅1枚1枚が
薄く完全な平板状に近い形状であるので、電気銅同士が
密着し易く、上述のような問題点が顕著となり、これを
防ぐため前記した方法で製造された電気銅の一部などで
は、電気銅を1枚おきに波形状にプレスして積重ねるこ
とによって、電気銅荷造の山の中で電気銅同士が密着し
ないような対策が講じられている。その波形状にプレス
した電気銅は、通称「コルゲート電気銅」と呼ばれてい
る。このISA方法製の電気銅は、通常の純銅製のカソ
ードを使用する電解精製の方法製の電気銅と比較する
と、1枚当たりの重量が軽く、また完全な平板状である
ために電気銅同士が密着し易いという特徴があるため、
ISA方法製の電気銅を波形状にプレスすることに関し
ては、理にかなっているといえる。
【0008】一方通常の銅製の種板を使用する銅電解精
製の方法では、前述のようにローラレベラを通過させた
平板状の種板、もしくはプレス、ローラ加工により得ら
れた波形形状または溝付き種板などが使用されている。
このような種板を用いる電解精製方法製の電気銅では、
得られた電気銅が厚肉となり、波形状にプレスするため
には大型のプレス機械を必要とし、したがって設備投資
コストの増加を招くこととなる。また電気銅荷造設備の
ライン上に大型プレス機械の増設スペースが確保できな
い場合には、大型プレス機械がオフラインとなることに
よって電気銅のハンドリングのために、物流効率が悪化
して物流コストが増加することになり、合理的な対策を
採ることができなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電気
銅製造用の種板に平滑性と作業中の変形を効果的に防止
できるとともに積層した際の1山における空隙率を高め
た電気銅製造用の種板成形ロールおよびそれを用いて成
形された電気銅製造用の種板、ならびに該種板を用いて
電気銅を製造する方法および該方法により得られた電気
銅を提供することである。
【0010】
【発明を解決しようとする手段】上記目的を達成するた
め本発明の第1の実施態様に係る電気銅製造用種板成形
ロールは、電気銅製造用の種板を製造する成形ロールで
あって、その外周面に軸方向に間隔をおいた円板状のフ
ランジを設け該フランジに歯形状の成形刃を有する列状
の突起と環状凹溝とを交互に配置されたことを特徴とす
るものである。
【0011】また本発明の第2の実施態様に係る電気銅
製造用種板の製造方法は、前記した成形ロールを上下一
対に配置し、該一対の成形ロールの凸部と凹部を噛み合
わせて成形することを特徴とするもので、さらに前記一
対の成形ロールの円板状のフランジの間に電気銅製造用
の種板の厚さを超える間隔を設けて成形することを特徴
とする。
【0012】さらに本発明の第3の実施態様に係る電気
銅製造用種板は、粗銅アノードを陽極に、純銅製種板を
カソードに用いて電気分解を行い、該カソード上に銅を
電着させて電気銅を製造する方法において、表面に形成
された互いに平行に形成された列状の凸部と列状の凹部
の位相が隣接する列において縦方向にずれた状態で配列
されていることを特徴とし、さらに前記した隣接する列
における隣接する凸部と凹部により形成されるほぼ菱形
部分では相互に相対する方向に突出して凹凸形状が形成
されていることを特徴とするものである。
【0013】さらにまた本発明の第4の実施態様に係る
電気銅の製造方法は、粗銅アノードを陽極に、純銅製種
板をカソードに用いて電気分解を行い、該カソード上に
銅を電着させて電気銅を製造する方法において、前記第
3の実施態様に係る電気銅製造用種板を用いて銅を電着
させることを特徴とするものである。
【0014】またさらに本発明の第5の実施態様に係る
電気銅は、粗鋼アノードを陽極に、純銅製種板をカソー
ドに用いて電気分解を行い、銅をカソード上に電着させ
て得られる電気銅であって、前記した第3の実施態様に
係る種板をカソードとして用いて電気分解することによ
って得られ、かつ表面に凸型の歯形状の変形列と凹型の
変形列の位相が縦方向にずれた状態で交互に配列され、
さらにこれらの変形列の間において隣接する凸型と凹型
により形成されるほぼ菱形部分では相互に相対する方向
に突出して凹凸形状が形成されていることにより積み重
ねた時に相互に高い空隙率を有することを特徴とするも
のである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明で用いることができるロール
成形装置の一実施例を示す図で、(a)は全体側面図、
(b)は(a)のB−B線上の断面図、(c)は(a)
のC−C線上の断面図、(d)は(a)のD−D線上の
断面図、図2は図1の斜視図、図3は本発明で用いた種
板の一実施例の平面模式図、図4は強度比較試験の模式
図で、(a)は捩じれ変形の強度試験を示す図、(b)
は中線曲げ強度試験を示す図、(c)は対角線曲げ強度
試験を示す図、図5は本発明の第1の実施例により得ら
れた種板の概略斜視図、図6は本発明の第2の実施例に
より得られた種板を示す図で、(a)はその概略斜視
図、(b)は(a)のB−B線上の断面図、(c)は
(a)のC−C線上の断面図、図7は本発明で得られた
電気銅を積重ねた状態を示す図で、(a)は斜視図、
(b)は(a)のA−A線上の断面図、図8は従来の直
線溝の種板を示す概略斜視図、図9は従来の方法で得ら
れた電気銅を積重ねた状態を示す図で、(a)は斜視
図、(b)は(a)のA−A線上の断面図である。
【0016】本発明で用いる種板は、まずステンレスな
どの母板に銅を薄く電着させて、これを母板から剥ぎ取
り、通常の銅の電解精製方法で使用するのと同様の種板
とすることにより製造する。このようにして得られた種
板は従来、例えば本出願人が提案した特開平10−88
383号公報記載のようなローラレベラと溝付けローラ
を有する種板矯正装置で処理されていた。
【0017】一方本発明では特開平10−88383号
公報に開示した溝付けローラを、図1および図2に示す
ような縦方向に間隔をおいて平面で矩形の突起を形成で
きるように構成した一対の成形ロールにより種板を処理
したものである。すなわち一対の成形ロール1、2は両
者の外周面に対向して平行に設けられ、一方の成形ロー
ル1の外周面には軸方向に間隔をおいて複数の円板状の
フランジ1−1を、また他方の成形ロール2の外周面に
は前記フランジ1−1に対応して軸方向に間隔をおいて
複数の円板状のフランジ2−1を一体に設ける。そして
フランジ1−1の外周面には環状の凹溝1−2を設けた
フランジ1−1′と、周方向に間隔をおいて複数個(図
示の実施例では3個)の歯形状の突起1−3を設けたフ
ランジ1−1″とを交互に配設する。これに対し他方の
成形ロール2の外周面にも一方の成形ロール1のフラン
ジ1−1の位置に対応しかつ該フランジ1−1と同様の
寸法、形状のフランジ2−1を設けるが、外周面に凹溝
1−2を設けたフランジ1−1′に対応しては外周面に
周方向に間隔をおいて複数個(図示の実施例では3個)
の歯形状の突起2−3を設けたフランジ2−1″を、ま
た外周面に突起1−3を設けたフランジ1−1″に対応
しては環状の凹溝2−2を設けたフランジ2−1′をそ
れぞれ配置するとともに、突起1−3を環状の凹溝2−
2内に、また突起2−3を凹溝1−2内に嵌合せしめ
る。
【0018】なお成形ロール1、2の外周面に設けたフ
ランジ1−1と2−1の間の間隔(詳述すると例えばフ
ランジ1−1′の環状の凹溝1−2を除いた両側の外周
面と対応するフランジ2−1″の突起2−3を除いた両
側の外周面との間の間隔)は通過する種板3の厚さの1
20%以下、好ましくは種板3の厚さの100〜110
%程度とする。このような間隔とすると成形後の種板の
凸部(ないし凹部)以外の箇所は平坦面となる。このよ
うに構成された一対の成形ロール1、2間に種板3を通
過させて搬送することにより該種板3の相対する側面に
縦方向に間隔をおいて平面で矩形状の凸部4、4′を形
成することができるのである。この成形ロールによって
加工された成形後の種板3の形状の一実施例は図3およ
び図5に示す通りである。
【0019】図3の模式図において黒色の矩形は、紙面
の裏面側に突出した列状に縦方向に間隔をおいた凸部4
を、一方白抜きの矩形は紙面の表面側に突出した列状に
縦方向に間隔をおいた凸部4′を表わしているが、該凸
部4、4′は前記した通り一対の成形ロール1、2によ
り成形されているので表面側に突出した各凸部4′は裏
面側では凹部ないしは窪みとなっている。すなわち種板
3には平面で矩形状の複数の凸部4、4′が成形されて
おり、一側面側に突出した列状に縦方向に間隔をおいた
一方の凸部4と、他側面側に突出した列状に縦方向に間
隔をおいた他方の凸部4′とは、各列が相互に平行とな
り、かつ互い違いになるよう配設されており、また隣接
する各列において凸部4と凸部4′とは縦方向の位相が
ずれて設けられているものである。そして図示した凸部
4、4′は平面で矩形状となっているが、成形ロール
1、2のフランジ1−1、2−1の外周面に設けられた
突起や凹溝の形状を替えれば長円状、楕円状や円形状な
どの凸部を適宜成形することができ、また凸部4、4′
の数や該凸部の列の数も吊り手によりクロスビームに懸
垂する場合のバランスを考慮しつつ所望に応じ替えるこ
とができる。もちろん一対の成形ロール1、2に種板3
が送り込まれるタイミングは、成形ロール1、2の絶対
角度と強制的に同期させない限りランダムになるため
に、連続した1枚1枚の種板3に関して縦方向の凸部
4、4′の位置もランダムにずれて成形される。
【0020】なお図3において矢印は成形ロール1、2
の間に種板3を送り込む方向を示し、また7は電解槽内
で電気分解する際に該種板3をクロスビームに懸垂する
ために取付けられる吊り手を示す。一方成形ロール1、
2の外周面のフランジ1−1と2−1の間の間隔を種板
3の厚さの120%以上で、好ましくは種板の厚さの3
0〜150%増しの間隔とし、かつ、フランジ1−1と
2−1の外周面上の突起部1−3、2−3の高さの50
%以下とすると、図6に示すように表面に形成された互
いに平行に形成された列状の凸部4、4′の位相が隣接
する列において縦方向にずれた状態で配列され、さらに
隣接する列における隣接する凸部4、4′により形成さ
れるほぼ菱形部分8、8′(図示実施例においてはほぼ
六角状の菱形部分に形成されている)は相互に相対する
方向に突出する断面台形状の凹凸形状が形成される。
【0021】このような構成を有する種板3をカソード
として用いて電気分解して、前記カソードの両側面に電
着して得られた電気銅5、5a、5b、…5nには、そ
の一側面に種板3の凸部4、4′に対応して列状に間隔
をおいて突出部6が形成され、このような突出部6が形
成された電気銅を積重ねた際の模式図を図7に示す。図
7のように電気銅を積重ねると、各電気銅5、5a、5
b、…5nの側面間に前記突出部6によって大きな隙間
Cを得ることができる。また各電気銅5、5a、5b、
…5nにおける突出部6は各種板3に形成された凸部
4、4′の位置がランダムであることに起因してその位
置がランダムであるために前記大きな隙間Cを常に確保
することが可能となる。なお前記種板3の凸部4、4′
の高さは種板3の厚さや材質などにより異なるが、製品
の電気銅の積重ねて積層した時の空隙率から一般的には
2mm以上とすることが好ましく、一方8mmを超えて
成形すると凸部に粒状の電着部が生成して、その部分の
不純物含有率が上昇したり電気銅の山の姿勢が安定せず
好ましくなく、また積層した電気銅の空隙率は、置き場
スペースの縮小やハンドリング効果、および溶解速度の
向上や溶解用エネルギー原単位の低下などを総合的に判
断して20〜50%程度とすることが好ましい。
【0022】
【実施例】以下本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 [実施例1]まず図1および図2に示す一対の成形ロー
ラの外周面に11のフランジを形成し、該フランジに3
個の突起と環状の凹溝を設け、かつローラ間のフランジ
の間の間隔を0.8mmとして、縦1050mm、横1
070mm、厚み0.7〜0.8mmの銅板からなる種
板を成形して図5に示すように表面に形成された互いに
平行に形成された列状の凸部と列状の凹部の位相が隣接
する列において縦方向にずれた状態で配列されている種
板Cを製造した。
【0023】[実施例2]つぎに同じく図1および図2
に示す一対の成形ローラを用いたが、ローラのフランジ
の間の間隔をそれぞれ1.2mm、1.6mmとして実
施例1と同様に種板を成形した。この成形により、図6
に示すように表面に形成された互いに平行に形成された
列状の凸部と列状の凹部の位相が隣接する列において縦
方向にずれた状態で配列され、さらに隣接する列におけ
る隣接する凸部と凹部により形成されるほぼ菱形部分で
は相互に相対する方向に突出する凹凸形状が形成されて
いる種板D、Eを製造した。そしてこの菱形部分におけ
る相互に相対する方向に突出する断面台形状の凹凸部の
高さは種板Dでは1mm、種板Eでは2mmであった。
【0024】[比較例1と2]比較のために実施例1と
同様の寸法の従来の直線溝を有する屏風型の種板Bおよ
び変形を施さない平板状の銅種板Aを用意した。変形特
性は、図4に示すように、捩じれ強度、辺に平行な中線
での曲げ強度と対角線上での曲げ強度の3種類の試験に
より観察した。また強度の評価は、それぞれの試験での
各作用点に1ニュートン(N)の力を加えてできた種板
の作用点での反り(変位)の大きさ(mm)で行った。
これらの強度の測定結果を下記する表1に示す。
【0025】
【表1】 表1より分る通り、本発明の実施例1は比較例1、2に
比べて変形量が少なく、優れた強度を有し、さらに断面
台形状の凹凸部を設けるとこれが高さにして1mmであ
ったとしても変形試験に対し著しく変形量が小さく一層
優れた強度を発揮した。
【0026】つぎに上記種板A〜Eをカソードとして、
電解槽に1槽当たり26枚装入し、電流密度238A/
、電解液流量15リットル/分、電解液温度62
℃、電解液Cu濃度50g/リットル、電解液フリー硫
酸濃度200g/リットルの条件で電解精製を行い、各
銅種板の両側面に銅を電着させて電気銅を製造した。得
られた電気銅を17枚積層して1山とした際に、図7お
よび図9に示すようにこの電気銅の1山の空隙率で特性
(電気銅積層時空隙率)を調べた。また積層した電気銅
の1山の4隅部の高さの最大高低差も併せて調べた。こ
れらの測定結果を下記する表2に示す。
【0027】
【表2】 表2から分る通り本発明によれば大きな空隙率を得られ
るとともに、電気銅の1山の4隅部の高さの最大高低差
を小さくすることが可能となった。
【0028】
【発明の効果】以上述べた通り本発明によれば、変形し
難い銅種板を簡単にかつ安価に製造することが可能とな
るとともに、積み重ねた際に空隙率が高く、かつ荷山の
4隅部における高低差が少ない電気銅を簡単かつ安価に
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いることができるロール成形装置の
一実施例を示す図で、(a)は全体側面図、(b)は
(a)のB−B線上の断面図、(c)は(a)のC−C
線上の断面図、(d)は(a)のD−D線上の断面図で
ある。
【図2】図1の斜視図である。
【図3】本発明で用いた種板の一実施例の平面模式図で
ある。
【図4】強度比較試験の模式図で、(a)は捩じれ変形
の強度試験を示す図、(b)は中線曲げ強度試験を示す
図、(c)は対角線曲げ強度試験を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例により得られた種板の概
略斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施例により得られた種板を示
す図で、(a)はその概略斜視図、(b)は(a)のB
−B線上の断面図、(c)は(a)のC−C線上の断面
図である。
【図7】本発明で得られた電気銅を積重ねた状態を示す
図で、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線上の
断面図である。
【図8】従来の直線溝の種板を示す概略斜視図である。
【図9】従来の方法で得られた電気銅を積重ねた状態を
示す図で、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線
上の断面図である。
【符号の説明】
1、2 成形ロール 1−1、1−1′、1−1″、2−1、2−1′、2−
1″ フランジ 1−2、2−2 環状凹溝 1−3、2−3 突起 3 種板 4、4′ 凸部 5、5a、5b、…5n 電気銅 6 突出部 7 吊り手 8、8′ 菱形部分 C 隙間
フロントページの続き (72)発明者 井原 義昭 愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金 属鉱山株式会社別子事業所内 (72)発明者 守谷 幸久 愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金 属鉱山株式会社別子事業所内 (72)発明者 佐々木 秀紀 愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金 属鉱山株式会社別子事業所内 Fターム(参考) 4K058 BA21 BB03 BB04 FA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気銅製造用の種板を製造する成形ロー
    ルであって、その外周面に軸方向に間隔をおいた円板状
    のフランジを設け該フランジに歯形状の成形刃を有する
    列状の突起と環状凹溝とを交互に配置されたことを特徴
    とする電気銅製造用種板成形ロール。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成形ロールを上下一対に
    配置し、該一対の成形ロールの突起と凹溝を噛み合わせ
    て成形することを特徴とする電気銅製造用種板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記一対の成形ロールの円板状のフラン
    ジ間に電気銅製造用の種板の厚さを超える間隔を設けて
    成形することを特徴とする請求項2記載の電気銅製造用
    種板の製造方法。
  4. 【請求項4】 粗銅アノードを陽極に、純銅製種板をカ
    ソードに用いて電気分解を行い、該カソード上に銅を電
    着させて電気銅を製造する方法において、表面に形成さ
    れた互いに平行に形成された列状の凸部と列状の凹部の
    位相が隣接する列において縦方向にずれた状態で配列さ
    れていることを特徴とする電気銅製造用種板。
  5. 【請求項5】 粗銅アノードを陽極に、純銅製種板をカ
    ソードに用いて電気分解を行い、該カソード上に銅を電
    着させて電気銅を製造する方法において、表面に形成さ
    れた互いに平行に形成された列状の凸部と列状の凹部の
    位相が隣接する列において縦方向にずれた状態で配列さ
    れ、さらに隣接する列における隣接する凸部と凹部によ
    り形成されるほぼ菱形部分では相互に相対する方向に突
    出して凹凸形状が形成されていることを特徴とする電気
    銅製造用種板。
  6. 【請求項6】 粗銅アノードを陽極に、純銅製種板をカ
    ソードに用いて電気分解を行い、該カソード上に銅を電
    着させて電気銅を製造する方法において、請求項4また
    は5記載の電気銅製造用種板を用いて銅を電着させるこ
    とを特徴とする電気銅の製造方法。
  7. 【請求項7】 粗鋼アノードを陽極に、純銅製種板をカ
    ソードに用いて電気分解を行い、銅をカソード上に電着
    させて得られる電気銅であって、請求項4または5記載
    の種板をカソードとして用いて電気分解することによっ
    て得られ、かつ表面に形成された互いに平行に形成され
    た列状の凸部と列状の凹部の位相が隣接する列において
    縦方向にずれた状態で配列され、さらに隣接する列にお
    ける隣接する凸部と凹部により形成されるほぼ菱形部分
    では相互に相対する方向に突出して凹凸形状が形成され
    ていることにより積み重ねた時に相互に高い空隙率を有
    することを特徴とする電気銅。
JP2000004576A 2000-01-13 2000-01-13 電気銅製造用の種板成形ロールおよびそれを用いて成形された電気銅製造用の種板、ならびに該種板を用いて電気銅を製造する方法および該方法により得られた電気銅 Pending JP2001192879A (ja)

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