JP2001189992A - スピーカ用サスペンションおよびスピーカ - Google Patents

スピーカ用サスペンションおよびスピーカ

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JP2001189992A JP37561899A JP37561899A JP2001189992A JP 2001189992 A JP2001189992 A JP 2001189992A JP 37561899 A JP37561899 A JP 37561899A JP 37561899 A JP37561899 A JP 37561899A JP 2001189992 A JP2001189992 A JP 2001189992A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コルゲーションに装着される導電部材(平編
み錦糸線)の摩擦力による磨耗を防止し、長時間大入力
に耐えるスピーカを実現する。 【解決手段】 導電サスペンションとなる導電エッジ1
Eは、エアー洩れなどを目的とする被覆剤であるゴムコ
ートRCの施された面をいずれか一方の面に有してい
る。このゴムコートRCの塗布された面とは反対側の面
に、平編錦糸線2を装着する。なお、そのゴムコート面
Baに、制動剤としてのダンプ剤DPを塗布し、そのダ
ンプ剤DPを、コルゲーションの有する波形の谷部Va
のみに所定量を塗布するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカ用サスペ
ンションおよびそのサスペンションを採用したスピーカ
に関する。
【0002】
【従来の技術】スピーカの配線工数を削減する目的で、
サスペンション部分に形成される波形状のコルゲーショ
ンの波形の凹凸に沿うように導電体を装着した導電サス
ペンションが従来から種々提案されている。しかし、こ
れらの導電サスペンションは一般的に実用性に乏しい。
【0003】現在、実用に耐え得るものとしては、平編
錦糸線を採用し、この平編錦糸線を織布などからなる基
布に縫着し、この平編錦糸線の縫着された基布を熱圧成
型してなる導電サスペンションが知られている(特許第
2671140号)。この特許第2671140号の導
電サスペンションは、すでに大量に生産され完全に実用
化されていることは周知のところである。
【0004】さらに、このような導電サスペンションの
技術を応用し、スピーカの振動板外周部に装着され、一
般的にエッジと称されているサスペンション部分のコル
ゲーションなどに導電体を装着した導電エッジも提案
(実開平4−36399)されていることも周知であ
る。しかも、この導電エッジを用いた反発平面スピーカ
もすでに提案(特開平6−284499)されている。
【0005】このような導電エッジを用いた反発平面ス
ピーカ、特に耐入力が以前の40W仕様のものから2倍
の80W仕様へと性能向上させた大入力用の反発平面ス
ピーカを主な従来例として以下に説明する。
【0006】スピーカの振動板3の基本構造は、図6
(a),(b)に示されるように、硬質発泡ウレタンの
コア材3Cをスキン材3S1,3S2で上下より挟み込
んだサンドイッチ構造となっている。スキン材3S1,
3S2は、ボイスコイル4のボイスコイル外周部41
(図7、図8参照)に直接接着され、きわめて重要な熱
回路構成部品となる。このため、熱伝導効率の向上を図
る目的で、スキン材3S1,3S2は、厚さ0.2mm
のアルミニウム板をプレス成形し、外周部をトリミング
し所定外形寸法に整えられたものとなっている。
【0007】このようなスキン材3S1,3S2の中央
部には、深さ2.2mm、φ36mmの凹部3SDがそ
れぞれ設けられている。なお、図6(a)は、コア材3
Cをスキン材3S1,3S2で挟み込む前の状態を示す
ものである。
【0008】そして、スキン材3S1,3S2それぞれ
の凹部3SDの底部は、平面になっており、それぞれの
凹部3SDの外周部から30度斜めの立上がり部12が
設けられている。スキン材3S1,3S2でコア材3C
を挟み込んで接着すると、図6(b)に示す様な断面形
状となる。
【0009】そして、さらに、その凹部3SDをボイス
コイル4に装着するために、図6(c)に示すように、
プレスによる抜き加工にて、φ34.3mmの孔Moを
あけ、不要部分Uを切除すると、結果的に孔Moの外周
側に幅0.85mmの平坦部H1(詳細は図6(d)の局
部X1の拡大図参照)が残る。このようにして振動板3
が形成される。
【0010】さらに、図6(d)に示すように、この振
動板3の外周部に、後述する導電エッジ1Eが貼り合わ
せられる。そして、この振動板3には、図7に示すよう
な手順でボイスコイル4が取り付けられる。
【0011】このボイスコイル4は、絶縁層がコートさ
れた後、さらに、耐熱ワニス(通称、SVワニスと呼ば
れているワニス)がコートされた導体径0.28mmの
コイル線材を用い、コイル内径30mm、巻き幅約12
mm、6層巻きで、かつ、2本のコイル線材を同時並行
に巻き付けた通称パラ巻き構造のコイルで、各々のコイ
ルは直流抵抗が約3.2Ωとなっている。このボイスコ
イル4と一般のスピーカ用ボイスコイルとの相違点は、
磁気効率の向上および振動系重量軽減の目的でボビンレ
ス構造を用いている点にある。
【0012】このボイスコイル4に振動板3を取り付け
る際は、図7のように、組み立て治具Jを用い、ボイス
コイル4を治具Jのコイル設置部J1に挿入したあと、
振動板3のボイスコイル装着用孔Moをボイスコイル外
周部41に挿入することで、振動板3およびボイスコイ
ル4が正規の位置にセットされる。つまり図7で示すよ
うに、振動板3の厚さ方向の中心線上にボイスコイル4
の巻幅方向の中心線を重ねた位置で、ボイスコイル4の
上端部及び下端部は振動板3を構成するスキン材3S
1,3S2の表面からそれぞれ等しい距離に配置され
る。
【0013】このボイスコイル4と振動板3との接続部
分を図7における局部X2の拡大断面図にて説明する。
ボイスコイル外周部41の上下方向ほぼ中央部にはスキ
ン材3S1,3S2の平坦部H1が当接した状態とな
る。そして、ボイスコイル外周部41と、振動板3の平
坦部H1および斜め立上がり部12により、ボイスコイ
ル外周部41部分には、溝部Vが全周にわたり構成され
る。
【0014】この溝部Vは当然のことながら平坦部H1
によって上下に分けられるため、振動板3の裏面側にも
構成される。つまり、図7における局部X2の拡大断面
図からもわかるように、上下2個所に溝部Vが設けられ
た構造となり、このような組み立て状態にて、溝部Vお
よびボイスコイル外周部41の上端近傍にアクリル系接
着剤G(約0.38g)を均一に塗布し、さらに、コイ
ルキャップ5を装着する。
【0015】このコイルキャップ5は、板厚0.2mm
のアルミニウム板をプレス成型したものでフランジ付き
のほぼ筒形状をなしており、筒部5aの内径はボイスコ
イル外周部41に挿入可能な寸法(34.3mm)で筒
部5aの高さは約4mmである。
【0016】さらにその断面図(Kで表す)で示すよう
に、筒部5aの片方の端部は内径側に折れ曲がった形状
になっており、他方の端部は外側に折れ曲がった形状に
なっている。このように、筒部5aの両端にフランジ部
を有し、一方のフランジ(以下、内フランジ5bと記
す)は内径が31.5mmで、他方のフランジ(以下、
外フランジ5cと記す)は外径が44.1mmとなって
いる。そして、ボイスコイル4の稼動時の逆起電力発生
を防ぐ目的でコイルキャップ5の内フランジ5b、外フ
ランジ5cおよび筒部5aを直線的に切り欠いたスリッ
トSLが設けられている。
【0017】このようなコイルキャップ5の筒部5aを
ボイスコイル外周部41に挿入し、外フランジ5cが振
動板3(スキン材3S)の表面平坦部3SFに接触する
まで押し下げると、ボイスコイル4の上端、内フランジ
5b、ボイスコイル外周部41、コイルキャップ5の筒
部5aの内壁、さらには図7の局部拡大図X2で示す溝
部Vが接着剤Gで充填された状態となる。さらに、外フ
ランジ5cの底面部とスキン材3S1の表面平坦部3S
Fの接触部に接着剤Gが廻り込み、外フランジ5cに設
けた斜部とスキン材3S1の表面に均一に接着剤Gがは
み出す。図8(a)はその様子を示すものである。
【0018】この状態で所定時間が経過すると接着剤G
が硬化しボイスコイル4、コイルキャップ5、スキン材
3S1(振動板3)が相互に接着され固定される。そし
て、このように、ボイスコイル4に振動板3が取り付け
られたのち、一旦、組み立て治具Jより抜き取り、それ
を裏返して、再び、組み立て治具Jにセットする。
【0019】その後、表側同様に裏側の各部に接着剤G
を均一に塗布し、コイルキャップ5を装着し接着剤Gの
硬化後、組み立て治具Jより抜き取ると、図8(b)に
示すように、ボイスコイル4とコイルキャップ5と振動
板3が接着結合される。この図8(b)の状態のものを
振動系部品40と呼ぶことにする。図8(b)における
局部X3の拡大図は、ボイスコイル4とコイルキャップ
5と振動板3が接着結合された状態を詳細に示すもので
ある。
【0020】このような振動系部品40を用いること
で、図9に示すような反発磁気回路RMを有した反発平
面スピーカとなる。すなわち、円板状あるいはリング状
(図9の例ではリング状)の厚さ方向に垂直に着磁した
2個のマグネットRM1,RM2を用い、これら2個の
マグネットRM1,RM2の同極同志(この場合は、N
極同志)を向かい合わせて反発するように配置し、か
つ、その同極面で軟磁性材からなるプレートRM3を挟
持する(図9における局部X4の拡大図参照)。そし
て、反発する磁気をそのプレートRM3中に誘導せし
め、かつ、その磁気をプレートRM3の外周部方向に流
してプレートRM3の外側部に一定の磁束を発生させる
反発磁気回路を形成する。さらに、そのプレートRM3
の外周部に一定のクリアランスを持って前述したボイス
コイル4を配置する。
【0021】次に、前述の導電エッジ1Eについて説明
する。
【0022】この導電エッジ1Eは、中空円盤形状をな
し、その断面形状は図6〜図9に示すような形状であ
る。そして、内径が94mmで該内径より中空部中心方
向に向かい約4mmの平坦部H2が設けられ、この平坦
部H2は振動板3の外周部との貼り代部である。その断
面形状の概略を図6(d)により説明すると、振動板3
に対する貼り代部(平坦部H2)に続いては同心円的な
波形状を有するコルゲーション11が形成されている。
このコルゲーション11のピッチは、6mm、コルゲー
ション11の高さおよび深さは、中心線L0より2.2
5mmで、コルゲーション11の頂部および底部は、半
径約2mmで結ばれている。
【0023】このような導電エッジ1Eの製造工程を図
10、図11により説明する。導電エッジ1Eを構成す
るエッジ用基材は、まず経糸および緯糸ともに、たとえ
ば16番手、1本撚りのポリエステルと綿の混紡糸を用
い、織り密度が縦55本/インチ、横50本/インチで
織り、重量100g〜110g/Mの綿布を得る。こ
の綿布にフェノール濃度24%の樹脂溶液を含浸し、さ
らにNBR、SBR等の合成ゴムを混合した溶液をいず
れか一方の面側にコートしたゴムコートを形成し、さら
に、そのゴムコートを施した織布に温風乾燥を施した
後、そのゴムコート施した織布をスリッタにて所定幅に
切断し、一般的に多用されているゴムコートエッジ基布
Bを得る。
【0024】このようなゴムコートエッジ基布Bには、
そのゴムコート面Ba側にボイスコイル4への電源供給
用の2本の平編錦糸線2が装着される。この平編錦糸線
2は、図10(a)の局部X5の拡大図に示したように
コーネックス#40と称される糸2wにて該ゴムコート
エッジ基布Bに縫いつけられている。
【0025】なお、2本の平編錦糸線2は、図10
(a)からもわかるように、中心線Q0から間隔d(d
=約15mm)を置いて、中心線Q0と平行な線Q1,
Q2(線Q1,Q2のピッチ約30mm)上に縫い付け
られている。この平編錦糸線2は、母線径0.1mmの
カドミウム(Cd)合金銅線を巾0.3mm、厚さ0.
02mmの箔に加工し、40番手2本撚りのメタ系アラ
ミド繊維に約40±4回/cmで1層にて巻き付けた錦
糸線とし、さらにその錦糸線を17本組にして平編状に
編んだものである。
【0026】その平編錦糸線2が縫着されたゴムコート
エッジ基布Bを熱圧成型するが、熱圧成型用の金型温度
は約200℃、圧力約600Kg(軸出力)、プレス時
間は約5秒で、一般的なエッジ成型方法と何ら変わりな
い。熱圧成型工程を経ると、ゴムコートエッジ基布Bに
含浸したフェノール樹脂等が硬化しこのゴムコートエッ
ジ基布Bの所定位置に所定形状のコルゲーション11が
成型される。成型後にその成型金型より平編錦糸線2付
きのゴムコートエッジ基布Bの成型品を取り出すと、図
10(b)に示すように、2本の平編錦糸線2がコルゲ
ーション11の波状の凹凸に沿った状態となる。
【0027】この図10(b)のような2本の平編錦糸
線2が所定位置に装着されたゴムコートエッジ基布Bを
トリミング工程に移行させる。そして、まず、図11
(a)の内側の破線部Z1と外側の破線部Z2で切断す
ることによって、内側部及び外側部の不要部分を切除し
て、図11(b)に示すように導電エッジ1Eとして完
成させる。この際、事前にトリミング用の抜き金型を作
製し、図11(a)に示される2本の平編錦糸線2が所
定位置に装着されたゴムコートエッジ基布Bを抜き金型
に設置し、プレス加工を施すことにより不要部分を切除
し、図11(b)に示すような所望の導電エッジ1Eを
得る。
【0028】このような導電エッジ1Eが振動板3の外
周部に接合されることによって、前述したように、ボイ
スコイル4などを含めて振動系部品40が形成される。
なお、その断面形状は図6〜図9で示されている。
【0029】また、導電エッジ1Eの内周部側(ボイス
コイル4側)に延出された平編錦糸線2は、ゴムコート
エッジ基布Bを介して振動板3の表面スキン材3S1表
面に接着され、その平編錦糸線2の延出先端部はボイス
コイル外周部41近傍の所定位置に配置される。そし
て、このボイスコイル外周部41側にまで延出された平
編錦糸線2の延出先端部は、ボイスコイル4の電源供給
線の端部(図示せず)と半田付けにて配線結合され、そ
の半田付け部は補強用接着剤にて覆われている。
【0030】一方、平編錦糸線2の導電エッジ1E外周
部側の端部は、ボイスコイル4に装着された振動板3
が、図9に示されるようにスピーカフレームFの所定位
置に装着された後、電源供給用端子ラグ(図示せず)と
接続配線されている。つまり、導電エッジ1Eの外周部
がスピーカフレームFのフランジ部に接着にて装着され
た後、電源供給用端子ラグがスピーカフレームFのフラ
ンジ部にビス等にて装着される際、その電源供給用端子
ラグの一部を平編錦糸線2の端部に圧接することで接続
配線をなしている。
【0031】このような状態のスピーカは、振動板3よ
り突き出した状態となっているボイスコイル外周部4
1、すなわち、熱伝導率の悪い大気中に露出したボイス
コイル外周部41に、コイルキャップ5を装着すること
となる。この結果、ボイスコイル4の放熱効率を格段に
向上させ、従来のスピーカの有する耐入力性能(40
W)に比べ2倍以上(80W以上)の信号を入力して
も、ボイスコイル4の温度上昇をボイスコイル4の有す
る耐熱温度(約250℃〜270℃)以内に抑えること
が可能となり、ボイスコイル線の断線等が皆無となって
正常に作動する反発平面スピーカとなる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような反
発平面スピーカに80Wの入力信号を連続印加すると、
32〜40時間程経過した時点に於いて、ボイスコイル
4自体はスピーカを駆動するに充分な正常状態を維持し
ているが、その導電エッジ1Eに装着した平編錦糸線2
を構成する錦糸線の銅箔にクラックが発生し、最終的に
その平編錦糸線2が断線し、動作不能状態になる場合が
あることが確認された。
【0033】また、長時間連続印加したスピーカを分析
調査したところ、装着した平編錦糸線2を構成している
銅箔の数カ所にクラック発生が確認され、その後さら
に、該クラック発生のスピーカに80Wの入力信号を連
続印加したところ、数時間後〜12時間以内に疑似断線
状態に陥ることが確認された。擬似断線状態になると数
時間後に断線することが経験から容易に想像でき、さら
なる改良が要望された。
【0034】前記従来の反発平面スピーカを観察してみ
ると、まず平編錦糸線2は、ゴムコートエッジ基布Bの
ゴムコート面Ba側に装着されたものであった。すなわ
ち、図10で説明したように、ゴムコートエッジ基布B
のいずれか一方の表面にゴムコートが施され、そのゴム
コートが施された面(ゴムコート面Ba)側に平編錦糸
線2が装着されている。そこで、このような導電エッジ
1Eに装着された平編錦糸線2を構成している銅箔のク
ラック発生個所を調査したところ、図12(a)に示さ
れるように、クラック発生近傍は、平編錦糸線2の表面
が薄黒く変色(この変色部分をTで示す)していた。
【0035】また、図12(b)で示すように、平編錦
糸線2を縫着している糸2wを切断し、装着されていた
平編錦糸線2をコルゲーション11より外して、子細に
観察したところ、局部X7の拡大図で示されるように、
ゴムコート面Baにおいてゴムコートが削除されている
箇所(以下、コート削除部RGと記す)が発見された。
【0036】検証を進めた結果、このコート削除部RG
と平編錦糸線2の銅箔クラック発生箇所とが合致するこ
とが確認され、さらに、平編錦糸線2の薄黒く変色した
部分Tをトルエン等の溶剤を含ませた布にて拭くと、該
変色部Tは正常な表面状態に戻り布側に黒い汚れが付着
することが確認された。
【0037】以上の事象から、連続的に振動板3が大振
幅移動すると、導電エッジ1Eを構成するコルゲーショ
ン11も追従変形し、当然の如く、平編錦糸線2も追従
移動する。したがって、その移動時に平編錦糸線2とコ
ルゲーション11のゴムコート面Baとの密着部に摩擦
力が発生する。一般的に、ゴムは摩擦力が大きいことが
知られており、その摩擦力が銅箔にクラックを発生させ
る要因と推察した。
【0038】平編錦糸線2を構成する銅箔自体が非常に
薄いため曲げに対して柔軟性があると共に、該銅箔を芯
糸に巻き付ける構造を有することで、平織錦糸線2が極
めて優秀な耐屈曲性能を有する導電線であることは周知
の所である。この平編錦糸線2は、さらに、平織錦糸線
2に屈曲運動が加えられる際、銅箔が可動することで該
銅箔に加わる変形力を分散していることも高耐屈曲性能
を有する理由として掲げられている。
【0039】前述の銅箔の可動性が装着面の摩擦、すな
わち、ゴムコート面Baとの摩擦により制限され、銅箔
にクラックが発生して該クラックの破断箇所がゴムコー
ト面Baを削り取ったか、銅箔自身が最初からゴムコー
ト面Baを削り取ったかは定かではないが、いずれにし
ても削り取られた微細なゴム滓が平編錦糸線2の表面、
すなわち、銅箔表面に付着したものと結論付けた。
【0040】このような問題点に対応するため、図13
に示すような導電エッジ1Eを作成した。この導電エッ
ジ1Eは、ゴムコート処理の施されていないエッジ用基
布(これをB1で表す)に平編錦糸線2をその裏側に装
着し、その表面(平編錦糸線2の装着された面と反対側
の面)B11の全面に、振動を制御するための制動剤と
してのダンプ剤DPを塗布したものである。
【0041】この導電エッジ1Eは、エッジ用基布B1
にゴムコートを省くことで、導電エッジ1Eに於けるゴ
ムコートの分だけの重量が付加されない。したがって、
ダンプ剤DPを塗布しても該ダンプ剤DPの塗布重量と
ゴムコートの重量がほぼ相殺されるため、振動系部品4
0に於ける重量増加にはならないため、音圧レベルの低
下は免れ、しかもゴムコート分のコンプライアンス成分
が差し引かれるので、所期の最低共振周波数を維持し、
設計性能を満たすと思われたが、次のような欠点が見出
された。
【0042】以下説明すると、ゴムコートを施していな
いコルゲーション11の全面(平編錦糸線2の装着され
た面と反対側の面B11)にダンプ剤DPを塗布する
と、ダンプ剤DPはエッジ用基布B1の織布の目を通じ
て反対側に滲み出すが、当然の如く、滲み出たダンプ剤
DPはエッジ用基布B1の裏側に装着された平編錦糸線
2に付着する。特にダンプ剤DPを塗布した側のコルゲ
ーション谷部Vaは、塗布されたダンプ剤DPが自重で
その谷部Vaに溜まるので、最終的に図13の局部X8
の拡大断面図に示すように、谷部Vaの裏面、すなわ
ち、平編錦糸線2が装着された側の面の山部Mtに滲み
出て、ダンプ剤DPが平編錦糸線2を覆うような状態に
陥る箇所も発生する。
【0043】平編錦糸線2が極めて優秀な耐屈曲性能を
有する導電線である理由として銅箔自体が曲げに対して
柔軟性があり、しかも芯糸に巻き付けた銅箔が可動する
ことで該銅箔に加わる変形力を分散していることは既に
述べたとおりである。しかし、図13に示すようにエッ
ジ用基布B1の織り目から滲み出したダンプ剤DPが平
編錦糸線2に付着すると、当然、平編錦糸線2を構成す
る銅箔に付着することになり、銅箔がエッジ用基布B1
に固着、若しくは半固着された状態になり、銅箔(平編
錦糸線2)の有する柔軟性と可動性を妨げることにな
る。
【0044】その結果、コルゲーション11に装着され
た平編錦糸線2の断線が早期に発生し、性能が低下した
スピーカとなるおそれがある。具体的に記すと、たとえ
ば、80Wの入力信号を連続印加した状態で少なくとも
100時間以上断線せずに基本性能を維持することが可
能なスピーカがあるとした場合、図13のような仕様と
すると、100時間経過する前に平編錦糸線2が断線す
ることが懸念される。
【0045】ダンプ剤Dが平編錦糸線2に付着しないよ
うにする対応策として、織布の織り目からダンプ剤DP
が滲み出さない塗布量で数回にわたってダンプ剤DPを
塗布する方法(一般的に重ね塗りと称されている塗布方
法)で塗布し、該ダンプ剤DPが乾燥し、エッジ用基布
B1の織り目をシーリング(目止め)した後、その導電
エッジ1Eを制動するに適したダンプ剤DPの量を塗布
する方法も考えられる。
【0046】しかし、当然のことながら、この手法はダ
ンプ剤DPの塗布回数が必然的に増加することとなる。
しかも、ダンプ剤DPを塗布する度に、そのダンプ剤D
Pの乾燥時間も必要となるので、塗布工程に於ける工数
が大幅に増加し、その結果製造コストも増加する欠点を
有することになり、現実的な製造方法とはいえないもの
となる。
【0047】そこで本発明は、導電エッジに装着する平
編錦糸線の装着の仕方やダンプ剤の塗布方法を工夫する
ことで、従来の反発平面スピーカの性能と信頼性をより
一層向上させることを可能とし、具体的な成果として8
0Wの入力信号を連続印加した状態で、少なくとも15
0時間以上断線せずに基本性能を維持することを可能と
するスピーカ用サスペンション構造及びスピーカを提供
することを目的とするものである。
【0048】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明のスピーカ用導電サスペンション構造
は、同心円的な波形状をなすコルゲーションが形成さ
れ、このコルゲーションを横切る方向でかつそのコルゲ
ーションの波形の凹凸に沿った状態で、ボイスコイルに
対する電源供給用の平編錦糸線が装着されてなる中空円
盤状の導電サスペンションを有するスピーカ用サスペン
ションにおいて、導電サスペンションはエアー洩れある
いはダンピング調整などを目的とする摩擦係数大の材質
からなる被覆剤の施された面をいずれか一方の面に有
し、この被覆剤の塗布された面とは反対側の面、すなわ
ち、被覆剤の塗布されていない面に平編錦糸線を装着す
るようにしている。
【0049】そして、被覆剤の塗布された被覆剤塗布面
には、コルゲーションの振動を制御するための制動剤が
塗布するのが好ましい。
【0050】さらに、この制動剤は、コルゲーションの
有する波形の凹部のみに所定量を塗布するのが好まし
い。
【0051】また、本発明のスピーカは、円板状あるい
はリング状の厚さ方向に垂直に着磁した2個のマグネッ
トを用い、これら2個のマグネットの同極同志を向かい
合わせて反発するように配置し、かつ、その同極面で軟
磁性材からなるプレートを挟持し、このプレート中に前
記同極同志の向かい合わせにより反発する磁気を誘導せ
しめ、かつ、その磁気をプレート外周部方向に流してプ
レートの外側部に一定の磁束を発生せしめる磁気回路を
有し、さらに、プレートの外周部にそのプレートに対し
一定のクリアランスを持ってボイスコイルを配置し、こ
のボイスコイル外周部に平板形状を有する振動板を装着
してなるスピーカにおいて、そのスピーカ用サスペンシ
ョンとしては、次のようなサスペンションを採用してい
る。
【0052】すなわち、同心円的な波形状をなすコルゲ
ーションが形成され、このコルゲーションを横切る方向
でかつそのコルゲーションの波形の凹凸に沿った状態
で、ボイスコイルに対する電源供給用の平編錦糸線が装
着されてなる中空円盤状の導電エッジを有するスピーカ
用サスペンションにおいて、導電サスペンションはエア
ー洩れあるいはダンピング調整などを目的とする摩擦係
数大の材質でなる被覆剤の施された面をいずれか一方の
面に有し、この被覆剤の塗布された面とは反対側の面、
すなわち、被覆剤の塗布されていない面に平編錦糸線を
装着するようにしている。
【0053】そして、被覆剤の塗布された被覆剤塗布面
には、コルゲーションの振動を制御するための制動剤を
塗布したり、この制動剤を、コルゲーションの有する波
形の凹部のみに所定量を塗布するようにしている。
【0054】
【発明の実施の形態】本発明における実施の形態を図1
〜図5にて説明するが、本発明の要旨を説明する前に、
まず、本発明が適用される反発平面スピーカについて説
明する。この反発平面スピーカは、コルゲーションに平
編錦糸線を装着したいわゆるシングルサスペンションの
導電エッジを使用したものである。この導電エッジは、
従来例(図6〜図13)で説明した形式のものとは異な
り、平編錦糸線の装着の仕方に特徴がある。まず、本発
明が適用される反発平面スピーカの導電エッジについて
説明し、その後に、本発明の要旨について説明する。
【0055】この実施の形態で示される導電エッジ1E
は、多くの部分が図6〜図13で説明した従来の導電エ
ッジ1Eを用いた反発平面スピーカ(以下では単に従来
例と記す)と同じであるので、共通部品の符号は図6〜
図13と同一としている。この実施の形態で示される導
電エッジ1Eは、その導電エッジ1Eへの平織錦糸線2
の装着の仕方以外、導電エッジ1Eおよび平編錦糸線2
の材質、あるいはその成形方法など殆ど従来例(図6〜
図12)と同様である。
【0056】図1は、本発明が適用される導電エッジ1
Eについて説明する図であるが、基本的には従来例であ
る図10及び図11で説明したのと同様の手順で製造さ
れる。図1(a)に示されるように、従来と同様のゴム
コートエッジ基布Bに従来と同様の平編錦糸線2(17
本組)を従来と同様の位置に平行に縫い付ける。さらに
その平編錦糸線2が縫着されたゴムコートエッジ基布B
を従来例と同様に熱圧成型する。
【0057】その熱圧成型によってコルゲーション11
が成型され、2本の平編錦糸線2を所定位置でかつコル
ゲーション11に沿った状態に装着せしめたものをトリ
ミング工程に移行し、内側の破線部Z1と外側の破線部
Z2で切断する。この切断によって、内側部及び外側部
の不要部分を切除して、図1(b)に示すように導電エ
ッジ1Eとして完成させる。
【0058】このように、基本的には従来例と殆ど同じ
であるが、平編錦糸線2の装着の仕方が異なり、これに
ついて以下に説明する。
【0059】図2(a)は図1(b)と同じ状態、つま
り、不要部分を切除して、導電エッジ1Eとして完成さ
せたものであるが、この図2(a)の局部X9を拡大し
て示す斜視図(図2(b))で示すように、平編錦糸線
2の装着される箇所のコルゲーション11の凹凸の高さ
と深さを大きくしてある。
【0060】すなわち、導電エッジ1Eの中心を通る線
Q0を中心にしてその両側対称位置に線Q0から間隔d
(d=約15mm)を置いて線Q0と平行な線Q1,Q
2(線Q1,Q2のピッチ約30mm)上に、従来のコ
ルゲーション11より大きなコルゲーション(大コルゲ
ーション部11Lという)を部分的に設けてある。な
お、この大コルゲーション部11Lの幅Wは約7mmで
ある。
【0061】この大コルゲーション部11Lと、他の位
置に設置される従来のコルゲーション11(これを小コ
ルゲーション部11という)の相違点を解り易くするた
め、大コルゲーション部11Lと小コルゲーション部1
1の断面形状を重ねて図示したものが(図2(c))で
あり、この図2(c)を用いて説明する。
【0062】図2(c)の実線で示したものが大コルゲ
ーション部11Lで、破線で示したものが従来のコルゲ
ーション11で本発明においては小コルゲーション部1
1となる。なお、本発明の導電エッジ1Eも従来例同
様、その形状は中空円盤形状をなし、中空部の内径が9
4mmで該内径より中空部中心方向に向かい約4mmの
平坦部H2が設けられ、この平坦部H2は振動板3の外
周部との貼り代部である。この張り代部は、平編錦糸線
2が装着される大コルゲーション部11Lにも、平編錦
糸線2が装着されない小コルゲーション部11にも同様
に設けられる。
【0063】そして、この貼り代部(平坦部H2)に続
いては同心円的な波形状を有する小コルゲーション部1
1が形成され、かつ、部分的(線Q1,Q2上)には大
コルゲーション部11Lが形成される。なお、小コルゲ
ーション部11のピッチは、従来例と同様、6mm、小
コルゲーション部11の凹凸の高さおよび深さは、中心
線L0より上下に2.25mmで、小コルゲーション部
11の頂部および底部は、半径約2mmで結ばれてい
る。一方、大コルゲーション部11Lのピッチは、6m
m、大コルゲーション部11Lの凹凸の高さおよび深さ
は、中心線L0より上下に3.2mmに振り分けられ、
大コルゲーション部11Lの頂部および底部は、約1.
8mmの半径で結ばれている。
【0064】このような作製工程を経ると、当然のこと
ながら、大コルゲーション部11L上に沿った状態で平
編錦糸線2が縫着にて装着された導電エッジ1Eとな
る。この導電エッジ1Eを従来例と同様に振動板3に接
合し、ボイスコイル4側に及んだ平編錦糸線2端部とボ
イスコイル4とを半田付けにて配線結合し、さらに従来
例と同様、ボイスコイル4に取り付け済みの振動板3を
スピーカフレームFの所定位置に接着する。そして、入
力用端子ラグ及びスピーカフレームFのフランジ部に配
された平編錦糸線2端部の接続配線など、所定の工程を
経て図3に示すような反発平面スピーカとして完成させ
る。
【0065】この図3の基本的な構造は図7と同じであ
り、同一部品には同一符号が付されている。なお、図3
は、この本発明の反発平面スピーカが鳴動動作をした場
合の振動系(導電サスペンション構造)の動作(導電エ
ッジ1Eのフルストローク状態における動作)を説明す
る図であり、これについて以下に説明する。
【0066】導電エッジ1Eが上下方向のフルストロー
ク状態となると、振動系は図3の状態T1および状態T
2のようになる。このように、導電エッジ1Eが上下方
向のフルストローク状態となると、図3における局部X
10の拡大断面図(図3の上部参照)と、図3における
局部X11の拡大断面図(図3の下部参照)に示すよう
に、断面長の短い小コルゲーション部11が突っ張った
状態、つまり、図3の各拡大図で示す斜め直線状態(破
線部)に陥るが、断面長が長い大コルゲーション部11
Lは余裕を残した形態を保つことが可能となる。これに
よって、大コルゲーション部11Lの表面に沿った状態
にて平編錦糸線2が装着されている平編錦糸線2が突っ
張る状態となることは殆どなくなる。
【0067】このように、スピーカのサスペンション構
造がシングルサスペンションであるにもかかわらず、導
電エッジ1Eがフルストローク状態に陥っても、小コル
ゲーション部11が必然的にストッパ機能を発揮し、大
コルゲーション部11L上に装着された平編錦糸線2の
突っ張り状態を防止することができる。すなわち、導電
エッジ1Eそのものにフェイルセーフ機能を付加させた
構造となり、実際に本発明の構造の反発平面スピーカに
80Wの入力信号を100時間連続的に印加し続けて
も、導電エッジ1Eに装着した平編錦糸線2は断線する
ことなく基本性能を維持し、所望の性能を確保すること
が可能となった。
【0068】ところで、この図1から図3で説明したよ
うな本発明の導電エッジ1Eを採用した反発平面スピー
カは、従来の反発平面スピーカ(図6〜図12参照)に
比べれば、性能的にも優れたものとすることができる
が、これに以下に示すような改良を加えることによっ
て、より一層、優れたものとすることができる。これを
以下に説明する。
【0069】すなわち、前述した発明が解決しようとす
る課題の項ですでに述べたように、入力信号を100時
間連続印加した図1から図3の反発平面スピーカを分析
調査したところ、この図1から図3の反発平面スピーカ
においても平編錦糸線2を構成している銅箔の数カ所に
クラック発生が確認された。そして、該クラック発生の
スピーカに80Wの入力信号をさらに連続印加すると、
数時間後から12時間以内に疑似断線状態に陥ることが
確認された。このような現象については、図12により
説明したとおりである。なお、図1〜図3で示される導
電エッジ1Eの場合は、大コルゲーション部11Lと平
編錦糸線2との密着部分に図12で示すコート削除部R
G(ここでは図示せず)が発生した。
【0070】本発明は、このような問題点をも解決しよ
うとするものである。ここではこの実施の形態で説明さ
れた導電エッジ1E(大コルゲーション部11Lと小コ
ルゲーション部11を有し、平織錦糸線2を大コルゲー
ション部11Lに装着してなる導電エッジ)を例にして
説明する。ただし、以下に説明する手法は、大コルゲー
ション部11Lを持たない従来の導電エッジ(たとえ
ば、図6から図12で説明した導電エッジ1E)にも適
用できることは勿論である。
【0071】このようなクラック発生による問題点を解
決する手段として、銅箔が一層可動し易いように、摩擦
係数の低下を図ることが有効と判断し、第1の手法とし
て、平編錦糸線2をゴムコートエッジ基布Bに装着する
際、図4に示すように、ゴムコートRCの施されている
面とは反対側の面(非コート面Bb)に縫着により装着
する。この非コート面BbはゴムコートRCの表面(ゴ
ムコート面Ba)に比べれば遥かに摩擦係数が低い。な
お、図4の局部X12の拡大断面図に詳細な構成を示
す。
【0072】すなわち、2本の平編錦糸線2は、大コル
ゲーション部11Lのゴムコート面Ba側に装着するの
ではなく、ゴムコートRCが施された面Baとは反対側
の面(非コート面Bb)に装着されている。したがっ
て、導電エッジ1Eの製造工程において、熱圧成型が施
され、小コルゲーション部11および大コルゲーション
部11Lが成型されると、2本の平編錦糸線2は図1で
示されるのとは反対側の面(非コート面Bb)側の大コ
ルゲーション部11Lに沿った状態に装着される。
【0073】そして、さらに、導電エッジ1Eの大振幅
時に、平編錦糸線2にまで及ぶ過大変形と摩擦力を減少
させる手段として、コルゲーション11(この場合は、
小コルゲーション部11および大コルゲーション部11
Lでなる)のゴムコート面Baの全面にダンプ剤DPを
塗布することとした。このダンプ剤DPは従来より一般
的に用いられている水溶性エマルジョンタイプのものを
用いた。
【0074】スピーカのエッジ(導電エッジ1E)が大
振幅すると、エッジにディンプル形状などの局所変形が
発生したり、あるいは、エッジが特定の周波数で共振し
て変形動作することは周知のところである。このような
局所変形および共振など、すなわち、エッジの急激な歪
変形動作を防ぐ方法として、一般的にダンプ剤DPと呼
ばれる制動剤をエッジのコルゲーション11に塗布し、
歪変形動作を制動(ダンプ)することは従来の常套手段
であることも周知のところである。
【0075】したがって、導電エッジ1Eのゴムコート
面Baにダンプ剤DPを塗布すると、大振幅時に於ける
導電エッジ1Eのコルゲーション11の急激な歪変形動
作を防ぐことができる。さらに、その効果はコルゲーシ
ョン11(大コルゲーション部11L)に装着された平
編錦糸線2にも及び、当然のことながら、その平編錦糸
線2を構成する銅箔にも及ぶ。つまり、銅箔に対する急
激、かつ、過大な変形を抑止する効果が得られ、クラッ
ク発生を防止する。しかも、この過大変形抑止効果は銅
箔及びコルゲーション11の密着部の摩擦力を弱める効
果にも関与しているので、クラック発生の防止に効果が
倍増することが期待できる。
【0076】この図4で説明したようなな第1の手法に
よって、平編錦糸線2を構成している銅箔のクラック発
生防止の効果は得られるが、コルゲーション11(小コ
ルゲーション部11と大コルゲーション部11L)の全
面にダンプ剤DPを塗布するので、制動効果が大きくな
りすぎると共にダンプ剤D分の重量が増すという問題点
もある。
【0077】これをさらに改善する第2の手法を図5に
より説明する。図5の基本的な構成は図4と同じであ
る。すなわち、平編錦糸線2は、大コルゲーション部1
1Lのゴムコート面Ba側に装着されるのではなく、ゴ
ムコート面Baが施された面とは反対側の面(非コート
面Bb)側に装着されている。したがって、熱圧成型を
施し小コルゲーション部11および大コルゲーション部
11Lが成型されると、2本の平編錦糸線2は図1で示
されるのとは反対側の面(非コート面Bb)側の大コル
ゲーション部11Lに沿った状態で装着されたものとな
る。
【0078】このように、基本的な構成は図4と同じで
あるが、この図5の場合、ダンプ剤DPの塗布の仕方が
異なる。以下この点について説明する。
【0079】図5の局部X13の拡大断面図で示すよう
に、導電エッジ1Eの平編錦糸線2を装着した反対側の
面、すなわち、ゴムコート面Ba側のコルゲーション1
1(小コルゲーション部11および大コルゲーション部
11L)のそれぞれの谷部Vaのみにダンプ剤DPを塗
布している。このダンプ剤DPは図4と同様に、従来か
ら一般的に用いられている水溶性エマルジョンタイプの
ものが用いられる。
【0080】このような導電エッジ1Eを、振動系部品
40に取り付け、その導電エッジ1Eの取り付けられた
振動計部品40を反発磁気回路RMなどとともに、スピ
ーカフレームFに組立装着することで、図3に示すもの
と同様の反発平面スピーカを作製することができる。
【0081】このように、第1の手法や第2の手法によ
って作成された図1から図5の反発平面スピーカに対
し、入力信号を長時間連続印加しても、平編錦糸線2を
構成する銅箔にクラックは発見されなかった。具体的に
記すと、第1の手法や第2の手法によって作成された本
発明の導電エッジ1Eを有する反発平面スピーカに、8
0Wの入力信号を150時間以上連続印加しても、音圧
等基本性能を維持しつつ、導電エッジ1Eに装着された
平編錦糸線2は断線せずに所期の目的を達成することが
可能となった。また、導電エッジ1Eに装着されている
平編錦糸線2の状態を調べたが、平編錦糸線2を構成す
る銅箔にクラックは発見されないことがわかった。
【0082】また、この実施の形態では、ダンプ剤DP
はゴムコート面Baに塗布するようにしているので、ダ
ンプ剤DPが反対側の面、つまり、平編錦糸線2側に滲
みでることがなく、前述したような、ダンプ剤の滲みに
よる平編錦糸線2への悪影響を防止することができる。
【0083】なお、上述の実施の形態では、導電エッジ
1Eのコルゲーション11が、小コルゲーション部11
と大コルゲーション部11Lを有する導電エッジ1Eを
例にとって説明したが、これは、前述したように、コル
ゲーションに平編錦糸線を縫着してなる導電サスペンシ
ョンであればその他の導電サスペンションに適用できる
ものである。たとえば、従来技術の項で説明した図6か
ら図12に示すような導電サスペンションを有する導電
エッジや、振動板3に接続されない導電ダンパとなる導
電サスペンションにも適用できるものである。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コルゲーションのゴムコート等が施していない面、つま
り、非コート面に平編錦糸線を装着することにより、平
編錦糸線の錦糸線を構成する銅箔及びコルゲーションと
の密着部に於ける摩擦係数を小さくすることができ、こ
れによって、銅箔部にクラックを発生するのを未然に防
止するころができる。
【0085】また、コルゲーションにおける平編錦糸線
を装着した面と反対側の面、つまり、ゴムコートを施し
た側の面には、制動剤(ダンプ剤)を塗布するようにし
ている。このように、コルゲーションにダンプ剤を塗布
することによって、エッジの急激な歪変形動作を防ぐこ
とができ、大振幅時に於ける導電エッジのコルゲーショ
ンの急激な歪変形動作を防ぎ、さらにその効果はコルゲ
ーションに装着された平編錦糸線2や、その平編錦糸線
を構成する銅箔にも及ぶ。つまり、銅箔に対する急激、
かつ、過大な変形を抑止する効果となり、クラック発生
を防止することができる。
【0086】しかも、そのダンプ剤は、ゴムコート等の
被覆剤の施された面上に塗布されているので、ダンプ剤
がコルゲーションの裏側(平編錦糸線が装着された面)
側にまで滲み出ることがなくなり、それによって、ダン
プ剤(制動剤)が平編錦糸線に付着するのを防止するこ
とができる。これにより、従来のように、銅箔(平編錦
糸線)の有する柔軟性及び可動性を妨げることが無くな
り、銅箔クラックの発生防止に極めて有効なものとな
る。
【0087】さらに、そのダンプ剤は、平編錦糸線が装
着された面とは反対側、つまり、ゴムコート等が施され
た面側のコルゲーションの谷部のみに所定量だけ塗布す
るようにしている。これによって、コルゲーションの全
面に塗布するのと比較して、塗布作業が遙かに容易であ
ると共に、導電サスペンションに適度の制動効果を持た
せることが可能となる。これによって、極端なコンプラ
イアンス低下も招くこともなく所期の共振周波数を維持
することが可能となり、また、制動剤の塗布による重量
の増加も許容範囲内で済むので、従来例に見られた音圧
低下の欠点を無くすことができる。
【0088】また、このようなサスペンションを反発平
面スピーカに採用することによって、導電サスペンショ
ンに装着された平編錦糸線の耐久性を大きく向上させる
ことができる。具体的な性能として80Wの入力信号を
連続印加した状態で少なくとも150時間断線せずに基
本性能を維持することが可能となり、信頼性のあるスピ
ーカ(反発平面スピーカ)を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカ用サスペンションおよびスピ
ーカに使用される導電エッジの斜視図で、(a)は平編
錦糸線縫着済のゴムコートエッジ基布を熱圧成型した状
態を示す斜視図で、(b)は成型後にトリミング加工を
施した状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示された導電エッジの斜視図で、(a)
はトリミング加工を施し完成状態を示す斜視図で、
(b)は大コルゲーション部を示す局部拡大斜視図で、
(c)は導電エッジ拡大断面図である。
【図3】図1に示された導電エッジを用いた反発平面ス
ピーカの断面図及びフルストローク時を示すエッジ拡大
断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の第1の手法における導電
エッジの構造を示す断面図及び局部拡大断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の第2の手法における導電
エッジの構造を示す断面図及び局部拡大断面図である。
【図6】従来例における導電エッジを用いた反発平面ス
ピーカの振動板の製造過程を示す図ならびにその振動板
構造を示す断面図および局部拡大断面図である。
【図7】図6に示す導電エッジを用いた反発平面スピー
カの振動系部品の組立過程を示す図ならびに組立状態を
示す断面図および局部拡大断面図である。
【図8】図6に示す導電エッジを用いた反発平面スピー
カの振動系部品の組立完成状態直前と完成後の状態を示
す図で(a)は冶具に入った状態での完成状態を示し、
(b)は冶具から取り出した後での組立完成状態を示す
断面図および局部拡大断面図である。
【図9】図6に示す導電エッジを用いた反発平面スピー
カの断面図および局部拡大断面図である。
【図10】図6に示す導電エッジの製造過程を示す斜視
図で、(a)はゴムコートエッジ基布に平編錦糸線を縫
着した状態を示す斜視図で、(b)は平編錦糸線縫着済
の基布を熱圧成型した状態を示す斜視図である。
【図11】図6に示す導電エッジの製造過程を示す斜視
図で、(a)は熱圧成形後トリミング加工する直前の状
態を示す斜視図で、(b)は熱圧成型後トリミング加工
を施し完成状態を示す斜視図およびコルゲーション部分
に平編錦糸線が装着された状態を示す局部拡大斜視図で
ある。
【図12】従来の導電エッジに於ける平編錦糸線断線部
を示す図で、(a)はその断面図で、(b)は平編錦糸
線装着部を示す拡大斜視図及びゴムコート削除部を示す
局部拡大斜視図である。
【図13】従来例における導電エッジの問題点を解決す
るための一工夫を説明するための図で、(a)はその工
夫が施された導電エッジの構造を示す断面図及び局部拡
大断面図である。
【符号の説明】
11 コルゲーション(小コルゲーション部) 11L 大コルゲーション部 1E 導電エッジ(導電サスペンション) 1D 導電ダンパ(導電サスペンション) 2 平編錦糸線 2w 平編錦糸線縫着用糸 3 振動板 3C 振動板コア材 3S1,3S2 スキン材 3SD スキン材凹部 3SF スキン材平坦部 4 ボイスコイル 41 ボイスコイル外周部 5 コイルキャップ D ダンパ E エッジ F スピーカフレーム G 接着剤 RM 反発磁気回路 RM1 マグネット(反発磁気回路用) RM2 マグネット(反発磁気回路用) RM3 プレート(反発磁気回路用) W 大コルゲーション幅 Y ヨーク DP ダンプ剤(制動剤) RC ゴムコート Ba ゴムコート面 Va コルゲーションの谷部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同心円的な波形状をなすコルゲーション
    が形成され、このコルゲーションを横切る方向でかつそ
    のコルゲーションの波形の凹凸に沿った状態で、ボイス
    コイルに対する電源供給用の平編錦糸線が装着されてな
    る中空円盤状の導電サスペンションを有するスピーカ用
    サスペンションにおいて、 上記導電サスペンションは、エアー洩れあるいはダンピ
    ング調整などを目的とする摩擦係数大の材質からなる被
    覆剤の施された面をいずれか一方の面に有し、この被覆
    剤の塗布された面とは反対側の面、すなわち、上記被覆
    剤の塗布されていない面に上記平編錦糸線が装着されて
    なることを特徴とするスピーカ用サスペンション。
  2. 【請求項2】 前記被覆剤の塗布された被覆剤塗布面に
    は、前記コルゲーションの振動を制御するための制動剤
    が塗布されてなることを特徴とする請求項1記載のスピ
    ーカ用サスペンション。
  3. 【請求項3】 前記制動剤は、前記コルゲーションの波
    形の凹部のみに所定量が塗布されることを特徴とした請
    求項2記載のスピーカ用サスペンション。
  4. 【請求項4】 円板状あるいはリング状の厚さ方向に垂
    直に着磁した2個のマグネットを用い、これら2個のマ
    グネットの同極同志を向かい合わせて反発するように配
    置し、かつ、その同極面で軟磁性材からなるプレートを
    挟持し、このプレート中に前記同極同志の向かい合わせ
    により反発する磁気を誘導せしめ、かつ、その磁気をプ
    レート外周部方向に流してプレートの外側部に一定の磁
    束を発生せしめる磁気回路を有し、さらに、上記プレー
    トの外周部にそのプレートに対し一定のクリアランスを
    持ってボイスコイルを配置し、このボイスコイル外周部
    に平板形状を有する振動板を装着してなるスピーカにお
    いて、 上記振動板の外周とスピーカフレームとの間に前記請求
    項1から3のいずれか1項に記載のスピーカ用サスペン
    ションを有したことを特徴とするスピーカ。
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