JP3652571B2 - スピーカ用サスペンション構造およびスピーカ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカ用サスペンションの構造およびそのサスペンション構造を採用したスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
スピーカの配線工数を削減する目的で、サスペンション部分に形成される波形状のコルゲーションの波形の凹凸に沿うように導電体を装着した導電サスペンションが従来から種々提案されている。しかし、これらの導電サスペンションは、一般的に実用性に乏しい。
【0003】
現在、実用に耐え得るものとしては、平編錦糸線を採用し、この平編錦糸線を織布などからなる基布に縫着することによって装着し、この平編錦糸線の装着された基布を熱圧成型してなる導電サスペンションが知られている(特許第2671140号)。この特許第2671140号の導電サスペンションは、すでに大量に生産され完全に実用化されていることは周知のところである。
【0004】
さらに、このような導電サスペンションの技術を応用し、スピーカの振動板外周部に装着され、一般的にエッジと称されているサスペンション部分のコルゲーションなどに導電体を装着した導電エッジも提案(実開平4−36399)されていることも周知である。しかも、この導電エッジを用いた反発平面スピーカもすでに提案されている(特開平6−284499)。
【0005】
このような導電エッジを用いた反発平面スピーカ、特に耐入力が以前の40W仕様のものから2倍の80W仕様へと性能向上させた大入力用の反発平面スピーカを主な従来例として以下に説明する。
【0006】
スピーカの振動板3の基本構造は、図4(a),(b)に示されるように、硬質発泡ウレタンのコア材3Cをスキン材3S1,3S2で上下より挟み込んだサンドイッチ構造となっている。スキン材3S1,3S2は、ボイスコイル4のボイスコイル外周部41(図5、図6参照)に直接接着され、きわめて重要な熱回路構成部品となる。このため、熱伝導効率の向上を図る目的で、スキン材3S1,3S2は、厚さ0.2mmのアルミニウム板をプレス成形し、外周部をトリミングし所定外形寸法に整えられたものとなっている。
【0007】
このようなスキン材3S1,3S2の中央部には、深さ2.2mm、φ36mmの凹部3SDがそれぞれ設けられている。なお、図4(a)は、コア材3Cをスキン材3S1,3S2で挟み込む前の状態を示すものである。
【0008】
そして、スキン材3S1,3S2のそれぞれの凹部3SDの底部は、平面になっており、それぞれの凹部3SDの外周部から30度斜めの立上がり部12が設けられている。スキン材3S1,3S2でコア材3Cを挟み込んで接着すると、図4(b)に示す様な断面形状となる。
【0009】
そして、さらに、その凹部3SDをボイスコイル4に装着するために、図4(c)に示すように、プレスによる抜き加工にて、φ34.3mmの孔Moをあけ、不要部分Uを切除すると、結果的に孔Moの外周側に幅0.85mmの平坦部H1(詳細は図4(d)の局部X1の拡大図参照)が残る。このようにして振動板3が形成される。
【0010】
さらに、図4(d)に示すように、この振動板3の外周部に、後述する導電エッジ1Eが貼り合わせられる。そして、この振動板3には、図5に示すような手順でボイスコイル4が取り付けられる。
【0011】
このボイスコイル4は、絶縁層がコートされた後、さらに、耐熱ワニス(通称、SVワニスと呼ばれているワニス)がコートされた導体径0.28mmのコイル線材を用い、コイル内径30mm、巻き幅約12mm、6層巻きで、かつ、2本のコイル線材を同時並行に巻き付けた通称パラ巻き構造のコイルで、各々のコイルは直流抵抗が約3.2Ωとなっている。このボイスコイル4と一般のスピーカ用ボイスコイルとの相違点は、磁気効率の向上および振動系重量軽減の目的でボビンレス構造を用いている点にある。
【0012】
このボイスコイル4に振動板3を取り付ける際は、図5のように、組み立て治具Jを用い、ボイスコイル4を治具Jのコイル設置部J1に挿入したあと、振動板3のボイスコイル装着用孔Moをボイスコイル外周部41に挿入することで、振動板3およびボイスコイル4が正規の位置にセットされる。つまり図5で示すように、振動板3の厚さ方向の中心線上にボイスコイル4の巻幅方向の中心線を重ねた位置で、ボイスコイル4の上端部及び下端部は、振動板3を構成するスキン材3S1,3S2の表面からそれぞれ等しい距離に配置される。
【0013】
このボイスコイル4と振動板3との接続部分を図5における局部X2の拡大断面図にて説明する。ボイスコイル外周部41の上下方向ほぼ中央部には、スキン材3S1,3S2の平坦部H1が当接した状態となる。そして、ボイスコイル外周部41と、振動板3の平坦部H1および斜め立上がり部12により、ボイスコイル外周部41部分には、溝部Vが全周にわたり構成される。
【0014】
この溝部Vは、当然のことながら平坦部H1によって上下に分けられるため、振動板3の裏面側にも構成される。つまり、図5における局部X2の拡大断面図からもわかるように、上下2個所に溝部Vが設けられた構造となり、このような組み立て状態にて、溝部Vおよびボイスコイル外周部41の上端近傍にアクリル系接着剤G(約0.38g)を均一に塗布し、さらに、コイルキャップ5を装着する。
【0015】
このコイルキャップ5は、板厚0.2mmのアルミニウム板をプレス成型したものでフランジ付きのほぼ筒形状をなしており、筒部5aの内径はボイスコイル外周部41に挿入可能な寸法(34.3mm)で筒部5aの高さは約4mmである。
【0016】
さらにその断面図(Kで表す)で示すように、筒部5aの片方の端部は内径側に折れ曲がった形状になっており、他方の端部は外側に折れ曲がった形状になっている。このように筒部5aの両端にフランジ部を有し、一方のフランジ(以下、内フランジ5bと記す)は内径が31.5mmで、他方のフランジ(以下、外フランジ5cと記す)は外径が44.1mmとなっている。そして、ボイスコイル4の稼動時の逆起電力発生を防ぐ目的でコイルキャップ5の内フランジ5b、外フランジ5cおよび筒部5aを直線的に切り欠いたスリットSLが設けられている。
【0017】
このようなコイルキャップ5の筒部5aをボイスコイル外周部41に挿入し、外フランジ5cが振動板3(スキン材3S)の表面平坦部3SFに接触するまで押し下げると、ボイスコイル4の上端、内フランジ5b、ボイスコイル外周部41、コイルキャップ5の筒部5aの内壁、さらには図5の局部拡大図X2で示す溝部Vが接着剤Gで充填された状態となる。さらに、外フランジ5cの底面部とスキン材3S1の表面平坦部3SFの接触部に接着剤Gが廻り込み、外フランジ5cに設けた斜部とスキン材3S1の表面に均一に接着剤Gがはみ出す。図6(a)はその様子を示すものである。
【0018】
この状態で所定時間が経過すると接着剤Gが硬化しボイスコイル4、コイルキャップ5、スキン材3S1(振動板3)が相互に接着され固定される。そして、このように、ボイスコイル4に振動板3が取り付けられたのち、一旦、組み立て治具Jより抜き取り、それを裏返して、再び、組み立て治具Jにセットする。
【0019】
その後、表側同様に裏側の各部に接着剤Gを均一に塗布し、コイルキャップ5を装着し接着剤Gの硬化後、組み立て治具Jより抜き取ると、図6(b)に示すように、ボイスコイル4とコイルキャップ5と振動板3が接着結合される。この図6(b)の状態のものを振動系部品40と呼ぶことにする。図6(b)における局部X3の拡大図は、ボイスコイル4とコイルキャップ5と振動板3が接着結合された状態を詳細に示すものである。
【0020】
このような振動系部品40を用いることで、図7に示すような反発磁気回路RMを有した反発平面スピーカとなる。すなわち、円板状あるいはリング状(図7の例ではリング状)の厚さ方向に垂直に着磁した2個のマグネットRM1,RM2を用い、これら2個のマグネットRM1,RM2の同極同志(この場合は、N極同志)を向かい合わせて反発するように配置し、かつ、その同極面で軟磁性材からなるプレートRM3を挟持する(図7における局部X4の拡大図参照)。そして、反発する磁気をそのプレートRM3中に誘導せしめ、かつ、その磁気をプレートRM3の外周部方向に流してプレートRM3の外側部に一定の磁束を発生させる反発磁気回路を形成する。さらに、そのプレートRM3の外周部に一定のクリアランスを持って前述したボイスコイル4を配置する。
【0021】
次に、前述の導電エッジ1Eについて説明する。
【0022】
この導電エッジ1Eは、中空円盤形状をなし、その断面形状は図4〜図7で示されたような形状である。そして、内径が94mmで該内径より中空部中心方向に向かい約4mmの平坦部H2が設けられ、この平坦部H2は振動板3の外周部との貼り代部である。その断面形状の概略を図4(d)により説明すると、振動板3に対する貼り代部(平坦部H2)に続いては同心円的な波形状を有するコルゲーション11が形成されている。このコルゲーション11のピッチは、6mm、コルゲーション11の高さおよび深さは中心線L0より2.25mmで、コルゲーション11の頂部および底部は、半径約2mmで結ばれている。
【0023】
このような導電エッジ1Eの製造工程を図8、図9により説明する。導電エッジ1Eを構成するエッジ用基材は、まず経糸および緯糸ともに、たとえば16番手、1本撚りのポリエステルと綿の混紡糸を用い、織り密度が縦55本/インチ、横50本/インチで織り、重量100g〜110g/M2の綿布を得る。この綿布にフェノール濃度24%の樹脂溶液を含浸し、さらにNBR、SBR等の合成ゴムを混合した溶液をいずれか一方の面側にコートしゴムコートを形成する。さらにそのゴムコートを形成した織布に温風乾燥を施した後、スリッタにて所定幅に切断し、一般的に多用されているゴムコートエッジ基布Bを得る。
【0024】
このようなゴムコートエッジ基布Bには、そのゴムコート面Ba側にボイスコイル4への電源供給用の2本の平編錦糸線2が装着される。この平編錦糸線2は、図8(a)の局部X5の拡大図に示したようにコーネックス#40と称される糸2wにて該ゴムコートエッジ基布Bに縫いつけられている。
【0025】
なお、2本の平編錦糸線2は、図8(a)からもわかるように、中心線Q0から間隔d(d=約15mm)を置いて、中心線Q0と平行な線Q1,Q2(線Q1,Q2のピッチ約30mm)上に縫い付けられている。この平編錦糸線2は、母線径0.1mmのカドミウム(Cd)合金銅線を巾0.3mm、厚さ0.024mmの箔に加工し、40番手2本撚りのメタ系アラミド繊維に約40±4回/cmで1層にて巻き付けた錦糸線とし、さらにその錦糸線を17本組にして平編状に編んだものである。
【0026】
その平編錦糸線2が縫着されたゴムコートエッジ基布Bを熱圧成型するが、熱圧成型用の金型温度は約200℃、圧力約600Kg(軸出力)、プレス時間は約5秒で、一般的なエッジ成型方法と何ら変わりない。熱圧成型工程を経ると、ゴムコートエッジ基布Bに含浸したフェノール樹脂等が硬化し、このゴムコートエッジ基布Bの所定位置に所定形状のコルゲーション11が成型される。成型後にその成型金型より平編錦糸線2付きのゴムコートエッジ基布Bの成型品を取り出すと、図8(b)に示すように、2本の平編錦糸線2がコルゲーション11の波状の凹凸に沿った状態となる。
【0027】
この図8(b)のような2本の平編錦糸線2が所定位置に装着されたゴムコートエッジ基布Bをトリミング工程に移行される。そして、まず図9(a)の内側の破線部Z1と外側の破線部Z2で切断することによって、内側部及び外側部の不要部分を切除して、図9(b)に示すように導電エッジ1Eとして完成させる。この際、事前にトリミング用の抜き金型を作製しておき、図9(a)に示される2本の平編錦糸線2が所定位置に装着されたゴムコートエッジ基布Bをこの抜き金型に設置し、プレス加工を施すことにより不要部分を切除し、図9(b)に示すような所望の導電エッジ1Eを得る。
【0028】
このような導電エッジ1Eが振動板3の外周部に接合されることによって、前述したように、ボイスコイル4などを含めて振動系部品40が形成される。なお、その断面形状は図4〜図7で示されている。
【0029】
また、導電エッジ1Eの内周部側(ボイスコイル4側)に延出された平編錦糸線2は、ゴムコートエッジ基布Bを介して振動板3の表面スキン材3S1表面に接着され、その平編錦糸線2の延出先端部はボイスコイル外周部41近傍の所定位置に配置される。そして、このボイスコイル外周部41側にまで延出された平編錦糸線2の延出先端部は、ボイスコイル4の電源供給線の端部(図示せず)と半田付けにて配線結合され、その半田付け部は補強用接着剤にて覆われている。
【0030】
一方、平編錦糸線2の導電エッジ1E外周部側の端部は、ボイスコイル4に装着された振動板3が、図7に示されるように、スピーカフレームFの所定位置に装着された後、電源供給用端子ラグ(図示せず)と接続配線されている。つまり、導電エッジ1Eの外周部がスピーカフレームFのフランジ部に接着にて装着された後、電源供給用端子ラグがスピーカフレームFのフランジ部にビス等にて装着される際、その電源供給用端子ラグの一部を平編錦糸線2の端部に圧接することで接続配線をなしている。
【0031】
このような状態のスピーカは、振動板3より突き出した状態となっているボイスコイル外周部41、すなわち、熱伝導率の悪い大気中に露出したボイスコイル外周部41にコイルキャップ5を装着することとなる。この結果、ボイスコイル4の放熱効率を格段に向上させ、従来のスピーカの有する耐入力性能(40W)に比べ2倍以上(80W以上)の信号を入力しても、ボイスコイル4の温度上昇をボイスコイル4の有する耐熱温度(約250℃〜270℃)以内に抑えることが可能となり、ボイスコイル線の断線等が皆無となって正常に作動する反発平面スピーカとなる。
【0032】
しかし、このような反発平面スピーカに80Wの入力信号を連続印加すると、32〜40時間程経過した時点において、ボイスコイル4自体はスピーカを駆動するに充分な正常状態を維持しているが、その導電エッジ1Eに装着した平編錦糸線2を構成する錦糸線の銅箔にクラックが発生し、最終的にその平編錦糸線2が断線し、動作不能状態になる場合があることが確認された。
【0033】
ところで、スピーカの振動板3などを駆動するボイスコイル4などに給電する目的で用いられる導電線は、導電線自体に振幅運動が加わるために耐屈曲性が極めて強く求められる。現状に於いて最も実績のあるスピーカ用の導電線材として、錦糸線を任意の本数紐状に編んだ(あるいは撚った)錦糸線(以下、紐編み錦糸線2Sといい、このような紐編み錦糸線2Sを用いたスピーカの一例を図10に示す)が多用されていることは周知である。このような紐編み錦糸線2Sに張力が繰り返し加わると、いわゆる「突っ張り」現象に該紐編み錦糸線2Sが陥ると、極めて短時間で紐編み錦糸線2Sを構成する錦糸線の銅箔にクラックが発生し最終的に断線状態に至ることも周知のところである。
【0034】
これまで説明した導電サスペンション(導電エッジIE)を使用しない紐編み錦糸線2Sを用いる一般的なスピーカを例にして紐編み錦糸線2Sの突っ張り現象を防ぐ手段を以下に説明する。
【0035】
図10(a),(b)で示すように、振動板3の裏面側に配置される紐編み錦糸線2Sの長さを、振動板3、エッジE、ボイスコイル4、ダンパDなどの振動系部品(以下、振動系と記す)の限界振幅移動(以下、フルストロークと記す)の寸法以上に設定し、かつ、適切なフォーミングを施している。なお、図10(b)の斜視図は、紐編み錦糸線2Sの配置が理解し易いように振動板3およびエッジEが省かれている。
【0036】
当然のことながらフルストローク寸法は、ダンパDまたはエッジEの有するフルストローク寸法で規制され、振動系フルストローク状態においては、ダンパDあるいはエッジEに強い張力が加わった状態(以下、突っ張り状態と記す)となる。このようなフルストローク状態は、ボイスコイル4に過剰入力、あるいはそれに近い状態の入力が引加されることで発生し、このような状態には磁気回路内に収まったボイスコイル4の端部がヨークYに衝突し易くなり、また、衝突した場合はて極めて大きな異音が発生するとともに、ボイスコイル4を破壊する場合もある。
【0037】
したがって、常套的なフルストローク対策の手段としてダンパDのフルストローク寸法をエッジEのフルストローク寸法より小さく設定することが行われる。この設定によって、振動系がフルストローク状態に陥った場合、ダンパDが突っ張ることとなり、該ダンパDにストッパ機能が生じボイスコイル4とヨークYとの衝突が防止され、かつ、紐編み錦糸線2Sの突っ張りが防止される。すなわち、ダンパDの有するフルストローク寸法が事実上の振動系フルストローク寸法となっている。
【0038】
これに対して、導電サスペンションの一種である導電ダンパ1Dを用いた従来のスピーカの一例を図11(a),(b)にて説明する。
【0039】
図11(a)の断面図および(b)の斜視図に示す如く、平編錦糸線2がコルゲーション上に沿って縫着され導電ダンパ1Dが形成されているので、この導電ダンパ1Dを用いたスピーカに於いては導電ダンパ1Dが突っ張る状態、あるいは突っ張りに近い状態が多発することはコルゲーション上に装着された平編錦糸線2自体が突っ張る状態になり、平編錦糸線2を構成する錦糸線にとっては基本的に好ましくない現象であることは自明の理である。なお、図11(b)の斜視図は、平編錦糸線2の配置が理解し易いように振動板3およびエッジEが省かれている。
【0040】
そこで導電ダンパ1Dを用いるスピーカは、導電ダンパ1Dの外径を可能な限り大きくしてフルストローク寸法をより拡大せしめて該導電ダンパ1Dの可動範囲を広げ、結果的にエッジEの有するフルストローク寸法が導電ダンパ1Dの有するフルストローク寸法より小さくなるように設計している。この設計によって、振動系のフルストローク時に於いてはエッジEが突っ張るようにすることで、エッジEにストッパ機能を持たせてボイスコイル4とヨークYとの衝突を防止し、かつ、平編錦糸線2の突っ張り防止の目的を果たしている。すなわち、エッジEの有するフルストローク寸法が事実上の振動系フルストローク寸法となっている。
【0041】
このように、従来の紐編み錦糸線2Sや導電ダンパ1Dを用い、しかも、振動系の振幅が大きいスピーカ(たとえば、低音域用、フルレンジ用などのスピーカ)のほとんどが、ダンパD(または導電ダンパ1D)とエッジEの二個のサスペンションにて振動系が支持されている。そして、フルストローク状態に於ける紐編み錦糸線2Sや平編錦糸線2の突っ張り防止は、ダンパD(または導電ダンパ1D)やエッジEのいずれかを突っ張らせることにより紐編み錦糸線2Sあるいは平編錦糸線2の突っ張りを防止することが可能な構造(フェイルセーフ機能を有したスピーカ構造)に設計することができるので、実際にこのような構造のスピーカは大量に生産されている。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことを要約すると、従来、スピーカにおける振動系のフルストロークに起因する紐編み錦糸線2Sあるいは平編錦糸線2の突っ張りに対する防止策は、ダンパD(または導電ダンパ1D)とエッジEのいずれか一方が突っ張ることでストッパ機能を発揮させるフェイルセーフ機能を持たせて断線の原因となる紐編み錦糸線2Sあるいは平編錦糸線2の突っ張りを防止している。
【0043】
したがって、フルストローク時においては、ダンパD(または導電ダンパ1D)とエッジEのどちらかが突っ張ることで、その突っ張り状態がストッパ機能を発揮していることになるが、始めに説明した反発平面スピーカは図7に示すように、ダンパD(または導電ダンパ1D)を用いず、導電エッジ1Eのみで振動系を支持する構造である。すなわち、サスペンションが一個(以下、シングルサスペンションと記す)で、しかも、コルゲーション11の表面に沿って平編錦糸線2を装着した構造のスピーカである。
【0044】
つまり、このようなシングルサスペンション構造の反発平面スピーカにおいて、振動系のフルストローク寸法は導電エッジ1Eの有するフルストローク寸法が事実上のフルストローク寸法となり、導電エッジ1Eが突っ張ると平編錦糸線2も当然の如く突っ張ることになる。特に、耐入力が以前の40W仕様のものから2倍の80W仕様へと性能を向上させた大入力用反発平面スピーカでは、振動系の振幅が大きくなるため、突っ張りあるいは突っ張りに近い状態に陥り易いことは容易に推測できる。
【0045】
そこで、このようなシングルサスペンションとしての導電エッジ1Eに装着された平編錦糸線2の突っ張り現象に対応するため、その導電エッジ1Eの可動範囲を可能な限り広げる方法として、導電エッジ1Eを構成するコルゲーション11の幅寸法および深さ寸法を大きくするなどの手法が、実現可能でかつ簡単な方法として直ちに考えられるが、これらの手法には次のような問題点がある。
【0046】
すなわち、導電エッジ1Eの可動範囲が広がると、当然のことながらボイスコイル4の下端部がスピーカフレームFの底面に衝突する(以下、底面に衝突するすることを底当たりという)ようになり、この底当たりを防止するためにスピーカフレームFの奥行き寸法を大きくすると、今度は導電エッジ1Eがフルストローク状態となるため導電エッジ1Eが突っ張り、これにより平編錦糸線2が突っ張る状態を招き悪循環に陥る。
【0047】
つまり、シングルサスペンション構造を有するスピーカにおいて、導電エッジ1Eの可動範囲を可能な限り広げる方法は、導電エッジ1Eの外径寸法およびスピーカフレームFの奥行き寸法が入力信号に対して充分余裕を持った時点で初めて可能であって、80W入力仕様を完全にクリアするためには、現状より遙かに大きな導電エッジ1Eの外径寸法とスピーカフレームFの奥行き寸法が必要となる。これは同程度の性能を有したスピーカに比べてきわめて大きな外形寸法を有したスピーカとなるということであり、非現実的でコストアップの要因を含むと同時に設計手法に制限が加わる欠点を有することになる。
【0048】
また、これとは別の手法として、ストッパ機能を有した部品、たとえば、図12(a)に示すように、スピーカフレームFの底部にフェルトあるいはウレタンなどのクッション材からなるストッパS1を新たに付け加え、ボイスコイル4の底当たり時に発生する異常音を吸収発散せしめ、さらに底当たり時の衝撃を効果的に緩和してボイスコイル4の破壊を防止しつつ、導電エッジ1Eの突っ張りを防ぐ方法も考えられるが、この手法は次のような欠点を有する。
【0049】
すなわち、前述の如く振動系がスピーカフレームFの底部側にフルストロークした場合は、ストッパS1が存在するために導電エッジ1Eは突っ張り現象を起こさず、この限りに於いては、平編錦糸線2も突っ張らない。しかしながら、振動系は振幅運動を行っているので当然反対方向にも移動する。したがって、ストッパS1をスピーカフレームFの底部のみならず、スピーカフレームFの底部の反対側にも設置しないと、振動系が反対方向にフルストロークした際には導電エッジ1Eが突っ張り、平編錦糸線2も同様に突っ張ることとなる。
【0050】
このように振動系が反対方向にもフルストロークすることを考慮して、図12(b)に示すように、スピーカフレームFの底部にストッパS1を設けるとともに、その反対側にもストッパS2を設けることも考えられる。しかし、結局、2箇所にストッパが必要となるため、スピーカ構造が更に複雑になる。特に、スピーカフレームFと反対側にストッパS2を設けるためには、ストッパS2以外にそのストッパS2を取り付けるための専用部品S3なども必要となるので、スピーカの組立作業もさらに煩雑になり、当然のことながらパーツ費用および組立工数増加などコストアップ要因が増すことは明白である。
【0051】
そこで、本発明は、以上述べたような反発平面スピーカを高性能化する場合に発生する不具合、特に導電エッジ1Eに装着した平編錦糸線2の耐久性をより向上させるようにし、具体的な性能として80Wの入力信号を連続印加した状態で少なくとも96〜100時間断線せずに基本性能を維持することを可能とすることで信頼性のあるスピーカ用サスペンション構造およびスピーカを提供することを目的とするものである。
【0052】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明のスピーカ用サスペンション構造は、同心円的な波形状をなすコルゲーションが形成され、このコルゲーションを横切る方向でかつそのコルゲーションの波形の凹凸に沿った状態で、ボイスコイルに対する電源供給用の平編錦糸線が装着されてなる中空円盤状の導電サスペンションを有するスピーカ用サスペンション構造において、導電サスペンションに形成されるコルゲーションの平編錦糸線の装着方向断面の断面長より長い断面長を有する大コルゲーション部を導電サスペンションの所定位置に一体成型によって形成し、平編錦糸線をその大コルゲーション部の波形の凹凸に沿った状態で装着するようにしている。
【0053】
また、本発明のスピーカは、円板状あるいはリング状の厚さ方向に垂直に着磁した2個のマグネットを用い、これら2個のマグネットの同極同志を向かい合わせて反発するように配置し、かつ、その同極面で軟磁性材からなるプレートを挟持し、このプレート中に同極同志の向かい合わせにより反発する磁気を誘導せしめ、かつ、その磁気をプレート外周部方向に流してプレートの外側部に一定の磁束を発生せしめる磁気回路を反発磁気回路として有し、さらに、プレートの外周部にそのプレートに対し一定のクリアランスを持ってボイスコイルを配置し、このボイスコイル外周部に平板形状を有する振動板を装着してなるスピーカにおいて、振動板の外周とスピーカフレームとの間に、同心円的な波形状をなすコルゲーションが形成され、このコルゲーションを横切る方向でかつそのコルゲーションの波形の凹凸に沿った状態で、ボイスコイルに対する電源供給用の平編錦糸線が装着されてなる中空円盤状の導電サスペンションを設け、この導電サスペンションに形成されるコルゲーションの平編錦糸線の装着方向断面の断面長より長い断面長を有する大コルゲーション部をその導電サスペンションの所定位置に一体成型によって形成し、平編錦糸線をその大コルゲーション部の波形の凹凸に沿った状態で装着している。
【0054】
このように本発明は、スピーカのサスペンションとしての役目も果たす導電サスペンション自体の構造を再検討し、導電サスペンションに形成されるコルゲーションの断面長よりさらに長い断面長の大コルゲーション部を所定位置に設け、この大コルゲーション部に沿った状態で平編錦糸線を装着した構造としている。
【0055】
これにより、導電サスペンションのフルストローク状態は、断面長が短いもともとの小コルゲーション部が突っ張った状態となった場合でも、断面長の長い大コルゲーション部は余裕を残した形態を保つことが可能となる。つまり、大コルゲーション部の表面に沿った状態で平編錦糸線を装着することで、平編錦糸線を構成する錦糸線が突っ張る状態をほとんど無くすことができる。
【0056】
また、このようなサスペンション構造を反発平面スピーカに採用することによって、導電エッジに装着された平編錦糸線2の耐久性を大きく向上させることができ、具体的な性能として80Wの入力信号を連続印加した状態で少なくとも96〜100時間断線せずに基本性能を維持することが可能となり、信頼性のあるスピーカ(反発平面スピーカ)を実現できる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図1〜図3にて説明する。なお、この実施の形態で示される導電エッジ構造およびそれを用いたスピーカ(反発平面スピーカ)は、基本的には図4〜図9で説明した従来の導電エッジおよびそれを用いた反発平面スピーカ(以下では単に従来例と記す)と同じであるので、共通部品の符号は図4〜図9と同一としている。
【0058】
この実施の形態で示される導電エッジ1Eは、その導電エッジ1Eへの平織錦糸線2の装着の仕方以外、導電エッジ1Eおよび平編錦糸線2の材質、あるいはその成形方法など殆ど従来例(図4〜図9)と同様である。
【0059】
図1は、本発明が適用される導電エッジ1Eについて説明する図であるが、基本的には従来例である図8及び図9で説明したのと同様の手順で製造される。図1(a)に示されるように、従来と同様のゴムコートエッジ基布Bに従来と同様の平編錦糸線2(17本組)を従来と同様の位置に平行に縫い付ける。さらにその平編錦糸線2が縫着されたゴムコートエッジ基布Bを従来例と同様に熱圧成型し、その熱圧成型によってコルゲーション11が成型される。2本の平編錦糸線2を所定位置でかつコルゲーション11に沿った状態に装着せしめたものをトリミング工程に移行し、内側の破線部Z1と外側の破線部Z2で切断することによって、内側部及び外側部の不要部分を切除して、図1(b)に示すように導電エッジ1Eとして完成させる。
【0060】
このように、基本的には従来例と殆ど同じであるが、平編錦糸線2の装着の仕方が異なり、これについて以下に説明する。
【0061】
図2(a)は、図1(b)と同じ状態、つまり、不要部分を切除して本発明の導電エッジ1Eとして完成させたものであるが、この図2(a)の局部X7を拡大して示す斜視図(図2(b))で示すように、平編錦糸線2の装着される箇所のコルゲーションの凹凸の高さと深さを大きくしてある。
【0062】
すなわち、導電エッジ1Eの中心を通る線Q0を中心にしてその両側対称位置に線Q0から間隔d(d=約15mm)を置いて線Q0と平行な線Q1,Q2(線Q1,Q2のピッチ約30mm)上に、従来のコルゲーション11より大きなコルゲーション(大コルゲーション部11Lという)を部分的に設けてある。なお、この大コルゲーション部11Lの幅Wは約7mmである。
【0063】
この大コルゲーション部11Lと、他の位置に設置される従来のコルゲーション11(これを小コルゲーション部11という)の相違点を解り易くするため、大コルゲーション部11Lと小コルゲーション部11の断面形状を重ねて図示したものが図2(c)であり、この図2(c)を用いて説明する。
【0064】
図2(c)の実線で示したものが大コルゲーション部11Lで、破線で示したものが従来のコルゲーション11で、本発明においては小コルゲーション部11となる。なお、本発明の導電エッジ1Eも従来例同様、その形状は中空円盤形状をなし、中空部の内径が94mmで該内径より中空部中心方向に向かい約4mmの平坦部H2が設けられ、この平坦部H2は振動板3の外周部との貼り代部である。この張り代部は、平編錦糸線2が装着される大コルゲーション部11Lにも、平編錦糸線2が装着されない小コルゲーション部11にも同様に設けられる。
【0065】
そして、この貼り代部(平坦部H2)に続いては同心円的な波形状を有する小コルゲーション部11が形成され、かつ、部分的(線Q1,Q2上)には大コルゲーション部11Lが形成される。なお、小コルゲーション部11のピッチは、従来例と同様、6mm、小コルゲーション部11の凹凸の高さおよび深さは中心線L0より上下に2.25mmで小コルゲーション部11の頂部および底部は半径約2mmで結ばれている。一方、大コルゲーション部11Lのピッチは6mm、大コルゲーション部11Lの凹凸の高さおよび深さは中心線L0より上下に3.2mmに振り分けられ、大コルゲーション部11Lの頂部および底部は約1.8mmの半径で結ばれている。
【0066】
このような作製工程を経ると、当然のことながら大コルゲーション部11L上に沿った状態で平編錦糸線2が縫着にて装着された導電エッジ1Eとなる。この導電エッジ1Eを従来例と同様に振動板3に接合し、ボイスコイル4側に及んだ平編錦糸線2端部とボイスコイル4とを半田付けにて配線結合し、さらに従来例と同様、ボイスコイル4に取り付け済みの振動板3をスピーカフレームFの所定位置に接着する。そして、入力用端子ラグ及びスピーカフレームFのフランジ部に配された平編錦糸線2端部の接続配線など、所定の工程を経て図3に示すような反発平面スピーカとして完成させる。
【0067】
この図3の基本的な構造は図7と同じであり、同一部品には同一符号が付されている。なお、図3は、この本発明の反発平面スピーカが鳴動動作をした場合の振動系(導電サスペンション構造)の動作(導電エッジ1Eのフルストローク状態における動作)を説明する図であり、これについて以下に説明する。
【0068】
導電エッジ1Eが上下方向のフルストローク状態となると、振動系は図3の状態T1および状態T2のようになる。このように、導電エッジ1Eが上下方向のフルストローク状態となると、図3における局部X8の拡大断面図(図3の上部参照)と、図3における局部X9の拡大断面図(図3の下部参照)に示すように、断面長の短い小コルゲーション部11が突っ張った状態、つまり、図3の各拡大図で示す斜め直線状態(破線部)に陥るが、断面長が長い大コルゲーション部11Lは余裕を残した形態を保つことが可能となる。これによって、大コルゲーション部11Lの表面に沿った状態にて平編錦糸線2が装着されている平編錦糸線2が突っ張る状態となることは殆どなくなる。
【0069】
このように、スピーカのサスペンション構造がシングルサスペンションであるにもかかわらず、導電エッジ1Eがフルストローク状態に陥っても、小コルゲーション部11が必然的にストッパ機能を発揮し、大コルゲーション部11L上に装着された平編錦糸線2の突っ張り状態を防止することができる。すなわち、導電エッジ1Eそのものにフェイルセーフ機能を付加させた構造となり、実際に本発明の構造の反発平面スピーカに80Wの入力信号を100時間連続的に引加し続けても、導電エッジ1Eに装着した平編錦糸線2は断線することなく基本性能を維持し、所望の性能を確保することが可能となった。
【0070】
また、当然のことながら本発明の導電サスペンション構造(上述したような実施の形態で説明した導電エッジ1Eを採用した導電サスペンション構造)は、図11で示されるような従来の代表的な導電サスペンションである導電ダンパ1Dを有したスピーカの構造にも応用可能である。つまり、本発明の導電サスペンション構造を応用すると、図11におけるフルストローク時の導電ダンパ1Dの状態においてコルゲーション上に装着した平編錦糸線2を突っ張らせることなく導電ダンパ1D自体にストッパ機能を持たせる事が可能になる。
【0071】
これによって、図11のような導電ダンパ1Dを有したスピーカのように、エッジEの突っ張りによるストッパ機能にて導電ダンパ1Dに装着された平編錦糸線2の断線防止対策を行う必然性が薄れることになり、設計の自由度が大幅に広がる利点を有することとなる。
【0072】
また、大コルゲーション部11Lは、コルゲーション11の径方向全体ではなく、径方向の一部に設けても良い。すなわち、上述の実施の形態では、コルゲーション11が2山となっているのに対し、大コルゲーション部を1山のみに設けるようにしても良い。さらに、大コルゲーション部11Lは、コルゲーション11と一体成形によって設けるのが好ましいが、別体とし、圧着などで一体化するようにしても良い。また、コルゲーション11を波形にせず、断面直線状とした場合には、大コルゲーション部11Lのみを波形とすることで断面長が長い大コルゲーション部が形成されることとなる。
【0073】
【発明の効果】
本発明の導電サスペンション構造は、単品の導電エッジに大および小からなる複数の断面長を有するコルゲーションを設けた構成としている。したがって、この導電エッジのフルストローク状態は、断面長が短い小コルゲーション部が突っ張った状態に陥るが、断面長が長い大コルゲーション部は余裕を残した形態を保つことが可能となる。つまり、大コルゲーション部の表面に沿った状態にて導電体である平編錦糸線を装着することで、平編錦糸線を構成する錦糸線が突っ張る状態をほとんど無くすことができる。
【0074】
従って、スピーカのサスペンション構造がシングルサスペンションであるにもかかわらず、フルストローク状態に陥っても小コルゲーション部が必然的にストッパ機能を発揮し、大コルゲーション部上に装着された平編錦糸線の突っ張り状態を防止することができる。
【0075】
また、このようなサスペンション構造をスピーカに採用することによって、導電エッジに装着された平編錦糸線の耐久性を大きく向上させることができ、具体的な性能として80Wの入力信号を連続印加した状態で少なくとも96〜100時間断線せずに基本性能を維持することが可能となり、信頼性のあるスピーカ(反発平面スピーカ)を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカ用サスペンション構造およびスピーカに使用される導電エッジの斜視図で、(a)は平編錦糸線縫着済のゴムコートエッジ基布を熱圧成型した状態を示す斜視図で、(b)は成型後にトリミング加工を施した状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示された導電エッジの斜視図で、(a)はトリミング加工を施し完成状態を示す斜視図で、(b)は大コルゲーション部を示す局部拡大斜視図で、(c)は導電エッジ拡大断面図である。
【図3】図1に示された導電エッジを用いた反発平面スピーカの断面図及びフルストローク時を示すエッジ拡大断面図である。
【図4】従来例における導電エッジを用いた反発平面スピーカの振動板の製造過程を示す図ならびにその振動板構造を示す断面図および局部拡大断面図である。
【図5】図4に示す導電エッジを用いた反発平面スピーカの振動系部品の組立過程を示す図ならびに組立状態を示す断面図および局部拡大断面図である。
【図6】図4に示す導電エッジを用いた反発平面スピーカの振動系部品の組立完成状態直前と完成後の状態を示す図で、(a)は冶具に入った状態での完成状態を示し、(b)は冶具から取り出した後での組立完成状態を示す断面図および局部拡大断面図である。
【図7】図4に示す導電エッジを用いた反発平面スピーカの断面図および局部拡大断面図である。
【図8】図4に示す導電エッジの製造過程を示す斜視図で、(a)はゴムコートエッジ基布に平編錦糸線を縫着した状態を示す斜視図で、(b)は平編錦糸線縫着済の基布を熱圧成型した状態を示す斜視図である。
【図9】図4に示す導電エッジの製造過程を示す斜視図で、(a)は熱圧成形後トリミング加工する直前の状態を示す斜視図で、(b)は熱圧成型後トリミング加工を施し完成状態を示す斜視図およびコルゲーション部分に平編錦糸線が装着された状態を示す局部拡大斜視図である。
【図10】従来の導電サスペンションを使用しない紐編み錦糸線を用いた一般的なスピーカを示す図で、(a)はその断面図で、(b)はその斜視図である。
【図11】従来の導電サスペンションである導電ダンパを用いた一般的なスピーカを示す図で、(a)はその断面図で、(b)はその斜視図である。
【図12】図4に示す従来の導電エッジを用いた反発平面スピーカにフルストローク対策ストッパを設けた状態を示す断面図で、(a)は1つのストッパを設けた図で、(b)は2つのストッパを設けた図である。
【符号の説明】
11 コルゲーション(小コルゲーション部)
11L 大コルゲーション部
1E 導電エッジ(導電サスペンション)
1D 導電ダンパ(導電サスペンション)
2 平編錦糸線
2w 平編錦糸線縫着用糸
3 振動板
3C 振動板コア材
3S1,3S2 スキン材
3SD スキン材凹部
3SF スキン材平坦部
4 ボイスコイル
41 ボイスコイル外周部
5 コイルキャップ
D ダンパ
E エッジ
F スピーカフレーム
G 接着剤
RM 反発磁気回路
RM1 マグネット(反発磁気回路用)
RM2 マグネット(反発磁気回路用)
RM3 プレート(反発磁気回路用)
W 大コルゲーション幅
Y ヨーク
Claims (2)
- 同心円的な波形状をなすコルゲーションが形成され、このコルゲーションを横切る方向でかつそのコルゲーションの波形の凹凸に沿った状態で、ボイスコイルに対する電源供給用の平編錦糸線が装着されてなる中空円盤状の導電サスペンションを有するスピーカ用サスペンション構造において、
上記導電サスペンションに形成される上記コルゲーションの上記平編錦糸線の装着方向断面の断面長より長い断面長を有するコルゲーション(以下、大コルゲーション部という)をその導電サスペンションの所定位置に一体成型によって形成し、上記平編錦糸線をその大コルゲーション部の波形の凹凸に沿った状態で装着したことを特徴とするスピーカ用サスペンション構造。 - 円板状あるいはリング状の厚さ方向に垂直に着磁した2個のマグネットを用い、これら2個のマグネットの同極同志を向かい合わせて反発するように配置し、かつ、その同極面で軟磁性材からなるプレートを挟持し、このプレート中に前記同極同志の向かい合わせにより反発する磁気を誘導せしめ、かつ、その磁気をプレート外周部方向に流してプレートの外側部に一定の磁束を発生せしめる磁気回路を有し、さらに、上記プレートの外周部にそのプレートに対し一定のクリアランスを持ってボイスコイルを配置し、このボイスコイル外周部に平板形状を有する振動板を装着してなるスピーカにおいて、
上記振動板の外周とスピーカフレームとの間に、同心円的な波形状をなすコルゲーションが形成され、このコルゲーションを横切る方向でかつそのコルゲーションの波形の凹凸に沿った状態で、ボイスコイルに対する電源供給用の平編錦糸線が装着されてなる中空円盤状の導電サスペンションを設け、この導電サスペンションに形成される上記コルゲーションの上記平編錦糸線の装着方向断面の断面長より長い断面長を有するコルゲーション(以下、大コルゲーション部という)をその導電サスペンションの所定位置に一体成型によって形成し、上記平編錦糸線をその大コルゲーション部の波形の凹凸に沿った状態で装着したことを特徴とするスピーカ。
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