JP2001189627A - 電圧制御発振器、通信装置および発振周波数調整方法 - Google Patents

電圧制御発振器、通信装置および発振周波数調整方法

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JP2001189627A
JP2001189627A JP37519599A JP37519599A JP2001189627A JP 2001189627 A JP2001189627 A JP 2001189627A JP 37519599 A JP37519599 A JP 37519599A JP 37519599 A JP37519599 A JP 37519599A JP 2001189627 A JP2001189627 A JP 2001189627A
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strip line
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oscillation frequency
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Sumire Chiba
寿美礼 千葉
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  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無調整で済む確率が高く、周波数調整に要す
る時間が短く、フェイズノイズの劣化を抑えた電圧制御
発振器と、それを用いた通信装置を得る。また、電圧制
御発振器の発振周波数調整方法を改善する。 【解決手段】 共振回路のストリップラインの一方の端
部付近に先端を開放したスタブS1を設け、スタブS1
のA部分のトリミングによって発振周波数を上昇方向に
調整し、ストリップラインL1のB部分のトリミングに
よって発振周波数を低下方向に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、通信装置などに
用いられる電圧制御発振器、それを用いた通信装置およ
び電圧制御発振器の周波数調整方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、携帯電話などの移動体通信シス
テムの端末やトランシーバなどの通信機において、局部
発振回路に電圧制御発振器を含むPLL回路が構成され
ている。
【0003】ここで、従来の電圧制御発振器の例を図8
に示す。図8において、トランジスタQ1と、それに接
続されている抵抗、コンデンサ、ストリップラインL1
および電圧可変リアクタンス素子である可変容量ダイオ
ードVDなどによる並列共振回路を含む発振回路を構成
している。その発振信号はトランジスタQ2によるバッ
ファ段からコンデンサC2を介して出力される。発振周
波数は、コントロール端子に与えられる制御電圧に応じ
て可変容量ダイオードVDの静電容量が変化することに
より変化する。
【0004】ところで、上記可変容量ダイオードVDの
容量可変幅は限られていて、この可変容量ダイオードに
対する制御電圧の変化幅に応じて、発振周波数が所定の
周波数範囲で変化するような特性が要求される。しか
し、発振回路の発振周波数を決定する共振回路の各素子
の(特にコンデンサC10とストリップラインL1のイ
ンピーダンス)の値のばらつきによって、上記可変容量
ダイオードに対する制御電圧の変化範囲と発振周波数の
変化範囲との関係は必ずしも設計通りにはならない。そ
こで、図8においてL1で示したストリップラインの一
部をレーザトリミング等により削除することによって、
そのインダクタンス成分を変化させ、共振回路の共振周
波数を調整し、このことによって発振周波数を調整する
ようにしていた。
【0005】例えば、図9に示すように、ストリップラ
インの先端をスルーホールを介して接地し、このストリ
ップラインの他方の端部(コンデンサC10,C8等を
接続する側の根本部)の線幅を細くする方向にトリミン
グする。これにより、ストリップラインのインダクタン
ス成分が増大し、発振周波数は低下方向に変位する。
【0006】ここで、LC並列共振回路の各素子の値の
ばらつきと、そのばらつきによるトリミング前の初期の
発振周波数のばらつきとの関係を図10に示す。図10
の横軸はLC並列共振回路の共振周波数を決定する容量
成分とインダクタンス成分による値であり、例えば1/
√(LC)に相当する値である。この値は、上記共振回
路を構成するコンデンサの静電容量(以下、単に「容
量」という。)とストリップラインのインピーダンスの
ばらつきによって定まる。縦軸は可変容量ダイオードV
Dに対する制御電圧を一定とした状態での、トリミング
前の初期の発振周波数である。
【0007】図9に示したように、ストリップラインの
トリミングによってそのインダクタンス成分を増大させ
る方向に調整する方法では、発振周波数を低下する方向
にしか調整ができないので、上記コンデンサの容量やス
トリップラインの寸法のばらつきによってとり得る初期
周波数が、目標とする周波数範囲(図10に示す「調整
目標の上限」から「調整目標の下限」までの周波数範
囲)より高くなるように、各コンデンサの値およびスト
リップラインL1の初期パターンを定めている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
従来の電圧調整発振器の周波数調整方法では、発振周波
数を低下方向にしか調整できないので、調整前の初期の
発振周波数のばらつき範囲の中心を、目標とする周波数
範囲の中心よりも高く設定せざるを得ず、トリミングに
よる周波数調整を必要とする確率が大きくなり、しかも
その調整量も全体に大きなものとなってしまう。図10
に示した例では、ハッチングで示す範囲の容量を有する
コンデンサを用いた場合にトリミングが必要となり、コ
ンデンサの容量が小さいものである程、調整量が増大し
てしまう。また、トリミングを長時間行うと、ストリッ
プラインが炭化してストリップラインのQが劣化し、フ
ェイズノイズ(位相雑音)が劣化するので、電圧制御発
振器として不良品になる場合も生じる。そのため、全体
の良品率が低下するという問題があった。
【0009】上記構成の電圧制御発振器において、複数
のサンプルについて、初期の発振周波数を目標周波数範
囲に収めるまでに要した時間と、その周波数調整量およ
びフェイズノイズの劣化について測定した結果を次に示
す。
【0010】 〔表1〕 ───────────────────────────────── 周波数帯 調整時間 周波数調整量 フェイズノイズ劣化 ───────────────────────────────── 2GHz帯 4秒 70MHz 2〜3dB 4GHz帯 4秒 140MHz 3〜5dB ───────────────────────────────── この発明の目的は、上述の問題を解消して、無調整で済
む確率を高め、周波数調整に要する時間を短縮化し、フ
ェイズノイズの劣化を抑えた電圧制御発振器とそれを用
いた通信装置および電圧制御発振器の発振周波数調整方
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の電圧制御発振
器は、ストリップラインを含む共振回路を備えた電圧制
御発振器において、前記ストリップラインの一方の端部
付近に、先端を開放したスタブを設ける。このように先
端開放のスタブをストリップラインの一方の端部付近に
設けたことにより、スタブが主としてキャパシタとして
作用し、ストリップラインは主としてインダクタとして
作用する。
【0012】例えば、前記ストリップラインの前記スタ
ブの設けていない端部を接地して、前記共振回路を、コ
ンデンサと前記ストリップラインのインダクタンスとを
含むLC並列共振回路とする。
【0013】また、前記発振回路をコンデンサと前記ス
トリップラインのインダクタンスとを含むLC直列共振
回路とする。
【0014】上記ストリップラインのトリミングによっ
てインダクタンスを増大させれば、共振回路の共振周波
数が低下し、このことにより発振周波数を低下方向に調
整でき、スタブの開放端をトリミングすることによって
そのキャパシタンスを低下させれば、共振回路の共振周
波数が上昇し、このことにより発振周波数を上昇方向に
調整できるようになる。
【0015】上記の共振回路がLC並列共振回路であっ
ても、LC直列共振回路であっても、ストリップライン
のトリミングによって、そのインダクタンスを増大方向
に変化させ、またスタブのトリミングによってそのキャ
パシタンスを減少方向に調整できるので、発振周波数を
上昇・下降両方向に調整可能となる。
【0016】この発明の電圧制御発振器は、前記共振回
路の共振周波数を1.3〜10GHzの範囲とする。こ
の周波数帯では、電圧制御発振器を構成する面積が小さ
くても、発振周波数のばらつきを抑えるだけの調整量が
得られるスタブを設けることができる。
【0017】この発明の通信装置は、上記の構成を備え
た電圧制御発振器を用いて、例えば局部発振回路のPL
L回路を設けることなどにより構成する。
【0018】この発明の発振周波数調整方法は、上記の
電圧制御発振器において、前記共振回路のコンデンサの
静電容量のばらつきによる発振周波数のばらつきの範囲
内に、目標とする発振周波数の範囲が入るように、前記
コンデンサの静電容量の代表値と前記ストリップライン
およびスタブの初期寸法を定め、発振周波数が所定値よ
り低いとき、前記ストリップラインをトリミングし、発
振周波数が所定値より高いとき、前記スタブの開放端部
をトリミングする。
【0019】このことにより、トリミング前の初期状態
で発振周波数が目標とする範囲内に入っている確率が高
くなり、また調整が必要となる程コンデンサの容量値が
代表値より大きくずれている場合でも、ストリップライ
ンまたはスタブのわずかなトリミングによって発振周波
数が目標範囲内に入るので、調整に要する時間が短縮化
される。さらに、このトリミング時間の短縮化によって
ストリップラインのQの劣化がなく、フェイズノイズの
劣化による特性不良が生じる確率も低下する。
【0020】
【発明の実施の形態】第1の実施形態である電圧制御発
振器の構成を図1〜図3を参照して説明する。図1は電
圧制御発振器の回路図である。図1において発振段は、
コルピッツ型発振回路の変形による発振回路であり、コ
ンデンサC6,C7,C8,C9,C10と可変容量ダ
イオードVD、ストリップラインL1、スタブS1およ
びトランジスタQ2により発振回路の主要部を構成して
いる。トランジスタQ1はバッファ段としてのトランジ
スタであり、トランジスタQ1のコレクタにストリップ
ラインL3を介して電源電圧を印加し、トランジスタQ
2のエミッタからの出力信号をコンデンサC5を介して
トランジスタQ1のベースに入力している。
【0021】抵抗R1,R2,R3はトランジスタQ
1,Q2のベースバイアス回路を構成している。C4は
バイパスコンデンサであり、トランジスタQ2のコレク
タを高周波的に接地することにより、コンデンサC6を
トランジスタQ2のコレクタ−エミッタ間に等価的に接
続している。可変容量ダイオードVDには、ストリップ
ラインL2を介して、コントロール端子から制御電圧が
印加される。この制御電圧に応じて静電容量が変化し、
このことにより発振周波数が変化する。なお、C1,C
11は高周波バイパス用コンデンサである。
【0022】図1に示したように、ストリップラインL
1の一端は接地し、他端にスタブS1を設けている。ス
トリップラインL1は、そのインダクタンス成分を利用
し、スタブS1は接地との間に生じるキャパシタンスを
利用する。
【0023】この例では、コンデンサC10、コンデン
サC9と可変容量ダイオードVDとの直列回路、および
スタブS1と接地との間に生じる静電容量が、LC並列
共振回路のキャパシタンス成分として作用し、ストリッ
プラインL1のインダクタンス成分が、LC並列共振回
路のLとして作用する。したがってストリップラインL
1のトリミングによって、そのインダクタンス成分が増
すことにより共振周波数が低下し、発振周波数が低下す
ることになる。またスタブS1のトリミングによって共
振周波数が上昇し、発振周波数が上昇することになる。
【0024】図2は上記ストリップラインとスタブ部分
の構成を示す電極パターンの例である。ストリップライ
ンL1の一方の端部には、スルーホールを介して接地し
て(基板の裏面側の接地電極に導通させて)いる。ま
た、このストリップラインの他方の端部付近には先端開
放のスタブS1を突出させている。
【0025】Aで示す範囲内で矢印で示す方向にトリミ
ングラインを入れる(レーザ光のスポットをスキャンさ
せる)ことによってスタブの開放端を除去すれば、上述
した通り、スタブのキャパシタンス成分が減少し、発振
周波数が上昇する。またBで示す範囲内の矢印方向にト
リミングして、ストリップラインの線路幅を狭くすれ
ば、ストリップラインのインダクタンス成分が増大し、
これにより発振周波数が低下する。
【0026】ここで、ストリップラインL1の長さを3
mm、幅を1mmとし、スタブS1の長さを2mm、幅
を1.5mmとし、スタブS1を全て削除すると、周波
数が65MHzだけ高くなり、ストリップラインL1の
B部分を最大量削除すると、周波数が80MHzだけ低
くなるようにしている。
【0027】この実施形態の電圧制御発振器は、試作に
より、コンデンサ(特にC10)の容量のばらつきによ
り、140MHzの範囲でばらつくことが分かってい
る。上記の例では、65+80=145MHzの調整幅
があるので、この調整量で周波数ばらつきの140MH
zをカバーでき、量産する上で十分な良品が確保でき
る。
【0028】図3は図1に示したLC並列共振回路の共
振周波数を決定する各コンデンサの容量とストリップラ
インS1のインピーダンスのばらつきによる、トリミン
グ前の初期の発振周波数のばらつき範囲と、調整目標と
する周波数範囲との関係を示す図である。図10に示し
たものと同様に、その横軸はLC並列共振回路の共振周
波数を決定する容量成分とインダクタンス成分による値
であり、縦軸は可変容量ダイオードVDに対する制御電
圧を一定とした状態での、トリミング前の初期の発振周
波数である。
【0029】上述のように、周波数の下降方向の調整幅
は80MHz、上昇方向の調整幅は65MHzであるの
で、周波数調整前の周波数の分布の中心が、調整目標で
ある1.8GHzに対して80−65=15MHzだけ
高い1815MHzになるように、共振回路の各コンデ
ンサと可変容量ダイオードVDの容量、ストリップライ
ンL1およびスタブS1のパターンを予め設計してお
く。
【0030】このように共振回路の各コンデンサの容量
のばらつき、およびストリップラインL1のインピーダ
ンスのばらつきによる初期発振周波数のばらつき範囲内
に調整目標の範囲が入るように、各コンデンサの代表値
とストリップラインL1およびスタブS1の寸法を定め
ることにより、各コンデンサの容量のばらつき範囲の広
い範囲にわたって、無調整で発振周波数が調整目標範囲
内に入ることになり、調整工数が著しく削減できる。し
かも発振周波数が調整目標範囲から外れている場合で
も、その調整量は僅かで済む。例えばコンデンサC2の
容量が代表値より大きく離れて高い値であり、(a)で
示すハッチングのように初期の発振周波数が調整目標の
下限を下回っている時でも、図2に示したスタブのA部
分のトリミングによって発振周波数をわずかに上昇させ
るだけで、初期の発振周波数を調整目標の範囲内に収め
ることができる。また(b)で示すハッチングのように
初期の発振周波数が調整目標の上限を上回っている時に
は、図2に示したストリップラインのA部分のトリミン
グによって発振周波数をわずかに低下させるだけで、初
期の発振周波数を調整目標の範囲内に収めることができ
る。
【0031】上記構成の電圧制御発振器において、複数
のサンプルについて、初期の発振周波数を目標周波数範
囲に収めるまでに要した時間と、周波数調整の不要な割
合およびフェイズノイズの劣化について測定した結果を
次に示す。
【0032】 図4は第2の実施形態に係る電圧制御発振器におけるス
トリップラインおよびスタブ部分の電極パターンの例を
示す図である。図2に示した例ではストリップライン部
分のトリミング方向とスタブ部分のトリミング方向とが
異なっていたが、この図4に示すように、ストリップラ
インのBで示す部分のトリミング方向とスタブのAで示
す部分のトリミング方向とを同一方向となるようにスト
リップラインのパターンを定めておくことによって、ト
リミング調整機による調整が容易となる。
【0033】次に、第3の実施形態に係る電圧制御発振
器の構成を図5および図6を参照して説明する。この電
圧制御発振器は、その共振回路部分をLC直列共振回路
で構成している。すなわち、図5においてコンデンサC
10,C9および可変容量ダイオードVDのキャパシタ
ンスとストリップラインL1のインダクタンスとによっ
てLC直列共振回路を構成している。スタブS1は等価
的に接地との間にキャパシタンスを構成するため、その
値によってLC直列共振回路のC成分を変化させること
になる。図5におけるその他の回路部分は図1に示した
ものと同様である。
【0034】図6は上記ストリップラインとスタブ部分
の電極パターンの例を示す図である。スタブS1のAで
示す開放端部分をトリミングすることにより、LC直列
共振回路のC成分が減少し、これにより発振周波数を上
昇方向に調整できる。またストリップラインL1のBで
示す部分をトリミングすることによって、LC直列共振
回路のL成分が増大し、これにより発振周波数を低下方
向に調整できる。
【0035】ここで、ストリップラインL1の長さを
1.35mm、幅を0.5mmとし、スタブS1の長さ
を1.2mm、幅を0.5mmとし、スタブS1を全て
削除すると、周波数が130MHzだけ高くなり、スト
リップラインL1のB部分を最大量削除すると、周波数
が150MHzだけ低くなるようにしている。
【0036】この実施形態の電圧制御発振器は、試作に
より、コンデンサ(特にC10)の容量のばらつきによ
り、270MHzの範囲でばらつくことが分かってい
る。上記の例では、130+150=280MHzの調
整幅があるので、この調整量で周波数ばらつきの270
MHzをカバーでき、量産する上で十分な良品が確保で
きる。
【0037】上述のように、周波数の下降方向の調整幅
は150MHz、上昇方向の調整幅は130MHzであ
るので、周波数調整前の周波数の分布の中心が、調整目
標である4.0GHzに対して150−130=20M
Hzだけ高い4020MHzになるように、共振回路の
各コンデンサと可変容量ダイオードVDの容量、ストリ
ップラインL1およびスタブS1のパターンを予め設計
しておく。
【0038】このように共振回路のコンデンサの容量の
ばらつき、およびストリップラインL1のインピーダン
スのばらつきによる初期発振周波数のばらつき範囲内に
調整目標の範囲が入るように、各コンデンサの代表値と
ストリップラインL1およびスタブS1の寸法を定める
ことにより、各コンデンサの容量のばらつき範囲の広い
範囲にわたって、無調整で発振周波数が調整目標範囲内
に入ることになり、調整工数が著しく削減できる。しか
も初期の発振周波数が調整目標範囲から外れている場合
でも、その調整量は僅かで済む。
【0039】上記構成の電圧制御発振器において、複数
のサンプルについて、初期の発振周波数を目標周波数範
囲に収めるまでに要した時間と、周波数調整の不要な割
合およびフェイズノイズの劣化について測定した結果を
次に示す。
【0040】 次に、通信装置の構成例をブロック図として図7に示
す。図7においてVCOは電圧制御発振器である。PL
L−ICはPLL制御用回路であり、VCOの出力信号
を入力し、温度補償水晶発振回路TCXOの発振信号と
位相比較し、所定の周波数および位相となるように制御
信号を出力する。VCOはローパスフィルタLPFを介
して制御電圧をコントロール端子で受けて、その制御電
圧に応じた周波数で発振する。この発振出力信号はミキ
サMIXaおよびMIXbにそれぞれ局部発振信号とし
て与えられる。ミキサ回路MIXaは送信回路Txから
出力される中間周波信号と局部発振信号とを混合して送
信周波数信号に周波数変換する。この信号は増幅回路A
MPaで電力増幅されてデュプレクサDPXを介しアン
テナANTから放射される。アンテナANTからの受信
信号はデュプレクサDPXを介して増幅回路AMPbで
増幅される。ミキサ回路MIXbは、増幅回路AMPb
の出力信号と上記局部発振信号とを混合して中間周波信
号に変換する。受信回路Rxはこれを信号処理すること
により受信信号を得る。
【0041】上記通信装置における電圧制御発振器VC
Oは、そのフェイズノイズ特性が優れたものであるた
め、隣接チャンネル選択度、相互変調特性といった通信
装置の重要性能項目の特性が向上する。
【0042】
【発明の効果】請求項1に記載の電圧制御発振器によれ
ば、ストリップラインとスタブのトリミングによって、
発振周波数を上昇・下降の両方向に調整可能となるた
め、発振周波数を調整目標周波数の範囲内に速やかに調
整できるようになり、生産性が向上する。
【0043】請求項2に記載の電圧制御発振器によれ
ば、ストリップラインとスタブの長さが長くなくても、
発振周波数のばらつきを抑えるだけの量を調整すること
ができ、良品率を容易に高めることができる。
【0044】請求項3に記載の通信装置によれば、フェ
イズノイズの少ない電圧制御発振器を局部発振器に用い
ることにより、隣接チャンネル選択度、相互変調特性と
いった通信装置の重要性能項目の特性が向上する。
【0045】請求項4に記載の電圧制御発振器によれ
ば、トリミング前の初期状態で発振周波数が目標とする
範囲内に入っている確率が高くなり、また調整が必要と
なる程コンデンサの容量値が代表値より大きくずれてい
る場合でも、ストリップラインまたはスタブのわずかな
トリミングによって発振周波数が目標範囲内に入るの
で、調整に要する時間が短縮化される。さらに、このト
リミング時間の短縮化によってストリップラインのQの
劣化がなく、フェイズノイズの劣化による特性不良が生
じる確率も低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る電圧制御発振器の回路図
【図2】同電圧制御発振器におけるストリップラインお
よびスタブ部分の電極パターンの例を示す図
【図3】同電圧制御発振器におけるコンデンサ容量等の
ばらつきのよる初期発振周波数のばらつき範囲と調整目
標の範囲との関係を示す図
【図4】第2の実施形態に係る電圧制御発振器における
ストリップラインおよびスタブ部分の電極パターンの例
を示す図
【図5】第3の実施形態に係る電圧制御発振器の回路図
【図6】同電圧制御発振器におけるストリップラインお
よびスタブ部分の電極パターンの例を示す図
【図7】第4の実施形態に係る通信装置の構成を示すブ
ロック図
【図8】従来の電圧制御発振器の回路図
【図9】同電圧制御発振器におけるストリップラインの
パターンおよびそのトリミングの例を示す図
【図10】同電圧制御発振器におけるコンデンサ容量等
のばらつきのよる初期発振周波数のばらつき範囲と調整
目標の範囲との関係を示す図
【符号の説明】
VD−可変容量ダイオード ANT−アンテナ DPX−デュプレクサ VCO−電圧制御発振器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストリップラインを含む共振回路を備え
    た電圧制御発振器において、 前記ストリップラインの一方の端部付近に、先端を開放
    したスタブを設けて成る電圧制御発振器。
  2. 【請求項2】 前記共振回路の共振周波数を1.3〜1
    0GHzの範囲とした請求項1に記載の電圧制御発振
    器。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の電圧制御発振
    器を設けた通信装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の電圧制御発振
    器において、前記共振回路の各コンデンサの静電容量と
    前記ストリップラインおよびスタブの寸法のばらつきに
    よる発振周波数のばらつきの範囲内に、目標とする発振
    周波数の範囲が入るように、前記コンデンサの静電容量
    の代表値と前記ストリップラインおよびスタブの初期寸
    法を定め、発振周波数が所定値より低いとき、前記スト
    リップラインをトリミングし、発振周波数が所定値より
    高いとき、前記スタブの開放端部をトリミングする発振
    周波数調整方法。
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JP (1) JP2001189627A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006352423A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Murata Mfg Co Ltd 電圧制御発振器

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JP2006352423A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Murata Mfg Co Ltd 電圧制御発振器

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