JP2001188367A - 画像形成部材及びその製造法 - Google Patents

画像形成部材及びその製造法

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JP2001188367A JP2000360023A JP2000360023A JP2001188367A JP 2001188367 A JP2001188367 A JP 2001188367A JP 2000360023 A JP2000360023 A JP 2000360023A JP 2000360023 A JP2000360023 A JP 2000360023A JP 2001188367 A JP2001188367 A JP 2001188367A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層間の付着性に優れた画像形成部材を提供す
る。 【解決手段】 画像形成部材基板を調製する工程と、基
板に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを塗布する工
程と、を含む画像形成部材の製造法であって、電荷発生
層及び電荷輸送層の少なくとも一方を浸漬塗布法により
被覆用溶液から塗布し、被覆用溶液中における基板の滞
留時間が1秒以上である方法である。この感光体は、電
荷発生層と電荷輸送層の間、また他の層間の付着性が増
大した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に、電子写真
術、より詳細には、電子写真用画像形成部材又は感光体
の製造法に関する。本発明は、このような画像形成部材
の形成法と、それにより形成される被覆層間の付着性に
優れた画像形成部材を提供する。
【0002】電子写真用画像形成部材はいくつかの形状
に製造される。例えば、画像形成部材は、ガラス質セレ
ンなどの単一材料から成る均質な層、あるいは光導電体
と他の材料とを含む複合層である。また、多層型の画像
形成部材もある。最近の多層型有機画像形成部材は一般
に、少なくとも1つの基板層と2つの活性層とを備えて
いる。これらの活性層には一般に、(1)光吸収材料を
含む電荷発生層と、(2)電子供与体分子を含む電荷輸
送層と、が含まれる。これらの層はどのような順でも良
く、また合体させて単一又は混合層とすることもでき
る。基板層は伝導性材料から成る。また、伝導層を非伝
導性基板上に形成しても良い。
【0003】
【従来の技術】電荷発生層は電荷を光発生し、光発生電
荷を電荷輸送層へ注入することができる。例えば、ミヤ
カによる米国特許第4,855,203号では、樹脂分
散顔料を含む電荷発生層を示している。適当な顔料とし
ては、光導電性酸化亜鉛又は硫化カドミウムや、フタロ
シアニン型顔料、多環キノン型顔料、ペリレン顔料、ア
ゾ型顔料、キナクリドン型顔料などの有機顔料が挙げら
れる。ペリレン電荷発生顔料、特にベンズイミダゾール
ペリレンを含む画像形成部材は、長寿命の優れた性能を
示す。
【0004】電荷輸送層では、電子供与体分子がポリマ
ーバインダ中にある。この場合、電子供与体分子は正孔
又は電荷輸送特性を与え、電気的に不活性なポリマーバ
インダは機械的特性を与える。あるいは、機械的に強靱
なポリマーが電荷輸送特性を兼ね備えた、ポリ(N−ビ
ニルカルバゾール)、ポリシリーレン又はポリエーテル
カルボナートなどの電荷輸送ポリマーから電荷輸送層を
作ることもできる。
【0005】画像形成部材はまた、電荷発生層と伝導層
との間に、電荷障壁層及び/又は接着層を備えても良
い。また、画像形成部材は保護のためのオーバーコート
を備えることができる。更に、画像形成部材は、レーザ
ー光の非干渉性反射、ドットパターン及び/又は写真画
像形成、あるいは化学的封孔及び/又は滑らかな被覆表
面とするための下塗り層などの、特定の機能を与える層
を含んでも良い。
【0006】電子写真用画像形成部材の様々な層の塗布
に用いられる適当な被覆法は、浸漬塗布、ロール塗布、
マイヤーバー(Meyer bar)塗布、ビード塗
布、カーテンフロー塗布、真空蒸着などである。真空被
覆より経済的で、継ぎ目のない層を塗布できることか
ら、溶液塗布が好ましい方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】溶液塗布は、他の既知
の塗布法より経済的で便利な、電荷発生層及び電荷輸送
層の塗布法である。しかし、溶液塗布には解決すべきい
くつかの問題点がある。例えば、ペリレン顔料などのあ
る特定の電荷発生材料の場合、この材料を被覆用溶液中
に分散させるのが困難であり、溶液からこの材料を被覆
する際に分散液が不安定となる。不安定な分散液は顔料
のフロキュレーションや沈殿を生じ、被覆品質の問題を
招く。更に、不安定な分散液は取り扱いが難しく、特に
浸漬塗布処理が困難である。また、他の点では次善の真
空被覆層に比べて、浸漬塗布した材料の感光性が著しく
低下する場合も見られる。
【0008】更に、当該技術においては、画像形成部材
ユニット中の連続する層の間の付着性の向上が望まれ
る。より詳細には、より大きな機械的応力に曝される傾
向のあるエンドレス(継ぎ目のない)ベルトの場合、画
像形成部材中の連続層の付着性の向上が特に求められ
る。
【0009】浸漬塗布法の他の問題点は、塗布すべき材
料の濃度を所望のレベルに保てない場合があることであ
る。例えば、芳香族ジアミン電荷輸送被覆材料を用いる
米国特許第5,709,974号では、乾燥過程が起こ
る前の溶媒の残留時間が長いため、バインダ中に分散可
能な芳香族ジアミンの最大濃度が、浸漬塗布工程により
制限される。つまり、溶媒が残っている間にジアミンの
相分離が起きてしまう。相分離は、印刷品質に悪影響を
及ぼす残留電圧の蓄積などの電荷輸送の低下を招くた
め、望ましくない。
【0010】本発明は、層間の付着性に優れた、少なく
とも電荷発生層と電荷輸送層とを備えた電子写真用画像
形成部材の製造法に関するものである。本法は、基板上
に電荷発生層を被覆する工程と、被覆された電荷発生層
上に電荷輸送層を浸漬塗布する工程と、を含む。浸漬塗
布工程において、被覆用溶液中での基板の滞留時間は従
来の浸漬塗布法より長く、これにより予想外にも、電荷
発生層と電荷輸送層の間だけでなく、電荷発生層と基板
の間の付着性も増大することが分かった。
【0011】
【課題を解決するための手段】より詳細には、本発明
は、画像形成部材基板を調製する工程と、前記基板に少
なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを塗布する工程とを
含み、前記電荷発生層及び前記電荷輸送層の少なくとも
一方を、浸漬塗布法により被覆用溶液から塗布し、前記
被覆用溶液中における前記基板の滞留時間が1秒以上で
ある、画像形成部材の製造法を提供する。
【0012】実施の形態では、本発明はまた、基板と、
前記基板上の電荷発生層と、前記電荷発生層上の電荷輸
送層とを含み、電荷輸送層と電荷発生層の間の付着性値
が25g/cm以上である画像形成部材を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、電荷輸送材料を含む電
荷輸送層などの画像形成部材層の、浸漬塗布法による形
成法に関するものである。本発明では、適当であればど
のような電荷輸送材料も基板(予め電荷発生層又は感光
体の他の層で被覆した支持基板など)に塗布できる。本
発明では、様々な各層間の付着性を増大させるため、浸
漬塗布用溶液中における基板の滞留時間が従来の手法よ
り長い。
【0014】本発明の実施の形態により、一般に、少な
くとも基板層と、電荷発生層と、電荷輸送層とを含む電
子写真用画像形成部材が得られる。この画像形成部材
は、電子写真用画像形成部材を調製し、コロナ荷電装置
によりこの画像形成部材上に均一に静電電荷を置き、画
像形成部材に画像の形に活性化放射を露光して画像形成
部材上に静電潜像を形成し、静電気に引きつけられるト
ナー粒子を用いてこの静電潜像を現像してトナー画像を
形成し、トナー画像を受け部材に転写し、またこの荷
電、露光、現像、転写工程を繰り返すことから成る、画
像形成法に使用することができる。このような画像形成
部材は、1段階以上の被覆工程により製造され、このと
き電荷発生層及び電荷輸送層の少なくとも一方は、本件
に述べる改良された浸漬塗布技法によって形成される。
【0015】一般に、静電複写画像形成部材は当該技術
でよく知られている。本発明の静電複写画像形成部材を
含む静電複写画像形成部材は、後述の本発明の改良され
た浸漬塗布法で電荷発生層及び電荷輸送層の少なくとも
一方を形成するよう、様々な適当な手法で調製される。
【0016】典型的には、導電性表面を備えた可撓性又
は堅牢な基板を調製する。次に、通常、電荷発生層を導
電性表面に塗布する。必要に応じて、電荷発生層を塗布
する前に、導電性表面に電荷障壁層を塗布しても良い。
所望ならば、電荷障壁層と電荷発生層との間に接着層を
用いても良い。通常、障壁層の上に電荷発生層を塗布
し、電荷発生層上に電荷輸送層を形成する。しかし、電
荷輸送層を電荷発生層の前に塗布する実施の形態もあ
る。
【0017】基板は不透明でもほぼ透明でも良く、必要
な機械的特性を備えた様々な適当な材料から成る。よっ
て基板は、無機又は有機組成物など、非導電性又は導電
性材料の層を含んでも良い。非導電性材料としては、ポ
リエステル類、ポリカーボネート類、ポリアミド類、ポ
リウレタン類、それらの混合物等、またこれらに限ら
ず、この目的に適うことが知られる様々な樹脂を用いる
ことができる。導電性材料としては、カーボンブラック
や、銅、アルミニウム、ニッケル等の金属を適当量含ん
だ樹脂など、またこれらに限らず、伝導性粒子を含んだ
様々な樹脂を用いることができる。基板は、単一層型で
も、あるいは、例えば導電層を上に塗布した電気絶縁層
を含んだ多層型のものでも良い。
【0018】電気絶縁性又は導電性基板は、望ましくは
堅牢なシリンダ、ドラム又はベルトの形状である。基板
がベルト状の場合、このベルトは接合又はシームレスで
あり、シームレスベルトが特に望ましい。
【0019】基板層の厚さは、所望の強度と剛性、経済
性などの様々な要因によって決まる。従ってこの層は、
相当な厚さ、例えば約5,000μm以上、又は約15
0μm程度かそれ以下の最小の厚さ、あるいは最終的な
静電複写装置に悪影響を及ぼさない範囲の厚さである。
基板層の表面は、塗布する被覆の付着性がより大きくな
るよう、望ましくは被覆の前に清浄にする。清浄化は、
例えば基板層表面をプラズマ放電、イオン衝撃等に曝す
など、公知の方法で行う。
【0020】伝導層の厚さは、静電複写用部材に要求さ
れる光学的透明度と可撓性の度合いに応じて、非常に広
範囲に変わる。従って、電気絶縁性で透明なシリンダを
備えた感光性画像形成装置では、導電性と光透過性の組
み合わせが最適なのは、伝導層の厚さが約10〜約50
0オングストローム程度、より望ましくは約100〜約
200オングストローム程度のときである。伝導層は、
例えば基板上に、真空蒸着法などの適当な被覆手段で形
成した導電性金属層である。典型的な金属としては、ア
ルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、バナジ
ウム及びハフニウム、チタン、ニッケル、ステンレスス
チール、クロム、タングステン、モリブデン、それらの
混合物等が挙げられるが、これらに限るものではない。
一般に、連続的な金属薄膜は、マグネトロンスパッタリ
ングにより、適当な基板、例えば、E.I.デュポン・
ド・ヌムール社(E.I.duPont de Nem
ours & Co.)より入手可能なマイラ(Myl
ar)(登録商標)などのポリエステルウェブ基板上に
形成できる。
【0021】所望ならば、適当な金属の合金を被覆して
も良い。典型的な金属合金は、ジルコニウム、ニオブ、
タンタル、バナジウム及びハフニウム、チタン、ニッケ
ル、ステンレススチール、クロム、タングステン、モリ
ブデン等、及びそれらの混合物などの金属を2種以上含
むものである。金属層の形成に用いる技法に関わらず、
一般に、空気に曝されると殆どの金属の外表面上に金属
酸化物の薄膜ができる。このため、金属層に上塗りする
他の層を“隣接”(又は近接あるいは相接)層として
も、実際にはこの上塗り隣接層は、酸化され得る金属層
の外表面上に形成された薄い金属酸化物層と接している
ことになる。一般に、後の消去露光のために、伝導層の
光透過性は約15%以上であることが望ましい。伝導層
は金属に限る必要はない。伝導層の他の例は、波長約
4,000〜約7,000オングストロームの光に対す
る透明層としては伝導性酸化インジウムスズ、あるいは
不透明な伝導層としてはプラスチックバインダに分散し
た伝導性カーボンブラックなどの素材を組み合わせたも
のである。低速複写機の電子写真用画像形成部材におけ
る伝導層の典型的な導電率は、約102〜103オーム/
平方である。
【0022】導電性表面の形成後、必要に応じて、感光
体とするためそれに正孔障壁層を塗布する。一般に、正
に帯電した感光体の電子障壁層は、感光体の画像形成表
面から伝導層に向かって正孔が移動するのを妨げない。
負に帯電した感光体では、障壁層は電子が伝導層に向か
って移動するのを妨げない。隣接する光導電層とその下
の伝導層との間で正孔に対し電子障壁となり得る、適当
な障壁層を用いる。障壁層は、ナイロン、エポキシ及び
フェノール樹脂などの塗膜形成ポリマーを含む。ポリマ
ー性障壁層には、二酸化チタンや酸化亜鉛などの金属酸
化物粒子を含んでも良い。障壁層にはまた、米国特許第
4,291,110号、米国特許第4,338,387
号、米国特許第4,286,033号、米国特許第4,
291,110号に開示されているような、トリメトキ
シシリルプロピレンジアミン、トリメトキシシリルプロ
ピルエチレンジアミンの加水分解物、N−(2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、4
−アミノベンゼン=イソプロピル=スルホン、ビス(ド
デシルベンゼンスルホニル)=チタナート、ビス(4−
アミノベンゾイル)=イソプロピル=イソステアロイル
=チタナート、トリス(N−エチルアミノエチルアミ
ノ)=イソピロピル=チタナート、トリアントラニル=
イソプロピル=チタナート、トリス(N,N−ジメチル
エチルアミノ)=イソプロピル=チタナート、チタン=
4−アミノベンゼンスルホナト=オキシアセタート、チ
タン=4−アミノベンゾアート=イソステアラート=オ
キシアセタート、[H2N(CH24]CH3Si(OC
32、(3−アミノブチル)メチルジエトキシシラ
ン、[H2N(CH23]CH3Si(OCH32、(3
−アミノプロピル)メチルジエトキシシランなどの窒素
含有シロキサン類又は窒素含有チタン化合物、それらの
混合物、等が含まれるが、これらに限るものではない。
望ましい障壁層は、加水分解シランと金属グラウンド層
の酸化表面との反応生成物を含むものである。被覆後空
気に曝されると、殆どの金属グラウンド層の外表面には
本質的に酸化表面が形成される。
【0023】障壁層は、スプレー、浸漬塗布、ドローバ
ー塗布、グラビア塗布、シルクスクリーン、エアナイフ
塗布、リバースロール塗布、真空蒸着、化学処理、等の
適当な従来の手法で塗布する。薄層を得るには、望まし
くは希薄溶液の形で障壁層を塗布し、被覆後、真空、加
熱などの従来の手法で溶媒を除去すると良い。
【0024】障壁層は連続的で、また厚過ぎると望まし
くない高い残留電圧を生じるため、その厚さは約5μm
以下でなければならない。
【0025】必要に応じて正孔障壁層に接着層を塗布す
る。当該技術で良く知られる適当な接着層を用いる。典
型的な接着層材料は、例えば、ポリエステル類、デュポ
ン49,000(E.I.デュポン・ド・ヌムール社よ
り入手可)(デュポンは登録商標)、バイテル(Vit
el) PE100(グッドイヤー・タイヤ・アンド・
ラバー(Goodyear Tire & Rubbe
r)より入手可)(バイテルは登録商標)、ポリウレタ
ン類、等が挙げられるが、これらに限るものではない。
接着層の厚さが約0.05〜約0.3μm(500〜
3,000オングストローム)の範囲で良好な結果が得
られる。接着層被覆用混合物を電荷障壁層に塗布するた
めの従来の手法は、スプレー、浸漬塗布、ロール塗布、
巻き線棒塗布、グラビア塗布、バード(Bird)アプ
リケータ塗布等である。塗布した被覆の乾燥は、オーブ
ン乾燥、赤外線照射乾燥、空気乾燥等、適当な従来の手
法で行う。
【0026】適当な光発生層を、接着層又は障壁層に塗
布する。これはまた後に述べるような隣接する正孔(電
荷)輸送層で上塗りすることができる。典型的な光発生
層の例としては、無定形セレン、三方晶系セレン、また
セレン−テルル、セレン−テルル−ヒ素、ヒ化セレン及
びそれらの混合物から成るグループより選ばれるセレン
合金などの無機光導電性粒子、米国特許第3,357,
989号に記載のX−型の金属を含まないフタロシアニ
ン、バナジルフタロシアニンや銅フタロシアニン等の金
属フタロシアニンなどの様々なフタロシアニン顔料、ジ
ブロモアントアントロン、スクアリリウム(squar
ylium)、デュポン社よりモナストラル(Mona
stral) レッド、モナストラル バイオレット、
モナストラル レッド Yの商品名で入手可能なキナク
リドン類、ジブロモアントアントロン顔料の商品名であ
るバット(Vat) オレンジ 1及びバット オレン
ジ3、ベンズイミダゾールペリレン、米国特許第5,8
91,594号に開示のペリレン顔料、米国特許第3,
442,781号に開示の置換2,4−ジアミノトリア
ジン類、アライド・ケミカル社(Allied Che
mical Corporation)よりインドファ
スト(Indofast)(登録商標)ダブル スカー
レット、インドファスト バイオレット レーキ B、
インドファスト ブリリアント スカーレット、インド
ファスト オレンジの商品名で入手可能な多核芳香族キ
ノン類などの有機光導電性粒子を、塗膜形成ポリマー性
バインダに分散させたものなどであるが、これらに限る
ものではない。光導電層が光発生層の特性を増強又は減
衰する場合、複数の光発生層組成物を用いる。このよう
な配置型の例は、米国特許第4,415,639号に述
べられている。所望ならば、当該技術で知られる他の適
当な光発生材料も使用できる。
【0027】バナジルフタロシアニン、金属を含まない
フタロシアニン、ベンズイミダゾールペリレン、無定形
セレン、三方晶系セレン、セレン合金(例えば、セレン
−テルル、セレン−テルル−ヒ素、ヒ化セレン)等、及
びそれらの混合物などの光導電性材料を含む粒子又は層
を含んだ電荷発生バインダ層は、白色光に感度を持つた
め特に望ましい。バナジルフタロシアニン、金属を含ま
ないフタロシアニン、セレン−テルル合金は、更に赤外
光にも感度を持つ利点があるため望ましい材料である。
【0028】光発生バインダ層のマトリックスとして
は、適当であればどのようなポリマー性塗膜形成バイン
ダ材料も用いられる。典型的なポリマー性塗膜形成材料
としては、例えば米国特許第3,121,006号に述
べられているものなどが挙げられるが、これらに限るも
のではない。これより、典型的な有機ポリマー性塗膜形
成バインダとしては、ポリカーボネート類、ポリエステ
ル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリスチレン
類、ポリアリールエーテル類、ポリアリールスルホン
類、ポリブタジエン類、ポリスルホン類、ポリエーテル
スルホン類、ポリエチレン類、ポリプロピレン類、ポリ
イミド類、ポリメチルペンテン類、ポリフェニレンスル
フィド類、ポリ酢酸ビニル、ポリシロキサン類、ポリア
クリル酸エステル類、ポリビニルアセタール類、ポリア
ミド類、アミノ樹脂、フェニレンオキシド樹脂、テレフ
タル酸樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリスチレンとアクリロニトリルの共重合体、
ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、
アクリル酸エステル共重合体、アルキド樹脂、セルロー
ス性塗膜形成体、ポリ(アミドイミド)、スチレン−ブ
タジエン共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合
体、酢酸ビニル−塩化ビニリデン共重合体、スチレン−
アルキド樹脂、ポリビニルカルバゾール、それらの混合
物、等の、熱可塑性及び熱硬化性樹脂が挙げられるが、
これらに限るものではない。これらのポリマー類は、ブ
ロック、ランダム又は交互共重合体でも良い。
【0029】樹脂状バインダ組成物中における光発生組
成物又は顔料の含有量は様々であるが、一般的には、約
10〜約95容量%の樹脂状バインダ中に、約5〜約9
0容量%の光発生組成物又は顔料を、望ましくは、約7
0〜約80容量%の樹脂状バインダ組成物中に、約20
〜約30容量%の光発生顔料を分散する。ある実施の形
態では、約92容量%の樹脂状バインダ組成物中に約8
容量%の光発生顔料を分散する。
【0030】光導電性組成物及び/又は顔料と樹脂状バ
インダ材料とを含む光発生層の厚さは、通常約0.1〜
約5.0μm、望ましくは約0.3〜約3μmの範囲で
ある。光発生層の厚さは一般に、バインダ含量に関係す
る。例えば、バインダ含量の高い組成物では一般に、光
発生のためにより厚い層が必要である。もちろん、本発
明の目的を達成するため、この範囲を越える厚さとする
ことも可能である。
【0031】光発生層被覆用混合物を混合し、次に塗布
するには、適当な従来の手法を用いる。典型的な塗布法
は、スプレー、浸漬塗布、ロール塗布、巻き線棒塗布等
である。塗布した被覆の乾燥は、オーブン乾燥、赤外線
照射乾燥、空気乾燥等、適当な従来の手法で行う。
【0032】本発明の方法で製造される電子写真用画像
形成部材は通常、電荷発生層に加えて電荷輸送層を含ん
でいる。電荷輸送層は、電荷を輸送し、表面電荷を選択
的に放電できる、適当な有機ポリマー又は非ポリマー性
材料を含むものである。電荷輸送層は、ユーらによる米
国特許第5,521,047号に開示の材料と方法な
ど、従来の材料と方法で形成される。更に電荷輸送層
は、米国特許第5,709,974号に開示されている
ような、電気的に不活性なポリスチレン塗膜形成バイン
ダ中に溶解又は分子状に分散した芳香族ジアミンから成
るものでも良い。
【0033】電荷輸送層被覆用混合物を混合し、次に電
荷発生層に塗布するには、適当な従来の手法を用いる。
典型的な塗布法は、スプレー、浸漬塗布、ロール塗布、
巻き線棒塗布等である。望ましくは輸送層の被覆用混合
物は、約9〜約12重量%のバインダと、約27〜約3
重量%の電荷輸送材料と、約64〜約85重量%の浸漬
塗布を行うための溶媒とを含むものである。塗布した被
覆の乾燥は、オーブン乾燥、赤外線照射乾燥、空気乾燥
等、適当な従来の手法で行う。
【0034】一般に、電荷輸送層の厚さは約10〜約5
0μmであるが、この範囲を越える厚さでも良い。電荷
輸送層は望ましくは、電荷輸送層上に置かれた静電電荷
が、照射のない状態で、その上に静電潜像を形成及び保
持できないほどの早さで伝導されない程度に絶縁性でな
ければならない。一般に、電荷輸送層の電荷発生層に対
する厚さの比は、望ましくは約2:1〜200:1に保
たれるが、400:1程の大きさとなる場合もある。言
い換えれば、電荷輸送層は、使用される領域の可視光又
は放射は実質的に吸収しないが、光導電層、すなわち電
荷発生層からの光発生正孔を柱入させることには“活
性”で、またこの正孔を活性電荷輸送層を通して輸送
し、活性層表面の表面電荷を選択的に放電するものであ
る。
【0035】しかし、本発明では、電荷輸送層被覆用混
合物を、特に修正浸漬塗布法を用いて塗布する。従来の
浸浸塗布法は当該技術において公知である。例えば、シ
ャンク、ハード、ブリンカー著、“Liquid Fi
lm Coating”、Chapman and H
all、1997、13章を参照されたい。本発明で
は、基板を被覆するために被覆用溶液から基板を引き上
げる前の、被覆用溶液中における基板の滞留時間を長く
するよう、従来の浸漬塗布法を修正した。
【0036】本発明の電子写真用画像形成部材の調製に
は、適当であればどのような浸漬(又は液浸)法も用い
られる。この浸漬塗布法では、被覆用混合物は通常、浸
漬又は液浸被覆用容器に入れられており、被覆すべき基
板及び/又は容器が相対的に移動する。つまり、基板が
容器に対して移動、容器が基板に対して移動、又は両者
が相対的に移動しても良い。通常、基板及び/又は容器
の移動は、浸漬又は液浸操作を行うため、垂直方向に行
う。
【0037】従来の浸漬塗布法では、基板を被覆用容器
中の被覆用溶液に所望の深さまで浸し、次に、基板をゆ
っくり又は素早く容器から引き上げ、被覆用溶液を付着
させることによって基板を被覆する。一般に、所望の被
覆厚さ及び/又は品質となるよう、引き上げ速度を調節
する。このような従来の浸漬塗布法では、被覆用溶液中
における基板の滞留時間が5秒以下又は1秒以下と非常
に短く、つまり、基板を被覆用溶液に浸漬後、直ちに引
き上げる。
【0038】しかし本請求の発明の方法では、基板を被
覆用溶液からすぐに引き上げず、引き上げ前に一定時間
(滞留時間)被覆用溶液中に保持する。ここで用いる
“滞留時間”とは、基板の被覆すべき部分全てが被覆用
溶液中にある時間、すなわち、被覆用溶液への基板の挿
入が止まってから、被覆用溶液からの基板の引き上げが
始まるまでの時間を指している。つまり、滞留時間に
は、基板の一部が被覆用溶液と接している、挿入及び引
き上げ工程の時間は含まれない。滞留時間をこのように
長くすることにより、予想外にも、感光体の連続する層
相互の付着性が大きくなることが分かった。例えば、こ
の修正浸漬塗布法を用いて電荷輸送層を塗布すると、電
荷輸送層と電荷発生層の間だけでなく、電荷発生層とそ
の下のアンダーコート層との間の付着性の増大も認めら
れた。
【0039】本発明によれば、被覆用溶液からの基板の
引き上げ開始前、被覆用溶液中における基板の滞留時間
は、約1秒〜約1時間である。望ましくは、被覆用溶液
中における基板の滞留時間は、約5秒〜約30分、より
望ましくは約10秒〜約10又は20分、更に望ましく
は約15秒〜約5分である。特に良好な結果は、滞留時
間が約5又は15秒〜約60秒、望ましくは15又は3
0秒〜約60秒の場合に得られる。もちろん、所望の他
の滞留時間とすることもでき、また使用する特定の被覆
用溶液及び/又は基板によって滞留時間は変わる。
【0040】本発明の実施の形態では、被覆用溶液中に
おける基板の滞留時間は、凝集破壊を引き起こすことな
く、電荷発生層と電荷輸送層の間などの付着性を増大さ
せるのに十分である。修正浸漬塗布法を用いて電荷輸送
層を電荷発生層に塗布した本発明の実施の形態では、本
発明の方法で、電荷輸送層と電荷発生層の間の付着性値
を、25g/cm以上、望ましくは30g/cm以上、
より望ましくは35g/cm以上とすることができる。
同様にこの実施の形態では、本発明の方法で電荷発生層
とその下の障壁層などの層との間の付着性値を、20g
/cm以上、望ましくは30g/cm以上、より望まし
くは50g/cm以上とすることができる。
【0041】本発明によれば、滞留時間は、0秒から、
画像形成部材の各層間で凝集破壊が起こる時間までの、
どのような時間にも調節できる。故に、望ましくは凝集
破壊を起こすことなく付着性が大きくなるよう滞留時間
を調節する。
【0042】一般に、滞留時間が長くなると感光体の隣
接層間の付着性は増大する。この特定の理論に限定する
ものではないが、付着性の増大は、隣接する層の材料が
互いに相互拡散したためと考えられる。つまり、例えば
滞留時間が長くなるに従い、隣接層間の境界層は明確で
なくなる。
【0043】必要に応じて、電荷輸送層上にオーバーコ
ート層を塗布する。オーバーコート層は、例えばポリア
ミドマトリックスに溶解又は分子状に分散したジヒドロ
キシアリールアミンから成る。オーバーコート層は、ア
ルコールに可溶な塗膜形成ポリアミドとジヒドロキシア
リールアミンとを含む被覆用組成物から形成できる。
【0044】この実施の形態では、ヒドロキシ官能性材
料と水素結合を形成することのできる、アルコールに可
溶な適当なポリアミド塗膜形成バインダをオーバーコー
トに用いる。“水素結合”とは、極性ヒドロキシ含有ア
リールアミンと水素結合する樹脂との間に生じる引力又
は架橋であり、水素結合樹脂中では、極性ヒドロキシア
リールアミンの水素原子は、樹脂に含まれる分極可能な
基の2つの非共有電子に引きつけられる。水素原子はあ
る極性分子の陽性端であり、極性分子の電子陰性端と結
合を形成する。オーバーコートに用いるポリアミドはま
た、溶媒を除去すると塗膜を形成し、アルコールに可溶
でもあるような十分な分子量を持たなければならない。
一般に、ポリアミドの重量平均分子量は約5,000か
ら約100万まで変化する。ある種のポリアミドは周囲
の大気から水分を吸収するため、ポリヒドロキシアリー
ルアミン電荷輸送モノマーがないと、その電気的特性
が、湿度の変化によりある程度変動する。電荷輸送ポリ
ヒドロキシアリールアミンを加えると、この変動が最小
となる。アルコールに可溶なポリアミドは、複数のヒド
ロキシ官能基を持つ正孔輸送小分子を溶解するアルコー
ル溶媒にも可溶でなければならない。オーバーコートに
必要なポリアミドポリマーの特徴は、アミド基、−CO
NHを持つことである。典型的なポリアミドとしては、
アルコールに可溶なエルバミド(Elvamide)
(登録商標)やエルバミド TH樹脂などの、ナイロン
複合ポリマー樹脂である様々なエルバミド樹脂が挙げら
れる。エルバミド樹脂は、E.I.デュポン・ド・ヌム
ール社より入手可能である。他のポリアミドの例として
は、エルバミド 8061、エルバミド 8064、エ
ルバミド 8023が挙げられる。アルコールに可溶な
ある種のポリアミドポリマーは、米国特許第5,70
9,974号に開示されている。
【0045】このポリアミドは、使用するアルコール溶
媒にも可溶でなければならない。ポリアミドが可溶な典
型的なアルコールは、例えば、ブタノール、エタノー
ル、メタノール等である。架橋前に、ポリマー主鎖のア
ミド基の窒素原子に結合したメトキシメチル基を持つ、
アルコールに可溶な典型的なポリアミドポリマーは、例
えば、アルコールに可溶な正孔絶縁性のポリアミド塗膜
形成ポリマーであり、例えば、大日本インキ製のラック
アミド(Luckamide)(登録商標) 500
3、メトキシメチル側鎖を持つナイロン8、東レ製のC
M 4000、東レ製のCM8000、また、ソレンソ
ン、キャンベル著、“Preparative Met
hods of Polymer Chemistr
y”、第2版、76ページ、John Wiley &
Sons Inc.、1968に記載の方法で調製し
たものなどの、他のN−メトキシメチル化ポリアミド類
等、及びそれらの混合物である。その他のポリアミド類
は、E.I.デュポン・ド・ヌムール社製のエルバミド
類である。これらのポリアミド類は、例えばメトキシ、
エトキシ、ヒドロキシ基など、ポリマー主鎖に付いた極
性官能基を持つため、アルコールに可溶である。これら
の塗膜形成ポリアミド類はまた、従来の被覆法で塗布す
るための溶媒にも可溶である。典型的な溶媒としては、
例えば、ブタノール、メタノール、酢酸ブチル、エタノ
ール、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、メチル
エチルケトン等、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0046】オーバーコート層にポリアミドバインダ材
料しか含まれない場合、この層は周囲の大気から湿気を
吸収し、柔らかくなって曇り易い。これはオーバーコー
トした感光体の電気的特性や感度に悪影響を及ぼす。こ
れを解決するため、本発明のオーバーコートには、米国
特許第5,709,974号、米国特許第4,871,
634号、米国特許第4,588,666号に開示され
ている、ジヒドロキシアリールアミンも含まれる。
【0047】オーバーコート中のヒドロキシアリールア
ミン濃度は、乾燥したオーバーコートの総重量を基にし
て約2〜約50重量%とすることができる。望ましく
は、オーバーコート層中のヒドロキシアリールアミン濃
度は、乾燥オーバーコートの総重量を基にして約10〜
約50重量%である。オーバーコート中に存在するヒド
ロキシアリールアミンが約10重量%以下であると、サ
イクルに伴って残留電圧が大きくなり、バックグラウン
ドの問題を生じる。オーバーコート中のヒドロキシアリ
ールアミンの量が、オーバーコート層の総重量を基にし
て約50重量%を越えると、結晶化が起こり、残留サイ
クルアップが生じる。更に、機械的特性、摩耗性に悪影
響を及ぼす。
【0048】連続するオーバーコート層の厚さは、荷電
(例えば、バイアス荷電ロール)、クリーニング(例え
ば、ブレード又はウェブ)、現像(例えば、ブラシ)、
転写(例えば、バイアス転写ロール)、等、使用される
装置の摩耗性に応じて、約10μmまでの範囲で変える
ことができる。約1〜約5μmの厚さが望ましい。オー
バーコート層被覆用混合物を混合し、次に電荷発生層に
塗布するには、適当な従来の手法を用いる。典型的な塗
布法は、スプレー、浸漬塗布、ロール塗布、巻き線棒塗
布等である。塗布した被覆の乾燥は、オーブン乾燥、赤
外線照射乾燥、空気乾燥等、適当な従来の手法で行う。
本発明の乾燥オーバーコートは、画像形成の間は正孔を
輸送するものであり、余り高い自由キャリヤ濃度であっ
てはならない。オーバーコート中の自由キャリヤ濃度
は、暗失活を増大させる。望ましくは、オーバーコート
層の暗失活は、オーバーコートしない装置のそれと同じ
でなければならない。
【0049】本発明の感光体は例えば、前述のように、
伝導性表面と電荷輸送層の間に挟まれた電荷発生層、又
は伝導性表面と電荷発生層の間に挟まれた電荷輸送層を
含むものである。この構造体は、荷電、露光、現像を通
常含む、従来の電子写真法により画像を形成する。
【0050】他の層、例えば、感光体の導電層の接地又
は電気的バイアスへの接触を容易にするため、伝導層、
障壁層、接着層又は電荷発生層と接して、ベルト又はド
ラムの一方の縁に沿って設けた従来の導電性接地帯を用
いても良い。接地帯は公知であり、通常、塗膜形成バイ
ンダ中に分散した伝導性粒子を含むものである。
【0051】場合により、平面性及び/又は耐摩耗性を
与えるため、感光体の裏側に抗カールバックコートを塗
布する。これらのオーバーコート及び抗カールバックコ
ート層は当該技術では良く知られ、電気絶縁性又は僅か
に半導性の熱可塑性有機ポリマー又は無機ポリマーを含
むものである。オーバーコートは連続的で、その厚さは
通常約10μm以下である。
【0052】適当な従来の電子写真の荷電、露光、現
像、転写、定着、クリーニング手法を用いて、本発明の
画像形成部材上に静電潜像を形成し、現像する。例え
ば、従来の光レンズ又はレーザー露光装置を用いて静電
潜像を形成する。得られた静電潜像は、磁性ブラシ、カ
スケード、パウダクラウド(powder clou
d)等の、適当な従来の現像手段で現像する。
【0053】また、電荷発生層を被覆した基板に、修正
浸漬塗布法を用いて電荷輸送層を塗布する、特定の実施
の形態に関して先に本発明を述べたが、本発明はこの実
施の形態に限定されるものではない。より詳細には、こ
の修正浸漬塗布法は、浸漬塗布処理が可能な様々な層の
いずれ又は全ての塗布に使用できる。つまり、例えば、
本発明の修正浸漬塗布法は、アンダーコート層、電荷発
生層、電荷輸送層、1つ以上の接着層、オーバーコート
層のいずれ又は全ての塗布に使用可能である。
【0054】更に、例えば電荷発生層の前に電荷輸送層
を塗布する実施の形態では、電荷輸送層を従来の方法で
塗布し、電荷発生層を本請求の発明の修正浸漬塗布法で
塗布することができる。この処理により、電荷発生層と
それに隣り合う電荷輸送層だけでなく、電荷輸送層とそ
の下の基板又はアンダーコート層との付着性も増大す
る。
【0055】
【実施例】実施例1.電子写真用画像形成部材を調製し
た。この画像形成部材は、ニッケル基板と、障壁層と、
電荷発生層と、電荷輸送層とを含む。障壁層は、ラック
アミド(大日本インキより入手可能なポリアミド塗膜形
成ポリマー)の、メタノール:ブタノール:水の55:
36:9重量部の混合物の溶液を用いて被覆した。この
障壁層は、厚さ1.0μmに塗布し、145℃で10分
間乾燥した。電荷発生層は、9.6重量部のベンズイミ
ダゾールペリレンの、14.4重量部のB79(モンサ
ント・ケミカル社(Monsanto Chemica
l Co.)より入手可能なポリビニルブチラール)
と、76重量部のシクロヘキサノンとの溶液を用いて被
覆した。電荷発生層は106℃で10分間乾燥した。乾
燥した電荷発生層の厚さは約0.2μmであった。電荷
輸送層は、PCZ400(ポリカーボネート)と、mT
BD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メ
チルフェニル)−(1,1’−ジフェニル)−4,4’
−ジアミン[別名:N,N’−ジフェニル−N,N’−
ビス(3−メチルフェニル)ベンジジン])との混合物
のモノクロロベンゼン溶液を用いて被覆した。電荷輸送
層は118℃で45分間乾燥した。
【0056】障壁層と電荷発生層はそれぞれ、従来の滞
留時間のない浸漬塗布法を用いて塗布した。つまり、基
板を被覆用溶液に浸漬後、直ちに引き上げを開始した。
電荷輸送層は、本発明の修正浸漬塗布法により、滞留時
間30秒で塗布した。
【0057】画像形成部材が完成したら、インストルメ
ンターズ社(Instrumentors Inc.)
のスリップピールテスタ(Slip Peal Tes
ter)3M90型を用い、標準はく離モードで各層間
の界面付着性を測定した。付着性データを次の表1に示
した。
【0058】実施例2.電荷輸送被覆用溶液中における
基板の滞留時間を30秒から60秒に変更する以外は、
実施例1の方法に従って、電子写真用画像形成部材を調
製した。付着性データを次の表1に示した。表1は、こ
の実施例の画像形成部材で凝集破壊が起きたことを示し
ている。より詳細には、電荷発生層は、はく離試験にお
ける層中のはく離で示される、凝集破壊を示した。
【0059】比較例1.電荷輸送被覆用溶液中における
基板の滞留時間を30秒から0秒、つまり従来の浸漬塗
布法による滞留時間のない場合とする以外は、実施例1
の方法に従って、電子写真用画像形成部材を調製した。
付着性データを次の表1に示した。
【0060】
【表1】 表1の結果より明らかなように、本発明の浸漬塗布法
は、感光体の層間付着性を増大させる。予想外にも、被
覆用溶液中における基板の滞留時間を長くすることによ
り、このような結果が生じた。
フロントページの続き (72)発明者 フォイ−イェン ユー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ピッツ フォード フォール メドウ ドライブ 31 (72)発明者 ロバート イー マカミスキー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ロチェ スター ペンハースト ストリート 217

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成部材の製造法であって、 画像形成部材基板を調製する工程と、 前記基板に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを塗布
    する工程と、を含み、 前記電荷発生層及び前記電荷輸送層の少なくとも一方を
    浸漬塗布法により被覆用溶液から塗布し、前記被覆用溶
    液中における前記基板の滞留時間が1秒以上であること
    を特徴とする画像形成部材の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法により製造される
    ことを特徴とする画像形成部材。
JP2000360023A 1999-11-29 2000-11-27 画像形成部材及びその製造法 Withdrawn JP2001188367A (ja)

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