JP2001188076A - 表面電位センサ及び電子写真現像装置 - Google Patents

表面電位センサ及び電子写真現像装置

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JP2001188076A
JP2001188076A JP37509599A JP37509599A JP2001188076A JP 2001188076 A JP2001188076 A JP 2001188076A JP 37509599 A JP37509599 A JP 37509599A JP 37509599 A JP37509599 A JP 37509599A JP 2001188076 A JP2001188076 A JP 2001188076A
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wiring
surface potential
potential sensor
vibration
piezoelectric vibrator
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JP37509599A
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Takashi Urano
高志 浦野
Akio Kajiwara
明夫 梶原
Takashi Yamamoto
隆 山本
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配線が擦れることによるショートや断線を防止
した、小型で信頼性の高い表面電位センサを提供する。 【解決手段】基体9は、振動部材支持部91と、配線支
持部94とを含む。検知電極1は、被測定電位面に対向
して配置される。振動部材2は、少なくとも一本のアー
ム21と、圧電振動子25とを含む。アーム21は、弾
性体で構成される。振動部材2は固定部22が振動部材
支持部91に取り付けられ、圧電振動子25の周期的振
動によってアーム21を振動させて、検知電極1と被測
定電位面との間の静電結合を周期的に変化させる。配線
は、圧電振動子駆動用配線61と、検知信号を出力する
信号用配線62とを含み、配線の少なくとも一方が、弾
性接着材65で記配線支持部94に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面電位センサ及
びこの表面電位センサを組み込んだ電子写真現像装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真現像装置は、複写機やプリンタ
ー等の現像装置として、従来より実用に供せられている
が、昨今のカラー化の進展に伴い、事務機分野のみなら
ず、家庭用としても急速に普及しつつある。
【0003】電子写真現像装置は、静電現象を利用した
現像装置であって、感光体上に帯電潜像を形成してトナ
ーを付着させ、このトナーを紙その他の媒体に転写して
可視像を得る現像方式である。高品位な可視像を得るた
めには、感光体の表面電位を高精度で制御することが重
要であり、このため、感光体の表面電位を非接触で検知
することが必要となる。このことは、電子写真現像装置
のカラー化に伴い、益々重要な課題となっている。更
に、カラー現像装置では、分解した色毎に感光体の表面
電位を検知することが必要である。このため、高速現像
を要求される装置には、各色毎の感光体に対応して、4
個のセンサが必要となり、センサの小型化がより一層強
く求められる。
【0004】感光体の表面電位を非接触で検知する方法
として、被測定電位面に対向して検知電極を配置し、被
測定電位面と検知電極との対向面積、あるいは被測定電
位面と検知電極との間の距離を周期的に変化させて、検
知電極に誘導される電荷の周期的な変動を交流信号に変
換して出力する表面電位センサが知られている。
【0005】実開平7−18278号公報に開示された
表面電位センサはこのような表面電位センサであって、
被測定電位面と検知電極との対向面積、あるいは被測定
電位面と検知電極との間の距離を周期的に変化させるた
めに振動部材を用いる。振動部材は弾性金属板を用い、
二本のアームを備えた音叉型に形成され、二本のアーム
の基部寄りに圧電振動子を取り付け振動させる。
【0006】対向面積を可変する方式では、振動端とな
る二本のアームの先端を被測定電位面と検知電極との間
に配置し、二本のアームの先端を被測定電位面と水平方
向に振動させて、被測定電位面と検知電極との対向面積
を周期的に変化させる。
【0007】被測定電位面と検知電極との間の距離を可
変する方式では、二本のアームのうち一方のアームの先
端に検知電極を固定し、被測定電位面と垂直方向に振動
させて、被測定電位面と検知電極との間の距離を周期的
に変化させる。
【0008】一般的にアームの振動周波数は700H
z、振幅はアームの先端で数100μm程度であり、表
面電位センサの稼働中は常時振動している。
【0009】アームに取り付けられた圧電振動子には、
電力供給用の駆動配線が、検知電極には検知出力取り出
し用の信号配線が接続される。これらの配線はアームの
振動を阻害しないように、極めて細い線材を用いて空中
配線されていた。
【0010】このため、この種の従来の表面電位センサ
は、アームの振動により配線がアームや、振動部材を支
える基体あるいはケースと擦れることがあり、長期間の
使用により配線の被覆が剥がれてショートしたり、断線
するといった不具合が発生し、小型化の阻害要因ともな
っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、配線
が擦れることによるショートや断線を防止した、小型で
信頼性の高い表面電位センサを提供することである。
【0012】本発明のもう一つの課題は、配線の引き回
し作業が容易で、組立作業性のよい表面電位センサを提
供することである。
【0013】本発明の更にもう一つの課題は、特性ばら
つきの少ない表面電位センサを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明に係る表面電位センサは、基体と、振動部
材と、検知電極と、配線とを含む。
【0015】前記基体は、振動部材支持部と、配線支持
部とを含む。前記振動部材は、少なくとも一本のアーム
と、圧電振動子とを含む。前記アームは、弾性で構成さ
れ、固定部と、振動端とを含む。前記固定部は前記振動
部材支持部に取り付けられている。前記圧電振動子は前
記アームに取りつけられている。
【0016】前記検知電極は、前記振動端の振動動作と
関連付けられた表面電位検知端を構成している。
【0017】上述した本発明に係る表面電位センサにお
いて、基体を構成する振動部材は、少なくとも一本のア
ームと、圧電振動子とを含み、圧電振動子はアームに取
りつけられている。アームは、弾性体で構成され、固定
部が基体の振動部材支持部に取り付けられ、基体によっ
て支持されている。このアームには圧電振動子が取りつ
けられているから、アームは圧電振動子の振動周波数で
励振される。
【0018】アームは振動端を含んでおり、検知電極
は、振動端の振動動作と関連付けられた表面電位検知端
を構成している。具体的には、使用状態において、検知
電極は、被測定電位面と対向するように配置され、振動
端の振動動作により、被測定電位面と検知電極との間の
静電結合を周期的に変化させるように、振動端と関連付
けられている。これにより、検知電極は被測定電位面の
電位に比例した静電誘導を交番的に発生させる。従っ
て、検知電極の周期的な電位変化を検出することによ
り、被測定電位面の電位を検出することができる。
【0019】上述した構成及び作用は、この種の表面電
位センサの一般的な構成及び作用である。本発明の表面
電位センサの特徴点は、上述した構成において、配線支
持部を含み、配線が配線支持部に沿って引き回され、弾
性接着材で前記配線支持部に保持されていることであ
る。
【0020】この構成によれば、配線の配置位置が特定
され、特性ばらつきが少なく、配線の引き回し作業が容
易で、組立作業性のよい表面電位センサを得ることがで
きる。
【0021】また、配線が振動部材の振動により、振動
部材あるいは基体等のその他の金属部分と擦れることに
よるショートや断線を防止し、小型で信頼性の高い表面
電位センサとすることができる。
【0022】本発明は、更に対向面積可変型及び対向距
離可変型の表面電位センサにおける具体例についても開
示する。
【0023】本発明の他の目的、構成及び利点について
は、添付図面を参照して、更に詳しく説明する。図面は
単なる例示に過ぎない。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は本発明の表面電位センサの
一実施例を示す分解斜視図、図2は図1に示した本発明
の表面電位センサの断面図、図3は図1に示した本発明
の表面電位センサの部分平面図である。図4は図3の4
ー4線に沿った断面図、図5は図1に示した本発明の表
面電位センサの底板部を除いた部分底面図、図6は図5
の6ー6線に沿った断面図である。この実施例では、対
向面積可変型として構成した表面電位センサについて説
明する。
【0025】図示された表面電位センサは、検知電極1
と、振動部材2と、回路基板3と、中継基板4と、配線
61、62、63と、シールドカバー7と、底板8と、
基体9とを含む。
【0026】検知電極1は、方形の平面電極と三本の足
を含み、金属板材を打ち抜いて、足となる部分を直角に
折り曲げて構成され、回路基板3に取り付けられる。検
知電極1の足は本数を問わず、回路基板3に安定して取
り付けられればよく、また、足を用いず、回路基板3に
直接に取り付けたり、金属板材を用いず、回路基板3に
形成した導体パターンで構成してもよい。
【0027】振動部材2は、二本のアーム21と、固定
部22と、チョッピング部24とを含み、弾性金属板材
を打ち抜き、折り曲げて音叉型に構成され、更に、圧電
振動子25を含んでいる。
【0028】二本のアーム21は、それぞれ基部側が固
定部22と連続し、先端側が振動端とされ、振動端にチ
ョッピング部24が形成されている。固定部22は二個
の取り付け孔23を有する。圧電振動子25はその振動
方向をアーム21の振動方向と合わせ、二本のアーム2
1のそれぞれ基部寄りに導電性接着材で貼着されてい
る。
【0029】回路基板3及び中継基板4は例えばアルミ
ナ等の絶縁材料で構成されている。回路基板3は、一方
の面に、検知電極1を電気的、機械的に接続する導体パ
ターン31を備え、他方の面に、インピーダンス変換回
路を構成する回路部品5が取り付けられる導体パターン
や印刷抵抗パターン、信号出力用導体ランド32(図5
参照)、グランドパターン33等を備え、更に、両面の
導体パターンを接続する貫通導体を備えている。インピ
ーダンス変換回路は電界効果トランジスタや抵抗等の回
路部品5、印刷抵抗パターン等で構成され、回路基板3
の他方の面の導体パターンに取り付けられ、貫通導体を
介して、回路基板3の一方の面の導体パターン31と接
続されている。中継基板4は、圧電振動子駆動用配線6
1と外部接続用駆動配線62の接続を中継する基板であ
って、両配線62、62を接続する導体パターン41、
41を備えている。
【0030】配線は、圧電振動子駆動用配線61と、外
部接続用駆動配線62と、信号用配線63とを含む。圧
電振動子駆動用配線61は圧電振動子25に駆動電力を
供給する配線であって、振動部材2の振動に対する負荷
とならないように、例えば10μmφ程度の極めて細い
ウレタン被覆線が用いられる。外部接続用駆動配線62
は中継基板4を介して圧電振動子駆動用配線61と接続
されるため、振動部材2の振動に対する負荷とならない
ので、例えば1mmφ程度の比較的太い樹脂被覆線が用
いられる。信号用配線63はセンサ出力信号をセンサ外
部に取り出すために設けられ、微弱なセンサ出力信号を
外部ノイズから保護するため、本実施例では直径2mm
程度のシールド線が用いられる。
【0031】シールドカバー7はセンサ内部を保護し、
外部ノイズを遮断する機能を備え、測定個所を特定する
ための検知窓71と、基体9に固定するための取り付け
片72を備え、金属板材を打ち抜き、コ字状に折り曲げ
て形成される。
【0032】底板8は同様に、センサ内部を保護し、外
部ノイズを遮断する機能を備え、金属板材を打ち抜いて
形成される。
【0033】基体9は、回路基板支持部91と、振動部
材支持部92と、中継基板支持部93と、シールドカバ
ー支持部96と、配線挿通孔95とを含む。基体9は、
振動部材を安定して動作させ、かつ、複雑な立体構造を
可能とするため、例えば亜鉛合金のダイキャストで形成
される。
【0034】回路基板支持部91は、センサ長手方向に
おいて、振動部材支持部92の一方側に連続して形成さ
れた方形の枠体911と、枠体911の内側に形成され
た段差部912とを含んで構成されている。図におい
て、段差部912の上面で回路基板3を支持し、段差部
912の下部に形成される空間を回路部品5および信号
用配線63等の収容部としてある。
【0035】中継基板支持部93は、センサ長手方向に
おいて、振動部材支持部92の他方側に連続して形成さ
れた方形の枠体931と、図において、枠体931の内
側の上下方向中間に形成された仕切932とで構成さ
れ、仕切932の上面で中継基板4を支持し、仕切93
2の下部に形成される空間を信号用配線63の収容部9
33としている(図5参照)。収容部933は収容部9
13と連続して形成される。更に、収容部933は仕切
932の下部から突出した信号配線分離体934を備え
ている。
【0036】振動部材支持部92は、回路基板支持部9
1および中継基板支持部93より上方に突出した台状に
形成され、上面に形成された平面でなる振動部材受け部
921と、平面から突出した二個の振動部材固定用突起
922とを含む。
【0037】駆動用配線支持部94は、振動部材支持部
92のセンサ長手方向側面に形成された段差部941で
構成される。段差部941は、振動部材支持部92側面
の圧電振動子側の端面を駆動用配線支持部始端942と
してセンサ長手方向に沿って形成される。駆動用配線支
持部始端942は振動部材2が振動部材支持部92に取
り付けられたとき、その振動方向において、振動部材2
より外側に位置している。
【0038】配線挿通孔95は、センサ長手方向の中継
基板支持部93側の端面に外部接続用駆動配線62と信
号用配線63に対し、それぞれ独立して設けられてい
る。センサ長手方向の回路基板支持部91側の端面91
4は枠体911の一部が大きく立ち上がって、シールド
カバー7が取り付けられたときセンサ端面を閉塞するよ
う構成されている。
【0039】シールドカバー支持部96は基体9の長手
方向の側面下部が膨出して形成された段部で構成され、
膨出部が一部切欠かれ、取り付け片挿通溝961が形成
されている。
【0040】このように構成された基体9には、検知電
極1と回路部品5が取り付けられた回路基板3と、中継
基板4と、振動部材2と、配線61、62、63と、シ
ールドカバー7と、底板8とが取り付けられる。
【0041】検知電極1と回路部品5が取り付けられた
回路基板3は、回路部品5が収容部913に収容される
ように、検知電極1を上側にして段差部912に載置さ
れ、接着材で段差部912に接着され基体9に固定され
る。
【0042】中継基板4は導体パターン41を上側にし
て仕切932上に載置され、接着材で基体9に固定され
る。
【0043】振動部材2はチョッピング部24が検知電
極1の上面と対向するようにその固定部22を振動部材
受け部921に配置し、固定部22に設けられた取り付
け孔23に突起922をはめ込み、突起922をかしめ
る等の手段により取り付けられる。振動部材2の取り付
けは、かしめ以外にねじ止めや接着により行ってもよい
が、かしめによれば、ねじや接着材等の補助部材が不要
であり、また、作業性も良く、更に、経時的なねじのゆ
るみや、接着材の劣化に起因するセンサ特性の変動を防
止できる。
【0044】圧電振動子駆動用配線61は、一端が圧電
振動子に接続され、中間部が振動部材支持部92側面に
設けられた配線支持部94に沿って引き回され、他端が
中継基板4に形成された導体パターン41の一端にはん
だ付けされる。圧電振動子駆動用配線61の一端と配線
支持部始端942との間の配線は、圧電振動子駆動用配
線61の一端と配線支持部始端942とを結ぶ直線に略
沿い、かつ、振動部材2が振動したときテンションが加
わらないように配線される。
【0045】外部接続用駆動配線62は、一端が中継基
板4に形成された導体パターン41の他端にはんだ付け
され、基体9に設けられた配線挿通孔95を介して外部
に導出される。
【0046】信号用配線63は、基体9に設けられた配
線挿通孔95を介してセンサ外部から基体9の下部に設
けられた収容部913、933(図5参照)に導かれ、
収容部933において芯線部631とシールド被覆線部
632とが分離され、信号線分離体934の一方側に芯
線部631が配置され、他方側にシールド被覆線部63
2が配置される。芯線部631の先端は被覆が剥がさ
れ、回路基板3の部品取り付け面側に形成された信号用
導体ランド32にはんだ付けされる。シールド被覆線部
632はその先端が回路基板3の部品取り付け面側に形
成されたグランドパターン33にはんだ付けされる。
【0047】上述の配線において、圧電振動子駆動用配
線61は、その中間部が本発明の特徴である弾性接着材
65により、駆動用配線支持部94に弾性をもって保持
される。弾性接着材65の種類は特に限定されないが、
シリコーン系の絶縁性接着材が通常用いられる。
【0048】更に、本実施例では圧電振動子駆動用配線
61の他端および外部接続用駆動配線62の一端も同様
の弾性接着材65により、中継基板4上面に弾性をもっ
て保持される。このように、外部接続用駆動配線62を
中継基板4に接着すれば、電子写真現像装置へのセンサ
取り付け作業時や、その他のセンサ取り扱い中に外部接
続用駆動配線62に加わるテンションによる断線事故を
低減できる。
【0049】信号用配線63はそのシールド被覆線部6
32が弾性導電性接着材66により、基体9に弾性をも
って固定されるとともに、電気的に接続される。更に、
シールド被覆線部632がはんだ付けされたグランドパ
ターン33も、弾性導電性接着材66により基体9に弾
性をもって固定されるとともに、電気的に接続される。
このため、シールド被覆線部632と、グランドパター
ン33と、基体9とが同電位とされる。弾性導電性接着
材は接着材中に銀等の良導電性フィラーが混入され、粘
度が20K〜25K(CPS)程度に調整されたもの
で、種類は特に限定されないが、例えば、米国エポキシ
・テクノロジー社製のエポテック(商標)がフレキシブ
ル性、硬化時の残留応力吸収特性の面で適している。
【0050】上述の構成は、本実施例の表面電位センサ
の温度変化に対する長期間の信頼性を高める。すなわ
ち、本実施例において、回路基板3はアルミナで形成さ
れ、基体9は亜鉛合金のダイキャストで形成される。ア
ルミナの線膨張係数は5×10 -6/℃程度、ダイキャス
トに用いられる亜鉛合金のそれは3×10-5/℃程度で
あり、両者間には6倍程度の相違がある。
【0051】回路基板3及び基体9は周囲の温度変動に
応じて収縮、膨張を繰り返すが、弾性導電性接着材66
は線膨張係数の相違を吸収し、長期間にわたって回路基
板3のグランドパターン33と、シールド被覆線部63
2と、基体9との電気的接続を維持する。
【0052】検知電極1、回路基板3、中継基板4、振
動部材2および配線61、62、63とが取り付けられ
た基体9は、その上面側からシールドカバー7がかぶせ
られ、シールドカバー7の検知窓71と検知電極1とが
対向するように、シールドカバー7の縁辺73をシール
ドカバー支持部96で支持し、下面側からは、収容部9
13、933を閉塞するように底板8が取り付けられ
る。
【0053】基体9とシールドカバー7と底板8とは、
シールドカバー7の縁辺73から下方に突出した取り付
け片72を取り付け片挿通溝961に挿通して底板面で
折り曲げることにより一体化される。これにより、基体
9とシールドカバー7と底板8とは、回路基板3のグラ
ンドパターン33及びシールド被覆線部632とを含
み、電気的に同電位に接続される。
【0054】このように構成された表面電位センサは、
シールドカバー7の検知窓71を被測定電位面に向けて
取り付けることにより、検知電極1が振動部材2のチョ
ッピング部24を介して被測定電位面に対向して配置さ
れる。外部接続用駆動配線62から中継基板4および圧
電振動子駆動用配線61を介して駆動電力が供給される
と圧電振動子25が振動する。圧電振動子25の振動に
より、振動部材2の二本のアーム21が振動して振動端
に設けられたチョッピング部24を被測定電位面と水平
方向に振動させる。
【0055】チョッピング部24は被測定電位面と検知
電極1との間の電気力線をチョッピングするとともに、
被測定電位面と検知電極1との対向面積を周期的に変化
させ、被測定電位面と検知電極1との間の静電結合を周
期的に変化させる。検知電極1は被測定電位面の電位に
比例した静電誘導を交番的に発生させる。インピーダン
ス変換回路は検知電極1で検知した交流信号をインピー
ダンス変換して信号用配線63を介して出力する。
【0056】本実施例の表面電位センサは、被測定電位
面の表面電位を検出するにあたり、振動部材2の二本の
アーム21が振動する。二本のアーム21の基部側には
圧電振動子25が貼着されている。圧電振動子25には
一端が圧電振動子25に接続された圧電振動子駆動用配
線61を介して駆動電力が供給される。圧電振動子駆動
用配線61は振動部材2の振動に対する負荷とならない
ように10μmφ程度の極めて細いウレタン被覆線が用
いられ、その一端が圧電振動子25に接続され、中間部
が振動部材支持部92側面に設けられた駆動用配線支持
部94に沿って引き回され、他端が中継基板4に形成さ
れた導体パターン41の一端にはんだ付けされる。
【0057】更に、圧電振動子駆動用配線61は、その
中間部が弾性接着材65により、配線支持部94に弾性
をもって保持されている。このため、本実施例の表面電
位センサは圧電振動子駆動用配線61の引き回しにあた
って、引き回し位置が特定されるので、作業性が良く、
特性のばらつきを少なくすることができる。また、圧電
振動子駆動用配線61は極めて細い絶縁被覆線が用いら
れ、振動部材支持部92側面に形成された配線支持部9
4に弾性をもって保持されるため、振動部材2の振動に
対する負荷とならず、振動部材2の振動により、圧電振
動子駆動用配線61と振動部材2あるいはシールドカバ
ー7や基体9等のその他の金属部分と擦れ合い、絶縁被
覆が削り取られ短絡状態に至ったり、断線することがな
い。更に、シールドカバー7を組み付ける際にも配線を
噛んでしまったり、傷つけることが無く、この点でも短
絡や断線を防止でき、従来のような空中配線と比較し小
型化が可能となる。この様に、本実施例の表面電位セン
サは製造時の作業性が良く、特性のばらつきも少なく、
信頼性が高い。
【0058】本実施例では、圧電振動子駆動用配線61
の一端と配線支持部始端942との間の配線は、圧電振
動子駆動用配線61の一端と配線支持部始端942とを
結ぶ直線に略沿い、かつ、振動部材2が振動したときテ
ンションが加わらないように配線される。この構成は、
上述の振動部材2の振動に起因するショートや断線の発
生を更に確実に防止する。
【0059】また更に、配線支持部始端942に振動部
材方向に傾斜するテーパ部や面取り部を形成すれば、配
線支持部始端942における配線の周囲が確実に弾性接
着材65で囲まれ、この部分での断線発生の防止効果高
めることができる。
【0060】図6は本発明の表面電位センサの別の実施
例に用いる基体9の断面図である。本実施例に用いる基
体9は、駆動用配線支持部94が溝状に形成されている
点を除き、前述の実施例と同様である。
【0061】駆動用配線支持部94はセンサ長手方向に
沿って振動部材支持部92の側面に設けられ、振動部材
支持部92本体側面と、その本体側面から立ち上がった
側壁944とで囲まれた、断面U字状の溝943で構成
されている。弾性接着材65はこの溝943を埋めるよ
うに注入される。
【0062】このため、前述の実施例と較べ、配線の引
き回し位置及び弾性接着材の注入位置がより正確に特定
でき、弾性接着材65の量も少量とすることができる。
【0063】図7は本発明の表面電位センサの更に別の
実施例を示す要部斜視図である。図7は検知電極1と、
振動部材2と、振動部材支持部92と、配線61、64
と、弾性接着材65とを示している。
【0064】本実施例の表面電位センサは対向距離可変
型として構成されている。
【0065】振動部材支持部92は前述の実施例と同様
亜鉛合金のダイキャストで台状に形成され、センサ長手
方向と直交する端面が振動部材受け部921とされてい
る。振動部材受け部921は平面に形成されるととも
に、振動部材固定用の二個の突起922を含む。
【0066】振動部材2は、前述の実施例と同様二本の
アーム21と、二個の取り付け孔23を有する固定部2
2とを含み、恒弾性金属板材で音叉型に構成され、更
に、圧電振動子25を含んでいる。二本のアーム21は
固定部22寄りに圧電振動子25が貼着され、先端側が
振動端となる。振動端には、チョッピング部が形成され
ず、代わりに一方のアーム21の振動端に検知電極1が
貼着され、検知電極1に極細の信号用配線64が接続さ
れている。
【0067】信号用配線64は振動する検知電極1に接
続されるため、振動に対する負荷とならないように、圧
電振動子駆動用配線61と同様例えば10μmφ程度の
極めて細いウレタン被覆線が用いられる。
【0068】振動部材2は固定部22の二個の取り付け
孔23に振動部材固定用の二個の突起922を挿入し、
突起をかしめることにより振動部材支持部92に取り付
けられる。
【0069】振動部材2は、必ずしも音叉型に構成する
必要はなく、一本のアーム21と、アーム21に連続し
た固定部22と、アーム21の固定部22寄りに貼着さ
れた圧電振動子25とを含み、アーム21の振動端に検
知電極1を貼着し、検知電極1を被測定電位面と対向し
て配置し、検知電極1を被測定電位面と垂直方向に振動
させてもよい。また、前述の実施例に示した対向面積可
変型の表面電位センサであっても、一本のアーム21で
構成することが可能である。
【0070】配線支持部は駆動用配線支持部94と極細
の信号用配線支持部97とを含み、それぞれ別の面に形
成されている。それぞれの面は振動部材2より側方に膨
出した位置に形成されている。駆動用配線支持部94
は、図において、振動部材支持部92上面に形成された
溝943で構成される。溝943は、二本のアーム21
の延長線上の内側で、振動部材支持部92上面の圧電振
動子側端部を配線支持部始端942としてセンサ長手方
向に沿って形成されている。極細の信号用配線支持部9
7は、センサ長手方向の振動部材支持部92側面に形成
された溝943で構成される。溝943は、振動部材支
持部92側面の検知電極側端部を配線支持部始端942
としてセンサ長手方向に沿って形成されている。
【0071】各配線は、一端が圧電振動子または検知電
極1に接続され、中間部が各配線支持部94、97の溝
943に配置されて引き回される。各配線支持部の溝9
43は弾性接着材65が注入され、弾性をもって配線を
保持する。
【0072】各配線の一端と配線支持部始端942との
間の配線は、配線の一端と配線支持部始端942とを結
ぶ直線に略沿い、かつ、振動部材2が振動したときテン
ションが加わらないように配線される。
【0073】このように構成された本実施例の表面電位
センサは、検知電極1を被測定電位面と対向して配置
し、検知電極1を被測定電位面と垂直方向に振動させ
る。本実施例の表面電位センサは、配線が配線支持部9
4、97に配置され、弾性接着材65により弾性をもっ
て保持されるため、前述の実施例と同様の効果を有す
る。
【0074】以上の実施例に示した表面電位センサは電
子写真現像装置の感光ドラム表面の電位を検出するセン
サとして用いることもできるし、フィルムやその他の媒
体の表面の電位を検出するセンサとしても用いることが
できる。
【0075】図8は本発明の表面電位センサを用いた電
子写真現像装置の感光ドラム周辺の概念図である。
【0076】感光ドラムAの周辺には、帯電器B、表面
電位センサC、露光器D、トナータンクE、回転ローラ
ーF、及び、可視像が転写される紙等の媒体Gを含む。
感光ドラムAは、矢印方向に回転する。表面電位センサ
Cは被測定電位面である感光ドラムAの表面に対向して
配置される。帯電器Bは高電圧発生器Hから高電圧が印
加され、コロナ放電によって、感光ドラムAの表面を一
様に帯電する。露光器Dは写真像に従い感光ドラムAの
表面を露光する。感光ドラムAの表面は露光した部分が
導電性となり、その露光量に応じて電荷が消失し写真像
に対応した帯電潜像が形成される。感光ドラムAはトナ
ータンクEからトナーの供給を受け、帯電潜像にトナー
が付着する。
【0077】付着したトナーは、回転ローラーFによ
り、感光ドラムAに密着して移送される紙その他の媒体
Gに可視像として転写される。
【0078】上述の転写サイクルで、表面電位センサC
は適時感光ドラムAの表面電位を検知し、その出力を信
号処理装置Jを介して制御装置Kに送出する。
【0079】カラーのタンデムタイプ電子写真現像装置
の場合、表面電位センサCは少なくとも4個用いられ、
それぞれの特性を揃える必要がある。本発明の表面電位
センサは小型に構成でき、特性のばらつきを低減できる
ため、カラーの電子写真現像装置に用いて好適である。
【0080】また、電子写真現像装置は、その稼働時に
表面電位センサの周囲温度が50℃から60℃程度迄上
昇する。従って、電子写真現像装置の稼働、停止に伴い
表面電位センサは温度サイクルが加えられる。図1〜図
6に示した実施例の表面電位センサは温度変動に対する
信頼性が高い。このため、上述の実施例の表面電位セン
サは温度変動が頻繁に発生する複写機やプリンターに用
いて好適である。
【0081】以上、好ましい実施例を参照して本発明の
内容を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定される
ものではなく、当業者であれば、その基本的技術思想及
び教示に基づき、種々の変形例を想到できることは自明
である。
【0082】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば次の
ような効果を得ることができる。 (a)配線が擦れることによるショートや断線を防止し
た、小型で信頼性の高い表面電位センサを提供すること
ができる。 (b)配線の引き回し作業が容易で、組立作業性のよい
表面電位センサを提供することができる。 (c)特性ばらつきの少ない表面電位センサを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面電位センサの一実施例を示す分解
斜視図である。
【図2】図1に示した本発明の表面電位センサの断面図
である。
【図3】図1に示した本発明の表面電位センサの部分平
面図である。
【図4】図3に示した本発明の表面電位センサの4ー4
線断面図である。
【図5】図1に示した本発明の表面電位センサの底板部
を除いた部分底面図である。
【図6】本発明の表面電位センサの別の実施例に用いる
基体の断面図である。
【図7】本発明の表面電位センサの更に別の実施例を示
す要部斜視図である。
【図8】本発明の表面電位センサを用いた電子写真現像
装置の感光ドラム周辺の概念図である。
【符号の説明】
1 検知電極 2 振動部材 21 アーム 22 固定部 25 圧電振動子 61、62、63、64 配線 65 弾性接着材 9 基体 92 振動部材支持部 94 配線支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 隆 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 2H027 DA02 DE05 DE10 EA01 EC06 EC09 ZA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と、振動部材と、検知電極と、配線
    とを含む表面電位センサであって、 前記基体は、振動部材支持部と、配線支持部とを含み、 前記振動部材は、少なくとも一本のアームと、圧電振動
    子とを含み、前記アームは弾性体で構成され固定部と振
    動端とを含み、前記固定部は前記振動部材支持部に取り
    付けられており、 前記圧電振動子は、前記アームに取りつけられており、 前記検知電極は、前記振動端の振動動作と関連付けられ
    た表面電位検知端を構成しており、 前記配線は、前記圧電振動子駆動用配線と、検知信号を
    出力する信号用配線とを含み、前記配線の少なくとも一
    方が、弾性接着材で前記配線支持部に保持されている表
    面電位センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された表面電位センサで
    あって、 前記検知電極は、前記振動端に固定されており、 前記信号用配線は、その一端が前記検知電極に接続され
    て前記配線支持部に沿って引き回され、弾性接着材で前
    記配線支持部に保持されている表面電位センサ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された表面電位センサで
    あって、 前記配線支持部は前記振動部材の振動方向に対して外側
    に位置し、 前記信号用配線は、その一端と前記配線支持部との間
    が、前記信号用配線の一端と前記配線支持部とを結ぶ直
    線に沿い、かつ、振動によるテンションが加わらないよ
    うに配線されている表面電位センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された表面電位センサで
    あって、 前記基体に固定された回路基板を含み、前記回路基板は
    表面に導体パターンを有し、 前記検知電極は、前記回路基板の表面に形成された前記
    導体パターンに電気的に接続して固定され、 前記振動部材は、二本のアームが固定部に連続して形成
    された音叉形振動部材であって、チョッピング部を含
    み、 前記チョッピング部は前記二本のアームの振動端に設け
    られ、前記検知電極の前面に配置されており、 前記圧電振動子駆動用配線は、弾性接着材で前記配線支
    持部に保持されている表面電位センサ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された表面電位センサで
    あって、 前記回路基板はアルミナで構成され、表面及び裏面に形
    成された導体パターンと、表面及び裏面の導体パターン
    を接続する貫通導体とを含み、 前記信号用配線はシールド線で構成され、芯線の一端が
    前記回路基板の裏面に形成された導体パターンに接続さ
    れて、前記貫通導体を介して前記検知電極に導通し、シ
    ールド被覆線部の一端が前記回路基板の裏面に形成され
    たグランドパターンに接続され、 前記基体は亜鉛ダイキャストで構成され、前記基体に前
    記グランドパターン及びシールド被覆線部が弾性導電性
    接着材で接着されている表面電位センサ。
  6. 【請求項6】 請求項4または5の何れかに記載された
    表面電位センサであって、 前記基体は底面側に少なくとも配線を収容する収容部を
    備え、前記収容部に配線分離体が設けられている表面電
    位センサ。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし6の何れかに記載された
    表面電位センサであって、 前記配線支持部はその始端が前記振動部材の振動方向に
    対して外側に位置し、 前記圧電振動子駆動用配線は、その一端が圧電振動子に
    接続され、その一端と前記配線支持部との間が、前記圧
    電振動子駆動用配線の一端と前記配線支持部とを結ぶ直
    線に沿い、かつ、振動によるテンションが加わらないよ
    うに配線されている表面電位センサ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7の何れかに記載された
    表面電位センサであって、 前記基体はダイキャスト製であって、前記配線支持部が
    溝状に形成されている表面電位センサ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8の何れかに記載された
    表面電位センサであって、 電子写真現像装置の感光ドラム表面の電位を検出する表
    面電位センサ。
  10. 【請求項10】 表面電位センサを含む電子写真現像装
    置であって、 前記表面電位センサは、請求項9に記載されたものでな
    る電子写真現像装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003090852A (ja) * 2001-09-19 2003-03-28 Tdk Corp プローブ、及び表面電位検出装置
JP2008141488A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Toshiba Corp 画像形成装置およびシールドハーネス

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