JP2001188052A - Xafs測定装置 - Google Patents

Xafs測定装置

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JP2001188052A
JP2001188052A JP37535599A JP37535599A JP2001188052A JP 2001188052 A JP2001188052 A JP 2001188052A JP 37535599 A JP37535599 A JP 37535599A JP 37535599 A JP37535599 A JP 37535599A JP 2001188052 A JP2001188052 A JP 2001188052A
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rays
xafs
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JP37535599A
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Takeyoshi Taguchi
武慶 田口
Hisashi Yashiro
恒 屋代
Takashi Kuriyama
隆 栗山
Seimin Sawano
成民 澤野
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料に加わる圧力が変化する状態下でのXA
NES及びEXAFSを測定することが可能であるXA
FS測定装置を提供する。 【解決手段】 湾曲分光結晶2に入射するX線Rの入射
角度θを変化させることによって試料Sに入射するX線
のエネルギを変化させながら、試料Sに入射するX線の
強度及び試料Sを透過したX線の強度をX線検出器1
2,13によって測定し、それらの強度に基づいて試料
Sに関する吸光度の変動を測定するXAFS測定装置に
おいて、試料加圧制御装置9によって試料Sに加わる圧
力を変化させながら測定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料に関するX線
吸収線図に現れる吸光度の変動、例えばEXAFS及び
XANESを測定するためのXAFS測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、試料に照射するX線のエネルギ
を徐々に変えてゆき、その各々のエネルギについて試料
に入射するX線の強度(I0)と試料を透過したX線の
強度(I)との比(I0/I)を求め、それらに基づい
て該試料の線吸収係数μと厚みtとの積である吸光度μ
t=log e (I0/I)を算出して、それをグラフ
上にプロットすると、図5に示すようなX線吸収線図が
得られる。
【0003】このX線吸収線図において、吸収端Aの近
傍、例えばA±50eV程度の狭い領域に現れる吸収端
微細構造は、通常、XANES(ゼーネス:X-Ray Abso
rption Near Edge Structure)と呼ばれている。また、
XANESよりも高いエネルギ側へ1000eV程度の
広い領域に現れるX線強度比の振動構造、すなわち吸光
度の変動は、EXAFS(イグザフス:Extended X-Ray
Absorption Fine Structure)と呼ばれている。
【0004】これらのXANES及びEXAFSには、
X線吸収原子とそのまわりの原子との間の結合状態、分
子の立体構造、原子間距離、あるいは原子配位等に関す
る情報が含まれている。よって、未知試料について図5
に示すようなX線吸収線図を求めれば、それに基づいて
その未知試料の構造解析を行うことができる。本発明に
係るXAFS測定装置は、そのようなXANES及びE
XAFSに基づいて試料の構造解析を行うものである。
【0005】従来のEXAFS測定装置では、一般に、
図6に示すように、直径が一定不変である仮想の集中円
C0の上に、X線焦点F、湾曲分光結晶52及び受光ス
リット53を配設する。そして、X線焦点Fから放射さ
れて発散する連続X線を湾曲分光結晶52で単色X線へ
と分光して試料Sに入射させ、試料SにおけるX線透過
率をX線のエネルギ量すなわち波長との対応で測定す
る。
【0006】この従来のXAFS測定装置では、試料S
に入射するX線のエネルギを変化させるため、湾曲分光
結晶52を集中円C0に沿って移動させることにより、
その湾曲分光結晶52に入射するX線の入射角度θをθ
1、θ2、… … のように変化させる。そして、その
ように時々刻々エネルギ量が変化するX線を試料Sに照
射することによって図5に示すX線吸収線図を得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のXAFS測定装置では、試料Sは単に大気圧状態下
で測定されるだけであり、従って、試料に加わる圧力が
変化する状態下でのXANES及びEXAFSを測定す
ることはできなかった。
【0008】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであって、試料に加わる圧力が変化する状態下での
XANES及びEXAFSを測定することが可能である
XAFS測定方法及びXAFS測定装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1) 上記の目的を達
成するため、本発明に係るXAFS測定装置は、試料に
入射するX線のエネルギを変化させながら、該試料に入
射するX線の強度及び該試料を透過したX線の強度をX
線検出器によって測定し、それらの強度に基づいて該試
料の特定元素に関する吸光度の変動を測定するXAFS
測定装置において、前記試料に加わる圧力を変化させる
試料加圧制御手段を有することを特徴とする。
【0010】一般に、試料のまわりの雰囲気、例えば試
料に加わる圧力を変化させると、その試料の構造に変化
が生じて該試料に関するX線吸収線図に現れる吸収端
が、当該X線吸収線図の横方向や縦方向に変化したり、
あるいはX線吸収線図のスペクトルの波形に変化が生じ
る。
【0011】上記(1)項記載のXAFS測定装置によ
れば、XAFS測定中に試料加圧制御手段によって試料
に加わる圧力を変化させることができるので、試料に加
わる圧力が変化するときの試料の構造の挙動、すなわち
XANES及びEXAFSの変動を初めて正確に測定で
きる。
【0012】なお、試料加圧制御手段は任意の構造によ
って構成できるが、例えば、一対のダイヤモンドチップ
によって試料を押圧する構造を採用できる。この場合、
ダイヤモンドチップの押圧方法は、ガスを用いて加圧す
る方法、ネジ等といった機械的な押圧方法等といった種
々の方法を適用できる。
【0013】(2) 上記(1)項記載のXAFS測定
装置に関しては、X線発生装置から出たX線をエネルギ
を変化させるために分光して集束位置に集束させる分光
手段を設けることができ、その場合には、前記試料は前
記集束位置に配置されることが望ましい。
【0014】一般に、試料に圧力を加える場合、試料が
大きいときにはその全体に加える圧力を大きくしなけれ
ばならない。その反面、試料が小さければ、その全体に
加える力をそれ程大きくしなくても、その微小試料に大
きな圧力を加えることができる。このことから、試料に
加圧装置を付設する場合には、試料の大きさをできるだ
け小さくすることが望ましく、こうすれば、加圧装置と
して構造が簡単で且つ小型のものを使用することができ
る。
【0015】このことに関し、図6に示すような構造、
すなわち集中円C0 上に受光スリット53を配置して試
料Sをその受光スリット53の後部位置、すなわち集中
円C0 から外れた位置に配置する構造のXAFS測定装
置に対して試料加圧装置を付設するときを考えると、次
のような問題が考えられる。
【0016】すなわち、この構造のXAFS測定装置に
おいては、試料Sが集中円C0 に置かれた受光スリット
53の後部位置に配置されるので、試料Sには拡散状態
のX線が照射されることになり、その試料Sが微小試料
であると、その微小試料に高密度のX線を照射すること
ができず、よって、信頼性の高い測定を行うことが難し
い。従ってこの場合には、試料Sは大きくせざるを得な
かった。
【0017】これに対し、本(2)項記載のXAFS測
定装置、すなわち、分光結晶等といった分光手段から出
て集束するX線の集束位置に試料を配置させて測定を行
う構成のXAFS測定装置によれば、微小試料に高密度
のX線を照射することができるので、そのような微小試
料に対して信頼性の高いXAFS測定を行うことができ
る。このように、本(2)項記載のXAFS測定装置に
よれば、微小試料を何等の問題もなく測定対象とするこ
とができるので、試料に試料加圧制御装置を付設するこ
とも問題なく実現できる。
【0018】(3) 上記(1)項又は(2)項記載の
XAFS測定装置において、前記試料加圧制御手段は試
料温度制御手段を有することが望ましい。そして、試料
加圧制御手段によって前記試料に加わる圧力を変化させ
ると共に、前記試料温度制御手段によって前記試料の温
度を変化させながら、XAFS測定を行うことが望まし
い。
【0019】このXAFS測定装置によれば、試料に加
わる圧力を変化させるのと同時に、試料のまわりの温度
を変化させながらXAFS測定を行うことができるの
で、より一層測定者の希望に沿った測定を行うことが可
能となる。
【0020】(4) 上記(1)項から上記(3)項記
載のXAFS測定装置の少なくともいずれか1つにおい
ては、前記試料加圧制御手段を載せた状態で移動できる
可動調整台を有することが望ましい。
【0021】上記可動調整台によって試料加圧制御手
段、従って試料を移動させることにより、分光結晶等と
いった分光手段から出て集束するX線の集束位置に試料
が正確に位置するように、試料の位置を調節できる。ま
た、試料に加わる圧力を変化させると試料の位置が微妙
に変動することが考えられ、そのような場合には上記可
動調整台によって試料の位置を補正できる。
【0022】なお、可動調整台は、例えば平面内で自由
に平行移動できる、いわゆるXYスライダによって構成
できる。
【0023】(5) 上記(1)項から(4)項記載の
XAFS測定装置において、前記試料は直径1mm以下
の微小試料であることが望ましい。微小試料であれば、
特別に大掛かりでない普通の試料加圧制御手段によって
試料に大きな圧力を付与できる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るXAFS測
定装置の一実施形態を示している。このXAFS測定装
置は、フィラメント6及びターゲット7によって構成さ
れたX線源10を収納したX線管1と、連続X線を受け
て特定波長のX線を回折によって取り出して分光する湾
曲分光結晶2と、そして検出器台3とを有する。本実施
形態では、X線管1がX線発生装置を構成し、湾曲分光
結晶2が分光手段を構成する。
【0025】X線管1はステンレス等によって形成され
たケーシング4を有し、フィラメント6及びそれに対向
して配置されたターゲット7はそのケーシング4の内部
に収容される。フィラメント6は通電によって発熱して
熱電子を放出する。また、フィラメント6とターゲット
7との間には所定の電圧、すなわち管電圧が印加され、
フィラメント6から放出された熱電子がこの管電圧によ
って加速されてターゲット7に衝突する。この熱電子の
衝突領域が、いわゆるX線焦点Fであり、このX線焦点
FからX線が発生する。
【0026】こうして発生したX線は発散状態で湾曲分
光結晶2に入射し、その分光結晶2で回折した特定波長
のX線が集中円C0上の1点に集束する。測定対象であ
る試料、本実施形態の場合は微小試料SはそのX線の集
束位置に置かれる。試料S、湾曲分光結晶2及びX線焦
点Fは常に集中円C0の上に載るように制御される。ま
た、湾曲分光結晶2の湾曲曲率は集中円C0とほぼ一致
するように設定される。
【0027】検出器台3の上には、可動調整台としての
XYステージ8、入射X線検出器12及び透過X線検出
器13が設置される。また、XYステージ8の上には試
料加圧制御装置9が設置され、その試料加圧制御装置9
の中に試料Sが収納される。XYステージ8は、図2に
示すように、X線Rの中心軸線であるX線光軸X0方向
に対して平行なX方向と、それに直角なY方向のそれぞ
れの方向へ独立して平行移動できるステージである。
【0028】試料加圧制御装置9は、ヒータ14を内蔵
したケーシング16と、そのケーシング16の内部に格
納された一対のダイヤモンドチップ17と、それらのダ
イヤモンドチップ17の間に設けられた試料拘束部材1
8と、ケーシング16の内部空間に加圧用ガスを供給す
る加圧用ガス供給系19と、そしてケーシング16を冷
却するための冷却用ガスを供給するための冷却用ガス供
給系21とを有する。
【0029】試料拘束部材18は、一対のダイヤモンド
チップ17によって加圧される試料SがX線光軸X0 の
横方向へ移動すること又は飛び出すことを防止するため
のものである。この試料拘束部材18は比較的柔らかい
材料、例えば銅によって円盤形状、矩形盤形状等に形成
され、その内部に試料Sを収容するための孔が形成され
る。一対のダイヤモンドチップ17によって試料Sを加
圧する際には、その試料Sの近傍の試料拘束部材18も
一緒に加圧される。試料拘束部材18は望ましくはX線
を透過させない素材によって形成される。
【0030】なお、押圧素子としてダイヤモンドチップ
を使用するのは、ダイヤモンドが試料Sを加圧しても変
形や損傷し難い素材であるからである。ダイヤモンド以
外にも損傷等のし難い素材があれば、その素材を押圧素
子として用いることができることはもちろんである。
【0031】微小試料Sは一対のダイヤモンドチップ1
7によって挟持される。また、ケーシング16はX線を
透過させない素材によって形成され、そのうちX線光軸
X0に対応する部分にはX線を透過可能な素材によって
形成されたX線透過窓22が設けられる。
【0032】ヒータ14は試料Sを例えば1000℃以
上の高温に加熱することができ、温度調節が必要な場合
には冷却用ガス供給系21によって冷却用ガス、例えば
液体窒素や、ヘリウムを導入する。ヒータ14を作動し
ないで冷却用ガスだけを導入すれば、試料Sの温度を−
50℃程度まで下げることもできる。
【0033】また、加圧用ガス供給系19によってケー
シング16の内部に加圧用ガスを導入すれば、一対のダ
イヤモンドチップ17がその加圧用ガスによって均一な
圧力で押圧され、これにより、試料Sに均一な圧力を加
えることができる。なお、試料Sに対する温度調節方法
及び加圧方法は上記の方法に限定されず、他の任意の方
法を採用できることはもちろんである。
【0034】図1に戻って、XYステージ8は試料加圧
制御装置9と共に検出器台3から取り外せるようになっ
ており、その取り外し後の検出器台3の上に図3に示す
ように、受光スリット23を取り付けることができるよ
うになっている。つまり、本実施形態では、受光スリッ
ト23とXYステージ8とを選択的にX線Rの集束位置
に配置することができる。
【0035】図1において、入射X線検出器12は、試
料Sに入射するX線強度I0を測定するためのX線検出
器であって、例えば、X線を透過させることができる構
造、すなわち半透過型のPC(Proportional Counter:
比例計数管)によって構成される。また、透過X線検出
器13は、試料Sを透過したX線Iを測定するためのX
線検出器であって、例えば、SC(Scintillation Coun
ter:シンチレーション計数管)によって構成される。
【0036】以上に説明した各要素に関しては次のよう
な位置的拘束条件が加えられる。 (1)X線焦点F、分光結晶2及び試料Sは常に仮想の
集中円C0上に位置する。 (2)分光結晶2のX線受光面は集中円C0と同じ曲率
で湾曲する。 (3)分光結晶2はX線入射角θがθ1,θ2,… …
のように徐々に変化するように集中円C0上を移動す
る。このとき、X線焦点Fから分光結晶2に至る距離L
1が変化する。 (4)試料Sは分光結晶2が移動するとき、常にL1=
L2を維持するように集中円C0に沿って移動する。 (5)分光結晶2及び試料Sが移動するとき、集中円C
0の直径は常に一定に維持される。
【0037】以上のような位置的拘束条件は任意の機構
によって実現可能であるが、例えば図1に示すように、
直線状の第1リンク26及びそれに回転可能に連結され
た同じく直線状の第2リンク27を用いて構成できる。
この機構では、第1リンク26上にX線管1を固定配置
し、第1リンク26上に分光結晶2を回転可能に配置
し、分光結晶2の回転支点と同じ点で第1リンク26に
対して回転可能に直線状の第2リンク27を連結し、こ
の第2リンク27上に検出器台3を設置する。
【0038】そして、第1リンク26上でX線焦点Fと
分光結晶2との距離を変化させることによって分光結晶
2に入射するX線の入射角度θを変化させ、そのとき、
第1リンク26に対する第2リンク27の角度を変化さ
せると共に分光結晶2と検出器台3従って試料Sとの間
の距離を変化させることにより、集中円C0の中心Oと
X線焦点F、分光結晶2及び試料Sのそれぞれまでの距
離が常に等しくなるように各要素を位置拘束する。
【0039】入射X線検出器12はX線を受光してその
強度に対応した信号、例えばパルス信号I0を出力し、
その出力信号I0は吸光度演算器28に入力される。ま
た、透過X線検出器13はX線を受光してその強度に対
応した信号、例えばパルス信号Iを出力し、その出力信
号Iは吸光度演算器28に入力される。吸光度演算器2
8は、入力された入射X線強度I0及び透過X線強度I
に基づいて吸光度μt=log e (I0/I)を演算
する。
【0040】以下、上記構成より成るEXAFS測定装
置の動作を説明する。まず、図3に示すように、検出器
台3の所定位置に受光スリット23を取り付け、この受
光スリット23を用いて、X線焦点F、分光結晶2、入
射X線検出器12及び透過X線検出器13等といった各
要素に関する光軸調整を行う。つまり、上記各要素をX
線光軸X0に対する正規の位置に配置させる。例えば、
X線焦点Fから出て分光結晶2で回折したX線が受光ス
リット23を通して透過X線検出器13で検出されると
きに、その検出強度が最大となるように、分光結晶2の
位置を調節する。
【0041】次に、受光スリット23を検出器台3から
取り外し、図1に示すように、微小試料Sを支持したX
Yステージ8を検出器台3の所定位置に取り付ける。そ
して、図5の吸収端Aよりも低エネルギ側にゴニオメー
タを移動、すなわち分光結晶2に対するX線入射角度θ
を吸収端Aに対応する角度よりも低角度側へ移動させて
その位置に固定する。
【0042】そして、透過X線検出器13によって検出
されるX線の強度を観察しながら、その強度が最大とな
るようにXYステージ8をX軸方向又はY軸方向、場合
によっては両方向に平行移動させ、X線強度が最大にな
ったところにXYステージ8従って試料Sを固定する。
【0043】次に、必要に応じて、加圧用ガス供給系1
9及びダイヤモンドチップ17を含む加圧系によって試
料Sを希望の圧力で加圧する。また、必要に応じて、ヒ
ータ14及び冷却用ガス供給系21を含む温度制御系に
よって試料Sを希望の温度に調節する。これらの加圧や
温度変化に伴い試料Sの位置が動く可能性があるので、
試料Sが所定の圧力又は所定の温度に達した後、XYス
テージ8を平行移動させて行う上記の試料位置の調整を
再度行うことが望ましい。
【0044】その後、周知のXAFS測定を行う。具体
的には、分光結晶2を第1リンク26上で回転させるこ
とによってX線入射角θを希望の角度に合わせる。そし
て、第2リンク27を第1リンク26に対して相対回転
させると共に検出器台3を第2リンク27上で移動させ
ることにより、試料Sを分光結晶2から出るX線の集束
位置、すなわち集中円C0上に位置設定する。
【0045】この状態で試料Sに入射するX線を入射X
線検出器12によって検出し、同時に試料Sを透過した
X線を透過X線検出器13によって検出し、それらの検
出結果に基づいて吸光度μtを求め、その結果を図5の
X線吸収線図上にプロットする。その後、図1において
分光結晶2に対するX線入射角θを徐々に変化させて分
光結晶2から出るX線の波長従ってX線エネルギを徐々
に変化させながら、その都度、吸光度μtを求め、それ
らを図5のX線吸収線図上にプロットして行く。
【0046】本実施形態では、試料Sが常に集中円C0
上のX線集束位置に配置されるので、試料Sに入射する
X線は微小領域に絞り込まれ、従って、試料Sが微小試
料、例えば直径1mm以下の試料であっても、その試料
Sに高密度のX線、すなわち高強度のX線を入射させる
ことができる。この結果、試料Sに関して安定した信頼
性の高いXAFS測定結果を得ることができる。
【0047】以上により、図5に示すような吸光度μt
の変動状態が測定され、この変動状態に基づいて試料S
に関する構造解析が行われる。なお、本実施形態では、
図1において、ダイヤモンドチップ17等を用いた圧力
制御系や、ヒータ14及び冷却用ガスを用いた温度制御
系等を用いて試料Sに関して雰囲気制御が行われる。こ
のように試料Sのまわりの雰囲気が変化すると、図5に
示すX線吸収線図において、吸収端Aが横方向H及び縦
方向Vに変化したり、スペクトルの波形状態が変化す
る。本実施形態では、そのような雰囲気変化に対応した
試料Sの構造変化を測定できる。
【0048】温度制御系や圧力制御系を含んだ試料加圧
制御装置9は、構造上、大きな試料Sを収容することが
できず、適用可能な試料は微小試料であることが多い。
本実施形態のXAFS測定装置では、試料Sが分光結晶
2から出るX線の集束位置に置かれるので、それが微小
試料であってもその微小試料に強度の強いX線を入射さ
せることができ、よって、試料加圧制御装置9が微小試
料Sだけにしか適用できない場合であっても、その微小
試料Sに対して何等の支障無くXAFS測定を正確に行
うことができる。
【0049】(その他の実施形態)以上、好ましい実施
形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形
態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明
の範囲内で種々に改変できる。
【0050】例えば、図1に示す実施形態では、試料S
を集中円C0 上、すなわち分光結晶2のX線集束位置に
配置したが、試料Sは図6に示すように集中円C0 から
外れる位置に配置することもできる。
【0051】また、図1の実施形態では、試料Sに入射
するX線を検出するための入射X線検出器12を透過X
線検出器13とは別個に設けたが、透過X線検出器13
の所、すなわち試料Sの下流側に1個のX線検出器を設
け、試料Sに入射するX線を検出する際には試料SをX
線光軸X0から外した状態で上記1個のX線検出器によ
ってX線を検出し、試料Sを透過するX線を検出する際
には試料SをX線光軸上に配置した状態で同じ1個のX
線検出器によってX線を検出するというX線検出構造を
採用できる。
【0052】また、X線検出構造として、XAFS測定
の最中には特別な入射X線検出器を用いないという構造
も採用できる。この構造においては、XAFS測定を行
うのに先立って予め入射X線強度I0を測定しておき、
XAFS測定が開始された後は個々のX線エネルギに関
して透過X線強度だけを測定し、吸光度log e (I
0/I)の算出の際にはI0として予め測定しておいた
I0値を用いるという測定を行うこともできる。
【0053】
【実施例】図4は、本発明に係るXAFS測定方法を用
いて行った測定の結果の一例を示している。なお、ここ
に示す側定例は放射光施設で行われた測定の結果である
が、図1に示した実験室系の光学系を用いた場合にも同
様の結果が得られるものである。
【0054】図4に結果を示した測定では、直径0.3
mm、厚さ数10μmのYb4As3を試料として提供
し、それに加わる圧力をダイヤモンドチップ17等を含
む加圧制御系を用いて、一旦、2.0GPaから21.
1GPaまで上昇させ、さらに2.6GPaに下降させ
ながら、XAFS測定を行ったときの吸収端の変動の様
子を示している。このように、試料Sに対して試料加圧
制御装置9を付設すれば、試料Sに加わる圧力が変化す
る場合の試料Sの構造の変化の様子を測定できる。
【0055】なお、試料の厚さに関しては最も測定に適
した厚さがある。厚ければ強度不足となるし、薄ければ
強度変化の振幅が小さくなるので分析精度が下がる。例
えばCuでは5μm程度の厚さが測定に適している。
【0056】また特に、図1に示すように、試料Sを分
光結晶2のX線集束位置に配置させる構造の測定系を用
いれば、試料Sを微小にせざるを得ないような加圧制御
系を用いる場合であっても、その微小試料Sに対して極
めて信頼性の高いXAFS測定を行うことができる。
【0057】
【発明の効果】本発明に係るXAFS測定装置によれ
ば、XAFS測定中に試料加圧制御手段によって試料に
加わる圧力を変化させることができるので、試料に加わ
る圧力が変化するときの試料の構造の挙動、すなわちX
ANES及びEXAFSの変動を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るXAFS測定装置の一実施形態を
示す平面図である。
【図2】図1の要部である試料支持系の近傍を示す平面
図である。
【図3】図1に示すXAFS測定装置の使用状態を説明
するための平面図である。
【図4】図1に示すXAFS測定装置を用いた測定結果
を説明するためのX線吸収線図を示す図である。
【図5】図1に示すXAFS測定装置を用いた測定結果
の一例を示すX線吸収線図である。
【図6】従来のXAFS測定装置の一例を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
1 X線管(X線発生装置) 2 分光結晶(分光手段) 3 検出器台 4 ケーシング 8 XYステージ(可動調整台) 9 試料加圧制御装置 10 X線源 12 入射X線検出器 13 透過X線検出器 14 ヒータ 17 ダイヤモンドチップ 18 試料拘束部材 19 加圧用ガス供給系 21 冷却用ガス供給系 22 X線透過窓 23 受光スリット A 吸収端 C0 集中円 F X線焦点 R X線 S 微小試料 X0 X線光軸
フロントページの続き (72)発明者 栗山 隆 東京都昭島市松原町3丁目9番12号 理学 電機株式会社拝島工場内 (72)発明者 澤野 成民 東京都昭島市松原町3丁目9番12号 理学 電機株式会社拝島工場内 Fターム(参考) 2G001 AA01 BA11 BA13 CA01 DA01 EA01 GA06 GA13 JA07 JA12 JA14 JA20 KA12 PA07 PA30 RA03 SA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に入射するX線のエネルギを変化さ
    せながら、該試料に入射するX線の強度及び該試料を透
    過したX線の強度をX線検出器によって測定し、それら
    の強度に基づいて該試料の特定元素に関する吸光度の変
    動を測定するXAFS測定装置において、 前記試料に加わる圧力を変化させる試料加圧制御手段を
    有することを特徴とするXAFS測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、X線発生装置から出
    たX線をエネルギを変化させるために分光して集束位置
    に集束させる分光手段を有し、前記試料は前記集束位置
    に配置されることを特徴とするXAFS測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記試
    料加圧制御手段は、前記試料の温度を変化させる試料温
    度制御手段を有することを特徴とするXAFS測定装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記試料加圧制御手段を載せた状態
    で移動できる可動調整台を有することを特徴とするXA
    FS測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記試料は直径1mm以下の微小試
    料であることを特徴とするXAFS測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006162506A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Hokkaido Univ X線透過窓、x線吸収微細構造測定用セルおよび反応システム
CN110621986A (zh) * 2017-03-22 2019-12-27 斯格瑞公司 执行x射线光谱分析的方法和x射线吸收光谱仪系统

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