JP2001187901A - 建機の油圧装置 - Google Patents

建機の油圧装置

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JP2001187901A
JP2001187901A JP37279499A JP37279499A JP2001187901A JP 2001187901 A JP2001187901 A JP 2001187901A JP 37279499 A JP37279499 A JP 37279499A JP 37279499 A JP37279499 A JP 37279499A JP 2001187901 A JP2001187901 A JP 2001187901A
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pressure
piston
flow path
hydraulic
spool
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Kazuyoshi Arii
一善 有井
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複合操作時の合計要求流量がポンプ最大吐出
量を越えても良好な流量分配機能が発揮される アフターオリフ
ィス型の長所を、 アンチサチュレーション弁を設けることなくヒ゛フォアオ
リフィス型で実現させ、構造簡素化やコストダウンを図る。 【解決手段】 制御弁10,11に内装の絞り15,1
6の上流側に配備される複数の圧力補償弁12,13と
を備えたビフォアオリフィス型ロードセンンシング回路
において、圧力補償弁12,13を、圧力補償弁通過後
で、かつ、絞り15通過前の第1中間圧PZと、複数の
油圧アクチュエータ6C,7Cの負荷圧のうちの最高負
荷圧VLSと、バネ21とで流路断絶側に付勢し、油圧
ポンプ9の吐出圧VPと、絞り15通過後で、かつ、油
圧アクチュエータ6C,7C通過前の第2中間圧PLと
で流路接続側に付勢する4信号入力型に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バックホウ等の建
機に適用されるロードセンシング回路を備えた油圧装置
に係り、詳しくは、ビフォアオリフィス型ロードセンシ
ング回路の構造簡素化を図るとともに、圧力補償弁の構
造簡素化やコンパクト化が行えるようにする技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】建機の油圧装置にロードセンシング回路
を採用する場合、旋回台を旋回させながらブーム上昇さ
せるといった複合操作時においても、それら複数の油圧
アクチュエータの負荷に応じた流量が供給される流量制
御機能を持たせるための手段としては、ビフォアオリフ
ィス構造とアフターオリフィス構造(共に公知技術)と
があり、対象機種の大きさや使用形態、或いは仕様等に
応じて適宜に使い分けていた。
【0003】ビフォアオリフィス構造は、例えば図7に
示すように、ポンプ9の圧を油圧アクチュエータ6C,
7Cに送る圧供給経路において、絞り15,16(制御
弁10,11)の上流側(圧供給上手側)に圧力補償弁
12,13を配備したものである。つまり、ポンプ圧は
負荷圧の高いアクチュエータに合わせて設定されるの
で、負荷圧の低い側ではポンプ圧と負荷圧との差が増加
するが、夫々のアクチュエータ経路に装備した圧力補償
弁の働きにより、アクチュエータに流れる流量は、絞り
15,16と圧力補償弁12,13の戻しバネ21によ
って定まり、負荷圧の影響を受けないようにできる。図
中47は、調節シリンダ14と共に圧制御手段17を構
成する調節弁である。
【0004】しかしながら、単に圧力補償弁を設けるだ
けでは、複合操作時において、複数の油圧アクチュエー
タの要求流量がポンプの最大流量を越えたときには、適
切なLS差圧(ロードセンシング差圧)を確保すること
ができず、夫々の制御弁開度に比例した流量が得られな
くなる。そこで、ビフォアオリフィス構造では、複数の
油圧アクチュエータの要求流量がポンプの最大流量を越
えたときでも、油圧アクチュエータの負荷に応じた油量
が供給される流量分配機能を持たせるための手段とし
て、複数の油圧アクチュエータ6C,7Cのうちの最大
負荷圧とポンプ圧とで作用するアンチサチュレーション
弁46を設けている。
【0005】つまり、LS差圧がアンチサチュレーショ
ン弁46の戻しバネ46aにより設定された値以下に低
下すると、各アクチュエータ経路への流量を減らすよう
に作用し、各制御弁10,11を通過する流量比が夫々
の絞り15,16の開度比と同じとなって適切な状態に
制御されるのである。このビフォアオリフィス構造のも
のでは、複合操作時における複数の油圧アクチュエータ
への分流比を意図的に変化させることが可能であり、種
々の特性設定が比較的容易であって設計自由度に優れて
いる利点がある。
【0006】アフターオリフィス構造は、例えば、特開
平9−209412号公報に示されたもののように、絞
り(制御弁)の下流側に圧力補償弁を配備したものであ
る。この構造では、絞りの上流側で、かつ、圧力補償弁
の下流側の圧を信号圧に対して一定になるように圧力補
償弁がバランスするので、流量分配の比率が各制御弁の
開口面積に比例するように作用する。従って、複合操作
時は勿論、複数の油圧アクチュエータの要求流量がポン
プの最大流量を越えたときでも、特別な回路を必要とす
ることなく前述の流量分配機能が得られる利点があり、
アンチサチュレーション弁等は不要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここでは、複合操作時
における特性設定の融通が効き易いビフォアオリフィス
構造のロードセンシング回路を採用するものであるが、
この構造では、前述したようにアンチサチュレーション
弁等のアフターオリフィス構造では存在しない特別な回
路が必要であり、構造の複雑化やコストアップを招いて
いる。そこで本発明は、流量分配機能を備えながらアン
チサチュレーション弁を省けるようにして、シンプル化
やコストダウンさせることを目的とする。又、その場合
に、圧力補償弁の簡素化を図ることも目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】〔請求項1の構成〕第1
発明は、建機の油圧回路において、複数の油圧アクチュ
エータと、可変容量型の油圧ポンプと、油圧アクチュエ
ータへの圧油供給経路に作用する絞りを備えた複数の制
御弁と、油圧ポンプの単位時間当たりの吐出量を可変設
定する流量調節機構と、絞りに対する圧油供給上手側に
配備される複数の圧力補償弁とを備えるとともに、圧力
補償弁通過前の圧と、絞り通過後の圧との差圧を所定値
に維持するように流量調節機構を操作する圧制御手段を
設け、圧力補償弁を、圧力補償弁通過後で、かつ、絞り
通過前の第1中間圧と、複数の油圧アクチュエータに作
用する負荷圧のうちの最高負荷圧と、弾性機構とで流路
断絶側に付勢し、油圧ポンプの吐出圧と、絞り通過後
で、かつ、油圧アクチュエータ通過前の第2中間圧とで
流路接続側に付勢する状態に構成してあることを特徴と
する。
【0009】〔請求項1の構成による作用と効果〕請求
項1の構成は、圧力補償弁を制御するべく、従来ではア
ンチサチュレーション弁を介した油圧ポンプの吐出圧
(VP)と、制御弁の絞り前後の圧(PZ),(PL)
とによる3信号(図7参照)、或いは吐出圧(VP)と
最高負荷圧(VLS)との2信号を、直接に圧力補償弁
に作用させて該圧力補償弁を制御する構造であったもの
を、吐出圧(VP)と最高負荷圧(VLS)に、制御弁
の絞り前後の圧(PZ),(PL)を加えた4信号を直
接に圧力補償弁に作用させて制御するものである(図2
参照)。
【0010】これにより、詳しくは「発明の実施の形
態」の項で説明するが、圧力補償弁を絞り(制御弁)の
下流側(圧供給下手側)に配置したアフターオリフィス
型ロードセンシング回路の持つ作用効果、すなわち、
「複合操作時の要求流量がポンプ最大吐出量を上回って
も、特別な回路を必要とすることなく各制御弁の開度に
比例した分流機能が得られる」を発揮できるようにな
る。
【0011】その結果、図7に示すアンチサチュレーシ
ョン弁46が不要な回路構成の簡素化が図れるととも
に、種々の特性設定が可能であって設計自由度の高いビ
フォアオリフィス型ロードセンシング回路を、アフター
オリフィス型の長所も備えた高性能なものとして提供す
ることができた。
【0012】〔請求項2の構成〕第2発明は、第1発明
において、圧力補償弁を、吐出圧を受ける第1ピストン
と、流路断絶側に第2中間圧と第1中間圧とが作用し、
かつ、流路接続側に吐出圧が作用するスプールと、流路
断絶側に弾性機構と最高負荷圧とが作用し、かつ、流路
接続側に第2中間圧とが作用する第2ピストンとを備え
て構成し、第1ピストンとスプールとを、吐出圧の作用
によってこれら両者を互いに遠ざける力が作用する状態
に流路断続方向で相対移動自在に嵌合するとともに、ス
プールと第2ピストンとを、スプールの流路接続側への
移動方向又は第2ピストンの流路断絶側への移動方向で
連動移動する状態に片当たり接当させてあることを特徴
とする。
【0013】〔請求項2の構成による作用と効果〕請求
項1の構成による作用効果に加えて、詳しくは「発明の
実施の形態」の項で説明するが、以下のような作用効果
がある。すなわち、ケーシングに収納される第1ピスト
ン、スプール、第2ピストンの各部品は、圧力補償弁に
作用する吐出圧、第1中間圧、第2中間圧、及び最高負
荷圧の4信号のうちのいずれかの圧が作用するポート部
間のみに位置する状態になり、各部品の移動を可能とす
るための専用のドレンポ−ト部が不要となる。
【0014】故に、必要となる前記4信号の圧が入るポ
ートのみを形成すれば良いものとなり、ケーシングに形
成するポート数を極力少なくすることが可能となり、構
造及びコスト面で有利な圧力補償弁を得ることができ
た。因みに、図6に示す最初に創作された比較例として
の圧力補償弁では、8箇所のポート38〜45が存在す
るが、図4に示す改良された圧力補償弁では、5箇所の
ポート27〜31で機能するように合理化されている。
又、図6の圧力補償弁は4個の部品33〜36が必要で
あるが、図4の圧力補償弁では3個の部品24〜26で
良く、部品点数削減にも成功している。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1に建機の一例であるバック
ホウが示され、1は掘削作業装置、2は旋回台、3は走
行機台、4はクローラ走行装置、5はドーザ装置であ
り、掘削作業装置1は、ブーム6、アーム7、バケット
8を備えて構成されている。バックホウにおける油圧ア
クチュエータとしては、ブームシリンダ6Cやアームシ
リンダ7Cの他、符記しないが、バケットシリンダ、ス
イング用シリンダ、旋回用油圧モータ、走行用油圧モー
タ、ドーザ昇降用シリンダ等が存在している。
【0016】図2に、油圧装置におけるブームシリンダ
6Cとアームシリンダ7C(夫々、油圧アクチュエータ
の一例)とに関する部分を抜粋した主要部の原理を示す
油圧回路図が示されている。この油圧回路は、油圧アク
チュエータの負荷圧よりも所定圧だけ高い圧でもって吐
出される油圧ポンプ9を備えたビフォアオリフィス型ロ
ードセンシング回路に構成されている。複数の油圧アク
チュエータが同時駆動される複合操作時のポンプ圧は、
複数の負荷圧のうちの最大負荷圧よりも所定圧だけ高い
圧に制御される。
【0017】9は可変容量型の油圧ポンプ、10は絞り
15を備えたブーム用制御弁、11は絞り16を備えた
アーム用制御弁、12はブーム用制御弁10の圧供給上
手側に配置された圧力補償弁、13はアーム用制御弁1
1の圧供給上手側に配置された圧力補償弁、14は油圧
ポンプ9の単位時間当たりの吐出量を可変設定する流量
調節機構、17は圧力補償弁通過前の圧と、絞り通過後
の圧との差圧を所定値に維持するように流量調節機構1
4を操作する圧制御手段である。
【0018】又、18は回路保護用の主リリーフ弁(サ
ージカットリリーフ弁)、19は最高負荷圧を規定する
ためのシステムリリーフ弁、20は後述するLS差圧の
最大値を規定するためのアンロード弁である。32は、
複数の油圧アクチュエータ6C,7Cのうちの最大負荷
圧(VLS)を導くためのシャトル弁であり、油圧アク
チュエータの数より1個少ない数の分が装備される。
【0019】圧力補償弁12,13は同じものであっ
て、流路を断絶方向に付勢するバネ21(弾性機構の一
例)を備えており、定差減圧弁に似た構造を有してい
る。流量調節機構14は、バネ22を備えたバネ側油室
14aと反バネ側油室14bとを有した調節シリンダで
構成されており、最高負荷圧をVLS、バネ22の圧を
Fa、油圧ポンプ9の吐出圧をVPとすると、圧制御手
段17は、 VLS+Fa=VP となるように制御するのであり、このバネ圧Fa(14
kg)が前述のLS差圧(請求項1に言う差圧)のことで
ある。
【0020】又、制御弁10,11の絞り15,16に
よる圧損(圧力降下)をVs、圧力補償弁のバネ21の
圧をF1 とすると、 F1 +Vs=Fa となるように、制御弁10(又は11)の開度が決まる
制御が行われるのである。つまり、バネ21の圧F1 を
7kgとすれば、絞り15の圧損Vsが7kgとなるように
制御弁10の開度が制御されるのである。このロードセ
ンシング回路による制御動作の説明は公知技術につき、
これ以上の詳細説明は割愛する。
【0021】図4に示すように、圧力補償弁12は、制
御弁10を構成するケーシング10cに一体形成されて
弁ブロックBを構成している。制御弁10は、バネ機構
22によって中立位置に復帰付勢される主スプール23
を摺動自在にケーシング10cに内装するとともに、ブ
ームシリンダ6Cに給排するための一対のデリバリポー
トDp,Dpと、一対のタンクポート(ドレンポート)
Tp,Tpと、圧力補償弁12を通過した直後の油圧ポ
ンプ9の圧油である第1中間圧(PZ)を導くファース
トポートFpと、絞り15通過後の圧である第2中間圧
(PL)を導くセカンドポートSpとを形成して構成さ
れている。
【0022】圧力補償弁12は、ケーシング10cにス
プール25と第2ピストン26とを摺動移動自在に内装
するとともに、スプール25に相対移動自在に内嵌合さ
れた第1ピストン24を備えている。ケーシング10c
には、スプール25の第1ピストン24内嵌側端に位置
する第1ポート27と、スプール25における大径部2
5Aの第2ピストン26側端(反第1ピストン24内嵌
側端)に位置する第3ポート29と、スプール25の長
手方向中間に位置する第2ポート28と、第2ピストン
26のスプール25側端に位置する第4ポート30と、
第2ピストン26のバネ装着側端(反スプール25側
端)に位置する第5ポート31との計5箇所のポートが
形成されている。
【0023】流路断絶状態(図4の状態)において、ス
プール25は、第2ポート28から第3ポート29方向
に延びるランド25rと、第1ピストン24の内嵌部2
5nと第2ポート28とを連通させる連通油路25sと
が形成された大径部25Aと、第2ピストン26に接当
自在な小径部25Bとから成る段付き形状に形成されて
いる。
【0024】スプール25との相対摺動が自在な第1ピ
ストン24は、製作都合によって専用の部品として組み
込まれているが、その開放側端(図中右端)はケーシン
グ10cに面接当しており、これ自身は動かない実質的
に固定体である。第2ピストン26は、第4ポート30
と第5ポート31とに跨がっており、小径部25Bに常
時接当させるべく前述のバネ21を装備している。
【0025】ここで、第1及び第5ポート27,31に
は最高負荷圧(VLS)が、第2ポート28には吐出圧
(VP)が、第3ポート29には第1中間圧(PZ)
が、そして、第4ポート30には第2中間圧(PL)が
夫々導かれている。従って、第1ピストン24には、連
通油路25sを介して油圧ポンプ9の吐出圧(VP)が
作用し、スプール25には、流路断絶側(図4の右側)
に第2中間圧(PL)と第1中間圧(PZ)とが作用
し、かつ、流路接続側(図4の左側)に吐出圧(VP)
が作用し、第2ピストン26には、流路断絶側にバネ2
1(弾性機構の一例)と最高負荷圧(VLS)とが作用
し、かつ、流路接続側に第2中間圧(PL)とが作用す
る状態に圧力補償弁12が構成されている。
【0026】つまり、圧力補償弁12全体としては、図
3や図8に示すように、吐出圧(VP)と最高負荷圧
(VLS)と第1中間圧(PZ)と第2中間圧(PL)
との4信号が直接作用する状態に構成されている。そし
て、吐出圧(VP)により、第1ピストン24に対して
スプール25が第2ピストン26側(図4中で左側)に
移動させる力(これら両者24,25を遠ざける力)が
作用する状態に、第1ピストン24とスプール25とを
流路断続方向で相対移動自在に嵌合し、又、スプール2
5と第2ピストン26とを、スプール25の流路接続側
(図4中で左側)への移動方向、又は第2ピストン26
の流路断絶側(図4中で右側)への移動方向で連動移動
する状態に片当たり接当させてある。
【0027】図4に示すように、スプ−ル25と第2ピ
ストン26とを、これらが相対離間する方向には互いに
移動可能に片当たり接当させてあるのは、ケーシング1
0cに側方からの組み付け及び取り外しを自在とするた
めには、物理的にそうせざるを得ないからであり、機能
的には一体形成されていても良いものである。但し、こ
れら両者25,26は圧力補償弁12としての機能上、
常に接当して一体に移動することが必要であるため、ス
プール25には図4の紙面上で常に左向きに動こうとす
る力が作用し、かつ、第2ピストン26には図4の紙面
上で常に右向きに動こうとする力が作用する状態となる
ように、第1〜第5ポート27〜31の配置場所を、夫
々の圧力の大小関係を考慮して決める工夫がなされてい
る(例えば、最高負荷圧VLSが作用する第5ポ−ト3
1と、第1中間圧PZが作用する第3ポ−ト29との配
置関係)。
【0028】ここで、第1ピストン24の直径をAg、
スプール25の大径部25Aの直径をAh、小径部25
Bの直径をAi、第2ピストン26の直径をAj、バネ
21の圧をF1 とすると、圧力補償弁12としての圧力
バランス式は、 F1 +VLS×Aj−PL×Aj+PL×Ai+PZ
(Ah−Ai)=VP×Ag+VLS(Ah−Ag) F1 +VLS(Aj−Ah+Ag)+PZ(Ah−A
i)=PL(Aj−Ai)+VP×Ag Aj=Ahとすると、 F1 +VLS×Ag+PZ(Ah−Ai)=PL(Aj
−Ai)+VP×Ag Ag=Ah−Ai=AJ−Ai=Aとすると、 F1 +A(VLS+PZ)=A(PL+VP)…………… となる。
【0029】作用としては、制御弁10が中立位置以外
に操作された状態では、第2ポート28を介して油室で
ある内嵌部25nに吐出圧(VP)が導かれているの
で、スプール25に作用する最高負荷圧(VLS)と、
第2ピストン26に作用する最高負荷圧(VLS)との
圧力バランスから、第1ピストン24に対してスプール
25がバネ21の圧(F1 )に抗して図4中で左方向に
移動して図5に示す流路開通状態になり、ランド25r
を介して第2ポート28と第3ポート29とが連通され
る。それによって、圧力補償弁12が流路接続状態にな
り、絞り15前後の圧(主スプール23前後の圧)(P
Z),(PL)が夫々第3ポート29と第4ポート30
に導かれるので、前記式の状態でバランスして流路接
続状態が維持されるのである。
【0030】圧力補償弁12をシンボルマークとして示
すと、図3に示すようになる。すなわち、スプール25
を備えた第1弁部12Aと、第2ピストン26を備えた
第2弁部12Bとで構成されるとともに、第1弁部12
Aに第2ポート28と第3ポート29が存在し、かつ、
第2弁部12Bに第4ポート30と第5ポート31とバ
ネ21とが存在する。但し、第1ピストン24と第1ポ
ート27との図示は省略されている。
【0031】図3に基づく圧力補償弁12における圧力
バランスは、 (PZ−PL)=(VP−VLS)−F1 …………… ここで、 PZ−PL : 絞り15前後の圧損 VP−VLS : 油圧ポンプ9の制御差圧(LS差
圧) F1 : バネ22の圧(圧損) となる。
【0032】因みに、アフターオリフィス型では、 圧力補償弁の上流圧=吐出圧−絞りでの圧損…………… になっている。すなわち、アフターオリフィス型では、
絞りの下流圧(圧力補償弁の上流圧)を信号圧に対して
一定となるように圧力補償弁がバランスするため、2個
以上の油圧アクチュエータを同時駆動させる複合操作時
には、分流される比率が各制御弁のスプール開口面積に
比例する。つまり、アフターオリフィス型の圧力補償弁
は2信号〔最高負荷圧(VLS)と吐出圧(VP)〕の
圧力バランスである。
【0033】アフターオリフィス型における式を書き
換えると 圧力補償弁の上流圧=最高負荷圧+バネ圧…………… であるから、と式より、 吐出圧−絞りでの圧損=最高負荷圧+バネ圧 すなわち、 絞りでの圧損=吐出圧−最高負荷圧−バネ圧…………… となる。この式と式とは実質同じであるから、ビフ
ォアオリフィス型では、吐出圧(VP)と最高負荷圧
(VLS)に、絞り前後の差圧(PZ−PL)を加えて
4信号を直接に入力する構造とすることで、アフターオ
リフィス型と同じ効果、すなわち、Å「複合操作時の要
求流量がポンプ最大吐出量を上回っても、アンチサチュ
レーション弁を用いることなく、各制御弁の開度に比例
した分流機能が得られる」を発揮できることが判る。
【0034】そこで、図2に示す油圧回路にて、前記効
果Åを確認する。先ず、初期条件として、 ・ブームシリンダ6Cの要求流量 : 80L ・アームシリンダ7Cの要求流量 : 60L ・ブームシリンダ6Cの負荷圧 : 100kg ・アームシリンダ7Cの負荷圧 : 80kg ・油圧ポンプの最大吐出量 : 130L とすれば、最高負荷圧(VLS)は100kgである。各
圧力補償弁12,13での圧力バランスは、 PZ1 −PL1 =VP−VLS−F1 (圧力補償弁12) PZ2 −PL2 =VP−VLS−F1 (圧力補償弁13) となり、PZ1 −PL1 =PZ2 −PL2 、すなわち、
ΔP1 =ΔP2である。
【0035】各制御弁10,11での圧損が同じである
から、分流状態としては、各制御弁10,11のスプー
ル開口面積比、つまり要求流量比となる。よって、 ブームシリンダ6Cの流量Q1 :アームシリンダ7Cの
流量Q2 =4:3 となる。ここで、吐出圧VPを(最高負荷圧+LS差
圧)にしようとするが、要求流量140Lは最大吐出量
130Lより大きいので、油圧ポンプ9の吐出量Qは最
大となり、 Q1 =130×4/7≒74. 3L Q2 =130×3/7≒55. 7L という具合に分流される。
【0036】参考として図8に、単動型の油圧シリンダ
6C,7Cを用いて、より簡素化されたビフォアオリフ
ィス型ロードセンシング回路の主要部を線図として示
す。括弧書きの符号は、その符号が付された油路等に作
用する圧力や流量の種類を示している。
【0037】−比較例の圧力補償弁12について− 図6に、図4に示すものの以前に創作された弁ブロック
B’を比較例として示してある。図4に示す本願の弁ブ
ロックBとは、圧力補償弁部位のみ異なるので、その部
分について説明する。比較例の圧力補償弁12は、第1
ピストン33と、これを摺動自在に内嵌合したスプール
34と、第2ピストン35と、これを摺動自在に内嵌合
した第3ピストン36とを備え、スプール34と第3ピ
ストン36とを片当たり接当連動するように端部どうし
を嵌合してある。尚、図6においては、第1及び第2ピ
ストン33,35は同じ径としてある。
【0038】スプール34は、第1ピストン33の内嵌
部34n、これに吐出圧(VP)を導く連通油路34
s、及びランド34rが形成された大径部34Aと、小
径部34Bとで構成されている。第3ピストン36は、
第2ピストン35及びバネ37の内嵌部36nや、これ
に最高負荷圧(VLS)を導く連通油路36sが形成さ
れた大径部36Aと、小径部36Bとで構成されてい
る。
【0039】図6に示す流路断絶状態において、ケーシ
ング10cにはスプール34側(図中右側)から順に、
第1〜8ポート38〜45が形成されている。第1、第
5、及び第8ポート38,42,45はタンクへ通じる
ドレンポートであり、第2ポート39は主スプール23
への連通ポート、第3ポート40は吐出圧(VP)を受
けるポンプポート、第4ポート41は第1中間圧(P
Z)を受けるポート、第6ポート43は第2中間圧(P
L)を受けるポート、第7ポート44は最高負荷圧(V
LS)を受けるポートである。
【0040】ここで、第1ピストン33の直径をAa、
スプール34の大径部34Aの直径をAb、小径部33
Bの直径をAc、第2ピストン35の直径をAf、第3
ピストン36の大径部36A直径をAe、小径部36B
の直径をAd、バネ37の圧をF2 とすると、圧力補償
弁12としての圧力バランス式は、 F2 +VLS×Af+PZ(Ab−Ac)=VP×Aa
+PL(Ae−Ad) となり、Af=Ab−Ac=Aa=Ae−Ad=Aとす
ると、 F2 +A(VLS+PZ)=A(VP+PL)…………… となる。
【0041】作用としては、第3ポート40から連通油
路34sを通って第1内嵌部34nに吐出圧(VP)が
入ると、第2内嵌部36nに入る最高負荷圧(VLS)
とバネ37の圧との和に打ち勝ってスプール34が第3
ピストン36側(図6中で左側)に移動し、第2ポート
39と第3ポート40とがランド34rを介して連通す
る。すると、圧力補償弁12が流路接続状態になり、絞
り15前後の圧(主スプール23前後の圧)(PZ)、
(PL)が夫々第4ポート41と第6ポート43に導か
れるので、前記式の状態でバランスして流路接続状態
が維持されるのである。
【0042】−本願と比較例との圧力補償弁12の比較
− 図6に示す比較例の圧力補償弁12では、3個のピスト
ン33,35,36と1個のスプール34の4部品が存
在するとともに、吐出圧(VP)によって圧力補償弁1
2のスプール34を動かして得られる第1中間圧(P
Z)の圧油を、先ず制御弁10に流してから第4ポート
41に入れるように構成してある。
【0043】そして、スプール34における第1ピスト
ン33の嵌合端部、すなわち第1ポート38と、第3ピ
ストン36における第2ピストン35の嵌合部端、すな
わち第8ポート45とは、スプール34や第3ピストン
36の摺動移動を可能とするため(及びリークに対応す
るため)、夫々ドレンポートを形成しておく必要があ
る。加えて、スプール34と第3ピストン36との接当
嵌合部にも、これら両者の相対移動を許容するため(及
びリークに対応するため)に、第5ポート42としてド
レンポートを形成しておく必要がある。これにより、3
箇所のドレンポートを含む計8箇所のポートを必要とし
ている。
【0044】これに対して、図4に示す本願の圧力補償
弁12では、両端に最高負荷圧(VLS)が入る第1及
び第5ポート27,31を形成し、かつ、スプール25
と第2ピストン26との接当部を、第2中間圧(PL)
が入る第4ポート30として、いずれも圧油の流れが生
じる箇所にするとともに、第1ピストン24の断面積を
Ag、スプール大径部25Aの断面積をAh、スプール
小径部25Bの断面積をAiとして、 Ag=Ah−Ai に設定することで、前述した摺動移動を可能にすること
やリーク対策が実現できており、比較例のように専用の
ドレンポートやピストンを設ける必要がない。
【0045】そして、第2ピストン26のバネ21側端
には最高負荷圧(VLS)を作用させることから、比較
例のようにケーシング10cに接当するピストン35を
別途設ける必要がない。以上により、圧力補償弁12を
構成する部品が4部品から3部品に減り、かつ、必要な
ポート数も8箇所から5箇所に減っており、構造の簡素
化やコストダウンが行える合理的なものになっている。
【0046】以上の実施形態では、スプ−ル25の外径
Ahと第2ピストン26の外径Ajとが等しく、弁の作
動が安定する状態のものとして説明したが、これらの径
の大小関係を変更設定することにより、種々の特性を持
たせることが可能である。例えば、ハンチングやジャー
キング等を迅速に収束させて、実質上それらを無くすこ
とによって安定したブームの起動を行わせることを目的
として、ブームシリンダに供給される作動油の圧力が高
くなると流量を減らすことが考えられる。逆に、作動油
の圧力が高くなると流量を増やすということも可能であ
り、これらのように圧の変動によってその流量が変更さ
れることを「自己圧依存性」と言う。
【0047】又、供給される圧力が変わっても流量は不
変であるとか、2個のアクチュエ−タを動かす場合に、
一方のアクチュエ−タへの供給圧力が上がると、他方の
アクチュエ−タへの供給流量が上がる(下がる)といっ
た「相互圧依存性」を持たせることも可能である。例え
ば、ブームと旋回との複合操作時において、旋回起動時
の圧力上昇に伴ってブームシリンダへの流量比を増やす
ことにより、圧力上昇に起因したリリ−フ弁作動による
無駄を解消して作動油の有効利用が行えるとか、何らか
の原因によって斜行するときは、旋回外側の油圧モ−タ
への圧が高くなっているので、低圧側となる旋回内側の
油圧モ−タへの流量が増えるようにして、斜行が自動的
に減衰される方向に制御されるといった特性である。
【0048】尚、これらの「自己圧依存性」や「相互圧
依存性」は、図6に示す比較例の構成において、第1ピ
ストン33と第2ピストン35とに面積差を設けること
で、同様に発揮させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】バックホウの側面図
【図2】ビフォアオリフィス型ロードセンシング回路の
主要部を示す線図
【図3】圧力補償弁のシンボルマークを示す図
【図4】圧力補償弁の構造を示す弁ブロックの断面図
【図5】図4に示す弁ブロックの制御弁が操作された状
態での断面図
【図6】比較例の圧力補償弁の構造を示す弁ブロックの
断面図
【図7】従来のビフォアオリフィス型ロードセンシング
回路の主要部を示す線図
【図8】図2の他の描き方例を示す線図
【符号の説明】
6C,7C 油圧アクチュエータ 9 油圧ポンプ 10,11 制御弁 12,13 圧力補償弁 14 流量調節機構 15,16 絞り 17 圧制御手段 21 弾性機構 24 第1ピストン 25 スプール 26 第2ピストン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の油圧アクチュエータと、可変容量
    型の油圧ポンプと、前記油圧アクチュエータへの圧油供
    給経路に作用する絞りを備えた複数の制御弁と、前記油
    圧ポンプの単位時間当たりの吐出量を可変設定する流量
    調節機構と、前記絞りに対する圧油供給上手側に配備さ
    れる複数の圧力補償弁とを備えるとともに、該圧力補償
    弁通過前の圧と、前記絞り通過後の圧との差圧を所定値
    に維持するように前記流量調節機構を操作する圧制御手
    段を設け、 前記圧力補償弁を、該圧力補償弁通過後で、かつ、前記
    絞り通過前の第1中間圧と、前記複数の油圧アクチュエ
    ータに作用する負荷圧のうちの最高負荷圧と、弾性機構
    とで流路断絶側に付勢し、前記油圧ポンプの吐出圧と、
    前記絞り通過後で、かつ、前記油圧アクチュエータ通過
    前の第2中間圧とで流路接続側に付勢する状態に構成し
    てある建機の油圧装置。
  2. 【請求項2】 圧力補償弁を、吐出圧を受ける第1ピス
    トンと、流路断絶側に第2中間圧と第1中間圧とが作用
    し、かつ、流路接続側に前記吐出圧が作用するスプール
    と、流路断絶側に弾性機構と最高負荷圧とが作用し、か
    つ、流路接続側に前記第2中間圧とが作用する第2ピス
    トンとを備えて構成し、 前記第1ピストンと前記スプールとを、前記吐出圧の作
    用によってこれら両者を互いに遠ざける力が作用する状
    態に流路断続方向で相対移動自在に嵌合するとともに、
    前記スプールと前記第2ピストンとを、前記スプールの
    流路接続側への移動方向又は前記第2ピストンの流路断
    絶側への移動方向で連動移動する状態に片当たり接当さ
    せてある請求項1に記載の建機の油圧装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6978607B2 (en) 2002-04-30 2005-12-27 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha Hydraulic control system
JP2012236710A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Kawasaki Heavy Ind Ltd 巻上装置用液圧回路及びそれを備える巻上装置
CN109723693A (zh) * 2019-01-15 2019-05-07 江苏徐工工程机械研究院有限公司 一种负载敏感多路阀及液压系统

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CN109723693B (zh) * 2019-01-15 2023-10-03 江苏徐工工程机械研究院有限公司 一种负载敏感多路阀及液压系统

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