JP2001187890A - ガスハイドレートの生成制御剤およびそれを用いるガスハイドレートの生成制御方法 - Google Patents

ガスハイドレートの生成制御剤およびそれを用いるガスハイドレートの生成制御方法

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JP2001187890A JP2000223534A JP2000223534A JP2001187890A JP 2001187890 A JP2001187890 A JP 2001187890A JP 2000223534 A JP2000223534 A JP 2000223534A JP 2000223534 A JP2000223534 A JP 2000223534A JP 2001187890 A JP2001187890 A JP 2001187890A
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昌之 遠山
Nobuko Ogami
暢子 大上
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耕二 西田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスハイドレートの生成を阻害する働きと、
ガスハイドレートを安定化させる働きを併せ持ち、か
つ、ガスハイドレートが生成する環境において腐食防止
効果を有するガスハイドレートの生成制御剤およびガス
ハイドレートの生成制御方法を提供する。 【解決手段】 温度120〜170℃、圧力1.33P
a〜1.33×104Paの条件下でアスパラギン酸
を、アスパラギン酸1モルあたり2〜5モルのリン酸類
の存在下で重縮合させて得たポリスクシンイミドを加水
分解することにより得られたポリアスパラギン酸類を有
効成分として含有するガスハイドレートの生成制御剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアスパラギン
酸類を用いるガスハイドレートの生成制御剤およびそれ
を用いるガスハイドレートの生成制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアスパラギン酸類がガスハイドレー
トの生成抑制剤として使用できることは、国際特許公開
WO98/16719号公報に記載されている。ポリア
スパラギン酸を得る方法としては国際特許公開WO98
/39090号公報に記載されているようなcyano
phycinの加水分解を用いる手法が知られている。
【0003】また、メタン、エタン等の炭化水素や炭酸
ガス等の種々の気体分子が溶解した水性媒体を特定の温
度と圧力下におくことによって、溶解している気体分子
を水分子が取り囲んだ氷の結晶、すなわちガスハイドレ
ートが生成することが知られている。このガスハイドレ
ートは、しばしば原油や天然ガスの採掘、輸送中に生成
し、パイプラインの閉塞等を引き起こすため、安全かつ
連続的に操業する上で大きな障害となっている。
【0004】一方、ガスハイドレートは高圧低温条件下
で天然に存在していることが知られている。例えば、シ
ベリアやアラスカ等の寒冷地の永久凍土下、あるいは、
数百メートルより深い海底に広範囲にわたって膨大なメ
タンのガスハイドレート(以下、メタンハイドレートと
いう。)が埋蔵していることが調査によって確認されて
いる。近年、環境汚染原因である二酸化炭素や窒素・イ
オウ酸化物の排出量が少ないエネルギー源として、メタ
ンハイドレートが注目され、天然のメタンハイドレート
を安定な状態で安全に取り出しす方法が望まれている。
【0005】以上のような、取り出したガスハイドレー
トを運搬・貯蔵する場合や、ガスハイドレートを海底や
地底等から取り出す場合の問題を解決するためには、次
のような一見相反する性能を両立させることがガスハイ
ドレートの生成制御剤に要求される。 (1)ガスハイドレートの生成を阻害する、あるいは生
成速度を遅くする。 (2)ガスハイドレートの生成を促進する、あるいは生
成したガスハイドレートの分解速度を遅くする。
【0006】さらに、ガスハイドレートが生成する環境
は、ガスハイドレートを形成するガスと水のみが存在し
ている訳ではなく、無機塩類や高沸点化合物、イオウ化
合物、含窒素化合物等さまざまなガスハイドレートから
見れば一種の不純物が多量に共存しているのが普通であ
り、腐食の恐れがある。そのため、例えば天然ガス輸送
においては、採掘した天然ガスにガスハイドレートの生
成阻害剤だけでなく腐食防止効果を持つ添加剤を併せて
添加している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、cya
nophycinを加水分解してポリアスパラギン酸を
製造する方法は分子量をコントロールしたポリマーを一
度に多量に製造できないので工業的には特に有利とは言
えず、またこの方法で得られたポリアスパラギン酸は上
述したガスハイドレートの生成制御剤としての性能が低
いという問題がある。
【0008】また従来のガスハイドレートの生成制御方
法では、腐食防止効果を持つ添加剤を別途購入して添加
する必要があり、コストが高くなるという問題がある。
【0009】したがって本発明の目的は、ガスハイドレ
ートの生成を阻害する働きと、ガスハイドレートを安定
化させる働きを併せ持ち、かつ、ガスハイドレートが生
成する環境において腐食防止効果を有するガスハイドレ
ートの生成制御剤およびガスハイドレートの生成制御方
法を提供することにある。なお、ここで言うガスハイド
レートの安定化とは、上記のように平衡論的にガスハイ
ドレートを安定化させることと、速度論的にガスハイド
レートの分解速度を減少させる、即ちガスハイドレート
の分解を遅延させるという双方の意味を含む。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、温度120〜
170℃、圧力1.33Pa〜1.33×104Paの
条件下でアスパラギン酸を、アスパラギン酸1モルあた
り2〜5モルのリン酸類の存在下で重縮合させて得たポ
リスクシンイミドを加水分解することにより得られたポ
リアスパラギン酸類を有効成分として含有するガスハイ
ドレートの生成制御剤である。
【0011】また、本発明は上記のガスハイドレートの
生成制御剤を、ガスハイドレートが生成可能な系に添加
することを特徴とするガスハイドレートの生成制御方法
である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のガスハイドレートの生成
制御剤は、温度120〜170℃、圧力1.33Pa〜
1.33×104Paの条件下でアスパラギン酸を、ア
スパラギン酸1モルあたり2〜5モルのリン酸類の存在
下で重縮合させて得たポリスクシンイミドを加水分解す
ることにより得られたポリアスパラギン酸類を有効成分
として含有する。
【0013】このようなポリアスパラギン酸類は通常下
記式(1)で表わされる構造を含む高分子化合物であ
る。
【0014】
【化1】
【0015】(ただし式中、X1〜X4は独立に水素原子
もしくは一価の正電荷を持つ原子団を表わし、mまたは
nはそれぞれ独立に1以上の整数を表わす。) ポリアスパラギン酸類の製造に用いられるアスパラギン
酸は、D体、L体、DL体のいずれでもよい。
【0016】アスパラギン酸を重縮合するリン酸類触媒
としては、例えば、リン酸、次亜リン酸、正亜リン酸、
異亜リン酸、焦性亜リン酸、次リン酸、正リン酸、異リ
ン酸、焦性リン酸等が挙げられるが、ポリスクシンイミ
ドを高収率かつ高品質で得られるという点でリン酸が好
ましい。リン酸は工業的に通常市販されている85%重
量%のリン酸水溶液が好ましい。リン酸を用いて重縮合
して得られたポリスクシンイミドを加水分解することに
よって得られるポリアスパラギン酸はα型とβ型が混在
している。この混在した構造を有するポリアスパラギン
酸類は、ガスハイドレートの安定化および生成を阻害す
る作用が大きく、ガスハイドレートの生成制御剤として
優れている。
【0017】重縮合触媒として使用されるリン酸類は、
原料モノマーであるアスパラギン酸1モルに対し2〜5
モル、好ましくは2〜4モルの範囲で使用される。リン
酸類の使用量が2モル未満であると、反応中のモノマー
の溶解が不十分となり転化率の低下を招くばかりでな
く、縮合反応終了後の混合物が固化したり高粘度となる
ため操作性が悪くなる。一方5モルを超えると触媒コス
トの増加と製造に伴う廃液量が増えるので好ましくな
い。
【0018】アスパラギン酸の重縮合反応は、温度12
0〜170℃、圧力1.33Pa〜1.33×104
aで行う必要がある。例えば、1.33Pa〜1.33
×104Paの減圧下でアスパラギン酸を重縮合し、生
成する水を連続的に系外に排出することによって、12
0〜170℃という比較的低温でも重縮合が速やかに進
行し転化率が高くなる。
【0019】重縮合の際の温度を120℃未満にすると
重縮合反応の進行が不十分となり転化率が低下する。ま
た反応温度が170℃を超えると反応混合物の粘度が高
くなり操作性が低下する。さらに180℃を超えると反
応混合物の高粘度化あるいは固化のため操作性が著しく
低下する。
【0020】圧力が1.33×104Paを超えると、
生成する水の量が増大し、それを系外に十分排出するこ
とが困難になるので反応転化速度が低下する。また圧力
を1.33Pa未満にしようとすると、その圧力に到達
するまでの時間を要するのでコストが高くなり工業的に
不利である。
【0021】重縮合の反応時間は、通常0.5〜12時
間であり、2〜5時間が好ましい。反応時間は長いほど
反応が十分進行するので転化率が向上し、短いほど反応
混合物の粘度が低くなるので操作性が向上する。
【0022】この重縮合反応は大気中で実施しても問題
はないが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウ
ム等が利用できる。
【0023】重縮合反応で得られるポリスクシンイミド
を加水分解して得られるポリアスパラギン酸類の分子量
は、後述するようにガスハイドレートの生成制御剤の用
途を考慮すると1,000〜100,000の範囲が好
ましい。この分子量は重縮合反応の原料であるアスパラ
ギン酸と触媒であるリン酸類のモル比により調節でき
る。
【0024】このポリアスパラギン酸類の製造方法は、
国際特許公開WO98/39090号公報に記載されて
いる方法とは異なり、分子量のコントロールが非常に容
易である。ガスハイドレートの生成制御剤は、分子量が
その性能に大きく影響するが、本発明の製造方法によれ
ば、ガスハイドレートの生成制御剤として適した分子量
を持つポリアスパラギン酸類を製造することができる。
【0025】ポリスクシンイミドの加水分解は、通常、
ポリスクシンイミドをアルカリ水溶液に溶解することに
より行われる。この加水分解では、重縮合反応の反応混
合物から単離したポリスクシンイミドをアルカリ水溶液
に溶解してもよいし、単離することなく重縮合反応の反
応混合物をそのままアルカリ水溶液に溶解してもよい。
ポリスクシンイミドの単離は、例えば、反応混合物を大
過剰の水中に投入して析出したポリスクシンイミドを濾
別し、必要に応じて洗浄することによって得られる。加
水分解に用いるアルカリとしては、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属塩
等が挙げられる。
【0026】加水分解の温度は0〜80℃の範囲が好ま
しく、特に20〜50℃が好ましい。この温度は高いほ
ど加水分解が十分に進行し、低いほど加水分解で得られ
るポリアスパラギン酸類の主鎖のアミド結合の開裂が少
なくなり収率が向上する。
【0027】加水分解で得られるポリアスパラギン酸類
は、加水分解に用いたアルカリの種類に対応するアルカ
リ塩になる。このアルカリ塩は、前記式(1)の構造中
のX 1〜X4の少なくとも一つが一価の正電荷を持つ原子
団の場合に該当する。これらの塩は冷却、濃縮または貧
溶媒添加等の溶解度を低下させる操作により、結晶とし
て分離することができる。貧溶媒による結晶析出の場合
の貧溶媒には、例えば、メタノール、エタノール、プロ
パノール、アセトン、アセトニトリル等の水と任意の割
合で混和できる有機溶媒を用いることができる。
【0028】このようにして得られたポリアスパラギン
酸類は、これに通常含まれる一価の正電荷を持つ原子団
の働きにより金属の腐食防止効果を併せ持つ。この一価
の正電荷を持つ原子団は、例えば前記式(1)の構造中
で、X1〜X4として示されているものである。
【0029】ガスハイドレートの生成制御剤として利用
するポリアスパラギン酸の分子量は、1,000〜10
0,000の範囲が好ましく、特に1,000〜50,
000の範囲が好ましい。この範囲内でポリアスパラギ
ン酸類の分子量は、大きいほどガスハイドレートの安定
化効果および生成抑制効果が向上し、小さいほど系の粘
度が低くなるので取り扱いが容易になる。
【0030】本発明のガスハイドレートの生成制御方法
は、本発明のガスハイドレートの生成制御剤を、ガスハ
イドレートが生成可能な系に添加するものである。ここ
でガスハイドレートが生成可能な系とは、例えば、J. L
ong, A. Lederhos, A. Sum,R. Christiansen, E. D. Sl
oan; Prep. 73rd Ann. GPA Conv., 1994, 1〜9ページ
に記載されているような、ガスハイドレートを形成する
物質が水性溶媒に溶解した系等を指す。このような系
は、特定の圧力・温度条件下で、ガスハイドレートが結
晶物として析出する。
【0031】ガスハイドレートを形成する物質として
は、二酸化炭素、窒素、酸素、硫化水素、アルゴン、キ
セノン、エタン、プロパン等の気体やテトラヒドロフラ
ン等の液体が挙げられる。
【0032】またガスハイドレートが生成可能な系とし
ては、例えば、天然ガス井や油井において、水や海水等
の水性溶媒にエタンやプロパン等の気体が溶解した水相
が、液化ガスや原油等の油相中に懸濁・分散した状態で
存在する系や、該水相中に天然ガス等の気相が存在する
系等が挙げられる。
【0033】ガスハイドレートが生成可能な系に本発明
のガスハイドレート生成制御剤を添加する方法は特に限
定されないが、水および/または水と混和性の溶媒に溶
解した後に添加することが好ましい。水と混和性の溶媒
とは、水と任意の割合で混合する溶媒をいい、例えば、
メタノール、エタノール、アセトン等が挙げられる。
【0034】ガスハイドレートの生成制御剤を添加する
量は、ガスハイドレートが生成可能な系に含まれる自由
水100重量部に対して、0.01〜30重量部が好ま
しく、0.01〜10重量部であることがより好まし
い。ガスハイドレートの生成制御剤を添加する量は、多
いほどガスハイドレートの安定化効果が向上し、少ない
ほど系の粘度が低くなり流動性が向上する。ただし、極
端に添加する量が多くなるとガスハイドレートの安定化
効果が逆に低下する場合がある。
【0035】本発明のガスハイドレートの生成制御剤を
使用する際には、例えば、防錆剤、潤滑剤、分散剤、ス
ケール付着防止剤、腐食防止剤等の種々の添加剤を併用
してもよい。
【0036】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0037】<評価装置>ガスハイドレートの生成制御
剤のガスハイドレート生成阻害性能の指標となるガスハ
イドレートの生成温度、およびガスハイドレート安定化
性能の指標となるガスハイドレートの分解終了温度は、
図1に示した装置を使用して測定した。
【0038】この装置において、反応高圧セル1は内容
量100mlで、20MPaまでの常用耐圧設計となっ
ている。このセルには、ガス導入ライン1、液導入ライ
ン2、パージライン3、セル内温度計5、セル内圧力計
6および反応セル内攪拌機7が備えられている。セル全
体は恒温槽8の内部に収められており、セル内温度は恒
温槽8の温度により調節できる。反応高圧セル1には、
直径3cmの内部観測用窓(図示せず)を3カ所に設け
てあり、セル内部の様子が観察できるようになってい
る。
【0039】<生成阻害性能の評価方法>ガスハイドレ
ート生成阻害性能は、次のように評価した。すなわち、
液導入ライン2より評価対象であるガスハイドレートの
生成制御剤の0.5質量%水溶液を導入し、ガス導入ラ
イン1よりメタンガスを導入してセル内部の圧力を10
MPaとし、セル内温度をその圧力におけるメタンハイ
ドレートの生成平衡温度よりも明らかに高い温度である
20℃に設定した。その後セル内部を攪拌しつつ−4℃
/hrで徐々にセル内温度を降下させると、ある温度に
おいてセル内部にメタンハイドレートが生成する様子が
観察される。メタンハイドレートの生成によりセル内圧
力は低下し、同時にガスハイドレートの生成は発熱反応
であるため、セル内温度はわずかに上昇する。この圧力
が大きく低下し始める時のセル内温度、すなわちメタン
ハイドレートの生成温度が低いほどガスハイドレート生
成阻害性能が大きいと評価した。なお、メタンハイドレ
ートの生成温度は10MPaの条件では約9℃である。
【0040】<安定化性能の評価方法>ガスハイドレー
ト安定化性能は、次のように評価した。すなわち、前述
した性能の評価でメタンハイドレートの生成温度を測定
した後、そのメタンハイドレートの生成開始温度よりも
2℃恒温槽温度を下げ、セル内圧力とセル内温度が一定
となるまで放置する。その後、セル内温度を4℃/hr
で上昇させると徐々にセル内のメタンハイドレートが分
解を始め、最終的に完全に水とメタンガスに分離する。
この時のセル内温度、すなわちメタンハイドレートの分
解終了温度が高いほどガスハイドレート安定化性能が大
きいと評価した。なお、メタンハイドレートの分解終了
温度は10MPaの条件では約12℃である。
【0041】<速度論的分解遅延性能の評価方法>速度
論的にガスハイドレートの分解速度を減少させる、即ち
ガスハイドレートの分解を遅延させる速度論的安定化性
能は次のように評価した。前述した性能の評価でメタン
ハイドレートの生成温度を測定した後、恒温槽温度を2
℃とし、セル内圧力とセル内温度が一定となるまで放置
する。その後、セル内のメタンガスを排出してセル内圧
力を2MPaとする。この条件でセルを密閉しセル内圧
力がほぼ一定となるまでの時間を測定した。この時間が
長いほどメタンハイドレートの分解における速度論的分
解遅延性能が大きいと評価した。
【0042】<腐食防止性能の評価方法>内容量100
mlのステンレス製密閉容器内にガスハイドレートの生
成制御剤を0.5質量%の濃度で溶解した水溶液を80
ml入れる。この際の水は不活性ガスでパージしていな
い蒸留水を用いた。これに腐食剤として塩酸および硝酸
ナトリウムをそれぞれ0.1質量%添加し、表面をサン
ドペーパーで研磨した大きさ1cm×1cm、厚み0.
3mmの粗鉄製板を入れ、系を密閉した後0.5MPa
の圧力となるまでメタンガスを導入し、40℃に系を保
ちながら内部を攪拌する。24時間後、粗鉄製板の表面
の腐食具合を目視で評価した。
【0043】[実施例1]温度計、温度制御装置、攪拌
装置、コンデンサーを備えた300mlナス型フラスコ
に、L−アスパラギン酸(和光純薬工業社製)39.9
g(0.3モル)、85質量%リン酸水溶液(和光純薬
工業社製)80g(0.69モル、アスパラギン酸1モ
ルに対してリン酸2.3モルに相当。)を仕込み、8k
Paの減圧下、反応により生成した水を除去しながら1
55℃で3時間重縮合させた。得られたポリスクシンイ
ミドを含む反応混合物は無色透明であり、常温で易流動
性であった。氷冷した2.4mol/l濃度の水酸化ナ
トリウム水溶液1000mlに、このポリスクシンイミ
ドを含む反応混合物を液温が30℃を超えないように徐
々に加えていき、最終的なpHを7.5〜8.0の範囲
に保持することによって加水分解を行った。その後、液
温を約5℃に保ちながらメタノールを加えていくと白色
の沈殿物が生成した。この沈殿物を濾別し、メタノール
で3回洗浄後、60℃で一晩真空乾燥を行い、白色のポ
リアスパラギン酸ナトリウム塩33.7gを得た。この
ときの全収率は82%であり、得られたポリアスパラギ
ン酸ナトリウム塩の質量平均分子量は8,700であっ
た。このポリアスパラギン酸ナトリウム塩について評価
を行ったところ、ガスハイドレート生成温度は3℃、ガ
スハイドレート分解終了温度は18℃であった。また、
速度論的分解遅延性能時間は297分であった。さら
に、腐食防止性能の評価では、粗鉄板表面にはわずかな
腐食しか見られなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明のガスハイドレートの生成制御剤
およびガスハイドレートの生成制御方法は、ガスハイド
レートが形成される条件下においては、その生成を阻害
する働きと、逆にガスハイドレートが徐々に分解して行
く条件下においては、その分解を遅延させ安定化させる
働きを併せ持ち、かつ、ガスハイドレートが生成する環
境において腐食防止効果を有していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガスハイドレートの生成制御剤の性能評価す
るための装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 ガス導入ライン 2 液導入ライン 3 パージライン 4 反応用高圧セル 5 反応セル内温度計 6 反応セル内圧力計 7 反応セル内攪拌機 8 恒温槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J043 PA19 QB06 RA05 RA34 SA05 SA62 SB01 XA01 XA03 XB13 YB08 ZA60 ZB60

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度120〜170℃、圧力1.33P
    a〜1.33×10 4Paの条件下でアスパラギン酸
    を、アスパラギン酸1モルあたり2〜5モルのリン酸類
    の存在下で重縮合させて得たポリスクシンイミドを加水
    分解することにより得られたポリアスパラギン酸類を有
    効成分として含有するガスハイドレートの生成制御剤。
  2. 【請求項2】 ポリアスパラギン酸類の分子量が1,0
    00〜100,000の範囲であることを特徴とする請
    求項1記載のガスハイドレートの生成制御剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のガスハイドレー
    トの生成制御剤を、ガスハイドレートが生成可能な系に
    添加することを特徴とするガスハイドレートの生成制御
    方法。
  4. 【請求項4】 ガスハイドレートの生成制御剤を水およ
    び/または水と混和性の溶媒に溶解したものをガスハイ
    ドレートの生成可能な系に添加することを特徴とする請
    求項3記載のガスハイドレートの生成制御方法。
  5. 【請求項5】 ガスハイドレートが生成可能な系に含ま
    れる自由水100重量部に対して、0.01〜30重量
    部の割合でポリアスパラギン酸類を添加することを特徴
    とする請求項3または4記載のガスハイドレートの生成
    制御方法。
JP2000223534A 1999-10-20 2000-07-25 ガスハイドレートの生成制御剤およびそれを用いるガスハイドレートの生成制御方法 Pending JP2001187890A (ja)

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