JP2001185962A - 増幅器 - Google Patents

増幅器

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JP2001185962A
JP2001185962A JP37093499A JP37093499A JP2001185962A JP 2001185962 A JP2001185962 A JP 2001185962A JP 37093499 A JP37093499 A JP 37093499A JP 37093499 A JP37093499 A JP 37093499A JP 2001185962 A JP2001185962 A JP 2001185962A
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Hiroyuki Kayano
博幸 加屋野
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2つ以上の複数の周波数帯域で整合範囲を可
変する整合回路を有する増幅器によって、低損失、小型
化を目的とする。 【解決手段】 増幅器20は、入力側の整合回路18
と、トランジスタ1と、出力側の整合回路19と、整合
範囲を調整する制御信号発信器6とからなる。整合回路
18に入力された電気信号は、発信器6による制御信号
に従って整合回路18内の整合範囲を可変させながら整
合が行われる。整合後の信号はトランジスタ1で増幅さ
れ、整合回路19にて整合回路18と同様の整合が行わ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力される電波の
周波数を整合し電力を増幅する増幅器に係り、特に携帯
電話などの無線装置や基地局などに設けられ、入力され
る電波の周波数を整合する際に整合範囲を可変する整合
範囲可変部を整合回路内に設ける増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話が目覚しい勢いで普及し
国民の数割が所有するようになってきている。こうした
携帯電話では音声信号を周波数信号にのせて通信を行っ
ている。携帯電話をはじめとする一般的な無線装置では
音声信号以外の情報も周波数信号にのせて通信を行って
いる。ここで無線装置では、情報をのせた周波数信号を
特定の電力レベルで送信を行っており、必要となる電力
レベルに増幅するための増幅器が必要となる。
【0003】従来の増幅器としては、例えば800[M
Hz]帯と1800[MHz]帯の増幅器を2つモジュー
ル上に設けたものがある(森一富他、“Outside−Base
/Center−Via−HoleレイアウトHBTを用いたGSM900
/DCS1800デュアルバンドMMIC増幅器",1999年
電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会,
C−2−27,P56,1999)。
【0004】従来の増幅器の構成について、図12乃至
14を参照して説明する。
【0005】なお、図12、13については入力される
電波を増幅する増幅器の周波数が固定されていない場合
であり、図14については入力される電波を増幅する増
幅器の周波数が固定されている場合である。
【0006】増幅器100は、入力側の整合器101
と、トランジスタ102と、出力側の整合器103とか
らなる。
【0007】整合器103は、複数の素子からなり、例
えばインダクタ104とキャパシタ105とが所定の関
係で接続されている。キャパシタ105の一方はグラン
ドに接続される。
【0008】整合回路103内の一組のインダクタ10
4とキャパシタ105とが一つの整合部となり、所定の
周波数範囲でのみ整合が可能である。整合部は、入力さ
れる電波の周波数帯域にあわせて複数設けられ、タンク
回路を構成している。図12では整合部が3組設けられ
ている。整合回路101内の構成は、整合回路103と
同様である。
【0009】所定の周波数をもった電波がミキサ(不図
示)から整合回路101に入力され、整合が行われる。
整合が行われた後の電波(電気信号)は、トランジスタ
102で電力が増幅される。増幅された信号は、整合回
路102で整合され、フィルタ(不図示)あるいはアン
テナ(不図示)出力される。
【0010】一般的に、整合回路に入力される周波数帯
域が広がれば広がるほど、整合回路内の素子数を多くし
なければならず、そのため整合回路自身の損失が大きく
なり、結果的に増幅器の特性が劣化することになる。つ
まり、広帯域特性を得ることと、増幅器の低損失を得る
こととは相反するものである。
【0011】ここで図12に示すような構成では、整合
回路がインダクタ104とキャパシタ105とを用いた
ローパスフィルタ型のタンク回路であるため、複数のイ
ンダクタ104が直列につながれている。
【0012】インダクタ104が直列に接続されるた
め、損失が大きくなり増幅器の特性が劣化してしまう。
また、広帯域とするために設けられる素子数が多いた
め、整合回路の設置面積が大きくなり小型化できないと
いう問題点も生じる。
【0013】また、図13に示す増幅器について説明す
る。
【0014】増幅器100は、整合回路101とトラン
ジスタ102と整合回路103とが直列に接続されてい
る。整合回路103は、複数の抵抗106が接続されて
構成されている。整合回路101の構成は整合回路10
3と同一である。
【0015】このような構成からなる増幅器100で
は、増幅器に入力される信号に対して整合回路101、
103でQ値を低下させることにより、より広い周波数
帯域の整合をとることができる。
【0016】しかしながら、抵抗106を複数接続する
ことにより、さらに整合回路としての損失が大きくな
り、増幅器としての効率が低下するという問題点があっ
た。
【0017】また、増幅器100として使用する周波数
帯域が固定されている場合について説明する。(図14
参照) 増幅器100は、周波数ごとに増幅器を切り替えるスイ
ッチ107と、整合回路101と、トランジスタ102
a、102bと、整合回路103とからなる。整合回路
101は、内部に整合部101a、101bとが設けら
れ、整合回路103は、内部に整合部103a、103
bとが設けられる。整合部101aとトランジスタ10
2aと整合部103aとが縦続関係に接続され、整合部1
01bとトランジスタ102bと整合部103bとが縦
続関係に接続される。整合部101a、101b、10
3a、103b内部には、インダクタ104とキャパシ
タ105が所定の接続関係をなして設けられる。
【0018】このような構成であれば、入力される電波
の周波数帯域が狭いため、スイッチ107により、適宜
所定の整合部に切り替え、電力増幅を行っている。
【0019】しかしながら、入力される電波の周波数帯
域全般を覆うように、2つの整合回路、トランジスタか
らなる増幅器を複数設けなければならず、設置面積の増
大と、スイッチ107でのスイッチマトリックスの複雑
化にともない実用的ではなくなるという問題点があっ
た。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】以上、上述のような構
成をした従来の増幅器では、広周波数帯域に渡って増幅
するための整合回路を組む場合には、回路の設置面積
(体積)が大きくなることと、回路自身の損失(入力値
に対する出力値の比)が大きくなるために、増幅器とし
ての効率が劣化するという問題点があった。
【0021】そこで、本発明は上記従来の問題点に鑑み
てなされたもので、広い周波数帯域に渡って整合が行
え、かつ低損失である増幅器の提供を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の増幅器は、第1の整合回路と、前記第1
の整合回路に接続される増幅部と、前記増幅部に接続さ
れる第2の整合回路と、前記第1または前記第2の整合
回路は周波数範囲を可変とするための周波数範囲可変手
段を有し、この周波数範囲可変手段に対して周波数範囲
の変更を指示するための制御部とが設けられることを特
徴とする。
【0023】また、本発明の増幅器は、電力増幅を行う
増幅部と、前記増幅部の入力側に設けられる第1の整合
回路と、前記増幅部の出力側に設けられる第2の整合回
路とからなる増幅器において、前記第1の整合回路は抵
抗素子から構成され、前記第1の整合回路に入力される
信号のインピーダンスを所望の値となるよう整合し、前
記第2の整合回路はインダクタと可変キャパシタとから
構成され、前記増幅部からの信号の周波数帯域であって
複数の整合できる周波数範囲を有し、この周波数範囲を
前記可変キャパシタの容量を可変させて整合を行うこと
を特徴とする。
【0024】このような構成であれば、複数の整合回路
をひとつの増幅器で増幅することが可能となり、増幅器
自身の整合回路の小型化と低損失化により、増幅器自身
の高効率動作が可能となる。
【0025】また、整合回路に抵抗を用いているためイ
ンダクタやキャパシタで構成する場合に比べてIC上に
精度良く非常に小さく作りこむことが可能となる。これ
は、インダクタやキャパシタは高周波的な結合による寄
生分の影響があるが、抵抗は小さく作れることから高周
波的な結合による寄生分の影響が小さく精度良く作るこ
とができるためである。
【0026】なお、トランジスタの能力は、線形性、利
得、出力電力、効率などそれぞれ異なる負荷条件で最大
となる。実際にはこれら要因を適宜選択することによ
り、増幅器が搭載される装置の要求に合わせて設計して
いく。
【0027】例えば、IS−95やW-CDMA(Wideb
and−Code Division Multipl
e Access)を始めとする送信電力制御を行う場
合は最大出力が要求されるため、最大出力のための負荷
に制御を行う。このように使用条件によって適宜要因を
変更し、例えば効率最大の負荷条件に制御するような場
合には、効率最大に関する負荷条件で制御方法をとる。
また、増幅素子であるトランジスタの印加電圧の変更な
どによる動作条件が変わった場合にも、同様な負荷条件
の変更でトランジスタの能力を十分に使うことが可能で
ある。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の構成
を図面を参照しながら説明する。
【0029】図1は、本発明の増幅器の第1実施形態の
ブロック図であり、図2は本発明の増幅器の第1実施形
態の動作の説明図である。
【0030】増幅器20は、入力側の整合回路18(第
1の整合器)と、トランジスタ1(増幅部)と、出力側
の整合回路19(第2の整合器)と、制御信号発生器6
(整合範囲制御部)とからなる。
【0031】整合回路18内では、複数の整合部2a、
2bが並列に接続されている。整合回路19内では、複
数の整合部3a、3bが並列に接続されている。整合回
路18の一端はミキサなどに接続され、他端はトランジ
スタ1に接続される。整合回路19の一端はトランジス
タ1に接続され、他端はフィルタ(不図示)やアンテナ
(不図示)などに接続される。整合回路18、19内の
整合部2、3は、複数の抵抗またはインダクタまたはキ
ャパシタから選択される素子が所望の回路となるよう配
置されてなる。トランジスタ1は、整合回路18、19
に挟持されるように接続されている。
【0032】制御信号発生部6は、整合部2a、2b、
3a、3bに電気的に接続されている。
【0033】このような構成からなる第1実施形態の動
作について説明する。 (1)ミキサなどから整合回路18の整合部2a、2b
に所定の周波数を有する電波が入力される。ここで、入
力された電波の周波数帯域は、A周波数帯域と、B周波
数帯域とを含んでいるとする。 (2)A周波数帯域の整合は整合部2aで行われ、B周
波数帯域の整合は整合部2bで行われる(図2参照)。
【0034】整合部2aでは、A周波数帯域を分割した
所定の周波数範囲を持つ整合範囲7aを移動(整合範囲
の周波数帯域を変化)させながら、A周波数帯域全般に
渡ってインピーダンス整合を行っていく。同様に整合部
2bでは、B周波数帯域を分割した所定の周波数範囲を
持つ整合範囲7bを移動(整合範囲の周波数帯域を変
化)させながら、B周波数帯域全般に渡ってインピーダ
ンス整合を行っていく。
【0035】ここで、整合範囲を可変するには、制御信
号発生器6からの制御信号に基づいて所定の時間間隔で
行われる。また、整合範囲の可変にあたっては、各整合
部に可変を行うことも、各整合部同時に可変を行うこと
もできる。 (3)整合された電気信号(電波)は、トランジスタ1
に入力され、電力増幅が行われる。 (4)電力増幅された電気信号は、整合回路19の整合
部3a、3bに入力される。入力された電気信号は、制
御信号発生器6からの制御信号に基づいて(2)工程と
同様に、整合が行われる。 (5)整合された電気信号は、高調波フィルタに送ら
れ、二次高調波、三次高調波などが取り除かれた後、ア
ンテナなどから所望の個所に送信される。
【0036】以上述べたような第1実施形態では、入力
される電波の所定の周波数範囲にわたって整合範囲を可
変することにより、従来に比べて整合部の数が低減で
き、増幅器の小型化ができる。また、トランジスタ1を
整合部ごとに設ける必要がないのでさらに増幅器の小型
化に寄与する。
【0037】また、一般的に周波数帯域を広くとって整
合すればするほど、トランジスタの出力電力、利得、効
率などの特性が劣化するためトランジスタの能力を最大
限にすることは困難であるが、整合範囲を狭帯域にする
ことにより、各種特性を劣化させることなくトランジス
タの効率を最大限使用することができる。
【0038】また、複数の無線装置の場合には、使用さ
れる周波数範囲は飛び飛びの周波数を利用していること
が多い。例えば、日本の携帯電話の場合には、PDC
(Personal Digital Cellula
r)は800MHz帯、1.5GHz帯、PHS(Pers
onal Handy−phone Systems)
は1.9GHz帯であり、飛び飛びの周波数帯を使用して
いる。
【0039】このような周波数帯域を一つの整合回路で
整合させることは困難であるが、第1実施形態では複数
の無線装置において異なる周波数帯域であっても、整合
範囲7a、7bを可変させて整合することにより、従来
よりも少ない素子数(整合部、トランジスタ)であっ
て、また狭い整合範囲7a、7bを用いることにより、
整合回路の特性劣化を招くことなく、広い周波数範囲で
整合を行うことができる。
【0040】次に、本発明の増幅器の第2実施形態の構
成について図3を参照して説明する。
【0041】なお、以下の各実施例において、第1実施
形態と同一構成要素は同一符号を付し、重複する説明は
省略する。
【0042】第2実施形態の特徴は、整合回路18、1
9内の整合部をインダクタとキャパシタとにより構成
し、整合回路の特性劣化を低減し、狭い設置面積とした
ことである。
【0043】図3は本発明の増幅器の第2実施形態のブ
ロック図であり、図4は周波数に対する通過特性の関係
を表す図である。
【0044】整合回路18は、インダクタ8と可変キャ
パシタ9(周波数可変手段)とが所定の接続関係で接続
されている。可変キャパシタ9の一端はグランドに接地
されている。整合回路19の構成も、整合回路18と同
様である。整合回路18、19はローパスフィルタ型の
整合回路であり、インダクタ8、可変キャパシタ9の素
子の数値を適宜選択することにより、出力される周波数
帯域内にリップルの無い最平坦型ローパスフィルタか
ら、帯域内にリップルを有するチェビシェフ型ローパス
フィルタまで、設計できる。
【0045】このような構成からなる第2実施形態の動
作について説明する。なお、図4は、チェビシェフ型ロ
ーパスフィルタに関するものであり、インダクタ8は1
nH、キャパシタ9は2pFである。
【0046】基本的な動作は、第1実施形態と同様であ
る。(2)工程における整合範囲の可変は、可変キャパ
シタ9の容量を適宜変化させ、ローパスフィルタ特性の
カットオフ周波数(図中では約6.3GHz)を変える
ことによって行う。このように可変キャパシタ9の容量
を変化させ整合範囲を可変し、複数の周波数領域C、D
(図中では3.5GHz近傍、6.2GHz近傍)内の
整合をとる。なお、ローパスフィルタ特性のリップル
(図中では約2.0GHzと約5.2GHz)を可変さ
せた場合には、整合範囲の幅を可変することもできる。
【0047】以上述べたような第2実施形態では、整合
回路18、19にインダクタ8とキャパシタ9とを具備
することにより、整合範囲を可変することができ、複数
の周波数領域C、Dにおいて整合を行え、小型化が達成
できる。
【0048】また、整合回路18、19を、インダクタ
8とキャパシタ9とにより構成しているため、整合部に
おける損失が少ない。
【0049】次に、本発明の増幅器の第3実施形態の構
成について図5を参照して説明する。
【0050】第3実施形態の特徴は、増幅器20を複
数、縦続接続して、所望の値まで増幅させることであ
る。
【0051】図5は、本発明の増幅器の第3実施形態の
ブロック図である。
【0052】増幅器20は、整合回路17、18、19
と、トランジスタ1a、1bとから構成される。
【0053】整合回路17、18、19内の構成は、第
2実施形態と同様である。整合器19の後段にはトラン
ジスタ1bが設けられ、トランジスタ1bの後段には整
合回路17が設けられる。
【0054】第3実施形態では、2段の増幅回路とな
る。
【0055】このような構成であれば、整合回路17の
後段に設けられるであろう高調波フィルタ(不図示)や
アンテナ(不図示)に出力される電波の出力値を、各ト
ランジスタ1a、1bにて所望値まで増幅させることが
できる。なお、出力値によっては2段で足りない場合も
ありえるが、その場合には整合回路17の後段に、さら
にトランジスタ、整合回路を設けることにより達成でき
る。
【0056】さらに、各整合回路の可変キャパシタ9の
容量を可変することにより、各整合回路ごとにフィルタ
特性を変えることもできる。
【0057】以上述べたような第3実施形態では、整合
回路17、18、19にインダクタ8と可変キャパシタ
9とを具備することにより、整合範囲を可変することが
でき、複数の周波数領域において整合が行え、小型化が
達成できる。
【0058】また、整合回路17、18、19を、イン
ダクタ8と可変キャパシタ9とにより構成しているた
め、整合部における損失が少ない。
【0059】また、整合回路とトランジスタを複数設け
ることにより、所望の増幅値まで増幅させることができ
る。
【0060】次に、本発明の増幅器の第4実施形態の構
成について図6を参照して説明する。
【0061】第4実施形態の特徴は、整合部内のインダ
クタ8と可変キャパシタ9との接続を、電気信号の流れ
方向に、可変キャパシタ9、インダクタ8の順に配置す
ることである。
【0062】図6は、本発明の増幅器の第4実施形態の
ブロック図である。
【0063】トランジスタ1の出力側の整合回路19内
を、電気信号が流れる方向に沿って、可変キャパシタ
9、インダクタ8の順に接続する。なお、必要に応じて
入力側の整合回路も同様の構成としてもよい。
【0064】このような構成であれば、整合回路19内
がインダクタ8と可変キャパシタ9とで具備することに
より、整合範囲を可変することができ、複数の周波数領
域において整合が行え、小型化が達成できる。また、整
合回路19を、インダクタ8と可変キャパシタ9とによ
り構成しているため、整合部における損失が少ない。
【0065】また、可変キャパシタ9に接続される配線
の設計が容易になる。
【0066】次に、本発明の増幅器の第5実施形態の構
成について図7を参照して説明する。
【0067】第5実施形態の特徴は、第4実施形態の整
合部にさらにインダクタ8aを具備することである。
【0068】図7は、本発明の増幅器の第5実施形態の
ブロック図である。
【0069】トランジスタ1に接続される接続点Pに
て、インダクタ8a、8bと可変キャパシタ9とが接続
されている。
【0070】このような構成であれば、整合回路19内
がインダクタ8と可変キャパシタ9とで具備することに
より、整合範囲を可変することができ、複数の周波数領
域において整合が行え、小型化が達成できる。また、整
合回路19を、インダクタ8と可変キャパシタ9とによ
り構成しているため、整合部における損失が少ない。ま
た、可変キャパシタ9に接続される配線の設計が容易に
なる。
【0071】また、整合可能な複数の周波数範囲の間隔
をより広く取ることができる。
【0072】次に、本発明の増幅器の第6実施形態の構
成について図8を参照して説明する。
【0073】第6実施形態の特徴は、第4実施形態の整
合回路19の後段に可変キャパシタ10を設けることで
ある。
【0074】図8は、本発明の増幅器の第6実施形態の
ブロック図である。
【0075】トランジスタ1の出力側に設けられる整合
回路19の後段に、可変キャパシタ10を設ける。
【0076】トランジスタ1と、整合回路19と、可変
キャパシタ10とは、直列に接続される。
【0077】このような構成であれば、整合回路19内
がインダクタ8と可変キャパシタ9とで具備することに
より、整合範囲を可変することができ、複数の周波数領
域において整合が行え、小型化が達成できる。また、整
合回路19を、インダクタ8と可変キャパシタ9とによ
り構成しているため、整合部における損失が少ない。
【0078】また、可変キャパシタ9に接続される配線
の設計が容易になる。
【0079】また、可変キャパシタ10が直流を削除す
るフィルタとして作用するため、より雑音の少ない電気
信号を後段の高調波フィルタ(不図示)やアンテナ(不
図示)に出力できる。
【0080】次に、本発明の増幅器の第7実施形態の構
成について図9を参照して説明する。
【0081】第7実施形態の特徴は、第6実施形態の整
合回路19の前段にインダクタ11を設けることであ
る。
【0082】図9は、本発明の増幅器の第7実施形態の
ブロック図である。
【0083】トランジスタ1の出力側に、インダクタ1
1が設けられる。インダクタ11の後段には、整合回路
19が設けられる。
【0084】トランジスタ1と、インダクタ11と、整
合回路19と、可変キャパシタ10とは、直列に接続さ
れる。
【0085】このような構成であれば、整合回路19内
がインダクタ8と可変キャパシタ9とで具備することに
より、整合範囲を可変することができ、複数の周波数領
域において整合が行え、小型化が達成できる。また、整
合回路19を、インダクタ8と可変キャパシタ9とによ
り構成しているため、整合部における損失が少ない。
【0086】また、可変キャパシタ9に接続される配線
の設計が容易になる。また、可変キャパシタ10が直流
を削除するフィルタとして作用するため、より雑音の少
ない電気信号を後段の高調波フィルタ(不図示)やアン
テナ(不図示)に出力できる。
【0087】また、インダクタ11を設けることにより
整合可能な複数の周波数範囲の間隔をより広く取ること
ができる。
【0088】次に、本発明の増幅器の第8実施形態の構
成について図10を参照して説明する。
【0089】第8実施形態の特徴は、入力側の整合回路
18内は複数の抵抗12により構成され、出力側の整合
回路19はインダクタ8と可変キャパシタ9とにより構
成されることである。
【0090】図10は、本発明の増幅器の第8実施形態
のブロック図である。
【0091】増幅器20は、入力側の整合回路18と、
トランジスタ1と、出力側の整合回路19とから構成さ
れ、縦続関係に接続される。
【0092】整合回路18は、複数の抵抗12が所定の
接続関係で接続され、整合回路19は、複数のインダク
タ8と可変キャパシタ9とが所定の接続関係で接続され
ている。抵抗12の一端はグランドに接続されている。
【0093】整合回路18は、広周波数帯域に渡って対
応する固定の広周波数帯域整合回路(オールパスフィル
タ)であり、整合回路19は、整合可能な複数の各周波
数帯域に対して整合範囲を可変する整合回路である。整
合回路18は、抵抗12により構成されているため入力
される信号の周波数に依存しないため、全ての周波数に
対し有効になる。
【0094】このような構成によれば、整合回路18に
おいては、入力される電波のインピーダンスを所定の値
に合わせるとともに、整合回路自身のQ値を所定量下
げ、広周波数帯域の整合をとることができ、整合回路1
9においては、可変キャパシタ9により整合範囲を可変
させることにより整合をとることができる。
【0095】以上述べたような第8実施形態によれば、
整合回路19内がインダクタ8と可変キャパシタ9とで
具備することにより、整合範囲を可変することができ、
複数の周波数領域において整合が行え、かつ小型化が達
成できる。また、整合回路19を、インダクタ8と可変
キャパシタ9とにより構成しているため、整合部におけ
る損失が少ない。また、整合回路18が、複数の抵抗1
2から構成されることにより、広周波数帯域に対して対
応することができ、抵抗12をICチップ内に小さく製
作でき小型化に寄与する。次に、本発明の増幅器の第9
実施形態の構成について図11を参照して説明する。
【0096】第9実施形態の特徴は、整合回路18、1
9内の整合部2a、2b、…、2nの個数と、整合回路
19内の整合部3a、3b、…、3nの個数が異なるこ
とである。
【0097】図11は、本発明の増幅器の第9実施形態
のブロック図である。
【0098】整合回路18内の整合部の個数と、整合回
路19内の整合部の個数以外の構成要素は第1実施形態
と同様である。
【0099】整合回路18内に設けられるn個の整合部
2a、2b、…、2nが、並列に接続されている。同様
に、整合回路19内に設けられるm個の整合部3a、3
b、…、3mが、並列に接続されている。なお、n、m
は自然数とする。
【0100】制御信号発信器6は、整合部2a、…、2
nと、整合部3a、…3mとに電気的に接続されてい
る。
【0101】第9実施形態の各整合部の個数は、整合回
路18内に設けられる方が多いが、適宜設計変更して良
い。
【0102】このような構成からなる第9実施形態の動
作について説明する。
【0103】動作工程は、第1実施形態と同様であり、
(1)から(5)工程に沿って動作が行われる。
【0104】整合部2、3の個数が異なるということ
は、整合範囲が異なり、別々の制御が制御信号発信器6
により行われている。
【0105】以上述べたような第9実施形態では、整合
回路18、19内がインダクタと可変キャパシタとを具
備することにより、整合範囲を可変することができ、複
数の周波数領域において整合が行え、かつ小型化が達成
できる。
【0106】また、トランジスタ1がMESFETのよ
うな特性を有する素子を使用する場合には、トランジス
タ1の出力側での整合は最適な周波数から整合範囲が離
れるに従って、増幅特性が劣化する割合が大きくなり整
合可能な帯域は狭くなるが、出力側と比較して入力側で
は広い周波数範囲にわたって特性劣化が小さく、比較的
広い周波数範囲にわたって整合回路を組むことができる
ため、入力側では出力側に比べて少ない数の整合領域で
可変させることができる。
【0107】尚、本発明は上記実施形態に限定されず、
その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できるこ
とは言うまでもない。例えば、増幅器を複数多段に設け
る場合には、特性劣化が少ない信号を出力できれば、最
終段のみインダクタと可変キャパシタからなる整合回路
を設ければ、最終段以外の整合回路を例えば1チップ上
に製作できるためさらに小型化できる。また、整合範囲
が可変可能であれば可変キャパシタの代わりに固定キャ
パシタを設けることも可能である。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、広
い周波数帯域にまたがっている所望の周波数帯域の整合
を、特性を劣化させることなく行え、かつ小型化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の増幅器の第1実施形態のブロック
図。
【図2】 本発明の増幅器の第1実施形態の動作の説明
図。
【図3】 本発明の増幅器の第2実施形態のブロック
図。
【図4】 周波数に対する通過特性の関係を示す図。
【図5】 本発明の増幅器の第3実施形態のブロック
図。
【図6】 本発明の増幅器の第4実施形態のブロック
図。
【図7】 本発明の増幅器の第5実施形態のブロック
図。
【図8】 本発明の増幅器の第6実施形態のブロック
図。
【図9】 本発明の増幅器の第7実施形態のブロック
図。
【図10】 本発明の増幅器の第8実施形態のブロック
図。
【図11】 本発明の増幅器の第9実施形態のブロック
図。
【図12】 従来の増幅器のブロック図。
【図13】 従来の別の増幅器のブロック図。
【図14】 従来の別の増幅器のブロック図。
【符号の説明】
1、1a、1b トランジスタ(増幅部) 2a 整合部(第1の整合部) 2b 整合部(第2の整合部) 3a 整合部(第1の整合部) 3b 整合部(第2の整合部) 6 制御信号発信器(制御部) 7 整合範囲 8、8a、8b、8c、11 インダクタ 9、10 可変キャパシタ(周波数可変手段) 12 抵抗 17 整合回路 18 整合回路(第1の整合回路) 19 整合回路(第2の整合回路) 20 増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J091 AA01 AA41 CA36 CA62 CA75 CA92 FA20 HA02 HA25 HA29 HA30 HA33 HA38 KA29 KA42 TA01 TA03 5J092 AA01 AA41 CA36 CA62 CA75 CA92 FA20 HA02 HA25 HA29 HA30 HA33 HA38 KA29 KA42 TA01 TA03 VL08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の整合回路と、 前記第1の整合回路に接続される増幅部と、 前記増幅部に接続される第2の整合回路と、 前記第1または前記第2の整合回路は周波数範囲を可変
    とするための周波数範囲可変手段を有し、 この周波数範囲可変手段に対して周波数範囲の変更を指
    示するための制御部とを備えたことを特徴とする増幅
    器。
  2. 【請求項2】前記第1の整合回路と前記第2の整合回路
    は、所定の周波数範囲ごとに複数の整合部が設けられ、
    前記第1の整合回路の整合部と、前記第2の整合回路の
    整合部との数が異なることを特徴とする請求項1に記載
    の増幅器。
  3. 【請求項3】電力増幅を行う増幅部と、 前記増幅部の入力側に設けられる第1の整合回路と、 前記増幅部の出力側に設けられる第2の整合回路とから
    なる増幅器において、 前記第1の整合回路は抵抗素子から構成され、前記第1
    の整合回路に入力される信号のインピーダンスを所望の
    値となるよう整合し、前記第2の整合回路はインダクタ
    と可変キャパシタとから構成され、前記増幅部からの信
    号の周波数帯域であって複数の整合できる周波数範囲を
    有し、この周波数範囲を前記可変キャパシタの容量を可
    変させて整合を行うことを特徴とする増幅器。
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