JP2001184959A - 廃電線から銅材を分離回収する方法 - Google Patents

廃電線から銅材を分離回収する方法

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JP2001184959A
JP2001184959A JP37483799A JP37483799A JP2001184959A JP 2001184959 A JP2001184959 A JP 2001184959A JP 37483799 A JP37483799 A JP 37483799A JP 37483799 A JP37483799 A JP 37483799A JP 2001184959 A JP2001184959 A JP 2001184959A
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JP
Japan
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wire
copper
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aluminum material
separating
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JP37483799A
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English (en)
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Katsuji Matsuzaki
勝二 松崎
Shinichiro Shimamura
慎一郎 嶋村
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Nippon Magnetic Dressing Co
Original Assignee
Nippon Magnetic Dressing Co
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Publication date
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/82Recycling of waste of electrical or electronic equipment [WEEE]

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Combined Means For Separation Of Solids (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の処理工程を大幅に変更することなく作
業性が良好で、しかも純度の高い銅材を分離回収可能な
廃電線から銅材を分離回収する方法を提供する。 【解決手段】 一部にアルミニウム材44が使用された
廃電線41からアルミニウム材44を分離して銅線材4
6を分離回収する方法であって、廃電線41を破砕して
銅線材46、アルミニウム材44、及びプラスチックを
含む絶縁材42、45に個別分離する第1工程と、第1
工程で個別分離された銅線材46、アルミニウム材4
4、及び絶縁材42、45の混合物を湿式又は乾式の第
1の比重選別機21、31にかけて、銅線材46及びア
ルミニウム材44を絶縁材42、45から分別する第2
工程と、第2工程で分別された銅線材46及びアルミニ
ウム材44を更に湿式又は乾式の第2の比重選別機2
1、31にかけて、銅線材46とアルミニウム材44と
に分別する第3工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一部にアルミニウ
ム材が使用された廃電線からアルミニウム材を分離し銅
材(主として銅線材)を分離回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一部にアルミニウム材が使用された廃電
線、例えば廃シース電線は、通常の廃電線とは異なっ
て、複数の絶縁被覆導線を、電磁波の影響からシールド
するためアルミニウムで被覆し、更にその外側を接着さ
れた絶縁性プラスチックで被覆する構成となっている。
アルミニウム材が使用されていない廃電線であれば、絶
縁性プラスチックに対して高比重物(金属)となる材料
は、銅のみとなる。よって、通常の廃電線の処理工程を
使用することで、純度の高い(例えば99%以上、10
0%未満)銅材を回収することができる。しかし、前記
廃シース電線のようにアルミニウム材が使用されている
と、絶縁性プラスチックに対して高い比重物となる材料
は、銅とアルミニウムになる。よって、分離回収した銅
中にアルミニウムが混入し、純度の高い銅材が製造でき
なかった。このため、現在では、廃シース電線を予め人
手で皮むき機にかけ、最外被覆部分である絶縁性プラス
チックと、これに接着したアルミニウムを除去し、純度
の高い銅材を分離回収している。なお、廃シース電線か
ら除去したアルミニウムが付着した絶縁性プラスチック
は廃棄されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た廃シース電線から銅材を分離回収する方法において
は、解決すべき以下の問題があった。廃シース電線を廃
電線の処理工程にかけるたびに、人手を介して、絶縁性
プラスチックとこれに接着したアルミニウムを除去して
いたのでは、作業性が非常に悪く、大量に廃シース電線
を処理することができない。そして、アルミニウムが付
着した絶縁性プラスチックを廃棄することで、アルミニ
ウムの再利用を行うことができない。本発明はかかる事
情に鑑みてなされたもので、通常の処理工程を大幅に変
更することなく、作業性が良好で、しかも純度の高い銅
線材を分離回収可能な廃電線から銅材を分離回収する方
法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る廃電線から銅材を分離回収する方法は、一部にアル
ミニウム材が使用された廃電線からアルミニウム材を分
離して銅線材を分離回収する方法であって、廃電線を破
砕して銅線材、アルミニウム材、及びプラスチックを含
む絶縁材に個別分離する第1工程と、第1工程で個別分
離された銅線材、アルミニウム材、及び絶縁材の混合物
を湿式又は乾式の第1の比重選別機にかけて、銅線材及
びアルミニウム材を絶縁材から分別する第2工程と、第
2工程で分別された銅線材及びアルミニウム材を更に湿
式又は乾式の第2の比重選別機にかけて、銅線材とアル
ミニウム材とに分別する第3工程とを有する。なお、こ
こで使用する湿式、又は乾式の比重選別機としては、そ
れぞれ水、又は空気を分離手段とした比重選別機を利用
することが好ましいが、湿式の比重選別機であれば、他
の分離手段、例えば揮発性の高いエタノール等を使用し
た湿式の比重選別機を使用することも可能である。これ
により、廃電線中にアルミニウム材が含まれていても、
アルミニウム材が含まれていない廃電線を処理する第1
工程、第2工程を利用できるので、作業工程を大幅に変
更することなく、また、廃電線を作業工程にかける前に
予め人手を介することなく、アルミニウム材を除去でき
銅線材を分離回収することが可能となる。
【0005】ここで、本発明に係る廃電線から銅材を分
離回収する方法において、廃電線は、複数の絶縁被覆導
線をアルミニウム材で被覆し、更にその外側を絶縁性プ
ラスチックで被覆した廃シース電線であることが好まし
い。なお、複数の絶縁被覆導線を被覆しているアルミニ
ウムは、テープ(例えば厚み0.1〜1.0mm程度の
アルミラミネートテープ)、又は筒(例えば内径3〜3
0mm程度、厚み0.1〜1.0mm程度)であっても
よい。このような、アルミニウムや絶縁性プラスチック
の被覆の除去は、従来、人手を介して行っていたが、人
手を介することなく、しかもアルミニウム材が含まれて
いない廃電線を処理する第1工程を利用することにより
実施することが可能となる。
【0006】更に、本発明に係る廃電線から銅材を分離
回収する方法において、第1工程で個別分離された銅線
材は長さが0.1〜8mmの短線材を主体とし、アルミ
ニウム材はその大きさが0.1〜8mm程度の片体を主
体とすることが好ましい。これにより、第3工程におい
て、乾式の第2の比重選別機による分別に、銅線材とア
ルミニウム材の比重の差を利用することに加え、短線材
と片体(ピース)との空気抵抗の差を利用することが可
能となる。また、湿式の第2の比重選別機による分別に
おいても、銅線材とアルミニウム材の比重の差を利用す
ることに加え、短線材と片体との水抵抗の差を利用する
ことが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る廃電線から銅材を分離回収する方法を説明する
フローチャート、図2は同方法に適用される破砕機の斜
視図、図3は同方法に適用される破砕機の破砕部の側断
面図、図4は同方法に適用される湿式の比重選別機の正
面図、図5(a)、(b)はそれぞれ同方法に適用され
る乾式の比重選別機の側断面図、正断面図、図6
(a)、(b)はそれぞれ同乾式の比重選別機の動作状
態を示す説明図、図7(a)、(b)はそれぞれ廃シー
ス電線に備えられた絶縁被覆導線の斜視図、廃シース電
線の斜視図である。
【0008】図2、図3に示すように、本発明の一実施
の形態に係る廃電線から銅材を分離回収する方法に適用
される破砕機10は、投入された材料を破砕して個別分
離する破砕部13と、破砕部13を内部に備え、下部に
は床方向に縮径しているシュート部14が連接され、し
かも投入材料を貯留する機能を有するケーシング11と
を有している。ケーシング11の上側部に設けた開口部
を介して、搬送コンベア12aの搬出部が嵌入してお
り、ケーシング11内上部には、搬送コンベア12aの
搬送ベルト12を誘導するローラ(ヘッドプーリ)15
と、搬送ベルト12のたるみを解消するガイドローラ
(テンションプーリ)16が取付けられている。これに
より、ケーシング11の外部で搬送ベルト12に積載し
た材料をケーシング11内部へ送り込むことが可能とな
る。
【0009】破砕部13は、破砕部13の幅方向に備え
られた軸18と、軸18と一体となって軸18を中心に
して時計方向に回転する回転体19と、回転体19の周
囲に設けられた複数の回転刃20(この実施の形態では
3枚)と、回転刃20の周囲に材料を破砕可能とする距
離に配置された複数の固定刃17(この実施の形態では
4箇所)とを有している。なお、軸18はモータ(図示
しない)を駆動源として回転している。回転体19は、
図2に示すように、幅が5〜30mm程度の円柱状とな
った直径が異なる複数の回転部を、一方の軸方向に徐々
に縮径するように連接した構成となっている。徐々に縮
径した回転体19の側部にはそれぞれ固定刃17が近接
して設けられている。これにより、破砕部13へ投入さ
れる材料は、回転刃20と固定刃17によって破砕され
るようになっている。なお、ここで、実質的に平行に配
置されて段々に縮径する回転部を有し、該回転部にはそ
れぞれ回転刃が設けられた軸付き回転体を、縮径部の方
向を変えて平行に配置し、更にこれらの平行に配置され
た回転体の外側に、固定刃を設けるようにすることも可
能であり、これによって、回転体上の一定場所(例え
ば、回転体の両端部)に投下された廃線材が部分的に留
まることなく、全体に移動するため、より効率的に破砕
が行われる。
【0010】ここで、回転体19の回転時に、固定刃1
7と回転刃20とが最も近い距離となったときの間隔
は、破砕前の材料(図示しない)が通り抜けない程度の
間隔、例えば0.1〜5mm程度に、固定刃17に備え
られた2つの調整ねじ20aにより調整することが可能
である。搬送ベルト12を介してケーシング11内部へ
送り込まれた材料は、搬送コンベア12aの排出部から
順次破砕部13へ投入される。破砕部13へ投入された
材料は回転体19の回転により、回転刃20と固定刃1
7との間隔に挟まれて、破砕され、順次シュート部14
を介して破砕機10から排出される。
【0011】次に、本発明の一実施の形態に係る廃電線
から銅材を分離回収する方法に適用される湿式の比重選
別機(第1の比重選別機)21について説明する。図4
に示すように、湿式の比重選別機21は、破砕した材料
を比重分離する比重分離ケース22と、比重分離ケース
22の上方に設けられた材料供給装置23と、比重分離
ケース22を床に配置された基台24上に設置する支持
台25とを有する。以下、詳しく説明する。支持台25
は、基台24の一端部に設けられた高さ調節装置26に
より、支持台25の片側の高さを調節することで、床に
対して傾斜させて(例えば5〜15度程度)設置するこ
とが可能となる。比重分離ケース22は、支持台25上
面の上流側及び下流側位置にそれぞれ一対ずつ備えら
れ、支持台25を弾性的に支持する支持部材27によ
り、床に対して角度θ(例えば5〜15度程度)で傾斜
するように保持され、支持台25の中央部に備えられ軸
方向に実質的に往復駆動される偏心クランク28によっ
て振動を与えられる。この比重分離ケース22の上方に
は、分離手段である例えば水を流す桶式シャワー機29
と、水を均等圧で流すノズルシャワー機30とが備えら
れている。なお、偏心クランク28はモータ28aによ
って駆動されている。材料供給装置23は、破砕した材
料(被分離材料)を比重分離ケース22上に一定量ずつ
供給投入することのできる定量供給装置を用いている。
【0012】このように構成することで、材料供給装置
23から被分離材料が一定量ずつ比重分離ケース22上
に投入され、偏心クランク28からの振動により、低比
重材料は比重分離ケース22の下流側へ、高比重材料は
比重分離ケース22の上流側へそれぞれ移動する。この
とき桶式シャワー機29から比重分離ケース22上へ投
入される水により、被分離材料の表面は濡れ、大気中に
粉塵が浮遊することがない。また、比重分離ケース22
の下流側へ移動した低比重材料は、ノズルシャワー機3
0からの水により比重分離ケース22の一端Bから排出
される。一方、比重分離ケース22の上流側へ移動した
高比重材料は他端Aから排出される。
【0013】そして、本発明の一実施の形態に係る廃電
線から銅材を分離回収する方法に適用される乾式の比重
選別機(第2の比重選別機)31について説明する。図
5(a)、(b)に示すように、乾式の比重選別機31
は、網状振動体32を有する比重分離ケース33と、比
重分離ケース33の上方に設けられた材料供給装置34
と、比重分離ケース33を床に配置された基台35上に
設置する支持台36とを有する。以下詳しく説明する。
比重分離ケース33は、支持台36の上流側及び下流側
位置にそれぞれ一対ずつ備えられた弾性的な支持部材3
7により、支持台36上に傾斜して配置されている。そ
して、支持台36の中央部には、実質的に往復動して、
比重分離ケース33を振動させる偏心クランク(図示し
ない)が備えられている。この比重分離ケース33の傾
斜は床に対して傾斜角度α(例えば1〜10度程度)で
ある。この比重分離ケース33には、ファン装置(図示
しない)によって、比重分離ケース33に均一に吹込ま
れた空気により、比重分離ケース33上の被分離材料が
浮上可能となるように、網状振動体32が形成されてい
る。なお、32aは空気の流れを均等にする整流部材で
ある。
【0014】材料供給装置34は、破砕した材料(被分
離材料)を比重分離ケース33に形成された網状振動体
32上に、一定量ずつ供給投入することのできる定量供
給装置を用いている。なお、材料供給装置34、比重分
離ケース33、材料供給装置34の材料供給口部分は、
ケーシング38により周囲が囲まれ、ケーシング38は
管39を介してサイクロン40につながっている。これ
により、乾式の比重選別機31の動作時に発生する粉塵
等は、ケーシング38外部に漏れることなく、ケーシン
グ38内部から管39を介してサイクロン40へ輸送さ
れる。よって、ケーシング38内部へ送り込まれた空気
と粉塵は、サイクロン40で分離され、粉塵は回収され
る。
【0015】この乾式の比重選別機31の動作状態につ
いて、図6(a)、(b)を参照して説明する。図6
(a)に示すように、材料供給装置34から被分離材料
を一定量ずつ網状振動体32上に投入する。このとき、
ファン装置を起動すると、ファン装置から網状振動体3
2に空気が吹込まれ、空気は網状振動体32の網目を通
り、空気と共に被分離材料が上方に吹き上げられる。ま
た、偏心クランクを駆動すると、比重分離ケース33は
振動状態となる。図6(b)に示すように、網状振動体
32上に落下した被分離材料は、網上振動体32の振動
により振動力を受けるが、そのうち高比重材料は網状振
動体32の振動が大きく伝達することによって、網状振
動体32の上流側に移動する。この、上流側に移動した
高比重材料は、網状振動体32の一端Dから排出され
る。そして、低比重材料は網状振動体32の網目から吹
き上げられる空気によって浮上し、網状振動体32の振
動の影響をあまり受けずに、そのままエアスライド現象
により網状振動体32の下流側へ移動する。この下流側
に移動した低比重材料は、網状振動体32の他端Cから
排出される。なお、ここでは空気の吹込を利用している
ため、傾斜角度αを小さくすることが可能である。
【0016】上記装置を使用し、本発明の一実施の形態
に係る廃電線から銅材を分離回収する方法について、図
1を参照して説明する。 (第1工程)図7(a)、(b)に示すように、廃電線
の一例である廃シース電線41は、直径3〜30mm程
度であり、銅線材46をプラスチックを含む絶縁材の一
例であるポリエチレン42で被覆した複数の絶縁被覆導
線43を有している。そして、この複数の絶縁被覆導線
43を、アルミニウムで作製された例えば厚み0.2〜
0.6mm程度のアルミニウム材(アルミラミネートテ
ープ)44で被覆し、更にその外側を接着された絶縁性
プラスチックの一例であるポリエチレン45で被覆した
構成となっている。
【0017】この廃シース電線41を、2軸のせん断機
を用いて予備破砕を行い、長さ50mm程度まで切断す
る。次に、予備破砕で切断した廃シース電線41を、前
記した1軸の破砕機10を用いて1次破砕を行い、接着
により被覆されたポリエチレン45とアルミラミネート
テープを、ポリエチレン45とアルミニウム材44とに
それぞれ個別分離するため破砕する。このとき、複数の
絶縁被覆導線43も、絶縁材であるポリエチレン42と
銅線材46とにそれぞれ個別分離される。更に、前記し
た一軸の破砕機10を用いて2次破砕を行うことで、1
次破砕で破砕できなかった部分を更に細かく破砕する。
これにより、廃シース電線41を銅線材46、アルミニ
ウム材44、及びポリエチレン42、45に個別分離し
た。ここで、この第1工程で個別分離された銅線材46
は長さが0.1〜8mmの短線材を主体とし、アルミニ
ウム材44はその大きさが0.1〜8mm程度の片体を
主体としている。
【0018】(第2工程)続いて、前記第1工程で個別
分離された銅線材46、アルミニウム材44、及びポリ
エチレン42、45の混合物を湿式の比重選別機21に
かけて、銅線材46及びアルミニウム材44をポリエチ
レン42、45から分別する。湿式の比重選別機21の
使用により、高比重側に銅線材(比重8.96程度)4
6とアルミニウム材(比重2.70程度)44、中間比
重及び低比重側にポリエチレン(比重0.9〜1.0程
度)42、45他がそれぞれ移動し、分別した。ここで
分離回収した銅線材46とアルミニウム材44は、表面
に付着した水分を除去するため乾燥機等の乾燥手段を用
いて乾燥する。一方、ポリエチレン42、45他は、そ
のまま廃棄する。 (第3工程)最後に、前記第2工程で分別された銅線材
46及びアルミニウム材44を更に乾式の比重選別機3
1にかけて、銅線材46とアルミニウム材44とに分別
する。乾式の比重選別機31の使用により、高比重側に
銅線材46、低比重側にアルミニウム材44がそれぞれ
移動し、純度の高い銅線材46を分離回収した。
【0019】なお、前記実施の形態において、第1工程
で個別分離された銅線材は、長さが0.1〜8mmの短
線材を主体とし、アルミニウム材はその大きさが0.1
〜8mm程度の片体を主体とした。これは、乾式の比重
選別機31において、銅線材とアルミニウム材の比重の
差を利用することに加え、銅線材は短線材とすることで
表面積を小さくし、空気の抵抗をより小さくするためで
ある。一方、アルミニウム材は、片体とすることで表面
積を大きくし、空気の抵抗をより顕著に受けるようにす
るためである。これにより、銅線材と比較して、アルミ
ニウム材は、吹き出される空気により浮上しやすくな
る。しかし、第1工程で個別分離された銅線材は、空気
の抵抗をより小さくするため、長さが0.1〜5mmの
短線材を主体とし、アルミニウム材は、片体の重量及び
空気の抵抗を考慮して、その大きさが0.1〜5mm程
度の片体を主体とすることが好ましい。
【0020】また、前記実施の形態において、第3工程
では、乾式の比重選別機31を使用したが、湿式の比重
選別機(第2の比重選別機)を使用することもできる。
この湿式の比重選別機においても、第1工程で個別分離
された銅線材を、長さが0.1〜8mmの短線材を主体
とし、アルミニウム材はその大きさが0.1〜8mm程
度の片体を主体とする。これにより、銅線材とアルミニ
ウム材の比重の差を利用することに加え、銅線材は短線
材とすることで表面積を小さくし、水の抵抗をより小さ
くする一方、アルミニウム材は片体とすることで表面積
を大きくし、水の抵抗をより顕著に受けるようにする。
これにより、アルミニウム材は、銅線材と比較して分離
手段である水により流されやすくなる。しかし、第1工
程で個別分離された銅線材は、水の抵抗をより小さくす
るため、長さが0.1〜5mmの短線材を主体とし、ア
ルミニウム材は、片体の重量及び水の抵抗を考慮して、
その大きさが0.1〜5mm程度の片体を主体とするこ
とが好ましい。
【0021】以上、本実施の形態について説明してきた
が、本発明は前記実施の形態に限定されるものではな
く、例えば乾式の第2の比重選別機の代わりに、湿式の
比重選別機とした場合、分離手段として水でなく、沸点
の低い分離手段、例えばエタノール等を用いることで、
分離回収後の乾燥を短時間に行うことも可能である。ま
た、第1及び台2の比重選別機に乾式の比重選別機を使
用することで、銅線材及びアルミニウム材の乾燥を実施
する必要がなくなる。そして、湿式の第1の比重選別機
を使用する場合に、湿式の第2の比重選別機を使用する
ことで、湿式の第1の比重選別機の分離回収後に行って
いた銅線材及びアルミニウム材の乾燥を実施することな
く、銅線材及びアルミニウム材とに分別することができ
る。
【0022】前記実施の形態においては、予備破砕、1
次破砕、2次破砕によって、廃電線の切断及び破砕を行
ったが、電線の形状や寸法により、予備破砕を0回、又
は2回以上、切断後の破砕回数を3回以上とすることも
可能である。そして、前記実施の形態において、一部に
アルミニウム材が使用された廃電線として、廃シース電
線を使用した場合について示したが、一部にアルミニウ
ム材が使用されていれば、例えば複数の絶縁被覆導線の
周囲をアルミニウム線で巻いた廃電線についても実施す
ることが可能である。
【0023】
【実施例】本発明に係る廃電線から銅材を分離回収する
方法を適用し、試験を行った結果について説明する。処
理する廃電線は、廃シース電線の一例であるCCPケー
ブルと呼ばれるもので、その処理量は755.1kgで
ある。このCCPケーブルを予備破砕、1次破砕、2次
破砕に順次かけることで破砕した。そして、この破砕後
の材料を湿式の第1の比重選別機にかけ、銅線材及びア
ルミニウム材とをポリエチレンから分別した。その結
果、破砕後の各材料と、その量は、銅線材とアルミニウ
ム材との混合物307.8kg、ポリエチレン413.
9kg、他の成分33.4kgとなった。なお、銅線材
とアルミニウム材との混合物のCCPケーブル処理量に
対する回収率は、40.8%であった。
【0024】続いて、この銅線材とアルミニウム材との
混合物を湿式の第2の比重選別機にかけ、銅線材とアル
ミニウム材を分別した。その結果、分離回収した銅線材
は291.9kg、銅線材とアルミニウム材の混合物は
15.9kgとなった。なお、銅線材のCCPケーブル
処理量に対する回収率は、38.7%である。ここで、
CCPケーブル中に含まれる銅線材に対する回収した銅
線材の回収率は92.57%、分離回収した銅線材から
のアルミニウム材の除去率は99.9%、分離回収した
銅線材の品位は99.99%であった。この結果から、
人手を介することなく、純度の高い銅線材を回収できた
ことが分かった。
【0025】
【発明の効果】請求項1〜3記載の廃電線から銅材を分
離回収する方法においては、廃電線中にアルミニウム材
が含まれていても、アルミニウム材が含まれていない廃
電線を処理する第1工程、第2工程を利用できるので、
作業工程を大幅に変更することなく、また、廃電線を作
業工程にかける前に予め人手を介することなく、アルミ
ニウム材を除去でき銅線材を分離回収することが可能と
なる。これにより、新設備建設のための設備コストを低
減することができ、しかも作業時間を大幅に短縮できる
ため、作業性も非常に良好となる。その結果、回収でき
た純度の高い銅線材は、広い分野で再利用することが可
能となる。また、アルミニウム材も回収できるため、銅
と同様に、広い分野で再利用することが可能となる。
【0026】特に、請求項2記載の廃電線から銅材を分
離回収する方法においては、従来人手を介して行ってい
た廃シース電線のアルミニウム材や絶縁性プラスチック
の被覆の除去を、人手を介して行うことなく、しかもア
ルミニウム材が含まれていない廃電線を処理する場合と
同様の工程を利用することにより実施することが可能と
なる。これにより、新設備建設のための設備コストを低
減することができ、しかも作業時間を大幅に短縮できる
ため、作業性も非常に良好となる。請求項3記載の廃電
線から銅材を分離回収する方法においては、第1工程で
個別分離された銅線材は長さが0.1〜8mmの短線材
を主体とし、アルミニウム材はその大きさが0.1〜8
mm程度の片体を主体とするので、湿式又は乾式の第2
の比重選別機においては、銅線材とアルミニウム材の比
重の差を利用することに加え、短線材と片体との空気抵
抗の差、又は水抵抗の差をそれぞれ利用することが可能
となる。これにより、純度の高い銅線材を回収できるた
め、広い分野で再利用することが可能となる。また、こ
のとき廃棄されていたアルミニウム材も回収できるた
め、銅線材と同様に、広い分野で再利用することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る廃電線から銅材を
分離回収する方法を説明するフローチャートである。
【図2】同方法に適用される破砕機の斜視図である。
【図3】同方法に適用される破砕機の破砕部の側断面図
である。
【図4】同方法に適用される湿式の比重選別機の正面図
である。
【図5】(a)、(b)はそれぞれ同方法に適用される
乾式の比重選別機の側断面図、正断面図である。
【図6】(a)、(b)はそれぞれ同乾式の比重選別機
の動作状態を示す説明図である。
【図7】(a)、(b)はそれぞれ廃シース電線に備え
られた絶縁被覆導線の斜視図、廃シース電線の斜視図で
ある。
【符号の説明】
10:破砕機、11:ケーシング、12:搬送ベルト、
12:搬送コンベア、13:破砕部、14:シュート
部、15:ローラ、16:ガイドローラ、17:固定
刃、18:軸、19:回転体、20:回転刃、20a:
調整ねじ、21:湿式の比重選別機(第1の比重選別
機)、22:比重分離ケース、23:材料供給装置、2
4:基台、25:支持台、26:高さ調節装置、27:
支持部材、28:偏心クランク、29:桶式シャワー
機、30:ノズルシャワー機、31:乾式の比重選別機
(第2の比重選別機)、32:網状振動体、33:比重
分離ケース、34:材料供給装置、35:基台、36:
支持台、37:支持部材、38:ケーシング、39:
管、40:サイクロン、41:廃シース電線(廃電
線)、42:ポリエチレン(絶縁材)、43:絶縁被覆
導線、44:アルミニウム材(アルミラミネートテー
プ)、45:ポリエチレン(絶縁性プラスチック)、4
6:銅線材(銅材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D004 AA07 AA21 BA05 CA04 CA08 CA10 CA12 CA42 DA03 DA20 4D021 JA05 JB03 KA12 KB07 NA02 4K001 AA02 AA09 BA22 CA01 CA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一部にアルミニウム材が使用された廃電
    線から前記アルミニウム材を分離して銅線材を分離回収
    する方法であって、前記廃電線を破砕して前記銅線材、
    前記アルミニウム材、及びプラスチックを含む絶縁材に
    個別分離する第1工程と、前記第1工程で個別分離され
    た前記銅線材、前記アルミニウム材、及び前記絶縁材の
    混合物を湿式又は乾式の第1の比重選別機にかけて、前
    記銅線材及び前記アルミニウム材を前記絶縁材から分別
    する第2工程と、前記第2工程で分別された前記銅線材
    及び前記アルミニウム材を更に湿式又は乾式の第2の比
    重選別機にかけて、前記銅線材と前記アルミニウム材と
    に分別する第3工程とを有することを特徴とする廃電線
    から銅材を分離回収する方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の廃電線から銅線材を分離
    回収する方法において、前記廃電線は、複数の絶縁被覆
    導線をアルミニウム材で被覆し、更にその外側を絶縁性
    プラスチックで被覆した廃シース電線であることを特徴
    とする廃電線から銅材を分離回収する方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の廃電線から銅線材
    を分離回収する方法において、前記第1工程で個別分離
    された前記銅線材は長さが0.1〜8mmの短線材を主
    体とし、前記アルミニウム材はその大きさが0.1〜8
    mm程度の片体を主体とすることを特徴とする廃電線か
    ら銅材を分離回収する方法。
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