JP2001184832A - 磁気テープカセット - Google Patents

磁気テープカセット

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JP2001184832A
JP2001184832A JP36685399A JP36685399A JP2001184832A JP 2001184832 A JP2001184832 A JP 2001184832A JP 36685399 A JP36685399 A JP 36685399A JP 36685399 A JP36685399 A JP 36685399A JP 2001184832 A JP2001184832 A JP 2001184832A
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sheet
friction
cassette
magnetic
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Kazuo Hiraguchi
和男 平口
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気テープとフリクションシートとの間に発生
する摩擦が低減され、シートの削れやシートに含浸され
た帯電防止剤の剥がれが極めて少ない、耐久性、摺動性
に優れたフリクションシートを使用する磁気テープカセ
ットの提供。 【解決手段】上下ハーフをから形成されるカセット本体
と、このカセット本体内に回転可能に収納され、磁気テ
ープを巻回した一対の巻取ハブと、この一対の巻取ハブ
と、上ハーフおよび下ハーフの少なくとも一方との間に
介在するフリクションシートとを有し、0.2〜0.3
5の動摩擦係数をもつ磁気テープ、及び、0.15〜
0.3の動摩擦係数をもつ多孔質ポリエチレン製フリク
ションシートを使用する磁気テープカセットにより、シ
ートと磁気テープエッジとの擦れによるシート自体の削
れや帯電防止剤の剥がれを最小限に抑えることで、上記
課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープカセッ
トに関し、より詳しくは、磁気テープとの擦れによる削
れが起きにくい、改良されたフリクションシートを備え
た磁気テープカセットに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、磁気テープカセットは、
長尺の磁気テープのそれぞれ端部を固定した上で、この
磁気テープを巻き掛けた一対の巻取ハブをカセット本体
(上ハーフおよび下ハーフ)に収容しており、少なくと
も磁気テープの記録再生装置に装填された際に、磁気テ
ープを磁気ヘッドに当接させることができるように、一
対の巻取ハブの間に張架された磁気テープの一部分のみ
をカセット本体の外部に露出するようになっている。
【0003】磁気テープカセットが記録再生装置に装填
されると、巻取ハブ間に張架され、カセット本体から露
出された磁気テープの一部分が装置内の磁気ヘッドに当
接し、巻取ハブが回転されて、磁気テープが走行し、装
置内の磁気ヘッドに摺動するだことにより、磁気ヘッド
が、磁気テープに情報を記録し、また磁気テープより情
報を再生する。
【0004】オーディオ用磁気テープカセットなどで
は、磁気テープカセットが記録再生装置に装填される
と、巻取ハブ間に張架され、カセット本体から露出され
た磁気テープの一部分が装置内の磁気ヘッドに当接し、
巻取ハブが回転されて、磁気テープが走行し、装置内の
磁気ヘッドに摺動することにより、磁気ヘッドが、磁気
テープに情報を記録し、また磁気テープより情報を再生
する。ビデオ用磁気テープカセットなどのように、テー
プ保護のために前蓋を有するものでは、磁気テープカセ
ットが記録再生装置に装填されると、それに連動して該
装置内の機構により、前蓋が磁気テープを開放する位置
に回動され、巻取ハブ間に張架された磁気テープの一部
分がカセット本体から露出される。そして巻取ハブが回
転され、磁気テープが走行し、装置内の磁気ヘッドに当
接して摺動することにより、磁気ヘッドが、磁気テープ
に情報を記録し、また磁気テープより情報を再生するよ
うになっている。
【0005】磁気テープの走行時に磁気テープが上下動
すると、磁気ヘッドに正しく当接しないし、また摺動し
ないため、適正な記録・再生が行われず、また、他の故
障の原因となる虞がある。従って、磁気テープの走行時
における上下動を抑制し、磁気テープの走行位置の規制
精度を向上させ、走行性の安定を図ることが必要であ
る。このため、従来、フランジ無しタイプの巻取ハブを
使用した磁気テープカセットにおいては、磁気テープを
巻回した巻取ハブとカセット本体(上下ハーフ)との間
にフリクションシートを介在させて、磁気テープの走行
位置(高さ)を規定して、磁気テープの走行位置を調整
することが行われている。さらに、このフリクションシ
ートに賦形部(しぼり)を設け、この賦形部の高さで磁
気テープの走行位置(高さ)を規定することが行われて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気テープ
カセットを使用し、運送する際に、フリクションシート
と磁気テープとは接触、摺接する。この際に、シートと
磁気テープのエッジとが擦れて摩擦が生じる。この摩擦
は、シートの動摩擦係数とシートと摺接する部材、例え
ば磁気テープエッジの動摩擦係数に左右されるため、フ
リクションシートとして、動摩擦係数の高いシートを使
用した場合、磁気テープエッジとの摺接により生じた摩
擦により、磁気テープエッジやシート自体が削れが発生
し、磁気テープ自体の品質の低下の問題となる。
【0007】また、フリクションシートの表面電気抵抗
値を下げるべく、シートに帯電防止剤が塗布されている
場合、シートと磁気テープエッジ等の他の部材との摺接
により帯電防止剤が剥げて、欠落物が発生し、カセット
内の汚染や磁気テープカセットの品質低下の原因になる
という問題があった。一方で、フリクションシートとし
て、平面が平滑で、かつ動摩擦係数の非常に低い材質の
ものを用いることも可能ではあるが、コストとの兼ね合
いから困難であった。
【0008】そこで、フリクションシートと磁気テープ
等の他の部材との摺接によっても、帯電防止剤の欠落
物、およびフリクションシートや磁気テープエッジの削
れの発生が極めて少ない、低コストのフリクションシー
トを使用した磁気テープカセットが望まれていた。
【0009】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決することにあり、所定の磁気テープを使用する磁気
テープカセットであって、磁気テープとフリクションシ
ートとの間に発生する摩擦が低減され、かつ、シートに
含浸された帯電防止剤の剥がれが極めて少ない、耐久性
および摺動性に優れた低コストなフリクションシートを
使用する磁気テープカセットを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するため鋭意検討した結果、シートに含浸された
帯電防止剤の剥がれやシートの削れの原因となる摩擦を
抑えるべく、フリクションシートと直接摺接し、そもそ
も測定が困難である磁気テープのエッジの動摩擦係数
を、代替媒介変数を用いて定量的に表し、このようにし
て測定された磁気テープの動摩擦係数に基づいて、磁気
テープに使用するフリクションシートの動摩擦係数を最
適化することにより、シートと磁気テープエッジ間に生
じる摩擦を効果的に抑え、シートの削れや、シートに含
浸された帯電防止剤の欠落物等を極めて少なくすること
ができること、従来使用してきた高価な高密度ポリエチ
レン製のシートに代わり、シートを多孔質ポリエチレン
製のシートとすることで、コストを上げずに耐久性に優
れたシートとすることができること、この多孔質ポリエ
チレン製シートの動摩擦係数を上述の方法で最適化する
ことにより、シートの削れは勿論のこと、磁気テープの
エッジに対してもダメージが少ないことを見出し、本発
明を完成させた。
【0011】即ち、本発明の磁気テープカセットは、上
ハーフと下ハーフとを蓋合わせ状に結合して形成したカ
セット本体と、このカセット本体内に回転可能に収納さ
れ、磁気テープを巻回した一対の巻取ハブと、この一対
の巻取ハブと、前記上ハーフおよび前記下ハーフの少な
くとも一方との間に介在するフリクションシートとを有
し、前記磁気テープの磁性面の動摩擦係数は0.2〜
0.35であり、前記フリクションシートは多孔質のポ
リエチレン製であり、かつ0.15〜0.3の動摩擦係
数を有することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る磁気テープカセット
を添付の図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細
に説明する。
【0013】図1は、本発明に係る磁気テープカセット
のカセット本体の一実施形態の概略構成を示す部分分解
斜視図であり、図2は、図1に示す磁気テープカセット
のカセット本体内に収納される、一対の巻取ハブに巻回
された磁気テープおよびこれらを両側から挟持するフリ
クションシートの一実施形態の概略構成を示す分解斜視
図である。これらの図に示すように、磁気テープカセッ
ト(以下、単にカセットという)10は、蓋合わせ状に
結合して筐体として形成され、カセット本体を構成する
上下一対の上ハーフ(上カセットハーフ)12および下
ハーフ(下カセットハーフ)14(図1参照)と、この
カセット本体内に収納される一対の巻取ハブ16,16
と、これらの一対の巻取ハブ16,16に巻回される磁
気テープ18と、これらの巻取ハブ16,16およびこ
れらに巻回される磁気テープ18と上ハーフ12との間
ならびに一対の巻取ハブ16,16およびこれらに巻回
される磁気テープ18と下ハーフ14との間にそれぞれ
介在するフリクションシート(以下、シートともいう)
20,20(図2参照)とを有する。
【0014】図1に示すように、上下一対の上ハーフ1
2および下ハーフ14は、略同一の形状を有し、これら
によって形成されるカセット本体の中空内部を記録再生
領域22とハブ収納領域24に分ける仕切壁26を備え
ている(上ハーフ12では図示が省略されている)。そ
して、上下一対の上下ハーフ12,14のハブ収納領域
24の両側略中央には、カセット前後方向(以下、ハブ
収納領域24に対して記録再生領域22の側を前方とす
る)に沿った中心線に対して左右対称に、一対の巻取ハ
ブ16,16を回転駆動するための記録再生装置の一対
のスピンドル軸がそれぞれ挿入される一対のスピンドル
軸挿入孔28,28と、これらのスピンドル軸挿入孔2
8,28の内周縁に沿って一対の巻取ハブ16,16を
回転可能に規制(または支持)する一対のハブ支持環状
リブ28a,28aと、前方両端側に一対の回転ガイド
ローラ30,30等とが設けられている。なお、この一
対の回転ガイドローラ30,30は、下ハーフ14に立
設される一対のピン30a,30aにそれぞれ回転可能
に支持される。
【0015】また、上下一対の上下ハーフ12,14の
記録再生領域22には、上述の中心線に対して左右対称
に、一対のキャプスタン挿入孔32,32および一対の
カセット位置決め孔34,34等が穿孔されている。下
ハーフ14の記録再生領域22の一対のカセット位置決
め孔34,34の内側には、上述の中心線に対して左右
対称に、一対のヘッドピン36,36等が立設されてい
る。さらに、記録再生領域22において、一対のヘッド
ピン36,36の後方には加圧パッド38を支持する板
状支持部材である板バネ40と、この板バネ40の後方
にはシールド板42が組み込まれている。また、上下一
対の上下ハーフ12,14の記録再生領域22の前方中
央には、記録再生時に、カセット前方から記録再生装置
の磁気ヘッド(図示せず)が記録再生領域22内に挿入
される磁気ヘッド挿入口44が形成されている。
【0016】そして、磁気ヘッドが磁気ヘッド挿入口4
4から記録再生領域22内に挿入されると、磁気ヘッド
の先端が、加圧パッド38とともに磁気テープ18がカ
セット10の内方へ押し込まれる。この結果、一対のヘ
ッドピン36,36間に張架された磁気テープ18のテ
ンションおよび板バネ40の付勢力に基づく加圧パッド
38の加圧力によって磁気テープ18が磁気ヘッド(そ
の先端に形成されたヘッドギャップ)に圧接される。記
録・再生を行う場合には、記録再生装置の一対のスピン
ドル軸によってこれらと係合する巻取ハブ16,16が
回転駆動され、磁気テープ18は、両ヘッドピン36,
36に張架され、磁気ヘッドに当接して摺動しながら走
行し、磁気テープに記録された音声情報が再生され、逆
に音声情報が磁気テープに録音される。
【0017】図2に示すように、磁気テープ18は、一
対の巻取ハブ16,16に巻回されている。巻取ハブ1
6は、外周にテープ巻取リング16aが設けられ、その
側面が磁気テープ巻面となっている。また、テープ巻取
リング16aの一部には、磁気テープ18の端部を固定
するための取り外し可能な小片17が取り付けられてい
る。巻取ハブ16の内周側には小径リング16bが形成
され、上下一対の上下ハーフ12および14のスピンド
ル軸挿入孔28のハブ支持環状リブ28aと係合して、
巻取ハブ16を回転可能に支持するとともに巻取ハブ1
6がスピンドル軸挿入孔28の位置から外れるのを規制
している。
【0018】ここで、本発明に用いられる磁気テープ1
8の磁性面の動摩擦係数の値は、測定が困難である、フ
リクションシート20,20と実際に摺動する磁気テー
プ18のエッジ部分の動摩擦係数も加味した値である。
このため、この値は、磁気テープエッジとの擦れによ
り、シートの削れや帯電防止剤の欠落を防止できるよう
に、フリクションシート20,20の動摩擦係数を、最
適化するのに有効に使用することができるものである。
本発明において、磁気テープ18の磁性面における動摩
擦係数は0.2〜0.35であり、好ましくは、0.2
5〜0.30である。エッジ部分の動摩擦係数も加味し
た磁気テープ磁性面の動摩擦係数を0.2未満とするこ
とは非常に難しく、また0.35より大きいと、磁気テ
ープ18と接触する部材との間に生じる摩擦が非常に大
きくなり、磁気テープ18のエッジや、接触する部材の
削れが生じやすくなるからである。なお、この動摩擦係
数の測定方法については後述する。
【0019】上記動摩擦係数の範囲内であれば、磁気テ
ープに使用されるベース材、磁性体等は特に限定はな
く、どのような材質のベース材や磁性体を用いるもので
あってもよい。また、本発明に用いられる磁気テープの
磁性体としては、従来公知の磁気テープに用いられる従
来公知のすべての磁性体を挙げることができる。本発明
に用いられる磁気テープとしては、このような磁性体と
ベース材とを密着させて、ある幅にスリットした磁気テ
ープ全般を挙げることができる。とりわけ、磁気テープ
をスリット処理した後に、磁気テープのエッジ部に特殊
なコーティングを施さないものが好ましい。
【0020】また、本発明に用いられる磁気テープのベ
ース材としては、従来公知の磁気テープに用いられる従
来公知のすべてのベース材を挙げることができるが、好
ましいベース材としては、PET(ポリエチレンテレフ
タレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ア
ラミド等を挙げることができる。磁性体層の厚さとして
は、2μm〜6μmであることが好ましい。なお、磁気
テープの厚さの下限値は、特に限定されるものではない
が、3μm以上であることが好ましい。また、磁気テー
プのヤング率としては、好ましくは縦横方向500kg
/mm2 以上、である。
【0021】また、図2に示すように、磁気テープ18
を巻回した巻取ハブ16,16とカセット10の内壁面
との間、即ち、巻取ハブ16と上ハーフ12との間、巻
取ハブ16と下ハーフ12との間には、それぞれフリク
ションシート20,20が、介挿される。これらのシー
ト20,20は、それぞれ穿孔されている4つの小孔2
0aを図1に示す上ハーフ12および下ハーフ14の4
つのリブ12aおよび14aに嵌合することによって、
上ハーフ12および下ハーフ14に位置決めされて取り
付けられる。また、シート20,20には、上下ハーフ
12,14の各2つのスピンドル軸挿入孔28,28に
対応してそれぞれ一対の挿入孔20b,20bが穿孔さ
れている。
【0022】さらに、フリクションシート20,20
は、それぞれカセット左右方向(カセット10の前後方
向に直交する方向)に2本の賦形部20cおよび20d
を有している。シート20,20は、巻取ハブ16,1
6が回転する際の摺動抵抗を下げ、回転を滑らかにする
とともに、賦形部20c,20dにより磁気テープ18
を巻回した巻取ハブ16を支えて、高さ規制をする役割
をも果たしている。上述した例では、フリクションシー
ト20は、磁気テープ18および一対の巻取ハブ16,
16と、上ハーフ12との間、ならびに下ハーフ14と
の間の両方に介在させているが、本発明はこれに限定さ
れず、いずれか一方のみに介在させてもよい。
【0023】本発明に用いられるフリクションシート2
0は、多孔質のポリエチレン製である。このようなもの
を使用することにより、磁気テープ18のエッジとの削
れが比較的発生しにくい、耐久性、摺動性に優れた低コ
ストなフリクションシートとすることができる。
【0024】また、本発明に用いられるフリクションシ
ート20は、0.15〜0.3の動摩擦係数を有する。
鋭意検討した結果、上述した動摩擦係数を有する磁気テ
ープに対して、多孔質ポリエチレン製であるフリクショ
ンシート20に求められる動摩擦係数を上記範囲内とす
ることで、シート自体の削れは無論のこと、磁気テープ
18のエッジとの擦れに対してもダメージが少なく、か
つ、シートに含浸させた帯電防止剤を剥がれにくくする
ことができることがわかった。なお、好ましい動摩擦係
数の範囲は0.18〜0.25である。本発明におい
て、磁気テープカセットがフリクションシート20を複
数有する場合は、そのうちの少なくとも1つが上記特性
を満たしていればよい。
【0025】上記特性を満たすため、フリクションシー
トには、適切な量の帯電防止剤を含浸させることができ
る。使用される帯電防止剤としては、特に限定はなく、
例えば4級アンモニウム塩を含む混合物等を使用するこ
とができる。帯電防止剤のフリクションシートへの含浸
方法としては、例えば、フリクションシートの原反を帯
電防止剤浴に晒す等の浸漬法、いわゆるコータで塗布す
る方法等を挙げることができ、予め公知のプラズマ処
理、コロナ放電処理および紫外線処理等の前処理を施し
て、シートを予め改質させることもできる。
【0026】次に、磁気テープの動摩擦係数の測定方法
について説明する。まず、幅80mm、長さ200mm
の長方形とした磁気テープの試験片を作成し、表面粗さ
(Ra)が0.3μmである、SUS420J製ステン
レス鋼の上に磁気テープの磁性面を接触させるように置
き、その上にさらに、一辺63mmの正方形であり、接
触面には、JIS L 3201に規定するフェルトを
平滑に接着してある滑り片を被せる。滑り片をセットし
たあと、23℃、相対湿度50%の条件下で、試験片を
試験速度100±10mmで始動させ、試験を開始す
る。動摩擦係数は、最初の最大荷重を過ぎて最低を示し
たところから摩擦距離70mmまでの平均の荷重を動摩
擦力として計算する。このような測定方法を採用するこ
とにより、ある一定の荷重をテープ磁性面に加えること
となるため、テープ磁性面の動摩擦係数を測定にテープ
エッジ部の面粗さ状態も加味される。このため、テープ
エッジ部の動摩擦係数を加味した磁気テープの動摩擦係
数を定量的に表すことができる。本発明に用いられるフ
リクションシートの動摩擦係数の測定も、上述の方法と
同様の方法により行った。
【0027】なお、本発明に用いられるフリクションシ
ート20の厚みは、0.08〜0.20mmであるのが
好ましい。また、本発明の磁気テープカセットの用途と
しては、オーディオ用磁気テープカセット、ビデオ用磁
気テープカセットおよびコンピューターバックアップ用
磁気テープカセット等従来公知の用途を挙げることがで
きる。即ち、本発明の磁気テープカセットとしては、上
述したオーディオ用磁気テープカセットに限定されず、
例えば、前蓋を持ち、前方に露出された磁気テープを保
護するタイプの磁気テープカセット、例えばビデオ(V
HS)用磁気テープカセットや、8ミリカセット、前方
に露出された磁気テープを保護する前蓋やスライダを持
つタイプの磁気テープカセット、例えばデジタルオーデ
ィオテープカセット(DAT)やデジタルデータストレ
イジ(DDS)等を挙げることができる。
【0028】なお、ビデオ用磁気テープカセットや8ミ
リカセット、デジタルオーディオテープカセットやデジ
タルデータストレイジ等のように、使用される状態が決
められているものでは、巻取ハブや磁気テープ等を下か
ら支持する側、すなわち下側にくるフリクションシート
を、上述の特性を満たす多孔製ポリエチレンシートとす
ることが好ましい。これは、下側にくるフリクションシ
ートの方が、上側より摩擦力も大きくなり、摺動力も大
きくなるため、このようなシートを、上述したような特
性を有するシートとすることで、より効果的に、シート
の削れを防止し、帯電防止剤の欠落といった副害を低減
することができる。
【0029】以上、本発明の磁気テープカセットについ
て、種々の実施形態を挙げて、詳細に説明したが、本発
明は、以上の実施形態には限定されず、本発明の要旨を
逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行っ
てもよいのはもちろんである。
【0030】
【発明の効果】本発明の磁気テープカセットによれば、
使用されるフリクションシートは、耐久性、摺動性に優
れており、また、使用される磁気テープに対して、その
磁気テープのエッジ部分を加味して動摩擦係数が最適化
されているため、磁気テープのエッジに対してダメージ
を受けることがほとんどなく、かつ帯電防止剤の剥がれ
も低減されるため、製品性能を損なわせることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る磁気テープカセットのカセット
本体の一実施形態の分解斜視図である。
【図2】 図1に示す磁気テープカセットのカセット本
体内に収納される、一対の巻取ハブに巻回された磁気テ
ープおよびこれらを両側から挟持するフリクションシー
トの一実施形態の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 磁気テープカセット 12 上ハーフ 12a,14a リブ 14 下ハーフ 16 巻取ハブ 16a テープ巻取リング 16b 小径リング 17 小片 18 磁気テープ 20 フリクションシート 20a 小孔 20b 挿入孔 20c,20d 賦形部 22 記録再生領域 24 ハブ収納領域 26 仕切壁 28 スピンドル軸挿入孔 28a ハブ支持環状リブ 30 回転ガイドローラ 30a ピン 32 キャプスタン挿入孔 34 カセット位置決め孔 36 ヘッドピン 38 加圧パッド 40 板バネ 42 シールド板 44 磁気ヘッド挿入口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上ハーフと下ハーフとを蓋合わせ状に結合
    して形成したカセット本体と、 このカセット本体内に回転可能に収納され、磁気テープ
    を巻回した一対の巻取ハブと、 この一対の巻取ハブと、前記上ハーフおよび前記下ハー
    フの少なくとも一方との間に介在するフリクションシー
    トとを有し、 前記磁気テープの磁性面の動摩擦係数は0.2〜0.3
    5であり、 前記フリクションシートは多孔質のポリエチレン製であ
    り、かつ0.15〜0.3の動摩擦係数を有することを
    特徴とする磁気テープカセット。
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