JP2001184646A - 光記録装置 - Google Patents

光記録装置

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JP2001184646A
JP2001184646A JP37340999A JP37340999A JP2001184646A JP 2001184646 A JP2001184646 A JP 2001184646A JP 37340999 A JP37340999 A JP 37340999A JP 37340999 A JP37340999 A JP 37340999A JP 2001184646 A JP2001184646 A JP 2001184646A
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light
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field light
optical
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JP37340999A
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English (en)
Inventor
Satoshi Himeda
諭 姫田
Seiji Kojima
誠司 小島
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトクロミック材料を用いて構成された記
録媒体9に対して多値記録を行うこと。 【解決手段】 レーザ光源21からのレーザ光Lはビー
ム分割手段22によって複数の光ビームL1〜L4に分
割される。各光ビームL1〜L4の光路中にはメカニカ
ルシャッタ23a〜23dが設けられており、このメカ
ニカルシャッタ23a〜23dの作用によってそれぞれ
の光ビームL1〜L4を遮断または透過させることが可
能になっている。各光ビームL1〜L4は集光レンズ2
4によって近接場光発生手段となる記録用プローブ25
に入射し、記録用プローブ25の下端側から記録光とな
る近接場光を発生させる。この近接場光が記録媒体9の
記録面側に到達する際の光強度は、各メカニカルシャッ
タ23a〜23dのON/OFF制御によって可変さ
れ、記録媒体9に対して多値記録を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フォトクロミッ
ク材料を含んで形成される記録媒体に対して、近接場光
を利用したデータの記録または再生を行う光記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光の回折限界の制約を受けない近
接場光を利用して、光の波長よりも小さなスポットで記
録媒体に対してデータを光記録したり、またはデータを
再生する近接場光記録が注目されつつある。近接場光を
用いた記録方式では、記録のための光スポットが微小径
で実現できるので、高密度なデータ記録が可能となる。
【0003】ここで、光記録のために利用する近接場光
は非常に光強度が弱く、また、スポット径が非常に小さ
いため、記録対象となる記録媒体も近接場光に適した記
録媒体を用いることが必要になる。
【0004】従来では、近接場光による光記録用の記録
媒体として、フォトクロミック材料を用いた記録媒体が
知られており、フォトクロミック材料の光反応、すなわ
ちフォトクロミック反応を利用して近接場光による光記
録が実現される。
【0005】フォトクロミック材料は、第1の波長の光
を吸収することによって、第1の状態から光学特性の異
なる第2の状態に変化する一方、第2の波長の光を吸収
すると、第2の状態から元の第1の状態へと変化する。
このような状態変化をフォトクロミック反応といい、第
1および第2の波長の光をフォトクロミック材料に照射
することで発生させることができる。第1の状態と第2
の状態との各状態では、光学特性が異なることから特定
の波長(第1の波長、第2の波長、またはその他の波
長)の光の吸収率や反射率が異なるため、記録媒体をフ
ォトクロミック材料で構成し、第1の状態または第2の
状態の一方を記録状態とし、他方を未記録状態として規
定しておくことで、データの光記録を行うことが可能に
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光記録装置は、フォトクロミック材料で構成された記録
媒体に所定の波長の光を照射し、フォトクロミック材料
が第1の状態であるか、または第2の状態であるかの2
つの状態のみを検知するように構成されているため、記
録媒体に対してデータを2値で記録するに留まってい
た。
【0007】この発明は、上記課題に鑑みてなされたも
のであって、フォトクロミック材料を用いて構成された
記録媒体に対して多値記録を行うことの可能な光記録装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、フォトクロミック材料を
用いて構成された記録媒体に対してデータの光記録を行
う光記録装置であって、前記記録媒体に対して近接場光
を発生させる近接場光発生手段と、前記記録媒体上の記
録位置に到達する前記近接場光の光強度を複数段階で変
化させる光強度変調手段とを備えている。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の光記録装置において、前記近接場光発生手段には、所
定の光学系を介して複数の光ビームが供給されており、
前記光強度変調手段が、前記複数の光ビームのそれぞれ
の光路中に介挿され、前記複数の光ビームのそれぞれを
ON/OFF制御することによって、前記記録位置に到
達する前記近接場光の光強度を複数段階で変化させるこ
とを特徴としている。
【0010】請求項3に記載の発明は、フォトクロミッ
ク材料を用いて構成された記録媒体に対してデータの光
記録を行う光記録装置であって、前記記録媒体に対して
近接場光を発生させる近接場光発生手段と、前記記録媒
体上の記録位置に到達する前記近接場光の光照射時間を
複数段階で変化させる光照射時間制御手段とを備えてい
る。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の光記録装置において、前記近接場光発生手段が複数個
設けられており、前記記録媒体と複数の近接場光発生手
段との相対的移動を行いつつ、前記記録媒体へのデータ
の光記録が行われる装置であり、前記光照射時間制御手
段は、前記記録位置が前記複数の近接場光発生手段のそ
れぞれによる近接場光照射位置を通過する際に、前記近
接場光の発生を制御することによって前記記録位置に到
達する前記近接場光の光照射時間を変化させることを特
徴としている。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の光記録装置において、前記複数の近接場光発生手段の
それぞれが、前記記録媒体に光記録されたデータの再生
の際にも使用されるように構成されており、前記複数の
近接場光発生手段のそれぞれが、前記記録媒体の異なる
記録ピット列のデータ再生のためにも前記近接場光を発
生可能であることを特徴としている。
【0013】請求項6に記載の発明は、フォトクロミッ
ク材料を用いて構成された記録媒体に対してデータの光
記録を行う光記録装置であって、前記記録媒体に対する
所定の記録光を発生させる記録光発生手段と、前記記録
媒体上の記録位置に到達する前記記録光の光強度を複数
段階に変化させる光強度変調手段とを備えており、前記
複数段階の各光強度の強度差が、当該強度差によって、
所定の再生光に対する前記フォトクロミック材料の透過
率に所定の閾値以上の差が生じるように設定されている
ことを特徴としている。
【0014】請求項7に記載の発明は、フォトクロミッ
ク材料を用いて構成された記録媒体に対してデータの光
記録を行う光記録装置であって、前記記録媒体に対する
所定の記録光を発生させる記録光発生手段と、前記記録
媒体上の記録位置に到達する前記記録光の光照射時間を
複数段階で変化させる光照射時間制御手段とを備えてお
り、前記複数段階の各光照射時間の時間差が、当該時間
差によって、所定の再生光に対する前記フォトクロミッ
ク材料の透過率に所定の閾値以上の差が生じるように設
定されていることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】<1.発明の原理>この発明の実
施の形態を説明する前に、フォトクロミック材料のフォ
トクロミック反応について説明する。図1は、フォトク
ロミック材料の構造式およびその物質によるフォトクロ
ミック反応を示す図である。フォトクロミック材料は、
第1の状態である状態Aにおいて波長λ1の光を吸収す
ると、第2の状態である状態Bに変化する。状態Aにお
いては波長λ1の光の吸収度が大きく、状態Bにおいて
は波長λ2の光の吸収度が大きくなっている。そして、
状態Bにおいて波長λ2の光を吸収すると、フォトクロ
ミック材料は第1の状態である状態Aに戻ることにな
る。
【0016】ここで、状態Aから状態Bに変化または状
態Bから状態Aへの変化は、それぞれの状態が波長λ
1,λ2の光を吸収することによって生じるものであ
る。このため、フォトクロミック材料が各状態に変化す
る際の変化率は、各状態において照射される光の照射フ
ォトン数(=光強度(光パワー)×照射時間)に応じて
異なるものになる。
【0017】すなわち、状態Aであるフォトクロミック
材料のある領域に波長λ1の光を照射したとしても、そ
の領域に含まれる全てのフォトクロミック材料が状態B
に変化するというものではなく、波長λ1の光の照射フ
ォトン数に応じて状態Bのフォトクロミック材料が生じ
るのである。したがって、光の照射領域に状態Aである
N個のフォトクロミック分子が存在する場合には、波長
λ1の照射によって状態Aのフォトクロミック分子の数
が{N・(1−X)}個になり、状態Bのフォトクロミ
ック分子の数が(N・X)個発生することになる。な
お、ここにおいて、Xは0<X<1を満たす数であり、
波長λ1の光の照射フォトン数に応じた値を示してい
る。
【0018】以上のことを考慮すると、照射フォトン数
に応じた値Xを調整することによって、フォトクロミッ
ク材料の状態Aと状態Bとの存在状態を制御することが
できることが明確である。
【0019】そして、状態Aと状態Bとの存在状態が異
なるということは、フォトクロミック材料において所定
の波長に対する光学特性がそれぞれに異なるということ
であり、そのような光学特性の相違を多段階で検出する
ように構成することで、データの多値記録を行うことが
可能になるのである。
【0020】この発明は、上記のようなフォトクロミッ
ク材料の光学特性の変化が光の照射フォトン数、すなわ
ち光強度と照射時間とに応じて変化することを利用し、
フォトクロミック材料を用いて構成された記録媒体に対
してデータの多値記録を行う光記録装置を実現するもの
である。
【0021】以下に、この発明の実施の形態について詳
細に説明する。
【0022】<2.第1の実施の形態>まず、この発明
の第1の実施の形態について説明する。図2は第1の実
施の形態である光記録装置1の概略構成図である。な
お、図2において、3次元座標系X−Y−Zを定義す
る。
【0023】光記録装置1は、光ディスク等の円盤状の
記録媒体9を保持した状態で記録媒体9を所定方向に回
転させる回転機構部5と、記録媒体9の記録面に対する
信号の消去、記録、読み取り(再生)を行うための光を
記録媒体9の記録面の適当な位置に照射するための記録
ヘッド保持機構2と、記録ヘッド保持機構2および回転
機構部5に対して駆動制御信号を与えるコントローラ3
と、記録媒体9に対する記録信号または再生信号を処理
する信号処理部4とを備えて構成される。
【0024】回転機構部5は回転駆動部51と回転部材
52とを備えており、コントローラ3から与えられる駆
動制御信号に基づいて回転駆動部51が回転部材52を
所定方向に回転させる。回転部材52は記録媒体9を所
定位置にて保持するような構造を有しており、記録媒体
9と一体となって回転動作を行う。
【0025】記録ヘッド保持機構2は、記録ヘッド駆動
部18と保持部材19と記録ヘッド20とを備えて構成
される。そして、記録ヘッド20からの記録光となる近
接場光は記録媒体9に導かれる。
【0026】記録ヘッド20は保持部材19の先端部に
配置されている。保持部材19は記録ヘッド駆動部18
によって記録媒体9の回転の径方向に直進的に進退自在
なように構成されており、コントローラ3が記録ヘッド
駆動部18に対して駆動制御信号を与えることによって
保持部材19の位置、すなわち記録ヘッド20の記録媒
体9に対する位置が制御される。なお、記録ヘッド保持
機構2における駆動機構は記録媒体9の回転中心方向に
対して直進的に進退する構成に限らず、旋回しながら進
退する構成でもよい。
【0027】信号処理部4は記録媒体9に対して記録す
るためのデータをコントローラ3内の図示しないレーザ
駆動回路やシャッタ駆動回路に与えたり、後述する受光
素子で検出された読み取りデータ(再生データ)をコン
トローラ3を介して受け取り、他のデータ処理機器に対
して出力する機能を有する。
【0028】なお、図2では図示していないが光記録装
置1は、記録媒体9の裏面側に設けられ、記録ヘッド2
0の進退動作に連動して記録媒体9の中心方向に進退
し、かつ、記録媒体9の裏面側への透過光成分を検出す
ることによってデータ再生を行う再生ヘッドも備えてい
る。
【0029】図3は、光記録装置1における記録ヘッド
20および再生ヘッド30を示す概略図である。
【0030】記録ヘッド20には、He−Neレーザや
半導体レーザ等によって構成され記録用となる波長λ1
の光を出射するレーザ光源21と、レーザ光源21から
出射される光を4つの光路に分割するビーム分割手段2
2と、分割された4つの光ビームの光路中に介挿され、
それぞれの光ビームを遮断したり、透過させたりするた
めのメカニカルシャッタ23a〜23dと、集光レンズ
24と、記録媒体9の記録面側に微小スポットの近接場
光を記録光として照射する記録用プローブ25とが設け
られている。
【0031】なお、図3においては図示していないが、
記録ヘッド20には、記録媒体9に記録されているデー
タの消去を行うための消去用光源(すなわち、波長λ2
の光を出射するレーザ光源)および消去用光学系も別途
配置される。
【0032】レーザ光源21はコントローラ3によって
駆動され、レーザ光Lをビーム分割手段22に向けて出
射させる。ビーム分割手段22は例えば複数のビームス
プリッタ等を組み合わせることによって構成され、レー
ザ光Lを4つの光ビームL1〜L4に分割する。なお、
ビーム分割手段22においては、各光ビームL1〜L4
がそれぞれほぼ等しい光強度となるように実現されてい
る。
【0033】メカニカルシャッタ23a〜23dはコン
トローラ3によって駆動制御されており、記録媒体9に
記録するデータに応じてシャッタの開閉動作を行うこと
で、各光ビームL1〜L4をON/OFF制御すること
ができるように構成されている。なお、ON状態は光ビ
ームが透過する状態であり、OFF状態は光ビームが遮
断される状態である。そして、各メカニカルシャッタ2
3a〜23dを透過した光ビームL1〜L4は、それぞ
れ集光レンズ24に導かれ、この集光レンズ24によっ
て記録用プローブ25に入射するように構成されてい
る。
【0034】記録用プローブ25は、近接場光発生手段
として機能し、記録媒体9の記録面に対向して配置され
ており、その下端(出射端)側より記録光となる微小ス
ポットの近接場光を浸み出させるように構成されてい
る。このとき、近接場光の光強度は、記録用プローブ2
5に入射する光ビームL1〜L4の数に応じて変化す
る。なお、記録用プローブ25と記録媒体9の記録面と
の距離は、近接場光記録を適切に行うことができるよう
にするために波長λ1の半分以下(例えば、数十nm)
の距離となるように設定される。
【0035】このように記録ヘッド20においては、レ
ーザ光源21で発生する記録光を4つの光ビームL1〜
L4に分割し、それぞれの光ビームL1〜L4に対して
メカニカルシャッタ23a〜23dが設けられており、
各メカニカルシャッタ23a〜23dによる開閉動作を
個別に制御することによって光記録の際の近接場光の光
強度を調整することが可能となっている。具体的には、
4つのメカニカルシャッタ23a〜23dのうちの光ビ
ームを透過させるシャッタの数を順次に増加させていく
ことによって近接場光の光強度を複数段階で増大させて
いくことが可能となっている。したがって、これらメカ
ニカルシャッタ23a〜23dは、記録光となる近接場
光の光強度を複数段階で変化させる光強度変調手段とし
て機能することになる。
【0036】そして、記録用プローブ25から浸み出す
近接場光は、記録媒体9の記録面側に到達すると、伝搬
光へと変化する。そして、記録媒体9に記録されたデー
タに応じた透過率で、記録媒体9の内部を透過して裏面
側に配置された再生ヘッド30に導かれる。
【0037】再生ヘッド30は、集光レンズ31と受光
素子32とを備えて構成されており、記録媒体9の内部
を透過した光は、集光レンズ31によって受光素子32
に導かれる。したがって、受光素子32では近接場光の
透過率に応じた光量を検出することができるように構成
されている。そして、受光素子32で検出された光量
は、光電変換されてコントローラ3側に与えられ、記録
媒体9に記録されたデータの再生が行われることにな
る。
【0038】ここで、データ再生を行う際には、記録ヘ
ッド20のレーザ光源21からのレーザ光を利用する。
つまり、データ再生の際には、記録時と同じ波長λ1の
レーザ光を記録媒体9に照射し、その光の透過成分を再
生ヘッド30にて検出することでデータ再生を行うので
ある。ただし、再生時にレーザ光源21から出射される
レーザ光の強度(光パワー)を大きくしすぎると、記録
媒体9に吸収される照射フォトン数が増加するため、記
録されたデータを書き換えてしまうという不都合が発生
することも考えられることから、再生時のレーザ光の光
パワーは記録されたデータを書き換えない程度に微弱な
状態に設定されることが好ましい。
【0039】次に、近接場光発生手段となる記録用プロ
ーブ25について説明する。図4は、記録用プローブ2
5を示す断面図である。記録用プローブ25は、一般の
光ファイバを加工することによって形成される。すなわ
ち、記録用プローブ25は、コア部とクラッド部とを有
する光ファイバ部材251と、コア部が先鋭化されて形
成された出射部252と、コート膜253と、入射部2
54とを備えて構成される。光ファイバ部材251の先
端部に対して化学エッチングを施して先鋭化され、そし
て、その周辺部にアルミニウム等の材料を蒸着すること
によってコート膜253が形成される。その後、先鋭化
された部分の先端部のコート膜を化学エッチング等によ
って除去することによって微小開口を形成する出射部2
52が得られる。また、出射部252とは異なる側の端
部には先鋭化を行っていない入射部254が形成されて
おり、この入射部254から4つの光ビームL1〜L4
を入射し、出射部252より近接場光を浸み出させるよ
うに構成されている。
【0040】次に、記録媒体9について説明する。図5
は、記録媒体9の断面図である。図5に示すように、記
録媒体9は、円盤状(直径数cm)のガラス基板9b上
に、フォトクロミック材料とポリメタクリル酸メチル樹
脂との混合材料をスピンコート法によって塗布すること
で形成された記録層9aを有している。記録層9aの厚
みは約200μmである。記録層9aに含まれるフォト
クロミック材料は、上述したように波長λ1の光と波長
λ2の光とを吸収することによって、状態Aから状態B
に、または状態Bから状態Aに変化し、状態Aがデータ
の未記録状態となり、状態Bがデータの記録状態とな
る。なお、状態Bであるフォトクロミック材料の分子数
に応じて記録状態が多段階になる。
【0041】上記のように構成された光記録装置1にお
いて、各メカニカルシャッタ23a〜23dの開閉状態
を組み合わせることにより、記録用プローブ25に入射
する光(光ビーム)の光強度を5段階で変化させること
が可能である。具体的には、全てのメカニカルシャッ
タ23a〜23dを閉じた場合、1つのメカニカルシ
ャッタ23aのみを開け、他の3つのメカニカルシャッ
タ23b〜23dを閉じた場合、2つのメカニカルシ
ャッタ23a,23bを開け、他の2つのメカニカルシ
ャッタ23c,23dを閉じた場合、3つのメカニカ
ルシャッタ23a〜23cを開け、他のメカニカルシャ
ッタ23dを閉じた場合、全てのメカニカルシャッタ
23a〜23dを開けた場合のそれぞれにおいて、記録
用プローブ25に入射する光強度を段階的に変化させる
ことができる。
【0042】すなわち、光記録装置1では、記録媒体9
上の記録位置(一つの記録ピットを形成する位置)に到
達する近接場光の光強度を複数段階で変化させることが
できるように構成されているので、記録媒体9に対して
複数段階の記録状態を形成することが可能となってお
り、データの多値記録が実現可能となっている。
【0043】ここで、実際に光記録装置1によって記録
媒体9に対して多値記録を行い、その記録されたデータ
を再生ヘッド30によって検出した場合の一例を表1に
示す。
【0044】
【表1】
【0045】上記表1において、○印はそのメカニカル
シャッタをON状態(すなわち、光ビームを透過させて
いる状態)にしてデータ記録した場合を示しており、×
印はそのメカニカルシャッタがOFF状態(すなわち、
光ビームを遮断している状態)にしてデータ記録した場
合を示している。また、表1(a)は記録時においてレ
ーザ光源21から出射されるレーザ光の光パワーが20
mWである場合を示しており、表1(b)はその光パワ
ーが5mWである場合を示している。なお、レーザ光源
21は、記録時と再生時との双方において波長λ1(=
633nm)のレーザ光を出射し、再生時においては光
パワーを1mWまで低下させた再生光を発生させること
によって、再生時のレーザ光によって記録データが書き
換えられることを回避するようにしている。
【0046】上記表1に示すように、記録媒体9の透過
率は、ON状態のメカニカルシャッタの数が増加するに
つれて、大きくなっている。このことから、波長λ1の
光の照射フォトン数が増加するのに伴って、フォトクロ
ミック材料の状態Aの分子数が低下する一方で、状態B
の分子数が増加し、波長λ1の吸収率が低下していくこ
とが明らかである。そして、記録時におけるレーザ光の
光パワーを20mWとした場合および5mWとした場合
のいずれの場合であっても、再生ヘッド30においては
5段階の透過率の相違を検出している。
【0047】したがって、この実施の形態の光記録装置
1では、フォトクロミック材料を用いて構成された記録
媒体9に対して近接場光による微小スポットでデータの
光記録を行うため、高密度なデータ記録が可能になって
おり、さらに、光強度変調手段として機能する複数のメ
カニカルシャッタ23a〜23dにより、未記録状態と
する場合を除き、記録媒体9に到達する近接場光の光強
度を多段階に変化させることができるので、データの記
録状態を多段階で形成し、データの多値記録を行うこと
が可能になっている。この結果、記録媒体9に対して従
来よりも大量のデータを記録することができる。
【0048】また、上記の構成では、一のレーザ光源2
1から出射するレーザ光を複数の光ビームL1〜L4に
分割し、光強度の調整していから再び一の光路上に集光
するという構成を採用しているので、装置構成を簡単に
することができるとともに、光強度制御も簡単に行うこ
とができるという利点もある。
【0049】なお、この実施の形態においては、レーザ
光源21からのレーザ光Lを複数の光ビームL1〜L4
に分割して各光ビームL1〜L4の光路中にメカニカル
シャッタ23a〜23dを配置することで、光強度変調
手段を構成する例について説明したが、これに限定され
るものではない。つまり、光強度変調手段が、近接場光
発生手段となる記録用プローブ25に入射する光強度を
変調させることができれば記録媒体9への多値記録は実
現されるため、レーザ光源21において出射されるレー
ザ光Lの光強度を複数段階で変調するように構成すれ
ば、ビーム分割を行うことなく、記録媒体9への多値記
録を実現することが可能である。この場合は、コントロ
ーラ3がレーザ光源21を駆動する際に、多値記録を行
うための記録データに応じてレーザ光源21が出射する
光強度を変調するようにすれば多値記録が実現され、コ
ントローラ3が光強度変調手段として機能することにな
る。
【0050】また、ビーム分割を行う場合であっても、
複数のメカニカルシャッタ23a〜23d以外の部材で
光強度変調手段を実現してもよい。例えば、PLZT等
の電気光学効果を利用して光シャッタを実現すること
で、上記説明した内容と同様の作用効果を示す光強度変
調手段を構成することができる。
【0051】<3.第2の実施の形態>次に、この発明
の第2の実施の形態について説明する。なお、光記録装
置1の概略構成については、図2に示したものと同様で
あるので、ここでは説明を省略する。
【0052】図6は、この実施の形態における光記録装
置1の記録ヘッド20aおよび再生ヘッド30を示す概
略図である。なお、図6において、図3に示したものと
同様の作用効果を示す部材については同一符号を付して
おり、説明を省略する。
【0053】記録ヘッド20aには、記録用となる波長
λ1の光を出射するレーザ光源21と、レーザ光源21
からのレーザ光Lを4つの光路に分割するビーム分割手
段22と、分割された4つの光ビームの光路中に介挿さ
れたメカニカルシャッタ23a〜23dと、各メカニカ
ルシャッタ23a〜23dを透過する光ビームをそれぞ
れ所定位置に集光させる集光レンズ24a〜24dと、
各集光レンズ24a〜24dによる集光位置に対応して
設けられた記録用プローブ25a〜25dとを備えて構
成されている。
【0054】なお、図6においても図示していないが、
記録ヘッド20aには、記録媒体9に記録されているデ
ータの消去を行うための消去用光源(すなわち、波長λ
2の光を出射するレーザ光源)および消去用光学系も別
途配置される。
【0055】この実施の形態の記録ヘッド20aでは、
レーザ光源21から出射するレーザ光Lはビーム分割手
段22によって4つの光ビームL1〜L4に分割される
と、各メカニカルシャッタ23a〜23dによって遮断
または透過のON/OFF制御を受け、透過した光ビー
ムL1〜L4は各集光レンズ24a〜24dによってそ
れぞれに対応して設けられた近接場光発生手段となる記
録用プローブ25a〜25dに入射する。そして、各記
録用プローブ25a〜25dは記録媒体9上のそれぞれ
異なる位置に近接場光を浸み出させるように配置されて
いる。これら複数の記録プローブ25a〜25dは、全
て記録媒体9における同一の記録ピット列上に配置され
ており、記録媒体9が例えば矢印R方向に移動する場合
には、記録媒体9上の記録位置(一つの記録ピットを形
成する位置)が記録用プローブ25a,25b,25
c,25dのそれぞれによる近接場光照射位置P1,P
2,P3,P4を順次に通過していくように構成されて
いる。
【0056】図6の記録ヘッド20aにおいては、レー
ザ光源21で発生する記録用レーザ光を4つの光ビーム
L1〜L4に分割し、それぞれの光ビームL1〜L4に
対してメカニカルシャッタ23a〜23dが設けられて
おり、各メカニカルシャッタ23a〜23dによる開閉
動作を個別に制御することによって、光記録の際に、記
録位置に対する近接場光の照射時間を調整することが可
能となっている。具体的には、記録媒体9上の記録位置
が各近接場光照射位置P1〜P4を通過する際に、メカ
ニカルシャッタ23a〜23dのうちの光ビームを透過
させるシャッタの数を増加させると、記録用となる近接
場光の照射時間が増大し、それによって記録位置への照
射フォトン数が制御されるように構成されているのであ
る。
【0057】このため、複数の近接場光照射位置P1〜
P4のそれぞれにおいて同一の記録位置に対する記録を
行う際に、記録位置がそれぞれの近接場光照射位置P1
〜P4を通過するのに応じて順次各メカニカルシャッタ
23a〜23dのON/OFF制御を行うことで、各近
接場光照射位置P1〜P4のそれぞれにおいて記録位置
に対する照射時間を累積させていくことができ、記録位
置に対するデータの多値記録が可能となる。
【0058】そして、記録媒体9上の記録位置を未記録
状態とする場合には、その記録位置が各近接場光照射位
置P1〜P4を通過する際に、各メカニカルシャッタ2
3a〜23dをOFF状態(閉状態)として各光ビーム
L1〜L4を遮断する。この結果、その記録位置におけ
るフォトクロミック材料は状態Aから変化せず、未記録
状態となる。
【0059】また、記録媒体9上の記録位置を多値記録
する場合には、その記録位置が各近接場光照射位置P1
〜P4を通過する際に、ON状態とするメカニカルシャ
ッタ23a〜23dの数を調整することによって、その
記録位置に対して照射される近接場光の照射時間が変更
され、複数段階の記録状態が形成される。
【0060】したがって、この実施の形態の光記録装置
1では、記録媒体9上の記録位置に到達する近接場光の
照射時間を複数段階で変化させることができるように構
成されているので、記録媒体9に対して複数段階の記録
状態を形成することが可能となっており、データの多値
記録が実現可能となっている。そして、メカニカルシャ
ッタ23a〜23dは、記録光となる近接場光の照射時
間を複数段階で変化させる光照射時間制御手段として機
能することになる。
【0061】なお、この実施の形態においては複数の記
録用プローブ25a〜25dが設けられているが、これ
らは全て図4に示した構造と同様の構造を有しており、
それぞれ近接場光発生手段として機能する。また、この
実施の形態において使用する記録媒体9も図5に示した
ものと同様である。
【0062】また、再生ヘッド30については第1の実
施の形態で説明したものと同様であるが、再生時におけ
る検出位置が複数の記録用プローブ25a〜25dのう
ちの記録用プローブ25cによる近接場光照射位置とし
て設定されている。したがって、再生時には、メカニカ
ルシャッタ23cのみがON状態となり、他のメカニカ
ルシャッタ23a,23b,23dについてはOFF状
態となる。
【0063】次に、実際にこの実施の形態の光記録装置
1によって記録媒体9に対して多値記録を行い、その記
録されたデータを再生ヘッド30によって検出した場合
の一例を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】上記表2において、○印はそのメカニカル
シャッタをON状態(すなわち、光ビームを透過させて
いる状態)にしてデータ記録した場合を示しており、×
印はそのメカニカルシャッタがOFF状態(すなわち、
光ビームを遮断している状態)にしてデータ記録した場
合を示している。また、表2(a)は記録時においてレ
ーザ光源21から出射されるレーザ光の光パワーが20
mWである場合を示しており、表2(b)はその光パワ
ーが5mWである場合を示している。なお、レーザ光源
21は、記録時と再生時との双方において波長λ1(=
633nm)のレーザ光を出射し、再生時においては光
パワーを1mWまで低下させた再生光を発生させること
によって、再生時のレーザ光によって記録データが書き
換えられることを回避するようにしている。
【0066】上記表2に示すように、記録時において記
録媒体9上の記録位置が各近接場光照射位置P1〜P4
を通過する際に、各照射位置に対応するメカニカルシャ
ッタがON状態である数が増加するにつれて、再生時に
おける記録媒体9の透過率が大きくなっている。このこ
とから、波長λ1の光の照射時間が長くなることに伴う
照射フォトン数の増加によって、フォトクロミック材料
の状態Aの分子数が低下する一方で、状態Bの分子数が
増加し、波長λ1の吸収率が低下していくことが明らか
である。そして、記録時におけるレーザ光の光パワーを
20mWとした場合および5mWとした場合のいずれの
場合であっても、再生ヘッド30においては5段階の透
過率の相違を検出している。
【0067】上記のように、この実施の形態の光記録装
置1では、フォトクロミック材料を用いて構成された記
録媒体9に対して近接場光による微小スポットでデータ
の光記録を行うため、高密度なデータ記録が可能になっ
ている。
【0068】そしてさらに、光照射時間制御手段として
機能する複数のメカニカルシャッタ23a〜23dによ
り、未記録状態とする場合を除き、記録媒体9に到達す
る近接場光の照射時間を多段階に変化させることができ
るので、データの記録状態を多段階で形成し、データの
多値記録を行うことが可能になっている。この結果、記
録媒体9に対して従来よりも大量のデータを記録するこ
とができる。
【0069】また、上記の構成では、一のレーザ光源2
1から出射するレーザ光を複数の光ビームL1〜L4に
分割し、各光ビームL1〜L4による近接場光を所定の
記録位置がそれぞれの近接場光照射位置を通過する際に
発生させるように構成されているので、装置構成を簡単
にすることができるとともに、光照射時間制御も簡単に
行うことができるという利点もある。
【0070】なお、この実施の形態においては、レーザ
光源21からのレーザ光Lを複数の光ビームL1〜L4
に分割して各光ビームL1〜L4の光路中にメカニカル
シャッタ23a〜23dを配置することで、光照射時間
制御手段を構成する例について説明したが、これに限定
されるものではない。例えば、複数のメカニカルシャッ
タ23a〜23d以外の部材(例えば、PLZT等)で
光照射時間制御手段を実現してもよい。
【0071】また、上記説明においては、再生時にメカ
ニカルシャッタ23cのみを開放させて記録媒体9に記
録されたデータを読み取るように構成された例について
示したが、4つの記録用プローブ25a〜25dのそれ
ぞれに対して再生用の集光レンズおよび受光素子を設け
るようにしてもよい。図7は、そのように構成された再
生ヘッド30aを示す図である。
【0072】図7に示すように再生ヘッド30aには、
各記録用プローブ25a〜25dに対応して、集光レン
ズ31a〜31dおよび受光素子32a〜32dが設け
られており、各受光素子32a〜32dにて各記録用プ
ローブ25a〜25dから浸み出した再生用となる近接
場光の透過成分を検出するように構成されている。
【0073】ここで、記録時において各記録用プローブ
25a〜25dは同一の記録ピット列上に配置されるこ
とが必要であるが、再生時において各記録用プローブ2
5a〜25dを同一の記録ピット列上に配置する必要は
ない。なぜなら、再生時に同一の記録ピット列上に各記
録用プローブ25a〜25dを配置すると、各記録用プ
ローブ25a〜25dでは、一定の時間差で同一のデー
タを再生する(読み取る)ことになるからである。
【0074】そこで、図7に示すような構成例を採用す
る場合には、再生時に記録ヘッド20aおよび再生ヘッ
ド30aを駆動することによって再生ヘッド30aによ
る複数の再生位置(読み取り位置)がそれぞれ異なる記
録ピット列上に位置するように位置変更を行うことが望
ましい。
【0075】図8は、記録媒体9を上方側(記録面に垂
直な方向側)からみた図である。図8において破線で示
すように、記録時には記録ヘッド20aによる近接場光
照射位置P1〜P4のそれぞれは、同一記録ピット列9
1上にあり、記録ピット列91に対してデータを多値記
録していくことができるように構成されている。再生ヘ
ッド30aは記録媒体9を挟んで記録ヘッド20aと対
向する位置に設けられているので、記録時において再生
ヘッド30aも同一記録ピット列91上にある。
【0076】一方、再生時には図8において実線で示す
ように、記録ヘッド20aおよび再生ヘッド30aのそ
れぞれが駆動され、近接場光照射位置P1〜P4がそれ
ぞれ異なる記録ピット列91〜94上に配置される。こ
の結果、再生時には、再生ヘッド30aにおける各受光
素子32a〜32dがそれぞれ異なる記録ピット列91
〜94上のデータを同時に読み取ることとなり、データ
再生の効率化を実現することが可能になる。
【0077】<4.第3の実施の形態>次に、この発明
の第3の実施の形態について説明する。なお、光記録装
置1の概略構成については図2に示したものと同様であ
り、また、記録ヘッドおよび再生ヘッドについては、上
記第1および第2の実施の形態で説明したものと同様の
ものを用いることが可能であるので、ここではそれらの
説明を省略する。
【0078】上記表1および表2に示した実測値では、
記録時における照射フォトン数が大きくなるにつれて、
再生時において検出した波長λ1の光の透過率の変化す
る割合(透過率の差)が小さくなっている。つまり、未
記録状態からメカニカルシャッタを1つだけON状態に
して光記録を行った場合には透過率の差は比較的大きい
のであるが、メカニカルシャッタのON状態が3つから
4つに変化した場合のの透過率の差は小さくなってい
る。
【0079】このことは、照射フォトン数が大きくなる
につれて透過率変化を検出することが次第に困難になっ
ていくことを示している。そこで、この実施の形態で
は、再生が容易となるように、記録媒体9に対する多値
記録を行う内容について説明する。
【0080】上記のように照射フォトン数が増加するの
に伴って各記録状態相互間における透過率の差が小さく
なる理由は、フォトクロミック材料の透過率が飽和する
現象が原因となっている。図9は、フォトクロミック材
料に照射される記録光の照射フォトン数と再生光の透過
率との関係を示す図である。図9に示すように、フォト
クロミック材料は記録光の照射フォトン数が増加するの
に伴って、再生光の透過率がある一定の値に飽和してい
く。このため、照射フォトン数は一定量ごとに変化する
場合であっても(A1,A2,A3,A4)、再生光の
透過率の差は次第に小さくなっていくのである(B1,
B2,B3,B4)。
【0081】上記第1および第2の実施の形態では、記
録状態を4段階(未記録状態を含むと5段階)で多値記
録するように構成されており、照射フォトン数は一定量
ごとに線形的な段階変化を生じるように装置構成されて
いることから、透過率B3とB4とを区別することが困
難となる場合も想定されるのであるが、この実施の形態
では、照射フォトン数と段階的な記録状態とを非線形で
対応させることによって再生の際の検出を容易となるよ
うにする。
【0082】例えば、第1の実施の形態で説明した構成
の場合であると、記録状態を3段階とし、第1の記録状
態を形成する場合においてはメカニカルシャッタの1つ
をON状態として光記録し、第2の記録状態を形成する
場合においてはメカニカルシャッタの2つをON状態と
して光記録し、第3の記録状態を形成する場合において
はメカニカルシャッタの4つ全てをON状態として光記
録する。このような記録制御を行うことによって、記録
媒体9にはデータが4値で記録されることになり、それ
ぞれの値における再生光の透過率は検出容易なものとな
る。この場合、透過率の変化は、表1(a)を参照する
と59%、66%、70%、75%となり、表1(b)
を参照すると59%、61%、63%、66%となる。
【0083】また、第2の実施の形態で説明した構成の
場合であっても同様に記録制御することにより、記録媒
体9にはデータが4値で記録されることになり、それぞ
れの値における再生光の透過率は検出容易なものとな
る。この場合、透過率の変化は、表2(a)を参照する
と59%、75%、77%、80%となり、表2(b)
を参照すると59%、63%、66%、72%となる。
【0084】つまり、図9において、透過率B3とB4
との間隔が小さくなれば、透過率B3とB4とを区別す
ることは困難になるが、透過率B2とB4とを区別する
ことは可能である場合が多いため、照射フォトン数と段
階的な記録状態とを非線形で対応させることによって再
生光の透過率を各記録状態で区別して検出することが容
易となり、記録状態の4値レベルを良好に判別すること
が可能になるのである。
【0085】具体的には、第1の実施の形態で説明した
構成の場合には記録光となる近接場光の光強度と段階的
な記録状態とを非線形で対応させ、第2の実施の形態で
説明した構成の場合には記録光となる近接場光の照射時
間と段階的な記録状態とを非線形で対応させるように構
成すればよいのである。
【0086】そして、照射フォトン数と段階的な記録状
態とを非線形な関係で対応させるという記録形態を採用
すれば、第1および第2の実施の形態において説明した
構成の光記録装置1を使用する場合であっても良好な再
生を行うことができるのである。
【0087】以上、この実施の形態においては、照射フ
ォトン数と段階的な記録状態とを非線形な関係で対応さ
せるという記録形態について説明したが、再生光によっ
て各段階の透過率を判別することができればよいため、
記録形態を非線形な関係とするものに限定するものでは
ない。一般に、再生光によって各段階の透過率を判別す
ることができるように複数の記録状態の相互間における
透過率の差に対して予め閾値(例えば2%)を定めてお
き、その閾値以上となるように段階的に照射フォトン数
を変化させるために、光強度の強度差や光照射時間の時
間差を変化させるような記録形態であれば、再生光の透
過率の差によって記録状態の各レベルを良好に検知する
ことが可能になる。上述した非線形な対応関係で記録す
る形態の場合も、再生光によって各段階の透過率を判別
し得ないものとなっている場合には再生が良好に行われ
ないため、複数の記録状態の相互間における透過率の差
が上記のような閾値以上であることが前提となってい
る。
【0088】また、第1および第2の実施の形態におい
ては、近接場光を利用して記録媒体9に対して記録を行
う場合を示しているが、この実施の形態において上記に
説明した内容は、特に近接場光を利用して記録及び再生
する場合に限られず、通常の伝搬光によって記録及び再
生する場合にも適用することのできる技術である。つま
り、この実施の形態は、フォトクロミック材料を用いて
構成された記録媒体9に対してデータを多値記録する際
に、容易かつ良好な再生を行うことのできる記録形態を
示すものであり、記録光および再生光が近接場光である
場合に限られるものではないのである。ただし、近接場
光を用いる場合には、記録媒体に対するデータの記録容
量を大容量化することができるという特有の利点がある
ことは勿論である。
【0089】<5.変形例>以上、この発明の実施の形
態についていくつか説明したが、この発明は上記各実施
の形態の内容に限定されるものではない。
【0090】例えば、フォトクロミック材料の状態B
(図1参照)を未記録状態とし、記録ヘッド20におけ
るレーザ光源21が記録光および再生光として波長λ2
のレーザ光を出射するように構成しても上述した内容と
同様の作用効果が得られる。なお、この場合、別途設け
られる消去用光源は波長λ1の光を出射する。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、光強度変調手段が、記録媒体上の記録位
置に到達する近接場光の光強度を複数段階で変化させる
ように構成されているため、フォトクロミック材料を用
いて構成された記録媒体に対して照射される照射フォト
ン数を段階的に変化させることができるので、記録媒体
への多値記録を行うことが可能になる。そして、記録媒
体に大量のデータ(情報)を記録することが可能にな
る。
【0092】請求項2に記載の発明によれば、近接場光
発生手段には、所定の光学系を介して複数の光ビームが
供給されており、光強度変調手段が、複数の光ビームの
それぞれの光路中に介挿され、複数の光ビームのそれぞ
れをON/OFF制御することによって、記録位置に到
達する近接場光の光強度を複数段階で変化させるように
構成されているため、比較的簡単な構成で記録媒体への
多値記録を行うことが可能になる。
【0093】請求項3に記載の発明によれば、光照射時
間制御手段が、記録媒体上の記録位置に到達する近接場
光の光照射時間を複数段階で変化させるように構成され
ているため、フォトクロミック材料を用いて構成された
記録媒体に対して照射される照射フォトン数を段階的に
変化させることができるので、記録媒体への多値記録を
行うことが可能になる。そして、記録媒体に大量のデー
タ(情報)を記録することが可能になる。
【0094】請求項4に記載の発明によれば、記録媒体
と複数の近接場光発生手段との相対的な移動を行いつ
つ、記録媒体へのデータの光記録が行われ、光照射時間
制御手段は、記録位置が複数の近接場光発生手段のそれ
ぞれによる近接場光照射位置を通過する際に、近接場光
の発生を制御することによって記録位置に到達する近接
場光の光照射時間を変化させるように構成されているた
め、記録位置が複数の近接場光発生手段のそれぞれによ
る各近接場光照射位置を通過するときに照射時間を累積
させることができるような構成となっており、比較的簡
単な構成で記録媒体への多値記録を行うことが可能にな
る。
【0095】請求項5に記載の発明によれば、複数の近
接場光発生手段のそれぞれが記録媒体に光記録されたデ
ータの再生の際にも使用され、複数の近接場光発生手段
のそれぞれが、記録媒体の異なる記録ピット列のデータ
再生のためにも近接場光を発生可能であるように構成さ
れているため、複数の記録ピット列を同時にデータ再生
することができ、データ再生の効率化が図られる。
【0096】請求項6に記載の発明によれば、複数段階
の各光強度の強度差は、当該強度差によって、所定の再
生光に対するフォトクロミック材料の透過率に所定の閾
値以上の差が生じるように設定されているため、フォト
クロミック材料を用いて構成された記録媒体に対して、
良好なデータ再生を行うことができるような多値記録が
可能になる。
【0097】請求項7に記載の発明によれば、複数段階
の各光照射時間の時間差は、当該時間差によって、所定
の再生光に対するフォトクロミック材料の透過率に所定
の閾値以上の差が生じるように設定されているため、フ
ォトクロミック材料を用いて構成された記録媒体に対し
て、良好なデータ再生を行うことができるような多値記
録が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フォトクロミック材料の構造式およびその物質
によるフォトクロミック反応を示す図である。
【図2】光記録装置の概略構成図である。
【図3】第1の実施の形態における記録ヘッドおよび再
生ヘッドを示す概略図である。
【図4】記録用プローブの構造を示す断面図である。
【図5】記録媒体の構造を示す断面図である。
【図6】第2の実施の形態における記録ヘッドおよび再
生ヘッドを示す概略図である。
【図7】図6に示したものとは異なる構成の再生ヘッド
を示す図である。
【図8】記録媒体を上方側(記録面に垂直な方向側)か
らみた図である。
【図9】フォトクロミック材料に照射される記録光の照
射フォトン数と再生光の透過率との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 光記録装置 9 記録媒体 20,20a 記録ヘッド 21 レーザ光源 22 ビーム分割手段 23a〜23d メカニカルシャッタ 25,25a〜25d 記録用プローブ(近接場光発生
手段) 30,30a 再生ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D029 JA04 JC04 VA03 5D090 AA01 BB14 CC01 CC04 DD03 FF12 KK03 KK13 KK14 LL02 5D119 AA11 AA22 BA01 BB06 CA06 DA01 DA05 DA07 EC44 JA10 JA60

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトクロミック材料を用いて構成され
    た記録媒体に対してデータの光記録を行う光記録装置で
    あって、 前記記録媒体に対して近接場光を発生させる近接場光発
    生手段と、 前記記録媒体上の記録位置に到達する前記近接場光の光
    強度を複数段階で変化させる光強度変調手段と、を備え
    ることを特徴とする光記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光記録装置において、 前記近接場光発生手段には、所定の光学系を介して複数
    の光ビームが供給されており、 前記光強度変調手段は、前記複数の光ビームのそれぞれ
    の光路中に介挿され、前記複数の光ビームのそれぞれを
    ON/OFF制御することによって、前記記録位置に到
    達する前記近接場光の光強度を複数段階で変化させるこ
    とを特徴とする光記録装置。
  3. 【請求項3】 フォトクロミック材料を用いて構成され
    た記録媒体に対してデータの光記録を行う光記録装置で
    あって、 前記記録媒体に対して近接場光を発生させる近接場光発
    生手段と、 前記記録媒体上の記録位置に到達する前記近接場光の光
    照射時間を複数段階で変化させる光照射時間制御手段
    と、を備えることを特徴とする光記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光記録装置において、 前記近接場光発生手段は、複数個設けられており、 前記記録媒体と複数の近接場光発生手段との相対的移動
    を行いつつ、前記記録媒体へのデータの光記録が行わ
    れ、 前記光照射時間制御手段は、前記記録位置が前記複数の
    近接場光発生手段のそれぞれによる近接場光照射位置を
    通過する際に、前記近接場光の発生を制御することによ
    って前記記録位置に到達する前記近接場光の光照射時間
    を変化させることを特徴とする光記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光記録装置において、 前記複数の近接場光発生手段のそれぞれは、前記記録媒
    体に光記録されたデータの再生の際にも使用されるよう
    に構成されており、 前記複数の近接場光発生手段のそれぞれは、前記記録媒
    体の異なる記録ピット列のデータ再生のためにも前記近
    接場光を発生可能であることを特徴とする光記録装置。
  6. 【請求項6】 フォトクロミック材料を用いて構成され
    た記録媒体に対してデータの光記録を行う光記録装置で
    あって、 前記記録媒体に対する所定の記録光を発生させる記録光
    発生手段と、 前記記録媒体上の記録位置に到達する前記記録光の光強
    度を複数段階に変化させる光強度変調手段と、を備え、 前記複数段階の各光強度の強度差は、当該強度差によっ
    て、所定の再生光に対する前記フォトクロミック材料の
    透過率に所定の閾値以上の差が生じるように設定されて
    いることを特徴とする光記録装置。
  7. 【請求項7】 フォトクロミック材料を用いて構成され
    た記録媒体に対してデータの光記録を行う光記録装置で
    あって、 前記記録媒体に対する所定の記録光を発生させる記録光
    発生手段と、 前記記録媒体上の記録位置に到達する前記記録光の光照
    射時間を複数段階で変化させる光照射時間制御手段と、
    を備え、 前記複数段階の各光照射時間の時間差は、当該時間差に
    よって、所定の再生光に対する前記フォトクロミック材
    料の透過率に所定の閾値以上の差が生じるように設定さ
    れていることを特徴とする光記録装置。
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