JP2001182674A - 回転式圧縮機 - Google Patents

回転式圧縮機

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JP2001182674A
JP2001182674A JP36945699A JP36945699A JP2001182674A JP 2001182674 A JP2001182674 A JP 2001182674A JP 36945699 A JP36945699 A JP 36945699A JP 36945699 A JP36945699 A JP 36945699A JP 2001182674 A JP2001182674 A JP 2001182674A
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cylinder
blade
extension
rotary compressor
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JP36945699A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Kosho
和宏 古庄
Yorihide Higuchi
順英 樋口
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】信頼性が低下することなく、シリンダの扁平化
を図り、装置全体の小型化を図る。 【解決手段】シリンダ室(25)に揺動ピストン(28)が
収納されている。揺動ピストン(28)に一体形成された
ブレード(28b)がブッシュ(29)を介してシリンダ(2
1)に挿入されている。ブレード(28b)及びブッシュ
(29)には駆動軸(33)の軸方向に延びる延長部(28
c,29a)が形成されている。また、シリンダには、ブッ
シュ(29)の延長部(29a)が接する部分に延長部が形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転式圧縮機に関
し、特に、揺動ピストンのブレード及びブッシュの構造
に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、回転式圧縮機には、特開平8
−247059号公報に開示されているように、揺動ピ
ストンを備えたいわゆるスイング型圧縮機がある。
【0003】このスイング型圧縮機は、シリンダとフロ
ントヘッドとリヤヘッドとの間に区画されたシリンダ室
を備えている。該シリンダ室には、偏心軸に嵌め込まれ
た揺動ピストンが収納されている。
【0004】そして、上記スイング型圧縮機は、揺動ピ
ストンがシリンダ室内で自転することなく公転し、冷媒
を圧縮して吐出する。
【0005】ところで、近年、圧縮機は、圧縮効率の高
効率化と、シリンダ容積をそのままにして小型化を図る
ことが要請されている。特に、代替フロン化のため、高
圧の冷媒が使用されるようになり、圧縮時のガス差圧が
大きい。このため、高効率化などを図るためには、各種
の対策が必要となる。
【0006】そこで、上述した従来の回転式圧縮機は、
シリンダの扁平化を図ると、偏心部おけるPV値(Pは
面圧、Vは摺動速度)が増大し、信頼性を損なうので、
揺動ピストンの内周部と駆動軸の偏心軸とを軸方向に延
長している。つまり、上記揺動ピストンの内周部と駆動
軸の偏心軸の高さがシリンダ高さより大きくし、摺動面
積の増大を図り、PV値を低減している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のスイング型圧縮機は、揺動ピストンと駆動軸との間の
PV値は、低減することができるものの、揺動ピストン
とブッシュとの間のPV値については何ら考慮されいな
かった。
【0008】つまり、シリンダの扁平化を図ると、ブレ
ード及びブッシュの高さも小さくなるので、この両者間
のPV値が大きくなる。この結果、信頼性が低下し、小
型化を阻害していた。
【0009】本発明は、斯かる点に鑑みて成されたもの
で、信頼性が低下することなく、シリンダの扁平化を図
り、装置全体の小型化を図るようにすることを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】〈発明の概要〉本発明
は、少なくともブレードとブッシュの摺動面積を大きく
するようにしたものである。
【0011】具体的に、図3に示すように、第1の発明
は、先ず、シリンダ室(25)に揺動ピストン(28)が収
納され、該揺動ピストン(28)に一体形成されたブレー
ド(28b)がブッシュ(29)を介してシリンダ(21)に
挿入された回転式圧縮機を対象としている。そして、上
記ブレード(28b)及びブッシュ(29)には駆動軸(3
3)の軸方向に延びる延長部(28c,29a)が形成されて
いる。
【0012】第2の発明は、第1の発明において、シリ
ンダ(21)には、ブッシュ(29)の延長部(29a)が接
する部分に延長部(21c)を形成したものである。
【0013】第3の発明は、第1の発明において、図7
に示すように、吸入側のブッシュ(29)と吐出側のブッ
シュ(29)とを設け、該吸入側のブッシュ(29)に延長
部(29a)を形成したものである。
【0014】第4の発明は、第1の発明において、図8
又は図9に示すように、延長部(28c,29a)を、ブレー
ド(28b)及びブッシュ(29)の上端面又は下端面に形
成したものである。
【0015】第5の発明は、第1の発明において、圧縮
する流体を二酸化炭素としたものである。
【0016】すなわち、本発明では、駆動軸(33)が回
転すると、揺動ピストン(28)が自転することなく回転
する。そして、流体の吸入が終了すると、流体が圧縮さ
れる高圧室がシリンダ室(25)に形成される。上記揺動
ピストン(28)が回転するに従って高圧室の容積が減少
し、流体が圧縮される。該流体圧力が所定値となると、
高圧室から流体が吐出される。この動作が繰り返され
る。
【0017】上記運転中において、ブッシュ(29)に対
してブレード(28b)は往復直線運動の摺動を行う。ま
た、シリンダ(21)に対してブッシュ(29)は往復回転
運動の摺動を行う。
【0018】一方、上記流体圧力差によってブレード
(28b)が吸入側に押圧される。この結果、ブッシュ(2
9)には差圧による荷重が作用する。
【0019】その際、上記ブレード(28b)とブッシュ
(29)に延長部(28c,29a)が形成され、第2の発明で
は、上記ブレード(28b)とブッシュ(29)とシリンダ
(21)に延長部(28c,29a,21c)が形成されている。
この延長部(28c,29a,21c)によって、上記ブレード
(28b)の側面とブッシュ(29)の摺接面積が大きくな
り、また、ブッシュ(29)とシリンダ(21)の摺接面積
が大きくなる。この結果、上記ブレード(28b)とブッ
シュ(29)の単位面積当たりの面圧Pが小さくなり、P
V値が小さくなる。また、上記ブッシュ(29)とシリン
ダ(21)の単位面積当たりの面圧Pが小さくなり、PV
値が小さくなる。
【0020】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、ブレード
(28b)とブッシュ(29)に延長部(28c,29a)を形成
しているので、少なくともブレード(28b)とブッシュ
(29)の摺接面積の摺接面積を大きくすることができ
る。この結果、上記ブレード(28b)とブッシュ(29)
の単位面積当たりの面圧Pを小さくすることができ、P
V値の低減を図ることができる。
【0021】これによって、装置自体の信頼性の向上を
図ることができると共に、シリンダ(21)の扁平化を図
ることができる。この結果、圧縮効率の高効率化を図る
ことができる。
【0022】また、上記ブッシュ孔の直径などを大きく
する必要がないので、ブレード溝の外端とシリンダ(2
1)の外周面との間に所定の厚さを確保することができ
る。この結果、シリンダ(21)の強度の低下を防止する
ことができ、シリンダ(21)の外径が大きくなることが
なく、装置全体が大型化を防止することができる。
【0023】また、上記ブッシュ孔の直径を大きくしな
いので、吸入口を揺動ピストン(28)の回転方向に変位
させる必要がない。この結果、揺動ピストン(28)が吸
入口を閉鎖する閉じきり位置が遅れることがなく、所定
の圧縮量を確保することができる。
【0024】また、第2の発明によれば、ブレード(28
b)とブッシュ(29)の他、シリンダ(21)にも延長部
(21c)を形成しているので、上記ブレード(28b)とブ
ッシュ(29)の摺接面積の他、ブッシュ(29)とシリン
ダ(21)の摺接面積をも大きくすることができる。この
結果、上記ブッシュ(29)とシリンダ(21)の単位面積
当たりの面圧Pをも小さくすることができ、PV値の低
減を図ることができる。
【0025】また、第3の発明によれば、上記吸入側の
ブッシュ(29)にのみ延長部(29a)を形成しているの
で、構造の簡素化を図ることができる。
【0026】また、第4の発明によれば、上記ブレード
(28b)などの片側にのみ延長部(28c,29a)を形成し
ているので、構造の簡素化を図ることができる。特に、
シリンダ(21)の上部及び下部のフロントヘッド又はリ
ヤヘッドの変更を要しないので、構成が簡素化される。
【0027】また、第5の発明によれば、二酸化炭素を
用いているので、差圧が大きく、ブレード(28b)とブ
ッシュ(29)の間などの荷重が大きい。この場合におい
ても、上記ブレード(28b)とブッシュ(29)等の単位
面積当たりの面圧Pを小さくすることができ、PV値の
低減を図ることができる。この結果、装置自体の一層の
信頼性の向上を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態1を図
面に基づいて詳細に説明する。
【0029】図1及び図2に示すように、本実施形態に
係る回転式圧縮機(1)は、いわゆるスイング型の圧縮
機である。この回転式圧縮機(1)は、ハウジング(1
0)内に、圧縮機構(20)と圧縮機モータ(30)とが収
納され、全密閉型に構成されている。上記回転式圧縮機
(1)は、例えば、二酸化炭素(CO2)を冷媒(流体)
とする空気調和装置の冷媒回路中に設けられ、冷媒であ
る二酸化炭素を圧縮するように構成されている。
【0030】上記ハウジング(10)は、円筒状の胴部
(11)と、該胴部(11)の上下にそれぞれ設けられた鏡
板(12,13)とによって構成されている。上記胴部(1
1)には、下方寄りの所定の位置に該胴部(11)を貫通
する吸入管(14)が設けられている。一方、上部の鏡板
(12)には、ハウジング(10)の内外を連通する吐出管
(15)と、図示しない外部電源に接続されて圧縮機モー
タ(30)に電力を供給するターミナル(16)とが設けら
れている。
【0031】上記圧縮機構(20)は、シリンダ(21)
と、フロントヘッド(22)と、リヤヘッド(23)と、揺
動ピストン(28)とを備え、ハウジング(10)内の下部
側に配置されている。上記シリンダ(21)は、円筒状に
形成されている。該シリンダ(21)の上端にはフロント
ヘッド(22)が、下端にはリヤヘッド(23)が設けられ
ている。そして、上記シリンダ(21)の内周面と、フロ
ントヘッド(22)の下端面と、リヤヘッド(23)の上端
面との間に、円柱状のシリンダ室(25)が区画形成され
ている。
【0032】上記圧縮機モータ(30)は、ステータ(3
1)とロータ(32)とを備えている。該ステータ(31)
は、圧縮機構(20)の上方でハウジング(10)の胴部
(11)に固定されている。
【0033】上記ロータ(32)には駆動軸(33)が連結
されている。該駆動軸(33)は、シリンダ室(25)を上
下方向に貫通している。上記フロントヘッド(22)とリ
ヤヘッド(23)には、駆動軸(33)を支持するための軸
受部(22a,23a)がそれぞれ形成されている。そして、
上記ロータ(32)と共に駆動軸(33)が回転する。
【0034】上記駆動軸(33)は、シリンダ室(25)の
中に位置する部分に偏心軸(33a)が形成されている。
該偏心軸(33a)は、大径に形成され、駆動軸(33)の
軸心から所定量偏心している。そして、上記偏心軸(33
a)は、上記圧縮機構(20)の揺動ピストン(28)に摺
動自在に嵌め込まれている。
【0035】上記揺動ピストン(28)は、円環状の本体
部(28a)と、該本体部(28a)の外周面の1箇所から径
方向に突出して延びるブレード(28b)とが一体的に形
成されている。上記揺動ピストン(28)は、本体部(28
a)の外周面が、シリンダ(21)の内周面と一点で接触
するように形成されている。尚、上記揺動ピストン(2
8)のブレード(28b)と本体部(28a)とは、一体形成
するか、又は別部材を一体的に固着して構成されてい
る。
【0036】上記シリンダ(21)には、駆動軸(33)の
軸方向に延びる円柱形状のブッシュ孔(21b)が形成さ
れている。該ブッシュ孔(21b)は、シリンダ(21)の
内周面側に形成され、且つ周方向の一部分がシリンダ室
(25)と連通するように形成されている。上記ブッシュ
孔(21b)の内部には、断面が略半円形状の一対のブッ
シュ(29)が挿入されている。
【0037】上記両ブッシュ(29)は、フラットな面同
士が対向するように配置されている。そして、該両ブッ
シュ(29)の対向面の間のスペースがブレード溝(29
a)に形成されている。該ブレード溝(29a)には、揺動
ピストン(28)のブレード(28b)が挿入されている。
上記ブッシュ(29)は、ブレード溝(29a)にブレード
(28b)を挟んだ状態のままで、該ブレード(28b)がブ
レード溝(29a)を進退するように構成されている。同
時に、上記ブッシュ(29)は、ブレード(28b)と一体
的にブッシュ孔(21b)の中で揺動するように構成され
ている。
【0038】上記駆動軸(33)が回転すると、揺動ピス
トン(28)はブレード溝(29a)内を進退するブレード
(28b)の一点(ブッシュ孔(21b)の中心に対応した一
点)を中心として揺動する。この揺動により、揺動ピス
トン(28)とシリンダ(21)の内周面との接触点が図の
時計周り方向へ移動する。したがって、上記揺動ピスト
ン(28)は自転しない。
【0039】また、上記ブレード(28b)は、シリンダ
室(25)を低圧室(25a)と高圧室(25b)に区画してい
る。そして、上記シリンダ(21)には吸入口(41)が形
成されている。一方、上記フロントヘッド(22)には吐
出口(42)が形成され、シリンダ(21)の内周面には吐
出路(43)が形成されている。
【0040】尚、上記フロントヘッド(22)の上面に
は、切り欠き凹部(45)が形成されている。該切り欠き
凹部(45)は、ほぼ長円形状に形成され、上記吐出口
(42)を開閉する吐出弁(46)が設けられている。
【0041】また、図3及び図4に示すように、上記揺
動ピストン(28)のブレード(28b)の他、上記ブッシ
ュ(29)及びシリンダ(21)には、駆動軸(33)の軸方
向に延長された延長部(28c,29a,21c)が形成されて
いる。
【0042】上記ブレード(28b)の延長部(28c)は、
本体部(28a)とは反対側の先端側に形成されている。
該延長部(28c)は、ブレード(28b)の上下両端面に形
成され、該ブレード(28b)の上方及び下方に向かって
突出している。
【0043】上記ブッシュ(29)の延長部(29a)は、
ブレード(28b)の延長部(29a)に対応し、シリンダ
(21)の外側の部分に形成されている。該延長部(29
a)は、ブッシュ(29)の上下両端面に形成され、該ブ
ッシュ(29)の上方及び下方に向かって突出している。
【0044】つまり、上記ブレード(28b)の延長部(2
8c)とブッシュ(29)の延長部(29a)とがブレード(2
8b)の進退に伴って摺接するように形成されている。
【0045】上記シリンダ(21)の延長部(21c)は、
ブッシュ(29)の延長部(29a)に対応し、該シリンダ
(21)の上下両端面に形成され、該シリンダ(21)の上
方及び下方に向かって突出している。つまり、上記ブッ
シュ(29)が揺動した際、該ブッシュ(29)の延長部
(29a)が揺動する範囲でブッシュ孔(21b)が形成され
るようにシリンダ(21)の延長部(21c)が形成されて
いる。
【0046】尚、上記シリンダ(21)には延長部(21
c)が形成されているので、フロントヘッド(22)及び
リヤヘッド(23)には、図示しないが、延長部(21c)
が嵌り込む凹部が形成されている。つまり、上記揺動ピ
ストン(28)が下死点まで揺動した際、ブレード(28
b)が最もシリンダ室(25)に突出する。この状態にお
いて、ブレード(28b)の延長部(28c)がフロントヘッ
ド(22)及びリヤヘッド(23)に干渉する場合には、該
フロントヘッド(22)及びリヤヘッド(23)に凹部が形
成される。
【0047】そこで、上記ブレード(28b)、ブッシュ
(29)及びシリンダ(21)に延長部(28c,29a,21c)
を形成した理由について説明する。
【0048】従来、上記ブレード(28b)、ブッシュ(2
9)及びシリンダ(21)は、図5及び図6に示すよう
に、上下両端面は平坦面に形成されていた。つまり、上
記シリンダ(21)の上下両端面が平坦面に形成され、こ
のシリンダ(21)の厚さに対応してブレード(28b)及
びブッシュ(29)の高さが定められていた。
【0049】上記シリンダ(21)の厚さを薄くして扁平
化を図ると、ブレード(28b)及びブッシュ(29)の高
さも小さくなる。該ブレード(28b)及びブッシュ(2
9)の高さが小さくなると、ブレード(28b)の側面とブ
ッシュ(29)の摺接面積が小さくなる。この結果、単位
面積当たりの面圧Pが大きくなり、PV値が大きくな
る。
【0050】上記ブレード(28b)とブッシュ(29)の
摺接面積を大きくする手段として、ブッシュ孔(21b)
の直径を大きくし、ブレード(28b)の長さを長くする
ことが考えられる。
【0051】しかしながら、これでは、上記ブレード
(28b)の移動範囲が大きくなるので、ブレード溝(29
a)の外端とシリンダ(21)の外周面との間の厚さが薄
くなる。この結果、シリンダ(21)の強度が低下する。
この強度低下を防止しようとすると、シリンダ(21)の
外径が大きくなり、装置全体が大型化する。
【0052】また、上記ブッシュ孔(21b)の直径を大
きくすると、吸入口(41)が揺動ピストン(28)の回転
方向にやや変位することになる。つまり、図2におい
て、吸入口(41)をやや右側に移動させる必要が生ず
る。この結果、上記揺動ピストン(28)が吸入口(41)
を閉鎖する閉じきり位置が遅れ、冷媒の循環量が低下す
る。
【0053】そこで、本発明は、上記ブレード(28b)
とブッシュ(29)とシリンダ(21)に延長部(28c,29
a,21c)を形成し、上記ブレード(28b)の側面とブッ
シュ(29)の摺接面積を大きくすると共に、ブッシュ
(29)とシリンダ(21)の摺接面積を大きくしている。
この結果、単位面積当たりの面圧Pが小さくなり、PV
値が小さくなる。
【0054】〈圧縮動作〉次に、上述した回転式圧縮機
(1)の運転動作について説明する。
【0055】先ず、圧縮機モータ(30)のロータ(32)
が回転すると、該ロータ(32)の回転が駆動軸(33)を
介して圧縮機構(20)の揺動ピストン(28)に伝達され
る。これによって、圧縮機構(20)が所定の圧縮動作を
行う。
【0056】具体的に、図2において、吸入口(41)の
すぐ右側でシリンダ(21)の内周と揺動ピストン(28)
の外周とが接触する状態から説明する。
【0057】この状態でシリンダ室(25)の低圧室(25
a)の容積が最小となる。揺動ピストン(28)が右回り
に公転すると、低圧室(25a)の容積が拡大し、該低圧
室(25a)に低圧の冷媒(ガス)が吸入される。
【0058】この冷媒の吸入が終了すると、冷媒が圧縮
される高圧室(25b)が形成される。上記揺動ピストン
(28)が公転するに従って高圧室(25b)の容積が減少
し、高圧室(25b)の冷媒が圧縮される。該高圧室(25
b)の圧力が所定値となると、高圧室(25b)の高圧冷媒
によって吐出弁(46)が開き、高圧冷媒が高圧室(25
b)からハウジング(10)の内部に吐出される。この動
作が繰り返される。
【0059】上記運転中において、ブレード(28b)は
ブッシュ(29)に対して往復直線運動の摺動を行う。ま
た、上記ブッシュ孔(21b)において、ブッシュ(29)
はシリンダ(21)に対して往復回転運動の摺動を行う。
【0060】一方、上記高圧室(25b)と低圧室(25a)
の冷媒圧力差によってブレード(28b)が吸入口(41)
の方向に押圧される。この結果、ブッシュ(29)及びシ
リンダ(21)には差圧による荷重が作用する。
【0061】本実施形態では、上記ブレード(28b)と
ブッシュ(29)とシリンダ(21)に延長部(28c,29a,
21c)を形成している。この延長部(28c,29a,21c)に
よって、上記ブレード(28b)の側面とブッシュ(29)
の摺接面積が拡張されると共に、上記ブッシュ孔(21
b)におけるブッシュ(29)とシリンダ(21)の摺接面
積が拡張されている。この結果、上記ブレード(28b)
とブッシュ(29)の単位面積当たりの面圧Pが小さくな
り、PV値が小さくなる。また、上記ブッシュ(29)と
シリンダ(21)の単位面積当たりの面圧Pが小さくり、
PV値が小さくなる。
【0062】〈実施形態1の効果〉以上のように、本実
施形態によれば、上記ブレード(28b)とブッシュ(2
9)とシリンダ(21)に延長部(28c,29a,21c)を形成
しているので、上記ブレード(28b)とブッシュ(29)
の摺接面積、及びブッシュ(29)とシリンダ(21)の摺
接面積を大きくすることができる。この結果、上記ブレ
ード(28b)とブッシュ(29)の単位面積当たりの面圧
Pを小さくすることができ、PV値の低減を図ることが
できる。また、上記ブッシュ(29)とシリンダ(21)の
単位面積当たりの面圧Pを小さくすることができ、PV
値の低減を図ることができる。
【0063】したがって、装置自体の信頼性の向上を図
ることができると共に、シリンダ(21)の扁平化を図る
ことができる。これによって、圧縮効率の向上を図るこ
とができる。特に、二酸化炭素を冷媒とした場合、差圧
が大きく、上記ブレード(28b)とブッシュ(29)の間
などの荷重が大きい。この場合においても、上記ブレー
ド(28b)とブッシュ(29)等の単位面積当たりの面圧
Pを小さくすることができ、PV値の低減を図ることが
できる。この結果、装置自体の一層の信頼性の向上を図
ることができる。
【0064】また、上記ブッシュ孔(21b)の直径など
を大きくする必要がないので、ブレード溝(29a)の外
端とシリンダ(21)の外周面との間に所定の厚さを確保
することができる。この結果、シリンダ(21)の強度の
低下を防止することができ、シリンダ(21)の外径が大
きくなることがなく、装置全体が大型化を防止すること
ができる。
【0065】また、上記ブッシュ孔(21b)の直径を大
きくしないので、吸入口(41)を揺動ピストン(28)の
回転方向に変位させる必要がない。この結果、揺動ピス
トン(28)が吸入口(41)を閉鎖する閉じきり位置が遅
れることがなく、所定の冷媒循環量を確保することがで
きる。
【0066】
【発明の実施の形態2】次に、本発明の実施形態2を図
面に基づいて詳細に説明する。
【0067】本実施形態は、図7に示すように、実施形
態1が一対のブッシュ(29)の双方に延長部(29a)を
形成したのに代え、片方のブッシュ(29)にのみ延長部
(29a)を形成したものである。
【0068】つまり、実施形態1で説明したように、ブ
ッシュ(29)に作用する荷重は、高圧室(25b)と低圧
室(25a)の冷媒圧力差によって生ずる。したがって、
上記ブレード(28b)は吸入側のブッシュ(29)に押圧
される。つまり、図7において、右下の吸入側のブッシ
ュ(29)は大きく押圧されるものの、左上の吐出側のブ
ッシュ(29)はさほど押圧されない。
【0069】そこで、本実施形態は、上記吸入側のブッ
シュ(29)には延長部(29a)を形成し、吐出側のブッ
シュ(29)は従来と同様に延長部を形成しないこととし
たものである。
【0070】したがって、本実施形態では、吸入側のブ
ッシュ(29)にのみ延長部(29a)を形成するので、構
造の簡素化を図ることができる。その他の構成、作用及
び効果は実施形態1と同様である。
【0071】
【発明の実施の形態3】次に、本発明の実施形態2を図
面に基づいて詳細に説明する。
【0072】本実施形態は、図8及び図9に示すよう
に、実施形態1が各延長部(28c,29a,21c)を上下に
それぞれ形成したのに代え、片側にのみ延長部(28c,2
9a,21c)を形成したものである。
【0073】つまり、図8に示すように、上記ブレード
(28b)及びブッシュ(29)の上部にのみ延長部(28c,
29a)を形成するようにしてもよい。
【0074】また、図9に示すように、上記ブレード
(28b)及びブッシュ(29)の下部にのみ延長部(28c,
29a)を形成するようにしてもよい。
【0075】要するに、上記ブレード(28b)及びブッ
シュ(29)の摺動面積が拡張されておればよい。尚、上
記シリンダ(21)の延長部(21c)は、ブレード(28b)
及びブッシュ(29)の延長部(28c,29a)に対応して上
部又は下部にのみ形成されている。
【0076】したがって、本実施形態では、上記ブレー
ド(28b)などの片側にのみ延長部(28c)を形成するの
で、構造の簡素化を図ることができる。特に、フロント
ヘッド(22)又はリヤヘッド(23)の一方の変更を要し
ないので、構成が簡素化される。その他の構成、作用及
び効果は実施形態1と同様である。
【0077】
【発明の他の実施の形態】上記実施形態においては、上
記ブレード(28b)とブッシュ(29)の他、シリンダ(2
1)にも延長部(21c)を形成している。しかし、本発明
は、上記ブレード(28b)とブッシュ(29)にのみ延長
部(28c,29a)を形成し、シリンダ(21)には延長部を
形成しなくともよい。その場合、上記ブレード(28b)
及びブッシュ(29)の延長部(28c,29a)がフロントヘ
ッド(22)及びリヤヘッド(23)に干渉しないように該
フロントヘッド(22)及びリヤヘッド(23)に凹部が形
成されている。
【0078】つまり、上記ブレード(28b)とブッシュ
(29)の間は、直線運動で摺動速度が大きく、PV値が
大きい。しかし、上記ブッシュ(29)とシリンダ(21)
の間は、回転運動で摺動速度がさほど大きくなく、PV
値が小さい。したがって、上記ブレード(28b)とブッ
シュ(29)にのみ延長部(28c,29a)を形成するように
してもよい。
【0079】また、本発明の回転式圧縮機は、R410
Aなどの冷媒にも適用することができることは勿論のこ
と、空気調和装置に用いられるものに限定されるもので
はない。
【0080】また、実施形態3と実施形態2とを組み合
わせてもよく、つまり、実施形態3において、実施形態
2と同様に、吸入側のブッシュ(29)にのみ延長部(29
a)を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す回転式圧縮機の縦断
面図である。
【図2】実施形態1の回転式圧縮機における圧縮機構の
縦断面図である。
【図3】実施形態1の揺動ピストン及びブッシュを示す
斜視図である。
【図4】実施形態1のシリンダを示す斜視図である。
【図5】従来の揺動ピストン及びブッシュを示す斜視図
である。
【図6】従来のシリンダを示す斜視図である。
【図7】実施形態2の揺動ピストン及びブッシュを示す
斜視図である。
【図8】実施形態3の揺動ピストン及びブッシュを示す
斜視図である。
【図9】実施形態3の他の揺動ピストン及びブッシュを
示す斜視図である。
【符号の説明】
1 回転式圧縮機 20 圧縮機構 21 シリンダ 21c 延長部 25 シリンダ室 26 ブレード 28 揺動ピストン 28b ブレード 28c 延長部 29 ブッシュ 29a 延長部 33 駆動軸 33a 偏心軸 41 吸入口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ室(25)に揺動ピストン(28)
    が収納され、 該揺動ピストン(28)に一体形成されたブレード(28
    b)がブッシュ(29)を介してシリンダ(21)に挿入さ
    れた回転式圧縮機であって、 上記ブレード(28b)及びブッシュ(29)には駆動軸(3
    3)の軸方向に延びる延長部(28c,29a)が形成されて
    いることを特徴とする回転式圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 シリンダ(21)には、ブッシュ(29)の延長部(29a)
    が接する部分に延長部(21c)が形成されていることを
    特徴とする回転式圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 吸入側のブッシュ(29)と吐出側のブッシュ(29)とが
    設けられ、 該吸入側のブッシュ(29)に延長部(29a)が形成され
    ていることを特徴とする回転式圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 延長部(28c,29a)は、ブレード(28b)及びブッシュ
    (29)の上端面又は下端面に形成されていることを特徴
    とする回転式圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 圧縮する流体は二酸化炭素であることを特徴とする回転
    式圧縮機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110140269A (zh) * 2017-06-30 2019-08-16 古河电气工业株式会社 电线用外装体和带外装体的线束

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