JP2001182642A - 内燃機関用燃料噴射ノズル - Google Patents
内燃機関用燃料噴射ノズルInfo
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- JP2001182642A JP2001182642A JP36912899A JP36912899A JP2001182642A JP 2001182642 A JP2001182642 A JP 2001182642A JP 36912899 A JP36912899 A JP 36912899A JP 36912899 A JP36912899 A JP 36912899A JP 2001182642 A JP2001182642 A JP 2001182642A
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- Japan
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- fuel injection
- injection nozzle
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- combustion engine
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 燃料噴射ノズルの外表面や燃料噴射孔内面に
固体浮遊物が付着し難くし、付着しても容易に脱落させ
ることが可能な燃料噴射ノズルの提供を目的とする。 【解決手段】 内燃機関の燃焼過程で発生する個体浮遊
物を含む燃料燃焼後のガスに曝される燃料噴射面3a
と、全ての燃料噴射孔3c…の内面とに、撥水性の被膜
層5を形成して燃料噴射ノズル3とした。
固体浮遊物が付着し難くし、付着しても容易に脱落させ
ることが可能な燃料噴射ノズルの提供を目的とする。 【解決手段】 内燃機関の燃焼過程で発生する個体浮遊
物を含む燃料燃焼後のガスに曝される燃料噴射面3a
と、全ての燃料噴射孔3c…の内面とに、撥水性の被膜
層5を形成して燃料噴射ノズル3とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガソリンエンジ
ン,ディーゼルエンジンに代表される内燃機関の燃料噴
射用ノズルに関し、特に、燃料燃焼時に発生する固体浮
遊物がノズル周辺部やノズル噴射孔内に付着することを
抑止できる構造を採用した点に技術的特徴を有するもの
である。
ン,ディーゼルエンジンに代表される内燃機関の燃料噴
射用ノズルに関し、特に、燃料燃焼時に発生する固体浮
遊物がノズル周辺部やノズル噴射孔内に付着することを
抑止できる構造を採用した点に技術的特徴を有するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ガソリンエンジンやディーゼルエンジン
等の内燃機関では、燃焼過程で固体浮遊物(主に、カー
ボン)が発生し、この固体浮遊物がシリンダの内面、給
気弁、排気弁、点火プラグ、燃料噴射ノズル(インジェ
クターノズル)等に付着することが知られている。そし
て、シリンダの内面に付着した固体浮遊物は、燃料の燃
焼熱による再燃焼で気化し、燃焼ガスと共に排気管から
排出されたり、シリンダ内面に噴霧されるオイルによっ
て表面から脱落したりする。なお、シリンダ内に残った
未燃焼の固体浮遊物は、燃焼熱と燃焼により発生した気
流の力で排気管から排出されるし、シリンダ内面や他の
部位に付着してしまった固体浮遊物も、この強い気流の
力で付着面から脱落して排気管から排出されるので、シ
リンダの内面、給気弁、排気弁、点火プラグ等に付着し
た固体浮遊物が大きな問題となることはない。
等の内燃機関では、燃焼過程で固体浮遊物(主に、カー
ボン)が発生し、この固体浮遊物がシリンダの内面、給
気弁、排気弁、点火プラグ、燃料噴射ノズル(インジェ
クターノズル)等に付着することが知られている。そし
て、シリンダの内面に付着した固体浮遊物は、燃料の燃
焼熱による再燃焼で気化し、燃焼ガスと共に排気管から
排出されたり、シリンダ内面に噴霧されるオイルによっ
て表面から脱落したりする。なお、シリンダ内に残った
未燃焼の固体浮遊物は、燃焼熱と燃焼により発生した気
流の力で排気管から排出されるし、シリンダ内面や他の
部位に付着してしまった固体浮遊物も、この強い気流の
力で付着面から脱落して排気管から排出されるので、シ
リンダの内面、給気弁、排気弁、点火プラグ等に付着し
た固体浮遊物が大きな問題となることはない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料噴
射ノズルにおいては、ノズル表面が燃料の通過による冷
却効果によって気化成分の結露が生じ易く、固体浮遊物
が付着し易く剥がれ難い状態となってしまう。そして、
燃料噴射ノズルの噴射孔内面に付着物が貯まって目詰ま
りすると、燃料の均一な噴霧が行えなくなるので、到底
望ましい状態ではない。しかも、ノズルの外表面に付着
物が存在した場合でも、高圧で噴射孔から吹き出した燃
料を飛散させる気流が乱れてしまうことから、燃料の均
一な噴霧を期せなくなる。
射ノズルにおいては、ノズル表面が燃料の通過による冷
却効果によって気化成分の結露が生じ易く、固体浮遊物
が付着し易く剥がれ難い状態となってしまう。そして、
燃料噴射ノズルの噴射孔内面に付着物が貯まって目詰ま
りすると、燃料の均一な噴霧が行えなくなるので、到底
望ましい状態ではない。しかも、ノズルの外表面に付着
物が存在した場合でも、高圧で噴射孔から吹き出した燃
料を飛散させる気流が乱れてしまうことから、燃料の均
一な噴霧を期せなくなる。
【0004】このように、従来の燃料噴射ノズルでは、
外表面や噴射孔内面に付着した付着物が除去できないた
めに、空気と燃料の混合比(空燃比)が適正に保たれ
ず、燃焼不良が発生してしまい、燃費効率が悪くなると
共に廃棄有害物質が増えて大変危険である。よって、従
来の内燃機関、特に固体浮遊物生成物質を多く含む燃料
を使用しているディーゼルエンジンを搭載した自動車で
は、定期整備時にインジェクターの交換が標準的な作業
手順として組み込まれている程である。
外表面や噴射孔内面に付着した付着物が除去できないた
めに、空気と燃料の混合比(空燃比)が適正に保たれ
ず、燃焼不良が発生してしまい、燃費効率が悪くなると
共に廃棄有害物質が増えて大変危険である。よって、従
来の内燃機関、特に固体浮遊物生成物質を多く含む燃料
を使用しているディーゼルエンジンを搭載した自動車で
は、定期整備時にインジェクターの交換が標準的な作業
手順として組み込まれている程である。
【0005】なお、燃料噴射ノズルは、燃料の微細化の
ために高圧で燃料を噴射するため、燃料噴射圧力によっ
てある程度の付着物は除去できるものの、完全に除去す
ることはできない。また、燃料噴射ノズルの表面を鏡面
加工することで付着物のアンカー効果を低減させて、付
着物を剥がれ易くする構造も提案されているが、高精度
の鏡面加工が必要とされる上に、経年による表面劣化が
生ずると付着物の除去機能を有効に発揮できないという
問題もある。
ために高圧で燃料を噴射するため、燃料噴射圧力によっ
てある程度の付着物は除去できるものの、完全に除去す
ることはできない。また、燃料噴射ノズルの表面を鏡面
加工することで付着物のアンカー効果を低減させて、付
着物を剥がれ易くする構造も提案されているが、高精度
の鏡面加工が必要とされる上に、経年による表面劣化が
生ずると付着物の除去機能を有効に発揮できないという
問題もある。
【0006】そこで、本発明は、燃料噴射ノズルの外表
面や燃料噴射孔内面に固体浮遊物が付着し難くし、付着
しても容易に脱落させることが可能な燃料噴射ノズルの
提供を目的とする。
面や燃料噴射孔内面に固体浮遊物が付着し難くし、付着
しても容易に脱落させることが可能な燃料噴射ノズルの
提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、内燃機関用の燃料を微粒化
して噴霧するために用いる内燃機関用燃料噴射ノズル
(3)において、少なくとも、内燃機関の燃焼過程で発
生する個体浮遊物を含む燃料燃焼後のガスに曝される外
表面(例えば、燃料噴射面3a)と、全ての燃料噴射孔
(3c)の内面とに、撥水性の被膜層(5)を備えるこ
とを特徴とする。
に、請求項1に係る発明は、内燃機関用の燃料を微粒化
して噴霧するために用いる内燃機関用燃料噴射ノズル
(3)において、少なくとも、内燃機関の燃焼過程で発
生する個体浮遊物を含む燃料燃焼後のガスに曝される外
表面(例えば、燃料噴射面3a)と、全ての燃料噴射孔
(3c)の内面とに、撥水性の被膜層(5)を備えるこ
とを特徴とする。
【0008】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に記載の内燃機関用燃料噴射ノズルにおいて、撥水性
の被膜層が、フッ素系樹脂を共析させた金属を被覆して
形成したものであることを特徴とする。
1に記載の内燃機関用燃料噴射ノズルにおいて、撥水性
の被膜層が、フッ素系樹脂を共析させた金属を被覆して
形成したものであることを特徴とする。
【0009】また、請求項3に係る発明は、上記請求項
1に記載の内燃機関用燃料噴射ノズルにおいて、撥水性
の被膜層が、硫黄化合物を共析させた金属を被覆して形
成したものであることを特徴とする。
1に記載の内燃機関用燃料噴射ノズルにおいて、撥水性
の被膜層が、硫黄化合物を共析させた金属を被覆して形
成したものであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、添付図面に基づいて、本発
明に係る内燃機関用燃料噴射ノズルの実施形態を説明す
る。
明に係る内燃機関用燃料噴射ノズルの実施形態を説明す
る。
【0011】図1は、内燃機関の一例たるエンジン1の
概略断面を示すもので、例えば、シリンダ内の燃焼室1
aにインジェクター2で燃料を直接噴霧する直噴式であ
る。そして、上記インジェクタ2の先端に取り付けられ
た燃料噴射ノズル3は、燃焼室1aに直接臨む状態とな
っていることから、燃焼過程で発生する個体浮遊物を含
む燃料燃焼後のガスに曝される。
概略断面を示すもので、例えば、シリンダ内の燃焼室1
aにインジェクター2で燃料を直接噴霧する直噴式であ
る。そして、上記インジェクタ2の先端に取り付けられ
た燃料噴射ノズル3は、燃焼室1aに直接臨む状態とな
っていることから、燃焼過程で発生する個体浮遊物を含
む燃料燃焼後のガスに曝される。
【0012】上記燃焼室1aに臨む燃料噴射ノズル3
は、図2に示すように、ほぼ円形の燃料噴射面3aの外
縁部から傾斜状の側壁部3bに連なる円盤状としてあ
る。また、燃料噴射面3aの適所には多数の燃料噴射孔
3c…を適宜に設け、内側面3dから高圧で供給された
燃料が燃料噴射孔3cから微細な粒滴状となって燃焼室
1aへ噴射される。なお、燃料噴射のズル3の外周適所
には、半円状の第1切欠部3dと直線状の第2切欠部3
eとを形成するものとし、これら第1,第2切欠部3
d,3eが燃料噴射ノズル3の中心を通る直線上に位置
することを避けて(図2においては、燃料噴霧ノズル3
の中心と第1,第2切欠部3d,3eのなす角度をほぼ
120゜にして)形成する。斯くすれば、第1切欠部3
dと第2切欠部3eの形成位置の関係に基づいて燃料噴
射ノズル3の表裏が区別し易くなり、組立時における取
付ミスを効果的に防止できる。
は、図2に示すように、ほぼ円形の燃料噴射面3aの外
縁部から傾斜状の側壁部3bに連なる円盤状としてあ
る。また、燃料噴射面3aの適所には多数の燃料噴射孔
3c…を適宜に設け、内側面3dから高圧で供給された
燃料が燃料噴射孔3cから微細な粒滴状となって燃焼室
1aへ噴射される。なお、燃料噴射のズル3の外周適所
には、半円状の第1切欠部3dと直線状の第2切欠部3
eとを形成するものとし、これら第1,第2切欠部3
d,3eが燃料噴射ノズル3の中心を通る直線上に位置
することを避けて(図2においては、燃料噴霧ノズル3
の中心と第1,第2切欠部3d,3eのなす角度をほぼ
120゜にして)形成する。斯くすれば、第1切欠部3
dと第2切欠部3eの形成位置の関係に基づいて燃料噴
射ノズル3の表裏が区別し易くなり、組立時における取
付ミスを効果的に防止できる。
【0013】而して、この燃料噴射ノズル3は、図3に
示す如く、基材4の外表面に撥水性の被膜層5を形成し
たものとし、被膜層5の作用により、燃料噴射面3aお
よび燃料噴射孔内面3fの表面張力が大となって、燃焼
ガスに含まれる固体浮遊物が付着することを効果的に抑
止できると共に、付着してしまった固体浮遊物も容易に
剥離させることが可能となる。したがって、燃料噴射ノ
ズル3の燃料噴射面3aや燃料噴射孔3c内面に付着し
た固体浮遊物により空燃比が不適正となることに起因し
て燃焼不良が発生することを効果的に防止でき、燃費効
率の向上と廃棄有害物質の減少を期待できる。
示す如く、基材4の外表面に撥水性の被膜層5を形成し
たものとし、被膜層5の作用により、燃料噴射面3aお
よび燃料噴射孔内面3fの表面張力が大となって、燃焼
ガスに含まれる固体浮遊物が付着することを効果的に抑
止できると共に、付着してしまった固体浮遊物も容易に
剥離させることが可能となる。したがって、燃料噴射ノ
ズル3の燃料噴射面3aや燃料噴射孔3c内面に付着し
た固体浮遊物により空燃比が不適正となることに起因し
て燃焼不良が発生することを効果的に防止でき、燃費効
率の向上と廃棄有害物質の減少を期待できる。
【0014】なお、本実施形態においては、燃料噴射面
3aの全面と燃料噴射孔内面3fに撥水性の被膜層5を
形成するものとしたが、例えば、側壁部3bや内側面3
gにも撥水性の被膜層5を形成するようにしても良い。
3aの全面と燃料噴射孔内面3fに撥水性の被膜層5を
形成するものとしたが、例えば、側壁部3bや内側面3
gにも撥水性の被膜層5を形成するようにしても良い。
【0015】上記のような撥水性の被膜層5は、基材4
に対してコンポジットメッキ(サテンメッキ)を施すこ
とで形成できる。
に対してコンポジットメッキ(サテンメッキ)を施すこ
とで形成できる。
【0016】例えば、フッ素系樹脂の撥水性を利用した
被膜層5を形成する場合は、アディティブ法,エッチン
グ法,プレス法,ドリリング法,レーザ法等により燃料
噴射孔3cとなる孔を形成した基材4を、フッ素系樹脂
を含有したコンポジットメッキ液に浸漬することで、基
材4の表面に金属と樹脂とを共析させ、基材4の表面に
撥水性の被膜層5を形成する。このように、金属とフッ
素系樹脂とを共析させることにより形成した被膜層5
は、高い耐熱性(300℃程度)を有するので、250
℃程度にまで上がる内燃機関の系内温度にも十分耐える
ことができ、継続的使用に十分耐えられる。なお、コン
ポジットメッキ液に使うフッ素系樹脂は、1μm以下の
粉体を用いることが望ましい。フッ素系樹脂の粒径が大
きいと、それだけ燃料噴射孔3c内面の膜厚が厚くなる
ため、孔寸法を製品公差内に止め難いからである。
被膜層5を形成する場合は、アディティブ法,エッチン
グ法,プレス法,ドリリング法,レーザ法等により燃料
噴射孔3cとなる孔を形成した基材4を、フッ素系樹脂
を含有したコンポジットメッキ液に浸漬することで、基
材4の表面に金属と樹脂とを共析させ、基材4の表面に
撥水性の被膜層5を形成する。このように、金属とフッ
素系樹脂とを共析させることにより形成した被膜層5
は、高い耐熱性(300℃程度)を有するので、250
℃程度にまで上がる内燃機関の系内温度にも十分耐える
ことができ、継続的使用に十分耐えられる。なお、コン
ポジットメッキ液に使うフッ素系樹脂は、1μm以下の
粉体を用いることが望ましい。フッ素系樹脂の粒径が大
きいと、それだけ燃料噴射孔3c内面の膜厚が厚くなる
ため、孔寸法を製品公差内に止め難いからである。
【0017】また、硫黄化合物の撥水性を利用した被膜
層5を形成する場合も同様に、アディティブ法,エッチ
ング法,プレス法,ドリリング法,レーザ法等により燃
料噴射孔3cとなる孔を形成した基材4を、硫黄化合物
を含有したコンポジットメッキ液に浸漬することで、基
材4の表面に金属と硫黄化合物とを共析させ、基材4の
表面に撥水性の被膜層5を形成すれば良い。
層5を形成する場合も同様に、アディティブ法,エッチ
ング法,プレス法,ドリリング法,レーザ法等により燃
料噴射孔3cとなる孔を形成した基材4を、硫黄化合物
を含有したコンポジットメッキ液に浸漬することで、基
材4の表面に金属と硫黄化合物とを共析させ、基材4の
表面に撥水性の被膜層5を形成すれば良い。
【0018】さらに、燃料噴射ノズル3の成型に用いる
エラストマー樹脂型の表面を活性化させた状態で、フッ
素系樹脂を含有したコンポジットメッキ液に浸漬して金
属と樹脂を規定の厚さまで析出させることにより、被覆
層5と同じ素材で燃料噴射ノズル3を形成するようにし
ても良い。また、コンポジットメッキ液を節約するため
に、金属と樹脂を数マイクロメータ程度の厚さまで析出
させた後に、基材となる物質をメッキすることで、規定
の厚さの燃料噴射ノズル3を形成するようにしても良
い。
エラストマー樹脂型の表面を活性化させた状態で、フッ
素系樹脂を含有したコンポジットメッキ液に浸漬して金
属と樹脂を規定の厚さまで析出させることにより、被覆
層5と同じ素材で燃料噴射ノズル3を形成するようにし
ても良い。また、コンポジットメッキ液を節約するため
に、金属と樹脂を数マイクロメータ程度の厚さまで析出
させた後に、基材となる物質をメッキすることで、規定
の厚さの燃料噴射ノズル3を形成するようにしても良
い。
【0019】なお、メッキ加工工程で用いる添加物質の
種類や量、メッキ条件の制御に応じて、被膜層5の撥水
性や耐熱性を変化させることができ、これらは特に限定
されるものではない。とにかく、内燃機関の燃焼過程で
発生する個体浮遊物を含む燃料燃焼後のガスに曝される
外表面と、全ての燃料噴射孔の内面とに、撥水性の被膜
層を形成して、固体浮遊物の付着抑制と付着してしまっ
た固体浮遊物の離脱を用意にする機能が実現されれば、
如何様な方法によって被膜層を形成しても構わない。
種類や量、メッキ条件の制御に応じて、被膜層5の撥水
性や耐熱性を変化させることができ、これらは特に限定
されるものではない。とにかく、内燃機関の燃焼過程で
発生する個体浮遊物を含む燃料燃焼後のガスに曝される
外表面と、全ての燃料噴射孔の内面とに、撥水性の被膜
層を形成して、固体浮遊物の付着抑制と付着してしまっ
た固体浮遊物の離脱を用意にする機能が実現されれば、
如何様な方法によって被膜層を形成しても構わない。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る内
燃機関用燃料噴射ノズルによれば、内燃機関の燃焼過程
で発生する個体浮遊物を含む燃料燃焼後のガスに曝され
る外表面と、全ての燃料噴射孔の内面を撥水性の被膜層
で覆うこととしたので、ノズルの外表面および燃料噴射
孔内面の表面張力が大となって、燃焼ガスに含まれる固
体浮遊物がノズルの外表面および燃料噴射孔内面に付着
することを効果的に抑止できると共に、付着してしまっ
た固体浮遊物も容易に剥離させることが可能となる。
燃機関用燃料噴射ノズルによれば、内燃機関の燃焼過程
で発生する個体浮遊物を含む燃料燃焼後のガスに曝され
る外表面と、全ての燃料噴射孔の内面を撥水性の被膜層
で覆うこととしたので、ノズルの外表面および燃料噴射
孔内面の表面張力が大となって、燃焼ガスに含まれる固
体浮遊物がノズルの外表面および燃料噴射孔内面に付着
することを効果的に抑止できると共に、付着してしまっ
た固体浮遊物も容易に剥離させることが可能となる。
【0021】したがって、燃料噴射ノズルの外表面や燃
料噴射孔内面に付着した固体浮遊物により空燃比が不適
正となることに起因して燃焼不良が発生することを効果
的に防止でき、燃費効率の向上と廃棄有害物質の減少を
期待できる。
料噴射孔内面に付着した固体浮遊物により空燃比が不適
正となることに起因して燃焼不良が発生することを効果
的に防止でき、燃費効率の向上と廃棄有害物質の減少を
期待できる。
【0022】また、請求項2に係る内燃機関用燃料噴射
ノズルの如く、フッ素系樹脂を共析させた金属を被覆し
て撥水層を形成した場合と、請求項3に係る内燃機関用
燃料噴射ノズルの如く、硫黄化合物を共析させた金属を
被覆して撥水層を形成した場合には、表面耐熱性が30
0℃程度にまで高くなるので、単純にフッ素系樹脂や硫
黄化合物を塗布した場合とは異なり、250℃程度にま
で上がる内燃機関の系内温度にも十分耐えることがで
き、継続的使用に十分耐えられる。
ノズルの如く、フッ素系樹脂を共析させた金属を被覆し
て撥水層を形成した場合と、請求項3に係る内燃機関用
燃料噴射ノズルの如く、硫黄化合物を共析させた金属を
被覆して撥水層を形成した場合には、表面耐熱性が30
0℃程度にまで高くなるので、単純にフッ素系樹脂や硫
黄化合物を塗布した場合とは異なり、250℃程度にま
で上がる内燃機関の系内温度にも十分耐えることがで
き、継続的使用に十分耐えられる。
【図1】内燃機関たるエンジンの概略断面図である。
【図2】本発明に係る燃料噴射ノズルの正面図である。
【図3】図2におけるIII−III拡大断面図であ
る。
る。
3 燃料噴射ノズル 3a 燃料噴射面 3c 燃料噴射孔 5 被膜層
Claims (3)
- 【請求項1】 内燃機関用の燃料を微粒化して噴霧する
ために用いる内燃機関用燃料噴射ノズルにおいて、 少なくとも、内燃機関の燃焼過程で発生する個体浮遊物
を含む燃料燃焼後のガスに曝される外表面と、全ての燃
料噴射孔の内面とに、撥水性の被膜層を備えることを特
徴とする内燃機関用燃料噴射ノズル。 - 【請求項2】 撥水性の被膜層は、フッ素系樹脂を共析
させた金属を被覆して形成したものであることを特徴と
する請求項1に記載の内燃機関用燃料噴射ノズル。 - 【請求項3】 撥水性の被膜層は、硫黄化合物を共析さ
せた金属を被覆して形成したものであることを特徴とす
る請求項1に記載の内燃機関用燃料噴射ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36912899A JP2001182642A (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | 内燃機関用燃料噴射ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36912899A JP2001182642A (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | 内燃機関用燃料噴射ノズル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001182642A true JP2001182642A (ja) | 2001-07-06 |
Family
ID=18493638
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36912899A Pending JP2001182642A (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | 内燃機関用燃料噴射ノズル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001182642A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6443375B2 (en) * | 1998-04-28 | 2002-09-03 | Hitachi, Ltd. | Fuel injection valve coated with anti-fouling perfluoropolyether film layer and associated method, and direct injection engine using same |
DE102005019814B4 (de) * | 2004-04-30 | 2010-03-04 | General Motors Corp., Detroit | Injektor mit kraftstoffablagerungsbeständiger Leitplatte |
DE102015108320A1 (de) | 2014-06-27 | 2015-12-31 | Denso Corporation | Kraftstoffeinspritzdüse |
JP2019199838A (ja) * | 2018-05-17 | 2019-11-21 | 愛三工業株式会社 | 燃料噴射弁 |
-
1999
- 1999-12-27 JP JP36912899A patent/JP2001182642A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6443375B2 (en) * | 1998-04-28 | 2002-09-03 | Hitachi, Ltd. | Fuel injection valve coated with anti-fouling perfluoropolyether film layer and associated method, and direct injection engine using same |
DE102005019814B4 (de) * | 2004-04-30 | 2010-03-04 | General Motors Corp., Detroit | Injektor mit kraftstoffablagerungsbeständiger Leitplatte |
DE102015108320A1 (de) | 2014-06-27 | 2015-12-31 | Denso Corporation | Kraftstoffeinspritzdüse |
JP2019199838A (ja) * | 2018-05-17 | 2019-11-21 | 愛三工業株式会社 | 燃料噴射弁 |
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Legal Events
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