JP2001182562A - 車両用エンジンの制御装置 - Google Patents

車両用エンジンの制御装置

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JP2001182562A
JP2001182562A JP37250899A JP37250899A JP2001182562A JP 2001182562 A JP2001182562 A JP 2001182562A JP 37250899 A JP37250899 A JP 37250899A JP 37250899 A JP37250899 A JP 37250899A JP 2001182562 A JP2001182562 A JP 2001182562A
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engine
throttle valve
output
vehicle
accelerator pedal
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JP37250899A
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English (en)
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Toru Inoue
亨 井上
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト式無段変速装置等のCVTを有する車
両に好適な、エンジンの制御装置を提供する。 【解決手段】 車軸駆動装置の伝動系路上にトルク検出
器34を設けた上で、アクセル操作具21がアイドリ
ング近傍領域のときは前記トルク検出器34の検出結果
をキャンセルし、前記アクセル操作具21が上記領域
を超えたときは前記トルク検出器34の検出結果が前記
アクセル操作具21の操作量に加算されてエンジンのス
ロットルバルブ130を開くような連係機構300を設
け、更に、前記連係機構300の出力側と前記スロット
ルバルブ130との間に、スプリング340と、前記エ
ンジンの回転数上昇に応じて前記スロットルバルブ13
0の開度を小さくする方向へ操作するガバナ25とを直
列接続して設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト式無段変速
装置や静油圧式無段変速装置等のCVT(Contin
uouslyVariableTransmissio
n)を有する車両に好適なエンジンの制御装置の構成に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エンジンの回転を車軸に伝え
て駆動する車両において、エンジンから車軸までの駆動
伝達径路上に回転数を取り出すためのセンサを設けた構
成のエンジンの速度制御装置は公知とされており、例え
ば特開昭54−67125に開示される技術がある。こ
の速度制御装置は、速度を一定にする必要のある車両、
例えばゴルフカート等の運搬車に適用されるもので、エ
ンジンから車軸までの駆動伝達経路上に配置される伝動
軸の回転数を検出するようにしている。具体的には、こ
の速度制御装置は、上記伝動軸に取り付けられ遠心力に
応じて外側に回動することで該伝動軸の回転数を検出す
るセンサであるガバナウェイト、このガバナウェイトの
外側への回動に連係して軸方向に移動されるリフタ、該
リフタに対して係合連動するガバナフォーク、該ガバナ
フォークをエンジンのスロットルバルブと連係するリン
ク機構により構成されて、これにより上記伝動軸の回転
数を検出してそれに応じてエンジンの燃料噴射量を調節
することによって、燃料噴射量と回転速度との間に常に
一定の関係を保つようにしている。
【0003】このような速度制御装置は、車両のエンジ
ン出力軸から車軸へ至る駆動伝達経路上に設置されるベ
ルト式無段変速装置等のCVTであって、エンジンの回
転数又は負荷を検出するセンシング手段を備え、該エン
ジンの回転数の上昇(負荷の減少)に伴って自動的に小
減速比側へシフトし、回転数の減少(負荷の増大)に応
じて自動的に大減速比側にシフトするように構成された
ものと組み合わせると非常に有効である。即ち、エンジ
ンの出力軸の回転を上述のCVTにより無段変速し、そ
の動力をトランスミッションにより車軸へ伝動するよう
に構成した上で、上述の速度制御装置のセンサをCVT
より下流側、即ち、トランスミッションの入力軸から車
軸に至る駆動伝達経路上にある伝動軸に配置すること
で、エンジンの回転数又は負荷をCVTの上記センシン
グ手段により検出してCVTの減速比を調整し、車軸側
に加わる負荷による上記伝動軸の回転数の減少を速度制
御装置のセンサにより検出してエンジンのスロットルバ
ルブの開度を調整するように構成するのである。
【0004】この構成により、例えば、車両が坂道を登
るときにおいては、発生する勾配抵抗によりCVTが自
動的に大減速比側にシフトするが、同時に、車軸に加わ
る負荷の増大による回転数の減少を上記センサにより検
出して燃料噴射量を増大させるために、エンジンの回転
数が一時的に増加して、結果として車速を一定に保つこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の速度制
御装置とCVTとを組み合わせる上述のような構成で
は、トランスミッションにクラッチ機構や変速機構を組
み込んだときに、以下の不具合があったのである。即
ち、例えばクラッチ装置の動力下流側に位置する伝動軸
に上記速度制御装置のセンサを設けた場合は、クラッチ
装置が「切」状態であるときにオペレータがアクセルペ
ダルを踏み込んでスロットルバルブを開けていわゆる
「空ふかし」を行うと、クラッチ装置が「切」状態であ
るために上記伝動軸は回転されないので速度制御装置は
回転数ゼロを検出してスロットルバルブを更に開く方向
へ制御してしまうこととなり、エンジンがオーバーラン
を起こすおそれがあったのである。また、速度制御装置
のセンサを変速装置の下流側に設けた場合も、該変速装
置を中立位置としてオペレータがアクセルペダルを踏み
込んでしまうと、同様の理由でエンジンがオーバーラン
を起こすおそれがあったのである。従って、上述の不具
合を回避するためには、クラッチ機構や変速機構より動
力上流側の伝動軸(例えば、トランスミッションの上記
入力軸)に速度制御装置のセンサを配置する必要があ
り、設計の自由度が阻害されていたのである。
【0006】上記技術の不具合を回避する手段として、
同一出願人による特願平10−206187号に開示さ
れる技術を挙げることができる。この技術は、エンジン
の出力軸から車軸へ至る動力伝達経路途中の伝動軸にお
いて、車軸に加わる負荷トルクの大きさを検出するセン
サを設けて、その負荷トルクの大きさに応じてエンジン
のスロットルバルブの開度を調節する、トルク検出式調
速機構を構成するものである。従って、負荷トルクの増
大を回転数減少という現象を介していわば間接的に検知
する従来の技術(回転数検出式調速機構)に比べて、負
荷トルクの変化に素早く追随してスロットルバルブの開
度を変更することができ、上述の例に照らしていえば、
車両が坂道に差し掛かった場合にも負荷増大による検出
回転数の減少(即ち、車両の減速)を待つことなく素早
くエンジンの回転数を上げる制御ができるので、軽快な
操作感や走行安定性をオペレータに提供することができ
るのである。
【0007】この技術は上記効果を主眼として開発され
たものであるが、その他にも、エンジン回転数を一定
になるよう制御する回転数検出式調速機構に比して、必
要な場合にはエンジンの回転数をより大きくする制御が
可能であり、より大きい駆動力を発揮できる、あるいは
回転数を一定になるよう制御する回転数検出式調速機
構に比して、無負荷時又は低負荷時(例えばアイドリン
グ時や、平坦路面を一定速度で走行する時)においては
回転数を最小限に抑える制御が可能であり、結果として
騒音が小さく良好であるという効果を有する。また副次
的な効果として、上述のエンジンオーバーラン発生の不
具合を解消する効果をも有するのである。即ち、クラッ
チ機構や変速機構より動力下流側の伝動軸にセンサを設
けた場合に、例えばオペレータがクラッチ機構を「切」
としていわゆる「空ふかし」を行っても、該伝動軸上の
センサが検知するトルクはゼロであることからスロット
ルバルブを更に開くということがなくなる(逆にスロッ
トルバルブを絞って回転数を抑える制御が行われる)の
で、エンジンのオーバーランが起こらない構成とするこ
とができるのである。従って、該センサをCVTより動
力下流側の自由な位置に配置することができ、設計の自
由度が阻害されないのである。
【0008】しかしながら、このトルク検出式調速機構
は、センサ部分で負荷トルクの増大が感知されるといか
なる場合でもオペレータの意思と無関係にエンジンのス
ロットルバルブを開く制御を行ってしまうので、以下の
ような不具合を生じることが判明したのである。
【0009】例えば、車両を発進させるべくオペレータ
がアクセルペダルを踏み込んで、ある事情ですぐに車両
の加速をやめるべくアクセルペダルから足を離した場
合、上記センサにより車両の始動トルク(車両に発生す
る加速抵抗により車軸に負荷として加わるトルク)を検
知した調速機構はエンジンのスロットルバルブを開い
て、既にアクセルペダルの踏込みが解除されているのに
もかかわらずエンジン回転数を上げる制御を行ってしま
うのである。つまり、アクセルペダルを一度踏み込んだ
場合は一定速度に達するまで(検出されるトルクがセン
サに設定された基準トルク以下となるまで)オペレータ
の意思に反して加速を続ける制御となるため、アクセル
ペダルから足を離しても実際に車両が加速を行わなくな
るまでにタイムラグが生じ、操縦応答性が悪いという不
具合を有するのである。
【0010】また、走行中の車両を停止させるために車
軸にブレーキを掛けた場合も、該ブレーキの制動による
トルクを検知した調速機構がエンジンのスロットルバル
ブを開いて、エンジンの回転数を上げる制御を行ってし
まうのである。即ち、エンジンの回転数を上げながらブ
レーキを制動させるということになり、応答性の低下や
制動距離の増大を招くほか、オペレータは思ったとおり
の減速が得られないため更に強くブレーキを作動させて
制動トルクを増大させ、それを検知した調速機構が更に
スロットルバルブを開くという悪循環に陥って、ついに
はブレーキの焼付きによる損傷や、過負荷又はオーバー
ランによるエンジンの故障が発生する恐れがあったので
ある。
【0011】更には、上述するようなトルク検出式調速
機構は、以下の不具合をも有するのである。
【0012】即ち、エンジンには出力できる最高の回転
数(以下、「限界回転数」と表記する)があって、この
限界回転数を超えて回転させるとエンジンの破損等を招
くため、車体に搭載するときはその回転数まで達しない
ようにするのが一般である。この方法としては、平坦な
走路上、即ち、車両に通常程度の走行抵抗が発生する状
態で、アクセルペダルを一杯に踏み込んで走行させた場
合に、エンジン回転数が所定の値(以下、「設定最高回
転数」)となるように設定するのが一般的である。この
設定最高回転数を上記限界回転数より一定の値(マージ
ン分)だけ引いた値に設定することで、限界回転数を超
えてエンジンが回転されることが防止されるのである。
【0013】しかし走行車両が実際に走行する走路・条
件は様々であり、下り坂をアクセルを一杯に踏み込みな
がら走行する場合も考えられる。ここで上記設定最高回
転数は、上述のとおり平坦路における走行抵抗を見込ん
だ状態で設定しているのであるが、下り坂の場合はこの
走行抵抗がほとんどゼロに近くなるので、同じ踏込み量
でも平坦路の場合に比べてエンジンの回転数は増大する
こととなる。従って下り坂でアクセルペダルを一杯に踏
み込んだ場合は、上記設定最高回転数を超えて限界回転
数近くまでエンジンが回転されることとなり、結果とし
てエンジンのオーバーランを引き起こすおそれがあった
のである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
【0015】即ち、請求項1においては、エンジンと、
該エンジンにCVTを介して連動連結された車軸駆動装
置と、を有する車両に具備される車両用エンジンの制御
装置であって、該車軸駆動装置の伝動系路上に設けたト
ルク検出器と、エンジンのスロットルバルブに対してア
クセル操作具と前記トルク検出器とを接続する連係機構
であって、前記アクセル操作具がアイドリング近傍の領
域に操作されたときは前記トルク検出器の検出結果がキ
ャンセルされ、前記アクセル操作具が上記領域を超える
ように操作されたときは前記トルク検出器の検出結果が
前記アクセル操作具の操作量に加算されて前記スロット
ルバルブの開度を大きくし得るように構成されたものと
を有し、更に、前記連係機構の出力側と前記エンジンの
前記スロットルバルブとの間に、スプリングと、前記エ
ンジンの回転数上昇に応じて前記スロットルバルブの開
度を小さくする方向へ操作するガバナとを直列接続して
設けたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
る。図1は本発明の一実施例に係る車両用エンジンの制
御装置を有する運搬車の全体的な構成を示した側面図、
図2は上記運搬車のミッションケース内部の様子を示し
た後面断面展開図、図3はミッションケース内に配設さ
れるトルク検出器の構成を示した後面断面拡大図、図4
は同じく側面断面図、図5はエンジンから車軸に至るま
での動力伝達構成を示したスケルトン図である。
【0017】まず、本発明を適用した実施例である運搬
車の概略構成を図1を参照して説明する。即ちこの運搬
車1は、運転席2の後下方にエンジン3を配置し、該エ
ンジン3の後方にトランスミッション(車軸駆動装置)
4を配置し、該トランスミッション4の左右一側側方に
入力軸5を突出し、該入力軸5はエンジン3の出力軸6
と、CVT(本実施例においてはベルト式無段変速装置
7)を介して連結している。また、トランスミッション
4左右両側方には左右一対の後車軸8・8を突出し、該
後車軸の外端には駆動輪である後輪9・9を固定してい
る。また、機体前方にはフロントアクスルケース10を
支持し、該フロントアクスルケース10内には、左右一
対の前車軸11・11や、該前車軸11・11を差動的
に連結する図略の差動装置を収納している。該前車軸1
1・11の外端には前輪12・12を取り付けており、
該前輪12・12は運転席前方に突設したステアリング
ハンドル13にて操舵可能となるように構成されてい
る。
【0018】上記フロントアクスルケース10には後方
に入力軸14を突出する一方、トランスミッション4左
右一側側部には前輪駆動取出ケース15を凸状に設けて
その前方に前輪駆動軸16を突出しており、前輪駆動軸
16及び入力軸14は伝動軸17及びユニバーサルジョ
イントにて連結される。上記前輪駆動取出ケース15内
にはクラッチ装置18が配設され前輪駆動軸16への駆
動力の断接を行うべく構成しており、該クラッチ装置1
8はレバー等の図示せぬ駆動モード切替手段に連係され
ており、後輪による二輪駆動又は四輪駆動の切替ができ
るようになっている。
【0019】運転席2の前下方には上記差動装置をロッ
クするためのデフロックレバー19が配置され、運転席
2側方にはミッションケース31内の副変速機構を操作
するための副変速レバー20が配置される。また、アク
セル操作具たるアクセルペダル21が運転席前方に配置
され、該アクセルペダル21は上記エンジンにおける燃
料噴射量を調節するスロットルバルブ130(図6等に
図示)に連係されて、上記アクセルペダルの踏込み量に
応じて該スロットルバルブ130の開度を変更して燃料
噴射量を調節することにより、エンジン3の回転数を増
減できるように構成している。また、上記アクセルペダ
ル21には、図略の戻しバネが弾装される。そして、該
エンジン3の出力軸6からベルト式無段変速装置7を経
由して入力軸5からミッションケース31内に入力され
たエンジンの動力は、ミッションケース31内に配設さ
れたトランスミッションを構成する伝動経路を経由し、
該伝動経路上に配置された副変速機構により変速され
て、最終的には後車軸8・8を介して後輪9・9に伝達
されて、運搬車1を駆動させるように構成している。ま
た、上記ミッションケース31の左右側面に取り付けた
ブレーキケース22a・22a内には上記後車軸8・8
を制動するためのブレーキ装置22・22が設けられ、
該ブレーキ装置22・22の各々はブレーキケース22
a・22aの側壁に枢支したブレーキコントロールレバ
ー23にて操作可能に構成されており、該ブレーキコン
トロールレバー23は、アクセルペダル21近傍に配置
される図略の単一のブレーキペダルに連係され、このブ
レーキペダルを踏み込むことにより左右の後車軸8・8
が同時に制動される。
【0020】次に、上記の構成の運搬車1に設けられる
上記トランスミッション4内部の構成について、図2を
参照しながら説明する。
【0021】このトランスミッション4のハウジングで
あるミッションケース31は、左側のケース半部31L
と右側のケース半部31Rとを垂直で平坦な周囲の接合
面にて接合して構成され、接合された内部の区画に、上
記左右一対の後車軸8・8や、この左右の後車軸8・8
を差動的に結合する差動装置32や、上述のデフロック
レバー19に連動して該差動装置32をロックするため
のデフロック装置33や、上記後車軸8・8に負荷とし
て加わるトルクを感知して信号として取り出すためのト
ルク検出器34や、上述の副変速レバー20の操作に連
動して副変速を行う副変速機構35等を配置してある。
【0022】ミッションケース31の上下方向中途位置
には上述の入力軸5が左右方向に横支されて、該入力軸
5の一側をミッションケース31一側側面より外方に突
出させて、該突出部分の端部に割りプーリー構造を成す
従動プーリー36を設置しており、この従動プーリー3
6をもって上述のベルト式無段変速装置7の出力側を構
成するものである。このベルト式無段変速装置7は通例
の如く、エンジン3の回転数の上昇に伴って自動的に小
減速比側へ無段にシフトするように構成されている。た
だし、本実施例のようなベルト式のものに限らず、無段
に自動変速することができればよく、例えば油圧ポンプ
・モータを用いた静油圧式の無段変速装置等に置き換え
ても差し支えない。
【0023】ミッションケース31内には主軸37が上
記入力軸5と同一軸線を有するように配置され、該主軸
37と入力軸5は上述のトルク検出器34を介して結合
される構成としている。該トルク検出器34の具体的構
成については後述する。主軸37は上述の副変速機構3
5の原動側を成すものであって、該主軸37には高速歯
車38を相対回転不能に固定し、低速歯車39及び後進
歯車40を一体的に刻設している。そして、該主軸37
と平行に変速軸41が配置され、該変速軸41には高速
従動ギア42及び後進従動ギア44が相対回転自在に遊
嵌され、高速従動ギア42のボス部上には低速従動ギア
43が相対回転自在に設けられる。そして、高速従動ギ
ア42は主軸37上の高速歯車38に噛合され、低速従
動ギア43は主軸37上の低速歯車39に噛合され、後
進従動ギア44はハウジング内に遊転自在に設けた逆転
ギア45に噛合されて、該逆転ギア45は主軸37上の
後進歯車40と噛合される。
【0024】そして、変速軸41の低速従動ギア43と
後進従動ギア44との間にはスプラインハブ46が相対
回転不能に取り付けられ、該スプラインハブ46上には
クラッチスライダ47が相対回転不能かつ軸方向摺動自
在に設けられる。このクラッチスライダ47は軸方向に
摺動変位されることにより、高速従動ギア42・低速従
動ギア43・後進従動ギア44のいずれか一に係合し
て、正方向の高速回転若しくは低速回転、又は逆方向の
回転を選択的に変速軸41に対し付与できるようにして
おり、又はクラッチスライダ47が上記いずれのギア4
2・43・44にも係合しない中立位置とすることもで
きるように構成している。そしてこのクラッチスライダ
47は直線的に摺動可能に構成した図示せぬクラッチフ
ォークシャフトに連結され、該クラッチフォークシャフ
トは運転席側方の副変速レバー20に連係されて、該副
変速レバー20の傾動操作によりクラッチスライダ47
を低速前進位置、高速前進位置、後進位置、あるいは中
立位置となるよう摺動操作できるようにしている。
【0025】そして、該変速軸41の一端側寄りの部位
には出力ギア51が刻設されて上述の差動装置32に変
速軸41の回転を伝達するように構成している。以下、
この差動装置32について説明する。即ち、この差動装
置32は通例の如き構成であって、後車軸8・8と同一
回転軸心を有するようミッションケース31内に支持さ
れた中空のデフケース52と、該デフケース52外周面
に固設され上記変速軸41の出力ギア51と噛合される
リングギア53と、該デフケース52内において後車軸
8・8と直交配置されデフケース52と一体的に回転す
るピニオン軸54と、該ピニオン軸54の両端に回転自
在に配置されるベベルギアであるピニオン55・55
と、上記後車軸8・8のミッションケース31中央側の
端部に固定され該ピニオン55・55に噛合されるベベ
ルギアであるデフサイドギア56・56により構成され
ている。
【0026】また、該差動装置32をロックするための
デフロック装置33は、デフケース52のリングギア5
3固設位置と逆側に形設されたボス部に軸方向摺動自在
に設置されるデフロックスライダ57と、該デフロック
スライダ57に固設されてその先端をデフケース52内
へ突入させてあるロックピン58と、該ロックピン58
の先端を係止可能とすべく左右一側のデフサイドギア5
6の背面に設けられた係合凹部59より構成され、デフ
ロックスライダ57の摺動操作によりロックピン58が
係合凹部59に係止されてデフケース52と後車軸8が
一体的に連結されて、差動装置32がロックされて左右
の後車軸8・8が同一回転数で駆動されるよう構成して
いる。そして、このデフロックスライダ57は図略のデ
フシフトフォークに連結されて、該デフシフトフォーク
は図示せぬアームやリンク機構等を介して上述のデフロ
ックレバー19に連係されており、該デフロックレバー
の傾動操作により上記差動装置32のロック又はロック
解除の操作を行えるように構成している。また、後車軸
8・8上には摩擦式のディスクブレーキ装置22・22
が配設されて、上述のブレーキペダルにて図1に図示の
ブレーキコントロールレバー23を回動操作することに
より、該ディスクブレーキ装置22の制動操作が行える
ように構成している。
【0027】上記変速軸41の一端はミッションケース
31の左右一側側面より外方へ突出して前記ブレーキケ
ース22aの延長部内に位置させてあり、カップリング
60を介して連結された前輪伝動軸61の先端をこのブ
レーキケース22aの延長部表面より外方へ突出させて
ある。該前輪伝動軸61は、ブレーキケース22aの延
長部表面に凸状に設けられた上述の前輪駆動取出ケース
15内に突入され、該突入部分先端にはベベルギア62
が固定される。また、上記前輪駆動取出ケース15内に
て前輪クラッチ軸63が前後方向に支持され、該前輪ク
ラッチ軸63にはベベルギア64が固設され、該ベベル
ギア64は上記前輪伝動軸61上のベベルギア62に噛
合される。そして、前輪駆動取出ケース15内には上述
の前輪駆動軸16が前輪クラッチ軸63と同一軸線上に
配置され、該前輪駆動軸16は前輪クラッチ軸63に対
し相対回転自在とされる。また、前輪駆動軸16上には
前輪クラッチスライダ65が相対回転不能かつ軸方向摺
動自在に嵌合されており、該クラッチスライダ65はそ
の摺動操作により前輪クラッチ軸63に形設したスプラ
インに係合して、前輪クラッチ軸63の回転を前輪駆動
軸16に伝達することができるように構成している。該
クラッチスライダ65は図示せぬリンク機構を介して上
述の駆動モード切替レバーに連係され、該駆動モード切
替レバーの傾動操作により前輪12・12への出力を断
接して、後輪9による二輪駆動又は前後輪9・12によ
る四輪駆動の切替を可能とすべく構成している。
【0028】次に、上記入力軸5と上記主軸37との間
に介設され、該主軸37に負荷として加わるトルクを検
出する検出手段であるトルク検出器34の具体的な構成
について説明する。
【0029】即ち、図3に示すように、上記入力軸5の
ミッションケース31内側の端面には嵌入孔66が設け
られており、さらに該入力軸5と同一軸線上に配置され
た主軸37の入力軸5側の端面には突起67を形設し
て、該突起67を上記嵌入孔66に挿入してニードルベ
アリングを介し両軸5・37を相対回転自在に支持して
ある。そして入力軸5の主軸37支持位置近傍の外周面
にはスプラインが形成され、該スプライン上にディスク
状の摺動部材68を嵌合させて、相対回転不能かつ軸方
向摺動自在としている。またこのスプライン上にはディ
スク状の入力部材69、及び、止め板70が、該摺動部
材68を挟んでその前後に並置される。この入力部材6
9と止め板70は入力軸5上の上記スプラインに係合さ
せない構成として相対回転自在としており、更に、該ス
プラインの両端位置に設けた止め輪71・71により軸
方向変位が規制されている。そして入力部材69は主軸
37上の上記高速歯車38のボス部に設けた係合爪部に
係合されており、主軸37に対して入力部材69が一体
的に回転するようにしてある。そして、摺動部材68と
止め板70の間には二枚の皿バネ72が積層されて、摺
動部材68を入力部材69側に常時付勢しており、ま
た、ミッションケース31内の伝動系から上記主軸37
を介して該入力部材69に入力される後述の負荷トルク
の大きさに応じて摺動部材68を軸方向に変位させるた
めのカム機構73が、摺動部材68と入力部材69との
間に設けられ、この皿バネ72とカム機構73とによ
り、入力軸5と主軸37とが弾性的に連結される構成と
なっている。
【0030】このカム機構73について以下詳述する。
即ち、図3に示すように上記摺動部材68には半球状の
凹部74が同一円周上に均等に複数形成される一方、該
凹部74に位置を合わせて上記入力部材69にはカム溝
75を形成している。このカム溝75は図4に示すよう
に、入力部材69の回転軸心をその中心とした円弧状の
溝としており、このカム溝75の逆転方向側(入力軸5
の回転方向(図4に白抜き矢印で示す方向)と反対方向
の側をいう。)端部は上記凹部74と径を略等しくした
半球状部分75aとされ、正転方向側(入力軸5の回転
方向と同じ側をいう。以下同じ。)に向かうに従って溝
深さを徐々に浅くした溝部分75bを備えている。な
お、このカム機構73は上述のものに限らず、例えば、
摺動部材68と入力部材69の向かい合う面の各々に傾
斜面を形成して、その斜面同士を接当させたものに構成
しても良い。
【0031】そして、前記カム溝75と前記凹部74と
の間にカム体としての鋼球76が配置され、該鋼球76
はその略半部を上記凹部74に係合されて、残りの略半
部を上記カム溝75内に位置させており、入力部材69
の摺動部材68に対する位相遅れ角を上記カム溝75の
溝部分75bにより両部材68・69間の距離に変換す
るカム機構73を構成しており、この作用は、後述する
負荷トルクを、摺動部材68を皿バネ72の付勢力に抗
して止め板70側へ押動する推力へ変換するために利用
される。尚、原動側と従動側とを逆に考えた場合は、こ
のカム機構73は、両部材68・69間の距離に応じて
入力部材69の摺動部材68に対する位相遅れ角を変更
する作用をも有している。この作用は、上記皿バネ72
が摺動部材68を入力部材69方向へ付勢する付勢力
を、入力部材69を摺動部材68に追随して回転させる
トルクへと変換するために用いられる。
【0032】この構成において、エンジン3の出力軸6
に連結された入力軸5が図4に示す矢印方向に回転さ
れ、該入力軸5に係合された摺動部材68が一体的に回
転される。そして上記皿バネ72が摺動部材68を入力
部材69方向へ付勢する付勢力が、入力部材69を摺動
部材68に追随して回転させるトルクへと上記カム機構
73により上述の如く変換され、該トルクにより入力部
材69が駆動されて主軸37が駆動され、該駆動力が副
変速機構35、差動装置32を経由して後車軸8・8
(又は、後車軸8・8及び前車軸11)に伝達されて、
結果的に入力軸5の回転が車輪9・12に伝達されるの
である。
【0033】次に、上記構成のトルク検出器34が、駆
動系に発生する負荷トルクを検出する作用について説明
する。即ち、車両走行時には前輪12又は後輪9に様々
な形での抵抗が発生し、主なものを挙げれば車輪9・1
2や地表の変形等による転がり抵抗、衝撃抵抗、空気抵
抗、加速抵抗、勾配抵抗等であるが、このような抵抗
は、車輪9・12(車軸8・11)を駆動するのに抗す
る向きのトルクとして上記副変速機構35を介して主軸
37に伝えられ、上記入力部材69に入力される。ま
た、オペレータが上述のブレーキ装置22を作動させて
後車軸8・8に制動作用を付与した場合は、該制動作用
が該後車軸8・8を駆動するのに抗する向きのトルクと
して上記副変速機構35を介して主軸37に伝えられ、
上記入力部材69に入力される。
【0034】上述するようなトルク(車軸8・11が駆
動される方向に対して抗する向きに発生するトルク)を
本明細書において「負荷トルク」と定義するが、この負
荷トルクは入力部材69に、摺動部材68に対して位相
遅れを発生させる方向のトルクとして加わることから、
この負荷トルクは上記カム機構73の上述した作用によ
り、摺動部材68を上記皿バネ72に抗して止め板70
方向へ押動する推力Ft(図3)を発生させる。この力
Ftは上記負荷トルクの大きさが大きいほど大きくなる
一方、摺動部材68を入力部材69側へ押し戻そうとす
る皿バネの力Fsは摺動部材68が止め板70側に接近
されるほど大きくなるので、二つの力Ft・Fsの大き
さが等しくなる平衡位置まで摺動部材68が変位される
こととなり、この摺動部材68の変位量は負荷トルクの
大きさによって一意に定まる。以上により、負荷トルク
の大きさを摺動部材68の軸方向の変位量として取り出
すことができるようにトルク検出器34を構成している
のである。
【0035】次に、この摺動部材68の軸方向への変位
量をミッションケース31外に信号として取り出す構成
について説明する。即ち図3・図4に示すように、この
摺動部材68の近傍位置においてミッションケース31
上壁にセンシング軸77が垂直に支持されており、該セ
ンシング軸77のミッションケース31外側の端部にお
いては出力アーム78の基端が固設される一方、該セン
シング軸77のミッションケース31内側の端部におい
てはセンシングアーム79の基端が固設され、該センシ
ングアーム79の先端には突起80が設けられる。一
方、上記摺動部材68の外周面には環状溝81が欠設さ
れており、該環状溝81には上記センシングアーム79
先端の突起80が係合されている。以上の構成において
摺動部材68が負荷トルクを検知して軸方向へ変位され
ると、その変位量に応じてセンシングアーム79が揺動
してセンシング軸77を回転させ、ミッションケース3
1外の出力アーム78が揺動するので、結果として、摺
動部材68の軸方向変位を出力アーム78の揺動角度に
変換してミッションケース31外に取り出すことができ
るように構成しているのである。
【0036】次に、エンジン3の出力軸6の回転数を検
知するガバナについて説明する。このガバナ25はいわ
ゆる通例のメカニカルガバナと呼ばれるものと同様の構
成であって、該出力軸6に図5の如く取り付けられ遠心
力に応じて外側に回動することで該出力軸6の回転数を
検出するセンサであるガバナウェイト26・26、この
ガバナウェイト26の外側への回動に連係して軸方向に
移動されるリフタ27、該リフタ27に対して係合連動
するガバナフォーク28、ガバナフォーク28の変位を
出力として取り出すための出力アーム29等により構成
される。
【0037】このような構成のもとで、トルク検出器の
出力アーム78をエンジン3のスロットルバルブ130
に連係することにより、負荷トルクの大きさに応じて該
スロットルバルブ130の開度を調節するのであるが、
前述のようなトルク検出式調速機構の不具合を解消すべ
く、上述のアクセルペダル21及び上記出力アーム78
を、本発明のリンク機構(連係機構)を介して上記スロ
ットルバルブ130に連係しているのである。以下に、
本発明の制御装置の実施例を説明する。
【0038】図6は車両用エンジンの制御装置の構成、
及びエンジンのアイドリングを行っている場合の該制御
装置の作動を示した図、図7は車両用エンジンの制御装
置におけるリンク機構の具体的な構成を示した要部拡大
図、図8は図6の状態からアクセルペダルを少量踏み込
み、エンジンのスロットルバルブがわずかに開かれた状
態を示した図、図9は図8の状態からガバナの出力アー
ムが少量傾動されて平衡状態に達し、エンジンのスロッ
トルバルブが開かれた状態を示した図、図10はアクセ
ルペダルを一杯に踏み込んで平坦路を走行する場合のリ
ンクの作動を示した図、図11はアクセルペダルを一杯
に踏み込んで登板する際のリンクの作動を示した図、図
12はアクセルペダルを踏んですぐに踏込みを解除した
場合、又は、ブレーキを作動させた場合に、トルク検出
器の信号をリンクがキャンセルする様子を示した図、図
13はアクセルペダルを一杯に踏み込んで下り坂を走行
する場合に、回転数の増大を検出したガバナがリンク機
構の出力に抗して出力アームを戻し、スロットルバルブ
が絞られる様子を示した図である。
【0039】即ちこの実施例に係る制御装置300は、
図6・図7に示す連係機構たるリンク機構300により
構成される機械式の制御装置とされる。具体的には、車
両機枠の適宜位置に取り付けられる基台90の上面に長
方形平板状のガイド部材310を固定し、該ガイド部材
310にはガイド溝310aが長手方向に欠設され、更
に連結ピン315を該ガイド溝310aに沿って摺動自
在に設けている。基台90上にはこのリンク機構の出力
側を構成する出力部材301が配置され、該出力部材3
01の一端に上記連結ピン315を挿通させ、他端はス
プリング340を介して上記ガバナ25の出力アーム2
9に連係させている。更に基台90上には長方形平板状
のリンクプレート302が上記ガイド部材と垂直に配置
される。このリンクプレート302のほぼ中央位置には
長手方向に沿う長孔331を欠設して、該長孔331に
は上記連結ピン315を挿通してあり、該リンクプレー
ト302が該連結ピン315を介して、回動及び一定距
離の摺動が可能とされつつ上記出力部材301に連結さ
れるように構成している。リンクプレート302の一端
(図6における上側の端部)には上記アクセルペダル2
1に連係したワイヤ111の一端が、該リンクプレート
302に略垂直に接続される。従って、アクセルペダル
21が踏み込まれると、ワイヤ111がその踏込み量に
応じて該リンクプレート302を張引するように構成し
ている。また前記ワイヤ111の引張力に抗するように
戻しバネ321の一端が上記リンクプレート302上の
適宜位置に取り付けられて、該戻しバネ321の他端は
基台90の適宜位置に固定されて、アクセルペダル21
に接続されるワイヤ111及びリンクプレート302を
図6における左方へ常時付勢している。従って、アクセ
ルペダル21が踏み込まれていないときは、リンクプレ
ート302はその端縁を基台90上に設けた第一規制体
311及び第二規制体312に当接させた、上記ガイド
部材310に垂直な姿勢で静止される。
【0040】上記リンクプレート302のワイヤ111
接続部から上記連結ピンを挟んだ反対側(図6における
下側)においては、該リンクプレート302の長手方向
と垂直に長孔330が開口される。そして、基台90の
適宜位置にワイヤチューブ124が固定され、該ワイヤ
チューブ124内に挿通されたワイヤ113の一端が、
上記長孔330内を摺動可能となるよう遊びを持たせな
がら上記リンクプレート302に連結されている。該ワ
イヤ113の方向は、上記長孔330の方向と略同じ方
向としている。尚、この遊びは、上記のような長孔33
0によるものに限らず、例えばワイヤ113の弛みによ
り形成される遊びをもって代用する構成としても良い。
該ワイヤ113の他端側は上記トルク検出器34からの
トルク検出信号を伝達する前記出力アーム78に連結さ
れており、該トルク検出器34にて前述の駆動系に発生
する負荷トルクを検知した場合は、出力アーム78がワ
イヤ113を張引するように構成している。
【0041】上記構成の結果、リンクプレート302に
はアクセルペダル21の踏込み量の信号及びトルク検出
器34のトルク検出信号がともに入力され、両信号が加
算された上で該リンクプレート302の中途部位に連結
された出力部材301から出力されて、スロットルバル
ブ130の開度を制御することとなる。ただし、アクセ
ルペダル21が中立位置(アイドリング位置)近傍であ
るときは、トルク検出信号は上記長孔330による遊び
のために上記リンクプレート302に入力されず、該信
号がキャンセル(無視)されることになる。
【0042】このように本実施例に係る連係機構は、リ
ンクプレート320に設けた長孔330の遊びを用いて
トルク検出器34の信号をキャンセルさせるシンプルな
構成であり、かつ、その信号の有無にかかわらずアクセ
ルペダル21によるスロットルバルブ130の開閉が可
能とされ、更には主な可動部分はリンクプレート320
と出力部材301のみであって、可動部分の数も少ない
ので、組立て、調整及びメンテナンスが容易で、各部品
の耐久性及び動作の信頼性を良好に維持することができ
る。
【0043】出力部材301には出力ワイヤ112の一
端が接続され、該出力ワイヤ112の他端は、スプリン
グ340を介して、上述のガバナ25の出力アーム29
の先端に接続されている。出力ワイヤ112が上記ガバ
ナ25の出力アーム29を張引する方向は、ワイヤ11
1・113がリンクプレート302を張引する方向と略
同じとなるように、また、エンジン回転数が上昇する場
合に上記ガバナ25の出力アーム29が傾動する方向と
は逆向きとなるように設定している。そしてガバナ25
の出力アーム29は、最終出力ワイヤ345を介して、
エンジンの上記スロットルバルブ130の燃料噴射量を
調節するエンジン出力調整手段としてのスロットルアー
ム131に接続される。
【0044】以上の構成のリンク機構の作用について、
以下に説明する。まず、アクセルペダル21の踏込み量
に応じてエンジン3のスロットルバルブ130の開度を
変更する作用について説明する。即ち、オペレータがア
クセルペダル21から足を離しているエンジンアイドリ
ング状態においては、ワイヤ111及びワイヤ113の
いずれもが張引されないので、リンクプレート302は
戻しバネ321の張力により、図6に示す如くその端縁
を第一規制体311・第二規制体312に接当させた、
ガイド部材310に対し垂直な姿勢にて静止される。
【0045】一方、オペレータがアクセルペダル21を
少量踏み込む場合においては、図8に示すようにアクセ
ルペダル21に連結されるワイヤ111がリンクプレー
ト302の一端(図8における上端)を張引するので、
リンクプレート302が第二規制体312を支点として
少量傾動する。従って、ガイド部材310内の連結ピン
315の位置も図8における右方向に移動されるので、
出力部材301を介して出力ワイヤ112が右方に張引
され、スプリング340を弾引し、スプリング340は
その分だけ伸びることとなる。スプリング340は上記
ガバナ25の出力アーム29に図8の符号Foで示す張
力を加える。一方、ガバナ25の出力アーム29は、エ
ンジン3の出力軸6の回転数を検出して上記張力に抗す
る向きに出力アーム29を傾動させようとするが、アク
セルペダル21の踏込み量は少量であるから、上記出力
軸6の回転数は小さく、出力アーム29を上述のように
傾動させようとする力(符号Fgで示す力。以下「ガバ
ナ力」と表記する。)はわずかである。ここで本実施例
では、このような条件下ではスプリング340の張力F
oがガバナ力Fgを上回るように、出力部材301によ
るスプリング340の張引量やスプリング340のバネ
定数等を設定してある。この結果、出力アーム29はス
プリング340の張力Fo方向に傾動される。
【0046】出力アーム29が上記張力Fo方向に傾動
されると、スプリング340の張引量が減少されるの
で、該張力Foは弱められる。従って最終的には、出力
アーム29は張力Foが上記ガバナ力Fgと釣り合う平
衡状態となる、図9に示す傾動角Xにて静止されること
となる。即ち、上記リンク機構300による出力に相当
する分から、上記ガバナ25の出力に相当する分が減算
されて、出力アーム29の最終的な傾動量となるのであ
る。従って、該出力アーム29に最終出力ワイヤ345
を介して接続されたスロットルアーム131は、出力ア
ーム29の傾動量に相当する分だけ張引されて、スロッ
トルバルブ130が少量だけ開かれることとなる。
【0047】尚、アクセルペダル21の踏込みによりリ
ンクプレート302が第二規制体312を支点に傾動さ
れることとなるので、長孔330が移動されて、リンク
プレート302とワイヤ113との連結部分に生じてい
た上述の遊びが消失することとなる。従って、アクセル
ペダル21を一定量踏み込むと、トルク検出器34に連
結されるワイヤ113は、図8に示すようにその端部を
上記リンクプレート302の長孔330の一端に当接さ
せることとなる。
【0048】上述の図8・図9に示す状態より更にアク
セルペダル21が踏み込まれると、図10に示すように
アクセルペダル21に連結されるワイヤ111がリンク
プレート302を更に張引するので、リンクプレート3
02と第二規制体312は離間されて、リンクプレート
302は、ワイヤ113の端部を支点としながら更に傾
動されることとなる。従って、ガイド部材内の連結ピン
の位置も図10における右方向に更に大幅に移動される
ので、出力部材301を介して出力ワイヤ112が右方
に張引され、スプリング340を弾引し、スプリング3
40はその分だけ伸びることとなる。該スプリング34
0が上記ガバナ25の出力アーム29に対し加える張力
は、図8の場合の張力(図8に示すFo)よりは大きい
ので、平衡状態に至ったときの出力アームの傾動角(図
10に示すX)は、図8の場合の傾動角よりも大きくな
る。従ってこの場合はスロットルバルブ130は、図8
に示す開度より大きく開かれることとなる。
【0049】次に、上述のトルク検出器34が負荷トル
クを検出した場合のリンクの作動について説明する。該
ワイヤ113は上述のとおり、長孔330による遊びを
介してリンクプレート302と連結する構成となってい
る。従って、上述のようにアクセルペダル21を踏み込
んでリンクプレート302を傾動させ、ワイヤ113の
端部が上記長孔330の端部に当接した状態のときは、
リンクプレート302とワイヤ113との連結部分に生
じていた上述の遊びが消失しているので、トルク検出器
34が負荷トルクを検出すると、図11に示す如くワイ
ヤ113を張引するのでリンクプレート302はその図
11における下端部位を張引され、ガイド部材内の連結
ピンの位置が図9における右方向に更に移動される。従
って、出力部材301を介して出力ワイヤ112が右方
に張引され、出力ワイヤ112はスプリング340を弾
引し、スプリング340はその分だけ伸びることとな
る。
【0050】一方、アクセルペダル21が踏み込まれて
いない場合は、トルク検出器34が負荷トルクを検出し
てワイヤ113を張引しても、図12のようにワイヤ1
13の端部が上記長孔330内を摺動するのみであっ
て、上記ワイヤ113の張引は長孔330による遊びに
吸収される。この結果、リンクプレート302は傾動も
移動もされず、連結ピン315は移動しないので、出力
ワイヤ112は張引されない。従って、この場合は、負
荷トルクが検出されてもその検出結果がキャンセルされ
て、スロットルバルブ130の開度は増加されないので
ある。
【0051】以上にリンク機構の一般的な作用を説明し
たが、以下に、このリンク機構の差動との関係におい
て、該制御装置が本実施例の運搬車においてエンジンの
スロットルバルブ130をどのように制御するかについ
て、場合分けを行いながら説明する。
【0052】まず、オペレータがアクセルペダル21を
踏み込まないでエンジン3のアイドリングを行っている
場合の制御装置の作動の様子が図6に示され、この場合
においてはアクセルペダル21が踏み込まれないのでワ
イヤ111は張引されず、また、車両は停止されている
ので負荷トルクは検出されず、トルク検出器34の信号
を伝達する出力アーム78は揺動されないから、ワイヤ
113は張引されない。従って、リンクプレート302
は傾動されず、スロットルアーム131は回動されず、
スロットルバルブ130はエンジン3のアイドリング状
態を保持するために必要な量以上は開かれない。即ち、
この場合は、エンジンの回転数増大制御は行われない。
【0053】次に、オペレータがアクセルペダル21を
踏み込んで平坦路を定速にて走行している場合の制御装
置の作動の様子が図9及び図10に示される。図9はア
クセルペダルを少量踏み込んだ場合、図10はアクセル
ペダルを一杯に踏み込んだ場合を図示しているが、どち
らの場合においても、アクセルペダル21の踏込み量だ
けリンクプレート302が図9又は図10に示すように
摺動し、連結ピン315の位置も移動されるので、該連
結ピン315に出力部材301を介して連結された出力
ワイヤ112が張引されることにより、スロットルバル
ブ130が開かれる。また、平坦路を定速にて走行する
場合は負荷トルクは比較的小さく、出力アーム78はほ
とんど揺動されないので、該リンクプレート302の図
9又は図10における下端部位は張引されず、出力ワイ
ヤ112は上記アクセルペダル21の踏込み分以上は張
引されず、スロットルバルブ130もアクセルペダル2
1踏込み分以上は開かれない。即ち、この場合において
も、エンジンの回転数増大制御は行われない。
【0054】次に、アクセルペダルを一杯に踏み込んで
車両を走行させ、坂道に差し掛かった場合における制御
装置の作動の様子が図11に示され、この場合において
は、図11に示すようにアクセルペダル21の踏込み量
だけリンクプレート302が傾動し、リンクプレート3
02に連結された出力部材301を介して出力ワイヤ1
12が張引されることにより、スロットルバルブ130
が開かれる。また同時に、トルク検出器34の出力アー
ム78に連結されたワイヤ113の端部がリンクプレー
ト302の長孔330の一端に当接し、ワイヤ113と
リンクプレート302との連結部分に生じていた遊びが
消失する。また、登板時には登板抵抗が負荷トルクとし
てトルク検出器34により検出されるので、出力アーム
78が回動されてワイヤ113を張引する。ここで、上
述のように、アクセルペダル21が既に踏み込まれてい
てワイヤ113とリンクプレート302との連結部分に
生じていた遊びが既に消失しているので、リンクプレー
ト302の下端部位はワイヤ113により張引されて、
該張引量に相当する分だけ出力部材301に連結された
出力ワイヤ112が更に張引される。また、坂道に差し
掛かっているから、登板抵抗が発生し始め、エンジンの
出力回転数は小さくなる。従って、ガバナ25の出力ア
ーム29に発生するガバナ力Fgは小さくなるので、該
出力ワイヤ112の出力(張引量)が弱められる度合い
が小さくなる(少なくとも、大きくなることはない)。
従って、上述のアクセルペダル21踏込み分の角度Aに
加えて、トルク検出器34の出力分に相当する角度Bだ
けスロットルアーム131が更に傾動され、スロットル
バルブ130の開度が更に増大される。即ち、この場合
は、エンジン回転数を更に上昇させる制御が行われて、
車両が軽快に登坂することとなるのである。
【0055】ここで、登板時はその登板抵抗により平坦
路走行時よりもエンジン回転数が少なくなるのが通例で
あるから、アクセルペダル21を一杯に踏み込んで登板
する場合に、上記設定最高回転数に相当するスロットル
バルブ開度よりも更にスロットルバルブ130を開く制
御を行っても、それをもって直ちにエンジンが設定最高
回転数を超えて、オーバーランとなることはない。尚、
本発明では、上記の制御を行うように設定した場合で
も、ガバナ25によりエンジンの回転数を常時監視して
回転数が過大な場合はスロットルバルブを絞る制御をす
ることができるので、登板時においてもエンジンの実際
の回転数が上記設定最高回転数を超えないようにするこ
とが確実にでき、エンジンのオーバーランがより確実に
防止される。従って、かかる制御を行ってもエンジンの
オーバーランによる破損等の心配は無く、むしろエンジ
ンのポテンシャルを最大限に引き出すことができ、車両
をよりいっそう軽快に登板させることができるので有用
である。
【0056】一方、オペレータがアクセルペダル21を
踏み込まない場合において車両に加速抵抗が発生したと
きや、オペレータがブレーキ装置22を作動させた場合
の制御装置の作動の様子が図12に示されるが、この場
合においては、アクセルペダル21が踏み込まれないの
で、図12に示すようにリンクプレート302の上側は
張引されない。このような場合においてトルク検出器3
4が車両の加速抵抗やブレーキ装置22による抵抗を負
荷トルクとして検知すると、出力アーム78が回動され
てワイヤ113を張引するが、ワイヤ113とリンクプ
レート302とは長孔330による遊びを介して連結し
ているため、ワイヤ113の張引は該遊びに吸収され
て、リンクプレート302の下端は張引されない。従っ
て、連結ピン315は図12に示す右方に移動されるこ
とはなく、該連結ピン315に出力部材301を介して
連結された出力ワイヤ112は張引されず、スロットル
バルブ130が更に開かれることはなく、従ってアイド
リング状態の開度を維持できるのである。即ち、オペレ
ータがアクセルペダル21を踏み込まない場合において
は、トルク検出器34が負荷トルクを検出してもスロッ
トルバルブ130がアイドリング状態の開度以上に開か
れることのないよう、検知された負荷トルクの信号をこ
の制御装置にてキャンセル(無視)するように構成して
いるのである。
【0057】更に、オペレータがアクセルペダル21を
一杯に踏み込んだ場合において、車両が下り坂を走行し
ている場合の制御装置の作動の様子が図13に示され、
この場合においては、アクセルペダル21が一杯に踏み
込まれるので、図13に示すようにリンクプレート30
2が傾動し、リンクプレート302に連結された出力部
材301を介して出力ワイヤ112が張引されることに
より、スロットルバルブ130が開かれる。一方、下り
坂においては走行抵抗はごくわずかでトルク検出器34
の検知域に達せず、出力アーム78は揺動しないので、
該リンクプレート302の図13における下端の部位は
張引されず、出力ワイヤ112は上記アクセルペダル2
1の踏込み分以上は張引されず、スロットルバルブ13
0もアクセルペダル21踏込み分以上は開かれない。こ
こまでは、アクセルを一杯に踏み込んで平坦路を走行す
る場合(図10の場合)と同様である。
【0058】ここで、下り坂において一杯にアクセルペ
ダル21を踏み込んでいる場合は、車両の転がり抵抗が
ほとんどゼロに近くなるので、平坦路においてアクセル
ペダル21を一杯に踏み込んだ状態に比べてエンジンの
回転数が大きくなる。従って、その回転数増大を検知し
た上記ガバナ25は、出力アーム29の張引に抗する前
述のガバナ力Fgを増大させるのである。即ち、この場
合のガバナ力Fgは、アクセルペダル21を一杯に踏み
込んで平坦路を走る場合のガバナ力に比べて大きくなる
のである。従って、出力アーム29はリンク機構による
張引に抗して、上述のガバナ力増大分に相当する角度Y
だけ戻された位置で平衡状態となり、スロットルアーム
131は上記角度Yに相当する角度Cだけ戻されるの
で、スロットルバルブ130の開度はその分だけ絞られ
ることとなるのである。即ち、この場合においては、エ
ンジンの最高回転数が設定最高回転数を超える事態を防
止する制御がされるのである。
【0059】尚、本発明は上述の第一実施例の構成に限
るものではなく、例えば以下に示すような構成とするこ
ともできる。この第二実施例について説明する。図14
は車両用エンジンの制御装置における第二実施例のリン
ク機構について、具体的な構成を示した図、図15は図
14の状態からアクセルペダルを少量踏み込み、エンジ
ンのスロットルバルブが開かれた状態を示した図であ
る。
【0060】この第二実施例に係る制御装置300'
は、図14に示す連係機構たるリンク機構300' によ
り構成される、機械式の制御装置とされる。具体的に
は、車両機枠の適宜位置に取り付けられる基台90の上
面に平板状のガイド部材310を固定し、該ガイド部材
310にはガイド溝310aが形成され、更に連結ピン
315を該ガイド溝310aに沿って摺動自在に設けて
いる。基台90上にはこのリンク機構300' の出力側
を構成する棒状の出力部材301が配置され、該出力部
材301の一端に上記連結ピン315を挿通させ、他端
は出力アーム351、スプリング340を介して上記ガ
バナ25の出力アーム29に連係させている。該ガバナ
25の出力アーム29は、エンジンのスロットルバルブ
130の開度を調節するスロットルアーム131に、最
終出力ワイヤ345を介して連結されている。基台90
上には細長く形成した平板状のリンクプレート302が
上記ガイド溝310aと垂直に配置される。このリンク
プレート302のほぼ中央位置には上記連結ピン315
が取り付けてあり、該リンクプレート302が該連結ピ
ン315を介して、傾動及び一定距離の摺動が可能とさ
れつつ上記出力部材301に連結されるように構成して
いる。該リンクプレート302に略沿うように回動アー
ム350が設けられ、該回動アーム350はアクセルペ
ダル21に連係されて、該アクセルペダル21が踏み込
まれると回動アーム350がその一端(図14における
下端)を中心に回動するように構成してある。該回動ア
ーム350の先端には案内溝350aを形成する一方、
上記リンクプレート302の一端(図14における上側
の端部)にはピン352が突出され、該ピン352が上
記案内溝350aの内部を摺動可能となるようにして、
回動アーム350とリンクプレート302とを連結して
いる。従って、アクセルペダル21が踏み込まれると、
回動アーム350が図14に示す位置から時計回り方向
に回動されて、ピン352を介してリンクプレート30
2の一端を時計回り方向に押動することとなる。基台9
0とリンクプレート302との間には戻しバネ321が
介装されてある。この戻しバネ321の付勢力により、
リンクプレート302はその端縁を基台90に設けた第
一規制体311及び第二規制体312に当接させた、上
記ガイド溝310aに垂直な姿勢で静止される。
【0061】この構成においてアクセルペダル21が少
量踏み込まれた場合の様子が図15に示され、この場合
は上述のように回動アーム350が回動して、ピン35
2を介してリンクプレート302の上端が押動され、リ
ンクプレート302は第二規制体312を中心に傾動
し、リンクプレート302中途に設けられた連結ピン3
15がガイド溝310aを摺動し、出力部材301を張
引する。出力部材301は出力アーム351を回動させ
て、スプリング340を介してガバナ25の出力アーム
29を張引し、最終的にはスロットルアーム131が回
動されてスロットルバルブ130が開かれる。
【0062】リンクプレート302のピン352突出側
から連結ピン315を挟んだ反対側の端部には、上記ト
ルク検出器34からのトルク検出信号を伝達する前記出
力アーム78が近接されて配置される。この出力アーム
78は、該トルク検出器34にて前述の駆動系に発生す
る負荷トルクが検知された場合は、図14における時計
回り方向に回動するように構成してある。ここで、出力
アーム78とリンクプレート302の端部との間には適
宜の隙間Pが設けられており、アクセルペダル21をま
ったく踏み込まない状態においては、出力アーム78が
負荷トルクを検知して時計回り方向に回動しても図14
の鎖線で示す如くリンクプレート302を押動すること
がないように、その取り付け位置(隙間Pの量)が調整
されている。一方、アクセルペダル21を踏み込んだ場
合は、上述のとおりリンクプレート302が第二規制体
312を中心に時計回り方向に揺動されるので、図15
に示すようにリンクプレート302の端部が出力アーム
78側に移動して、上記隙間Pが消滅する。従って、こ
の状態で出力アーム78が負荷トルクを検知して時計回
り方向に回動すると、該出力アーム78はその先端をリ
ンクプレート302の端部に当接して押動して、その分
だけリンクプレート302中央の連結ピン315がガイ
ド溝310a内を摺動されるので、出力部材301が張
引されて、スロットルバルブ130の開度がより増大さ
れる制御が行われるのである。換言すれば、この隙間P
に上述の第一実施例の長孔330による遊びと同等の効
果を奏させている。即ち、アクセルペダル21がアイド
リング位置近傍にあるときには、この隙間Pによってト
ルク検出器34の検出結果をキャンセルさせているので
ある。
【0063】以上のように構成した第二実施例に係るリ
ンク機構300' は、上述の第一実施例300とまった
く同等の作用を奏し、第一実施例300とまったく同様
にエンジンのスロットルバルブ130を制御するもので
ある。
【0064】以上に本発明の二つの実施例を説明した
が、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定される
ものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明
らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体
に、広く及ぶものである。
【0065】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。即ち、請求項1に示す
如く、エンジンと、該エンジンにCVTを介して連動連
結された車軸駆動装置と、を有する車両に具備される車
両用エンジンの制御装置であって、該車軸駆動装置の伝
動系路上に設けたトルク検出器と、エンジンのスロット
ルバルブに対してアクセル操作具と前記トルク検出器と
を接続する連係機構であって、前記アクセル操作具がア
イドリング近傍の領域に操作されたときは前記トルク検
出器の検出結果がキャンセルされ、前記アクセル操作具
が上記領域を超えるように操作されたときは前記トルク
検出器の検出結果が前記アクセル操作具の操作量に加算
されて前記スロットルバルブの開度を大きくし得るよう
に構成されたものとを有し、更に、前記連係機構の出力
側と前記エンジンの前記スロットルバルブとの間に、ス
プリングと、前記エンジンの回転数上昇に応じて前記ス
ロットルバルブの開度を小さくする方向へ操作するガバ
ナとを直列接続して設けたので、オペレータの意思に反
してエンジンの出力増大制御が行われてしまう不都合を
防止することができるのである。即ち、例えば車両を発
進させるべくオペレータがアクセルペダルを踏み込んだ
が、ある事情ですぐに車両の加速を止めるべくアクセル
ペダルから足を離した場合でも、アクセルペダルの踏込
みが解除されているにもかかわらずエンジンの回転数増
大制御が行われてしまうことが防止されるのである。従
って、アクセルペダルから足を離せばすぐに車両を停止
させることができるので、操縦応答性が良好となるので
ある。また、走行中の車両を停止させるために車軸にブ
レーキを掛けた場合においても、エンジンの回転数を上
げる制御が行われてしまうことが防止されるのである。
従って、ブレーキ応答性が良好で、制動距離も短くでき
るのである。
【0066】そして、下り坂で一杯にアクセルを踏み込
んで車両を走行させる場合においては、回転数増大を検
知したガバナがスロットルバルブを絞る制御を行うの
で、エンジンが設定最高回転数を超えて限界回転数近傍
まで回転してしまうことが防止される。従って、エンジ
ンの耐久性を高めることができる。
【0067】また、上り坂で一杯にアクセルを踏み込ん
でいる場合に、平坦路における上述の設定最高回転数に
相当するスロットルバルブ開度以上にスロットルバルブ
を開く制御を行わせることが可能となるのである。即
ち、平坦路を走行したときにエンジンの回転数が設定最
高回転数以下となるようにエンジンのスロットルバルブ
の開度の上限を設定する場合において、登板時において
はアクセルペダルを一杯に踏み込んだときに当該上限の
開度以上にスロットルバルブを開く制御をさせるのであ
る。この場合、登板抵抗が発生しており、またガバナに
よって実際のエンジン回転数を監視して設定最高回転数
以下となるよう制御できるので、エンジンの実際上の回
転数が限界回転数近傍まで達することはない。従って、
エンジンのオーバーラン等の心配はなく、むしろ、登板
時にエンジンの有している能力を最大限に発揮させるこ
とにより、よりいっそう軽快な登板が可能となるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る車両用エンジンの制御
装置を有する運搬車の全体的な構成を示した側面図。
【図2】上記運搬車のミッションケース内部の様子を示
した後面断面展開図。
【図3】ミッションケース内に配設されるトルク検出器
の構成を示した後面断面拡大図。
【図4】同じく側面断面図。
【図5】エンジンから車軸に至るまでの動力伝達構成を
示したスケルトン図。
【図6】車両用エンジンの制御装置の構成、及びエンジ
ンのアイドリングを行っている場合の該制御装置の作動
を示した図。
【図7】車両用エンジンの制御装置におけるリンク機構
の具体的な構成を示した要部拡大図。
【図8】図6の状態からアクセルペダルを少量踏み込
み、エンジンのスロットルバルブがわずかに開かれた状
態を示した図。
【図9】図8の状態からガバナの出力アームが少量傾動
されて平衡状態に達し、エンジンのスロットルバルブが
開かれた状態を示した図。
【図10】アクセルペダルを一杯に踏み込んで平坦路を
走行する場合のリンクの作動を示した図。
【図11】アクセルペダルを一杯に踏み込んで登板する
際のリンクの作動を示した図。
【図12】アクセルペダルを踏んですぐに踏込みを解除
した場合、又は、ブレーキを作動させた場合に、トルク
検出器の信号をリンクがキャンセルする様子を示した
図。
【図13】アクセルペダルを一杯に踏み込んで下り坂を
走行する場合に、回転数の増大を検出したガバナがリン
ク機構の出力に抗して出力アームを戻し、スロットルバ
ルブが絞られる様子を示した図。
【図14】車両用エンジンの制御装置における第二実施
例のリンク機構について、具体的な構成を示した図。
【図15】図14の状態からアクセルペダルを少量踏み
込み、エンジンのスロットルバルブが開かれた状態を示
した図。
【符号の説明】
1 運搬車(走行車両) 2 トランスミッション(車軸駆動装置) 3 エンジン 6 エンジン出力軸 7 ベルト式無段変速装置(CVT) 21 アクセルペダル(アクセル操作具) 25 ガバナ 34 トルク検出器 130 スロットルバルブ 300 連係機構(リンク機構)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと、該エンジンにCVTを介し
    て連動連結された車軸駆動装置と、を有する車両に具備
    される車両用エンジンの制御装置であって、該車軸駆動
    装置の伝動系路上に設けたトルク検出器と、エンジンの
    スロットルバルブに対してアクセル操作具と前記トルク
    検出器とを接続する連係機構であって、(1)前記アク
    セル操作具がアイドリング近傍の領域に操作されたとき
    は前記トルク検出器の検出結果がキャンセルされ、
    (2)前記アクセル操作具が上記領域を超えるように操
    作されたときは前記トルク検出器の検出結果が前記アク
    セル操作具の操作量に加算されて前記スロットルバルブ
    の開度を大きくし得るように構成されたものとを有し、
    更に、前記連係機構の出力側と前記エンジンの前記スロ
    ットルバルブとの間に、スプリングと、前記エンジンの
    回転数上昇に応じて前記スロットルバルブの開度を小さ
    くする方向へ操作するガバナとを直列接続して設けたこ
    とを特徴とする、車両用エンジンの制御装置。
JP37250899A 1999-06-30 1999-12-28 車両用エンジンの制御装置 Pending JP2001182562A (ja)

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US09/604,813 US6460421B1 (en) 1999-06-30 2000-06-28 Governor controlled on a basis of load detection

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7357210B2 (en) 2004-04-08 2008-04-15 Kanzaki Kokyukoki Mfg. Co., Ltd. Vehicle power transmission system
CN106706191A (zh) * 2016-12-20 2017-05-24 陈关莲 限温器弹簧弹力的连续测量装置

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7357210B2 (en) 2004-04-08 2008-04-15 Kanzaki Kokyukoki Mfg. Co., Ltd. Vehicle power transmission system
CN106706191A (zh) * 2016-12-20 2017-05-24 陈关莲 限温器弹簧弹力的连续测量装置
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