JP2001179685A - ボトル型缶用のトリミングカッター装置 - Google Patents

ボトル型缶用のトリミングカッター装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボトル型缶の製造工程で口頸部をトリミング
するためのトリミングカッター装置について、両面が熱
可塑性樹脂層で被覆されている口頸部をトリミングした
ときに、熱可塑性樹脂層からフィルムヘアーが目立って
発生しないようにする。 【解決手段】 口頸部4の内側に挿入されるインナーカ
ッター11と、口頸部4の外側で移動するアウターカッ
ター12とで、所定のクリアランスでオフセットされた
インナーカッター角部の内刃11aとアウターカッター
角部の外刃12aにより口頸部4の側壁を挟んで剪断す
るようにしたトリミングカッター装置において、各カッ
ター11a,12aの刃先から口頸部側壁に沿って延び
る刃側面を、インナーカッター11では刃先から離れる
に従って口頸部4の側壁から離れるように傾斜させ、ア
ウターカッター12では刃先から離れるに従って口頸部
4の側壁に近づくように傾斜させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボトル型缶の製造
工程で未開口の口頸部の先端部分を切断して開口させる
ためのトリミングカッター装置に関し、特に、金属薄板
の両面を熱可塑性樹脂層で被覆した被覆金属薄板から口
頸部と肩部と胴部を一体成形したボトル型缶について、
所謂フィルムヘアーを発生させることなく口頸部をトリ
ミングするためのトリミングカッター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミやスチールの金属薄板から絞りし
ごき加工や深絞り加工(絞り・再絞り加工)等の適宜の
方法により缶胴と缶底が一体成形された2ピース缶や、
ポリエチレンテレフタレート樹脂によりボトル形状に一
体成形されたPETボトルは、何れも、容器重量の重い
ガラス瓶に代わる軽量な容器として従来から各種の飲料
容器として広く使用されており、2ピース缶では、缶胴
上端のフランジ部に巻締め固着されたイージーオープン
エンド(簡易開口部付き端板)の簡易開口部をプルタブ
操作により開封することで、また、PETボトルでは、
ボトルの口頸部に装着されたピルファープルーフキャッ
プを開封して取り外すことで、消費者が容器内の飲料を
飲用できるようになっている。
【0003】そのような飲料容器において、口頸部を備
えたPETボトルは、容器から直接飲用する際に飲み易
く、キャップにより再密封できるという利便性があるも
のの、加熱により変形し易いため取り扱いに注意が必要
であり、耐気体透過性や遮光性が劣ることにより内容物
の賞味期限が短くなり、内容物を冷蔵庫で冷却する際の
急速冷却性が劣るという問題があると共に、資源を回収
してリサイクルする率が今のところ非常に低い状態とな
っていることから、耐熱性,耐気体透過性,遮光性,急
速冷却性等の点で優れ、且つ、資源のリサイクル率が高
い金属薄板の2ピース缶について、口頸部を備えたボト
ル形状に成形してネジキャップにより再密封できる機能
を付加することにより利便性を高めるということが従来
から検討されている。
【0004】そのようなネジキャップにより再密封が可
能な金属製の缶として、PETボトルと類似した形状と
なるように小径の口頸部と傾斜面を有する肩部と大径の
胴部とを一体成形し、口頸部とは反対側の缶の底部を別
体の底蓋を巻締め固着することで密閉すると共に、開口
された口頸部に対してネジキャップを螺着するようにし
た金属薄板製のボトル型缶が、特表平10−50909
5号公報中に実施例の一つとして開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、口頸部と肩
部と胴部を一体成形した金属薄板製のボトル型缶につい
て、上記の引用公報中には、内容物の保護や缶の耐蝕性
のために缶の金属面に保護被膜を施す場合について、金
属薄板に保護被膜をプレコートしておくと、缶成形のた
めのしごき加工の際に保護被膜が損傷してしまうので、
しごき加工の後に保護被膜を被覆する旨記載されている
が、狭い口頸部や曲面の肩部が形成されている缶の内外
面に対して均一な厚さに保護被膜を塗装することは実際
上は困難である。
【0006】そこで、本発明者等は、金属薄板の伸びや
曲げに対する追従性が良く金属薄板の加工の際の潤滑材
ともなる熱可塑性樹脂を保護被膜として缶の材料となる
金属薄板の両面に予めラミネートしておき、この両面を
熱可塑性樹脂層で被覆した金属薄板から、缶の胴部と肩
部と口頸部を一体成形し、更に口頸部にカール部やネジ
部等を形成するという方法を採用することにした。
【0007】しかしながら、そのような被覆金属薄板か
らボトル型缶を製造してみると、被覆金属薄板を打ち抜
いてカップ状に成形し、次いで、胴部が小径で薄肉化さ
れた有底円筒状の缶に成形してから、その有底円筒状の
缶の底部側を肩部と未開口の口頸部に成形した後、未開
口の口頸部の先端部分を切断して開口させる口頸部トリ
ミング工程において、口頸部の側壁に被覆されている熱
可塑性樹脂層の一部がヘアー状(或いはフレアー状)と
なって切断端部から長く伸びる、所謂フィルムヘアーが
目立って発生するという問題のあることが判った。
【0008】そこで、上記のようなフィルムヘアーの原
因を検討したところ、以下のようなことが判明した。す
なわち、未開口の口頸部の先端部分をトリミングするた
めには、口頸部の内側に挿入されるインナーカッター
と、口頸部の外側で移動するアウターカッターとで、所
定のクリアランスでオフセットされたインナーカッター
角部の内刃とアウターカッター角部の外刃により口頸部
の側壁を挟んで剪断するようにしたトリミングカッター
装置を使用しており、そのような装置では、インナーカ
ッターを缶内を通して最奥の口頸部にまで挿入させるこ
とから、インナーカッターの支持軸が片持ち状で長いも
のとなっている。
【0009】そのため、インナーカッター角部の内刃と
アウターカッター角部の外刃により口頸部の側壁を挟ん
で剪断する際に、図7(A),(B)に示すように、ア
ウターカッター12からの押圧力によってインナーカッ
ター11の支持軸が撓み、その結果、アウターカッター
12の移動による剪断押圧力の一部が、所定のクリアラ
ンスでオフセットされている内刃11aと外刃12aが
逃げる方向(クリアランスが広がる方向)に働いて、カ
ッタークリアランスが変動することからフィルムヘアー
が頻発することとなる。
【0010】本発明は、上記のような問題の解消を課題
とするものであり、具体的には、ボトル型缶の製造工程
で口頸部をトリミングするためのトリミングカッター装
置について、両面が熱可塑性樹脂層で被覆されている口
頸部をトリミングしたときに、熱可塑性樹脂層からフィ
ルムヘアーが目立って発生しないようにすることを課題
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、金属薄板の両面を熱可塑性樹脂
層で被覆した被覆金属薄板から口頸部と肩部と胴部が一
体成形されるボトル型缶の製造工程で、未開口の口頸部
の先端部分を切断して開口させるために、口頸部の内側
に挿入されるインナーカッターと、口頸部の外側で移動
するアウターカッターとで、所定のクリアランスでオフ
セットされたインナーカッター角部の内刃とアウターカ
ッター角部の外刃により口頸部の側壁を挟んで剪断する
ようにしたトリミングカッター装置において、各カッタ
ーの刃先から口頸部側壁に沿って延びる刃側面を、イン
ナーカッターでは刃先から離れるに従って口頸部の側壁
から離れるように傾斜させ、アウターカッターでは刃先
から離れるに従って口頸部の側壁に近づくように傾斜さ
せることを特徴とするものである。
【0012】上記のようなボトル型缶用のトリミングカ
ッター装置によれば、インナーカッターの内刃とアウタ
ーカッターの外刃により口頸部の側壁を挟んで剪断する
際に、アウターカッターからの押圧力によりインナーカ
ッターの支持軸が撓んでも、図6(A),(B)に示す
ように、アウターカッター12の押圧力が先ず口頸部4
の側壁をインナーカッター11の内刃11aに押し付け
るように働いて、剪断のための押圧力をカッタークリア
ランスが広がる方向に逃がすことなく、口頸部の側壁を
剪断することができるため、カッタークリアランスが変
動して目立ったフィルムヘアーが発生するということが
起きることはない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のボトル型缶用のト
リミングカッター装置の実施形態について、図面に基づ
いて詳細に説明する。
【0014】図1は、口頸部と肩部と胴部が一体成形さ
れたボトル型缶の一例を示すもので、ボトル型缶1は、
大径円筒状の胴部2から上方に、縦断面が円弧状のドー
ム形状の肩部3を介して、小径円筒状の口頸部4が一体
的に成形され、胴部2の下端開口部が底蓋5の巻き締め
固着により密閉されているものであって、上端が開口さ
れた口頸部4には、外巻きカール部41,傾斜壁42,
ネジ形成部分43,ビード部44および小径筒部45が
形成されている。
【0015】図2は、図1に示したボトル型缶の製造工
程の概略を示すものであって、金属薄板の両面に熱可塑
性樹脂被膜層が形成されて潤滑剤が塗布された被覆金属
薄板を材料として、先ず、カップ成形工程で、被覆金属
薄板を円板状に打ち抜いたブランクを絞り加工してカッ
プ形状に成形してから、次の缶胴成形工程で、このカッ
プに対して少なくとも一回以上の再絞り加工と曲げ伸ば
し加工やしごき加工等の薄肉化加工を行って胴部が小径
で薄肉化された有底円筒状の缶に成形する。
【0016】次いで、トップドーム成形工程で、有底円
筒状の缶の缶底側に対して絞り加工を複数回行うことで
肩部と未開口の口頸部に成形してから、潤滑剤除去工程
で、口頸部が未開口で胴部下端が開口された缶の少なく
とも外面から潤滑剤を除去し、缶胴トリミング工程で、
口頸部とは反対側の胴部の開口端側をトリミングして缶
を所定の長さにした後、印刷・塗装工程に向けて送り出
す。
【0017】印刷・塗装工程では、胴部と肩部と未開口
の口頸部が一体成形されて胴部の下端が開放された状態
の缶に対して、その円筒状の胴部に対して所望のデザイ
ン(文字や装飾模様等)を印刷した上からトップコート
を塗布し、続く乾燥工程で、印刷インキ層やトップコー
ト層を充分に乾燥させると共に熱可塑性樹脂被膜層を非
晶質化しておく。
【0018】そして、ネジ・カール成形工程において、
先ず、未開口の口頸部の先端部分をトリミングすること
で口頸部を開口させてから、その開口端部を外巻きで環
状のカール部に成形し、その円筒状周壁にキャップ螺合
用のネジを成形し、ネジ形成部分の下方にビード部を形
成する。
【0019】次いで、ネック・フランジ成形工程で、口
頸部とは反対側の胴部下端開口端部に対してネックイン
加工とフランジ加工を順次施してから、図示していない
底蓋巻締工程において、シーマー(缶蓋巻締機)によ
り、金属薄板材からなる別部材の底蓋を、胴部の下端開
口部に形成されたフランジ部に二重巻き締め法により一
体的に固着することで、図1に示したようなボトル型缶
が完成する。
【0020】上記のような各工程によるボトル型缶の製
造について更に詳しく説明すると、原材料となる被覆金
属薄板は、アルミニウム合金板や表面処理鋼板等の金属
薄板の両面に予めポリエステル樹脂,ポリプロピレン樹
脂等の熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした厚さが
0.1〜0.4mmの被覆金属薄板であって、例えば、
厚さが0.315mmの3004H191アルミニウム
合金板に対して、ポリブチレンテレフタレート樹脂(P
BT)とポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)と
の混合樹脂(PBT:PET=60:40)のフィルム
を、内面側で20μmの厚さ、外面側で20μmの厚さ
となるようにラミネートした被覆金属薄板を使用してい
る。
【0021】なお、金属薄板における熱可塑性樹脂フィ
ルムのラミネートの仕方としては、予めフィルム成形し
た熱可塑性樹脂フィルムを金属薄板の金属面に直接熱接
着させる場合の他に、Tダイから溶融した熱可塑性樹脂
を予熱した金属薄板上に押し出して直接接着させる場合
と、予めフィルム成形した熱可塑性樹脂フィルムを接着
性プライマー層又は硬化型の接着剤層若しくは熱接着性
の良好な熱可塑性樹脂層を介して金属薄板の金属面に熱
接着する場合がある。このラミネート工程で、熱接着し
た熱可塑性樹脂フィルムを、一旦溶融させた後に(例え
ば、水中を通す等により)急速冷却させて非晶質化して
おくのが、加工性及び接着性の観点から好ましい。
【0022】そのように両面に熱可塑性樹脂フィルム層
が形成された金属薄板に対して、更にその両面の熱可塑
性樹脂フィルム層の上にノルマルブチルステアレート,
流動パラフィン,ペトロラタム,ポリエチレンワック
ス,食用油,水添食用油,パーム油,合成パラフィン,
セバシン酸ジオクチル等の一種類又は二種類以上を潤滑
剤として塗布しておき、この潤滑剤が塗布された被覆金
属薄板を材料として、カップ成形工程では、これを一缶
毎のブランクに打ち抜いて絞り加工によりカップ状に成
形しており、例えば、直径170mmの円板に打ち抜い
たブランクを高さが48.3mmで外径100mmのカ
ップ形状に絞り加工している。
【0023】そのように成形されたカップに対し、缶胴
成形工程では、更に、2回の再絞り加工のうちの1回で
曲げ伸ばし加工を施し、その後、しごき加工を施すこと
によって、カップよりも小径で高さのある胴部が薄肉化
された有底円筒状の缶に成形すると共に、有底円筒状の
缶の缶底コーナー部(底部及び底部近傍の胴部)を縦断
面が円弧状の肩部曲面に予備成形しており、例えば、高
さが48.3mmで外径100mmのカップを、高さが
171.5mm以上で外径65.9mmの有底円筒状の
缶に成形している。
【0024】全体が有底円筒状に成形され、その缶底コ
ーナー部が肩部曲面に予備成形された缶に対して、トッ
プドーム成形工程では、図3に缶底側を上にして示すよ
うに、先ず、肩部曲面に予備成形された缶底コーナー部
に囲まれた平坦な缶底を、肩部曲面に密着する曲面を備
えたシワ押さえ工具(ダイとプッシャー)によりシワ押
さえした状態で、パンチにより胴部よりも小径の有底円
筒状に絞り成形した後、新たに絞り成形された有底円筒
部を、予備成形された肩部曲面に続く仮想曲面の断面円
弧に近似した断面直線形状のテーパー面を持つシワ押さ
え工具(ダイとプッシャー)を用いて、パンチにより更
に小径の有底円筒状に絞り成形する。
【0025】そして、そのような絞り加工をもう1度繰
り返すことで、有底円筒部の径を口頸部の径と略同じに
なるまで縮径してから、そのような絞り加工の繰り返し
により当初の肩部曲面に続いて形成された肩部の複数の
テーパー面を、肩部曲面から延びる仮想曲面の形状を持
つ一対の成形工具(ダイとプッシャー)により押し延ば
しすることで、連続した滑らかな曲面に再成形(リフォ
ーム)した後、図4に示すように、有底円筒状に成形さ
れた口頸部に対して2回の口絞り成形を施している。
【0026】上記のようにトップドーム成形された缶に
対して、潤滑剤除去工程では、缶の内外両面に塗布され
ているノルマルブチルステアレート,流動パラフィン,
合成パラフィン等の潤滑剤を除去するために、例えば、
周知の脱脂剤と水又は湯等を缶の内外面に噴霧すること
により洗浄して潤滑剤を洗い流したり、或いは、缶を2
00〜300℃程度(好ましくは255〜300℃)の
高温に加熱することで潤滑剤を揮発させたりしている。
【0027】潤滑剤を除去するのに洗浄法を採用する場
合には、絞りしごき缶の脱脂・洗浄工程で採用するキャ
ンウォッシャーを使用すれば良いし、潤滑剤を揮発させ
る場合には、開口部側を下にして缶をネットコンベア上
に載置して搬送しながら熱風を吹き付ければ良い。な
お、この潤滑剤除去工程で熱可塑性樹脂フィルム層を再
度非晶質化させておく場合には、熱風の温度をこの熱可
塑性樹脂の融点よりも高い温度にすると共に、熱風吹き
付けの後、更に冷風(20℃以下、好ましくは15℃以
下)を吹き付ければ良い。
【0028】トップドーム成形されて少なくとも外面側
の潤滑剤が除去された缶については、缶胴トリミング工
程で胴部の下端開口端側をトリミングして缶を所定の長
さに揃えた後で印刷・塗装工程に向けて送り出してお
り、この印刷・塗装工程については、図示していない
が、従来から2ピース缶(蓋板を固着する前の缶本体)
をマンドレルで搬送しながらその円筒状の胴部外面に対
して印刷・塗装を連続的に施すために使用されている適
宜の装置(例えば、特開昭48−58905号公報,特
開昭54−92810号公報,特開昭57−17075
8号公報,特開昭57−178754号公報等参照)に
よるものである。
【0029】印刷・塗装工程の後の乾燥工程では、缶の
印刷インキ層やトップコート層の乾燥と同時に、缶の両
面を被覆している熱可塑性樹脂フィルム(例えば、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレ
ート樹脂との混合樹脂フィルム)の融点以上に加熱した
後急冷して熱可塑性樹脂フィルム層を非晶質化しておく
ことで、ネジ・カール成形工程に入る前に、この樹脂フ
ィルムとアルミニウム合金板との密着力を向上させてお
く。
【0030】なお、この熱可塑性樹脂フィルム層の非晶
質化については、被覆金属薄板に当初から非晶質化され
た状態で形成されていた熱可塑性樹脂被膜層が、その後
の成形(カップ成形,缶胴成形,トップドーム成形)に
おいて熱可塑性樹脂被膜層が引き伸ばされることで結晶
化しているのに対して、苛酷な加工を施すネジ・カール
成形工程に入る前に、再度非晶質化してアルミニウム合
金板との密着力を補強しておくためのものである。
【0031】この熱可塑性樹脂フィルム層の非晶質化
は、前の潤滑剤除去工程で缶を高温に加熱して潤滑剤を
揮発させる際に同時に非晶質化しておいても良く、或い
は、ネジ・カール成形に先立って別途の非晶質化装置に
より非晶質化しても良いが、ネジ・カール成形工程に入
る前の既存の工程において、その工程での缶の加熱時に
同時に行うことで、非晶質化のための専用の装置を設け
ることなく効率的に実施することができる。
【0032】胴部に印刷(及びトップコート)が施され
て保護被膜の熱可塑性樹脂フィルム層が再度非晶質化さ
れた缶について、ネジ・カール成形工程では、先ず、図
4に示すように、有底円筒状から更に2回の口絞り成形
が施された口頸部に対して、その先端部分(上端小径
部)をトリミングすることで口頸部を開口させてから、
図1に示すような外巻きカール部41,傾斜壁42,ネ
ジ形成部分43,ビード部44および小径筒部45を備
えた形状に成形している。
【0033】すなわち、口頸部の上端小径部を切断して
開口させた後、その開口端縁を僅かに外方にプレカール
させてから、上端周縁に断面円弧状の曲面を備えた金型
を口頸部の内側に挿入した状態で、上方からカール成形
パンチを押し下げることにより、口頸部の上端開口縁に
外巻きのカール部を成形すると共に、それから下方の傾
斜壁を縦断面が外方に膨らんだ円弧形となる曲面に成形
する。
【0034】そして、カール部下方の傾斜壁に続く円筒
状周壁をネジ形成部分に成形するのであるが、その際の
ネジ山とネジ谷の成形方法については、口頸部の内側に
雌型を挿入して外側からロールを押し付けて成形する方
法や、口頸部の内側からロールを押し付けて形成させる
方法等があって、適宜の方法でネジを成形した後、ネジ
形成部分の下方を所定の幅だけ残した状態で、その下方
をロールを外側から押し付けて小径筒部とすることで、
ネジ形成部分の下方が環状のビード部となるように成形
する。
【0035】なお、このビード部とその下方の小径筒部
については、キャッパーにより金属製のピルファープル
ーフキャップを口頸部に装着する場合、小径筒部にキャ
ッパーのローラーが入り込み、キャップの下端壁(破断
用ミシン目の下方の帯状部下端)を変形させて、キャッ
プの下端壁をビード部の下側壁(下方段部)に押し付け
ることで、口頸部にキャップをピルファープルーフの状
態(開封された場合にはミシン目が破断されることで外
観上その事実が判るようになっている状態)で装着させ
るためのものである。
【0036】上記のように口頸部の成形が完了した缶に
ついて、ネック・フランジ成形工程で、口頸部とは反対
側の胴部の下端開口端部に対してネックイン加工とフラ
ンジ加工を順次施してから、底蓋巻締工程において、缶
の下端開口部に形成されたフランジ部に別部材の底蓋を
シーマー(缶蓋巻締機)で二重巻き締めして固着するこ
とにより、内容物の充填が可能なボトル型缶となるので
あるが、この底蓋については、例えば、両面に0.02
mm厚のポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレ
ンテレフタレート樹脂との混合樹脂フィルムを熱融着さ
せたアルミニウム合金(5182−H39)製で板厚が
0.285mm,直径が62.6mmの底蓋を使用して
いる。
【0037】ところで、上記のようなボトル型缶の製造
では、ネジ・カール成形工程の最初の工程で、図4に示
すように、有底円筒状に成形された後で更に2回の口絞
り成形が施された未開口の口頸部について、口頸部の先
端部分(上端小径部)をトリミングすることで口頸部を
開口させているが、そのようなボトル型缶の未開口の口
頸部をトリミングするために使用される本発明のトリミ
ングカッター装置の一実施形態について以下に説明す
る。
【0038】図5は、ボトル型缶の未開口の口頸部をト
リミングするためのトリミングカッター装置の全体構造
を示すものであって、図6(A),(B)は、本実施形
態のトリミングカッター装置により口頸部をトリミング
するときの状態を示し、図7(A),(B)は、比較例
のトリミングカッター装置により口頸部をトリミングす
るときの状態を示すものである。
【0039】ボトル型缶の未開口の口頸部をトリミング
するためのトリミングカッター装置10については、図
5に示すように、胴部3の端部の開口部分から缶内を通
って口頸部4の内側に挿入されるインナーカッター11
と、口頸部4の外側方で切断方向(口頸部4の軸線方向
と直交する方向)に移動するアウターカッター12とを
有するものであって、所定のクリアランスでオフセット
されたインナーカッター角部の内刃11aとアウターカ
ッター角部の外刃12aとにより口頸部4の先端部分
(上端小径部)の側壁を挟んで剪断するようにしたもの
である。
【0040】すなわち、本実施形態のトリミングカッタ
ー装置10では、口頸部4の内側に挿入されるインナー
カッター11は、缶内に挿入されて缶体の軸心に位置す
る回転軸13の先端部分に固定支持されており、口頸部
4の外側で切断方向に移動するアウターカッター12
は、切断方向(口頸部4の軸心方向と直交する方向)に
往復移動する回転軸14に固定されていて、インナーカ
ッター11の先端の角部11aが丸刃の内刃となり、ア
ウターカッター12の先端(インナーカッター11と対
向する側)の角部12aが丸刃の外刃となっている。
【0041】そして、インナーカッター側の内刃11a
とアウターカッター側の外刃12aとは、2つの自転す
る丸刃によるロータリーシャーとして、切断対象となる
口頸部4の側壁を挟んで、各カッターの軸線方向で所定
のクリアランスを持ってオフセットされた状態に配置さ
れ、且つ、缶内に位置が固定された内刃11aに対し、
外刃12aが切断方向(各カッターの軸線方向と直交す
る方向)に移動するように設置されている。
【0042】そのようなトリミングカッター装置10に
おいて、比較例では、図7(A)に示すように、各カッ
ター11,12の刃先11a,12aから口頸部4の側
壁に沿って延びる刃側面が、何れも口頸部4の側壁と平
行な円筒面であるのに対して、本実施形態では、図6
(A)に示すように、各カッター11,12の刃先11
a,12aから口頸部4の側壁に沿って延びる刃側面
が、インナーカッター11では、刃先11aから離れる
に従って口頸部4の側壁から離れるように傾斜した円錐
面となるように形成され、アウターカッター12では、
刃先12aから離れるに従って口頸部4の側壁に近づく
ように傾斜した円錐面となるように形成されている。
【0043】なお、各カッター11,12の刃側面の傾
斜角度については、口頸部4の変形防止とフィルムヘア
ーの発生防止の観点から、インナーカッター角部の内刃
11aでは、カッター11の軸線方向(口頸部4の軸線
方向)に対して5〜11度の範囲内(例えば、8度)、
また、アウターカッター角部の外刃12aでは、カッタ
ー12の軸線方向(口頸部4の軸線方向)に対して1〜
5度の範囲内(例えば、3度)とするのが好ましい。
【0044】そのような本実施形態のボトル型缶用のト
リミングカッター装置10によれば、インナーカッター
11の内刃11aとアウターカッター12の外刃12a
により口頸部4の側壁を挟んで剪断する際に、図6
(B)に示すように、アウターカッター12の押圧力に
よりインナーカッター11の支持軸が撓んでも、アウタ
ーカッター12の押圧力で口頸部4の側壁をインナーカ
ッター11の内刃11aに押し付けた状態で、剪断のた
めの押圧力をカッタークリアランスが広がる方向に逃が
すことなく、口頸部4の側壁を剪断することができるた
め、カッタークリアランスの変動に起因するフィルムヘ
アーの発生を防止することができる。
【0045】なお、比較例として示したようなトリミン
グカッター装置では、図7(B)に示すように、アウタ
ーカッター12の剪断押圧力によりインナーカッター1
1の支持軸が撓むことで、アウターカッター12の剪断
押圧力の一部が、内刃11aと外刃12aが逃げる方向
(クリアランスが広がる方向)の力として働くことで、
カッタークリアランスが変動することとなって、その結
果、目立ったフィルムヘアーが発生することとなる。
【0046】以上、本発明のボトル型缶用のトリミング
カッター装置の一実施形態について説明したが、本発明
は、上記の実施形態に限られるものではなく、例えば、
使用対象となるボトル型缶については、上記の実施形態
で具体的に示したようなものに限られるものではなく、
また、トリミングカッター装置の具体的な構造(例え
ば、アウターカッターやインナーカッターの支持構造
等)についても、図示したような構造に限らず、適宜設
計変更可能なものであることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上説明したような本発明のボトル型缶
用のトリミングカッター装置によれば、両面が熱可塑性
樹脂層で被覆されている口頸部をトリミングしたとき
に、熱可塑性樹脂層からフィルムヘアーが目立って発生
するのを防止することができて、その後にフィルムヘア
ーを改めて除去するような工程を必要とすることなく、
缶の口頸部をフィルムヘアーの無い綺麗な状態に仕上げ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトリミングカッター装置を使用して製
造されるボトル型缶の一例を示す部分断面側面図。
【図2】図1に示したボトル型缶を製造するための製造
工程を示す側面説明図。
【図3】図2に示したボトル型缶の製造工程におけるト
ップドーム成形工程での口頸部と肩部の成形状態につい
て示す断面説明図。
【図4】図2に示したボトル型缶の製造工程におけるト
ップドーム成形工程での2回の口絞り成形とその後に行
われる口頸部のトリミングについて示す側面説明図。
【図5】図4に示した口頸部のトリミングを行うために
使用されるトリミングカッター装置の全体を示す断面側
面図。
【図6】本発明の一実施形態に係るトリミングカッター
装置について、(A)駆動前の内刃と外刃の状態、およ
び(B)切断直前の内刃と外刃の状態をそれぞれ示す側
面説明図。
【図7】比較例のトリミングカッター装置について、
(A)駆動前の内刃と外刃の状態、および(B)切断直
前の内刃と外刃の状態をそれぞれ示す側面説明図。
【符号の説明】 1 ボトル型缶 2 胴部 3 肩部 4 口頸部 10 トリミングカッター装置 11 インナーカッター 11a 内刃(内刃の刃先) 12 アウターカッター 12a 外刃(外刃の刃先)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄板の両面を熱可塑性樹脂層で被覆
    した被覆金属薄板から口頸部と肩部と胴部が一体成形さ
    れるボトル型缶の製造工程で、未開口の口頸部の先端部
    分を切断して開口させるために、口頸部の内側に挿入さ
    れるインナーカッターと、口頸部の外側で移動するアウ
    ターカッターとで、所定のクリアランスでオフセットさ
    れたインナーカッター角部の内刃とアウターカッター角
    部の外刃により口頸部の側壁を挟んで剪断するようにし
    たトリミングカッター装置において、各カッターの刃先
    から口頸部側壁に沿って延びる刃側面が、インナーカッ
    ターでは刃先から離れるに従って口頸部の側壁から離れ
    るように傾斜し、アウターカッターでは刃先から離れる
    に従って口頸部の側壁に近づくように傾斜していること
    を特徴とするボトル型缶用のトリミングカッター装置。
  2. 【請求項2】 インナーカッター角部の内刃の刃側面
    が、口頸部の軸線方向に対して5〜11度の範囲内で傾
    斜し、アウターカッター角部の外刃の刃側面が、口頸部
    の軸線方向に対して1〜5度の範囲内で傾斜しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のボトル型缶用のトリミ
    ングカッター装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024105948A1 (ja) * 2022-11-15 2024-05-23 東洋製罐株式会社 金属有底筒状体の製造方法

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