JP2001179154A - 染色物および染色対象物の染色処理方法並びに装置 - Google Patents

染色物および染色対象物の染色処理方法並びに装置

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JP2001179154A
JP2001179154A JP36711699A JP36711699A JP2001179154A JP 2001179154 A JP2001179154 A JP 2001179154A JP 36711699 A JP36711699 A JP 36711699A JP 36711699 A JP36711699 A JP 36711699A JP 2001179154 A JP2001179154 A JP 2001179154A
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jig
dyed
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hung
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JP36711699A
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Masamitsu Watanabe
正光 渡辺
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染色対象物が治具に引掛る箇所の染色ができ
る。 【解決手段】 透明基板に形成された回路パターンの全
面を覆うペリクル枠に加工されるアルミニウムを基体と
する染色対象物10を治具17に掛けて染色液36に浸
漬し染色処理を行う染色対象物の染色処理方法におい
て、染色対象物10を掛けた治具17を揺動させて染色
処理を行う。さらに、染色液36に浸漬された染色対象
物10の周りの染色液を流動させ循環させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、治具に掛けて染色
された染色物および治具に掛け可能に形成された染色対
象物の染色処理方法およびその装置に係り、特に、染色
された染色物であるペリクルの枠体(ペリクル枠ともい
う)およびペリクル枠に加工される染色対象物の染色処
理方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】染色対象物の一つとして、たとえば硬質
ガラスなどの透明板の表面に形成された回路配線図(回
路パターン)を覆うペリクルの枠体を挙げることができ
る。すなわち、ペリクルは、回路パターンを露光して半
導体基板に転写する転写装置(ステッパー)に使用さ
れ、透明板の表面に形成されたフォトレジストマスクの
ICやLSIの回路配線図(回路パターン)の原図全面
を覆い、回路配線図に塵が付着しないようにするもので
ある。
【0003】回路配線図に塵が付着すると転写された配
線図は不鮮明なものとなる。このため、回路配線図に塵
が付着しないように、環状のペリクル枠に透光性のペリ
クル膜を張着したペリクルを回路配線図の原図全面を覆
うように貼着される。
【0004】ペリクルが貼着されたフォトレジストマス
クは、塵がペリクル膜で遮られ回路配線図に付着するこ
とがない。また、ペリクル膜に塵が付着しても、塵は半
導体基板の上に焦点がぼけて結像され、回路配線図の方
は、原図通りの回路配線図が鮮明に転写される。
【0005】ペリクル枠は、ペリクル膜が張着されるの
で形状を保持する機能、すなわち、たわみにくく、軽い
ことが求められる。さらに、腐食が発生しにくいことも
必要である。このため枠体を形成する基体の材質とし
て、高強度を有するアルミニウム合金、たとえばJIS
A7000系またはA6000系のアルミニウム合金
が使用される。
【0006】さらに、ペリクル枠は、上記の回路配線図
の転写工程において光源からの光の反射を防ぎ鮮明な転
写配線図を得るために黒色に処理される。すなわち、ペ
リクル枠に加工される染色対象物は、陽極酸化処理が施
された後に、染色するための治具に掛けられて染色液に
浸漬され黒色に染色処理が施される。染色液は、黒色の
染料を溶解した液である。この場合、染色対象物を治具
に掛けて染色処理を行うと、治具に接触している箇所は
染色されずに陽極酸化皮膜が露出する染色欠陥が発生す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、回路配線図にお
ける線幅が益々細くなり、たとえば線幅が0.1〜0.
01μm程度と細線になるにつれて、上記染色欠陥は露
光に際して光の反射が転写配線図を不鮮明にする問題点
が顕在化してきた。また、回路配線図の転写工程におい
ては、転写装置の構成部材に付着している塵を目視ない
し機械検査で検出し取り除くことが行われる。この場
合、前記の陽極酸化皮膜が露出する染色欠陥は、塵と紛
らわしく、しかも近年の塵検査基準の厳しさから小さい
塵まで検出対象とされることとなり、誤認欠陥数が多く
なって作業進捗の妨げとなってきた。
【0008】本発明は、染色対象物が治具に引掛る箇所
の染色ができることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、染色対象物
を染色液中で揺動させながら処理すると、上記の染色欠
陥が解消することを見出して本発明を完成したものであ
る。すなわち、本発明は、染色対象物を掛けた治具を揺
動させて染色処理を行うことを特徴とする。
【0010】染色対象物を掛けた治具を染色液中で揺動
させると、染色対象物の治具に支持された箇所より下の
部分は、揺動の移動方向と反対の方向に傾斜する。した
がって、いままで治具に接触していた染色対象物の箇所
が治具から離れ、この箇所に染色液が供給される。揺動
の移動方向が反転すると、染色対象物は反転した揺動の
移動方向と反対の方向に傾斜する。したがって、いまま
で接触していた染色対象物の箇所が治具から離れ、この
箇所に染色液が供給される。このようにして、治具を揺
動させることにより、染色対象物の傾斜方向は交互に変
わり、傾斜方向が変わる度に治具に接触する箇所が変わ
る。したがって、染色対象物の引掛り箇所には染色液が
供給されるので、その箇所の陽極酸化皮膜の露出が無く
なる。
【0011】上記治具を染色液中で揺動させる場合の治
具の染色対象物が掛る箇所の数は、染色対象物に対して
治具が上下動の場合は少なくとも1箇所の支点を設けれ
ば良い。これは治具の上下動によって染色対象物が治具
から離れるからである。染色対象物に対して治具が水平
動の場合には、染色対象物の接触部が曲率を有する形状
のときに、この接触部に治具が1箇所で接触していれば
良い。これは治具が水平揺動すると染色対象物の下部が
水平揺動の方向と反対方向に交互に傾斜すると同時に治
具の支持する点が移動するからである。
【0012】しかしながら、上記何れかの染色対象物に
おいて、染色対象物を治具に掛けたときに、染色対象物
は揺動の方向の少なくとも2箇所の位置で治具に掛かる
とさらに良い。すなわち、このようにすると、治具の揺
動により、染色液の抵抗を受け染色対象物の下部が揺動
の方向と反対方向に傾斜し、染色対象物と治具との間に
隙間ができる。さらに、揺動の方向を変えると、染色対
象物の下部は、これまでと反対方向に傾斜し、染色対象
物と治具との間の今まで接していた側に隙間ができる。
このように、揺動方向を変えることにより染色対象物と
治具との接触位置が交互に治具から離れ、そこに染色液
が供給されるので、染色対象物の治具に引掛る箇所が染
色され、陽極酸化皮膜の露出が無くなる。この染色対象
物の揺動方向に2箇所の位置で治具に掛ける場合は、染
色対象物の形状から生ずる曲がり部分(曲率を有するコ
ーナー部分)と治具の厚さ部分を利用することができ
る。もちろん治具の支点形状は断面がV字状、U字状な
どに工夫加工したものでも良い。
【0013】すなわち、本発明は、ペリクルの枠体に加
工されるアルミニウムを基体とする染色対象物と治具と
を相対的に接離させながら染色処理を行うことを特徴と
する。このようにすることにより、ペリクルの枠体に加
工される染色対象物と治具とが接離するので、染色対象
物と治具とが離れたときに隙間ができる。この隙間に染
色液が供給され、染色対象物と治具との接離する箇所が
染色されて陽極酸化皮膜の露出が無くなる。
【0014】また、染色液に浸漬された染色対象物の周
りの染色液を流動させ循環させると良い。染色対象物の
周りの染色液を流動させ循環させると、染色剤が消費さ
れた染色液に代って染色剤の消費されていない濃度の高
い染色液が供給され、染色対象物の治具に引掛る箇所の
染色が促進される。さらに、染色液を流動させると染色
対象物は治具に接触する位置を中心に傾斜し易くなるの
で、傾斜することにより何れかの接触箇所が治具から離
れ、この離れた箇所に染色液が供給され染色が促進され
る。
【0015】また、本発明は、染色液を保持する保持槽
と、染色対象物が掛け可能に形成された溝を有する治具
と、この治具を保持槽の染色液中で揺動させる手段とを
備えること特徴とする。
【0016】治具の溝に染色対象物を掛け、保持槽の染
色液に浸漬して治具を染色液中で揺動させることによ
り、染色対象物は治具に対して傾斜し、染色対象物の治
具に掛けられた位置近傍に染色液が供給され染色され
る。この場合、染色対象物を浸漬する保持槽の染色液の
上部染色液を吸い込み保持槽の下部に供給する循環手段
を備えると良い。こうすると、染色対象物と治具との接
触箇所に染色液の流動が形成されるので、染色液が供給
され染色が促進される。また、染色液の流動を強くする
と染色対象物が液中で浮遊し、治具に対して該染色対象
物が接離を繰り返し、治具の支持位置の染色が促進され
る。
【0017】上記いずれかの発明において、染色対象物
の材質であるアルミニウムは、純アルミニウムやアルミ
ニウム合金を意味するものとする。特に、枠体に加工さ
れる染色対象物の場合は、高強度のアルミニウム合金が
使用される。さらに、染色対象物の表面には、染色処理
される前に陽極酸化皮膜が形成されたものである。染色
処理においては陽極酸化皮膜の微細な穴(ポア)に染色
剤が侵入し染色される。染色後、封孔処理(たとえば6
0〜100℃の湯水に20分間程度浸漬)して染色剤を
陽極酸化皮膜のポア中にとじ込める。
【0018】染色対象物の形状は、枠状、環状、リング
状などの形状をした、いわゆる閉断面部材や、これらの
一部が開口したC字形、コの字形などの形状のいわゆる
開断面部材を含む。さらに、染色対象物を正面からみて
円形、矩形、その他の形状が利用できる。また、染色対
象物自体の断面は、特に限定されないが、円形や矩形な
どが適用されるが、これらに限定されることはない。
【0019】染色対象物を治具に支持する方法として
は、染色対象物が環状で閉断面部材の場合は、中央の中
空部の縁を利用して治具に形成された溝、たとえばV字
状、U字状などの溝に掛けると良い。染色対象物が開口
を持つ開断面部材の場合は、開断面の内側の縁を治具の
上記溝に掛けると良い。
【0020】揺動の方向は、揺動前に接触していた箇所
が治具から離れ、かつ染色対象物が治具から外れなけれ
ば特に限定されない。たとえば治具を水平方向に揺動さ
せ、あるいは上下方向に揺動させるが、染色対象物同士
が揺動によって接触しない方向に揺動させる。また、染
色対象物を液流で浮遊させ治具と接離させることもでき
る。この場合、治具を静止させておいても染色対象物と
治具を接離させながら染色処理することができる。いず
れにしろ染色対象物と治具とを相対的に接離させながら
染色する方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る染色物、染色
対象物の染色処理方法および装置の実施の形態を図面に
基づいて詳細に説明する。なお、図1〜7において、同
一または同等部分には同一符号を付けて示す。
【0022】図7は、透明基板とペリクルを示し、
(A)は透明基板にペリクルを貼着装備した状態の断面
図、(B)はペリクルの断面図、(C)はペリクルの平
面図、である。
【0023】図7(A)に示すように、透明基板である
硬質ガラス13面に作図されたICやLSIなどの回路
配線図(回路パターン)15が形成されたフォトレジス
トマスク12は、図示していない転写装置(ステッパ
ー)に装備され、回路配線図15を露光して図示してい
ない半導体基板に回路パターンを転写する。この場合、
回路配線図15に塵が付着して転写された配線図が不鮮
明となることを防止するため光学機器部品であるペリク
ル3が貼着される。ペリクル3は、透光性のペリクル膜
9を染色物であるペリクル枠(枠体)5に張着したもの
で、回路配線図の原図全面をカバーするようにフォトレ
ジストマスク12に貼着される。ペリクル枠の大きさ
は、フォトレジストマスク12の大きさに対応してい
る。
【0024】図7(B)に示すように、ペリクル枠5を
フォトレジストマスク12に貼着装備する際は、ペリク
ル枠5に、前もって張られた貼着剤保護膜7を剥がして
貼着剤8の付いたペリクル枠5を、図7(A)に示す硬
質ガラス13面に貼着する。このようにペリクル枠5が
貼着された回路配線図面は、塵がペリクル膜9で遮られ
付着することがない。また、ペリクル膜9に塵が付着し
たとしても、塵はレンズを通過した外部光源からの光に
より焦点がぼけて結像されないから、半導体基板面上に
結像される像は、原図通りの回路配線図が転写される。
【0025】このようなペリクル枠5は、ペリクル膜9
が張着される関係上、形状を保持する機能が求められ、
高強度を有するJIS A7000系アルミニウム合
金、たとえば7015、7075、7150などが使用
される。特に、上記の回路配線図の転写工程においては
光源からの光の反射を防ぎ鮮明な転写配線図を得るため
に、アルミニウム合金からなる染色対象物に黒色の染色
処理が施される。
【0026】図1は、本発明の染色対象物の染色処理方
法を実施するための装置の概略縦断面図である。図2
は、図1の平面図である。本染色対象物の染色処理装置
は、染色液36を保持する保持槽33と、染色対象物1
0が掛け可能に形成された溝24を有する治具17と、
この治具17を保持槽33の染色液36中で揺動させる
揺動装置(揺動させる手段)37とを備える。さらに、
染色対象物10を浸漬する保持槽33の染色液の上部染
色液36aを吸い込み保持槽33内の染色対象物の下方
に供給する循環装置(循環手段)48を備える。
【0027】保持槽33は、仕切り34を有し、治具1
7を浸漬する浸漬室33aと、オーバーフロー室33b
に仕切られる。浸漬室33aの上部染色液36aが仕切
り34の上端を越えてオーバーフローし、オーバーフロ
ー室33bに流入するように形成される。
【0028】揺動装置37は、保持槽33の上部に設け
られ、片持ち支持台35に設置された駆動機41と、こ
の駆動機41によって水平方向に往復直線移動をさせら
れ揺動する揺動ロッド43と、この揺動ロッド43に固
定され治具17が係止される揺動金具45とを有する。
揺動ロッド43および揺動金具45は、治具の歯形板1
9の長手方向に直交する方向である揺動の方向38(図
2)に揺動する。
【0029】循環装置48は、オーバーフロー室33b
の染色液を吸込管49を介して吸い込むポンプ50と、
このポンプ50から吐出管51を介して染色液が供給さ
れ、ろ過するフィルター52とを有する。さらに、フィ
ルター52でろ過された染色液は、供給管53、バルブ
54を経て浸漬室33aの底近傍に設けられた噴出管5
6に供給される。噴出管56は、治具17の下方両側に
位置するように2箇所設けられる。噴出管56には噴出
孔57(図2)が上向きに複数設けられる。噴出管56
やその噴出孔57の数は保持槽33の大きさに応じて適
宜の数とする。
【0030】図3は、本装置で使用する治具の正面図で
ある。治具17は、染色対象物を掛ける歯形板19と、
この歯形板19を固定する固定板26と、固定板26の
端に固定された側板27を有する。固定板26、側板2
7は、ステンレスで形成される。側板27には、下方向
きにL字状の係止金具28が設けられる。さらに、取手
29が固定される。歯形板19と固定板26とは、適宜
の間隔で設けられたねじ32により締結される。
【0031】歯形板19は、プラスチック、たとえばテ
フロン樹脂、PEI(ポリエーテルイミド)などで形成
され、V字状の溝24が適宜のピッチPで複数設けられ
る。V字状の溝24の角度αは、染色対象物の形状によ
り45°〜60°が良い。溝のピッチPについても染色
対象物のサイズに応じ、染色処理中に接触しないように
設定される。
【0032】図4は、図3の治具を揺動装置に係止する
箇所の要部斜視図である。治具の側板27に設けられた
係止金具28の係止片28aは、揺動金具45の下部に
設けられた係止孔46に挿入され係止される。
【0033】図5は、染色対象物を図3の治具に支持さ
せた状態の斜視図である。染色対象物10の一つのコー
ナー部を治具の歯形板の溝24に図示のように掛けられ
る。すなわち、染色対象物10の高さ方向10a(図7
(B))を歯形板の長手方向19a(図3)に一致させ
て治具17に掛けられる。
【0034】次に、ペリクル枠5の一般的な製造方法に
ついて説明する。先ず枠素材を形成する。枠素材は、上
記アルミニウム合金で製造された板を環状に打ち抜く
か、加工(機械)中ぐりするか、中空押出形材を輪切り
にするかなどによって成形される。次に、この枠素材に
発生しているバリ取りが行われた後、規定形状、寸法に
精密加工される。精密加工された枠素材は、表面が清浄
にされた後、陽極酸化処理が行われ、表面に陽極酸化皮
膜が形成され、先の染色対象物となる。
【0035】染色対象物に形成された陽極酸化皮膜は、
多数の微細な穴(ポア)を有する。この染色対象物を染
色液に浸漬し、染色処理を行い、陽極酸化皮膜の微細な
穴に黒色の染色剤を吸着させる。染色処理を行った染色
対象物は、先の微細な穴を塞ぐため熱水に漬けられ封孔
処理が行われ、最後に表面が清浄にされて完成品とな
る。
【0036】陽極酸化処理は、たとえば硫酸濃度10〜
20%、電流密度1〜2A/dm、電解液温度15〜
30℃、通電時間10〜30分の条件で行われる。陽極
酸化処理が行われると、表面には微細な穴(直径50〜
200Å、ピッチ500〜3000Å)が規則正しく多
数形成される。
【0037】染色処理は、黒色の染料、たとえばサンド
社製 商品名Sanodal Deep Black MLW Newが溶解した染
色液に染色対象物を浸漬することで、陽極酸化処理で形
成された微細な穴に染料を吸着させて黒色とする処理で
ある。治具17にワークである染色対象物を掛ける。次
に、ワークの掛けた治具17を揺動装置37にセット
し、染色液保持槽33に浸漬する。次に揺動装置37を
起動し、治具17を染色液内で左右または前後あるいは
上下に揺動させる。染色は、たとえば染料濃度3〜10
g/L、染色液温度50〜65℃で行われる。この際、
揺動の速度は、行き1秒間で5cm移動させ、帰り1秒
間で5cm移動させ、往復2秒で10cm移動させる。
また、揺動のストロークは、リミットの位置を変えるこ
とにより変更する。スピードは無段変速である。
【0038】封孔処理は、染料を吸着させた微細な穴を
塞ぐ処理で、封孔助剤6〜12g/Lを加えた高温度
水、たとえば60〜100℃、好ましくは70〜95℃
の間の温度の高温水に浸漬して行われる。
【0039】黒色は、ペリクルの場合、ペリクル枠から
の光の反射を防止するために行うもので、光を反射しな
い、または光の反射が小さい色調であれば黒色に限らな
い。
【0040】以上の構造を有する本実施形態の染色処理
装置は、次のように作用する。
【0041】図1において、染色対象物10を図5に示
したように掛けた治具17を染色液36中で、治具の歯
形板19の長手方向と直交する方向(図2の揺動の方向
38)に揺動装置37によって揺動させる。このときの
揺動の作用を図6で説明する。
【0042】図6は、染色対象物と治具の歯形板との相
対的位置関係を示し、(A)は治具が揺動していない状
態、(B)は治具が左側に揺動した状態、(C)は治具
が右側に揺動した状態、をそれぞれ示す要部断面図であ
る。図6(A)に示すように、揺動前の状態において
は、歯形板の上端の縁20a、20bは染色対象物10
のコーナー内側面に接触して載っている。
【0043】図6(B)に示すように、治具10を左側
に揺動させると、染色対象物10は揺動により染色液か
ら力を受けて歯形板の縁20aを中心に反時計回り方向
22に回転して傾斜する。染色対象物10が反時計回り
方向22に傾斜すると、歯形板の縁20bは染色対象物
10のコーナー内側面から離れる。歯形板の縁20bと
染色対象物10のコーナー内側面が離れると、この隙間
に染色液が供給される。
【0044】図6(C)に示すように、治具10を右側
に揺動させると、染色対象物10は、染色液から力を受
けて歯形板の縁20bを中心に時計回り方向21に回転
して傾斜する。染色対象物10が時計回り方向21に傾
斜すると、歯形板の縁20aは染色対象物10のコーナ
ー内側面から離れる。歯形板の縁20aと染色対象物1
0のコーナー内側面が離れると、この隙間に染色液が供
給される。このようにして、治具17が揺動することに
より、染色対象物10は、その傾斜方向が交互に変わ
り、傾斜方向が変わる度に歯形板の縁に接触する箇所が
離れるので、そこに染色液が供給され、その箇所が染色
され、その箇所の陽極酸化皮膜の露出が無くなる。
【0045】図1に示すように、循環装置48により染
色対象物10の周りの染色液36を流動させ循環させる
と、染色剤が消費された染色液に代って染色剤の消費さ
れていない濃度の高い染色液36が供給され、染色対象
物10の治具17に係止する箇所の染色が促進される。
さらに、染色液36を流動させると染色対象物10は歯
形板の上端縁を中心に傾斜し易くなるので、傾斜するこ
とにより何れかの接触していた位置が離れ、ここに染色
液が供給され染色が促進される。
【0046】また、循環装置48により染色液36を循
環させることにより、治具17に掛けられた染色対象物
10は、動かされ、治具と接離し接触位置に染色液が供
給され易く、染色が促進される。また、染色液36を循
環させる際に、浸漬室33aからオーバーフロー室33
bにオーバーフローさせると、液表面に浮いたごみなど
もフィルターにより除去できる。
【0047】上記の方法、装置により製造された染色対
象物をペリクル枠として使用することにより、陽極酸化
皮膜が露出しないので回路配線図の転写工程において自
然光ないし光源からの光の反射を防いだ鮮明な転写配線
図を得ることができる。
【0048】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0049】精密加工された高さH=6mm、縦120
mm、横150mmのJIS A7075合金製の染色
対象物(ペリクル枠に処理される枠体)を陽極酸化処理
した後、図1に開示する染色装置を用い、V字状溝を多
数備えた厚さ1mmの一つの治具に15個掛けて染色対
象物を揺動させながら染色処理を施した。 (1)陽極酸化処理条件 電解液 硫酸水 電解液濃度 15% 電流密度 1.5A/dm 電解液温度 17〜18℃ 通電時間 20分 (2)染色条件 染色剤 サンド社製 商品名Sanodal Deep Black MLW New 染料液濃度 5g/L 染色液温度 57〜58℃ 揺動速度 行き 1秒間で5cm 帰り 1秒間で5cm 揺動ストロークは 5cm 染色時間 10分 (3)封孔処理条件 封孔助剤 花見化学社製 商品名 シーリングX 封孔助剤濃度 9g/L 液温度 90〜91℃ 処理時間 25分 (4)観察方法 目視による 上記の陽極酸化処理、染色処理および封孔処理の条件と
揺動条件で行った結果、染色対象物の表面には、染色さ
れていない部分が観察されなかった。
【0050】これに対して、揺動を行わなかった染色対
象物は、30μm以上の染色されていない部分が全ての
ペリクル枠について治具の接触する部分に観察された。
【0051】以上この発明を図示の実施例について詳し
く説明したが、それを以ってこの発明をそれらの実施例
のみに限定するものではなく、この発明の精神を逸脱せ
ずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ること
は云うまでもない。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、染色対象物が治具に引
掛る箇所の染色ができ、治具と接触する部分においても
他の部分と同様に染色されている染色対象物を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の染色対象物の染色処理方法を実施する
ための装置の概略縦断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本装置で使用する治具の正面図である。
【図4】図3の治具を揺動装置に係止する箇所の要部斜
視図である。
【図5】染色対象物を図3の治具に支持させた状態の斜
視図である。
【図6】染色対象物と治具の歯形板との相対的位置関係
を示し、(A)は治具が揺動していない状態、(B)は
治具が左側に揺動した状態、(C)は治具が右側に揺動
した状態、をそれぞれ示す要部断面図である。
【図7】透明基板とペリクルを示し、(A)は透明基板
にペリクルを貼着装備した状態の断面図、(B)はペリ
クルの断面図、(C)はペリクルの平面図、である。
【符号の説明】
3 ペリクル 5 ペリクル枠(枠体) 10 染色対象物 17 治具 20a、20b 歯形板の縁 24 溝 33 保持槽 36 染色液 37 揺動装置(揺動させる手段) 38 揺動の方向 48 循環装置(循環手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムを基体とする染色対象物を
    治具に掛けて染色液に浸漬し染色処理を行った染色物に
    おいて、前記治具と接触した部分においても、該治具と
    接触していなかった部分と同様に染色されてなる染色
    物。
  2. 【請求項2】 アルミニウムを基体とする染色対象物を
    治具に掛けて染色液に浸漬し染色処理を行う染色対象物
    の染色処理方法において、前記染色対象物を掛けた治具
    を揺動させて前記染色処理を行うことを特徴とする染色
    対象物の染色処理方法。
  3. 【請求項3】 ペリクルの枠体に加工されるアルミニウ
    ムを基体とする染色対象物を治具に掛けて染色液に浸漬
    し染色処理を行う染色対象物の染色処理方法において、
    前記染色対象物と前記治具とを相対的に接離させながら
    前記染色処理を行うことを特徴とする染色対象物の染色
    処理方法。
  4. 【請求項4】 染色液を保持する保持槽と、染色対象物
    が掛け可能に形成された溝を有する治具と、該治具を前
    記保持槽の染色液中で揺動させる手段とを備えてなる染
    色対象物の染色処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記染色対象物を浸
    漬する保持槽の染色液の上部染色液を吸い込み前記保持
    槽の下部に供給する循環手段を備えてなる染色対象物の
    染色処理装置。
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