JP2001179054A - 排ガス浄化装置及びこれに用いる触媒担体 - Google Patents

排ガス浄化装置及びこれに用いる触媒担体

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JP2001179054A
JP2001179054A JP36995599A JP36995599A JP2001179054A JP 2001179054 A JP2001179054 A JP 2001179054A JP 36995599 A JP36995599 A JP 36995599A JP 36995599 A JP36995599 A JP 36995599A JP 2001179054 A JP2001179054 A JP 2001179054A
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exhaust gas
catalyst
honeycomb
adsorbing member
gas purifying
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JP36995599A
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Fumio Mitsuharu
史雄 三治
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Toyota Motor Corp
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】HC吸着部材の下流側に配置された排ガス浄化触
媒が活性化温度まで昇温する時間を短縮する。 【解決手段】排ガス流路の上流側にHC吸着部材1を、そ
の下流側に排ガス浄化触媒2を配置した排ガス浄化装置
において、HC吸着部材1の排ガス流に対向する端面を円
錐台形状とするとともに、その端面に開口しハニカム基
材の内部に延びる孔部14を形成した。HC吸着部材1の上
流側側端面に到達した排ガスはその比較的多くの部分が
孔部14を通過するため、排ガスは速やかに下流側の排ガ
ス浄化触媒2に到達し排ガス浄化触媒2を速やかに昇温
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の排ガス流路
に配置される排ガス浄化装置と、その排ガス浄化装置に
用いられる触媒担体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の排ガス規制に伴い、自動車の排ガ
ス流路には各種の触媒装置が配置されている。例えば酸
化触媒は、担持されている貴金属の触媒作用によって排
ガス中のHC及びCOを酸化して浄化する。また三元触媒
は、担持されている貴金属の触媒作用によりストイキ雰
囲気の排ガス中のHC及びCOを酸化して浄化するととも
に、そのHC及びCOによってNOx を還元して浄化する。さ
らにNOx 吸蔵還元型触媒は、酸素過剰雰囲気でHC及びCO
を酸化するとともにNOx を吸蔵し、ストイキ〜燃料リッ
チ雰囲気で放出されたNOx を還元して浄化するものであ
る。
【0003】例えば三元触媒は、理論空燃比で燃焼され
たストイキ雰囲気の排ガスを効率よく浄化するように設
計されている。しかし市街地走行時や急加速あるいは急
減速の場合などには、空燃比がストイキを中心にして変
動するため、その排ガス雰囲気はHCリッチ雰囲気からHC
リーン雰囲気まで広く変動し、三元触媒による浄化が不
充分となる場合がある。また始動時あるいは冷間時には
排ガスの温度が低く、排ガス温度が触媒の活性化温度以
上となるまではHCは浄化されずそのまま排出されるとい
う不具合がある。
【0004】そこで例えば特開平6-154538号公報などに
開示されているように、ゼオライトなどのHC吸着部材を
三元触媒の上流側に配置した排ガス浄化装置が開発され
ている。この排ガス浄化装置では、排ガス中のHCを低温
時にHC吸着部材に吸着させ、吸着されたHCは昇温時に脱
離して三元触媒により酸化浄化される。したがってこの
ような排ガス浄化装置によれば、冷間時や始動時などに
排ガス中に含まれるHCはHC吸着部材に吸着されるため排
出が抑制され、高温時には三元触媒で酸化浄化されるた
め、低温から高温までHCの排出を抑制することができ
る。
【0005】この排ガス浄化装置は、排ガス流路の上流
側にハニカム形状のHC吸着部材を配置し、その下流側に
ハニカム形状の三元触媒を配置したタンデム型の構造と
されるのが一般的である。そしてHC吸着部材と三元触媒
とは、隙間のない状態で並べられたり、僅かの隙間を形
成して並べられたり、あるいは間隔を大きく設けて並べ
られたりして用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】排ガス流路の上流側に
ハニカム形状のHC吸着部材を配置し、その下流側に例え
ばハニカム形状の三元触媒を配置したタンデム型の排ガ
ス浄化装置においては、始動時など三元触媒の活性化温
度より低い温度の排ガスであっても、HC吸着部材がHCを
効率よく吸着するので、HCの排出を抑制することが可能
となる。
【0007】しかしながらこのような排ガス浄化装置で
は、排ガスの熱が上流側のHC吸着部材に奪われるために
下流側の三元触媒の昇温が遅延し、三元触媒が活性化温
度となるまでの間に未浄化の排ガスが排出されるという
不具合があった。
【0008】さらに従来のHC吸着部材及び三元触媒など
に用いられる触媒担体は、断面一定の略筒形状のハニカ
ム担体が用いられている。したがって担体を流れる排ガ
スの流速分布は軸芯部が最も大きく周縁部ほど小さくな
るため、これらに担持されているHC吸着材や貴金属など
の有効成分は軸芯部は効率よく使用されるものの周縁部
では利用効率が低いという不具合があった。
【0009】そこで一端部が円錐形状をなし、その円錐
状の一端部を排ガス流に対向して配置した触媒も知られ
ている。このような形状の触媒を用いれば、触媒中を流
れる排ガスの流速分布を均一とすることができ、HC吸着
材や貴金属などの有効成分の利用効率が向上する。
【0010】しかしながら一端部が円錐形状をなす担体
を上記したタンデム型の排ガス浄化装置のHC吸着部材に
用いた場合には、排ガスの熱がHC吸着部材全体に均一に
伝わるためHC吸着部材に奪われる熱量が一層多くなり、
下流側の三元触媒などの昇温がますます遅延するという
問題がある。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、HC吸着部材の下流側に配置された排ガス浄
化触媒が活性化温度まで昇温する時間を短縮することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の排ガス浄化装置の特徴は、排ガス流路の上流側に排
ガス中の炭化水素を吸着するHC吸着部材を配置しHC吸着
部材の下流側に貴金属を担持した排ガス浄化触媒を配置
してなる排ガス浄化装置であって、HC吸着部材は複数の
ハニカム通路をもちハニカム形状をなす基材と基材に被
覆されたHC吸着材とよりなり、排ガス流に対向する端面
に開口して基材の内部に延びハニカム通路の径より大き
な径の孔部をもつことにある。
【0013】また上記課題を解決する本発明の触媒担体
の特徴は、軸方向に延びる複数のハニカム通路をもつハ
ニカム形状をなす略筒状の触媒担体であって、排ガス流
に対向して配置される一端部が下流側に向かって外径が
大きくなる略錐形状をなし、かつ一端部の端面中央部に
開口し下流側へ向かって延びハニカム通路の径より大き
な径の孔部をもつことにある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の排ガス浄化装置では、排
ガス流に対向する表面に開口して基材の内部に延びハニ
カム通路の径より大きな径の孔部をもつHC吸着部材を排
ガス流路の上流側に配置し、その下流側に排ガス浄化触
媒が配置されている。したがってHC吸着部材の上流側側
端面に到達した排ガスはその比較的多くの部分が孔部を
通過し、孔部の通気抵抗はハニカム通路より小さいので
排ガスは速やかに下流側の排ガス浄化触媒に到達する。
また排ガス流路を流れる排ガスは、中心部ほど流速が大
きく周縁部ほど流速が小さいという流速分布をもち、流
速の大きな中心部が孔部に進入するため、周縁部に流入
した排ガスに比べて下流側の排ガス浄化触媒に到達する
時間が一層短縮される。さらに孔部の壁面の表面積は、
合計開口面積を同一とした複数のハニカム通路の壁面の
合計面積より小さい。
【0015】したがって孔部に流入した排ガスは、周縁
部のハニカム通路に流入した排ガスに比べて奪われる熱
量が少なくなり、高温の排ガスが下流側の排ガス浄化触
媒の端面に到達する。これにより下流側の排ガス浄化触
媒の温度が早期に昇温され、活性化温度となるまでの時
間を短縮することができるので浄化率が向上する。
【0016】HC吸着部材の排ガス流に対向する上流側端
部は、下流側に向かって外径が大きくなる略錐形状をな
すことが望ましい。これによりHC吸着部材中を流れる排
ガスの流速分布が孔部を除いて均一となるので、効率よ
くHCを吸着することができ、孔部をもたない従来のHC吸
着部材と同等の吸着量を確保することができる。したが
って低温域におけるHCの排出量を一層低減することがで
きる。またHC吸着部材は全体が均一に加熱されるため、
局部的な劣化が防止される効果もある。
【0017】そして本発明の触媒担体では、排ガス流に
対向して配置される一端部が下流側に向かって外径が大
きくなる略錐形状をなし、かつ一端部の端面中央部に開
口し下流側へ向かって延びハニカム通路の径より大きな
径の孔部をもつ。したがって、上記したと同様の作用に
より、その下流側に配置される排ガス浄化触媒などの昇
温時間が短縮され、かつこの担体に担持される有効成分
の利用効率が向上する。
【0018】孔部の開口面積は、HC吸着部材又は触媒担
体の他端部の断面積の1〜40%であることが望ましい。
孔部の開口面積がこの範囲より小さくなると、通気抵抗
が上昇してハニカム通路との差が小さくなるため、孔部
を設けた効果を得にくくなる。また孔部の開口面積がこ
の範囲より大きくなると、ハニカム通路の数が少なくな
って本発明にいうHC吸着部材のHC吸着量が低下し、本発
明の触媒担体に担持されている有効成分の利用効率が低
下する。
【0019】この孔部は、基材を貫通していてもよい
し、基材の途中まで延びそこから下流側端面まではハニ
カム通路となっているように構成することもできる。孔
部の長さを長くするほど下流側の排ガス浄化触媒の昇温
時間が短縮されるがHC吸着量が低減し、短いほどHC吸着
量が増大するが下流側の排ガス浄化触媒の昇温時間の短
縮効果が小さくなるので、品質設計に応じて孔部の長さ
が決定される。そしてこれによりHC吸着量の確保と昇温
時間の短縮を両立させることが可能となる。また孔部が
基材の途中まで延びている形状とすれば、高温の排ガス
が下流側の排ガス浄化触媒に直接当接するのを防止する
ことができ、下流側の排ガス浄化触媒の劣化を抑制する
ことができる。
【0020】さらに排ガスの全体量に対する孔部に進入
する排ガスの割合は、エンジン回転数が低いほど大き
く、エンジン回転数が高くなるほど流れが均一化するこ
とが明らかとなっている。したがってアイドル時などの
低速回転時には、排ガスが効率よく孔部に進入するため
下流側の排ガス浄化触媒を早期に昇温することができ、
高速回転時には高温の排ガスはHC吸着部材をほぼ均一に
流れるため、孔部を有しているにも関わらず下流側の排
ガス浄化触媒の劣化を一層抑制することができる。
【0021】なお孔部の断面形状は、三角形、四角形、
円形など特に制限されない。また孔部の延びる方向に断
面一定としてもよいし、断面積が徐々に狭まる形状ある
いは徐々に拡がる形状などとすることもできる。
【0022】HC吸着部材の上流側端部を略錐形状とした
場合の形状、及び触媒担体の上流側の端部の略錐形状
は、三角錐、四角錐、六角錐、円錐などとすることがで
きる。また三角錐台、四角錐台、円錐台などとしてもよ
い。そして下流側の端部まで錐形状が連続的に延びてい
てもよいし、上流側端部から下流側端部までの途中まで
を錐形状とし、残りを三角柱、四角柱、円柱などの形状
とすることもできる。また外周表面を錐形状として内部
にハニカム通路が形成された構造としてもよいし、内周
表面も錐形状として断面略くの字形状とすることもでき
る。
【0023】HC吸着部材は、ハニカム形状をなす基材と
基材に被覆されたHC吸着材とから形成される。基材の材
質としては、コーディエライトなどのセラミックあるい
はメタルなどが例示される。本発明の触媒担体の材質も
同様である。またHC吸着材としては、フェリエライト、
ZSM-5、モルデナイト、Y型ゼオライトなどのゼオライ
トを用いることができる。またゼオライトにパラジウム
や銀などの貴金属を担持したものをHC吸着材とすること
も好ましい。このように貴金属を担持することで、低分
子量のHCの吸着性が一層向上する。このHC吸着材は、前
記基材の表面にウェットコートして焼成することで基材
と一体化することができるが、場合によってはHC吸着材
から基材を形成することもできる。
【0024】HC吸着部材の下流側に配置される排ガス浄
化触媒としては特に制限されず、酸化触媒、三元触媒、
NOx 吸蔵還元型触媒などが例示される。場合によっては
複数のHC吸着部材を直列に配置してもよい。またHC吸着
部材と排ガス浄化触媒とは、間隔を隔てて配置してもよ
いし、間隔が無い状態で配置してもよい。後者の場合に
は、一体の担体基材からHC吸着部材と排ガス浄化触媒を
形成することも可能である。
【0025】例えば代表的な三元触媒の場合で説明すれ
ば、多孔質酸化物担体と、多孔質酸化物担体に担持され
た貴金属とからなる従来と同様の三元触媒を用いること
ができる。多孔質酸化物担体としては、アルミナ、シリ
カ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、チタニアなどから
選択して用いることができる。中でも吸着特性及び耐熱
性に優れたγ−アルミナが特に好ましい。
【0026】また上記多孔質酸化物担体には、セリア、
セリア−ジルコニアなどの酸素吸蔵放出材を担持あるい
は混合することが好ましい。この酸素吸蔵放出材により
排ガス中の酸素濃度を安定化することができ、排ガスを
一層安定してストイキ雰囲気とすることができるので、
三元触媒の浄化活性が一層向上する。
【0027】上記多孔質酸化物担体に担持される貴金属
としては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム
(Pd)、イリジウム(Ir)などから一種あるいは複数種
を選択して用いることができる。この貴金属の担持量
は、多孔質酸化物担体1リットルに対して 0.1〜10gと
することが好ましい。これより少ないと浄化活性が不足
し、これより多く担持しても効果が飽和するとともに高
価となる。
【0028】三元触媒は、ペレット形状あるいはハニカ
ム形状として用いることができる。ハニカム形状とする
場合には、コーディエライトあるいは金属箔から形成さ
れたハニカム担体基材に多孔質酸化物担体からコート層
を形成し、そのコート層に貴金属を担持させることで製
造することができる。あるいは多孔質酸化物担体粉末に
予め貴金属を担持し、その貴金属担持担体粉末からコー
ト層を形成して製造してもよい。
【0029】下流側に配置される排ガス浄化触媒におい
て、貴金属を上流側端面の中央部に局部的に多く担持す
ることが望ましい。上流側端面の中央部は孔部の延長上
にあり、最も昇温速度が大きくなる部位であるので、そ
の部分に貴金属を多く担持しておくことで着火が速やか
に行われ、それが触媒全体に伝播することで低温の排ガ
スにおいても効率のよい浄化が可能となる。
【0030】また本発明の触媒担体は、上記したHC吸着
部材に利用できるほか、酸化触媒や三元触媒など従来の
排ガス浄化触媒の担体として用いることができる。そし
て得られた触媒を排ガス流路の上流側に配置し、その下
流側に他の触媒を配置することにより、下流側の他の触
媒が活性化温度まで昇温する時間を短縮することができ
る。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び試験例により本発明を具体
的に説明する。
【0032】(実施例1)図1及び図2に本発明の一実
施例の排ガス浄化装置を示す。この排ガス浄化装置は、
排ガス流路の上流側に配置されたHC吸着部材1と、HC吸
着部材1の下流側に配置された三元触媒2とから構成さ
れている。
【0033】HC吸着部材1は、短径側端面10が30mm、長
径側端面11の径が 103mm、高さ21mmの円錐台部12と、断
面の径が 103mm、長さ27mmの円柱部13とから構成され、
容量は 300ccである。短径側端面10が上流側に配置され
て排ガス流に対向し、長径側端面11が三元触媒2に間隔
をあけずに連続している。そして短径側端面10の中央に
は直径20mmの孔部14が開口し、孔部14はHC吸着部材1の
高さ方向(軸方向)に延び38mmの長さに形成されてい
る。またHC吸着部材1には、短径側端面10と長径側端面
11に開口する一辺が 1.2mm角の無数のハニカム通路15が
均一に形成されている。
【0034】このHC吸着部材1は、コーディエライト製
のハニカム基材と、ハニカム基材表面にウェットコート
後焼成されて形成されたZSM-5層とから構成され、ZSM-
5層はハニカム基材1リットル当たり 200g形成されて
いる。
【0035】また三元触媒2は断面一定の円柱形状をな
し、その径は 103mm、長さ 120mm、容量が1000ccであ
る。この三元触媒2は、コーディエライト製のハニカム
基材とハニカム基材表面にウェットコート後焼成されて
形成されたγ−アルミナ層と、γ−アルミナ層に担持さ
れたPtとから構成されている。γ−アルミナ層はハニカ
ム基材1リットル当たり 200g形成され、Ptはハニカム
基材1リットル当たり1g担持されている。
【0036】(比較例)断面の径が 103mm、長さ35mmの
円柱形状とし、孔部14をもたないこと以外は実施例1と
同様のHC吸着部材を用い、実施例1と同様の三元触媒を
用いて比較例の排ガス浄化装置を構成した。
【0037】(試験・評価) <試験例1>これらの排ガス浄化装置を評価装置にそれ
ぞれ配置し、ストイキ雰囲気のモデルガスを入りガス温
度 400℃、空間速度100,000h-1の条件で流通させた場合
のHC,CO及びNOx の浄化率を経過時間と共に測定した。
実施例1の排ガス浄化装置の結果を図3に、比較例の排
ガス浄化装置の結果を図4に示す。
【0038】図3及び図4より、実施例1の排ガス浄化
装置はきわめて短時間のうちに高い浄化率を示し、比較
例に比べて早期に活性が高くなっていることがわかる。
これはHC吸着部材1の上流側端面に孔部14を形成すると
ともに、その形状を三角錐台としたことによる効果であ
ることが明らかである。
【0039】<試験例2>実施例1と比較例の排ガス浄
化装置について、ストイキ雰囲気のモデルガスを入りガ
ス温度 900℃、空間速度100,000h-1の条件で 300時間流
す耐久試験を行った。そして耐久試験前と耐久試験後の
それぞれの装置について、同様のモデルガスを空間速度
100,000h-1の条件で流しながら室温から 400℃まで昇温
し、各温度におけるHC浄化率を測定した。得られたデー
タからそれぞれのHC50%浄化温度を算出し、結果を図5
に示す。
【0040】図5より、実施例1の排ガス浄化装置では
耐久試験による劣化程度が比較例より小さいことがわか
る。これはHC吸着部材1の上流側端面に孔部14を形成す
るとともに、その形状を円錐台としたことによる効果で
あり、円錐台形状とすることにより三元触媒2へ流入す
る排ガスの温度が均一化されて局部的な劣化が抑制され
たものと考えられる。
【0041】<試験例3>次に、実施例1で用いたHC吸
着部材1の孔部14の径を種々変化させて、種々のHC吸着
部材を作製した。なお、円柱部13の長さを調整してHC吸
着部材の容積は一定となるようにした。そして試験例1
と同様にしてそれぞれ排ガス浄化装置を形成し、ストイ
キ雰囲気のモデルガスを入りガス温度 400℃、空間速度
100,000h-1の条件で流通させて、流通開始から15秒後の
三元触媒2の上流側端面中央部の温度を測定した。孔部
14の径と測定された温度との関係をまとめて図6に示
す。
【0042】図6より、孔部14の径が10〜40mmの範囲で
三元触媒2の温度が高くなっており、孔部14の径は10〜
40mmの範囲が最適であることがわかる。
【0043】<試験例4>試験例3で作製されたHC吸着
部材の中から、孔部14の径が10mm,20mm及び30mmのもの
を選び、自動車エンジンの排ガス流路にそれぞれ装着し
た。そしてエンジン回転数をアイドル回転から4000 rpm
まで上昇させたときのHC吸着部材の周囲の流速分布をそ
れぞれ測定し、エンジン回転数に対する流速偏差として
結果を図7に示す。
【0044】図7より、低速回転の場合には孔部14の径
に関わらず流速偏差が1から大きく離れているが、高速
回転になるほど流速偏差が1に近付いている。また孔部
14の径が小さいほど流速偏差が1に近い。これは、低速
回転時には排ガスは孔部14へ流入し、高速回転になるに
つれて孔部14への流入割合が減少して全体が均一化した
ことを意味している。
【0045】すなわち孔部14を形成することにより、低
速回転時には孔部14へ流入する排ガスの割合が高く、高
速回転になるほど均一となる。したがってアイドル時な
どの低速回転時には、排ガスが効率よく孔部に進入する
ため下流側の触媒を早期に昇温することができ、高速回
転時には高温の排ガスはHC吸着部材をほぼ均一に流れる
ため、孔部を有しているにも関わらず下流側の触媒の局
部的な劣化を抑制することができる。
【0046】なお実施例1に示した排ガス浄化装置の他
に、図8に示すように孔部14がHC吸着部材1を貫通する
ように構成してもよいし、また孔部14の形状は断面一定
に限るものではなく図9に示すように円錐形状とするこ
ともできる。このようにすれば、孔部14に進入した排ガ
スはさらに進行方向が規制されるため、三元触媒2をさ
らに局部的に加熱することができる。
【0047】また図10に示すように、断面略くの字形状
のHC吸着部材1’として三元触媒2との間に空間16を形
成することもできる。このようにすれば、空間16におい
て排ガスが乱流となるため、三元触媒2の端面を広い範
囲で均一に加熱することができ局部的な劣化を防止する
ことができる。
【0048】
【発明の効果】すなわち本発明の排ガス浄化装置によれ
ば、下流側の触媒が活性化温度まで昇温される時間を短
縮することができ、浄化率を一層向上させることができ
る。また下流側の触媒の劣化を抑制することができるの
で、長期間安定した浄化性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の排ガス浄化装置の斜視図で
ある。
【図2】本発明の一実施例の排ガス浄化装置の断面図で
ある。
【図3】本発明の一実施例の排ガス浄化装置における時
間と浄化率の関係を示すグラフである。
【図4】比較例の排ガス浄化装置における時間と浄化率
の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施例の排ガス浄化装置と比較例の
排ガス浄化装置の耐久試験前後のHC50%浄化温度を示す
グラフである。
【図6】本発明の排ガス浄化装置における孔部の径と下
流側の三元触媒の温度との関係を示すグラフである。
【図7】孔部の径を変化させたときのエンジン回転数と
流速偏差との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施例の排ガス浄化装置の他の態様
を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施例の排ガス浄化装置の他の態様
を示す断面図である。
【図10】本発明の一実施例の排ガス浄化装置の他の態様
を示す断面図である。
【符号の説明】
1:HC吸着部材 2:三元触媒 12:円錐
台部 13:円柱部 14:孔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G091 AA02 AA17 AB02 AB03 AB05 AB06 AB10 BA03 BA14 BA15 BA19 FA02 FB02 FB10 FB11 FB12 FC07 GA01 GA06 GA16 GA21 GB01X GB01Y GB04W GB04Y GB05W GB06W GB07W GB09Y GB10X GB10Y GB16X GB17X GB17Y HA20 HA47 4D002 AA40 BA04 CA07 DA11 DA21 DA45 DA46 DA70 EA08 EA13 GA01 GB20 4D048 AA06 AA13 AA18 AB03 AB05 BA03X BA30X BA41X BB02 CC21 CC38 CC51

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガス流路の上流側に排ガス中の炭化水
    素を吸着するHC吸着部材を配置し該HC吸着部材の下流側
    に貴金属を担持した排ガス浄化触媒を配置してなる排ガ
    ス浄化装置であって、 該HC吸着部材は複数のハニカム通路をもちハニカム形状
    をなす基材と該基材に被覆されたHC吸着材とよりなり、
    排ガス流に対向する端面に開口して該基材の内部に延び
    該ハニカム通路の径より大きな径の孔部をもつことを特
    徴とする排ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記HC吸着部材の排ガス流に対向する上
    流側端部は、下流側に向かって外径が大きくなる略錐形
    状をなすことを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化
    装置。
  3. 【請求項3】 軸方向に延びる複数のハニカム通路通路
    をもつハニカム形状をなす略筒状の触媒担体であって、
    排ガス流に対向して配置される一端部が下流側に向かっ
    て外径が大きくなる略錐形状をなし、かつ該一端部の端
    面中央部に開口し下流側へ向かって延び該ハニカム通路
    の径より大きな径の孔部をもつことを特徴とする触媒担
    体。
  4. 【請求項4】 前記一端部の前記孔部の開口面積は他端
    部の断面積の1〜40%であることを特徴とする請求項3
    に記載の触媒担体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008530446A (ja) * 2005-02-16 2008-08-07 アイエムアイ・ビジョン・リミテッド 排気ガス処理
US7497999B2 (en) * 2002-03-27 2009-03-03 Ngk Insulators, Ltd. Honeycomb structural body, method of manufacturing the structural body, and catalyst body using the structural body

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