JP2001178447A - 農薬分解能を有する微生物群、該微生物群を含む堆肥とその製造方法及び装置 - Google Patents

農薬分解能を有する微生物群、該微生物群を含む堆肥とその製造方法及び装置

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JP2001178447A
JP2001178447A JP36694499A JP36694499A JP2001178447A JP 2001178447 A JP2001178447 A JP 2001178447A JP 36694499 A JP36694499 A JP 36694499A JP 36694499 A JP36694499 A JP 36694499A JP 2001178447 A JP2001178447 A JP 2001178447A
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compost
siid174
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composting
microbial group
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Yoshimi Shinohara
好美 篠原
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Shinohara Seiki KK
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    • Y02W30/40Bio-organic fraction processing; Production of fertilisers from the organic fraction of waste or refuse

Abstract

(57)【要約】 【課題】 農薬分解能を有する微生物群を得る。 【解決手段】 非運動性のグラム陰性桿菌で、カタラー
ゼ、オキシダーゼ共に陽性の新種分離株SIID174
−1株と、ミクロバクテリウム・ケラタノリチキューム
(Microbacterium keratanolyticum)SIID174−2
株と、スフィンゴバクテリウム・ムルティボルーム(Sph
ingobacterum multivorum)SIID174−3株と、ブ
レヴィバクテリウム スピーシーズ(Brevibacterium sp
p.)174−4株と、クラドスポリン・キャリオニー(Cl
adosporim carrionii)SIID174−5株とからなる
微生物群から選ばれた少なくとも1株以上を含むもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えばメトリブジン
(Metribuzin)、トリフルラリン(Trifluralin)、ヴィン
クロゾリン(Vinclozolin)等の農薬を分解する農薬分解
能を有する微生物群に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、汚泥、家畜糞尿、藁、枯れ草
等の原料を発酵、乾燥させて堆肥(コンポスト)化する
装置に関しては、出願人は実開昭58−42140号、
特開昭58−204893号、実公平2−30419号
等の多くの提案をなしてきた。これらの提案に係る技術
は、各々見張るべき効果を上げている。
【0003】通常、堆肥は、汚泥、家畜糞尿、藁、枯れ
草等の堆肥化原料に、これを分解する好気性微生物を混
ぜ合わせ、好気性条件下で発酵させて作製する。
【0004】しかしながら、近年より、堆肥化される汚
泥、家畜糞尿、藁、枯れ草等の堆肥化原料について残留
農薬の問題に加えて、新たに内分泌撹乱作用が疑われて
いる物質(所謂、環境ホルモン)の問題が発生してい
る。
【0005】即ち、特定作物の発育を促すため、害虫を
駆除したり、殺したり、除草等の目的で使った農薬が作
物中に残留する残留農薬が従来より問題とされてきた
が、近年これに加えて、この残留農薬の一部自体が環境
ホルモンとして認識された。従って、毒性的には何ら問
題のない極微量の残留農薬であっても、内分泌撹乱作用
を生じ、人間を含めた動物生体の恒常性、生殖、発生あ
るいは行動に関与する種々の生体内ホルモンの合成、貯
蔵、分泌、体内輸送、結合、そしてそのホルモン作用そ
のもの、あるいはクリアランス(手続き)、などの諸過
程を阻害する作用を引き起こす可能性が指摘されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、堆肥化原料
を分解する好気性微生物に農薬分解能を有する微生物群
を見出して、本発明をするに至った。即ち、本発明で
は、農薬分解能を有する微生物群を得ること、また、こ
れら微生物群を含む堆肥を得ること、及びこの堆肥を製
造する発酵処理装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明に係る農薬分解能を有する微生物群は、非運動性のグ
ラム陰性桿菌で、カタラーゼ、オキシダーゼ共に陽性の
新種分離株SIID174−1株と、ミクロバクテリウ
ム・ケラタノリチキューム(Microbacterium keratanoly
ticum)SIID174−2株と、スフィンゴバクテリウ
ム・ムルティボルーム(Sphingobacterum multivorum)S
IID174−3株と、ブレヴィバクテリウム スピー
シーズ(Brevibacterium spp.)174−4株と、クラド
スポリン・キャリオニー(Cladosporim carrionii)SI
ID174−5株とからなる微生物群から選ばれた少な
くとも1株以上を含むものである。
【0008】請求項2に記載された発明に係る農薬分解
能を有する微生物群を含む堆肥は、請求項1に記載され
た微生物群を含むものである。
【0009】請求項3に記載された発明に係る農薬分解
能を有する微生物群を含む堆肥の製造方法は、請求項2
に記載された堆肥を種堆肥中に含み、該種堆肥と堆肥化
原料とを予め定められた好気条件下で発酵させることを
特徴とするものである。
【0010】請求項4に記載された発明に係る堆肥製造
装置は、請求項3に記載された堆肥の発酵を行う発酵槽
を備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の微生物群は、非運動性の
グラム陰性桿菌で、カタラーゼ、オキシダーゼ共に陽性
の新種分離株SIID174−1株と、ミクロバクテリ
ウム・ケラタノリチキューム(Microbacterium keratano
lyticum)SIID174−2株と、スフィンゴバクテリ
ウム・ムルティボルーム(Sphingobacterum multivorum)
SIID174−3株と、ブレヴィバクテリウム スピ
ーシーズ(Brevibacterium spp.)174−4株と、クラ
ドスポリン・キャリオニー(Cladosporim carrionii)S
IID174−5株とからなる微生物群から選ばれた1
株以上を含む農薬分解能を有する微生物群である。
【0012】前記微生物群は、単独で農薬耐性を示し、
共同又は単独で農薬を分解することが可能である。これ
ら微生物群は、堆肥化原料として主に牛糞、藁、枯れ草
等を用いて堆肥を製造していた堆肥化装置の堆肥中から
分離されたものである。堆肥化原料の藁、枯れ草等に残
留農薬が含まれ、結果として、農薬資化能を有したと思
われる。これら微生物群の確認された農薬耐性及び農薬
分解能は、メトリブジン(Metribuzin)、トリフルラリン
(Trifluralin)、ビンクロジリン(Vinclozolin)である
が、その由来から判断すると、これら3種の農薬に限ら
ない資化能を有していると思われる。
【0013】本発明の堆肥は、請求項1に記載された微
生物群を含むものである。このため、堆肥中に含まれる
農薬分解能を有する微生物群が堆肥化原料に残留する農
薬を分解し、更には、施肥された堆肥によって土壌中に
残留する農薬を分解することができる。
【0014】本発明の堆肥の製造方法は、請求項2に記
載された堆肥を種堆肥中に含み、該種堆肥と堆肥化原料
とを予め定められた好気条件下で発酵させる方法であ
る。また、本発明の対比製造装置は、請求項3に記載さ
れた堆肥の発酵を行う発酵槽を備えたものである。この
ため、得られる堆肥は残留農薬の低いものを得ることが
でき、更には、施肥することにより、土壌中に残留する
農薬を分解可能な堆肥を得ることができる。
【0015】本発明の堆肥を製造する発酵処理装置とし
ては、請求項1に記載された微生物群を含む種堆肥と堆
肥化原料とを予め定められた発酵条件下で発酵させる発
酵槽を有するものであればよく、好ましくは、内部に有
機物を気密保持し、水平にした回転軸を中心に回動可能
な円筒状の缶体と、乾燥処理初期に缶体を加熱する加熱
手段と、缶体内部を減圧状態に保持する吸引手段と、缶
体内部の減圧状態を維持したまま外気を有機物に供給す
る給気手段と、缶体内部で発生した余剰熱を取出す熱交
換手段と、缶体の円筒面内壁に当接して側壁に付着した
有機物を掻き取る掻取手段とを備えたものであるば、良
好な堆肥を得ることができる。
【0016】
【実施例】実施例1.堆肥化装置 図1は堆肥化装置の構成を示す説明図である。図2は図
1の缶体の正面の断面構成を示す説明図である。図3は
図2の側面の断面構成を示す説明図であり、a図は側面
断面図であり、b図は要部の構成を示す説明図である。
【0017】図1に示す通り、堆肥化装置は、内部に汚
泥、家畜糞尿、藁、枯れ草等の堆肥化原料を気密保持
し、水平にした中心軸を中心に回動する円筒状の缶体
(1) を中心に構成されている。缶体(1) は円筒面を構成
する円筒壁(11)と、この母線に交わって互いに平行な2
つの円板状の側壁(12a) (12b) とから構成されている。
円筒壁(11)に堆肥化原料を投入する投入口(13)を備えた
缶体(1) は、電動機(14)とギア(15)とを介して缶体(1)
円筒壁(11)の下部に設けられた2つの案内ロール(16)上
を回動可能に設けられている。尚、缶体(1) 内の堆肥化
原料の排出は投入口(13)を下方にして、缶体(1) 下方の
受け口(29)から排出する。
【0018】この缶体(1) の円筒壁(11)は、図2に示す
通り、二重構造になっており、二重構造の内部には、堆
肥化処理初期に缶体(1) を加熱する熱交換器(3) から缶
体(1) の円板状の側壁(12a) に連結された一方の中心軸
上にあるロータリージョイント(17)を介して熱媒が循環
する循環経路(31)を構成し、熱媒は循環経路(31)中に配
置した循環ポンプ(32)によって循環される。
【0019】また、図2に詳しく示す通り、円板状の側
壁(12b) を貫通して缶体(1) 内部に達して不回動(固
定)の他方の中心軸(18)には、缶体(1) 内部の上方位置
に固定された吸引口(41)に連通した吸引ポンプ(4) と、
缶体(1) 内部の減圧状態を維持しつつ吸気配管(52)から
外気を缶体(1) 内部の斜め下方位置に固定された給気ノ
ズル(5) とが備わっている。尚、吸気配管(52)には、電
磁弁の切換えによって、外気とコンプレッサー(53)との
切換えを行うことができる。
【0020】給気ノズル(5) は缶体(1) の中心軸(18)に
沿って7枚の立設された補強板(19)に各々配設され、缶
体の円筒壁(11)の下部に留まっている堆肥化原料に外気
を給気する。尚、堆肥化原料は缶体(1) の回動によって
若干回動進行方向にずれて留まる。従って、給気ノズル
(5) は回動進行方向に斜めに傾斜させた下方位置に固定
される。
【0021】また、吸引ポンプ(4) に連通する吸引配管
(42)は、途中の熱交換機(6) によって排気中の熱交換が
行われ、缶体(1) 内部の熱を有効に利用することができ
る。得られた熱は、吸気配管(52)内の外気の温度を上げ
ても良く、温湯として他の施設に熱を利用しても良い。
【0022】吸引配管(42)には、更に、吸引ポンプ(4)
に至る手前に、セパレータ(43)を設けられている。これ
は、熱を奪われた排気中の水を取り除き、更に、排気と
共に吸引された細かな堆肥化原料を除去を目的とするも
のである。セパレータ(43)を通過した排気は吸引ポンプ
(4) を経て、脱臭塔(44)で更に脱臭される。
【0023】即ち、吸引ポンプ(4) で排出される排気
は、臭気を帯びている場合が多いので、脱臭塔(44)によ
って脱臭して放出されることが好ましい。脱臭塔(44)と
しては、溶岩石脱臭を用いている。溶岩石脱臭とは、脱
臭塔に溶岩石を充填し、塔下部から排気と曝気とを通
し、塔上部で放出している。
【0024】内部に充填された溶岩石には、多数の気孔
が形成されており、この溶岩石の気孔が臭気を封じ込め
る。また、溶岩石は永久的に使用が可能である。尚、脱
臭塔(44)内から発生した液体は、セパレータ(43)の処理
液と共に薬注ポンプ(46)と曝気ポンプ(47)とを備えた水
処理タンク(45)で処理されて放流される。尚、(49)はセ
パレータ(43)の処理液を水処理タンク(45)に送るポンプ
である。
【0025】以上のように、この堆肥化装置は、密閉で
きる構造の缶体の内部に、堆肥化原料を投入し、この堆
肥化原料を缶体の回動で撹拌しながら乾燥処理初期では
加熱し、更に水分の発散を容易にするために吸引ポンプ
により内部の空気及び蒸気を吸引除去して内部の空気圧
を減少させ、且つ排出空気と熱交換して暖められた空気
を、缶体内部を一定の負圧に保ったまま原料に吹き付け
るように吸入する。
【0026】即ち、この堆肥化装置では、吸引ポンプ
(4) で缶体(1) 内部の圧力を減圧状態にし、給気ノズル
(5) によって、この減圧状態を維持しながら、堆肥化原
料を乾燥させるものであるため、堆肥化原料中の水分の
沸点は、例えば−400mmHgであれば、80℃程度
に下がる。
【0027】このため、含有された水分が良好に蒸発す
る。しかも堆肥化原料には空気が送り込まれるため、加
熱手段によって初発から発酵に関与する微生物の堆肥化
原料の分解(即ち、発酵)による発酵熱や、堆肥化原料
の酸素との化学的な結合(即ち、酸化)による酸化熱を
発生させることによって、これが含有された水分の蒸発
のための熱となり、堆肥化原料を良好に乾燥することが
できる。
【0028】例えば、乾燥処理初期に60℃程度に加熱
すると、発酵に関与する微生物が堆肥化原料を分解し
て、乾燥処理後半で最適な条件では90℃前後の発酵熱
及び酸化熱を出し、乾燥・堆肥化を行うことができる。
そのため、本実施例の堆肥化装置では、乾燥処理後半の
堆肥化原料の発熱によって発生した余剰熱は、缶体の円
筒壁(11)に連通された熱媒ボイラー(3) から取出して、
他の施設に熱媒体として送り出すこともできる。また、
吸引ポンプに連通された熱交換機で行ってもよい。この
ため、使用燃料の量と水分蒸散の熱効率は極めて高い。
【0029】ところで、このような堆肥化装置では、缶
体(1) の円筒壁(11)に堆肥化原料が付着し、これが長期
に渡って使用すると、乾燥処理初期の熱媒ボイラーから
の加熱や、乾燥処理後半の発酵熱及び酸化熱の余剰熱の
熱媒ボイラーからの回収の効率が劣化する。従って、缶
体(1) 内壁に堆肥化原料が付着しないようにしなければ
ならない。このため、図2に示す通り、缶体の円筒壁(1
1)に当接して側壁に付着した堆肥化原料を掻き取る掻取
手段(2) が備えられている。
【0030】この掻取手段(2) は、缶体(1) の円筒壁(1
1)に当接するドクタブレード(21)がドクタホルダ(22)に
保持されている。このドクタホルダ(22)は中心軸から斜
め上方に伸ばされたドクタ支持部(23)で軸支されてい
る。ドクタブレード(21)の刃先はドクタ支持部(23)を支
点にして角度が変えられ、ドクタホルダ(22)にはドクタ
支持部(23)を挟んでほぼ対向する位置に2本の加圧調整
スプリング(押圧手段)(24)が設けられ、ドクタブレー
ド(21)の刃先を缶体の円筒壁(11)に押圧している。
【0031】これによって、ドクタブレード(21)は常に
缶体(1) の円筒壁(11)に当接され、回動する缶体の円筒
壁(11)の付着した堆肥化原料を掻き取るため、長期に渡
って付着した堆肥化原料が余剰熱の伝導を阻害すること
なく、長期の使用に際しても熱伝導効率が劣化すること
がない。また、ブレード(21)の調節も容易である。
【0032】また、缶体(1) の円筒壁(11)には、1/4
周の間隔で列状に窪み状のポケット(25)が配置されてい
る。このポケット(25)は、図3のb図に示す通り、ほぼ
正方形の平面を有し、一つの対角線が回動方向に沿った
方向に配されており、ポケット(25)内に入り込んだ堆肥
化原料が上方に運ばれた際に落下し易いように、ポケッ
ト(25)の4つの内側壁は若干傾斜して構成されている。
【0033】通常は、缶体(1) の円筒壁(11)の下部に留
まっている堆肥化原料の一部がポケット(25)内に入り込
み、缶体の回動に伴いポケット内に入り込んだ堆肥化原
料が上方に運ばれ、自重によってこれが上方から缶体の
円筒壁(11)の下部に落下する。落下した堆肥化原料は、
落下時の衝撃により他の堆肥化原料と良好に混ざり合
う。この際に、缶体内の空気が良好に供給され、堆肥化
原料の発酵及び酸化を促す。
【0034】更に、缶体(1) の円筒壁(11)には、周方向
に隣接するポケット(25)の間に1/4周の間隔で、缶体
の回動方向に沿って配置された切刃(26)が垂設されてい
る。缶体(1) 内の円筒壁(11)の下部に留まっている堆肥
化原料を切刃(26)で切断しながら、堆肥化原料を混合さ
せることができる。従って、長繊維を多量に含む堆肥化
原料であっても、良好な発酵及び酸化を促すことができ
る。
【0035】尚、切刃(26)によってドクタブレード(21)
の掻き取りを阻害しないように、ドクタブレード(21)に
は切刃(26)が通過する間隙(27)が設けられる。従って、
この間隙(27)を通過する際に、切刃(26)に付着した堆肥
化原料のそぎ取りも行うことができ、長期の使用によっ
ても、切刃(26)の効力が損なわれることがない。
【0036】以上のような堆肥化装置によって、堆肥化
原料として主に牛糞、藁、枯れ草を用いて堆肥を製造し
ていた施設において、得られた堆肥が他所の施設よりも
良好なことを見出した。そこで、前述の牛糞、藁、枯れ
草を用いて堆肥を製造していた施設で得られた堆肥を他
所の堆肥化装置の種堆肥として用いたところ、前述の良
好な施設で得られた堆肥と同等な堆肥となることを確認
した。そこで、この良好な堆肥について含まれている微
生物を同定した。
【0037】実施例2.微生物の分離 実施例1に示した良好な堆肥を検体として、これに含ま
れる微生物を分離した。検体を滅菌水に懸濁して希釈例
(10,10,10,10,10,10
希釈)を作成し、それぞれを次の3種の平板培地に原水
並びに希釈液を0.1mlずつ滴下し、コンラージで拡散
させて塗抹培養標品とした。
【0038】 ・NT(普通寒天)培地 … 細菌の検出用として、 ・YM培地 … 放線菌の検出用として、 ・PD培地 … カビの検出用として、
【0039】その結果、NT培地に4株、YM培地に1
株、PD培地に1株の合計6株の微生物が分離した。得
られた細菌4株をSIID174−1,SIID174
−2,SIID174−3,SIID174−4とし、
放線菌1株をSIID174−5とし、カビ1株をSI
ID174−6とした。
【0040】実施例3.微生物の同定 実施例2で得られたSIID174−1,SIID17
4−2,SIID174−3,SIID174−4,S
IID174−5,SIID174−6の微生物を同定
した。SIID174−1,SIID174−2,SI
ID174−3,SIID174−4の4株について
は、微生物の形態及び生理性状試験結果を次の表1及び
表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表1及び表2に示された結果から、先ず、
SIID174−1株は表1より非運動性のグラム陰性
桿菌で、カタラーゼ、オキシダーゼ共に陽性を示し、表
2の生理性状試験結果よりShewanella putrefaciens
示唆されたが、DNA及び脂肪酸組成分析した結果、Sh
ewanella putrefaciens との相同性が非常に低いため、
現段階では新種の可能性の細菌であると考えられた。ま
た、SIID174−2株は運動性を有するグラム陽性
不規則桿菌で、カタラーゼ陽性を示し、表1の結果では
Coryneform bacteriumと考えられた。表2の生理性状試
験の結果より、SIID174−2株をMicrobacterium
keratanolyticumと推定した。
【0044】更に、SIID174−3株はグラム陰性
非運動性桿菌で、カタラーゼ及びオキシダーゼ陽性、コ
ロニーは黄色を呈していることから、表1でSphingobac
teriumと考えられた。表2の生理性状試験からSIID
174−3株をSphingobacterum multivorumと推定し
た。また、SIID174−4株はグラム陽性非運動性
桿菌で、カタラーゼ陽性を示し、表2の生理性状試験の
結果より、SIID174−4株をBrevibacterium sp
p.と推定した。
【0045】また、SIID174−5株の放線菌に関
しては、同定の結果、Nocardiopsisalbaと推定した。更
に、SIID174−6株のカビに関しては、同定の結
果、Cladosporim carrioniiと推定した。
【0046】実施例4.農薬耐性微生物の選別 前記SIID174−1,SIID174−2,SII
D174−3,SIID174−4,SIID174−
5,SIID174−6の微生物中から農薬の分解能を
有する菌株をスクリーニングした。
【0047】環境ホルモンに指定されている農薬3種
(メトリブジン(Metribuzin)、トリフルラリン(Triflur
alin)、ビンクロジリン(Vinclozolin))を用意した。前
記3種の農薬をそれぞれ、農薬(Parathionmethyl,Imin
octadineなど)のみかん栽培における残留農薬基準であ
る0.2ppmの濃度になるように普通寒天培地に添加
し、この農薬含有培地に各分離株を植菌し、SIID1
74−1,SIID174−2,SIID174−3,
SIID174−4(細菌)は30℃で、SIID17
4−5(放線菌)とSIID174−6(カビ)は28
℃でそれぞれ培養し、生育状況を検討した。
【0048】その結果、3種の農薬何れの培地に於いて
も、SIID174−1,SIID174−2,SII
D174−3,SIID174−4及びSIID174
−5に耐性を有することが確認された。SIID171
−6(カビ)では生育が確認できず、農薬耐性を有しな
いことが確認された。
【0049】実施例5.農薬の分解性試験 農薬耐性を有する5菌株(SIID174−1,SII
D174−2,SIID174−3,SIID174−
4及びSIID174−5)による農薬分解性を経時変
化として把握し、供試農薬の分解能を有するか否かを確
認した。
【0050】実施例4と同様に環境ホルモンに指定され
ている農薬3種(メトリブジン(Metribuzin)、トリフル
ラリン(Trifluralin)、ビンクロジリン(Vinclozolin))
を用意した。前記3種の農薬を、0.2ppmの濃度に
なるように普通液体培地に添加し、この農薬含有培地に
分離株5菌種の混合体を植菌し、培養温度30℃で振盪
培養を行った。また、ブランク試験として、微生物によ
る分解性の証拠とすると共に、経時として微生物植菌時
(0時間)と168時間(1週間)後を検討した。結果
を次の表3に示す。尚、分析方法は、外因性内分泌撹乱
化学物質調査暫定マニュアル(環境庁、平成10年10
月)に準拠した。
【0051】表3に示す通り、供試農薬3種ともSII
D174−1,SIID174−2,SIID174−
3,SIID174−4及びSIID174−5の混合
微生物群により、経時的に農薬濃度が減少しており、5
株の混合微生物群が供試農薬3種に分解能力を有してい
ることが確認できた。尚、メトリブジンのブランクが微
生物を植菌するよりも分析の数値が低い点や農薬により
数値の多少のばらつきがある点については、農薬の粘度
や粒子などの要因により分析機器では測定できない領域
があるものと考えた。
【0052】
【表3】
【0053】尚、SIID174−1の微生物は、生工
研菌寄第17676号(FERM P-17676)として、SII
D174−2の微生物は、生工研菌寄第17677号
(FERMP-17677)として,SIID174−3の微生物
は、生工研菌寄第17678号(FERM P-17678)とし
て,SIID174−4の微生物は、生工研菌寄第17
679号(FERM P-17679)として及びSIID174−
5の微生物は、生工研菌寄第17680号(FERM P-176
80)として、各々生命工学研究所に平成11年12月2
0日付けで寄託されている。
【0054】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、農薬分解能
を有する微生物群を得ることができる。また、これら微
生物群を含む堆肥を得ることができる。更に、この堆肥
を製造する発酵処理装置を得ることができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】堆肥化装置の構成を示す説明図である。
【図2】図1の缶体の正面の断面構成を示す説明図であ
る。
【図3】図2の側面の断面構成を示す説明図であり、a
図は側面断面図であり、b図は要部の構成を示す説明図
である。
【符号の説明】
(1) …缶体、 (11)…円筒壁、 (12a) (12b) …側壁、 (13)…投入口、 (14)…電動機、 (15)…ギア、 (16)…案内ロール、 (17)…ロータリージョイント、 (18)…中心軸、 (19)…補強板 (2) …掻取手段、 (21)…ドクタブレード、 (22)…ドクタホルダ、 (23)…ドクタ支持部、 (24)…加圧調整スプリング(押圧手段)、 (25)…ポケット、 (26)…切刃、 (27)…間隙、 (29)…受け口、 (3) …熱媒ボイラー、 (31)…循環経路、 (32)…循環ポンプ、 (4) …吸引ポンプ(吸引手段)、 (41)…吸引口、 (42)…吸引配管、 (43)…セパレータ、 (44)…脱臭塔、 (45)…水処理タンク、 (46)…薬注ポンプ、 (47)…曝気ポンプ、 (5) …給気ノズル(給気手段)、 (52)…吸気配管、 (53)…コンプレッサー、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/14 C12N 1/14 A 1/20 1/20 A D E F //(C12N 1/14 (C12N 1/14 C12R 1:645) C12R 1:645) (C12N 1/20 (C12N 1/20 C12R 1:01) C12R 1:01) (C12N 1/20 (C12N 1/20 C12R 1:13) C12R 1:13)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非運動性のグラム陰性桿菌で、カタラー
    ゼ、オキシダーゼ共に陽性の新種分離株SIID174
    −1株と、 ミクロバクテリウム・ケラタノリチキューム(Microbact
    erium keratanolyticum)SIID174−2株と、 スフィンゴバクテリウム・ムルティボルーム(Sphingoba
    cterum multivorum)SIID174−3株と、 ブレヴィバクテリウム スピーシーズ(Brevibacterium
    spp.)SIID174−4株と、 クラドスポリン・キャリオニー(Cladosporim carrioni
    i)SIID174−5株とからなる微生物群から選ばれ
    た少なくとも1株以上を含む農薬分解能を有する微生物
    群。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された微生物群を含む堆
    肥。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された堆肥を種堆肥中に
    含み、 該種堆肥と堆肥化原料とを予め定められた好気条件下で
    発酵させることを特徴とする農薬分解能を有する微生物
    群を含む堆肥の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された堆肥の発酵を行う
    発酵槽を備えたことを特徴とする堆肥製造装置。
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