JP2001176774A - レーザ装置及び露光装置 - Google Patents

レーザ装置及び露光装置

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JP2001176774A
JP2001176774A JP35642299A JP35642299A JP2001176774A JP 2001176774 A JP2001176774 A JP 2001176774A JP 35642299 A JP35642299 A JP 35642299A JP 35642299 A JP35642299 A JP 35642299A JP 2001176774 A JP2001176774 A JP 2001176774A
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temperature
laser
laser device
discharge chamber
laser light
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JP35642299A
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English (en)
Inventor
Shigeru Hagiwara
茂 萩原
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分光素子における狭帯域化効率を安定化させ
ることができ、安定したレーザ光を発射させることがで
きるレーザ装置、及びそれを光源として用いた露光装置
を提供する。 【解決手段】 レーザ光源には、所定の波長域のレーザ
光LBを発振させる放電チャンバ部と、分光素子62を
有しかつ放電チャンバ部で発振されたレーザ光LBの狭
帯域化を行う狭帯域化部52とを備える。狭帯域化部5
2には、分光素子62の温度調整を行う温度調整構造6
5を設ける。温度調整構造65には、分光素子62の温
度を調整する放熱部67と、その放熱部67と分光素子
62との間で熱伝達を行う熱伝達部66とを設ける。そ
して、分光素子62の熱を熱伝達部66を介して放熱部
67から、狭帯域化部52の筐体60の外部に放散させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照射対象物に照射
されるレーザ光を出射するレーザ装置に関するものであ
る。また、例えば半導体素子、液晶表示素子、撮像素子
(CCD等)または薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイ
ス、レチクルまたはフォトマスク等のマスクを製造する
ためのフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のレーザ装置は放電チャンバ部と
狭帯域化部とを備え、放電チャンバ部で所定波長域のレ
ーザ光が発振されるとともに、狭帯域化部に設けられた
グレーティング素子等の分光素子によりレーザ光の狭帯
域化が行われるようになっている。また、半導体素子等
のマイクロデバイスを製造するための露光装置に使用さ
れるKrF、ArF等のエキシマレーザ装置では、バー
スト発振と呼ばれる、数十〜数百パルス単位のまとまっ
たパルス群を間欠的に発振した後に休止するというパタ
ーンで作動されるのが一般的である。
【0003】さらに、このようなエキシマレーザ光の生
成は、KrFやArFの励起2量子体をKrまたはAr
とF2との混合ガス中で放電現象により生成する過程が
必要となる。この場合には、光生成効率を上げるために
予備電離方式が採用され、主電極での放電に先立って、
予備放電部により予備放電を開始するようになってい
る。この放電現象の際に放出されるエネルギーの大部分
は、熱に変換される。このため、レーザ装置の放電チャ
ンバ部には冷却水等の冷媒を流すためのジャケット等を
含む冷却機構が設けられ、この冷却機構によって発生す
る熱の除去処理が行われるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の露
光装置においては、近年の回路パターンのさらなる微細
化に伴って、高解像度化の要求が高まっている。そし
て、対象線幅が細くなるのに伴って、このような露光装
置では、露光光としてより狭帯域化されたレーザ光が求
められるようになってきている。
【0005】また、近年における露光装置のスループッ
トの増大要求が高まりに対応して、露光装置側ではウエ
ハの交換時間及びステッピング時間の短縮や、ウエハの
アライメントに要する時間の短縮が図られてきている。
このため、レーザ光の発振デューティ、すなわち休止時
間を含む総発振時間に対する実質発振時間の割合や、発
振周波数が高くなる傾向にある。例えば、KrFエキシ
マレーザ装置では、2kHz以上の高繰り返し発振を行
うことが可能な機種も市場に出現してきている。このよ
うに、レーザ光の発振デューティ及び発振周波数が高く
なると、レーザ光の発振に伴って発生する熱も増大す
る。
【0006】そして、前記のように放電チャンバ部に冷
却機構を備えた従来構成のレーザ装置においても、冷却
機構によって除去処理しきれない熱量が増えてくること
がある。このようにして、レーザ装置内に除去しきれな
い熱が蓄積してくると、狭帯域化部のグレーティング素
子が熱応力を受けて変形しやすくなる。この結果、レー
ザ装置から発射されるレーザ光の狭帯域化効率が変化し
て、スペクトル半値幅の拡大を引き起こすという問題が
あった。
【0007】このような問題を回避するためには、例え
ば前記放電チャンバ部の冷却機構における冷却水等の冷
媒の使用量を増大させたり、放電チャンバ部からの排気
流量を増大させたりして、冷却効率を高めることも考え
られる。しかしながら、このように構成した場合には、
その冷却効率を向上させるための用力仕様の負担が過大
になる。しかも、例えば2kHz等の高繰り返し発振時
においては、冷却が追いつかないために発振デューティ
の制限等が必要になって、レーザ使用上の不都合が発生
するという新たな問題が生じた。
【0008】本発明は、このような従来の技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とし
ては、狭帯域化部の分光素子の温度変化を抑制すること
ができて、その分光素子における狭帯域化効率を安定化
させることができ、この結果、安定したレーザ光を発射
させることができるレーザ装置を提供することにある。
【0009】また、その他の目的としては、光源から安
定したレーザ光を発射させることができて、そのレーザ
光により高精度の露光を行うことができる露光装置を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、レーザ装置に係る本願請求項1に記載の発明は、所
定の波長域のレーザ光を発振させる放電チャンバ部と、
分光素子を有し前記放電チャンバ部で発振されたレーザ
光の狭帯域化を行う狭帯域化部とを備えたレーザ装置に
おいて、前記分光素子の温度調整を行う温度調整手段を
設けたことを特徴とするものである。
【0011】この本願請求項1に記載の発明では、レー
ザ光の発振時において、温度調整手段により、狭帯域化
部の分光素子の温度調整が行われる。このため、狭帯域
化部の分光素子の温度変化が抑制されて、その分光素子
における狭帯域化効率が安定化され、レーザ装置から安
定したレーザ光が発射される。
【0012】また、本願請求項2に記載の発明は、前記
請求項1に記載の発明において、前記放電チャンバ部
は、遠紫外域のレーザ光を発振するものであることを特
徴とするものである。
【0013】この本願請求項2に記載の発明では、特に
光エネルギーが大きい遠紫外域のレーザ光を発振するレ
ーザ装置において有効である。また、本願請求項3に記
載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明
において、前記放電チャンバ部は、前記レーザ光を所定
の間隔をおいてパルス発光するものであることを特徴と
するものである。
【0014】この本願請求項3に記載の発明では、例え
ば極めて微細な半導体素子製造用の露光光として、パル
ス発光する例えばKrFエキシマレーザ、ArFエキシ
マレーザ、F2レーザを使用する場合に、その光源の構
成として最適である。
【0015】また、本願請求項4に記載の発明は、前記
請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明に
おいて、前記温度調整手段は、前記放電チャンバ部にお
ける前記レーザ光の発振条件に応じて前記分光素子の温
度調整の効率を調整することを特徴とするものである。
【0016】この本願請求項4に記載の発明では、要求
されるレーザ光の発振条件に応じて、分光素子の狭帯域
化効率が調整される。よって、特に発振条件が変更され
るレーザ装置に有効である。
【0017】また、本願請求項5に記載の発明は、前記
請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明に
おいて、前記温度調整手段は、前記分光素子の温度を検
出する温度検出手段を備え、その温度検出手段における
検出結果に基づいて前記分光素子の温度調整の効率を調
整することを特徴とするものである。
【0018】この本願請求項5に記載の発明では、分光
素子の温度状態に応じてその狭帯域化効率がより正確に
調整される。また、本願請求項6に記載の発明は、前記
請求項5に記載の発明において、前記温度調整手段は、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて、その温度検出
時から所定時間経過後における前記分光素子の温度状態
を予測し、その予測結果に基づいて前記分光素子の温度
調整の効率を調整することを特徴とするものである。
【0019】この本願請求項6に記載の発明では、分光
素子の温度検出及び温度調整の遅れを見越して、その温
度調整の効率が調整されて、分光素子の狭帯域化効率が
迅速に調整される。
【0020】また、本願請求項7に記載の発明は、前記
請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明に
おいて、前記温度調整手段は、前記分光素子の温度を調
整するための加熱部及び放熱部の少なくとも一方と、そ
れら加熱部及び放熱部と分光素子との間で熱伝達を行う
熱伝達部とを備え、その加熱部及び放熱部を前記狭帯域
化部を収容する筐体の外部に設けたことを特徴とするも
のである。
【0021】この本願請求項7に記載の発明では、分光
素子の熱が熱伝達部を介して加熱部または放熱部に伝達
された後、狭帯域化部の筐体の外部に放散される。よっ
て、分光素子からの熱が筐体の内部に放散されて、筐体
内の気体に揺らぎが発生する等の悪影響が抑制される。
【0022】また、本願請求項8に記載の発明は、前記
請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明に
おいて、前記分光素子は、一方の面に所定のピッチで配
列された回折格子を有するグレーティング素子を含み、
そのグレーティング素子の温度を調整するための加熱部
または放熱部を他方の面側に配置したことを特徴とする
ものである。
【0023】この本願請求項8に記載の発明では、分光
素子上に広い温度調整面が確保されて、分光素子の温度
調整が均一かつ効率よく行われる。この請求項9に記載
の発明では、請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に
記載の発明において、前記分光素子を保持する保持部材
に、前記温度調整手段の少なくとも一部を設けたことを
特徴とするものである。
【0024】この本願請求項9に記載の発明では、保持
部材が温度調整手段の少なくとも一部を兼ねることがで
きるようになり、部品点数の増加及びレーザ装置の大型
化を抑制しつつ光学素子の温度調整を行うことが可能に
なる。
【0025】また、露光装置に係る本願請求項10に記
載の発明は、光源からの照明光の照射に基づいて、マス
ク上に形成された所定のパターンの像を基板上に投影す
る露光装置において、前記光源として、前記請求項1〜
請求項9のうちいずれか一項に記載のレーザ装置を備え
たことを特徴とするものである。
【0026】この本願請求項10に記載の発明では、光
源から安定したレーザ光が発射されて、そのレーザ光に
より高精度の露光が行われる。
【0027】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下に、本発明
を半導体素子製造用の露光装置に具体化した第1実施形
態について図1〜図5に基づいて説明する。
【0028】図1には、第1実施形態の露光装置11の
概略構成が示されている。この露光装置11は、露光光
としてパルス状のレーザ光を出射するレーザ装置を用い
たステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光
装置である。この露光装置11は、照明光学系12、レ
チクルステージ13、投影光学系14、ウエハステージ
15及び主制御系16を備えている。
【0029】前記照明光学系12は、レーザ装置を構成
するレーザ光源20、ビーム整形光学系21、フライア
イレンズ22、開口絞り板23、ビームスプリッタ2
4、第1リレーレンズ25A、第2リレーレンズ25
B、固定レチクルブラインド26A、可動レチクルブラ
インド26B、ミラー27及びコンデンサレンズ28等
を備えている。
【0030】前記レーザ光源20としては、XeClエ
キシマレーザ光源(発振波長308nm)、KrFエキ
シマレーザ光源(発振波長248nm)、またはArF
エキシマレーザ光源(発振波長193nm)、F2レー
ザ光源(発振波長157nm)等が使用される。
【0031】前記ビーム整形光学系21は、例えばシリ
ンダレンズやビームエキスパンダ等で構成され、レーザ
光源20から発射されたレーザ光LBの断面形状を、フ
ライアイレンズ22に効率よく入射するように整形す
る。フライアイレンズ22は、レーザ光LBの照射によ
り多数の二次光源を形成する複数のレンズエレメントを
有している。そして、このフライアイレンズ22は、そ
の二次光源像をマスクとしてのレチクルR上で重畳させ
て照明光ILの強度分布を均一化するためのオプチカル
インテグレータとして機能する。
【0032】前記開口絞り板23は、円板状部材からな
り、前記フライアイレンズ22の出射面の近傍に配置さ
れている。この開口絞り板23には、例えば通常の円形
開口の他、小さな円形開口からなる小σ用開口、輪帯照
明用開口、前記照明光ILの光軸から偏倚した位置に開
口された斜入射照明用開口等が形成されている。そし
て、この開口絞り板23は、前記主制御系16にて制御
されるモータ等の駆動装置32により回転され、レチク
ルRに対する照明条件を変更する役割を有している。
【0033】前記ビームスプリッタ24は、前記フライ
アイレンズ22から出射された照明光ILの大部分を透
過させるとともに、その照明光ILの一部を反射させる
ようになっている。このビームスプリッタ24で反射さ
れた照明光ILは、集光レンズ33を介して光電変換素
子よりなるインテグレータセンサ34で受光される。そ
して、インテグレータセンサ34から出力された光電変
換信号が、パルス毎の照射エネルギー信号ESとして前
記主制御系16に供給される。このインテグレータセン
サ34としては、例えば遠紫外域で感度があり、かつレ
ーザ光源20のパルス発光を検出するために高い応答周
波数を有するPIN型のフォトダイオード等が使用でき
る。このインテグレータセンサ34からの照射エネルギ
ー信号ESと、ウエハWの表面上でのパルス照明光IL
のエネルギー(露光量)との相関係数は予め求められ
て、前記主制御系16に併設されたメモリ35内に記憶
されている。
【0034】前記第1リレーレンズ25Aと第2リレー
レンズ25Bとの間に、固定レチクルブラインド26A
及び可動レチクルブラインド26Bが介在されている。
この固定レチクルブラインド26Aは、レチクルR上に
おける照明領域を規定するための矩形開口を有してい
る。可動レチクルブラインド26Bは、固定レチクルブ
ラインド26Aの近傍に配置され、走査方向の位置及び
幅が可変の開口部を有している。
【0035】前記ミラー27は、前記第2リレーレンズ
25Bを通過したパルス照明光ILの光路を折り曲げ
て、そのパルス照明光ILをコンデンサレンズ28を介
して、レチクルR上のパターン領域Raに照射する。
【0036】前記レチクルステージ13は、前記照明光
学系12により照明されるレチクルRを、図示しないバ
キュームチャック等により吸着保持して所定の走査方向
に移動する役割を担っている。このレチクルステージ1
3は、水平面(XY平面)内で、レチクルステージ駆動
部36により走査方向(ここでは、図1の紙面左右方向
である±Y方向とする)に所定ストローク範囲で走査さ
れるようになっている。この走査中のレチクルステージ
13の位置は、レチクルステージ13上に固定された移
動鏡37を介して外部のレーザ干渉計38によって計測
され、このレーザ干渉計38の計測値が前記主制御系1
6に供給されるようになっている。
【0037】前記投影光学系14は、レチクルRに形成
されたパターンの像を、表面にレジスト(感光材料)が
塗布された基板としてのウエハW上に投影する役割を担
っている。この投影光学系14は、両側テレセントリッ
クな光学配置になるように配置され、Z軸方向に共通の
光軸AXを有する複数枚のレンズエレメントから構成さ
れている。また、この投影光学系14としては、投影倍
率α(αは例えば1/4または1/5)のものが使用さ
れている。このため、照明光ILによりレチクルR上の
パターン領域Raが照明されると、そのパターン領域R
aに形成されたパターンが投影光学系14により投影倍
率αで縮小された像として、ウエハW上の露光領域Wa
に投影露光される。
【0038】前記ウエハステージ15は、ウエハWを保
持して前記投影光学系14との相対位置を変更するもの
である。このウエハステージ15は、ウエハステージ駆
動部39によって駆動されるXYステージ40及びZチ
ルトステージ41とからなっている。XYステージ40
は、走査方向であるY方向(図1における水平方向)及
びこれに直交するX方向(図1における紙面直交方向)
に2次元移動可能となっている。
【0039】Zチルトステージ41は、前記XYステー
ジ40上に搭載され、Z方向(図1における上下方向)
に移動可能かつ投影光学系14の光軸AXに対して傾斜
可能となっている。このZチルトステージ41上に、図
示しないウエハホルダを介してウエハWが真空吸着等に
より保持されている。そして、Zチルトステージ41
は、ウエハWのZ方向の位置(フォーカス位置)を調整
するとともに、前記投影光学系14の光軸AXに対する
ウエハWの傾斜角を調整する機能を有する。また、ウエ
ハステージ15の位置は、Zチルトステージ41上に固
定された移動鏡42を介して外部のレーザ干渉計43に
より計測され、このレーザ干渉計43の計測値が前記主
制御系16に供給される。
【0040】前記主制御系16は、CPU(中央演算処
理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM
(ランダム・アクセス・メモリ)等からなる、いわゆる
マイクロコンピュータ(またはミニコンピュータ)を含
んで構成されている。この主制御系16は、露光動作が
的確に行われるように、例えばレチクルRとウエハWの
同期走査、ウエハWのステッピング、露光タイミング、
さらには走査露光時におけるレーザ光源20の発振条件
等を統括して制御する。
【0041】具体的には、主制御系16は、例えば走査
露光時には、レーザ干渉計38,43の計測値に基づい
て、レチクルステージ駆動部36、ウエハステージ駆動
部39をそれぞれ介して、レチクルステージ13、XY
ステージ40の位置及び移動速度をそれぞれ制御する。
また、主制御系16は、制御情報CSをレーザ光源20
に供給することによって、レーザ光源20の発光タイミ
ング、及び発光パワー(発光されるレーザ光LBのエネ
ルギー)等を設定する。さらに、主制御系16は、駆動
装置32を介して照明光学系12の開口絞り板23を回
転制御するとともに、レチクルステージ13及びウエハ
ステージ15の動作情報に同期して可動レチクルブライ
ンド26Bの開閉動作を制御する。
【0042】次に、本実施形態の露光装置11のレーザ
光源20の内部構成及びその作用について説明する。図
2に示すように、レーザ光源20の内部には、放電チャ
ンバ部51、狭帯域化部52、ビームスプリッタ53、
シャッタ54、エネルギーモニタ55、コントローラ5
6及び高圧電源57が設けられている。
【0043】前記放電チャンバ部51には、複数のガス
(例えばKrFエキシマレーザ光源の場合にはKr、F
2等)が封入されている。また、放電チャンバ部51の
内部には、レーザ光LBを発振させるための一対の電極
58と、循環ファン59とが設けられている。前記高圧
電源57は、コントローラ56の制御の下で、放電チャ
ンバ部51内の一対の電極58に所定の電圧を印加す
る。これにより、一対の電極58間で放電が生じて、レ
ーザ光LBが発振される。この場合、図4に示すよう
に、数十〜数百パルス単位のまとまったパルス群PGを
間欠的に発振した後に休止するというパターンで、いわ
ゆるバースト発振が行われる。
【0044】図3に示すように、前記狭帯域化部52の
筐体60は放電チャンバ部51と連通され、その内部に
はプリズム61及び分光素子62が配設されている。分
光素子62はグレーティング素子63から構成され、そ
の一方の面には回折格子63aが所定のピッチで配列さ
れている。このグレーティング素子63は、後述する温
度調整構造65の熱伝達部66を介して筐体60に支持
されている。つまり、この熱伝達部66は、筐体60に
対してグレーティング素子63を保持する保持手段を兼
ねている。また、前記筐体60内には、グラスウール等
よりなるディフューザ64がプリズム61とグレーティ
ング素子63との間の光路を取り巻くように配設されて
いる。
【0045】ここで、前記放電チャンバ部51で発振さ
れ、ある程度の波長分布を持ったレーザ光LBが、プリ
ズム61を介してグレーティング素子63の回折格子6
3aに照射される。この際、所定の波長領域のレーザ光
LBのみがプリズム61側に反射され、その他の波長領
域、つまり不要帯域のレーザ光LB’は散乱される。こ
の回折格子63aからの散乱光は、前記ディフューザ6
4により完全に散乱されて、レーザ光LBの光路内に戻
らないようになっている。これにより、レーザ光LBの
狭帯域化が行われるようになっている。
【0046】前記ビームスプリッタ53は、前記放電チ
ャンバ部51で発振され前記狭帯域化部52にて狭帯域
化されたレーザ光LBが入射すると、その大部分を透過
させ、前記シャッタ54を介してレーザ光源20の外部
に出射する。また、このビームスプリッタ53で反射さ
れた一部のレーザ光LBは、エネルギーモニタ55に導
かれるようになっている。
【0047】前記シャッタ54は、主制御系16からの
制御情報に応じて開閉される。すなわち、レチクルRに
対する照明光ILの照射を停止する待機状態において
は、シャッタ54が閉じられ、レーザ光源20からビー
ム整形光学系21へのレーザ光LBの出射が遮断され
る。一方、レチクルRに対する照明光ILの照射を行わ
れる照射状態においては、シャッタ54が開かれ、レー
ザ光源20からビーム整形光学系21へレーザ光LBが
出射される。
【0048】前記エネルギーモニタ55は、前記ビーム
スプリッタ53で反射されたレーザ光LBを受光する。
このエネルギーモニタ55は、光電変換素子からなって
おり、その受光量に基づいて、各パルス毎の出射エネル
ギー信号RSをコントローラ56に出力する。
【0049】コントローラ56は、レチクルRにレーザ
光LBを照射する通常の照射状態になる直前に、放電チ
ャンバ部51から出射されるレーザ光LBのエネルギー
が主制御系16より供給された制御情報CS中の1パル
ス当たりのエネルギーの目標値に対応した値となるよう
に制御する。具体的には、高圧電源57から放電チャン
バ部51に供給される印加電圧を設定し、それによって
放電チャンバ部51から出射されるレーザ光LBのエネ
ルギーを前記出射エネルギー信号RSによりモニタす
る。また、コントローラ56は、前記制御情報CSに基
づいて、放電チャンバ部51における発振周波数をも変
更する。
【0050】また、前記シャッタ54が開かれて、レチ
クルRにレーザ光LBを照射する照射状態に移行する
と、ビームスプリッタ24で反射されたレーザ光LBの
一部がインテグレータセンサ34で受光される。この照
射状態において、コントローラ56は、インテグレータ
センサ34から主制御系16を介して入力されるパルス
発振毎の照射エネルギーに関する情報に基づいて、高圧
電源57から放電チャンバ部51に供給される印加電圧
をパルス発振毎に制御する。なお、その照射状態では、
レーザ光源20内のエネルギーモニタ55は、ビームス
プリッタ53を介してレーザ光LBの一部を検出して、
放電チャンバ部51自体の性能変動を監視している。
【0051】また、前記コントローラ56は、図4に示
すような放電チャンバ部51からのレーザ光LBのパル
ス発振の間隔や発振周波数等の発振条件に応じて、循環
ファン59の回転速度を加減する。この循環ファン59
は、放電チャンバ部51内に封入されたガスを循環さ
せ、連続的なパルス発振を行っても、予備放電電極70
からの放電によりイオン化された混合ガスが前記電極5
8間に安定して供給する役割を担っている。
【0052】ここで、例えばパルス発振の間隔が長い場
合、すなわちレーザ光LBの発振デューティ(休止時間
を含む総発振時間に対する実質発振時間の割合)が低い
場合には、混合ガスの循環速度が遅くても電極58間に
イオン化した混合ガスを安定して供給できる。このた
め、コントローラ56は、循環ファン59の回転速度を
遅くする。一方、パルス発振間隔が短い場合、すなわち
レーザ光LBの発振デューティが高い場合には、コント
ローラ56は混合ガスの循環速度を早くするために循環
ファン59の回転速度を早くする。さらに、パルス発振
を行わない(電極58間に電圧を印加しない)状態が長
い間続く場合には、コントローラ56は循環ファン59
の回転を止める。これは、循環ファン59を回転させる
ためのシャフトが、放電チャンバ部51内でガスを密閉
しているチャンバを貫通する構造になっており、必要以
上に循環ファン59を回転させることによってガスの密
閉状態が早期に劣化するのを抑制するためである。
【0053】さらに、前記コントローラ56は、放電チ
ャンバ部51内の混合ガスの圧力も調整することができ
る。ここで、放電チャンバ部51内の混合ガスの圧力変
化と放電チャンバ部51から出射されるレーザ光LBの
特性(エネルギーなど)変化との関係を示すデータを予
め記憶しておいてもよい。そして、そのデータを用い
て、ウエハWの露光時など照射状態で放電チャンバ部5
1内の混合ガスの圧力を調整して、放電チャンバ部51
から出射されるレーザ光LBの特性を変化させるように
してもよい。
【0054】さて、前記狭帯域化部52の筐体60内に
は、グレーティング素子63の温度調整を行うための温
度調整手段としての温度調整構造65が装備されてい
る。この温度調整構造65は、熱伝達部66と放熱部6
7とから構成されている。熱伝達部66は、グレーティ
ング素子63の回折格子63aと反対の面側に接合配置
された金属等の熱伝導率の高い材料からなっている。ま
た、放熱部67は、その熱伝達部66の外面に突設され
るとともに、前記筐体60の外部に露出するように配置
された複数の放熱フィンからなっている。そして、筐体
60外において、この放熱部67と対向するように冷却
ファン68が配設されている。この冷却ファン68の回
転により放熱部67が空冷されるため、グレーティング
素子63の熱が熱伝達部66を介して放熱部67に伝達
され、その放熱部67から筐体60外に放散される。こ
れによって、グレーティング素子63が、レーザ光LB
の照射により過剰に加熱されることなく所定温度に調整
される。
【0055】また、前記狭帯域化部52の筐体60内に
は、赤外線カメラを備えた温度検出手段としての温度検
出センサ69がグレーティング素子63の回折格子63
aと対応するように配設されている。そして、この温度
検出センサ69によりグレーティング素子63の温度が
検出されて、その温度検出信号TSがコントローラ56
に供給されるようになっている。
【0056】しかも、前記コントローラ56は、レーザ
光LBのパルス発振の間隔や発振周波数等の発振条件に
応じて、温度調整構造65の冷却ファン68の回転速度
を加減する。これにより、放熱部67からの放熱量を変
更して、グレーティング素子63の温度調整の効率を調
整する。すなわち、パルス発振の間隔が短くなって、レ
ーザ光LBの発振デューティが高くなるほど、狭帯域化
部52の筐体60内に熱がこもって、グレーティング素
子63が加熱される。このため、冷却ファン68の回転
速度を早くして、グレーティング素子63の冷却効率を
高める。
【0057】また、前記コントローラ56は、前記レー
ザ光LBの発振条件に加えて狭帯域化部52の温度検出
センサ69からの温度検出信号TSにも基づいて、冷却
ファン68の回転速度を加減する。すなわち、温度検出
センサ69によるグレーティング素子63の検出温度が
高くなるほど、冷却ファン68を高速で回転させて、グ
レーティング素子63の冷却効率を高める。
【0058】このような温度調整構造65において、温
度検出センサ69の温度検出遅れや、温度調整構造65
の温度調整遅れ等が無視できないものとなることがあ
る。言い換えると、温度検出センサ69による温度検出
時から、グレーティング素子63が所定温度に調整され
るまでに、時間的または温度差的な遅れが生じることが
ある。そして、このグレーティング素子63の温度調整
遅れは、図5(a)に示すように、レーザ光LBの発振
デューティが高くなるほど大きくなる。
【0059】このような温度調整遅れを是正するため
に、コントローラ56は、温度検出センサ69の温度検
出時から所定時間経過後におけるグレーティング素子6
3の温度状態を予測し、その予測結果に基づいてグレー
ティング素子63の温度調整の効率を調整する。
【0060】具体的には、例えば図5(b)に示すよう
に、前記レーザ光LBの発振デューティに対するグレー
ティング素子63の温度調整遅れの関係を、遅れ時間t
0,t1,t2,…,tn毎の発振デューティに対する
温度差の関係として予め求めておきコントローラ56に
記憶しておく。
【0061】ここで、例えば温度検出から温度調整まで
所定の遅れ時間t1を有するレーザ光源20において、
所定の発振デューティDaにてレーザ光LBを発振して
いる状態で、温度検出センサ69から温度検出信号TS
がコントローラ56に入力されたとする。コントローラ
56は、記憶された温度情報に基づいて、温度検出時か
ら所定遅れ時間t1後の温度差を求める。この温度差と
検出温度とに基づいて、温度検出時から所定時間経過後
の予測温度を算出する。そして、コントローラ56は、
その予測温度に基づいて冷却ファン68の回転速度を変
更し、グレーティング素子63から熱伝達部66を介し
て放熱部67にて筐体60外に放散される放熱量を調整
する。これにより、グレーティング素子63の温度調整
の効率が調整され、そのグレーティング素子63が所定
の温度に調整保持されて、温度変化に伴うレーザ光LB
の狭帯域化効率の変動が抑制される。
【0062】従って、本実施形態によれば、以下のよう
な効果を得ることができる。 (イ) このレーザ光源20では、その狭帯域化部52
に温度調整構造65を備え、この温度調整構造65によ
ってグレーティング素子63の温度調整が行われるよう
になっている。このため、レーザ光LBの発振デューテ
ィや発振周波数が高くなった場合でも、グレーティング
素子63の温度変化を小さく抑えることができて、グレ
ーティング素子63における狭帯域化効率を安定化させ
ることができる。従って、レーザ光源20から安定した
レーザ光LBを発射させることができて、このレーザ光
源20を露光装置11の光源として適用することで、そ
のレーザ光LBにより高精度の露光を行うことができ
る。
【0063】(ロ) このレーザ光源20は、遠紫外域
のレーザ光LBを所定の間隔をおいてパルス発光するも
のであり、グレーティング素子63の温度調整がなされ
るようになっている。このため、このレーザ光源20
は、例えば極めて微細なパターンの露光処理の要求され
る半導体素子用の露光装置11の光源として、特に好適
である。
【0064】(ハ) このレーザ光源20では、温度調
整構造65が、放電チャンバ部51におけるレーザ光L
Bの発振条件、例えばレーザ光LBの発振周波数や発振
デューティ等に応じて、グレーティング素子63の温度
調整の効率を調整するようになっている。このため、要
求されるレーザ光LBの発振条件に応じて、グレーティ
ング素子63の狭帯域化効率を調整することができる。
従って、特に光源20からのレーザ光LBの発振条件を
変更して露光が行われる露光装置に適用して有効であ
る。
【0065】(ニ) このレーザ光源20では、温度調
整構造65が、グレーティング素子63の温度を検出す
る温度検出センサ69を備えている。そして、その温度
検出センサ69における検出結果に基づいて、グレーテ
ィング素子63の温度調整の効率が調整されるようにな
っている。このため、グレーティング素子63の温度状
態に応じてその狭帯域化効率をより正確に調整すること
ができる。
【0066】(ホ) このレーザ光源20では、温度調
整構造65が、温度検出センサ69の検出結果に基づい
て、その温度検出時から所定時間経過後におけるグレー
ティング素子63の温度状態を予測する。そして、その
予測結果に基づいてグレーティング素子63の温度調整
の効率が調整されるようになっている。このため、グレ
ーティング素子63の温度検出及び温度調整の遅れを見
越して、そのグレーティング素子63の狭帯域化効率を
より正確に調整することができる。
【0067】(ヘ) このレーザ光源20では、温度調
整構造65が、グレーティング素子63の温度を調整す
るための放熱部67と、その放熱部67とグレーティン
グ素子63との間で熱伝達を行う熱伝達部66とから構
成されている。そして、放熱部67が狭帯域化部52の
筐体60の外部に露出するように配置されている。この
ため、グレーティング素子63の熱が熱伝達部66を介
して放熱部67に伝達された後、その熱伝達部66から
筐体60の外部へ速やかに放散される。従って、グレー
ティング素子63の熱が筐体60の内部に籠って、筐体
60内の気体に揺らぎが発生するのを抑制することがで
き、狭帯域化効率を効果的に安定化させることができ
る。
【0068】(ト) このレーザ光源20では、グレー
ティング素子63の回折格子63aを有する面とは反対
の面側にその温度を調整するための放熱部67が配置さ
れている。このため、グレーティング素子63上に広い
温度調整面を確保することができて、グレーティング素
子63の温度調整を均一かつ効率よく行うことができ
る。
【0069】(チ) このレーザ光源20では、グレー
ティング素子63と放熱部67との間の熱伝達を行う熱
伝達部66が、そのグレーティング素子63を筐体60
に対して保持する役割をも担っている。言い換えると、
グレーティング素子63を保持する熱伝達部66を通し
て、そのグレーティング素子63の温度調整が行われて
いる。このため、部品点数の増加及び筐体60の大型化
を抑制しつつ、グレーティング素子63の温度調整を行
うことができる。
【0070】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態について、前記第1実施形態と異なる部分を中心に
説明する。
【0071】この第2実施形態では、図6に示すよう
に、狭帯域化部52の筐体60内において、グレーティ
ング素子63が温度調整手段としての温度調整構造71
を構成するペルチェ素子72を介して前記筐体60に支
持されている。このペルチェ素子72には、その一方の
面に熱伝達部としての熱伝達面72aが、他方の面に放
熱部としての放熱面72bが設けられている。その熱伝
達面72aは、グレーティング素子63の回折格子63
aと反対側の面に接合され、放熱面72bが筐体60の
外部に露出配置されている。また、このペルチェ素子7
2は、前記筐体60に対して前記グレーティング素子6
3を保持する保持部材を兼ねている。
【0072】そして、前記ペルチェ素子72の放熱面7
2bには、冷却ファン68が対向配置されている。この
冷却ファン68の回転により、グレーティング素子63
の熱が、ペルチェ素子72の熱伝達面72aから放熱面
72b側に伝達された後、その放熱面72bから筐体6
0の外部に放散される。これによって、グレーティング
素子63が所定の温度に調整されるようになっている。
【0073】また、この実施形態においては、前記グレ
ーティング素子63の側部に熱電対を備えた温度検出手
段としての温度検出センサ73が接合配置されている。
そして、レーザ光LBの発振時に、この温度検出センサ
73により、グレーティング素子63の温度が直接的に
検出されて、コントローラ56に温度検出信号TSが供
給されるようになっている。
【0074】従って、本実施形態によれば、前記第1実
施形態における(イ)〜(チ)に記載の効果とほぼ同様
の効果を得ることができる。 (第3実施形態)次に、本発明の第3実施形態につい
て、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0075】この第3実施形態においては、図7に示す
ように、狭帯域化部52の筐体60内に、分光素子81
を構成し一対の平行平面板82aよりなるエタロン素子
82及びリヤミラー83が配設されている。このエタロ
ン素子82は、その周側に配置され、温度調整手段とし
ての温度調整構造84の熱伝達部を構成する金属製の熱
伝達部材85を介して前記筐体60に支持されている。
すなわち、この熱伝達部材85は、前記エタロン素子8
2を保持する保持部材をも構成している。
【0076】その熱伝達部材85の内部には冷却水等の
冷媒を通過させるためのジャケット86が形成され、そ
のジャケット86には冷媒循環路87が接続されてい
る。その冷媒循環路87中には、熱電対等の温度検出セ
ンサ88、ポンプ89及び温度調整構造84の放熱部を
構成する熱交換器90が接続されている。
【0077】そして、レーザ光LBの発振時には、ポン
プ89の回転により熱伝達部材85のジャケット86内
に冷却水等の冷媒が流され、エタロン素子82の熱が熱
伝達部材85を介して冷媒に伝達される。この冷媒に伝
達された熱は、筐体60外に持ち出され、熱交換器90
にて熱交換されることにより外部に放出される。これに
よって、エタロン素子82の温度調整が行われる。
【0078】また、前記のようにポンプ89が回転され
て、ジャケット86から冷媒循環路87に冷媒が導出さ
れるとき、温度検出センサ88により冷媒の温度がエタ
ロン素子82の温度として検出され、その温度検出信号
TSがコントローラ56に供給される。さらに、この実
施形態では、コントローラ56の制御により、温度検出
信号TSに基づくエタロン素子82の予測温度、及び発
振デューティ等の発振条件に応じて、ポンプ89の回転
速度及び熱交換器90の熱交換効率の少なくともいずれ
か一方が調整される。これにより、温度調整構造84に
よるエタロン素子82の温度調整効率が変更されて、エ
タロン素子82が所定の温度状態に維持される。
【0079】従って、本実施形態によれば、前記第1実
施形態における(イ)〜(ヘ)及び(チ)に記載の効果
とほぼ同様の効果を得ることができる。(変更例)な
お、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよ
い。
【0080】・ 前記第1及び第2実施形態では、分光
素子62としてのグレーティング素子63の回折格子6
3aと反対側の面に温度調整構造65,71を接合配置
したが、グレーティング素子63の周側面に温度調整構
造65,71を接合配置してもよい。このようにした場
合でも、前記第1実施形態における(イ)〜(ヘ)に記
載の効果とほぼ同様の効果が得られる。
【0081】・ また、前記各実施形態では、温度調整
構造65,71,84に放熱部67、放熱面72bまた
は熱交換器90を設けて、分光素子62,81を冷却に
て温度調整するようにした。これに対して、温度調整構
造65,71,84に加熱部を設けて、分光素子62,
81を加熱にて温度調整するようにしてもよい。このよ
うにした場合でも、前記第1実施形態における(イ)〜
(ト)に記載の効果とほぼ同様の効果が得られる。とい
う効果が得られる。
【0082】・ また、前記各実施形態では、レーザ光
LBとしてパルス光を使用したが、例えばHe−Neレ
ーザ、炭酸ガスレーザ、金属蒸気レーザ、半導体レー
ザ、ファイバレーザ、半導体レーザ等の連続光レーザ、
及びこれらの高調波を使用してもよい。
【0083】・ また、本発明のレーザ光源20は、レ
チクルR上のパターンをステップ・アンド・リピート方
式でウエハW上に転写露光する一括露光型の露光装置、
また、例えば液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド
等のマイクロデバイス、レチクル、フォトマスク等のマ
スク等を製造するための露光装置のレーザ装置、さら
に、例えばレーザ加工機用、計測器用、情報読取用等の
レーザ装置に具体化してもよい。
【0084】・ また、本発明の露光装置11は、レチ
クルR、フォトマスク等のマスク上のパターンを等倍で
あるいは拡大して、ウエハW、ガラスプレート等の基板
上に転写露光する露光装置に具体化してもよい。
【0085】これらのように構成しても、前記各実施形
態とほぼ同様な効果が得られる。
【0086】
【発明の効果】以上詳述したように、本願請求項1に記
載の発明によれば、狭帯域化部の分光素子の温度変化を
抑制することができて、その分光素子における狭帯域化
効率を安定化させることができる。この結果、レーザ装
置から安定したレーザ光を発射させることができる。
【0087】また、本願請求項2に記載の発明によれ
ば、前記請求項1に記載の発明の効果に加えて、特に光
エネルギーが大きい遠紫外域のレーザ光を発振するレー
ザ装置に適用して有効である。
【0088】また、本願請求項3に記載の発明によれ
ば、前記請求項1または請求項2に記載の発明の効果に
加えて、例えば極めて微細な半導体素子用の露光装置の
光源として、パルス発光するKrFエキシマレーザ、A
rFエキシマレーザ、F2レーザを使用した場合に、そ
の光源の構成に適用して最適である。
【0089】また、本願請求項4に記載の発明によれ
ば、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載
の発明の効果に加えて、要求されるレーザ光の発振条件
に応じて、分光素子の狭帯域化効率を調整することがで
きて、特に発振条件が変更されるレーザ装置に有効であ
る。
【0090】また、本願請求項5に記載の発明によれ
ば、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載
の発明の効果に加えて、分光素子の温度状態に応じてそ
の狭帯域化効率を正確に調整することができる。
【0091】また、本願請求項6に記載の発明によれ
ば、前記請求項5に記載の発明の効果に加えて、分光素
子の温度検出及び温度調整の遅れを見越して、その分光
素子の狭帯域化効率を正確に調整することができる。
【0092】また、本願請求項7に記載の発明によれ
ば、前記請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載
の発明の効果に加えて、分光素子からの熱が筐体の内部
に放散されて、筐体内の気体に揺らぎが発生する等の悪
影響を抑制することができる。
【0093】また、本願請求項8に記載の発明によれ
ば、前記請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載
の発明の効果に加えて、分光素子上に広い温度調整面を
確保することができて、分光素子の温度調整を均一かつ
効率よく行うことができる。
【0094】また、本願請求項9に記載の発明によれ
ば、前記請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載
の発明の効果に加えて、部品点数の増加及びレーザ装置
の大型化を抑制しつつ光学素子の温度調整を行うことが
可能になる。
【0095】また、本願請求項10に記載の発明によれ
ば、光源から安定したレーザ光を発射させることができ
て、そのレーザ光により高精度の露光を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の露光装置を示す概略構成
図。
【図2】 図1のレーザ光源の内部構成の概略的なブロ
ック図。
【図3】 図2のレーザ光源の狭帯域化部を示す概略構
成図。
【図4】 レーザ光の発振パターンを示す図。
【図5】 (a)は発振のデューティとグレーティング
素子の温度調整の遅れとの関係を示す図。(b)は発振
のデューティとグレーティング素子の温度との関係にお
ける経時変化を示す図。
【図6】 第2の実施形態の狭帯域化部を示す概略構成
図。
【図7】 第3の実施形態の狭帯域化部を示す概略構成
図。
【符号の説明】
11…露光装置、20…レーザ装置及び光源としてのレ
ーザ光源、51…放電チャンバ部、52…狭帯域化部、
56…制御手段を構成するコントローラ、60…筐体、
62,81…分光素子、63…グレーティング素子、6
3a…回折格子、65,71,84…温度調整手段とし
ての温度調整構造、66…保持部材を兼ねる熱伝達部、
67…放熱部、69,73,88…温度検出手段として
の温度検出センサ、72…保持部材を兼ねるペルチェ素
子、72a…熱伝達部としての熱伝達面、72b…放熱
部としての放熱面、85…保持部材及び熱伝達部を構成
する熱伝達部材、90…放熱部としての熱交換器、LB
…レーザ光、R…マスクとしてのレチクル、W…基板と
してのウエハ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H097 BA02 BB02 CA13 GB01 LA10 LA12 LA15 LA20 5F046 BA04 CA03 CA04 CA10 CB01 CB06 CB10 DA01 DB02 5F071 AA06 HH02 HH03 JJ02 JJ05 5F072 AA06 HH02 HH05 JJ05 JJ13 KK07 RR05 SS06 TT13 TT29 YY09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の波長域のレーザ光を発振させる放
    電チャンバ部と、分光素子を有し前記放電チャンバ部で
    発振されたレーザ光の狭帯域化を行う狭帯域化部とを備
    えたレーザ装置において、 前記分光素子の温度調整を行う温度調整手段を設けたこ
    とを特徴とするレーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記放電チャンバ部は、遠紫外域のレー
    ザ光を発振するものであることを特徴とする請求項1に
    記載のレーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記放電チャンバ部は、前記レーザ光を
    所定の間隔をおいてパルス発光するものであることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記温度調整手段は、前記放電チャンバ
    部における前記レーザ光の発振条件に応じて前記分光素
    子の温度調整の効率を調整することを特徴とする請求項
    1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のレーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記温度調整手段は、前記分光素子の温
    度を検出する温度検出手段を備え、その温度検出手段に
    おける検出結果に基づいて前記分光素子の温度調整の効
    率を調整することを特徴とする請求項1〜請求項4のう
    ちいずれか一項に記載のレーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記温度調整手段は、前記温度検出手段
    の検出結果に基づいて、その温度検出時から所定時間経
    過後における前記分光素子の温度状態を予測し、その予
    測結果に基づいて前記分光素子の温度調整の効率を調整
    することを特徴とする請求項5に記載のレーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記温度調整手段は、前記分光素子の温
    度を調整するための加熱部及び放熱部の少なくとも一方
    と、それら加熱部及び放熱部と分光素子との間で熱伝達
    を行う熱伝達部とを備え、その加熱部及び放熱部を前記
    狭帯域化部を収容する筐体の外部に設けたことを特徴と
    する請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載のレ
    ーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記分光素子は、一方の面に所定のピッ
    チで配列された回折格子を有するグレーティング素子を
    含み、そのグレーティング素子の温度を調整するための
    加熱部または放熱部を他方の面側に配置したことを特徴
    とする請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の
    レーザ装置。
  9. 【請求項9】 前記分光素子を保持する保持部材に、前
    記温度調整手段の少なくとも一部を設けたことを特徴と
    する請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載のレ
    ーザ装置。
  10. 【請求項10】 光源からの照明光の照射に基づいて、
    マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に投
    影する露光装置において、 前記光源として、前記請求項1〜請求項9のうちいずれ
    か一項に記載のレーザ装置を備えたことを特徴とする露
    光装置。
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JP2007067123A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 National Institute Of Advanced Industrial & Technology レーザーパルス圧縮装置
JP2016219712A (ja) * 2015-05-25 2016-12-22 株式会社メガオプト 多波長レーザー発振装置および多波長レーザー発振方法
JP2019133119A (ja) * 2018-02-01 2019-08-08 日本電信電話株式会社 回折素子

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