JP2001174405A - グルコースモニタ及びグルコース濃度の測定方法 - Google Patents

グルコースモニタ及びグルコース濃度の測定方法

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JP2001174405A
JP2001174405A JP36396799A JP36396799A JP2001174405A JP 2001174405 A JP2001174405 A JP 2001174405A JP 36396799 A JP36396799 A JP 36396799A JP 36396799 A JP36396799 A JP 36396799A JP 2001174405 A JP2001174405 A JP 2001174405A
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Osamu Yoshikawa
治 吉川
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    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/55Specular reflectivity
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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性に優れ、汚れや変質によるドリフトの発
生も少なく、メンテナンスに手間がかからないセンサ部
を有するグルコースモニタを提供する。 【解決手段】ATRプリズム11、赤外光源14、干渉
フィルタ18(グルコースの吸光ピークの波長の光のみ
通過させるもの)及び光検出器20を用いた全反射測定
法により試料(血液、細胞間液)のグルコース濃度を測
定する。ATRプリズム11は、例えばダイヤモンドの
ように機械的及び化学的強度の高い材料で作成する。A
TRプリズム11の測定面12がタンパク等で汚れて
も、その汚れは機械的又は化学的な方法で簡単に除去す
ることができるため、ATRプリズム11を新しいもの
に交換する必要はない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血糖値の測定等に
利用されるグルコースモニタに関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病の治療においては、患者の血糖値
を定期的又は連続的に測定し、血糖値が高すぎるときに
は適切な量の抗糖尿剤(インスリン等)を投与又は服用
するというように、血糖値に応じて適切な処置を講じる
ことが重要である。血糖値の測定にはいわゆるグルコー
スモニタが使用される。一般にグルコースモニタは、グ
ルコースを含む液体と接触したときにそのグルコース濃
度に応じた信号を出力するセンサ部、及び、センサ部の
出力信号に基づいてグルコース濃度を算出及び表示する
濃度算出部を有する。センサ部の一例としては、液体と
の接触部分に電極を配置し、その電極に接触した液体の
インピーダンスに応じた信号を出力するように構成され
たもの(電極型)が挙げられる。また、別の例として
は、液体との接触部分にグルコースに作用する酵素を含
有する膜(機能膜)を配置し、その膜に液体を接触させ
たときに発生する電気化学的変化に応じた信号を出力す
るように構成されたもの(機能膜型)が挙げられる。
【0003】グルコースモニタの全体構成はその用途に
応じて様々である。例えば、患者自身が自宅で抗糖尿剤
を投与又は服用するために血糖値を測定する際に用いら
れるグルコースモニタは、小型で、医療の専門家ではな
い一般者でも簡単に操作でき、体の一部(例えば指先)
からの採血(又は採液)に伴う侵襲の度合が低く、短時
間で血糖値を測定することができ、更にメンテナンスも
簡単であるような構成とすることが望まれる。このよう
なグルコースモニタを本明細書では簡易測定型と呼ぶ。
一方、医療機関において手術中や集中治療中に患者の血
糖値を連続測定するためのグルコースモニタでは、患者
の体から管等を通じて連続的に体外へ抽出される血液の
血糖値を長時間にわたって測定できるような構成とする
必要がある。このようなグルコースモニタを本明細書で
は連続測定型と呼ぶ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなグルコー
スモニタを実現する上で考慮すべき問題の一つに、セン
サ部の汚染や劣化による測定精度の低下がある。例え
ば、機能膜型のセンサ部では、血液中に含まれるタンパ
クが機能膜に徐々に付着し、時間とともに測定値にドリ
フトが発生する。機能膜からタンパクを除去すればこの
問題は解消されるが、機能膜は薄くて弱いものなので、
付着したタンパクを機械的に除去することは困難であ
る。また、機能膜から化学的にタンパクを除去すること
は、そこに含有された酵素の活性を変化させたりあるい
は酵素を破壊する恐れがあるため好ましくない。このた
め、機能膜型のセンサ部を用いる場合、例えば、連続測
定型グルコースモニタでは数十時間程度で、また、簡易
型グルコースモニタでも、通常に使用すること(1日に
4〜5回程度の測定)を条件として数日に1回という頻
度で、センサ部を新しいものと交換しなければならな
い。
【0005】一方、電極型のセンサ部では、十分な機械
的強度を有する電極を用いれば、電極の表面に付着した
汚れを機械的に除去することが可能である。しかし、電
極型のセンサ部では、長期に渡る使用の間に電極の表面
が徐々に変質し、それに応じて測定値にドリフトが生じ
るようになる。このようなドリフトを補償するには、標
準試料を用いてグルコースモニタの校正をやり直さなけ
ればならず、面倒である。
【0006】本発明は以上のような課題を解決するため
に成されたものであり、その目的とするところは、耐久
性に優れ、汚れや変質によるドリフトの発生も少なく、
メンテナンスに手間がかからないセンサ部を有するグル
コースモニタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係るグルコースモニタは、試料と接
触する測定面を有する全反射測定用プリズム、グルコー
スの吸光ピークを含む波長範囲の赤外光を発する赤外光
源、赤外光を受けてその強度に応じた信号を出力する光
検出器、前記赤外光源から発せられた赤外光を前記プリ
ズムの測定面へ該プリズムの内部から臨界角より大きい
入射角で入射させ、更にその測定面で反射された赤外光
を前記光検出器へ送る光学系、及び前記光検出器の出力
信号から求められるグルコースの吸光ピークの強度に基
づいて前記試料のグルコース濃度を算出する濃度算出手
段を備えることを特徴としている。
【0008】また、本発明に係るグルコース濃度の測定
方法は、被検体の組織間液をプリズムの測定面に接触さ
せる手順、グルコースの吸光ピークを含む波長範囲の赤
外光を前記プリズムの測定面へ該プリズムの内部から臨
界角より大きい入射角で入射させる手順、及び前記測定
面で全反射された赤外光の波長強度分布に基づいて前記
組織間液のグルコース濃度を測定する手順を含むことを
特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態及び発明の効果】本発明に係るグル
コースモニタは、赤外光を用いた全反射測定法により試
料(血液や細胞間液等の体液)のグルコース濃度を測定
するものである。全反射測定用プリズム(以下、ATR
プリズムと呼ぶ)には、赤外光に対して十分高い透過率
を有し、機械的及び化学的強度の高い材料(例えばシリ
コン、ダイヤモンド等。好ましくはダイヤモンド)で作
成されたものを使用する。光学系は、放射光から平行光
や収束光を生成又は抽出して所望の光路を構成するため
に一般に用いられる光学素子(レンズ、反射鏡、スリッ
ト等)を用いて構成する。光検出器には、赤外光の検出
に通常に用いられる各種検出器(例えば半導体検出器)
が利用できる。濃度算出手段はマイコン等を利用したハ
ードウエアとして構成してもよいし、パーソナルコンピ
ュータとその上で動作するプログラムによりソフトウエ
ア的に構成してもよい。
【0010】本発明に係るグルコースモニタを用いて血
液や細胞間液等の試料のグルコース濃度を測定するに
は、ATRプリズムの測定面に試料を接触させ、赤外光
源を点灯する。赤外光源を出た赤外光は臨界角より大き
い入射角で測定面に入射し、そこで全反射される。この
全反射の際、測定面と試料との境界でいわゆるエバネッ
セント場が形成され、赤外光のエネルギの一部が試料内
へ染み出す。試料内へ侵入した赤外光は、反射の際に、
試料成分の組成及び濃度に応じた吸収を受ける。従っ
て、ATRプリズムの測定面から出射する反射光の強度
を光検出器で測定し、その測定データから得られる赤外
光の吸収スペクトルを解析することにより、試料成分の
組成及び濃度に関する情報を得ることができる。
【0011】グルコースモニタでは、赤外光源の発する
光の全波長範囲に渡って吸収スペクトルを得る必要はな
く、グルコースの吸光ピークが存在する限られた波長範
囲の吸収スペクトルを得ることさえできればよい。そこ
で、本発明では、赤外光源から光検出器へ至る光路の途
上に、グルコースの吸光ピークに対応する波長範囲の光
を抽出する分光手段を設けてもよい。分光手段には、干
渉フィルタ、回折格子、干渉計等が利用できる。分光手
段は、赤外光源からATRプリズムへ至る入射光路の途
上に配置してもよいし、ATRプリズムから光検出器へ
至る反射光路の途上に配置してもよい。なお、このよう
な分光手段を設けない場合、光検出器の出力信号から求
められる全波長範囲の吸光スペクトルデータからグルコ
ースの吸光ピークのデータを抽出し、それに基づいてグ
ルコース濃度を算出するという処理を濃度算出手段によ
り行うようにすればよい。
【0012】以上のように構成された本発明に係るグル
コースモニタは、試料と接触するセンサ部にダイヤモン
ドのように機械的及び化学的強度の高い材料で作成した
ATRプリズムを用いているため、試料との接触により
測定面にタンパクの汚れが付着しても、それを機械的又
は化学的方法で容易に除去することができる。また、長
期に渡る使用に起因してATRプリズムの測定面が荒れ
たり変質することもなく、それに起因するドリフトも発
生しない。このように、本発明に係るグルコースモニタ
のセンサ部は、機能膜型や電極型のセンサ部に比べて寿
命が長く、メンテナンスに係る手間や費用も少なくて済
む。
【0013】本発明の技術を簡易測定型グルコースモニ
タに応用することを考える。簡易測定型グルコースモニ
タによる血糖値の測定では、何らかの方法で患者の体の
一部(例えば指先)に穿孔し、血液又は細胞間液を皮膚
表面に染み出させ、その液をグルコースモニタのセンサ
部に接触させる。体の一部に穿孔するのに従来は針を用
いることがほとんどであったが、この方法には、穿孔の
際に患者に痛みを与えるだけでなく、一日に数回という
頻度で穿孔が繰り返されるため、穿孔箇所の皮膚が荒れ
たり硬化するという問題がある。
【0014】上記問題を考慮して構成されたあるグルコ
ースモニタでは、近赤外レーザを用いて、角質層から真
皮の上層部に届く程度の深さを有する小孔を皮膚に穿設
し、そこから細胞間液を染み出させるようにしている。
この方法では、小孔は神経や血管が通っている真皮にま
で達しないので、穿孔に伴う痛みがほとんどなく、また
血管の損傷もない。なお、細胞間液のグルコース濃度は
血液のそれとほぼ等しいため、細胞間液のグルコース濃
度を血糖値とみなすことに問題はない。このようなレー
ザ光を用いた穿孔技術は、本発明に係るグルコースモニ
タにも応用可能であるが、この場合、そのレーザ光がプ
リズムの内部を通り、赤外光が測定面により反射される
点の近傍においてプリズムから出射するようにすること
が好ましい。このようにすると、例えばATRプリズム
の測定面を皮膚の目的箇所に密着させて所定のスイッチ
を操作するという簡単な操作のみで、レーザ光で目的箇
所に小孔を穿設し、そこから染み出てきた細胞間液のグ
ルコース濃度(血糖値)を測定することができる。この
ような皮膚への穿孔及びグルコース濃度の測定は、AT
Rプリズムを皮膚の目的箇所に密着させた状態で連続的
に行うことができるため、穿孔点(被検体上で細胞間液
が染み出す点)と測定点(測定面上で赤外光が全反射す
る点又は微小領域)がずれる恐れはない。
【0015】本発明の技術を連続測定型グルコースモニ
タに応用することを考える。連続測定型グルコースモニ
タによる測定は、例えば患者の体から管を通じて血液を
体外へ抽出し、その管の途上にセンサ部を配設し、管の
内部を流れる血液の血糖値を測定する、という手順で行
われる。このような測定は、一日に数回というような高
い頻度で行われることはないため、採血にともなう痛み
や採血箇所における皮膚の荒れ及び硬化はさほど問題と
はならない。しかし、連続測定は一回あたりの継続時間
が長いため、測定中にタンパクがセンサ部に徐々に付着
してくるという問題がある。このような問題を考慮し、
本発明の技術を連続測定型グルコースモニタに応用する
場合は、ATRプリズムの測定面に付着した汚れを除去
する洗浄機構を設けることが好ましい。このようにする
と、測定を中断することなく必要に応じてATRプリズ
ムの測定面を洗浄することができるため、長時間に渡る
測定を行っても測定精度が低下することがない。なお、
洗浄機構の好ましい例としては、超音波発振器を利用し
た非接触型のものが挙げられる。この洗浄機構は、血液
を媒体として発生する超音波によりATRプリズムの測
定面の汚れを除去するもので、管内に機械的な部品を配
置する必要が無く、また測定中の血液を変質させるおそ
れもないため、好ましい。
【0016】
【実施例】図1は本発明の一実施例である簡易測定型グ
ルコースモニタの概略構成図である。このグルコースモ
ニタ1は、ダイヤモンドで作成された台形柱状のATR
プリズム11を備えている。ATRプリズム11の底面
12は測定面であり、測定においてはこの測定面12が
皮膚13に当接される。赤外光源14は、グルコースの
吸光ピークの波長範囲(波数換算で950〜1150c
−1)の光を含む赤外光を発生する。第一のレンズ系
15は、赤外光源14が発する光の一部を集めてATR
プリズム11へ送る働きをする。フィルタホイール16
は、モータ17により回転駆動される円形板状部材であ
る。フィルタホイール16には複数の干渉フィルタ18
がセットされており、モータ17によりフィルタホイー
ル16を適宜回動させることにより、いずれかの干渉フ
ィルタ18を第一のレンズ系15内の光路上へ配置する
ことができる。干渉フィルタ18は、グルコースの吸光
ピークが現れる波長の光を通過させるように構成されて
いる。第二のレンズ系19は、ATRプリズム11を出
た反射光を集めて光検出器20へ送る働きをする。レー
ザ光発生器21は、近赤外レーザ光により皮膚13の表
層部に小孔を形成するためのものである。
【0017】図2にATRプリズム11を通過する光の
光路を示す。図1に示した干渉フィルタ18を通過した
赤外光14aは、臨界角よりも大きい入射角で測定面1
2のほぼ中心に入射し、そこで全反射され、ATRプリ
ズム11の他の側から出射する。一方、レーザ光発生器
21により生成されるレーザ光21aは、ATRプリズ
ム11の上面11aからATRプリズム11に入射し、
測定面12のほぼ中心を通ってATRプリズム11を出
た後、皮膚13へ到達する。図2からわかるように、本
実施例のATRプリズム11では、その形状を略台形と
することによりレーザ光21aの入射面(符号11a)
を赤外光14aの入射面及び出射面とは別に設けたた
め、ATRプリズム11への入射赤外光やそこからの出
射赤外光に影響を与えることなくレーザ光発生器21を
配置することができる。
【0018】グルコースモニタ1を用いた測定は、例え
ば次のような手順で行われる。まず、使用者は、自分の
体の適宜箇所(例えば指先)にATRプリズム11の測
定面12を密着させ、スイッチ(図示せず)をONにす
る。すると、制御装置(図示せず)がレーザ光発生器2
1へ通電し、レーザ光発生器21はATRプリズム11
を通じて近赤外レーザ光を皮膚13に照射する。このレ
ーザ光により、皮膚13の表層に小孔が形成され、そこ
から細胞間液が染み出す。所定時間レーザ光が照射され
たら、制御装置はレーザ光発生器21への通電を停止す
るとともに、赤外光源14を点灯し、光検出器20の出
力信号に基づく吸収スペクトルの解析及びグルコース濃
度の算出処理を実行する。算出された濃度値は表示装置
(図示せず)に表示される。
【0019】図3は近赤外レーザ光により表層部に小孔
の形成された皮膚13の断面図である。図3の小孔22
は角質層23を貫通して表皮24の上層部に達する程度
の深さを有している。表皮24の上層部には細胞間液が
充溢しているため、図のように小孔22を形成すると、
そこから細胞間液が染み出る。一方、血管や神経は表皮
24の上層部にまで達しておらず、せいぜいその一部が
真皮25からわずかに表皮24の下層部に入り込んでい
るのみであるから、小孔22の形成に伴う痛みや出血は
ない。小孔22が上記のような深さに達したら、制御装
置はレーザ光発生器21への通電を停止する。なお、上
記のような小孔を形成するのに適したレーザ光の照射時
間は、実験により予め測定しておく。
【0020】小孔22から染み出た細胞間液は、ATR
プリズム11の測定面12と皮膚13の表面との間で薄
膜状に広がる。ところで、全反射測定法では、試料厚が
小さ過ぎると赤外光の吸収が十分に起こらず、測定の精
度及び感度が落ちるため、十分な試料厚を確保する必要
がある。全反射の際に生じるエバネッセント場において
赤外光が試料に侵入する深さは、測定面への赤外光の入
射角をθ、試料の屈折率(n)とプリズムの屈折率
(n)の比(n/n)をn12、赤外光の波長を
λとしたとき、次式 T=λ/{2π(sinθ−n12 1/2} で表されるから、例えば、屈折率2.38程度のダイヤ
モンドで作成したプリズムを使用し、試料の屈折率を
1.37、赤外光の波長を8μm、入射角を45°とし
た場合、侵入深さは3.1μmとなる。従って、5μm
程度の試料厚があれば、十分な感度及び精度で測定がで
きるものと期待できる。本実施例の場合、皮膚13の表
面は平滑ではなく微細な凹凸があるため、たとえATR
プリズム11の測定面12を強く皮膚13に密着させて
も、測定面12と皮膚13との間には十分な隙間が残っ
ており、その隙間で細胞間液は少なくとも厚さ10μm
程度の膜を形成する。従って、十分な感度及び精度で細
胞間液のグルコース濃度が測定できる。
【0021】また、図2の説明からわかるように、レー
ザ光21aがATRプリズム11の測定面12を通過す
る点は全反射測定用の赤外光14aが測定面12で全反
射される測定点(微小領域)と一致しているため、レー
ザ光21aにより形成された小孔22は正確に測定点と
一致する。従って、小孔22から僅かな量の細胞間液の
量が染み出ただけで、測定点が完全に細胞間液に覆わ
れ、全反射測定が可能な状態となる。このように、本実
施例のグルコースモニタでは、レーザ光21aによる穿
孔後、細胞間液の染み出しに必要な待ち時間はごく短
い。
【0022】図4は本発明の別の実施例である連続測定
型グルコースモニタの概略構成図である。このグルコー
スモニタ2において、ATRプリズム11、赤外光源1
4、第一のレンズ系15、フィルタホイール16、モー
タ17、干渉フィルタ18、第二のレンズ系19及び光
検出器20は、先に説明した図1の簡易測定型グルコー
スモニタ1で用いられていたものと同様の構成を有し、
同様に作用するものである。管30は患者の体から抽出
された血液を搬送するもので、その途上に、ATRプリ
ズム11及び超音波発振器31が血流を挟む形で対向配
置されている。ATRプリズム11の測定面12は管3
0の内部に露出している。赤外光源14、モータ17及
び超音波発振器31への通電制御や光検出器20の出力
信号に基づく吸収スペクトルの解析及びグルコース濃度
の算出処理は、図示せぬ制御装置により行われる。
【0023】図4のグルコースモニタ2を用いた測定で
は、管30内に血液を流しながら、赤外光源14を点灯
し、光検出器20の出力信号に基づく吸収スペクトルの
解析及びグルコース濃度の算出処理を実行することによ
り、血液の血糖値を連続的に測定(モニタ)することが
できる。また、この測定中、制御装置は、所定時間毎に
超音波発振器31へ通電する。超音波発振器31から発
生する超音波は、血液を媒体としてATRプリズム11
の測定面12に到達し、そこに付着したタンパク等の汚
れを除去する。こうして所定時間毎にATRプリズム1
1の測定面12を洗浄すれば、測定が長時間に渡って
も、ドリフトによる測定誤差が発生することがない。
【0024】また、管30を流れる血液の成分濃度を分
光学的手法により測定するには、全反射測定だけでな
く、例えば透過測定も利用できる。しかし、透過測定の
場合、血液中に含まれる赤血球による測定光の散乱の影
響が大きく、測定精度が低い。これに対し、全反射測定
では、先に説明したように、試料の表層5μm程度の部
分を測定対象とするものであるため、赤血球による散乱
の影響はほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である簡易測定型グルコー
スモニタの概略構成図。
【図2】 ATRプリズムを通過する光の光路を示す
図。
【図3】 近赤外レーザ光により表層部に小孔の形成さ
れた皮膚の断面図。
【図4】 本発明の別の実施例である連続測定型グルコ
ースモニタの概略構成図。
【符号の説明】
1…簡易測定型グルコースモニタ 2…連続測定型グルコースモニタ 11…ATRプリズム 12…測定面 13…皮膚 14…赤外光源 18…干渉フィルタ 20…光検出器 30…管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料と接触する測定面を有する全反射測
    定用プリズム、 グルコースの吸光ピークを含む波長範囲の赤外光を発す
    る赤外光源、 赤外光を受けてその強度に応じた信号を出力する光検出
    器、 前記赤外光源から発せられた赤外光を前記プリズムの測
    定面へ該プリズムの内部から臨界角より大きい入射角で
    入射させ、更にその測定面で反射された赤外光を前記光
    検出器へ送る光学系、及び前記光検出器の出力信号から
    求められるグルコースの吸光ピークの強度に基づいて前
    記試料のグルコース濃度を算出する濃度算出手段を備え
    ることを特徴とするグルコースモニタ。
  2. 【請求項2】 上記プリズムの内部を通過し、上記赤外
    光が上記測定面により反射される点の近傍において該プ
    リズムから出射するようなレーザ光を生成するためのレ
    ーザ光生成手段を備えることを特徴とする請求項1に記
    載のグルコースモニタ。
  3. 【請求項3】 上記プリズムの測定面の外側を洗浄する
    ための洗浄機構を備えることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のグルコースモニタ。
  4. 【請求項4】 被検体の組織間液をプリズムの測定面に
    接触させる手順、 グルコースの吸光ピークを含む波長範囲の赤外光を前記
    プリズムの測定面へ該プリズムの内部から臨界角より大
    きい入射角で入射させる手順、及び前記測定面で全反射
    された赤外光の波長強度分布に基づいて前記組織間液の
    グルコース濃度を測定する手順を含むことを特徴とする
    グルコース濃度の測定方法。
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Cited By (8)

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