JP2001174393A - 近視野光デバイスとその製造方法 - Google Patents

近視野光デバイスとその製造方法

Info

Publication number
JP2001174393A
JP2001174393A JP36300899A JP36300899A JP2001174393A JP 2001174393 A JP2001174393 A JP 2001174393A JP 36300899 A JP36300899 A JP 36300899A JP 36300899 A JP36300899 A JP 36300899A JP 2001174393 A JP2001174393 A JP 2001174393A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
field
shielding film
field light
optical device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP36300899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4087034B2 (ja
Inventor
Kazuo Sato
佐藤  一雄
Mitsuhiro Shikida
光宏 式田
Takashi Arawa
隆 新輪
Kenji Kato
健二 加藤
Yasuyuki Mitsuoka
靖幸 光岡
Kunio Nakajima
邦雄 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP36300899A priority Critical patent/JP4087034B2/ja
Publication of JP2001174393A publication Critical patent/JP2001174393A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4087034B2 publication Critical patent/JP4087034B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度の大きな近視野光を照射することができ
る近視野光デバイス及び、そのような近視野光デバイス
を作製する製造方法を得ること。 【解決手段】 近視野光を照射および/あるいは検出を
行う近視野光デバイスが、遮光膜2と、遮光膜2に形成
された逆錘状の窪み11と、逆錘状の窪み11の先端に
あり大きさが光の波長以下である近視野光照射口1と、
遮光膜2を支持する支持体3からなり、遮光膜2の膜厚
が10〜5000nmである構成とする。また、近視野
光照射口11を形成する工程において、少なくとも1つ
以上の錘状の圧子によって遮光膜2に圧痕を形成する工
程を含むことを特徴とする近視野光デバイスの製造方法
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、近視野光を照射
・検出する近視野光デバイスに関するものであり、特に
走査型プローブ顕微鏡の一つであり対象物質の微細領域
での光学特性を観察・計測する走査型近視野原子間力顕
微鏡に使用するプローブや、近視野光を利用して高密度
な情報の再生及び記録を行う光メモリヘッド及び上記近
視野光デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】試料表面においてナノメートルオーダの
微小な領域を観察するために走査型トンネル顕微鏡(S
TM)や原子間力顕微鏡(AFM)に代表される走査型
プローブ顕微鏡(SPM)が用いられている。SPM
は、先端が先鋭化されたプローブを試料表面に走査さ
せ、プローブと試料表面との間に生じるトンネル電流や
原子間力などの相互作用を観察対象として、プローブ先
端形状に依存した分解能の像を得ることができるが、比
較的、観察する試料に対する制約が厳しい。
【0003】そこでいま、試料表面に生成される近視野
光とプローブとの間に生じる相互作用を観察対象とする
ことで、試料表面の微小な領域の観察を可能にした近視
野光学顕微鏡(SNOM)が注目されている。近視野光
学顕微鏡においては、伝搬光を試料の表面に照射して近
視野光を生成し、生成された近視野光を先端が先鋭化さ
れたプローブにより散乱させ、その散乱光を従来の伝搬
光検出と同様に処理することで、従来の光学顕微鏡によ
る観察分解能の限界を打破し、より微小な領域の観察を
可能としている。また、試料表面に照射する光の波長を
掃引することで、微小領域における試料の光学物性の観
測をも可能としている。
【0004】顕微鏡としての利用だけでなく、光ファイ
バープローブを通して試料に向けて比較的強度の大きな
光を導入させることにより、光ファイバープローブの微
小開口にエネルギー密度の高い近視野光を生成し、その
近視野光によって試料表面の構造または物性を局所的に
変更させる高密度な光メモリ記録としての応用も可能で
ある。強度の大きな近視野光を得るために、プローブ先
端の先端角を大きくすることが試みられている。
【0005】近視野光学顕微鏡に使用されるプローブと
して、例えば米国特許第5,294,790号に開示さ
れているように、フォトリソグラフィ等の半導体製造技
術によってシリコン基板にこれを貫通する開口部を形成
し、シリコン基板の一方の面には絶縁膜を形成して、開
口部の反対側の絶縁膜の上に円錐形状の光導波層を形成
したカンチレバー型光プローブが提案されている。この
カンチレバー型光プローブにおいては、開口部に光ファ
イバーを挿入し、光導波層の先端部以外を金属膜でコー
ティングすることで形成された微小開口に光を透過させ
ることができる。
【0006】更に、上述したプローブのように先鋭化さ
れた先端をもたない平面プローブの使用が提案されてい
る。平面プローブは、シリコン基板に異方性エッチング
によって逆ピラミッド構造の開口を形成したものであ
り、特にその頂点が数十ナノメートルの径を有して貫通
されている。そのような平面プローブは、半導体製造技
術を用いて同一基板上に複数作成すること、すなわちア
レイ化が容易であり、特に近視野光を利用した光メモリ
の再生及び記録に適した光メモリヘッドとして使用でき
る。この平面プローブを用いた光ヘッドとして、従来ハ
ードディスクで用いられているフライングヘッドに平面
プローブを有したものが提案されている。フライングヘ
ッドは記録媒体から約50〜100nm浮上するように
空力設計される。このフライングヘッドの記録媒体側に
微小開口を形成して、近視野光を発生させ光記録および
再生を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、平面プ
ローブに光ファイバーを用いて光を導入する場合、光フ
ァイバー端面がシリコン基板に当たるため、光ファイバ
ーの出射端から微小開口までの距離が大きい。光ファイ
バーからの出射光は、光ファイバーの出射端から拡がり
角を持って照射されるため、出射端からの距離が大きい
ほどスポット径が大きくなる。したがって、微小開口の
位置における光ファイバーからの出射光のエネルギー密
度が小さく、結果として微小開口から照射される近視野
光の強度が小さくなる。また、平面プローブの逆ピラミ
ッド構造は、シリコン基板の異方性エッチングによって
形成されるため、逆ピラミッド構造の先端角が約70度
となり、先端角を変更することは容易ではない。したが
って、逆ピラミッド構造の先端角を大きくすることによ
る近視野光の強度増大が困難である。
【0008】したがって、近視野光を用いた光メモリで
は、再生信号の信号強度が小さくなるためS/N比が小
さくなり、データ転送速度が遅くなる問題や、信号記録
に必要なエネルギー密度を得ることができないため信号
記録ができなくなる問題がある。また、SNOM用のプ
ローブでは、近視野光の強度が小さいとS/N比が小さ
くなり、試料の走査速度を大きくできない、近視野光を
用いた分光に必要な信号強度が得られない、近視野光を
利用した光加工に必要なエネルギ密度が得られないとい
った問題がある。
【0009】また、平面プローブは、厚いシリコン基板
から形成されるため、光ヘッドの重量が大きくなってし
まう。従って、光メモリでは、高速・高精度のトラッキ
ングが困難であるという問題がある。また、SNOM用
プローブでは、カンチレバーの先端部分の重量が大きく
なるため、カンチレバーの共振周波数が低くなり、試料
の高速走査が困難になる問題がある。
【0010】さらに、微小開口は、フォトリソグラフィ
ーとシリコンの異方性エッチングによって形成されてい
るが、シリコンの厚さむらやフォトリソグラフィーの精
度によって微小開口の大きさがばらつき、かつ、小さな
開口を形成するのが困難であるという問題があった。さ
らに、開口からの漏れ光を遮断するためにシリコンの異
方性エッチングによって開口を形成した後に、開口近傍
に遮光膜を形成する必要があり、作製工程が複雑であっ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、近
視野光を照射および/あるいは検出を行う近視野光デバ
イスにおいて、遮光膜と、前記遮光膜に形成された逆錘
状の窪みと、前記逆錘状の窪みの先端にあり、大きさが
光の波長以下である近視野光照射口と、前記遮光膜を支
持する支持体からなる構成とした。また、前記近視野光
照射口が、前記逆錘状の窪みが前記遮光膜を貫通してで
きた開口である構成とする。したがって、本発明にかか
る近視野光デバイスは、逆錘状の窪みに光を導入するこ
とによって、近視野光照射口から近視野光を照射するこ
とができる。
【0012】また、前記近視野光照射口が、前記逆錘状
の窪みが前記遮光膜を貫通せず、前記逆錘状の窪みの先
端近傍における光透過部分である構成とする。したがっ
て、本発明に係る近視野光デバイスは、近視野光を対象
物に照射するために物理的な穴を形成する必要がないた
め、近視野光照射口の耐摩耗性や耐衝撃性などの物理的
強度を大きくすることができる。
【0013】また、前記遮光膜の膜厚が10〜5000
nmである構成とする。従って、本発明に係る近視野光
デバイスは、遮光膜の膜厚が小さいため、光源から近視
野光照射口までの距離を短くすることができ、近視野光
照射口から照射される近視野光の強度を大きくすること
ができる。さらに、前記遮光膜が薄いため、本発明に係
る近視野光デバイスの重量が小さくなり、高速高精度の
トラッキングが可能になる。
【0014】また、前記逆錘状の窪みを複数の異なる錘
形状の一部分を組み合わせた構成とする。したがって、
本発明に係る近視野光デバイスは、近視野光照射口に到
達するまでの入射光の強度を大きく保つことができ、結
果として、近視野光照射口から照射する近視野光の強度
を大きくすることが可能である。また、前記逆錘状の窪
みが、少なくとも直円錐または、直多角錘の一部を含む
形状である構成とする。したがって、本発明に係る近視
野光デバイスは、直円錐または、直多角錘の位置を制御
することによって、安定した近視野光照射口の大きさを
得ることができる。
【0015】また、前記逆錘状の窪みが、少なくとも直
錘ではない円錐、または、多角錘を構成する側面のうち
少なくとも一つの面が二等辺三角形ではない多角錘の一
部分を含む形状である構成とする。したがって、本発明
に係る近視野光デバイスは、近視野光照射口から照射さ
れる近視野光の強度を大きくすることができる。また、
前記近視野光デバイスが、記録媒体との相対運動によっ
て浮力を得る浮上スライダー構造を有する構成とする。
また、前記浮上スライダー構造が、前記遮光膜に形成さ
れている構成とする。あるいは、前記浮上スライダー構
造が、前記支持体に形成されている構成とする。従っ
て、本発明に係る近視野光デバイスは、記録媒体上を一
定の距離で浮上することができる。
【0016】また、片持ち梁と、前記片持ち梁の前記支
持体とは反対の面に形成された探針を有し、前記探針の
先端に前記近視野光照射口が形成されている構成とす
る。また、前記片持ち梁が、前記遮光膜と同一材料で形
成されている構成とする。あるいは、前記片持ち梁が、
前記支持体と同一材料で形成されている構成とする。従
って、本発明に係る近視野光デバイスは、走査型近視野
顕微鏡のプローブとして用いることができる。
【0017】また、前記近視野光デバイスの製造方法
が、前記遮光膜を形成する工程と、前記近視野光照射口
を形成する工程を含み、前記近視野光照射口を形成する
工程が、少なくとも1つ以上の錘状の圧子によって前記
遮光膜に圧痕を形成する工程を含む製造方法とする。ま
た、前記遮光膜を形成する工程において、前記遮光膜に
かかる応力を調整するための応力調整層を有する基板を
使用する製造方法とする。したがって、本発明に係る近
視野光デバイスの製造方法によれば、近視野光照射口の
大きさや形状が一定な近視野光デバイスを大量に得るこ
とができる。また、前記圧子の形状を変更することによ
って、前記近視野光照射口を形成する窪みの形状を自由
に設定することができる。また、前記圧子を押し込んだ
際、前記遮光膜にかかる応力が応力調整層によって制御
されるため、前記近視野光照射口を安定して製造するこ
とが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の近視野光デバイス
とその製造方法について、添付の図面を参照して詳細に
説明する。 (実施の形態1)近視野光デバイスとして、光メモリ用
の近視野光ヘッドについて示す。図1は、本発明の実施
の形態1に係る近視野光ヘッド1000の概略図であ
る。近視野光ヘッド1000は、近視野光照射口1と近
視野光照射口1が形成された遮光膜2と支持体3からな
る。近視野光照射口1は、遮光膜2に設けられた逆錘状
の窪み11によって、遮光膜2の底面に形成されてい
る。この近視野光ヘッド1000は、磁気ディスクの浮
上ヘッドに用いられる浮上スライダー面4を有してお
り、記録媒体と10〜100nmの間隔を有して浮上す
る。
【0019】図2および図3は、近視野光照射口1の拡
大断面図である。図2に示すように、近視野光照射口1
が、径d1で定義される物理的開口1aの場合、近視野
光照射口1に光を入射することによって、物理的開口1
aから近視野光が照射される。また、図3に示すよう
に、近視野光照射口1が径d2を有する光学的開口1b
でも良い。距離sdが、入射光の遮光膜に対する侵入長
程度に短い場合、物理的に開口が形成されていない場合
でも、径d2程度のスポット径の近視野光が発生し、光
学的開口1bと考えることができる。光学的開口1b
は、物理的な開口を有していないため、浮上スライダー
面4の空力設計が簡素化できるとともに、浮上スライダ
ー面4上にダイヤモンドライクカーボンをはじめとする
近視野光照射口1の保護膜を形成することによって、近
視野光ヘッド1000および近視野光照射口1の耐摩耗
性を向上できる利点を有している。
【0020】なお、浮上スライダー面4は、遮光膜2そ
のものに形成されていても良い。また、支持体3に浮上
スライダー面4が形成されていても同様な効果が得られ
る。物理的開口1aの大きさd1および光学的開口1b
の大きさd2はいずれも10〜200nmである。ま
た、遮光膜2の厚さは10〜5000nmである。ま
た、支持体3の厚さは200nm〜2mmである。ま
た、侵入長程度の距離sdは、近視野光照射口1に導入
する光の波長と遮光膜2の材質によって異なるが、おお
よそ1〜300nmである。
【0021】遮光膜2の材質は、アルミニウムや金など
の金属や、窒化シリコンやアルミナなどの誘電体であ
る。また、支持体3の材質は、金やニッケルなどの金属
や、ガラスやシリコンなどの誘電体である。図7は、光
記録再生装置10000の簡単な装置構成を示した図で
ある。以上に説明した近視野光ヘッド1000を記録媒
体504上に配置し、微小開口から出射される近視野光
によって情報の記録及び再生を行う。
【0022】記録媒体用駆動モータ505によって記録
媒体504は回転する。近視野光ヘッド1000は、回
転している記録媒体504と浮上スライダー面4による
流体ベアリングの作用によって、記録媒体から10〜1
00nm離れた位置で浮上する。したがって、近視野光
照射口1の位置も、記録媒体504から10〜100n
m離れた位置にある。光導波路503は、遮光膜やサス
ペンション501に固定される。このとき、光導波路5
03は、近視野光照射口1から発生する近視野光の強度
が大きくなるように位置が合わせられる。半導体レーザ
502から出射された光は、光導波路503によって近
視野光ヘッド1000に導入される。近視野光ヘッド1
000に導入された光は、近視野光照射口1から近視野
光となって記録媒体504に向けて照射される。
【0023】記録媒体504は、たとえば、熱を加える
ことによってアモルファス状態あるいは結晶状態にな
り、その反射率や透過率の違いを利用して情報の記録再
生を行う相変化記録媒体である。この場合、たとえば、
情報記録は、微小開口から発生した近視野光を記録媒体
に照射することによって、記録媒体上の近視野光が照射
された領域を結晶状態からアモルファス状態に変化させ
ることによって行われる。近視野光照射口1と記録媒体
504の距離が、10〜100nmであるので、近視野
光照射口16から記録媒体504に照射される近視野光
の大きさは微小開口と同等の大きさとなり、たとえば1
00nmの径を有している。記録媒体504の微小領域
のみを近視野光で加熱することが可能であるので、図1
に示す近視野光ヘッド1000によって高密度記録が可
能である。
【0024】一方、情報再生は、たとえば、以下に説明
するように行う。まず、近視野光ヘッド1000の制御
回路506は、所望の情報記録位置上に微小開口が移動
するように、サーボ駆動回路508に信号を送る。サー
ボ駆動回路508から信号を受けたサーボモータ509
は、サスペンション501を介して近視野光ヘッド10
00全体を移動させ、微小開口を情報記録位置に移動さ
せる。次に、微小開口から近視野光を記録マーク上に照
射し、記録媒体504を透過した伝搬光を集光レンズ系
510で受光素子507上に集め、電気信号を得る。得
られた電気信号は、制御回路506に送られ、たとえ
ば、信号強度を比較して微小開口と記録マークとの位置
ずれを検知する。微小開口と記録マークの位置がずれて
いる場合、位置ずれを修正するように制御回路506か
らサーボ回路508に信号が送られ、サーボ回路508
がサーボモータ509を駆動する。また、記録媒体50
4を透過した伝搬光は、たとえば、記録媒体のアモルフ
ァス状態と結晶状態の透過率の違いを含んで受光素子上
に集光される。この透過率の情報が、情報信号として検
知される。得られた情報信号は、図には記述していない
信号処理回路を経て再生信号に変換される。記録媒体5
04の微小領域の透過率を近視野光によって検出できる
ため、高密度の再生が可能である。
【0025】以上説明したように、実施の形態1によれ
ば、サスペンション501によって支持された近視野光
ヘッド1000が、最適設計された浮上スライダー面4
によって、記録媒体504の近傍で浮上しており、近視
野光照射口1からスポット径の小さな近視野光を記録媒
体に照射することができるため、高密度記録再生が可能
な近視野光ヘッド1000を提供できる。
【0026】上述したように、本発明の実施の形態1に
よれば、非常に薄い遮光膜2に近視野光照射口1が形成
されるため、光導波路503の出射端から近視野光照射
口1までの距離が小さくなる。したがって、近視野光照
射口1における光のスポット径を小さくすることができ
るため、近視野光出射口1から照射される近視野光の強
度が大きくなる。そのため、再生信号の信号強度が大き
くなるためS/N比が大きくなり、データ転送速度が大
きくなる。また、大きなエネルギー密度をもつ近視野光
によって、情報記録が可能になる。また、近視野光ヘッ
ド1000は、全体の構成を薄片化することができるた
め、近視野光ヘッドが軽量となり高速高精度の位置決め
が可能となる。
【0027】次に、図4から図6を用いて近視野光ヘッ
ド1000の製造方法について説明する。図4(a)
は、基板103上に、応力調整層102および遮光膜1
01を堆積した工程を説明した図であり、応力調整層1
02および遮光膜101が堆積された状態を表してい
る。基板103上に応力調整層102をスピンコートや
スパッタなどの方法によって堆積し、その上に遮光膜1
01をスパッタやCVDなどで堆積する。
【0028】基板103の厚さは200〜1000μm
である。応力調整層102の厚さは例えば10〜500
0nmである。遮光膜101の厚さは10〜5000n
mである。基板103の材質はシリコンや石英などの誘
電体や、アルミニウムやステンレスなどの金属である。
また、応力調整層102の材質は、ポリイミドやテフロ
ンなどの誘電体や、アルミニウムや金などの金属であ
る。また、遮光膜101の材質は、アルミニウムや金な
どの金属や、窒化シリコンやアルミナなどの誘電体であ
る。
【0029】図4(b)および図5(a)は、遮光膜1
01に圧子104の圧痕を形成する工程を示しており、
図4(b)は、圧子104を遮光膜101に押し込んだ
状態を示しており、図5(a)は、圧子104を遮光膜
101から離した状態を示している。遮光膜101を堆
積した後、圧子104を遮光膜101に押し込み、遮光
膜101を塑性変形させて圧痕を形成したのち、圧子1
04を遮光膜101から引き離す。圧痕は、圧子104
の形状を転写した形状となる。圧子104の形状は、円
錐または角錘である。圧子104の材質は、ダイヤモン
ドや炭化珪素などの硬質材料である。この時、圧子10
4は、ナノインデンテーション法を用いて遮光膜101
に押し込む。圧子104の押し込み量は、遮光膜101
の膜厚程度である。ナノインデンテーション法では、圧
子104を圧電素子またはボイスコイルモータなどの微
小変位機構を用いて押し込む。また、静電容量変位計や
レーザ干渉計などを用いて押し込み量を計測する。従っ
て、ナノインデンテーション法は、圧子104の押し込
み量をナノメートルオーダ以下の分解能で制御すること
ができる。押し込み量をナノメートルオーダ以下の分解
能で制御することによって、物理的開口1aや光学的開
口1bの大きさd1及びd2を精度良く制御することが
可能である。
【0030】また、応力調整層102の材質や厚さなど
を変えることによって遮光膜101と応力調整層102
との界面に働く力を制御することができるため、圧子1
04を押し込んだ後の遮光膜101のバリや亀裂の発生
を防ぐことが可能である。また、圧子104の形状を変
更する事によって、近視野光照射口1の形状、先端角な
どを容易に変更する事ができる。たとえば、先端角を大
きくすることによって近視野光照射口1から出射する近
視野光の強度を大きくすることができる。
【0031】図5(b)は、圧痕を保護する工程を説明
する図であり、圧痕上に保護膜が形成されている状態を
示している。圧痕を形成した後、圧痕上に保護膜105
をフォトリソグラフィーによって形成する。保護膜10
5は、フォトレジストやポリイミドなどの誘電体であ
る。図5(c)は、支持体3を形成する工程を説明する
図であり、支持体材料106が形成されている状態を示
している。保護膜105を形成した後、メッキ法によっ
て、遮光膜101上に支持体3となる支持体材料106
を形成する。支持体材料106は、金やニッケルなどの
金属である。また、支持体材料106がガラスやシリコ
ンなどの誘電体の場合、図5(a)で説明した工程の
後、陽極接合をはじめとする接合や接着によって支持体
材料106を遮光膜101上に形成しても良い。この場
合、図5(b)および図5(c)で説明した工程は省略
することができる。
【0032】図6(a)は、保護膜105を除去する工
程を説明する図であり、保護膜105が除去された状態
を示している。支持体材料106を形成したのち、保護
膜105を濃硝酸によるエッチングや酸素プラズマによ
るドライエッチングによって除去する。図6(b)は、
基板103および応力調整層102を除去する工程を説
明する図であり、基板103および応力調整層102が
除去された状態を示している。近視野光ヘッド1000
を得るため、応力調整層102を犠牲層とする犠牲層エ
ッチングによって基板103および応力調整層102を
除去する。また、圧痕が形成された面と反対側からのエ
ッチングによって基板103、応力調整層102の順に
除去しても良い。
【0033】また、上記で説明した工程において、応力
調整層102を省略し、基板103に応力調整層の機能
を持たせることによっても、同様な近視野光ヘッド10
00が得られるのは言うまでもない。上述した方法によ
れば、本発明の実施の形態1の近視野光ヘッド1000
が容易にかつ、大量に作製できる。また、圧子104に
よって遮光膜101に圧痕をつける工程によって、近視
野光照射口1を精度良く大量に形成することができる。
さらに、圧子104の形状を変えるだけで様々な形状の
近視野光照射口1を形成することが可能である。たとえ
ば、近視野光照射口1の先端角を大きくすることによっ
て、近視野光照射口1から照射される近視野光の強度を
大きくすることができる。また、図13に示すように、
窪み11を形成する円錐または多角錘の断面形状を非対
称にすることによっても近視野光照射口1から照射され
る近視野光の強度を大きくすることが可能である。 (実施の形態2)図8は、本発明の実施の形態2に係る
近視野光ヘッド2000の概略図である。近視野光ヘッ
ド2000は、実施の形態1と同様な近視野光照射口1
と遮光膜2および支持体5と、支持体5と一体となって
いる光伝搬体6およびミラー7からなる。図には記載し
ていない光源から光伝搬体6に導入された光は、光伝搬
体6中を伝搬し、支持体5に形成されたミラー7によっ
て近視野光照射口1に向かって照射され、近視野光照射
口1から近視野光が発生する。支持体5の材質は、シリ
コンやガラスなどの誘電体やアルミニウムやステンレス
鋼などの金属である。光伝搬体6は、光ファイバーや薄
膜導波路であり、その材質は、ガラスや二酸化珪素やポ
リイミドなどの誘電体である。ミラー7は、支持体5に
形成された斜面を利用したものであり、材質は支持体5
と同一または支持体5の斜面に形成されたアルミニウム
や金などの金属である。
【0034】近視野光ヘッド2000の製造方法は、以
下の通りである。近視野光照射口1および遮光膜2の形
成方法は、実施の形態1で説明した近視野光ヘッド10
00の製造方法の図5(a)までで説明した工程と同じ
である。次に、光伝搬体6を形成または固定した支持体
5を遮光膜2上に接着または接合する。光伝搬体6を形
成または固定した支持体5の形成方法は、まず、シリコ
ン基板の異方性エッチングによって段差を形成する。次
に、段差を形成したシリコン基板上にアルミニウムや金
などの金属を堆積し、ミラー7を形成する。次に、ミラ
ー7を形成した基板に光伝搬体6となる膜を形成した後
にパターニングを行い光伝搬体6を形成する。また、光
伝搬体6が光ファイバーの場合、光伝搬体6は、エポキ
シ系樹脂をはじめとする接着剤によって固定する。最後
に、実施の形態1の図6(a)から(b)で説明した工
程と同じ工程によって基板103および応力調整層10
2を遮光膜101から分離することで近視野光ヘッド2
000を得ることができる。
【0035】本発明の実施の形態2に係る近視野光ヘッ
ド2000は、図7で説明した構成とほぼ同じ構成で使
用することができる。以上説明したように、本発明の実
施の形態2に係る近視野光ヘッド2000によれば、実
施の形態1に記載の効果に加えて、近視野光照射口1ま
での光伝送系を平面内に構成することができるため、本
発明の実施の形態1で説明した近視野光ヘッド1000
よりも光記録・再生装置の構成を小型化することが容易
である。 (実施の形態3)近視野光デバイスとして、SNOM用
のプローブについて示す。図9は、本発明の実施の形態
3に係る走査型近視野顕微鏡用プローブ3000の概略
図である。走査型近視野顕微鏡用プローブ3000は、
支持体8上に形成された遮光膜2からなるカンチレバー
9と、カンチレバー9の先端に形成されたチップ10
と、チップ内部に形成され、異なる錘形状の少なくとも
一部分を複数組み合わせて構成される窪み11と、チッ
プ10の先端に形成された近視野光照射口1からなる。
【0036】カンチレバー9の長さと幅と厚さは、それ
ぞれ、たとえば100μm、50μm、100〜500
0nmである。チップ10の高さは、たとえば10μm
である。また、チップ10は、円錐状または角錐状であ
り、その先端の曲率半径はたとえば、数10nmであ
り、近視野光照射口1の径は、たとえば100nmであ
る。支持体8は、たとえばシリコンや水晶などである。
遮光膜2は、アルミニウムや金などの光を反射する金属
が用いられる。窪み11の形状は、円錐状または角錐状
であり、窪み11の先端角は、10〜150度である。
【0037】図10は、本発明の実施の形態3に関わる
走査型近視野顕微鏡用プローブ3000を搭載した走査
型プローブ顕微鏡20000を示す構成図である。ここ
では簡単のため、走査型近視野顕微鏡用プローブ300
0をコンタクトモードで制御する場合について説明す
る。この走査型プローブ顕微鏡20000は、図9に示
した走査型近視野顕微鏡用プローブ3000と、光情報
測定用の光源601と、光源601の前面に配置したレ
ンズ602と、レンズ602で集光した光を走査型近視
野顕微鏡用プローブ3000まで伝搬する光ファイバ6
03と、試料610の下方に配置されチップ10の先端
で発生した伝搬光を反射するプリズム611と、プリズ
ム611で反射した伝搬光を集光するレンズ614と、
集光した伝搬光を受光する光検出部609と、を備えて
いる。
【0038】また、走査型近視野顕微鏡用プローブ30
00の上方には、レーザ光を出力するレーザ発振器60
4と、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000のカンチ
レバー9で反射したレーザ光を反射するミラー605
と、反射したレーザ光を受光して光電変換する上下2分
割した光電変換部606と、を備えている。さらに、試
料610およびプリズム611をXYZ方向に移動制御
する粗動機構613および微動機構612と、これら粗
動機構613および微動機構612を駆動するサーボ機
構607と、装置全体の制御をするコンピュータ608
とを備えている。
【0039】つぎに、この走査型プローブ顕微鏡200
00の動作について説明する。レーザ発振器604から
放出したレーザ光は、走査型近視野顕微鏡用プローブ3
000のカンチレバー9上で反射する。走査型近視野顕
微鏡用プローブ3000のカンチレバー9は近視野光照
射口1と試料610の表面が接近すると、試料610と
の間の引力または斥力によってたわむ。このため、反射
したレーザ光の光路が変化するため、これを光電変換部
606で検出する。
【0040】光電変換部606により検出した信号は、
サーボ機構607に送られる。サーボ機構607は、光
電変換部606で検出した信号に基づいて、試料610
に対する走査型近視野顕微鏡用プローブ3000のアプ
ローチや、表面の観察の際に、走査型近視野顕微鏡用プ
ローブ3000のたわみが一定となるように、粗動機構
613および微動機構612を制御する。コンピュータ
608は、サーボ機構607の制御信号から表面形状の
情報を受け取る。
【0041】また、光源601から放出された光は、レ
ンズ602により集光され、光ファイバ603に至る。
光ファイバ603内を伝搬した光は、走査型近視野顕微
鏡用プローブ3000の窪み11に入射光が導入され、
近視野光照射口1から試料610に照射される。一方、
プリズム611により反射した試料610の光学的情報
は、レンズ614により集光され、光検出部609に導
入される。光検出部609の信号は、コンピュータ60
8のアナログ入力インタフェースを介して取得され、コ
ンピュータ608により光学的情報として検出される。
【0042】また、走査型プローブ顕微鏡20000
は、試料とチップ10との距離制御方法として、走査型
近視野顕微鏡用プローブ3000を励振させた状態で試
料に近づけ、カンチレバーの振幅が一定となるようにサ
ーボ機構607によって粗動機構613および微動機構
612を制御するダイナミックモードによっても観察が
可能である。
【0043】以上説明したように、本実施の形態3によ
る走査型近視野顕微鏡用プローブ3000によれば、遮
光膜2の厚さを非常に小さくすることができるため、共
振周波数が高く、バネ定数の小さな走査型近視野顕微鏡
用プローブを提供することができる。したがって、走査
型近視野顕微鏡の観察・計測時の走査速度を大きくする
ことができ、また、試料やプローブ自身の損傷を防ぐこ
とが可能である。また、窪み11のテーパを多段にする
ことによって、近視野光照射口1から発生する近視野光
の強度を大きくすることが可能である。また、近視野光
照射口1が光学的開口1bの場合、物理的開口1aに比
べ、チップ10の先端半径を小さく形成できるため、凹
凸像の平面分解能を向上させることが可能である。
【0044】次に、図11から図12を用いて走査型近
視野顕微鏡用プローブ3000の製造方法について説明
する。図11(a)は、モールド302上に遮光膜30
1を堆積する工程を説明した図であり、モールド302
上に遮光膜301が堆積された状態を示している。モー
ルド302となる基板にエッチングなどで逆錘状の凹み
を形成し、モールド302を形成する。その後、スパッ
タや真空蒸着などの方法によって、モールド302上に
遮光膜301を堆積する。遮光膜301の窪みは、ほぼ
モールド302の窪みと同じテーパー角を有する。モー
ルド302は、例えば、シリコンや石英などの誘電体や
アルミニウムをはじめとする金属である。遮光膜302
は、例えば、アルミニウムや金などの金属や窒化珪素や
炭化珪素などの誘電体である。
【0045】図11(b)および図11(c)は、遮光
膜301に近視野光照射口1を形成する工程を説明した
図であり、図11(b)は、遮光膜301に圧子303
を押し込んだ状態を示しており、図11(c)は、遮光
膜301から圧子303を取り除いた状態を示してい
る。遮光膜301を堆積した後、圧子303の先端とモ
ールド302に形成された逆錘状の窪みの先端の位置を
あわせ、圧子303を遮光膜301に押し込む。これに
よって、遮光膜301に近視野光照射口1が形成され
る。圧子303の形状は、実施の形態1において説明し
た圧子104とほぼ同じである。圧子303の先端角
は、モールド302に形成された逆錘状の窪みの先端角
よりも小さい。したがって、遮光膜301の窪みは複数
の錘形状からなる。圧子303の先端角を多数用意し、
遮光膜301の同一部分に押し込むことによって、遮光
膜301内部の窪みは、複数のテーパー角を持つことも
可能である。
【0046】図12(a)は、支持体304を形成する
工程を説明した図であり、支持体304が形成された状
態を示している。近視野光照射口1を形成した後、遮光
膜301上に支持体304を接合や接着によって形成す
る。図12(b)は、モールド302を除去する工程を
説明した図であり、モールド302が除去された状態を
示している。支持体304を形成した後、モールドをエ
ッチングによって除去する。また、図では示していない
が、近視野光照射口1を形成するために、実施の形態1
と同様に、モールド302と遮光膜301の間に応力調
整層を設けても良い。この場合、図12(b)で説明し
た工程において、応力調整層の犠牲層エッチングによっ
てもモールド302が除去できる。
【0047】以上説明したように、走査型近視野顕微鏡
用プローブ3000は、容易に作製する事ができる。ま
た、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000の近視野光
照射口1が光学的開口1bの場合、物理的開口1aに比
べ、チップ10の先端角を小さくすることができる。従
って、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000の光学像
や凹凸像の分解能を高くすることができる。
【0048】また、図9に示す走査型近視野顕微鏡用プ
ローブ3000のカンチレバー9の上に支持体8と同一
材料で構成されるカンチレバーによって、遮光膜2を補
強する構成にしても上記で説明した効果が得られる。ま
た、上記では走査型近視野顕微鏡用プローブ3000か
ら近視野光を照射するイルミネーションモードで説明し
たが、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000は、試料
の光情報を近視野光照射口1によって検出するコレクシ
ョンモードや、試料への近視野光照射と光情報の検知を
同時に行うイルミネーション・コレクションモードでも
使用することが可能である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の実施の形
態1によれば、逆錘状の窪みに光を導入することによっ
て、近視野光照射口から近視野光を照射することがで
き、また、前記逆錘状の窪みが前記遮光膜を貫通せず、
前記逆錘状の窪みの先端近傍における光透過部分である
構成の場合、近視野光を対象物に照射するために物理的
な穴を形成する必要がないため、近視野光照射口の耐摩
耗性や耐衝撃性などの物理的強度を大きくすることがで
きる。したがって、光記録・再生装置の信頼性や寿命が
向上する。また、遮光膜の膜厚が小さいため、光源から
近視野光照射口までの距離を短くすることができ、近視
野光の発生効率が向上し、近視野光照射口から照射され
る近視野光の強度を大きくすることができる。したがっ
て、信号のS/N比が向上し信号転送速度が大きくな
る。また、近視野光の発生効率の向上によって、光記録
に必要な光源の強度を小さくすることが可能であり、光
記録・再生装置の消費電力を低く押さえることができ
る。さらに、前記遮光膜が薄いため、本発明に係る近視
野光デバイスの重量が小さくなり、高速高精度のトラッ
キングが可能になる。
【0050】また、逆錘状の窪みを複数の異なる錘形状
の一部分を組み合わせた構成とすることによって、本発
明に係る近視野光デバイスは、近視野光照射口に到達す
るまでの入射光の強度を大きく保つことができ、結果と
して、近視野光照射口から照射する近視野光の強度を大
きくすることが可能である。また、前記逆錘状の窪み
が、少なくとも直錘ではない円錐、または、多角錘を構
成する側面のうち少なくとも一つの面が二等辺三角形で
はない多角錘の一部分を含む形状である構成とすること
によっても、近視野光照射口から照射される近視野光の
強度を大きくすることができる。また、前記近視野光デ
バイスが、記録媒体との相対運動によって浮力を得る浮
上スライダー構造を有する構成とすることによって、本
発明に係る近視野光デバイスは、記録媒体上を一定の距
離で浮上することができる。従って、近視野光照射口と
記録媒体とを近接させることによって分解能の向上が容
易となる。
【0051】本発明の実施の形態2によれば、本発明の
実施の形態1よりも光記録・再生装置の構成を小型化す
ることが容易である。また、本発明の実施の形態3によ
れば、遮光膜の厚さを非常に小さくすることができるた
め、共振周波数が高く、バネ定数の小さな走査型近視野
顕微鏡用プローブを提供することができる。したがっ
て、走査型近視野顕微鏡の観察・計測時の走査速度を大
きくすることができ、また、試料やプローブ自身の損傷
を防ぐことが可能である。また、本発明の実施の形態1
と同様に逆錘状の窪みを複数の異なる錘形状の一部分を
組み合わせることによって、近視野光の発生効率を向上
させることができ、観察・計測時の光信号のS/N比を
向上させることができるため走査速度を大きくすること
が可能となる。また、近視野光の発生効率の向上によっ
て、光の高密度エネルギを利用した加工や分析などが容
易になる。
【0052】また、本発明の近視野光デバイスの作製方
法によれば、近視野光デバイスを容易に作成することが
可能である。また、大量生産が容易であるため、近視野
光デバイスを低コストで作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る近視野光ヘッドを
示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1による物理的開口を示す
図である。
【図3】本発明の実施の形態1による光学的開口を示す
図である。
【図4】本発明の実施の形態1による近視野光ヘッドの
製造方法を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1による近視野光ヘッドの
製造方法を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1による近視野光ヘッドの
製造方法を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1による近視野光ヘッドを
用いた光記録再生装置の簡単な装置構成を示す図であ
る。
【図8】本発明の実施の形態2による近視野光ヘッドを
示す構成図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る走査型近視野顕微
鏡用プローブを示す概略図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る走査型近視野顕
微鏡用プローブを搭載した走査型プローブ顕微鏡を示す
構成図である。
【図11】本発明の実施の形態3による走査型近視野顕
微鏡用プローブの製造方法を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態3による走査型近視野顕
微鏡用プローブの製造方法を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1による近視野光ヘッド
の窪みを示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 近視野光照射口 2 遮光膜 3,5,8 支持体 4 浮上スライダー面 6 光伝搬体 7 ミラー 9 カンチレバー 10 チップ 11 窪み 101 遮光膜 102 応力調整層 103 基板 104 圧子 105 保護膜 106 支持体材料 301 遮光膜 302 モールド 303 圧子 304 支持体 1000,2000 近視野光ヘッド 3000 走査型近視野顕微鏡用プローブ 10000 光記録再生装置 20000 走査型プローブ顕微鏡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/135 G11B 7/135 Z G12B 21/06 G12B 1/00 601C (72)発明者 新輪 隆 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 加藤 健二 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 光岡 靖幸 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 中島 邦雄 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近視野光を照射および/あるいは検出を
    行う近視野光デバイスにおいて、 遮光膜と、 前記遮光膜に形成された逆錘状の窪みと、 前記逆錘状の窪みの先端にあり、大きさが光の波長以下
    である近視野光照射口と、 前記遮光膜を支持する支持体からなることを特徴とする
    近視野光デバイス。
  2. 【請求項2】 前記近視野光照射口が、前記逆錘状の窪
    みが前記遮光膜を貫通してできた開口であることを特徴
    とする請求項1記載の近視野光デバイス。
  3. 【請求項3】 前記近視野光照射口が、前記逆錘状の窪
    みが前記遮光膜を貫通せず、前記逆錘状の窪みの先端近
    傍における光透過部分であることを特徴とする請求項1
    記載の近視野光デバイス。
  4. 【請求項4】 前記遮光膜の膜厚が10〜5000nm
    であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項
    に記載の近視野光デバイス。
  5. 【請求項5】 前記逆錘状の窪みが異なる錘形状の一部
    分を複数組み合わせて構成されていることを特徴とする
    請求項1から4のいずれか一項に記載の近視野光デバイ
    ス。
  6. 【請求項6】 前記逆錘状の窪みが、少なくとも直円錐
    または、直多角錘の一部を含む形状であることを特徴と
    する請求項1から5のいずれか一項に記載の近視野光デ
    バイス。
  7. 【請求項7】 前記逆錘状の窪みが、少なくとも直錘で
    はない円錐、または、多角錘を構成する側面のうち少な
    くとも一つの面が二等辺三角形ではない多角錘の一部分
    を含む形状であることを特徴とする請求項1から5のい
    ずれか一項に記載の近視野光デバイス。
  8. 【請求項8】 前記近視野光デバイスが、記録媒体との
    相対運動によって浮力を得る浮上スライダー構造を有す
    ることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記
    載の近視野光デバイス。
  9. 【請求項9】 前記浮上スライダー構造が、前記遮光膜
    に形成されていることを特徴とする請求項8記載の近視
    野光デバイス。
  10. 【請求項10】 前記浮上スライダー構造が、前記支持
    体に形成されていることを特徴とする請求項8記載の近
    視野光デバイス。
  11. 【請求項11】 片持ち梁と、 前記片持ち梁の前記支持体とは反対の面に形成された探
    針を有し、 前記探針の先端に前記近視野光照射口が形成されている
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載
    の近視野光デバイス。
  12. 【請求項12】 前記片持ち梁が、前記遮光膜と同一材
    料で形成されていることを特徴とする請求項11記載の
    近視野光デバイス。
  13. 【請求項13】 前記片持ち梁が、前記支持体と同一材
    料で形成されていることを特徴とする請求項11記載の
    近視野光デバイス。
  14. 【請求項14】 前記遮光膜を形成する工程と、前記近
    視野光照射口を形成する工程を含み、前記近視野光照射
    口を形成する工程が、少なくとも1つ以上の錘状の圧子
    によって前記遮光膜に圧痕を形成する工程を含むことを
    特徴とする近視野光デバイスの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記遮光膜を形成する工程が、前記遮
    光膜にかかる応力を調整するための応力調整層を有する
    基板を使用することを特徴とする請求項14記載の近視
    野光デバイスの製造方法。
JP36300899A 1999-12-21 1999-12-21 近視野光デバイスとその製造方法 Expired - Fee Related JP4087034B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36300899A JP4087034B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 近視野光デバイスとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36300899A JP4087034B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 近視野光デバイスとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001174393A true JP2001174393A (ja) 2001-06-29
JP4087034B2 JP4087034B2 (ja) 2008-05-14

Family

ID=18478288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36300899A Expired - Fee Related JP4087034B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 近視野光デバイスとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4087034B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013057693A (ja) * 2012-12-28 2013-03-28 Shoichi Shimada 測定装置
CN108571934A (zh) * 2017-03-08 2018-09-25 丰田自动车株式会社 膜厚度测量方法和制造汽车的方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013057693A (ja) * 2012-12-28 2013-03-28 Shoichi Shimada 測定装置
CN108571934A (zh) * 2017-03-08 2018-09-25 丰田自动车株式会社 膜厚度测量方法和制造汽车的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4087034B2 (ja) 2008-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6724718B1 (en) Near field optical head and method for manufacturing thereof
JP4094229B2 (ja) 近視野光ヘッドおよびその製造方法
JP3157840B2 (ja) 新規なカンチレバー構造
US7630287B2 (en) Near field optical head and optical recording device
US7366060B2 (en) Method for forming optical aperture, near-field optical head, method for fabricating near-field optical head, and information recording/reading apparatus
JP4472863B2 (ja) 近視野光プローブおよびその近視野光プローブを用いた近視野光装置
JP4024570B2 (ja) 近視野光発生素子、近視野光記録装置、および近視野光顕微鏡
JP4060150B2 (ja) マイクロ集積型近接場光記録ヘッド及びこれを利用した光記録装置
JP4421742B2 (ja) 光ヘッド
JP2003006913A (ja) 近視野光ヘッド
JP4087034B2 (ja) 近視野光デバイスとその製造方法
JP3895458B2 (ja) 近視野光ヘッド
JP2000206126A (ja) 微小カンチレバ及び微小力利用装置
JPH09128787A (ja) 光情報記録媒体再生装置とその再生方法及び光情報記録媒体
JP4610855B2 (ja) 近視野光発生素子、近視野光記録装置、および近視野光顕微鏡
JP4153114B2 (ja) 近視野光メモリヘッド
JP4751440B2 (ja) 近視野光プローブとその製造方法、およびその近視野光プローブを用いた近視野光装置
JP4339387B2 (ja) 近視野光メモリヘッド
JP4370880B2 (ja) 光学素子の製造方法、記録及び/又は再生装置及び光学顕微鏡装置
JP2002175643A (ja) 近視野光ヘッド及びその製造方法。
JP2000099979A (ja) 集光光学装置
JP2002174582A (ja) 走査型近視野顕微鏡
JP2001110090A (ja) 記録媒体とその製造方法、および光情報記録再生装置
JP2000021005A (ja) 近接場光ヘッドおよび光記録再生装置
JP2003099968A (ja) 光ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040302

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080220

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4087034

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091108

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees