JP2001174008A - 加湿シート - Google Patents

加湿シート

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JP2001174008A
JP2001174008A JP35656199A JP35656199A JP2001174008A JP 2001174008 A JP2001174008 A JP 2001174008A JP 35656199 A JP35656199 A JP 35656199A JP 35656199 A JP35656199 A JP 35656199A JP 2001174008 A JP2001174008 A JP 2001174008A
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humidifying
sheet
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moisture
permeable
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Yoshihiko Shibata
佳彦 柴田
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Japan Gore Tex Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜式加湿器の小型化を可能にするとともに、
加湿能力の向上により自然蒸発式の加湿器と同程度のコ
ストの膜式加湿器の実現を可能にする加湿シートを提供
する。 【解決手段】 布帛(1)と水蒸気透過性で水不透過性
の透湿膜(2A)を積層したシートであって、その透湿
膜表面に、0.05〜7mmの高さの多数の凹凸を有す
ることを特徴とする加湿シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜式加湿器に使用
される改良された加湿シート並びにそれを用いた加湿エ
レメント及び加湿器に関する。
【0002】
【従来の技術】水蒸気透過性で水不透過性の透湿膜を用
いた加湿シートにより加湿を行う膜式加湿器が知られて
いる。例えば、特開昭60−171337号公報では、
水蒸気透過性で水不透過性の透湿膜からなる加湿シート
で形成された中空構造体(加湿エレメント)の中空部に
水を供給し、上記中空構造体に送風した空気に加湿シー
トを透過した水蒸気を含ませることにより加湿してい
る。
【0003】このタイプの膜式加湿器は、従来一般的に
用いられてきた自然蒸発式加湿器(親水性繊維を板状に
押し固めて作製した蒸発板に給水して、蒸発板の表面か
ら空気中に加湿する方式)と比較して加湿能力が高く、
加湿器を小型化できる利点があるため、実用に供される
ようになってきている。しかしながら、このタイプの膜
式加湿器では、加湿部のコストが、同じ加湿性能を有す
る自然蒸発式加湿器の加湿部のコストと比較して約30
%高いという問題があり、普及の障害となっていた。
【0004】このような膜式加湿器の加湿部のコストを
低減するために、構成部材の削減や、加湿効率の改善に
より加湿部を小型化する方法が考えられるが、このタイ
プの膜式加湿器では、中空構造体が折れ曲がり、水の流
路を閉塞させることを防ぐために、中空構造体内部に水
の流路を確保するためのスペーサーを設ける必要がある
ことと、前記中空構造に水を給水した際に、中空構造体
が水圧で膨張して、空気の流路を狭くすることから、加
湿部の小型化に限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解消し、膜式加湿器の小型化を可能にするととも
に、加湿能力の向上により自然蒸発式の加湿器と同程度
のコストの膜式加湿器の実現を可能にする加湿シートを
提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題を解決するため、第1に、布帛と水蒸気透過性で水不
透過性の透湿膜を積層したシートであって、その透湿膜
表面に、0.05〜7mmの高さの多数の凹凸を有する
ことを特徴とする加湿シートが提供される。又、本発明
によれば、第2に、上記構成において、前記積層したシ
ートが前記布帛の片面に、前記透湿膜を積層したシート
である加湿シートが提供される。又、本発明によれば、
第3に、上記構成において、前記積層したシートが前記
布帛の両面に、前記透湿膜を積層したシートである加湿
シートが提供される。又、本発明によれば、第4に、上
記構成において、前記布帛は、表面に0.1〜7mmの
多数の凸部を有する編布である加湿シートが提供され
る。又、本発明によれば、第5に、上記構成において、
前記布帛は、親水処理が施されている布帛である加湿シ
ートが提供される。又、本発明によれば、第6に、上記
構成において、前記透湿膜は、延伸多孔質ポリテトラフ
ルオロエチレンフィルムである加湿シートが提供され
る。又、本発明によれば、第7に、上記構成において、
前記透湿膜は、撥水・撥油剤で骨格が被覆された延伸多
孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムである加湿シ
ートが提供される。又、本発明によれば、第8に、上記
構成において、前記透湿膜は、片面若しくは両面に親水
性樹脂の連続被膜を設けた延伸多孔質ポリテトラフルオ
ロエチレンフィルムである加湿シートが提供される。
又、本発明によれば、第9に、布帛の両面に、水蒸気透
過性で水不透過性の透湿膜を積層したシートからなり、
その透湿膜表面に、0.05〜7mmの高さの多数の凹
凸を有している加湿シートであって、且つ前記加湿シー
トの周縁部は水密に閉じられており、加湿用水を供給す
るための供給用貫通孔と、加湿用水を排出するための排
出用貫通孔とを有することを特徴とする加湿エレメント
が提供される。又、本発明によれば、第10に、布帛の
両面に、水蒸気透過性で水不透過性の透湿膜を積層した
シートからなり、その透湿膜表面に、0.05〜7mm
の高さの多数の凹凸を有している加湿シートであって、
且つ前記加湿シートの周縁部は水密に閉じられており、
加湿用水を供給するための供給用貫通孔を有することを
特徴とする加湿エレメント。又、本発明によれば、第1
1に、上記第9の加湿エレメントが被加湿空気を通過さ
せるための間隔をおいて複数枚積層されてなり、且つ前
記供給用貫通孔及び前記排出用貫通孔はそれぞれ水密に
連結されて共通の加湿用水供給口及び加湿用水排出口が
形成されていることを特徴とする加湿器が提供される。
更に、本発明によれば、第12に、上記第10の加湿エ
レメントが被加湿空気を通過させるための間隔をおいて
複数枚積層されてなり、且つ前記供給用貫通孔はそれぞ
れ水密に連結されて共通の加湿用水供給口が形成されて
いることを特徴とする加湿器が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の加湿シートについて
詳細に説明する。図1及び図2は本発明による加湿シー
トの基本的構成を模式的に示す断面図で、図1の加湿シ
ートは、布帛(1)の片面に、水蒸気透過性で水不透過
性の透湿膜(2A)を設けて構成される。図2の加湿シ
ートは、布帛(1)の両面に、水蒸気透過性で水不透過
性の透湿膜(2A)、(2B)を設けて構成される。図
3は従来の加湿シートの基本的構成を模式的に示す断面
図である。図4及び図5は図1の加湿シートを用いて作
製した加湿エレメントの基本的構成を模式的に示す断面
図で、図4は、2枚の加湿シートを、布帛(1)面が向
き合う状態で2枚重ねに積層して、周縁部を水密にシー
ルすることにより中空構造体を作製し、加湿エレメント
を構成している。この加湿エレメントでは、布帛(1)
が加湿用水の流路を形成する。図5は、2枚の加湿シー
トを、透湿膜(2A)面が向き合う状態で2枚重ねに積
層して、周縁部を水密にシールすることにより中空構造
体を作製し、前記中空構造体内部にスペーサー(3)を
挿入して、加湿エレメントを構成している。この加湿エ
レメントでは、スペーサー(3)が加湿用水の流路を形
成し、布帛(1)は透湿膜(2A)の保護の役割を果た
すとともに、気体流路を形成する。図6は図2の加湿シ
ートを用いて作成した加湿エレメントの基本的構成を模
式的に示す断面図で、表裏2枚の透湿膜(2A)、(2
B)と布帛(1)が三層一体に積層された加湿シートの
周縁部を水密にシールすることにより、加湿エレメント
を構成している。この加湿エレメントでは、布帛(1)
が加湿用水の流路を形成する。
【0008】本発明で用いる布帛(1)は、透水性があ
り、加湿用水を透湿膜に沿って流通させることができる
ものであって、その少なくとも片面に多数の凸部を有す
るシート状材料であればよく、適宜の材料が使用可能で
あるが、少なくとも片面に多数の凸部を形成させた編布
(I)、織布(II)、ネット(III)、発泡性材料(I
V)、多孔性焼結体(V)の使用が特に好ましい。
【0009】上記(I)の編布としては、繊度5〜11
00デニール、好ましくは20〜210デニール、厚み
0.15〜10mm、好ましくは0.55〜7mmであ
って、凸部の高さが0.1〜7mm、好ましくは0.5
〜5mmのもの、例えば、ドイツのハーゲンマイヤー製
縦編機を使用して、片面又は両面に多数の凸部を有する
ように編んだ縦編布等を用いることができる。材質は特
に限定されるものではないが、ポリエステル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ポリウレ
タン、ポリビニルアルコール等、適宜の材料が使用でき
る。
【0010】上記(II)の織布としては、5〜5000
デニール、好ましくは40〜1100デニールの繊維を
織ったもので、厚み0.15〜10mm、好ましくは
0.55〜7mmであって、凸部の高さが0.1〜7m
m、好ましくは0.5〜5mmの織組織を持つもの等を
用いることができる。材質は特に限定されるものではな
いが、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ナイロン、アクリル、ポリウレタン、ポリビニルアルコ
ール等、適宜の材料が使用できる。
【0011】上記(III)のネットとしては、厚み0.
15〜10mm、好ましくは0.55〜7mmであっ
て、凸部の高さが0.1〜7mm、好ましくは0.5〜
5mmのもの等を用いることができる。材質は特に限定
されるものではないが、ポリエステル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、
ポリビニルアルコール等、適宜の材料が使用できる。
【0012】上記(IV)の発泡性材料としては、連続孔
を有する発砲体、例えばポリウレタンフォーム、ポリエ
チレンフォームであって、空孔率20〜98%、好まし
くは60〜90%、厚み0.15〜10mm、好ましく
は0.55〜7mmであって、凸部の高さが0.1〜7
mm、好ましくは0.5〜5mmのもの等を用いること
ができる。
【0013】上記(V)の多孔性焼結体としては、プラ
スチックのビーズを熱もしくは接着剤を用いて接合、一
体化した多孔性材料、例えば、直径が100μm程度の
ポリビニルアルコールビーズなどを焼結させたもの等を
用いることができる。多孔性焼結体で形成したシートの
厚みは0.15〜10mm、好ましくは0.55〜7m
mであって、凸部の高さが0.1〜7mm、好ましくは
0.5〜5mmのもの等を用いることができる。
【0014】上記(I)〜(V)のいずれの材料を選択
した場合にも、凸部の形状、ピッチは特に限定されるも
のではないが、凸部の大きさが、縦横ともに、0.3m
m以上、好ましくは0.5mm以上であって、凸部がド
ット状でも、縦横いずれか一方が、筋状に連続的に凸部
が伸びている構造でも適宜使用できる。凸部の大きさが
小さすぎると布帛に透湿膜を積層した際に、布帛の凸部
が潰れてしまう。凸部のピッチは、縦横ともに、0.3
〜30mm、好ましくは0.5〜10mmのもの等を用
いることができる。凸部のピッチが小さすぎると布帛と
透湿膜を積層した際、透湿膜が布帛の凹部に沿って入り
込めず、結果として透湿膜表面に凹凸を形成することが
できない。又、凸部のピッチが大きすぎると、透湿膜表
面に十分な量の凹凸が形成できず、本発明の目的が達成
できない。
【0015】布帛の厚みが、上記範囲の厚みよりも薄い
と加湿用水を給水した際の通水抵抗が大きくなりすぎる
とともに、十分な高さの凸部を形成させることが困難に
なる。又、上記範囲の厚みよりも厚いと加湿シート全体
の厚みが厚くなり、よって加湿効率が低下し、コストが
高くなるとともに、加湿器自体が大型化する問題があ
る。布帛の凸部の高さが、上記範囲の高さよりも低い
と、布帛と透湿膜を積層した際に、透湿膜表面に十分な
高さの凸部が形成できず、本発明の目的が達成できな
い。又、上記凸部の高さが、上記範囲の高さよりも高い
と、加湿シート全体の厚みが厚くなり、よって加湿効率
が低下し、コストが高くなるとともに、加湿器自体が大
型化する問題がある。布帛の凸部頂上部の大きさ及び凸
部のピッチが、上記範囲の大きさ、ピッチよりも小さい
か、あるいは大きいと、布帛と透湿膜を積層した際に、
透湿膜表面に十分な高さの凹凸が形成できず、本発明の
目的が達成できない。
【0016】本発明で用いられる布帛には、適宜、親水
処理を施した材料が使用される。例えば、布帛としてポ
リエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の疎水性
材料を使用した場合、布帛部分に加湿用水を給水した際
に、加湿用水が布帛部分に浸透しにくいことと、長期間
加湿器を運転した際に、加湿用水中の異物や不純物が透
湿膜表面に集中して付着し、透湿膜の透湿性を損なうた
め、加湿性能が早く低下するという問題がある。つま
り、布帛に疎水性材料を使用した場合、疎水性材料を親
水化処理することにより、布帛部分に加湿用水を給水し
た際に、加湿用水を浸透しやすくするとともに、長期間
加湿器を運転した際に、加湿用水中の異物や不純物を布
帛表面に付着しやすくし、透湿膜表面への不純物の付着
を減少させることができる。
【0017】親水性処理の方法としては、プラズマ処理
による方法、界面活性剤を用いる方法等、公知の方法を
採用することができるが、特に、ウレタン樹脂系の親水
処理剤又はフッ素樹脂系の親水性処理剤を使用する方法
が好ましい。このような親水処理剤を用いて親水処理を
行うと、素材の表面にこれらの皮膜が形成され、素材の
表面エネルギーを増大させることができる。
【0018】ウレタン樹脂系の親水処理剤としては、水
不溶性で親水性のものであれば使用可能であるが、とり
わけ、その樹脂の有する水に対する接触角が0〜50
°、好ましくは0〜30°のものを使用することができ
る。このようなウレタン樹脂系の親水処理剤としては、
例えば、日華化学社製のポリゾール、カイゾール05等
が好ましく用いられる。
【0019】フッ素樹脂系の親水処理剤としては、同様
に、水不溶性で親水性のもので、その樹脂の有する水に
対する接触角が0〜50°、好ましくは0〜30°のも
のを使用することができる。このようなフッ素樹脂系の
親水処理剤としては、例えば、特公平7−74290号
公報に記載されている、含フッ素モノマーとフッ素を含
まない親水基含有モノマーとの親水性コポリマーを好ま
しく用いることができる。前記含フッ素モノマーの具体
例としては、例えばテトラフルオロエチレン、フッ化ビ
ニル、フッ化ビニリデン、モノクロロトリフルオロエチ
レン、ジクロロジフルオロエチレン、ヘキサフルオロプ
ロピレン等が挙げられる。又、前記フッ素を含まないモ
ノマーの具体例としては、例えばビニルアルコール、ア
クリル酸、メタクリル酸のような不飽和カルボン酸の
他、アクリル酸やメタクリル酸のアルキレンオキシド付
加体等が挙げられる。
【0020】このような親水処理剤の布帛に対する付着
量は、0.01〜0.1g/m2程度が好ましい。親水
処理が施された布帛は、水に対する接触角が0〜50
°、好ましくは0〜30°である。布帛の水に対する接
触角が上記範囲より大きいと加湿用水が布帛部分に浸透
しにくくなる。又、布帛への異物や不純物の付着が少な
くなり、透湿膜内面に多く付着し、加湿性能が速く低下
する。
【0021】透湿膜2A、2Bは、水蒸気透過性で水不
透過性であることが必要で、加湿シートからなる加湿エ
レメントの内部に加湿用水を給水した際に、加湿用水の
漏出を防ぎ、加湿用水を水蒸気として外部に放出させ、
供給される空気を加湿するものであればよく、適宜の材
料が使用可能であるが、(a)無孔質透湿性樹脂膜、
(b)疎水性多孔質膜、(c)高分子多孔質膜に無孔質
透湿性樹脂を塗布又は含浸したもの、(d)高分子多孔
質膜に無孔質透湿性樹脂膜を積層したもの、(e)高分
子多孔質膜に無孔質透湿性樹脂を塗布又は含浸させると
ともに、無孔質透湿性樹脂膜を積層したもの、(f)高
分子多孔質膜の多孔質体骨格表面を撥水性及び撥油性を
有する有機ポリマーで被覆し且つ連続孔を残したものの
使用が特に好ましい。透湿膜2A、2Bの透湿度は、1
万g/m2・24hr以上、好ましくは2万g/m2・2
4hr以上(透湿度の試験方法は、JIS L 109
9B−1法による)となるような値であることが望まし
い。透湿膜の透湿度が前記範囲よりも低いと、加湿効率
が低くなり、コスト面で実用性がない。又、加湿器が大
型化するという問題がある。透湿膜の透湿度は、高けれ
ば高いほど、少ない膜面積で所定の加湿を行うことがで
きるため、透湿度の上限は特に限定されるものではな
い。
【0022】上記(a)の無孔質透湿性樹脂膜には、水
酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ酸基等の
親水性基を持つ高分子材料であって、水膨潤性で且つ水
不溶性のものが好ましく用いられる。具体的には、少な
くとも一部が架橋されたポリビニルアルコール、酢酸セ
ルロース、硝酸セルロース等の親水性ポリマーや、ポリ
アミノ酸、極性官能基を含有するポリウレタン樹脂、フ
ッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を例示することができる
が、耐熱性、耐薬品性、加工性、透湿度等を考慮に入れ
るとポリウレタン樹脂、フッ素系透湿性樹脂の使用が特
に好ましい。
【0023】ポリウレタン樹脂としては、無孔質の親水
性ポリウレタン系樹脂が好ましく用いられる。この無孔
質の親水性ポリウレタン樹脂は、通常親水性の高いポリ
オールとポリイソシアネート化合物を主原料として反応
させて得られる。親水性の高いポリオールとしては、例
えばポリオキシエチレングリコールを用いることができ
るが、透湿性の向上、硬化速度の向上等を目的としてポ
リオキシアルキレンポリオールの使用も有効であり、
又、ジオール類を併用することもできる。この反応によ
り得られたイソシアネート基含有プレポリマーは、この
プレポリマーの硬化剤との組み合わせにより二液型の組
成物として用いることができる。硬化剤としては、ジオ
ールやジアミンが用いられる。又、硬化剤を含まない一
液型の組成物として、空気中の水分などにより硬化させ
るようにしてもよい。あるいは、二液型組成物と一液型
組成物を併用することもできる。
【0024】フッ素系透湿性樹脂としては、極性官能基
を含有するもの、例えばカルボン酸系パーフルオロイオ
ン交換樹脂、スルホン酸系パーフルオロイオン交換樹
脂、特開平4−139237号公報に開示されている含
フッ素モノマーと親水基含有モノマーとのコポリマー等
の使用が望ましい。
【0025】無孔質透湿性樹脂層の厚さは、通常3〜4
00μm、好ましくは5〜100μmである。無孔質透
湿性樹脂層の厚さが厚すぎると水蒸気透過量の低下をも
たらし、加湿能力が不十分となる。従って、無孔質透湿
性樹脂層に必要とされる機械的強度、耐用性を満足させ
る範囲で極力薄い方が好ましい。
【0026】上記(b)の疎水性多孔質膜としては、合
成樹脂より得られる公知の疎水性の連続多孔質体、例え
ばポリオレフィン樹脂系の多孔質体、フッ素樹脂系の多
孔質体等が使用できる。ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂の連続多孔質体を用いる場合
は、フッ素系撥水剤、シリコーン系撥水剤等により撥水
処理を付与することができる。フッ素樹脂系多孔質体と
しては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフ
ッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等の多孔質体が使用
できるが、なかでもポリテトラフルオロエチレンを延伸
処理して得られる多孔質体は、耐薬品性、耐熱性、耐圧
性に優れ、特に好ましく使用できる。
【0027】疎水性多孔質膜の最大孔径は、0.01〜
10μm、好ましくは0.1〜1μmである。疎水性多
孔質膜の最大孔径が0.01μmよりも小さいと膜製造
上の困難さがあり、逆に10μmを越えると不純物、異
物が付着しやすくなって好ましくない。疎水性多孔質膜
の空孔率は、50〜98%、好ましくは60〜95%で
ある。なお、最大孔径の測定方法は、ASTM F−3
16の規定による(以下同じ)。疎水性多孔質膜の空孔
率が50%よりも小さいと水蒸気の透過量が少なくなっ
て、加湿量が不十分になり、逆に98%を超えると膜の
強度が低下してしまう。又、疎水性多孔質膜の厚みは、
5〜300μm、好ましくは10〜100μmが適当で
ある。疎水性多孔質膜の厚さが5μmより薄いと製造時
の取扱い性に問題が生じ、300μmを超えると水蒸気
の透過度が低下し十分な加湿が行えない。
【0028】上記(c)の高分子多孔質膜に無孔質透湿
性樹脂を塗布又は含浸させたものにおいて、高分子多孔
質膜としては、耐熱性、耐腐食性を有するものが好まし
く、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
樹脂の多孔質体、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル等の
多孔質体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ
フッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂
の多孔質体等が使用できるが、なかでもポリテトラフル
オロエチレンを延伸処理して得られる多孔質体は、耐熱
性、耐薬品性に優れ好ましい。なお、ここで用いる高分
子多孔質膜は疎水性でなくてもよい。
【0029】高分子多孔質膜の最大孔径は、0.01〜
10μm、好ましくは0.1〜1μmである。最大孔径
が0.01μmよりも小さいと膜製造上の困難さがあ
り、10μmを超えると、特に透湿性樹脂を塗布又は含
浸により複合化する場合に薄層化が困難になる。高分子
多孔質膜の空孔率は、50〜98%、好ましくは60〜
95%である。空孔率が小さすぎると水蒸発層の水蒸気
透過量が減少し、また大きすぎると多孔質膜の強度が低
下する。また、高分子多孔質膜の厚みは、5〜1000
μmが好ましく、厚みが薄すぎると製造時の取扱い性に
問題が生じ、厚すぎると水蒸気の透過度が低下し十分な
加湿が行えない。
【0030】高分子多孔質膜に塗布又は含浸させる無孔
質透湿性樹脂としては、上記(a)の無孔質透湿性樹脂
膜に使用される材料と同様のものを用いることができ
る。高分子多孔質膜に無孔質透湿性樹脂を含浸させる場
合、高分子多孔質膜の厚さ方向の全部にわたって含浸さ
せてもよいし、その一部において含浸させてもよい。塗
布又は含浸させた無孔質透湿性樹脂の厚みは、1〜50
μm、好ましくは3〜30μmである。この部分の厚み
が厚すぎると水蒸気透過量の低下をもたらし、加湿能力
が不十分となり、薄すぎるとピンホールが無く均一に製
膜を行うことが困難となる。
【0031】多孔質高分子膜に無孔質透湿性樹脂を塗布
又は含浸させる方法としては、例えば以下のような方法
を用いることができる。無孔質透湿性樹脂がポリウレタ
ン系樹脂の場合には、ポリオールとポリイソシアネート
の2成分を混合し硬化反応が終了する前の流動性がある
状態で塗布した後、加熱硬化させる方法を用いることが
できる。無孔質透湿性樹脂がフッ素系樹脂の場合には、
アルコール、ケトン、エステル、アミドあるいは炭化水
素のような有機溶媒中に溶解させた溶液を塗布した後、
脱溶剤する方法が挙げられる。無孔質透湿性樹脂がシリ
コーン樹脂の場合には、トルエン等の有機溶媒中に溶解
させ、その溶液を塗布した後、脱溶媒する方法が挙げら
れる。その他にも、樹脂が液状化するものであれば適宜
使用可能であり、例えばホットメルト接着剤を加熱して
流動化させ塗布した後、硬化させる方法、ディスパージ
ョン溶液を塗布した後、加熱硬化させる方法等を用いる
ことができる。上記において、塗布の具体的方法として
は、グラビアロール、リバースロール、ドクターロー
ル、キスロール等を用いた方法やディッピング法、スプ
レー法等が挙げられる。
【0032】上記(c)においては、高分子多孔質膜に
無孔質透湿性樹脂を塗布又は含浸させたものを挙げた
が、上記(d)のように、高分子多孔質膜に無孔質透湿
性樹脂膜を積層したものも使用できる。この場合、高分
子多孔質膜としては上記(c)において使用される材料
と同様な材料を同様にして用いることができる。無孔質
透湿性樹脂膜の厚みは、1〜100μm、好ましくは3
〜50μmである。この部分の厚みが厚すぎると水蒸気
透過量の低下をもたらし、加湿能力が不十分となり、薄
すぎるとピンホールが無く均一に製膜を行うことが困難
となる。高分子多孔質膜に無孔質透湿性樹脂膜を積層す
る方法としては、例えば、グラビアロールを用いて、接
着剤を転写しラミネートする方法、熱融着法等を用いる
ことができる。上記ラミネートする場合の接着(融着)
面積は、3〜90%、好ましくは5〜80%である。接
着(融着)面積が少なすぎると、高分子多孔質膜と無孔
質透湿性樹脂膜の接着強度が十分に得られず、多すぎる
と透湿度が低下し、加湿能力が不十分となる。
【0033】又、透湿膜2A、2Bとしては、上記
(e)のように、高分子多孔質膜に無孔質透湿性樹脂膜
を塗布又は含浸させるとともに、無孔質透湿性樹脂膜を
積層させたものも使用可能である。
【0034】上記(f)の高分子多孔質体骨格表面を撥
水性及び撥油性を有する有機ポリマーで被覆し且つ連続
孔を残したものにおいて、高分子多孔質膜としては、上
記(c)と同様のものを用いることができる。この場
合、多孔質体骨格表面を被覆する有機ポリマーは、撥水
性及び撥油性を有する有機ポリマーであれば特に限定さ
れないが、例えば、フッ素化有機側鎖を繰り返し現れる
ペンダント基として有するポリマーを好適に用いること
ができる。
【0035】このようなポリマー及びそれを多孔質高分
子膜に複合化する方法の詳細についてはWO 94/2
2928公報などに開示されており、その一例を下記に
示す。
【化1】 (式中、nは3〜13の整数、RはH又はCH3であ
る。)で表されるフルオロアルキルアクリレート及びフ
ルオロアルキルメタクリレートを重合して得られるポリ
マー(フッ素化アルキル部分は6〜16の炭素原子を有
することが好ましい。)の水性マイクロエマルジョン
(平均粒径0.01〜0.5μm)をフッ素化界面活性
剤(例、アンモニウムペルフルオロオクタノエート)を
用いて形成し、それを多孔質高分子膜に適用し、加熱す
ると水とフッ素化界面活性剤が除去されるとともに、フ
ッ素化ポリマーが溶融して多孔質基材の骨格を被覆し、
且つ連続孔を維持した、目的の撥水性・撥油性多孔質膜
が得られる。また、他の有機ポリマーとして、「AFポ
リマー」(デュポン社の商品名)、「サイトップ」(旭硝
子社の商品名)なども使用できる。これらの有機ポリマ
ーを高分子多孔質膜の多孔質体骨格表面に被覆するに
は、例えば「フロリナート」(3M社の商品名)などの不
活性溶剤にこれらのポリマーを溶解させ、高分子多孔質
膜に含浸させた後、溶剤を蒸発除去する等の方法で行
う。
【0036】本発明による加湿シートにおいて、布帛
(1)と透湿膜(2A)、又は布帛(1)と透湿膜(2
A、2B)は、積層により一体化される。ここで、布帛
(1)と透湿膜(2A、2B)の積層は、公知の方法で
行うことができる。例えば、透湿膜にグラビアパターン
を施したロールでウレタン系接着剤を塗布し、その上に
布帛を合わせてロールで圧着する方法、透湿膜と布帛を
重ね合わせた状態で、ヒートロールにより熱融着する方
法等を用いることができる。上記の積層を行う場合の接
着(融着)面積は、3〜90%、好ましくは5〜80%
である。接着(融着)面積が少なすぎると、透湿膜と布
帛の接着強度が十分に得られず、多すぎると得られた加
湿シートの透湿度が低下し、加湿能力が不十分となる。
【0037】上記方法により得られた加湿シートは、多
数の凸部を有する布帛の形状に沿って透湿膜が積層され
るため、透湿膜表面に多数の凹凸を形成する。この透湿
膜表面に形成される凹凸の高さは、0.05〜7mm、
好ましくは0.1〜5mmである。凹凸の形状は使用す
る布帛の形状によって決まるが、透湿膜が布帛の凸部に
完全に沿った状態で積層される必要は必ずしもなく、積
層後に加湿シートの透湿膜表面に形成された凹凸の高さ
が、前記範囲にあれば、布帛の凸部で透湿膜と接着・融
着されており凹部では透湿膜が布帛から浮いた状態で積
層されていてもよい。
【0038】布帛の両面に透湿膜を積層する場合には、
両面に積層される透湿膜には、必ずしも同じ材料を用い
る必要はない。即ち、例えば、布帛の片面には無孔質透
湿性樹脂からなる透湿膜を設け、他の面には疎水性多孔
質膜からなる透湿膜を設けることもできる。同様に、本
発明で用いることができる透湿膜を適宜組み合わせて本
発明の加湿シートを得ることができる。
【0039】本発明による加湿エレメントは、加湿シー
トを組み込む加湿器の形状に合わせてカットし、その
後、このシートの周囲を熱融着し、さらに該シートの一
部に加湿用水を給水、排水するための供給用貫通孔と、
排出用貫通孔を形成することにより得られる。加湿シー
トをカットする形状、つまり加湿エレメントの形状は、
加湿器の形状に合わせて略円盤状、略矩形状等、適宜決
定されればよく特に限定されるものではない。排出用の
貫通孔は、必ずしも必要ではないが、加湿器への常時給
水が可能であれば、排出用貫通孔を設けて、常時加湿用
水を流した方が、加湿エレメント内部に、加湿用水中の
異物や不純物が付着しにくいため好ましい。
【0040】本発明による加湿器は、加湿エレメントと
スペーサーを、孔位置を合わせ、孔の周囲を接着して水
密状態にしながら交互に積層して、加湿エレメントとス
ペーサーの積層構造体を作製することにより得られる。
スペーサーは、積層する加湿エレメント間に送風するた
めの隙間を形成できるものであれば特に限定されるもの
ではないが、波形状に成型した金属製又は樹脂製のシー
トや、凹凸を有する金属製又は樹脂製の成型体の使用が
特に好ましい。スペーサーには加湿エレメントの貫通孔
に合わせて貫通孔を設ける。加湿エレメントとスペーサ
ーの接着は、スペーサーと加湿エレメントを水密に接着
固定できればよく、特に限定されないが、エポキシ系、
ウレタン系、シリコーン系等の接着剤による接着か、ス
ペーサーが樹脂の場合は、樹脂を熱で溶かす融着による
方法等、適宜の方法が使用できる。加湿エレメントとス
ペーサーの積層枚数は、主に加湿器の設計能力と、加湿
エレメントの単位面積当たりの加湿性能及びサイズとで
決定される。
【0041】本発明による加湿シートによれば、上記の
ような構成を有するので、次のような利点がある。 (1)従来の加湿シートと比較して、加湿シートの透湿膜
表面に多数の凹凸を有するため、加湿シートの単位面積
当たりの透湿膜面積が増大し、加湿能力が大幅に向上す
る。 (2)加湿シートに張り合わせる布帛の形状を変更するこ
とだけにより、加湿能力を大幅に改善することができる
ために、従来公知の加湿器に用いる加湿エレメント用の
加湿シートとして、容易に適用できる。 (3)本発明による加湿シートを従来公知の加湿器に適用
した場合、加湿能力が大幅に向上するため、所定の加湿
性能を達成するために必要な加湿シート面積(加湿エレ
メントのサイズ)が小さくなり、従って加湿器の大幅な
小型化とコストダウンが達成できる。
【0042】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明する。
【0043】実施例1 高分子多孔質膜(延伸多孔質PTFE、厚さ約40μ
m、最大孔径約0.4μm、空孔率85%)の片面に、
グラビアロール(開孔率80%に設定)を用いてウレタ
ン系接着剤を塗布し、この面に布帛として、親水処理を
施した、片面に多数の凸部を有する縦編布(ポリエステ
ル100%、50dフィラメント、ウェル40本/in
ch、コース132本/inch、凸部の高さ1.2m
m、凸部頂上部の大きさ縦1.2mm、横2.9mm、
凸部ピッチ縦2.2mm、横2.2mmでドイツ、カー
ルマイヤー製縦編機により作製した。)を160℃で加
熱処理することにより形状を安定させたものの凸部を有
する側を重ね合わせ、圧力0.5kgf/cm2、速度
30m/分の条件でロール圧着を行った。その後、片面
に多数の凸部を有する編物の他の面(フラットな面)に
も同じ方法、条件で、高分子多孔質膜を圧着して図2に
示すような三層構造の加湿シートを作製した。尚、親水
処理は、ポリウレタン樹脂系の親水処理剤「ポリゾール
(日華化学社の商品名)」の3重量%水溶液中に、前記
編布を60m/分の速度で2秒間通過させ、その後熱風
乾燥することにより行った。編布に対するウレタン樹脂
の付着量は0.05g/m2であり、水に対する接触角
は10°であった。この加湿シートを幅40mm、長さ
247mmの寸法にカットして、矩形状シートを得た。
その後、この矩形状シートの周囲を熱融着し、さらに該
シート片側短辺より25mmの位置で幅方向の上方から
10mmの点を中心として直径6mmの孔をあけ、供給
用貫通孔(5)を形成した。又、該シート片側短辺より
13.5mmの位置で幅方向の下方から10mmの点を
中心として直径6mmの孔をあけ、排出用貫通孔(6)
を形成した。さらに、往路側流路の幅が22mmで復路
側流路の幅が6mmとなるように仕切り部(7)を熱融
着により形成し、図7で示すような加湿エレメント
(4)を作製した。
【0044】一方、図8に示すような波形状のスペーサ
ー(8)をポリエステルシート(厚さ0.3mm)の成
形により得た。上記で作製した加湿エレメント(4)と
スペーサー(8)を、孔位置を合わせ、孔の周囲をシリ
コーン系接着剤で接着して水密状態にしながら交互に積
層して、加湿エレメント65枚とスペーサー66枚の積
層構造体を作製し、図9に示す構造の加湿器を得た。
【0045】実施例2 布帛として、親水性処理を施した、両面に多数の凸部を
有する縦編布(ポリエステル100%、30dフィラメ
ント、ウェル40本/inch、コース128本/in
ch、表面の凸部の高さ1.1mm、表面の凸部頂上部
の大きさ縦1.2mm、横2.9mm、表面の凸部ピッ
チ縦3.0mm、横3.5mm、裏面の凸部の高さ0.
3mm、裏面の凸部頂上部の大きさ1.6mm、縦方向
連続、裏面の凸部ピッチ横3.6mmでドイツ、カール
マイヤー製縦編機により作製した。)を用い、その他は
実施例1と同じ材料、製法により、図10に示すような
三層構造の加湿シートを作製した。この加湿シートを用
い、実施例1と同じ材料、製法により加湿エレメント、
加湿器を得た。
【0046】比較例1 実施例1において、布帛としてトリコットニット(ポリ
エステル100%、30dマルチフィラメント)を使用
した以外は同様にして、比較例1の加湿器を得た。
【0047】実施例1、実施例2及び比較例1の加湿器
を各5個ずつ作製し、図11に示す評価装置により、水
道水を0.06kgf/cm2の水圧で加湿器に注水し
ながら、温度40℃、湿度15%の空気を風速2.5m
/秒で送風し、流量計で注水流量及び排水流量を調べ、
単位時間当たりの蒸発量=加湿量を測定した。その結
果、加湿量(5個の加湿器の平均値)は、実施例1の加
湿器が2.1kg/h、実施例2の加湿器が2.3kg
/h、比較例1の加湿器が1.4kg/hであった。上
記測定から明らかなように、本発明による加湿器は、比
較例1の加湿器と比べて、実施例1の加湿器で50%、
実施例2の加湿器で64%向上しており、加湿性能の大
幅な向上が確認できた。
【0048】この実験結果から加湿量1kg/hの加湿
器を実施例1及び実施例2に基いて設計したところ、従
来の比較例1に示した方式の加湿器と比較して、実施例
1については透湿膜面積で50%、加湿器容積で30
%、製造コストで15%低減でき、実施例2については
透湿膜面積で64%、加湿器容積で35%、製造コスト
で17%低減できた。
【0049】
【発明の効果】本発明の加湿シートは、前記構成とした
ので、加湿エレメントからなる膜式加湿器に使用した場
合、従来の加湿シートと比較して、加湿シートの単位面
積当たりの透湿膜面積が増大し、加湿能力が大幅に向上
する。従って、所定の加湿性能を達成するために必要な
加湿シート面積(加湿エレメントのサイズ)が小さくな
り、従って加湿器の大幅な小型化とコストダウンが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の加湿シートの基本的構成を
模式的に示す断面図である。
【図2】本発明による第2の加湿シートの基本的構成を
模式的に示す断面図である。
【図3】従来の加湿シートの基本的構成を模式的に示す
断面図である。
【図4】第1の加湿シートを布帛面を内側(加湿用水
側)にして作製した加湿エレメントの基本的構成を模式
的に示す断面図である。
【図5】第1の加湿シートを透湿膜を内側(加湿用水
側)にして作製した加湿エレメントの基本的構成を模式
的に示す断面図である。
【図6】第2の加湿シートを用いて作製した加湿エレメ
ントの基本的構成を模式的に示す断面図である。
【図7】実施例1の加湿エレメントの平面図である。
【図8】実施例1のスペーサーの構造を示す図である。
【図9】実施例1の加湿器を示す図である。
【図10】実施例2の加湿シートの構造を示す断面図で
ある。
【図11】加湿性能測定に使用した評価装置の概念図で
ある。
【符号の説明】
1 布帛 2A、2B 透湿膜 3 スペーサー 4 加湿エレメント 5 加湿用水供給用貫通孔 6 加湿用水排出用貫通孔 7 仕切り部 8 スペーサー 9 波形状部 10 平板状部 11 給水用貫通孔 12 凸部 13 排水用貫通孔 14 凸部 15 上側固定用蓋 16 スペーサー 17 加湿エレメント 18 側板 19 共通給水口 20 共通排水口 21 加湿器 22 下側固定用板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L055 BA01 DA05 4F100 AK18B AK18C AK41 AK51G BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C BA10D BA10E DD07B DD07C DG01 DG11A EC01 EC012 EJ37B EJ37C EJ82 EJ822 GB66 JB05D JB05E JB06D JB06E JD04B JD04C JD05B JD05C YY00B YY00C 4L047 AA00 CB10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布帛と水蒸気透過性で水不透過性の透湿
    膜を積層したシートであって、その透湿膜表面に、0.
    05〜7mmの高さの多数の凹凸を有することを特徴と
    する加湿シート。
  2. 【請求項2】 前記積層したシートが前記布帛の片面
    に、前記透湿膜を積層したシートである請求項1に記載
    の加湿シート。
  3. 【請求項3】 前記積層したシートが前記布帛の両面
    に、前記透湿膜を積層したシートである請求項1に記載
    の加湿シート。
  4. 【請求項4】 前記布帛は、表面に0.1〜7mmの多
    数の凸部を有する編布である請求項1又は2に記載の加
    湿シート。
  5. 【請求項5】 前記布帛は、親水処理が施されている布
    帛である請求項1〜4のいずれか一項に記載の加湿シー
    ト。
  6. 【請求項6】 前記透湿膜は、延伸多孔質ポリテトラフ
    ルオロエチレンフィルムである請求項1〜5のいずれか
    一項に記載の加湿シート。
  7. 【請求項7】 前記透湿膜は、撥水・撥油剤で骨格が被
    覆された延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィル
    ムである請求項6に記載の加湿シート。
  8. 【請求項8】 前記透湿膜は、片面若しくは両面に親水
    性樹脂の連続被膜を設けた延伸多孔質ポリテトラフルオ
    ロエチレンフィルムである請求項6に記載の加湿シー
    ト。
  9. 【請求項9】 布帛の両面に、水蒸気透過性で水不透過
    性の透湿膜を積層したシートからなり、その透湿膜表面
    に、0.05〜7mmの高さの多数の凹凸を有している
    加湿シートであって、且つ前記加湿シートの周縁部は水
    密に閉じられており、加湿用水を供給するための供給用
    貫通孔と、加湿用水を排出するための排出用貫通孔とを
    有することを特徴とする加湿エレメント。
  10. 【請求項10】 布帛の両面に、水蒸気透過性で水不透
    過性の透湿膜を積層したシートからなり、その透湿膜表
    面に、0.05〜7mmの高さの多数の凹凸を有してい
    る加湿シートであって、且つ前記加湿シートの周縁部は
    水密に閉じられており、加湿用水を供給するための供給
    用貫通孔を有することを特徴とする加湿エレメント。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の加湿エレメントが被
    加湿空気を通過させるための間隔をおいて複数枚積層さ
    れてなり、且つ前記供給用貫通孔及び前記排出用貫通孔
    はそれぞれ水密に連結されて共通の加湿用水供給口及び
    加湿用水排出口が形成されていることを特徴とする加湿
    器。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の加湿エレメントが
    被加湿空気を通過させるための間隔をおいて複数枚積層
    されてなり、且つ前記供給用貫通孔はそれぞれ水密に連
    結されて共通の加湿用水供給口が形成されていることを
    特徴とする加湿器。
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