JP2001173720A - ダンパー機構及びダンパーディスク組立体 - Google Patents

ダンパー機構及びダンパーディスク組立体

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JP2001173720A
JP2001173720A JP36007599A JP36007599A JP2001173720A JP 2001173720 A JP2001173720 A JP 2001173720A JP 36007599 A JP36007599 A JP 36007599A JP 36007599 A JP36007599 A JP 36007599A JP 2001173720 A JP2001173720 A JP 2001173720A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 捩じり特性の負側領域での音振性能を向上さ
せる。 【解決手段】 ハブ3はプレート21,22に相対回転
可能である。ハブフランジ6はハブ3に所定角度内で相
対回転可能である。小コイルスプリング7は、ハブ3と
ハブフランジ6とを回転方向に弾性的に連結する。第1
ばね8Aと第2ばね8Bはハブフランジ6とプレート2
1,22とを回転方向に連結する。サブプレート11
は、プレート21,22の軸方向間に配置され、第1ば
ね8Aの逆駆動側端に当接し、ハブ3に所定角度内で相
対回転可能に係合する。ハブ3とその駆動側にあるサブ
プレート11との隙間(θ2)は、ハブ3とその駆動側
にあるハブフランジ6との隙間(θ3)より小さい。第
1ばね8Aの駆動側端63は、ハブフランジ6に回転方
向に支持されており、1対のプレート21,22からは
所定角度(θ5)離れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパー機構、特
に、動力伝達系における捩じり振動を減衰するためのダ
ンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】車輌に用いられるクラッチディスク組立
体は、フライホイールに連結・切断されるクラッチ機能
と、フライホイールからの捩じり振動を吸収・減衰する
ためのダンパー機能とを有している。一般に車輌の振動
には、アイドル時異音(ガラ音)、走行時異音(加速・
減速ラトル,こもり音)及びティップイン・ティップア
ウト(低周波振動)がある。これらの異音や振動を取り
除くことがクラッチディスク組立体のダンパーとしての
機能である。
【0003】アイドル時異音とは、信号待ち等でシフト
をニュートラルに入れ、クラッチペダルを放したときに
トランスミッションから発生する「ガラガラ」と聞こえ
る音である。この異音が生じる原因は、エンジンアイド
リング回転付近ではエンジントルクが低く、エンジン爆
発時のトルク変動が大きいことにある。このときにトラ
ンスミッションのインプットギアとカウンターギアとが
歯打ち現象を起こしている。
【0004】ティップイン・ティップアウト(低周波振
動)とは、アクセルペダルを急に踏んだり放したりした
ときに生じる車体の前後の大きな振れである。駆動伝達
系の剛性が低いと、タイヤに伝達されたトルクが逆にタ
イヤに伝達されたトルクが逆にタイヤ側からトルクに伝
わり、その揺り返しとしてタイヤに過大トルクが発生
し、その結果車体を過渡的に前後に大きく振らす前後振
動となる。
【0005】アイドリング時異音に対しては、クラッチ
ディスク組立体の捩じり特性においてゼロトルク付近が
問題となり、そこでの捩じり剛性は低い方が良い。一
方、ティップイン・ティップアウトの前後振動に対して
は、クラッチディスク組立体の捩じり特性をできるだけ
ソリッドにすることが必要である。以上の問題を解決す
るために、2種類のばねを用いることにより2段特性を
実現したクラッチディスク組立体が提供されている。そ
こでは、捩じり特性における1段目(低捩じり角度領
域)における捩じり剛性及びヒステリシストルクを低く
抑えているために、アイドリング時の異音防止効果があ
る。また、捩じり特性における2段目(高捩じり角度領
域)では捩じり剛性及びヒステリシストルクを高く設定
しているため、ティップイン・ティップアウトの前後振
動を十分に減衰できる。
【0006】さらに、捩じり特性2段目においてたとえ
ばエンジンの燃焼変動に起因する微小振動が入力された
ときに、2段目の大摩擦機構を作動させないことで、低
ヒステリシストルクによって微小振動を効果的に吸収す
るダンパー機構も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般的な捩じり特性で
は、正側領域と負側領域とで特性が概ね同じである。具
体的には、捩じり剛性やヒステリシストルクがほぼ同じ
である。しかし、負側の捩じり剛性が正側の捩じり剛性
と同等である場合は、減速時の音・振動性能の点から好
ましくなく、負側の捩じり剛性を下げる必要がある。そ
こで従来は、負側領域でのばねの作動数を正側領域での
それより減らすことで、負側の捩じり剛性を正側の捩じ
り剛性より低くしている。
【0008】この従来技術の第1の問題点は、ばねの作
動数を減らすだけでは捩じり剛性を十分に低くできない
ことである。第2の問題点は、負側の捩じり剛性を低く
すると、所定角度内で十分に大きな負側のストッパート
ルクを得ることが困難なことである。本発明の目的は、
捩じり特性の負側領域での音振性能を向上させることに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダンパ
ー機構は、入力回転体と出力回転体と弾性連結部材をと
を備えている。出力回転体は、入力回転体に対して回転
可能に配置されている。弾性連結部材は、入力回転体と
出力回転体とを回転方向に連結するための第1ばね及び
第2ばねを有する。捩じり特性正側領域は第1ばね及び
第2ばねが並列に圧縮される領域を含んでいる。捩じり
特性負側領域は、第1ばねのみが圧縮される第1領域
と、第1領域より大きな捩じり角度において第1ばね及
び第2ばねが並列に圧縮される第2領域とを含んでい
る。
【0010】この結果、このダンパー機構では、第1領
域における低剛性によって減速時の音振性能が向上し、
第2領域における高剛性によって負側においても十分な
ストッパートルクを実現できる。請求項2に記載のダン
パー機構は、請求項1において、第1中間回転体と第2
中間回転体とをさらに備えている。第1中間回転体は、
第1ばね及び第2ばねの回転方向両端を支持し、出力回
転体の駆動側面に所定の隙間角度を空けて配置されてい
る。第2中間回転体は、第1ばねの逆駆動側端を回転方
向に支持し、出力回転体の駆動側面に対して第1中間回
転体より近接して配置されている。
【0011】出力回転体が入力回転体に対して駆動側に
捩じれていくと(つまり入力回転体が出力回転体に対し
て逆駆動側に捩じれる捩じり特性負側領域では)、出力
回転体は初めに第2中間回転体に当接し第2中間回転体
を駆動側に移動させる。このとき、第2中間回転体と入
力回転体との間で第1ばねが圧縮される。続いて出力回
転体が第1中間回転体に当接し第1中間回転体を駆動側
に移動させる。このとき、第1中間回転体と入力回転体
との間で第2ばねが圧縮される。以上をまとめると、捩
じり特性負側領域は、第1ばねのみが圧縮される第1領
域と、第1領域より大きな捩じり角度において第1ばね
及び第2ばねが並列に圧縮される第2領域とを含んでい
る。この結果、第1領域における低剛性によって減速時
の音振性能が向上し、第2領域における高剛性によって
負側においても十分なストッパートルクを実現できる。
【0012】なお、出力回転体が入力回転体に対して逆
駆動側に捩じれていくと(つまり入力回転体が出力回転
体に対して駆動側に捩じれる捩じり特性正側領域で
は)、第1中間回転体と入力回転体との間で第1ばねと
第2ばねが並列に圧縮される。請求項3に記載のダンパ
ー機構は、入力回転体と出力回転体と弾性連結部材をと
を備えている。出力回転体は、入力回転体に対して回転
可能に配置されている。弾性連結部材は、入力回転体と
出力回転体とを回転方向に連結するための第1ばね及び
第2ばねを有する。捩じり特性正側領域は第1ばね及び
第2ばねが並列に圧縮される領域を含んでいる。捩じり
特性負側領域は第1ばね及び第2ばねが直列に圧縮され
る領域を含んでいる。
【0013】このダンパー機構では、捩じり特性負側領
域で第1ばね及び第2ばねが直列に圧縮されるため、い
ずれか一方のみが圧縮される場合に比べてより低剛性の
特性が得られる。請求項4に記載のダンパー機構では、
請求項3において、捩じり特性負側領域は、第1ばね及
び第2ばねが直列に圧縮される第1領域と、第1領域よ
り大きな捩じり角度において第1ばね及び第2ばねが並
列に圧縮される第2領域とを含んでいる。
【0014】このダンパー機構では、この結果、第1領
域における低剛性によって減速時の音振性能が向上し、
第2領域における高剛性によって負側においても十分な
ストッパートルクを実現できる。請求項5に記載のダン
パー機構は、請求項3又は4において、中間回転体をさ
らに備えている。中間回転体は、捩じり特性正側領域で
は出力回転体と一体回転し入力回転体との間で第1ばね
及び第2ばねを並列に圧縮し、捩じり特性負側領域では
第1ばね及び第2ばねの回転方向間で作用する中間部材
として機能する。
【0015】請求項6に記載のダンパー機構は、請求項
3又は4において、第1中間回転体と第2中間回転体を
さらに備えている。第1中間回転体は、第1及び第2ば
ねの回転方向両端を回転方向に支持し、出力回転体の駆
動側面に所定の隙間角度を空けて配置されている。第2
中間回転体は、第1ばねの逆駆動側端を回転方向に支持
し、出力回転体の駆動側面に対して第1中間回転体より
近接して配置されている。第1ばねの駆動側端は、第1
中間回転体に当接しており、入力回転体から所定角度離
れている。
【0016】出力回転体が入力回転体に対して駆動側に
捩じれていくと(つまり入力回転体が出力回転体に対し
て逆駆動側に捩じれる捩じり特性負側領域では)、出力
回転体は初めに第2中間回転体に当接し第2中間回転体
を駆動側に移動させる。このとき、第2中間回転体は第
1ばねを押し、第1ばねは第1中間回転体を押し、第1
中間回転体は第2ばねを押す。つまり、第1ばねと第2
ばねは第1中間回転体を間に介して、出力回転体と入力
回転体との間で直列に圧縮される。続いて第1ばねの駆
動側端が入力回転体に当接しかつ出力回転体が第1中間
回転体に当接すると、以後は第1ばねは第2中間回転体
と入力回転体との間で圧縮され、第2ばねは第1中間回
転体と入力回転体との間で圧縮される。以上をまとめる
と、捩じり特性負側領域は、第1ばねと第2ばねが直列
に圧縮される第1領域と、第1領域より大きな捩じり角
度において第1ばねと第2ばねが並列に圧縮される第2
領域とを含んでいる。この結果、第1領域における低剛
性によって減速時の音振性能が向上し、第2領域におけ
る高剛性によって負側においても十分なストッパートル
クを実現できる。
【0017】なお、出力回転体が入力回転体に対して逆
駆動側に捩じれていくと(つまり入力回転体が出力回転
体に対して駆動側に捩じれる捩じり特性正側領域で
は)、第1中間回転体と入力回転体との間で第1ばねと
第2ばねが並列に圧縮される。請求項7に記載のダンパ
ーディスク組立体は、1対の入力側回転プレートと、ハ
ブと、円板状ハブフランジと、弾性部材と、弾性連結部
材と、サブプレートとを備えている。ハブは、1対の入
力側回転プレートの内周側に相対回転可能に配置されて
いる。円板状ハブフランジは、1対の入力側回転プレー
トの軸方向間に配置されハブに対して所定角度範囲内で
相対回転可能である。弾性部材はハブとハブフランジと
を回転方向に弾性的に連結する。弾性連結部材は、ハブ
フランジと1対の入力側回転プレートとを回転方向に連
結するための部材であり、第1ばねと第2ばねとを有す
る。サブプレートは、1対の入力側回転プレートの軸方
向間に配置され、第1ばねの逆駆動側端に当接し、ハブ
に所定角度範囲内で相対回転可能に係合する。ハブとそ
の駆動側にあるサブプレートとの隙間は、ハブとその駆
動側にあるハブフランジとの隙間より小さい。
【0018】ハブが1対の入力側回転プレート対して駆
動側に捩じれていくと(つまり1対の入力側回転プレー
トがハブに対して逆駆動側に捩じれる捩じり特性負側領
域では)、ハブは初めにサブプレートに当接しサブプレ
ートを駆動側に移動させる。このとき、サブプレートと
1対の入力側回転プレートとの間で第1ばねが圧縮され
る。続いてハブがハブフランジに当接しハブフランジを
駆動側に移動させる。このとき、ハブフランジと1対の
入力側回転プレートとの間で第2ばねが圧縮される。以
上をまとめると、捩じり特性負側領域は、第1ばねのみ
が圧縮される第1領域と、第1領域より大きな捩じり角
度において第1ばね及び第2ばねが並列に圧縮される第
2領域とを含んでいる。この結果、第1領域における低
剛性によって減速時の音振性能が向上し、第2領域にお
ける高剛性によって負側においても十分なストッパート
ルクを実現できる。
【0019】なお、ハブが1対の入力側プレートに対し
て逆駆動側に捩じれていくと(つまり1対の入力側回転
プレートがハブに対して駆動側に捩じれる捩じり特性正
側領域では)、ハブフランジと1対の入力側回転プレー
トとの間で第1ばねと第2ばねが並列に圧縮される。請
求項8に記載のダンパーディスク組立体は、1対の入力
側回転プレートと、ハブと、円板状ハブフランジと、弾
性部材と、弾性連結部材と、サブプレートとを備えてい
る。ハブは、1対の入力側回転プレートの内周側に相対
回転可能に配置されている。円板状ハブフランジは、1
対の入力側回転プレートの軸方向間に配置されハブに対
して所定角度範囲内で相対回転可能である。弾性部材
は、ハブとハブフランジとを回転方向に弾性的に連結す
る。弾性連結部材は、ハブフランジと1対の入力側回転
プレートとを回転方向に連結するための部材であり、第
1ばねと第2ばねとを有する。サブプレートは、1対の
入力側回転プレートの軸方向間に配置され、第1ばねの
逆駆動側端に当接し、ハブに所定角度範囲内で相対回転
可能に係合する。ハブとその駆動側にあるサブプレート
との隙間は、ハブとその駆動側にあるハブフランジとの
隙間より小さい。第1ばねの駆動側端は、ハブフランジ
によって回転方向に支持されており、1対の入力側回転
プレートからは所定角度離れている。
【0020】ハブが1対の入力側回転プレートに対して
駆動側に捩じれていくと(つまり1対の入力側回転プレ
ートがハブに対して逆駆動側に捩じれる捩じり特性負側
領域では)、ハブは初めにサブプレートに当接しサブプ
レートを駆動側に移動させる。このとき、サブプレート
は第1ばねを押し、第1ばねはハブフランジを押し、ハ
ブフランジは第2ばねを押す。つまり、第1ばねと第2
ばねはハブフランジを間に介して、ハブと1対の入力側
回転プレートとの間で直列に圧縮される。続いて第1ば
ねの駆動側端が1対の入力側回転プレートに当接しかつ
ハブがハブフランジに当接すると、以後は第1ばねはサ
ブプレートと1対の入力側回転プレートとの間で圧縮さ
れ、第2ばねはハブフランジと1対の入力側回転プレー
トとの間で圧縮される。以上をまとめると、捩じり特性
負側領域は、第1ばねと第2ばねが直列に圧縮される第
1領域と、第1領域より大きな捩じり角度において第1
ばねと第2ばねが並列に圧縮される第2領域とを含んで
いる。この結果、第1領域において第1ばね及び第2ば
ねが直列に圧縮されるためいずれか一方のみが圧縮され
る場合に比べてより低い剛性によって減速時の音振性能
が向上し、第2領域における高剛性によって負側におい
ても十分なストッパートルクを実現できる。
【0021】なお、ハブが1対の入力側回転プレートに
対して逆駆動側に捩じれていくと(つまり1対の入力側
回転プレートがハブに対して駆動側に捩じれる捩じり特
性正側領域では)、ハブフランジと1対の入力側回転プ
レートとの間で第1ばねと第2ばねが並列に圧縮され
る。
【0022】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施形態のクラ
ッチディスク組立体1の断面図を示し、図2にその平面
図を示す。クラッチディスク組立体1は、車輌のクラッ
チ装置に用いられる動力伝達装置であり、クラッチ機能
とダンパー機能とを有している。クラッチ機能とはフラ
イホイール(図示せず)に連結及び離反することによっ
てトルクを伝達及び遮断する機能である。ダンパー機能
とは、ばね等によりフライホイール側から入力されるト
ルク変動等を吸収・減衰する機能である。
【0023】図1においてO−Oがクラッチディスク組
立体1の回転軸すなわち回転中心線である。また、図1
の左側にエンジン及びフライホイール(図示せず)が配
置され、図1の右側にトランスミッション(図示せず)
が配置されている。さらに、図2のR1側がクラッチデ
ィスク組立体1の回転方向駆動側(正側)であり、R2
側からその反対側(負側)である。
【0024】クラッチディスク組立体1は、主に、入力
回転体2(クラッチプレート21,リティーニングプレ
ート22, クラッチディスク23)と、出力回転体とし
てのハブ3と、入力回転体2とハブ3との間に形成され
たダンパー機構4とから構成されている。ダンパー機構
4は、入力回転体2とハブ3との間でトルクを伝達する
ともに両者間の捩じり振動を吸収・減衰するための機構
である。ダンパー機構4は、後述するように、小コイル
スプリング7, 大コイルスプリング8及び大摩擦機構1
3などを含んでいる。
【0025】入力回転体2はフライホイール(図示せ
ず)からのトルクが入力される部材である。入力回転体
2は、主に、クラッチプレート21と、リティーニング
プレート22と、クラッチディスク23とから構成され
ている。クラッチプレート21とリティーニングプレー
ト22は共に板金製の円板状又は環状の部材であり、軸
方向に所定の間隔を空けて配置されている。クラッチプ
レート21はエンジン側に配置され、リティーニングプ
レート22はトランスミッション側に配置されている。
クラッチプレート21とリティーニングプレート22は
後述する板状連結部31により互いに固定され、その結
果軸方向の間隔が定めされると共に一体回転するように
なっている。
【0026】クラッチディスク23は、図示しないフラ
イホイールに押し付けられる部分である。クラッチディ
スク23は、クッショニングプレート24と、第1及び
第2摩擦フェーシング25とから主に構成されている。
クッショニングプレート24は、環状部24aと、環状
部24aの外周側に設けられ回転方向に並ぶ複数のクッ
ショニング部24bと、環状部24aから半径方向内側
に延びる複数の連結部24cとから構成されている。連
結部24cは4カ所に形成され、各々がリベット27
(後述)によりクラッチプレート21に固定されてい
る。クッショニングプレート24の各クッショニング部
24bの両面には、摩擦フェーシング25がリベット2
6により固定されている。
【0027】クラッチプレート21及びリティーニング
プレート22の外周部には、回転方向に等間隔で4つの
角窓35がそれぞれ形成されている。各角窓35には、
内周側と外周側にそれぞれ額縁35a,35bが形成さ
れている。この額縁35a,35bは後述の大コイルス
プリング8の軸方向及び半径方向への移動を規制するた
めのものである。また、角窓35には、大コイルスプリ
ング8の端部に当接又は近接する当接部36が円周方向
両端に形成されている。
【0028】クラッチプレート21及びリティーニング
プレート22には、それぞれ中心孔37(内周縁)が形
成されている。この中心孔37内には出力回転体として
のハブ3が配置されている。ハブ3は、軸方向に延びる
筒状のボス52と、ボス52から半径方向に延びるフラ
ンジ54とから構成されている。ボス52の内周部に
は、トランスミッション側から延びる図示しないシャフ
トに係合するスプライン孔53が形成されている。フラ
ンジ54には回転方向に並んだ複数の外周歯55及び後
述の小コイルスプリング7を収容するための切欠き56
等が形成されている。切欠き56は半径方向に対向する
2カ所に形成されている。
【0029】ハブフランジ6は、ハブ3の外周側で、か
つ、クラッチプレート21とリティーニングプレート2
2との間に配置された円板状の部材である。ハブフラン
ジ6は、小コイルスプリング7を介してハブ3と回転方
向に弾性的に連結され、さらには大コイルスプリング8
を介して入力回転体2に弾性的に連結されている。図3
に詳細に示すように、ハブフランジ6の内周縁には複数
の内周歯59が形成されている。内周歯59は前述の外
周歯55の間に配置され、回転方向に所定の隙間をあけ
て配置されている。外周歯55と内周歯59とは回転方
向に互いに当接可能である。すなわち外周歯55と内周
歯59とによりハブ3とハブフランジ6との捩じり角度
を規制するための第1ストッパー9が形成されている。
ここでストッパーとは、所定角度までは両部材の相対回
転を許容するが、所定角度になると互いに当接しそれ以
上の相対回転を禁止する構造をいう。外周歯55とその
円周方向両側の内周歯59との間にはそれぞれ隙間角度
θ1,θ3が確保されている。外周歯55から見てR2
側の内周歯59との間の隙間角度であるθ1は8°であ
り、外周歯55から見てR1側の内周歯59との間の隙
間角度であるθ3は9°である。
【0030】さらに、ハブフランジ6の内周縁には、フ
ランジ54の切欠き56に対応して切欠き67が形成さ
れている。各切欠き56, 67内には、1つずつ小コイ
ルスプリング7が配置されている。小コイルスプリング
7は低剛性のコイルスプリングであり、2つの小コイル
スプリング7は並列に作用する。小コイルスプリング7
は円周方向両端においてスプリングシート7aを介して
切欠き56, 67の円周方向両端に係合している。以上
の構造によって、ハブ3とハブフランジ6とが相対回転
する際には第1ストッパー9の作動角の範囲内で小コイ
ルスプリング7が回転方向に圧縮される。
【0031】ハブフランジ6には回転方向に等間隔で4
つの窓孔41が形成されている。窓孔41は回転方向に
長く延びる形状である。ハブフランジ6において各窓孔
41の円周方向間には半径方向外側が開いた切欠き42
が形成されている。切欠き42は半径方向内側から外側
に向かって円周方向長さが長くなる扇形状である。各窓
孔41が形成された部分の半径方向外側には、突起49
が形成されている。すなわち突起49はハブフランジ6
の外周縁からさらに半径方向外側に延びる突起形状であ
る。
【0032】大コイルスプリング8はクラッチディスク
組立体1のダンパー機構4に用いられる弾性連結部材す
なわちばねである。各大コイルスプリング8は同心に配
置された1対のコイルスプリングから構成されている。
各大コイルスプリング8は各小コイルスプリング7に比
べて大型であり、ばね定数が大きい。この実施形態では
4つの大コイルスプリング8は全て同一の寸法・ばね定
数を有している。大コイルスプリング8は各窓孔41,
35内に収容されている。大コイルスプリング8は、回
転方向に長く延びており、窓孔41全体にわたって配置
されている。大コイルスプリング8の円周方向両端は、
窓孔41の当接部44と当接部36とに当接又は近接し
ている。
【0033】リティーニングプレート22の外周縁に
は、回転方向に等間隔で4カ所に板状連結部31が形成
されている。板状連結部31は、クラッチプレート21
とリティーニングプレート22とを互いに連結するもの
であり、さらに後述するようにクラッチディスク組立体
1のストッパーの一部を構成している。板状連結部31
は、リティーニングプレート22から一体に形成された
板状部材であり、回転方向に所定の幅を有している。板
状連結部31は、各窓孔41の円周方向間すなわち切欠
き42に対応して配置されている。板状連結部31は、
リティーニングプレート22の外周縁から軸方向に延び
るストッパー部32と、ストッパー部32の端部から半
径方向内側に延びる固定部33とから構成されている。
ストッパー部32はリティーニングプレート22の外周
縁からクラッチプレート21側に延びている。固定部3
3は、ストッパー部32の端部から半径方向内側に折り
曲げられている。以上に述べた板状連結部31はリティ
ーニングプレート22と一体の部分であり、厚みはリテ
ィーニングプレート22とほぼ同じである。そのため、
ストッパー部32は、主面が半径方向に向いており、半
径方向にはリティーニングプレート22の板厚に相当す
る幅のみを有している。固定部33はクッショニングプ
レート24の連結部24cに平行にかつトランスミッシ
ョン側から当接している。リベット27は、固定部33
とクラッチプレート21とクッショニングプレート24
とを一体に連結している。さらに、リティーニングプレ
ート22において固定部33に対応する位置にはかしめ
用孔34が形成されている。
【0034】板状連結部31のストッパー部32と突起
49とによって、第2ストッパー10が形成されてい
る。サブプレート11は、ハブ3の外周側において、ク
ラッチプレート21とハブフランジ6との間、及びハブ
フランジ6とリティーニングプレート22との間に配置
された1対のプレート部材である。サブプレート11
は、円板状又は環状のプレート部材であり、入力回転体
2とハブ3との間でダンパー機構4の一部を構成してい
る。サブプレート11の内周縁には複数の内周歯66が
形成されている。内周歯66はハブフランジ6の内周歯
59と軸方向に重なるように配置されている。図3に詳
細に示すように、内周歯66は内周歯59に比べて円周
方向幅が広く、回転方向R1側端は一致しているが、R
2側端は円周方向外側にはみでている。内周歯66は、
ハブ3の外周歯55と回転方向に所定の隙間をあけて配
置されている。すなわちこの隙間の範囲内でハブ3とサ
ブプレート11とは相対回転可能となっている。外周歯
55と内周歯66とにより、ハブ3とサブプレート11
との相対回転角度を規制する第3ストッパー12が形成
されている。より具体的には、外周歯55と内周歯66
との間には隙間角度θ1,θ2の隙間が確保されてい
る。外周歯55から見てR2側の内周歯66との間の隙
間角度であるθ1は8°であり、外周歯55から見てR
1側の内周歯66との間の隙間角度であるθ2は2°で
ある。
【0035】θ2はθ3より小さい。このことは、ハブ
3の外周歯55のR1側面(駆動側側面)に対して、サ
ブプレート11の内周歯66がハブフランジ6の内周歯
59より近接して配置されていることを意味する。つま
り、ハブ3がR1側に捩じれるときに、ハブ3はハブフ
ランジ6より先にサブプレート11に当接して駆動す
る。
【0036】1対のサブプレート11のうちリティーニ
ングプレート22側に配置されたサブプレート11に
は、半径方向外側に延びる1対の突出部61が形成され
ている。各突出部61は半径方向に対向する位置にあ
り、第1ばね8AのR2側端に当接している。言いかえ
ると、突出部61は窓孔41のR2側当接部44と一致
する端面を有している。
【0037】1対のサブプレート11同士は、複数のピ
ン62によって、相対回転不能であり、かつ、互いに軸
方向の位置決めがされている。各サブプレート11とハ
ブフランジ6との間には、それぞれスペーサが配置され
ている。ハブフランジ6にはピン62が貫通する複数の
孔69が形成されている。孔69は円周方向に長く延び
ており、ピン62は孔69のR2側端に近接又は当接し
ている。つまり、サブプレート11はハブフランジ6に
対してR2側にはほとんど相対回転不能であるが、R1
側には所定角度まで相対回転可能である。
【0038】次に、摩擦発生機構を構成する各部材につ
いて説明する。第2摩擦ワッシャー72は、トランスミ
ッション側のサブプレート11の内周部とリティーニン
グプレート22の内周部との間に配置されている。第2
摩擦ワッシャー72はトランスミッション側のサブプレ
ート11のトランスミッション側の面に当接し、リティ
ーニングプレート22に対して相対回転不能に係合して
いる。第2摩擦ワッシャー72とリティーニングプレー
ト22との間には第2コーンスプリング73が配置され
ている。第2コーンスプリング73は、第2摩擦ワッシ
ャー72の本体とリティーニングプレート22との間で
圧縮された状態で配置されている。第1摩擦ワッシャー
79はフランジ54とリティーニングプレート22の内
周部との間に配置されている。すなわち、第1摩擦ワッ
シャー79は第2摩擦ワッシャー72の内周側でかつボ
ス52の外周側に配置されている。第1摩擦ワッシャー
79は、フランジ54に当接しており、第2摩擦ワッシ
ャー72に相対回転不能に係合している。これにより、
第1摩擦ワッシャー79は第2摩擦ワッシャー72を介
してリティーニングプレート22と一体回転可能であ
る。第1摩擦ワッシャー79とリティーニングプレート
22の内周部との間には第1コーンスプリング80が配
置されている。第1コーンスプリング80は第1摩擦ワ
ッシャー79とリティーニングプレート22の内周部と
の間で軸方向に圧縮された状態で配置されている。な
お、第1コーンスプリング80の付勢力は第2コーンス
プリング73の付勢力より小さくなるように設計されて
いる。また、第1摩擦ワッシャー79及び第2摩擦ワッ
シャー72は樹脂製であるが、第1摩擦ワッシャー79
は第2摩擦ワッシャー72に比べて摩擦係数が低い材料
から構成されている。このため、第1摩擦ワッシャー7
9によって発生する摩擦(ヒステリシストルク)は第2
摩擦ワッシャー72で発生する摩擦より大幅に小さくな
っている。
【0039】クラッチプレート21の内周部とフランジ
54及びサブプレート11の内周部との間には第3摩擦
ワッシャー85と第4摩擦ワッシャー86が配置されて
いる。第3摩擦ワッシャー85及び第4摩擦ワッシャー
86は樹脂製の環状部材である。第3摩擦ワッシャー8
5はクラッチプレート21の内周縁に相対回転不能に係
合し、その内周面はボス52の外周面に摺動可能に当接
している。すなわち、クラッチプレート21は第3摩擦
ワッシャー85を介してハブ3に半径方向の位置決めを
されている。第3摩擦ワッシャー85はフランジ54に
対して軸方向エンジン側から当接している。第4摩擦ワ
ッシャー86は第3摩擦ワッシャー85の外周側に配置
されている。第4摩擦ワッシャー86は、軸方向エンジ
ン側のサブプレート11に当接し、クラッチプレート2
1に相対回転不能に係合している。第3摩擦ワッシャー
85と第4摩擦ワッシャー86は互いに相対回転不能に
係合している。なお、第3摩擦ワッシャー85と第4摩
擦ワッシャー86は別体の部材であり、第4摩擦ワッシ
ャー86は第3摩擦ワッシャー85に対して摩擦係数が
高い材料から構成されている。
【0040】以上に述べた摩擦機構において、第2摩擦
ワッシャー72及び第4摩擦ワッシャー86とサブプレ
ート11との間に比較的高いヒステリシストルクを発生
させる大摩擦機構13(摩擦機構)が形成されている。
さらに、第1摩擦ワッシャー79及び第3摩擦ワッシャ
ー85と、フランジ54との間に低ヒステリシストルク
を発生する小摩擦機構15を形成している。小摩擦機構
15は、概ね、捩じり特性の正負1段目領域(θC〜θ
A)において作動し、低ヒステリシストルクを発生する
ための機構である。大摩擦機構13は、概ね、捩じり特
性の正負1段目領域(θC〜θA)において作動せず、
正側2段目領域(θA〜θB)及び負側2段目領域(θ
C〜θE)において作動して高ヒステリシストルクを発
生するための構造である。
【0041】図4はクラッチディスク組立体1のダンパ
ー機構4の機械回路図である。この機械回路図は、ダン
パー機構4における各部材の回転方向の関係を模式的に
描いたものである。したがって一体回転する部材は同一
の部材として取り扱っている。図4から明らかなよう
に、入力回転体2とハブ3との間にはダンパー機構4を
構成するための複数の部材、例えばハブフランジ6やサ
ブプレート11さらには第1及び第2ばね8A,8Bが
配置されている。ハブフランジ6は入力回転体2とハブ
3との回転方向間に配置されている。ハブフランジ6は
ハブ3に小コイルスプリング7を介して回転方向に弾性
的に連結されているが、小コイルスプリング7は図示さ
れていない。ハブフランジ6とハブ3との間には第1ス
トッパー9が形成されている。ハブフランジ6は入力回
転体2に対して大コイルスプリング8を介して回転方向
に弾性的に連結されている。また、ハブフランジ6と入
力回転体2との間には第2ストッパー10が形成されて
いる。
【0042】以上に述べたように、入力回転体2とハブ
3は、直列に配置された小コイルスプリング7と大コイ
ルスプリング8とにより回転方向に弾性的に連結されて
いる。ここでは、ハブフランジ6は2種類のばねの間に
配置された中間部材として機能している。小コイルスプ
リング7全体の剛性は大コイルスプリング8全体の剛性
よりはるかに小さく設定されている。サブプレート11
は入力回転体2とハブ3との回転方向間に配置されてい
る。サブプレート11は、ハブ3との間に第3ストッパ
ー12を構成し、第1ばね8AのR2側端に当接又は近
接している。
【0043】このクラッチディスク組立体1の捩り特性
を、図4〜図7の機械回路図及び図8の捩り特性線図に
よって説明する。なお、図8の捩じり特性線図ではヒス
テリシストルクの大きさについては表示していない。図
2及び図3に示す中立状態から、ハブ3を他の部材に対
して回転方向R2側に捩っていく。すると、ハブ3とハ
ブフランジ6との間で第1小コイルスプリング7が圧縮
される。θ1だけ捩れて捩り角度がθAになると、第1
ストッパー9において外周歯55が内周歯59及び内周
歯66に当接する。このときの状態を図4に示す。これ
以降はハブフランジ6及びサブプレート11はハブ3と
共に回転し、小コイルスプリング7の圧縮は停止され
る。捩り角度Aから捩り角度θBまでの間では、4つの
大コイルスプリング8がハブフランジ6とプレート2
1,22との間で並列に圧縮される。言いかえると、1
対の第1ばね8Aと1対の第2ばね8Bとが並列に圧縮
される。捩り特性正側で捩り角度が最も大きくなり、第
2ストッパー10によって相対回転が停止されたθBで
のダンパー機構4の状態を図5に示す。
【0044】図2及び図3に示す中立状態からハブ3を
他の部材に対して回転方向R1側に捩っていく。する
と、ハブ3とハブフランジ6との間で小コイルスプリン
グ7が圧縮される。捩り角度0からθ2だけ捩れた捩り
角度θCになると、第3ストッパー12において外周歯
55がサブプレート11の内周歯66に当接する。これ
以降は、サブプレート11はハブ3と一体に回転し、ハ
ブフランジ6に対して相対回転する。ハブ3はハブフラ
ンジ6に対して相対回転して行き、小コイルスプリング
7はハブ3とハブフランジ6との間で圧縮される。一
方、サブプレート11はハブフランジ6に対して相対回
転し、1対の第1ばね8Aがサブプレート11とハブフ
ランジ6との間で圧縮される。具体的には、サブプレー
ト11の突出部61とハブフランジ6の窓孔41のR1
側の当接部44との間で1対の第1ばね8Aが圧縮され
る。このようにして、小コイルスプリング7と1対の第
1ばね8Aが並列に圧縮されていく。以上の動作におい
て1対の第2ばね8Bは圧縮されない。この結果、負側
2段目領域(θC〜θE)の第1領域(θC〜θD )
の剛性は、正側2段目領域(θA〜θB)剛性の概ね1
/2になる。
【0045】捩り角度θCからさらにθ4だけ捩れすな
わち捩り角度0からθ3だけ捩れて捩り角度θDになる
と、第1ストッパー9において外周歯55が内周歯59
に当接する。このときの状態を図6に示す。これ以降
は、ハブフランジ6は、サブプレート11及びハブ3と
一体回転し、入力回転体2に対して相対回転する。1対
の第1ばね8Aは、サブプレーは11の突出部61と入
力回転体2の角窓35における当接部36との間で圧縮
される。また、1対の第2ばね8Bはハブフランジ6と
1対のプレート21,22との間で圧縮される。より具
体的には、1対の第2ばね8Bは、窓孔41のR2側当
接部44と角窓35のR1側当接部36との間で圧縮さ
れる。このようにして、1対の第1ばね8Aと1対の第
2ばね8Bとが並列に圧縮される。捩り特性負側で捩り
角度が最も大きくなり、第2ストッパー10によって相
対回転が停止された捩じり角度θBでのダンパー機構4
の状態を図7に示す。 〔捩じり特性と振動減衰・吸収効果との関係〕捩じり特
性の正負1段目領域(θC〜θA)における低剛性・低
ヒステリシストルクの特性によって、中立時アイドリン
グ振動に対して効果的である。また、正側2段目領域
(θA〜θB)の高剛性・高ヒステリシストルクの特性
によって通常走行時の異音を効果的に減衰できる。
【0046】捩じり特性負側領域の第1領域(θC〜θ
D)では第1ばね8Aのみが圧縮されるため、低剛性の
特性が得られる。したがって、この低剛性によって減速
時の音振性能が向上する。さらに、捩じり特性負側領域
の第2領域(θD〜θE)における高剛性によって負側
においても十分なストッパートルクを実現できる。第2実施形態 図9に示すクラッチディスク組立体1の構造は概ね前記
実施形態に示したものと同様である。そのため、ここで
は異なる構造についてのみ説明する。図9に示すよう
に、1対の第1ばね8AのR1端63とそれに対応する
角窓35のR1側の当接部36との間には各々円周方向
に隙間が形成されている。この隙間の円周方向角度はθ
5である。このクラッチディスク組立体1のダンパー機
構4の機械回路図を図10に示す。以下このクラッチデ
ィスク組立体1の捩り特性を、図10〜図13の機械回
路図及び図14の捩り特性線図によって説明する。な
お、図14の捩じり特性線図ではヒステリシストルクの
大きさについては表示していない。
【0047】図10から図11の状態に移行する捩り特
性正側領域の動作・特性は前記実施形態と同様である。
図2及び図3に示す中立状態からハブ3を回転方向R1
側に捩っていく。すると、ハブ3とハブフランジ6との
間で小コイルスプリング7が圧縮される。捩り角度θ
C′になると、第3ストッパー12において外周歯55
がサブプレート11の内周歯66に当接する。これ以降
はサブプレート11はハブ3と一体に回転し、ハブフラ
ンジ6に対して相対回転する。これにより、サブプレー
ト11の突出部は1対の第1ばね8AをR1側に押し、
1対の第1ばね8Aはハブフランジ6をR1側に押す。
これが可能なのは1対の第1ばね8AのR1側端がプレ
ート21,22の角窓35のR1側の当接部36から離
れているためである(図9及び図10を参照)。すなわ
ち、第1ばね8Aは、プレート21,22を押すことが
できず、ハブフランジ6のみをR1側に押していく。そ
して、ハブフランジ6は1対の第2ばね8BをR1側に
押していく。このようにして、第1ばね8Aはサブプレ
ート11とハブフランジ6との間で圧縮され、第2ばね
8Bはハブフランジ6と1対のプレート21,22との
間で圧縮される。言いかえると、1つの第1ばね8Aと
1つの第2ばね8Bとは、ハブフランジ6を中間フロー
ト体として、ハブ3と入力回転体2との間で直列に圧縮
される。すなわち、直列に作用する第1及び第2ばね8
A,8Bが2組機能している。この結果、負側2段目領
域(θC’〜θE’)の第1領域(θC’〜θD' )の
剛性は、正側2段目領域(θA’〜θB’)剛性の約1
/4になる。このように、本実施形態においては、従来
又は前記第1実施形態に比べて捩じり特性負側領域の剛
性をさらに低くできる。
【0048】捩り角度θC′からθ5だけ大きくなった
捩り角度θD′になると、図12に示すように、1対の
第1ばね8AのR1側端63が1対のプレート21,2
2の角窓35のR1側の当接部36に当接する。そのた
め、これ以降は1対の第1ばね8Aはサブプレート11
と1対のプレート21,22との間で圧縮される。ま
た、捩り角度θD′においてはそれまで圧縮されていた
1対の第1ばね8Aのトルクがサブプレート11とプレ
ート21,22とに作用するため、捩じりトルクが急激
に大きくなる。このようにして、1対の第1ばね8Aは
サブプレート11とプレート21,22との間で圧縮さ
れ、1対の第2ばね8Bはハブフランジ6とプレート2
1,22との間で圧縮される。捩り特性負側で捩り角度
が最も大きくなり、第2ストッパー10によって相対回
転が停止されたθBでのダンパー機構4の状態を図13
に示す。 〔捩じり特性と振動減衰・吸収効果との関係〕捩じり特
性の正負1段目領域(θC’〜θA’)における低剛性
・低ヒステリシストルクの特性によって、中立時アイド
リング振動に対して効果的である。また、正側2段目領
域(θA’〜θB’)の高剛性・高ヒステリシストルク
の特性によって通常走行時の異音を効果的に減衰でき
る。
【0049】捩じり特性負側領域の第1領域(θC’〜
θD’)では第1ばね8A及び第2ばね8Bが直列に圧
縮されるため、いずれか一方のみが圧縮される場合に比
べてより低剛性の特性が得られる。したがって、この低
剛性によって減速時の音振性能が向上する。さらに、捩
じり特性負側領域の第2領域(θD’〜θE’)におけ
る高剛性によって負側においても十分なストッパートル
クを実現できる。 〔変形例〕本発明に係るダンパー機構は前記実施形態に
限定されない。例えば、ハブフランジとスプラインハブ
が一体に形成されたダンパー機構にも本発明を採用でき
る。その場合は捩じり特性において1段目の低剛性領域
が省略されることになる。また、捩じり特性正負両側の
両端や負側領域の第1領域と第2領域との間に異なる剛
性の領域を付加しても良い。
【0050】本発明に係るダンパー機構は、クラッチデ
ィスク組立体以外にも採用可能である。例えば、本発明
に係るダンパー機構は、2つのフライホイールを回転方
向に弾性的に連結するダンパー機構やトルクコンバータ
のロックアップダンパーに採用できる。
【0051】
【発明の効果】本発明に係るダンパー機構では、負側第
1領域における低剛性によって減速時の音振性能が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】クラッチディスク組立体の縦断面概略図。
【図2】クラッチディスク組立体の平面図。
【図3】図2の部分拡大図。
【図4】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機械
回路図。
【図5】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機械
回路図。
【図6】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機械
回路図。
【図7】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機械
回路図。
【図8】ダンパー機構の捩じり特性線図。
【図9】第2実施形態におけるクラッチディスク組立体
の平面図。
【図10】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図11】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図12】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図13】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図14】第2実施形態におけるダンパー機構の捩り特
性線図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体 2 入力回転体 3 出力回転体 4 ダンパー機構 6 ハブフランジ 7 小コイルスプリング 8 大コイルスプリング 8A 第1ばね 8B 第2ばね 11 サブプレート 21 クラッチプレート 22 リティーニングプレート

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力回転体(2)と、 前記入力回転体に対して回転可能に配置された出力回転
    体(3)と、 前記入力回転体と前記出力回転体とを回転方向に連結す
    るための第1ばね(8A)及び第2ばね(8B)を有す
    る弾性連結部材(8)とを備え、 捩じり特性正側領域は前記第1ばね及び前記第2ばねが
    並列に圧縮される領域を含み、 捩じり特性負側領域は、前記第1ばねのみが圧縮される
    第1領域と、前記第1領域より大きな捩じり角度におい
    て前記第1ばね及び前記第2ばねが並列に圧縮される第
    2領域とを含む、ダンパー機構。
  2. 【請求項2】第1中間回転体(6)と第2中間回転体
    (11)とをさらに備え、 前記第1中間回転体は、前記第1ばね及び第2ばねの回
    転方向両端を支持し、前記出力回転体の駆動側面に所定
    の隙間角度(θ3)を空けて配置されており、 前記第2中間回転体は、前記第1ばねの逆駆動側端を回
    転方向に支持し、前記出力回転体の駆動側面に対して前
    記第1中間回転体より近接して配置されている、請求項
    1に記載のダンパー機構。
  3. 【請求項3】入力回転体(2)と、 前記入力回転体に対して回転可能に配置された出力回転
    体(3)と、 前記入力回転体と前記出力回転体とを回転方向に連結す
    るための第1ばね(8A)及び第2ばね(8B)を有す
    る弾性連結部材(8)とを備え、 捩じり特性正側領域は前記第1ばね及び前記第2ばねが
    並列に圧縮される領域を含み、 捩じり特性負側領域は前記第1ばね及び前記第2ばねが
    直列に圧縮される領域を含む、ダンパー機構。
  4. 【請求項4】捩じり特性負側領域は、前記第1ばね及び
    前記第2ばねが直列に圧縮される第1領域と、前記第1
    領域より大きな捩じり角度において前記第1ばね及び前
    記第2ばねが並列に圧縮される第2領域とを含んでい
    る、請求項3に記載のダンパー機構。
  5. 【請求項5】中間回転体(6)をさらに備え、 前記中間回転体は、捩じり特性正側領域では前記出力回
    転体と一体回転し前記入力回転体との間で前記第1ばね
    及び前記第2ばねを並列に圧縮し、捩じり特性負側領域
    では第1ばね及び第2ばねの回転方向間で作用する中間
    部材として機能する、請求項3又は4に記載のダンパー
    機構。
  6. 【請求項6】第1中間回転体(6)と第2中間回転体
    (11)をさらに備え、 前記第1中間回転体は、前記第1及び第2ばねの回転方
    向両端を回転方向に支持し、前記出力回転体の駆動側面
    に所定の隙間角度(θ3)を空けて配置されており、 前記第2中間回転体は、前記第1ばねの逆駆動側端を回
    転方向に支持し、前記出力回転体の駆動側面に対して前
    記第1中間回転体より近接して配置されており、 前記第1ばねの駆動側端(63)は、前記第1中間回転
    体に当接しており、前記入力回転体から所定角度(θ
    5)離れている、請求項3又は4に記載のダンパー機
    構。
  7. 【請求項7】1対の入力側回転プレート(21,22)
    と、 前記1対の入力側回転プレートの内周側に相対回転可能
    に配置されたハブ(3)と、 前記1対の入力側回転プレートの軸方向間に配置され前
    記ハブに対して所定角度範囲内で相対回転可能な円板状
    ハブフランジ(6)と、 前記ハブと前記ハブフランジとを回転方向に弾性的に連
    結する弾性部材(7)と、 前記ハブフランジと前記1対の入力側回転プレートとを
    回転方向に連結するための部材であり、第1ばね(8
    A)と第2ばね(8B)とを有する弾性連結部材(8)
    と、 前記1対の入力側回転プレートの軸方向間に配置され、
    前記第1ばねの逆駆動側端に当接し、前記ハブに所定角
    度範囲内で相対回転可能に係合するサブプレート(1
    1)とを備え、 前記ハブとその駆動側にある前記サブプレートとの隙間
    (θ2)は、前記ハブとその駆動側にある前記ハブフラ
    ンジとの隙間(θ3)より小さい、ダンパーディスク組
    立体。
  8. 【請求項8】1対の入力側回転プレート(21,22)
    と、 前記1対の入力側回転プレートの内周側に相対回転可能
    に配置されたハブ(3)と、 前記1対の入力側回転プレートの軸方向間に配置され前
    記ハブに対して所定角度範囲内で相対回転可能な円板状
    ハブフランジ(6)と、 前記ハブと前記ハブフランジとを回転方向に弾性的に連
    結する弾性部材(7)と、 前記ハブフランジと前記1対の入力側回転プレートとを
    回転方向に連結するための部材であり、第1ばね(8
    A)と第2ばね(8B)とを有する弾性連結部材(8)
    と、 前記1対の入力側回転プレートの軸方向間に配置され、
    前記第1ばねの逆駆動側端に当接し、前記ハブに所定角
    度範囲内で相対回転可能に係合するサブプレート(1
    1)とを備え、 前記ハブとその駆動側にある前記サブプレートとの隙間
    (θ2)は、前記ハブとその駆動側にある前記ハブフラ
    ンジとの隙間(θ3)より小さく、 前記第1ばねの駆動側端(63)は、前記ハブフランジ
    によって回転方向に支持されており、前記1対の入力側
    回転プレートから所定角度(θ5)離れている、ダンパ
    ーディスク組立体。
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