JP2001173599A - 多翼送風機及び建設機械の冷却装置 - Google Patents

多翼送風機及び建設機械の冷却装置

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JP2001173599A
JP2001173599A JP35680499A JP35680499A JP2001173599A JP 2001173599 A JP2001173599 A JP 2001173599A JP 35680499 A JP35680499 A JP 35680499A JP 35680499 A JP35680499 A JP 35680499A JP 2001173599 A JP2001173599 A JP 2001173599A
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fan
casing
air flow
rear guider
blade
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JP35680499A
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English (en)
Inventor
Seiichiro Takeshita
清一郎 竹下
Osamu Watanabe
修 渡邉
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ファンの回転により発生する騒音を十分に低減
することができる多翼送風機及びこれを用いた建設機械
の冷却装置を提供する。 【解決手段】ケーシング50内に配置したシロッコファ
ン51、又はリヤガイダ61との間に流路62を形成す
るクロスフローファン63を回転させて空気流を生起す
る多翼送風機において、ケーシング50又はリヤガイダ
61に、開口側がファンの外周側に臨むように配置され
た凹部60a〜c,68a〜eを設け、かつ、凹部60
a〜c,68a〜eのファン径方向における長さLを、
ファンの外径からファンの中心軸51b,63bまでの
距離をR[m]、ファンの羽根51a,63aの枚数を
N[枚]、1以上の整数をmとしたとき、L=μ×m×
(π×R)/N[m]となるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケーシング内に配
置したシロッコファン又はリヤガイダとの間に流路を形
成するクロスフローファンを備えた多翼送風機に関し、
さらに詳細には、ファンの回転により発生する騒音を十
分に低減することができる多翼送風機及び建設機械の冷
却装置を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】建設機械を構成するブーム、アーム、バ
ケット、旋回体、及び走行体等の動作部材は、通常、液
圧シリンダ(例えば油圧シリンダ、以下同様)、液圧モ
ータ等の液圧アクチュエータによって駆動される。建設
機械には、この液圧アクチュエータの液圧源として液圧
ポンプが設けられており、この液圧ポンプはエンジン等
の原動機によって駆動される。
【0003】一般に、前記液圧ポンプ及び前記原動機
は、原動機に接続するラジエータ等の熱交換器、消音器
(マフラ)といった補機とともに、建設機械を構成する
車体本体(例えば旋回体)に載置され、カバーで覆われ
ている。また、このカバー内の空間(いわゆるエンジン
室)において、前記原動機及び前記補機の動作中には、
それらの冷却を行うために、前記カバーの一方側に設け
た吸気孔から導入した空気を、冷却ファンにより前記熱
交換器、前記原動機、及び前記液圧ポンプの周囲に通過
させ、前記カバーの他方側に設けた排気孔から外部に排
出している。
【0004】ここで、前記の冷却ファンとしては、いわ
ゆる軸流ファン(プロペラファン)を備えた送風機が用
いられることが多かったが、近年、例えば特開平7−8
3054号公報に記載のように、容易に高圧大流量化が
図れるシロッコファン等を備えた多翼送風機を用いる構
成が提唱されている。上記従来技術では、建設機械(油
圧ショベル)の車体本体(旋回体)を覆うカバー内に、
シロッコファンをケーシング内に配置した多翼送風機を
設け、この多翼送風機で生起した空気流を用いて、前記
カバー内に配置したラジエータ、オイルクーラ等の熱交
換器及びエンジンを冷却している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した液
圧ポンプ、原動機、補機、及び冷却ファンは動作時に騒
音を発生し、この音が前記吸気孔及び排気孔から周囲に
流出するため、この騒音の低減を目的として従来より種
々の方策がなされている。この騒音低減の方策は種々の
ものがあるが、各機器からの発生音自体を低減する方策
が最も有効である。
【0006】近年、作業環境の変化や周辺環境の保全の
要求に基づき、建設機械から周囲への騒音低減が強く要
求されており、国内においては建設省の低騒音型・超低
騒音型建設機械の指定を受けることが営業上の大きなセ
ールスポイントとなり、海外においては、欧州騒音規則
に合格する騒音基準を持った建設機械を開発することが
急務となっている。
【0007】その基準の一例を挙げると、従来の騒音評
価は、建設機械の車体が静的な状態であるエンジン無負
荷最高回転数での評価(すなわち定置騒音評価)であっ
たが、これに代わって、建設機械の車体が動的な状態に
あるとき、具体的には掘削・走行・旋回動作等を含む模
擬作業負荷時における評価(すなわち作業騒音評価)が
要求される。このとき、従来の騒音測定は、車体側方4
方向において車体から所定距離にある複数箇所で平面的
に行われていたが、これに代わって、車体を囲む半球上
の複数箇所(水平方向4箇所と車体上方2箇所)で3次
元的に行われるようになっている。
【0008】このような背景のもと、今後の建設機械に
おいては、現行よりさらに進んだ低騒音化が要求されて
おり、その中でも周囲への騒音寄与率の大きい冷却ファ
ンについては、特にさらなる低騒音化が求められてい
る。
【0009】このような冷却ファンの低騒音化の観点に
立つと、上記従来技術は、以下のような課題が存在す
る。
【0010】すなわち、一般に、シロッコファンを備え
た多翼送風機においては、前記ケーシングとファン外径
との間の隙間をファン回転方向に沿って周方向に徐々に
大きくすることにより、ファンの羽根によって径方向外
周側に流出する空気の流れをスムーズに周方向に導き、
前記隙間が最大となった位置から最終的に吐出流路を経
て外部へ空気流を吐出するようになっている。このと
き、前記の隙間が比較的小さい位置ではファンから径方
向外周側に流出する空気がケーシングにほぼ垂直に激し
く衝突し、ファン回転時の騒音を増大させる要因となっ
ている。
【0011】上記従来技術においては、このファンの回
転による衝突音を低減させる方策について何ら配慮され
ていないため、ファン騒音を十分に低減することができ
ない。
【0012】本発明の目的は、ファンの回転により発生
する騒音を十分に低減することができる多翼送風機及び
これを用いた建設機械の冷却装置を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、ケーシング内に配置したシロッコ
ファン、又はリヤガイダとの間に流路を形成するクロス
フローファンを回転させて空気流を生起する多翼送風機
において、前記ケーシング又は前記リヤガイダに、開口
側が前記ファンの外周側に臨むように配置された少なく
とも1つの凹部を設け、かつ、この凹部の前記ファン径
方向における長さLは、前記ファンの外径から該ファン
の中心軸までの距離をR[m]、前記ファンの羽根の枚
数をN[枚]、1以上の整数をm、0.8〜1.2の数
をμとしたとき、L=μ×m×(π×R)/N[m]と
なるように構成されている。シロッコファンをケーシン
グ内に配置した多翼送風機では、通常、ケーシングとフ
ァン外径との間の隙間をファン回転方向に沿って周方向
に徐々に大きくすることにより、ファンの羽根によって
径方向外周側に流出する空気の流れをスムーズに周方向
に導き、前記隙間が最大となった位置から最終的に吐出
流路を経て外部へ空気流を吐出している。このとき、前
記の隙間が比較的小さい位置ではファンから径方向外周
側に流出する空気がケーシング内周面にほぼ垂直に激し
く衝突し、多翼送風機における騒音を増大させる要因と
なっている。
【0014】またクロスフローファンとリヤガイダとの
間に流路を形成した多翼送風機では、通常、リヤガイダ
とファン外径との間の隙間を空気流導入方向(ファン回
転方向)に沿って徐々に小さくしていき、空気流を最小
部に通過させた後、隙間を空気流導出方向に徐々に大き
くすることにより、最終的に吐出流路を経て空気流を外
部に吐出している。このとき、前記の隙間最小部近傍で
はファンによって周方向に送られる空気がリヤガイダ内
周面にほぼ垂直に激しく衝突し、多翼送風機における騒
音を増大させる要因となっている。
【0015】ところで、このような多翼送風機におい
て、ファン外径からファンの中心軸までの距離がR
[m]である場合、空気流のファン径方向成分Va[m
/sec]は、μが0.8〜1.2の値をとると仮定する
と、 Va=μRω =μR(2π/T) で表される。但し、ωは角速度[rad/sec]であり、T
はファンが1回転するときの周期[sec]である。
【0016】また、ファンのある1枚の羽根が通過した
後次の羽根が通過するまでの時間をTN[sec]とする
と、ファンの回転数をn[rpm]として、 TN=60/(n×N) で表される。
【0017】このとき、上記TとこのTNの間には、 T=N×TN の関係があることから、T=60/nとなる。
【0018】これを用いると、上記Vaは、 Va=μ×2π×R×(n/60) =μ(2π×R×n)/60 となる。
【0019】ここで、本発明においては、開口側がファ
ンの外周側に臨むように配置された凹部を設けることに
より、シロッコファンから径方向外周側に流出する空気
流成分又はクロスフローファンの外周側でリヤガイダに
向かって垂直に流れる空気流成分の少なくとも一部がこ
の凹部に流入するが、開口側と反対側の端部で折り返し
て再び開口側に戻ってくる。この凹部内の往復に要する
時間TL[sec]は、流入時の速度は上記Vaであること
から、凹部のファン径方向長さをL[m]とすれば、 TL=2L/Va =2L/{μ(2π×R×n)/60} =2L×{60/(μ×2π×R×n)} =60L/(μ×π×R×n) となる。
【0020】本発明においては、上記L=μ×m×(π
×R)/Nとなるように凹部を構成することにより、 TL=60{μ×m×(π×R)/N}/(μ×π×R×n) =(60π×m×R/N)/(π×R×n) =60×m/(n×N) となる。
【0021】したがって、 TL=m×TN の関係となることから、ある羽根により生起した空気流
成分が凹部の端部で折り返して径方向内側の凹部開口側
に再び戻ってきたとき、ちょうど次の羽根あるいはそれ
以降の羽根のどれかが通過することとなり、その羽根で
生起され凹部に向かってきた新たな空気流と衝突し打ち
消し合う。これがファンが回転している間継続的に繰り
返されることにより、ケーシング又はリヤガイダの内周
面へ衝突する向きに流出する空気流成分を減衰させるこ
とができる。したがって、シロッコファンから流出した
空気流のケーシングへの衝突、又はクロスフローファン
とリヤガイダとの間を通過する空気流のリヤガイダへの
衝突を弱めることができ、そのときの衝突音を低減する
ことができるので、ファンの回転により発生する騒音を
十分に低減することができる。
【0022】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記凹部は、前記Lの深さを備えた溝又は前記Lの軸方
向長さを備えた閉塞管である。
【0023】(3)上記(1)において、また好ましく
は、前記凹部は、前記ファンから流出する空気流を取り
込んでその干渉作用により前記空気流のファン径方向成
分を減衰させる。
【0024】(4)上記目的を達成するために、また本
発明は、建設機械の車体本体を覆うカバー内に、ケーシ
ング内に配置したシロッコファン、又はリヤガイダとの
間に流路を形成するクロスフローファンを設け、前記フ
ァンを回転させ生起した空気流を用いて前記カバー内に
配置したラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器及びエ
ンジンを冷却する建設機械の冷却装置において、前記ケ
ーシング又は前記リヤガイダに、開口側が前記ファンの
外周側に臨むように配置された少なくとも1つの凹部を
設け、かつ、この凹部の前記ファン径方向における長さ
Lは、前記ファンの外径から該ファンの中心軸までの距
離をR[m]、前記ファンの羽根の枚数をN[枚]、1
以上の整数をm、0.8〜1.2の数をμとしたとき、
L=μ×m×(π×R)/N[m]となるように構成さ
れている。
【0025】(5)上記(4)において、好ましくは、
前記凹部は、前記Lの深さを備えた溝又は前記Lの軸方
向長さを備えた閉塞管である。
【0026】(6)上記(4)において、また好ましく
は、前記凹部は、前記ファンから流出する空気流を取り
込んでその干渉作用により前記空気流のファン径方向成
分を減衰させる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を油圧ショベルに適
用した場合の一実施の形態を図面を用いて説明する。な
お、以下の説明において、「左側・右側・前方・後方」
等の方向は、図1や図2に示す油圧ショベルの通常の状
態で操作者が運転席7(後述)の座席26(同)に着座
したときにおける操作者に対する左側・右側・前方・後
方で表している。
【0028】図1は、本発明を適用する油圧ショベルの
全体構造を示す側面図であり、図2は、図1に示した油
圧ショベルの上面図であり、図3は、図1に示した油圧
ショベルの正面図(但し煩雑防止のため後述のフロント
装置5は図示省略)である。
【0029】これら図1〜図3において、油圧ショベル
は、例えば全重量3t程度のものであり、左右の無限軌
道履帯1L,1Rを備えた走行体2と、この走行体2の
上部に旋回可能に搭載される車体本体としての旋回体3
と、この旋回体3の基礎下部構造をなすメインフレーム
3aに垂直ピン4aを中心にして水平方向に回動可能に
取り付けられたスイングポスト4と、このスイングポス
ト4に上下方向に回動可能に取り付けられた多関節型の
フロント装置5と、前記メインフレーム3aの後端部に
取り付けられたカウンタウェイト6と、前記メインフレ
ーム3a上に設けられた運転席7と、前記メインフレー
ム3a上の運転席7以外の大部分を覆うカバー(上部カ
バー)8とを備えている。
【0030】前記の走行体2は、略H字形状のトラック
フレーム9と、このトラックフレーム9の左・右両側の
後端近傍に回転自在に支持された駆動輪10L及び10
R(図示せず)と、これら駆動輪10L,10Rをそれ
ぞれ駆動する左・右走行モータ11L及び11R(図示
せず)と、前記トラックフレーム9の左・右両側の前端
近傍に回転自在に支持され、前記無限軌道履帯1L,1
Rを介し前記駆動輪10の駆動力でそれぞれ回転される
回転輪(アイドラ)12L及び12R(図示せず)と、
前記トラックフレーム9の前方側に上下動可能に設けら
れ、ブレードシリンダ13により上下動する排土用のブ
レード14とを備えている。また前記走行体2の中央部
には旋回台軸受15が配置されている。
【0031】前記の多関節型のフロント装置5は、ブー
ム16と、このブーム16に回動可能に結合されたアー
ム17と、このアーム17に回動可能に結合されたバケ
ット18とを備えている。そして、前記ブーム16、ア
ーム17、及びバケット18は、それぞれブームシリン
ダ19、アームシリンダ20、及びバケットシリンダ2
1により駆動動作される。
【0032】前記のスイングポスト4は、前記メインフ
レーム3aに設けられたスイングシリンダ22に、連結
ピン23を介して連結されており、スイングシリンダ2
2の伸縮でスイングポスト4全体が回動することによっ
て、前記多関節型のフロント装置5が左・右にスイング
(首振り動作)するようになっている。
【0033】前記のメインフレーム3aは、その中心近
傍に、前記走行体2に対しメインフレーム3aを旋回さ
せる旋回モータ(図示せず)が配置されている。このと
き、前記メインフレーム3aは、特に明確には図示しな
いが、前記走行体2の車幅内に近い直径(=車幅よりも
若干大きい直径)内で旋回可能な寸法に構成されている
(いわゆる後方小旋回型)。
【0034】なお、ここまでに述べてきた駆動機器、す
なわち、前述したブレードシリンダ13、旋回モータ、
ブームシリンダ19、アームシリンダ20、バケットシ
リンダ21、スイングシリンダ23、及び左・右走行モ
ータ11L,11Rといった油圧アクチュエータは、特
に詳細な説明を行わないが、公知の油圧駆動装置(例え
ば特開平7−189298号公報や特開平7−2659
2号公報に記載のもの)により駆動される。すなわち、
これら駆動機器は、運転席7内の操作者によって操作さ
れる操作手段(後述する左・右走行レバー24L,24
R、スイングペダル(図示せず)、左・右作業レバー2
5L,25R、ブレードレバー等)の操作に応動し、エ
ンジン29(後述の図4等参照)で駆動される油圧ポン
プ31(同)からの圧油を制御する制御弁装置(図示せ
ず)からの圧油により駆動される。
【0035】一方、前記の運転席7は、前記メインフレ
ーム3a上の左側に設けられている。この運転席7内に
は、前記走行体2の左・右走行モータ11L,11Rを
それぞれ駆動するための左・右走行レバー24L,24
Rと、前記スイングシリンダ23を駆動し前記多関節型
のフロント装置5をスイングさせるためのスイングペダ
ル(図示せず)と、前記ブームシリンダ19、アームシ
リンダ20、及びバケットシリンダ21を駆動して前記
ブーム16、アーム17、及びバケット18をそれぞれ
動作させるための左・右作業レバー25L,25Rと、
前記ブレードシリンダ13を駆動しブレード14を上下
動させるためのブレードレバー(図示せず)とが設けら
れている。また、運転席7はいわゆるキャノピータイプ
であり、座席26と、この座席26の上方に設けられた
ルーフ27と、前記カバー8上に立設されたルーフ支持
部材28とを備えている。
【0036】図4は、前記の運転席7の後方に位置する
前記カバー8内部の構造を表す水平断面図であり、図5
は、図4に示した構造を図4中A方向から(図1中では
B方向からすなわちショベル後方側から)見た鉛直断面
図である。図1〜図3と同符号のものは同一部分を示
す。
【0037】これら図4及び図5において、カバー8内
部には、エンジン29、このエンジン29のクランク軸
(図示せず)にカップリング30を介し連結されその駆
動力によって駆動される油圧ポンプ31、前記エンジン
29への吸入空気を清浄化するエアクリーナ32、この
エアクリーナ32に接続された吸気パイプ33、前記エ
ンジン29からの排気ガスが導かれてその消音を行うマ
フラ34、このマフラ34の吐出側に一端が連結され他
端が前記カウンタウェイト6の貫通孔6a(図1参照)
を貫通して外部に露出した排気ガス管35等の機器を収
納するエンジン室36が形成されている。なおこのと
き、カバー8内の空間は、隔壁37によって、後方側領
域としての前記エンジン室36とそれ以外の前方側領域
38とに仕切られており、この前方側領域の右側部分に
前記油圧ポンプ31の圧油源となる作動油タンク39が
設けられ、左側部分には前記エンジン29の燃料を貯留
する燃料タンク(図1にその給油口40のみを示す)が
設けられている。
【0038】前記のエンジン29は、下カバーを兼用す
る前記メインフレーム3a上に振動減衰装置(エンジン
マウントともいう、図示せず)を介して設置されてお
り、このとき、図4及び図5に示すように、前記エンジ
ン室36の中央部よりやや一方側(この例では左側)の
領域に、いわゆる横置きに配置されている。また前記の
作動油タンク39は、前記油圧ポンプ31やオイルクー
ラ43(後述)と図示しない配管により接続されてい
る。
【0039】このようなエンジン室36に、本実施の形
態による多翼送風機を備えた建設機械の冷却装置が設け
られている。図4及び図5において、この建設機械の冷
却装置は、エンジン室36の他方側(この例では右側)
の領域に設けられたファン装置41と、このファン装置
41の上方に配置した熱交換器(この例ではラジエータ
42及びオイルクーラ43)と、前記ファン装置41を
駆動するための駆動力を発生する油圧モータ(又は電動
モータでもよい、以下同様)44と、前記カバー8のう
ち左側方部分に設けられた吸気孔45と、前記メインフ
レーム3aのうち前記エンジン29下部のオイルパン2
9aの直下部分に設けられたに設けられた吸気孔46
と、前記ファン装置41から流出する空気流を外部に排
出するために前記カバー8の右側方に設けられた排気孔
47とを備えている。
【0040】前記のラジエータ42は、ラジエータ支持
部材(図示せず)を介し前記メインフレーム3aに固定
されている。このとき、前記エンジン29のクランク軸
の前記油圧ポンプ31と反対側には、水ポンプ(図示せ
ず)が連結されており、この水ポンプによってホース4
8a,48bを介しラジエータ42に前記エンジン29
の冷却水が循環供給され、これを冷却している。
【0041】前記のオイルクーラ43は、ブラケット4
9a,49bを介し前記ラジエータ42に取り付けられ
ており、上流側で図示しない配管を介し前記の各種油圧
アクチュエータへ連通する一方、下流側も図示しない配
管を介し前記作動油タンク39へ連通している。これに
より、前記油圧ポンプ31から前記アクチュエータに供
給される作動油を冷却するようになっている。
【0042】前記のファン装置41は多翼型の遠心送風
機となっており、ケーシング50と、このケーシング5
0内に配置されたシロッコファン(多翼羽根車)51と
を備えている。
【0043】前記の油圧モータ44は、前記油圧ポンプ
31から吐出される圧油が(例えばコントロールバルブ
を介して)供給されることによって駆動されるようにな
っている。
【0044】前記のシロッコファン51は、円周上に多
数の羽根51a(後述の図6参照)が設けられた多翼羽
根車であり、軸方向中央部にしきりを設けた公知のいわ
ゆる両吸込みタイプとなっている。
【0045】前記のケーシング50のラジエータ側端部
50a(図6参照)は前記ラジエータ42に向かって開
口されており、そのケーシング開口部50aとラジエー
タ42との間がダクト52で連結されている。またケー
シング50の両側側方部には略円形の開口部53があ
り、これらを介してケーシング50内部のシロッコファ
ン51はエンジン室36内の空間と連通している。そし
て、前記略円形の2つの開口部53のうち一方側(図5
中手前側、図4中下側)の開口部53の外周側4ヶ所に
は、ねじ穴加工が施されたパッチ54が設けられてい
る。
【0046】これら4ヶ所のパッチ54は、そのねじ穴
部においてボルト締めによりアーム状のブラケット55
が互いに先端部(パッチ54と反対側の端部)が密集す
るような向きにそれぞれ取り付けられており、それら4
つのブラケット55の前記先端部には略ドーナツ状のフ
ランジ56が取り付けられている。これにより、このフ
ランジ56は、前記ケーシング開口部53と径方向にも
軸方向にも所定の距離を保つようになっている(図4参
照)。
【0047】そして、前記のフランジ56には前記油圧
モータ44がボルト締めにて取り付けられている。この
とき、前記油圧モータ44の回転軸(図示せず)が、前
記ケーシング50の開口部53の外側でカップリング7
0を介して前記シロッコファン51のボス部(図示せ
ず)に結合されており、これによってボス部に固定され
たファン回転軸51b(後述の図6参照)に駆動力を伝
達するようになっている。
【0048】なお、前記ケーシング上端開口部50a
は、シロッコファン51の前後方向(図4中上下方向)
寸法に合わせてその前後方向寸法が比較的小さくなって
いるが、ダクト52はラジエータ42の前後方向寸法に
合わせてその前後方向寸法が比較的大きくなっている
(図4参照)。そのため、それらケーシング上端開口部
50aとダクト下端部52aとの接続部は段付形状(図
4参照)となっている。本実施形態の要部は、前記ケー
シング50の構造にある。図6は、このケーシング50
の詳細構造を表す拡大鉛直断面図である。
【0049】図6において、前記のようにして前記油圧
モータ44からファン回転軸51bに回転力が与えられ
シロッコファン(多翼羽根車)51が図6中矢印方向に
回転させられると、シロッコファン51の内部流路51
cの空気が羽根51aにより遠心力で径方向外周側の流
路57a,57b,57cに送られる。このとき、前記
ケーシング50と前記シロッコファン51とは、ファン
外径とケーシング50内周面との間の隙間により形成さ
れる前記流路57a〜cの広さがファン回転方向(図6
矢印方向)に沿って周方向に徐々に大きくなるように配
置されている。これにより、シロッコファン51の前記
羽根51aによって径方向外周側に流出する空気の流れ
をスムーズに周方向に導き、前記隙間が最大となる流路
57cから最終的に吐出流路58を経て前記ダクト52
の内部へ空気流を吐出するようになっている。
【0050】そしてこのとき、ケーシング50の内周面
のうち、前記隙間が最も小さくなる舌部(ノーズ)59
近傍の部分に、開口側がシロッコファン51の外周側に
臨むように配置された3つの凹部(この例ではファン回
転軸51bの軸線方向に延設された溝)60a,60
b,60cを設けている。これら凹部60a〜cのファ
ン径方向における長さLは、シロッコファン51の外径
からファン中心軸(回転軸51bの軸心位置)までの距
離をR[m]、シロッコファン51の羽根51aの枚数
をN[枚]、1以上の整数をm、0.8〜1.2の数を
μとしたとき、 L=μ×m×(π×R)/N[m] となるように構成されている。
【0051】上記構成の冷却装置において、エンジン2
9を駆動すると、エンジン29のクランク軸の駆動力で
油圧ポンプ31が駆動され、吐出された圧油が油圧モー
タ44に供給されて油圧モータ44が駆動力を発生し、
これがシロッコファン回転軸51bに伝達されることに
よりシロッコファン(多翼羽根車)51が回転する。こ
のシロッコファン51の回転により、吸気孔45,46
から空気流P1,P2が吸入されて、エンジン29や油圧
ポンプ31の周囲を流れながらそれらを冷却し、前記ケ
ーシング50の側方部両側に設けられた開口部53,5
3からケーシング50内に流入し、さらにシロッコファ
ン51の内部流路51cへ流入する。この流入した空気
流は、内部流路51cで昇圧されて径方向外側へ流出し
た後、流路57a,57b,57c,58、及びダクト
52を介しラジエータ42の前面側(図5中左側)へ導
入され、ラジエータ42を冷却後、大部分はさらに下流
側のオイルクーラ43を冷却する。そして、それらラジ
エータ42、オイルクーラ43を冷却した空気流Pは、
前記排気孔47から旋回体3の外部に放出される。なお
このとき、ラジエータ42、オイルクーラ43を冷却し
た空気流Pが前記ケーシング50の両側側方の開口部5
3へと再び還流しないように、回り込み防止用の略三角
形の仕切板69が設けられている(図4、図5参照)。
【0052】次に、上記構成及び動作である本実施形態
の作用を以下に説明する。
【0053】上記のような空気流の流れにおいて、ファ
ン外径とケーシング50内周面との間の隙間が比較的小
さい舌部59近傍の流路57aではシロッコファン51
から径方向外周側に流出する空気流(以下、衝突空気流
という)がケーシング50内周面にほぼ垂直に激しく衝
突するため、送風機騒音を増大させる要因となる。
【0054】ところで、本実施形態では、ファン外径か
らシロッコファン51の中心軸までの距離がR[m]で
あることから、衝突空気流の流速Va[m/sec]は、 Va=μRω =μR(2π/T) で表される。但し、ωは角速度[rad/sec]であり、T
はシロッコファン51が1回転するときの周期[sec]
である。
【0055】また、シロッコファン51のある1枚の羽
根51aが通過した後次の羽根51aが通過するまでの
時間をTN[sec]とすると、シロッコファン51の回転
数をn[rpm]として、 TN=60/(n×N) で表される。
【0056】このとき、上記TとこのTNの間には、 T=N×TN の関係があることから、T=60/nとなる。
【0057】これを用いると、上記Vaは、 Va=μ×2π×R×(n/60) =μ×(2π×R×n)/60 となる。
【0058】ここで、本実施の形態においては、開口側
がシロッコファン51の外周側に臨むように配置された
3つの凹部60a〜cを設けることにより、シロッコフ
ァン51から径方向外周側に流出する衝突空気流の少な
くとも一部がこれら凹部60a〜cに流入するが、それ
らは凹部60a〜c開口側と反対側の端部60a1,6
0b1,60c1で折り返して再び開口側に戻ってくる。
この凹部60a〜c内の往復に要する時間TL[sec]
は、流入時の速度は上記Vaであることから、凹部のフ
ァン径方向長さL[m]を用いて、 TL=2L/Va =2L/{(μ×2π×R×n)/60} =2L×{60/(μ×2π×R×n)} =60L/(μ×π×R×n) となる。
【0059】本実施形態においては、上記L=μ×m×
(π×R)/Nとなるように凹部60a〜cを構成する
ことにより、 TL=60{μ×m×(π×R)/N}/(μ×π×R×n) =(60π×m×R/N)/(π×R×n) =60×m/(n×N) となる。
【0060】したがって、 TL=m×TN の関係となることから、ある羽根51aにより生起した
衝突空気流が凹部60a〜cに取り込まれその端部60
a1〜c1で折り返して径方向内側の凹部60a〜cの開
口側に再び戻ってきたとき、ちょうど次の羽根51aあ
るいはそれ以降の羽根51aのどれかが通過することと
なり、その羽根51aで生起され凹部60a〜cに向か
ってきた新たな衝突空気流と衝突干渉し打ち消し合う。
これがシロッコファン51が回転している間継続的に繰
り返されることにより、ケーシング50の内周面へ衝突
する向きに流出する衝突空気流を減衰させることができ
る。したがって、シロッコファン51から流出した衝突
空気流のケーシング50への衝突を弱めることができ、
そのときの衝突音を低減することができるので、シロッ
コファン51の回転により発生する騒音をその回転数の
いかんに関係なく十分に低減することができる。
【0061】また、凹部60a〜cを設けることによ
り、ケーシング50の剛性強度が向上するという効果も
ある。
【0062】なお、上記本発明の一実施の形態において
は、凹部60a〜cとしてファン回転軸51b方向に延
設された溝を用いたが、これに限られず、縦断面形状が
図6のように表される閉塞管を用いてもよい。このと
き、閉塞管はテフロンホースで構成しても、鋼管等で構
成しても良い。これらの場合も同様の効果を得る。
【0063】また、上記本発明の一実施の形態において
は、凹部60a〜cの個数を3つとしたが、これにも限
られない。すなわち、少なくとも1つの凹部60a〜c
を設ければ上記騒音低減効果を得ることができ、その数
を増やすほどその効果は増大する。またこのとき、凹部
60の間隔は図6に示すように不等間隔でもよいし、等
間隔でもよい。さらに、上記本発明の一実施の形態にお
いては、ファン装置41としてケーシング50内に配置
されシロッコファン(多翼羽根車)51を設けたが、こ
れに限られず、他のタイプの多翼送風機、例えばリヤガ
イダとの間に流路を形成するクロスフローファンを設け
ても良い。以下、その変形例を図7及び図8により説明
する。上記本発明の一実施形態と同等の部分には同一の
符号を付し、適宜説明を省略する。
【0064】図7は、この変形例によるエンジン室36
の全体構造を表す拡大鉛直断面図であり、前述の図5に
相当する図である。図8は、図7中上方に示すリヤガイ
ダ61(後述)の詳細構造を表す鉛直断面図であり、前
述の図6に相当する図である。
【0065】図7及び図8においては、上記本発明の一
実施の形態におけるケーシング50内に配置されシロッ
コファン(多翼羽根車)51を備えたファン装置41の
代わりに、リヤガイダ61との間に流路62を形成する
2つのクロスフローファン(多翼羽根車)63を設けて
いる。なお、64はスタビライザである。油圧ポンプ3
1からの圧油で駆動される1つの油圧モータ(図示せ
ず)からプーリ66,66に回転力が与えられると(な
お油圧モータで直接駆動されるのは一方のプーリ66の
みであり他方のプーリ66は図示しない歯車機構を介し
て駆動力が与えられる)、さらにファンベルト67,6
7を介して前記クロスフローファン63,63が図7中
矢印方向に回転させられる。これにより、図8に示すよ
うに、上流側の流路62aの空気が羽根63aによりか
き出され、流路62bを介し流路62cへ送られる。こ
のとき、前記リヤガイダ61と前記クロスフローファン
63とは、リヤガイダ61内周面とファン外径との間の
隙間により形成される前記流路62の大きさを空気流導
入方向(ファン回転方向)に沿って徐々に小さくしてい
って最小部である流路62bに通過させた後、逆に流路
の大きさを空気流導出方向に徐々に大きくすることによ
り、最終的に流路62cを経て空気流をラジエータ42
に流入させている。
【0066】そしてこのとき、リヤガイダ61の内周面
うち、前記隙間が最も小さくなる流路62b近傍の部分
に、開口側がクロスフローファン63の外周側に臨むよ
うに配置された4つの凹部(この例ではファン回転軸6
3b方向に延設された溝)68a,68b,68c,6
8dを設けている。またスタビライザ64にも、同様の
凹部(溝)68eを設けている。そしてこれら凹部68
a〜eのファン径方向における長さLは、上記本発明の
一実施の形態同様、クロスフローファン63の外径から
ファン中心軸(回転軸63bの軸心位置)までの距離を
R[m]、クロスフローファン63の羽根63aの枚数
をN[枚]、1以上の整数をm、0.8〜1.2の数を
μとしたとき、L=μ×m×(π×R)/N[m]とな
るように構成されている。
【0067】なお、図8は、図7中上方に示すリヤガイ
ダ61の詳細構造を表すものであったが、図7中下方に
示すリヤガイダ61についても水平面に対して面対称の
ほぼ同一の構造となっている。
【0068】上記構成の冷却装置において、エンジン2
9を駆動すると、エンジン29のクランク軸の駆動力で
油圧ポンプ31が駆動され、吐出された圧油が油圧モー
タに供給されて駆動力を発生し、これがクロスフローフ
ァン回転軸63bに伝達されることによりクロスフロー
ファン(多翼羽根車)63が回転する。このクロスフロ
ーファン63の回転により、吸気孔45,46から空気
流P1,P2が吸入されて、エンジン29や油圧ポンプ3
1の周囲を流れながらそれらを冷却して、リヤガイダ6
1に案内されつつ前記流路62a〜cにおいてクロスフ
ローファン63で昇圧されて流出する。その後、空気流
は、ラジエータ42の前面側(図7中左側)へ導入さ
れ、ラジエータ42を冷却後、大部分はさらに下流側の
オイルクーラ43を冷却する。そして、それらラジエー
タ42、オイルクーラ43を冷却した空気流Pは、前記
排気孔47から旋回体3の外部に放出される。
【0069】上記のような空気流の流れにおいて、ファ
ン外径とリヤガイダ61内周面との間の隙間が比較的小
さい流路62b近傍ではクロスフローファン63から径
方向外周側に流出する空気流(衝突空気流)がリヤガイ
ダ61内周面にほぼ垂直に激しく衝突するため、送風機
騒音を増大させる要因となる。また同様の現象はスタビ
ライザ64に対しても発生する。
【0070】本変形例においては、凹部68a〜eのフ
ァン径方向における長さLがL=m×(π×R)/Nと
なっていることにより、前述した本発明の一実施の形態
と同様、ある羽根63aにより生起した衝突空気流が凹
部端部68a1〜e1で折り返して径方向内側の凹部68
a〜eの開口側に再び戻ってきたとき、ちょうど次の羽
根63aあるいはそれ以降の羽根63aのどれかが通過
することとなり、その羽根63aで生起され凹部68a
〜eに向かってきた新たな衝突空気流と衝突し打ち消し
合う。これがクロスフローファン63が回転している間
継続的に繰り返されることにより、リヤガイダ61の内
周面やスタビライザ64へ衝突する向きに流出する衝突
空気流を減衰させることができる。したがって、クロス
フローファン63から流出した衝突空気流のリヤガイダ
61及びスタビライザ64への衝突を弱めることがで
き、そのときの衝突音を低減することができるので、ク
ロスフローファン63の回転により発生する騒音をその
回転数のいかんに関係なく十分に低減することができ
る。
【0071】また、凹部68a〜eを設けることによ
り、リヤガイダ61やスタビライザ64の剛性強度が向
上するという効果もある。
【0072】なお、上記変形例においては、スタビライ
ザ64にも凹部68eを設けたが、これに限られず、こ
の凹部を省略しても良い。この場合も、主たる騒音源で
ある衝突空気流のリヤガイダ61への衝突を弱めること
ができるので、クロスフローファン63の回転により発
生する騒音をその回転数のいかんに関係なく十分に低減
することができる。
【0073】また、以上において、溝としての凹部60
a〜c及び68a〜eはファン回転軸51b,63bと
平行にケーシング50、リヤガイダ61、及びスタビラ
イザ64上に形成されていたが、これに限られず、ファ
ン回転軸51b,63bに対し斜めとなる方向に形成さ
れても良い。
【0074】また、凹部60a〜c及び68a〜eは、
別途形成した後溶接や接着剤でケーシング50、リヤガ
イダ61、及びスタビライザ64に接続しても良いし、
プレス等によりケーシング50、リヤガイダ61、及び
スタビライザ64に一体的に形成しても良い。
【0075】また、以上の説明では、本発明を油圧ショ
ベルに適用した場合を例にとって説明したが、クローラ
クレーン、ブルドーザ等の他の建設機械に適用すること
もできることは言うまでもなく、その場合も、同様の効
果を得る。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、多翼送風機のケーシン
グ又はリヤガイダに配置する凹部のファン径方向におけ
る長さLを、L=μ×m×(π×R)/N[m]とする
ので、ケーシング又はリヤガイダの内周面へ衝突する向
きに流出する空気流成分を減衰させることができる。し
たがって、シロッコファンから流出した空気流のケーシ
ングへの衝突音、又はクロスフローファンとリヤガイダ
との間を通過する空気流のリヤガイダへの衝突音を低減
することができるので、ファンの回転により発生する騒
音を十分に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する油圧ショベルの全体構造を示
す側面図である。
【図2】図1に示した油圧ショベルの上面図である。
【図3】図1に示した油圧ショベルの正面図である。
【図4】図1に示した運転席の後方に位置するカバー内
部の構造を表す水平断面図である。
【図5】図4に示した構造を図4中A方向から見た鉛直
断面図である。
【図6】図5に示したケーシングの詳細構造を表す鉛直
断面図である。
【図7】クロスフローファンを用いた変形例によるエン
ジン室の全体構造を表す鉛直断面図である。
【図8】図7中上方に示すリヤガイダの詳細構造を表す
鉛直断面図である。
【符号の説明】
3 旋回体(車体本体) 8 カバー 29 エンジン 42 ラジエータ(熱交換器) 43 オイルクーラ(熱交換器) 50 ケーシング 51 シロッコファン 51a 羽根 51b 回転軸 60a〜c 凹部 61 リヤガイダ 62 流路 63 クロスフローファン 63a 羽根 63b 回転軸 68a〜e 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D015 CA02 3H034 AA02 BB06 BB19 CC04 DD05 DD25 EE06 EE08 3L044 AA04 CA12 DA01 FA03 KA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシング内に配置したシロッコファン、
    又はリヤガイダとの間に流路を形成するクロスフローフ
    ァンを回転させて空気流を生起する多翼送風機におい
    て、 前記ケーシング又は前記リヤガイダに、開口側が前記フ
    ァンの外周側に臨むように配置された少なくとも1つの
    凹部を設け、かつ、この凹部の前記ファン径方向におけ
    る長さLは、 前記ファンの外径から該ファンの中心軸までの距離をR
    [m]、前記ファンの羽根の枚数をN[枚]、1以上の
    整数をm、0.8〜1.2の数をμとしたとき、 L=μ×m×(π×R)/N[m] となるように構成されていることを特徴とする多翼送風
    機。
  2. 【請求項2】請求項1記載の多翼送風機において、前記
    凹部は、前記Lの深さを備えた溝又は前記Lの軸方向長
    さを備えた閉塞管であることを特徴とする多翼送風機。
  3. 【請求項3】請求項1記載の多翼送風機において、前記
    凹部は、前記ファンから流出する空気流を取り込んでそ
    の干渉作用により前記空気流のファン径方向成分を減衰
    させることを特徴とする多翼送風機。
  4. 【請求項4】建設機械の車体本体を覆うカバー内に、ケ
    ーシング内に配置したシロッコファン、又はリヤガイダ
    との間に流路を形成するクロスフローファンを設け、前
    記ファンを回転させ生起した空気流を用いて前記カバー
    内に配置したラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器及
    びエンジンを冷却する建設機械の冷却装置において、 前記ケーシング又は前記リヤガイダに、開口側が前記フ
    ァンの外周側に臨むように配置された少なくとも1つの
    凹部を設け、かつ、この凹部の前記ファン径方向におけ
    る長さLは、 前記ファンの外径から該ファンの中心軸までの距離をR
    [m]、前記ファンの羽根の枚数をN[枚]、1以上の
    整数をm、0.8〜1.2の数をμとしたとき、 L=μ×m×(π×R)/N[m] となるように構成されていることを特徴とする建設機械
    の冷却装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記凹部は、前記Lの深さを備えた溝又は前記Lの
    軸方向長さを備えた閉塞管であることを特徴とする建設
    機械の冷却装置。
  6. 【請求項6】請求項4記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記凹部は、前記ファンから流出する空気流を取り
    込んでその干渉作用により前記空気流のファン径方向成
    分を減衰させることを特徴とする建設機械の冷却装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2019087298A1 (ja) * 2017-10-31 2020-11-12 三菱電機株式会社 遠心送風機、送風装置、空気調和装置及び冷凍サイクル装置

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JPWO2019087298A1 (ja) * 2017-10-31 2020-11-12 三菱電機株式会社 遠心送風機、送風装置、空気調和装置及び冷凍サイクル装置

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