JP2001172289A - 錯体およびアルコールを製造する方法 - Google Patents

錯体およびアルコールを製造する方法

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JP2001172289A JP2000269310A JP2000269310A JP2001172289A JP 2001172289 A JP2001172289 A JP 2001172289A JP 2000269310 A JP2000269310 A JP 2000269310A JP 2000269310 A JP2000269310 A JP 2000269310A JP 2001172289 A JP2001172289 A JP 2001172289A
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Naoki Hirayama
直樹 平山
Katsuhiro Shibayama
勝弘 柴山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スルホニル基等により置換されたアミド化合物
を配位子とする第VIII族遷移金属錯体、この錯体を触媒
として適用するケトン還元によるアルコールの製造法を
提供する。 【解決手段】式(1)または式(2)で示される錯体 M X Y (PR1R2R3)n(NHR4-A-NHR5)m (1) M X Y L (NHR4-A-NHR5)m (2) (Mは第VIII族遷移金属を表し、XとYは水素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子を表し、R1、R2、および、
R3はアリール基を表し、R4、および、R5はアルキルスル
ホニル基、アリールスルホニル基、アルキルカルボニル
基、アリールカルボニル基 、または、ジフェニルホス
ホニル基のいずれかを表し、Aはアルキル基、または、
アリール基により置換されたエチレン基を表し、nとmは
各々1または2を表す。)を触媒としてアルコールを製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスルホニル基、カル
ボニル基、または、ホスホニル基により置換されたアミ
ド化合物を配位子とする第VIII族遷移金属錯体、およ
び、それを触媒として用いるケトン還元によるアルコー
ルの製造方法である。
【0002】
【従来の技術】ケトンのα位に不斉炭素を有する場合に
還元反応を行うと、下式に示す4種類のアルコールが一
般に得られる。下式にはケトンのα位の不斉炭素に*を
記載した。
【0003】
【化3】
【0004】2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'
-ビナフチル(以降はBINAPと称する。)に代表される光
学活性なホスフィン化合物とルテニウム錯体を組み合わ
せた錯体の適用により、ケトン還元反応のエナンチオ選
択性(上式:(a)+(b)と(c)+(d)の比:アルコールの立
体)に加えて、アルコールのα位の置換基との相対配置
の選択性も同時に制御して(ジアステレオ選択性、上
式:(a)+(c)と(b)+(d)の比:OHとXのシス、トランス
比)、上式に示した(a)から(d)の4種類のアルコールの
中から1種類のアルコールを選択的に生成させる方法が
報告されている(日本化学会誌(Bull.Chem.Soc.Jpn.)
68,36-55(1995)など)。当該技術ではシクロペンタノン
2-カルボン酸エステル、もしくは、シクロヘキサノン
2-カルボン酸エステルの還元体のみがトランス体
((b)または(d))が主であるが、それ以外はすべてのカ
ルボニル化合物の還元体がシス体((a)または(c))を主
に与える。また、上記錯体はアミドを配位子として含有
しない錯体である。さらにケトン還元には高い水素圧を
要すること、錯体が不安定で分解しやすい等の課題があ
る。
【0005】BINAPに代表される光学活性なホスフィン
化合物、ルテニウム、及び、ある種のジアミンを組み合
わせた錯体に水酸化カリウムなどの塩基を共存させるこ
とにより、一部のケトンに対しては先の錯体よりも穏和
な条件下に還元反応を進行させたことが報告されている
(アメリカ化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)117,2675-2676
(1995)、J.Org.Chem.,61,4872-4873(1996)、特許第29
35453号、特許第2731377号など)。特許第
2935453号と第2731377号には、ルテニウ
ム錯体と塩基と含窒素有機化合物の3成分の存在下にカ
ルボニル化合物を還元する方法、及び、光学活性な遷移
金属錯体と塩基と光学活性含窒素化合物の3成分の存在
下にカルボニル化合物を不斉還元する方法が記載されて
いる。しかし、上記特許にはジアステレオ選択性の考察
と記載はなされていない。ジアステレオ選択性では、BI
NAP、ルテニウム、光学活性ジアミンの3成分からなる
錯体による2-メトキシシクロヘキサノンを不斉還元した
例が報告されている(テトラヘドロンレターズ,40(199
9)5043)。この場合、生成物のジアステレオ選択性はシ
ス体が主であり、トランス体を得る方法ではない。
【0006】特開平11-189600号公報には、ホスフィン
化合物、アミン、ルテニウムの3成分を構成成分とする
錯体、及び、その錯体を用いるカルボニル化合物の還元
によるアルコール製造法が記載されている。この錯体の
構成成分であるアミンはアルキル基により置換された、
もしくは、非置換のアミンであり、スルホニル基、カル
ボニル基、または、ホスホニル基により置換されたアミ
ドは含まれていない。また、該特許にはジアステレオ選
択性の考察と記載はなされていない。
【0007】1,2-ジアミノ-1,2-ジフェニルエタンの片
側がスルホニル基により置換されたアミド化合物を配位
子として用いるルテニウム錯体、及び、その錯体を用い
たケトンの還元反応が報告されている(アメリカ化学会
誌(J.Am.Chem.Soc.)117,7562(1995)、特許第2962
668号、特許2912572号)。この場合、水素源
はアルコールであり(水素移動型反応)、水素分子を還
元源とする水素添加反応とは反応種が異なる。またジア
ステレオ選択性の考察と記載はなされていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、アセ
トフェノンに代表される芳香族ケトンに対しては高いエ
ナンチオ選択性を伴って還元反応を進行させるものの、
脂肪族単純ケトンを高いエナンチオ選択性を伴って還元
することは現在でも困難であり更なる技術の創製が望ま
れている。さらに、エナンチオ選択性のみでなく、ジア
ステレオ選択性を制御できる触媒が望まれている。その
中でも、従来の均一系遷移金属触媒では困難であった、
トランス体を与える触媒が特に望まれている。高いジア
ステレオ選択性を有するアルコールは、光学活性なアル
コールと並んで医薬品の原料などに有用である。
【0009】本発明は、ケトン化合物などのカルボニル
基を有する化合物の還元に際して、エナンチオ選択性に
加えて、特にトランス体を主に製造できる高いジアステ
レオ選択性を発現できる触媒の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、含窒素化合
物を配位子とする錯体を用いてカルボニル化合物の還元
反応を行う場合に、ジアステレオ選択性とエナンチオ選
択性の両方を発現させるためには錯体の配位子である含
窒素化合物の嵩高さが重要な働きをすると予想し、錯体
配位子であるアミン化合物を嵩高くするために、アミン
へのスルホニル置換基などの導入を試みた。
【0011】すなわち本発明は、「式(1)、もしく
は、式(2)で示される錯体。
【0012】 M X Y (PR1R2R3)n(NHR4-A-NHR5)m (1) (式中、Mは第VIII族遷移金属を表し、XおよびYは水素
原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子を表
し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R1
R2、およびR3はアリール基、または、アルキル基を表
し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R4
よびR5はアルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基 、
または、ジフェニルホスホニル基のいずれかを表し、そ
れぞれ同一であっても異なっていてもよい。Aはアルキ
ル基、または、アリール基で置換されたエチレン基を表
し、nとmは各々1、または、2を表す。) M X Y L (NHR4-A-NHR5)m (2) (式中、Mは第VIII族遷移金属を表し、X、および、Yは
水素原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子を
表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。L
は2座のリン化合物を表し、R4、および、R5はアルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルカルボ
ニル基、アリールカルボニル基、または、ジフェニルホ
スホニル基のいずれかを表し、それぞれ同一であっても
異なっていてもよい。Aはアルキル基、または、アリー
ル基で置換されたエチレン基を表し、mは1、または、
2を表す。)」および「上記錯体を触媒として、カルボ
ニル基を有する化合物を還元してアルコールを製造する
方法、特に、式(3)
【0013】
【化4】
【0014】(式中、Aは炭素数1〜8のアルキル基、ま
たは、炭素数5〜14のアリール基を表し、Bは水素、炭素
数1〜8のアルキル基、置換アミノ基、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素、アルコキシル基、または、シアノ基を表
し、R6は炭素数1〜8のアルキル基を表し、kは0から3の
整数を表し、lは0、または、1を表す。)で示されるカ
ルボニル基を有する化合物を還元して、式(4)
【0015】
【化5】
【0016】(式中、A、B、R6、k、lは上記定義に同
じ。)で示されるアルコールを製造する方法。」であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者らは、各種のスルホニル
基、カルボニル基、または、ホスホニル基により置換し
たアミドを合成し、このアミド化合物を配位子として式
(1)、または、式(2)で示される錯体を調製した。
【0018】 M X Y (PR1R2R3)n(NHR4-A-NHR5)m (1) (式中、Mは第VIII族遷移金属を表し、XとYは水素原
子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子を表し、
それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R1、R2
およびR3はアリール基、または、アルキル基を表し、そ
れぞれ同一であっても異なっていてもよい。R4およびR5
はアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アル
キルカルボニル基、アリールカルボニル基 、または、
ジフェニルホスホニル基のいずれかを表し、それぞれ同
一であっても異なっていてもよい。Aはアルキル基、ま
たは、アリール基により置換されたエチレン基を表し、
nとmは各々1、または、2を表す。) M X Y L (NHR4-A-NHR5)m (2) (式中、Mは第VIII族遷移金属を表し、X、Y、R4、R5
A、および、mは式(1)と同一の定義であり、Lは2
座のリン化合物を表す。) 式(1)、または、式(2)で示される錯体の調整法
は、新実験化学講座12巻(有機金属化学)(丸善刊、
1976年、157頁から166頁のルテニウム錯体の調整法)や
アメリカ化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)117,10417-10418
(1995)、有機合成化学協会誌、57,667(1999)等に記載さ
れた方法に準じた。
【0019】この錯体を触媒として、前記式(3)に代
表されるケトンなどのカルボニル基を有する化合物を還
元したところ、高いジアステレオ選択性(上記式:(a)+
(c)と(b)+(d)の比)を発現し、特にトランス体を選択
的に与えることを見出した。
【0020】本発明において、NHR5-A-NHR6で示される
スルホニル化、カルボニル化、または、ホスホリル化さ
れたアミドは、NH2-A-NH2で示されるアミンを、スルホ
ン酸塩化物、スルホン酸無水物によりスルホニル化、あ
るいは、カルボン酸塩化物、カルボン酸無水物によりカ
ルボニル化、あるいは、ホスホン酸塩化物などによりホ
スホニル化して得ることができる。反応剤として具体的
には、メタンスルホン酸塩化物、ベンゼンスルホン酸塩
化物、トルエンスルホン酸塩化物、ベンゼンスルホン酸
無水物、塩化アセチル、塩化ベンゾイル、トリフルオロ
酢酸無水物、ジフェニルホスホン酸塩化物などが挙げら
れる。反応は一般にアミン共存下に行う。反応方法は、
テトラヘドロン,48,5691(1992)に記載された、1,2-シク
ロヘキサンジアミンからN,N'-ビス(p-トルエンスルホ
ニル)-1,2-シクロヘキサンジアミドを合成する方法を
参考にした。反応温度は-50℃〜120℃、反応時間は0.5
時間〜48時間が好ましい。スルホニル化、カルボニル
化、または、ホスホニル化反応時に共存させるアミンと
しては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン等が例示される。Lは2座のリン化合物であるが、こ
れは同一分子上にホスホニル基を2個有する化合物を示
し、好ましい例としては2,2'-ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)-1,1'-ビナフチル、1,2-ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)ベンゼン等が例示される。
【0021】前記式(1)で示される錯体の好ましい例
としては、Mがルテニウムであり、R1、R2、R3が全てフ
ェニル基であり、NHR4-A-NHR5で示されるアミドがメタ
ンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスル
ホニル基、アセチル基、および、トリフルオロアセチル
基のいずれかにより置換された、1,2-ジアミノシクロヘ
キサン、1,2-ジアミノプロパン、または1,2-ジアミノ-
1,2-ジフェニルエタンであり、nが2であり、mが1である
錯体が好ましい。
【0022】また、前記式(2)で示される錯体の好ま
しい例としては、Mがルテニウムであり、Lが1,2-ビス
(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、または、2,2'-ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルであり、
NHR4-A-NHR5で示されるアミドがメタンスルホニル基、
ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、アセチ
ル基、または、トリフルオロアセチル基のいずれかによ
り置換された、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジア
ミノプロパン、または、1,2-ジアミノ-1,2-ジフェニル
エタンであり、mが1である錯体が好ましい。
【0023】前記式(1)、または、式(2)で示され
るNHR5-A-NHR6で示されるアミドを配位させた錯体の製
造法は特に限定されないが、例えば、Mがルテニウムで
あり、PR1R2R3がトリフェニルホスフィンの場合には、
トリス(トリフェニルホスフィノ)ルテニウム塩化物と
NHR5-A-NHR6を有機溶媒中にて混合して調製する方法が
好ましい。溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、クロロホ
ルム、または、ジクロロメタン等が好ましく、反応温度
は0℃から50℃,反応時間は1から8時間が好ましい。Mが
ルテニウムであり、Lが1,2-ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)ベンゼン、または、2,2'-ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)-1,1'-ビナフチルの場合には、ベンゼンルテニウ
ム塩化物2量体と1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)ベ
ンゼン、または、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-
1,1'-ビナフチルをN,N-ジメチルホルムアミド等の有機
溶媒中において攪拌する。反応温度は50℃から150℃が
好ましく、反応時間は2分から1時間が好ましい。その
後、この反応液にNHR5-A-NHR 6を混合して調製する方法
が例示される。アミド添加後の反応温度は0℃から100℃
が好ましく、反応時間は1から8時間が好ましい。
【0024】式(1)、または、式(2)で示される錯
体溶液は、特に精製することなく、そのまま還元反応に
用いてもよいし、減圧下に溶媒を留去するなどして、錯
体を単離した後に還元反応に用いてもよい。また、単離
した錯体が固体ならば、洗浄、再結晶などの精製を行っ
た後に、還元反応に用いても良い。
【0025】前記式(4)で示されるアルコールは以下
に記載した方法で製造することが好ましい。上記で調製
した、式(1)、または、式(2)で示される錯体、も
しくは、その溶液をアルゴン、または、窒素雰囲気下に
てオートクレーブ内に添加し、前記式(3)で示される
ケトン、水酸化カリウム等の塩基、溶媒を添加する。添
加順は指定しない。0.5気圧から30気圧の水素雰囲気下
に、0℃から200℃の反応温度にて、1時間から48時間攪
拌する方法が好ましい。溶媒は特に限定されないがアル
コール類が好ましい。イソプロピルアルコールを使用し
た場合には、窒素雰囲気下でも、イソプロピルアルコー
ルが水素源となりケトン還元反応が進行する場合もあ
る。塩基の使用量は錯体に対して2〜1,000倍モルが好ま
しく、ケトンの使用量は錯体に対して2〜1,000,000倍モ
ルが好ましい。
【0026】本発明中に記載したアルキル基とはフッ
素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル基、アルコキシ
ル基、シアノ基、置換アミノ基により置換、もしくは、
非置換の炭素数が1〜8の炭化水素を表し、アルキル基内
にエーテル結合、スルフィド結合を含有していてもよ
い。アルコキシル基とは酸素原子に上記定義のアルキル
基が結合したものを示し、メトキシ基、エトキシ基など
が例示される。アリール基とは炭素数1〜8のアルキル基
により置換、もしくは、非置換のフェニル基、ナフチル
基、ビナフチル基を表す。アルキルスルホニル基とは炭
素数1〜8のアルキル基が結合したスルホニル基を示し、
メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基
等が例示される。アリールスルホニル基とは炭素数1〜8
のアルキル基により置換された、もしくは、非置換のベ
ンゼンスルホニル基、または、ナフタレンスルホニル基
を表し、トルエンスルホニル基等が例示される。アルキ
ルカルボニル基とは炭素数1〜8のアルキル基が結合した
カルボニル基を示し、アセチル基等が例示される。アリ
ールカルボニル基とは炭素数1〜8のアルキル基により芳
香環部分が置換された、もしくは、非置換のベンゾイル
基、または、ナフタレンカルボニル基を示す。Aは炭素
数1〜8のアルキル基、または、フェニル基により置換さ
れたエチレン基を表し、エチレン基の1位と2位にアミノ
基が結合している。NHR5-A-NHR6におけるNH-A-NHの好ま
しい例としては、1,2-ジアミノシクロヘキシル基,2-ジ
アミノプロピル基、もしくは、1,2-ジアミノ-1,2-ジフ
ェニルエチレン基等が例示される。Mは第VIII族遷移金
属であり、ルテニウム、ロジウム、白金、パラジウム、
イリジウムが例示され、好ましくはルテニウムである。
式(3)、または、式(4)で示される化合物の定義に
用いられた置換アミノ基とは、アミノ基の窒素原子上の
水素原子の一つがアルキル基、アルキルカルボニル基、
または、アリールカルボニル基により置換されたアミノ
基を示す。
【0027】式(1)、または、式(2)で示される錯
体を構成するホスフィン化合物、もしくは、アミド化合
物が不斉点を有する場合には、ラセミ体、メソ体、光学
活性体が含有されるが、本発明は全てを含有する。式
(1)、式(2)、式(3)、または、式(4)で示さ
れる化合物が不斉点を有する場合には、ラセミ体、メソ
体、光学活性体が含有されるが、本発明は全てを含有す
る。
【0028】そして、式(1)、または、式(2)で示
される錯体を構成するホスフィン化合物、もしくは、ア
ミド化合物が不斉点を有する場合には、この錯体を用い
て式(3)、または、式(4)で例示されるカルボニル
基を有する化合物を還元すると不斉還元反応となること
があり、光学活性アルコールを製造できる場合もある。
本発明は上記の不斉還元反応により光学活性アルコール
を製造する場合も全て含有する。
【0029】
【実施例】以下、詳細は実施例で説明する。
【0030】実施例1 19mgの(S,S)-N,N'-ビス(ベンゼンスルホニル)-1、2-シ
クロヘキサンジアミドと47mgのトリス(トリフェニルホ
スフィノ)ルテニウム塩化物(アルドリッチ社製)をア
ルゴン雰囲気下にて乾燥した2mlのN,N-ジメチルホルム
アミド(東京化成(株)製)に溶解し、室温下に3時間
攪拌した。溶媒を減圧下に留去して固体を得たが結晶化
はしなかった。アルゴン下に得られた固体を2mlのシク
ロヘキサンを用いて洗浄し乾燥した。得られた固体を31
P-NMR(CDCl3)分析すると原料のトリス(トリフェニルホ
スフィノ)ルテニウム塩化物のリンに相当するピークが
消失し、遊離したトリフェニルホスフィンの他に新たに
40ppmに単一ピークが観測され、単一種のルテニウム錯
体の形成が示唆された。得られた固体をEXAFS分析する
とルテニウムの周辺には、窒素原子、塩素原子、リン原
子が各々2原子ずつ配位していることが観測された(ル
テニウムは合計6配位)。上記結果からルテニウムはス
ルホニルアミドの酸素、もしくは、硫黄原子ではなく、
窒素原子と配位して錯体を形成していることがわかっ
た。薄層クロマトグラフィーにより、得られた固体を展
開すると、原料である(S,S)-N,N'-ビス(ベンゼンスル
ホニル)-1、2-シクロヘキサンジアミドのスポットが消
失していることが確認された(展開溶媒:ジクロロメタ
ン)。
【0031】実施例2 30mgの(S)-BINAP(東京化成製)と25mgのベンゼンルテ
ニウム塩化物2量体をアルゴン雰囲気下にて乾燥した2m
lのN,N-ジメチルホルムアミド(東京化成(株)製)に
溶解し100℃にて15分間攪拌した。室温まで冷却し、19m
gの(S,S)-N,N'-ビス(ベンゼンスルホニル)-1、2-シク
ロヘキサンジアミドをアルゴン雰囲気下にて添加し室温
にて3時間攪拌した。溶媒を減圧下に濃縮乾固し茶色固
体を得た。2mlのシクロヘキサン、次いで2mlのトルエン
を用いて洗浄して乾燥し、淡茶色固体を得た。得られた
固体をEXAFS分析すると、ルテニウム原子:(リン原子
+塩素原子):窒素原子の構成比は1:3.5:2.5
であった。得られた固体を 31P-NMR(CDCl3)分析すると、
原料の(S)-BINAPのリンに相当するピークが消失し、新
たに40ppmと50ppmにピークが観測された。薄層クロマト
グラフィーにより、得られた固体を展開すると原料であ
る(S)-BINAP、及び、(S,S)-N,N'-ビス(ベンゼンスルホ
ニル)-1、2-シクロヘキサンジアミドのスポットが消失
していることが確認された(展開溶媒:ジクロロメタ
ン)。
【0032】実施例3 実施例1と同様にして、(S,S)-N,N'-ビス(ベンゼンス
ルホニル)-1、2-シクロヘキサンジアミドの代わりに(R,
R)-N,N'-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)-1、2-
シクロヘキサンジアミドを用いてルテニウム錯体を調製
した。得られた固体を31P-NMR(CDCl3)分析すると、原料
のトリス(トリフェニルホスフィノ)ルテニウム塩化物
のリンに相当するピークが消失し、遊離したトリフェニ
ルホスフィンの他に新たに40ppmに単一ピークが観測さ
れ、単一種のルテニウム錯体の形成が示唆された。
【0033】実施例4 10mgの(S,S)-N,N'-ビスアセチル-1、2-シクロヘキサンジ
アミドと47mgのトリス(トリフェニルホスフィノ)ルテ
ニウム塩化物(アルドリッチ社製)をアルゴン雰囲気下
にて乾燥した2mlのN,N-ジメチルホルムアミド(東京化
成(株)製)に溶解し室温下に3時間攪拌した。溶媒を
減圧下に濃縮乾固し、茶色固体を得た。薄層クロマトグ
ラフィーにより、得られた固体を展開すると、原料であ
る(S,S)-N,N'-ビスアセチル-1、2-シクロヘキサンジアミ
ドのスポットが消失していることが確認された(展開溶
媒:ジクロロメタン)。
【0034】実施例5 100mgの実施例1で調整した錯体溶液(溶媒留去前、触
媒量はケトンに対して1/10,000 mol)と3.80gのシクロ
ペンタノン 2-カルボン酸エチル(東京化成(株)
製)、14mgの水酸化カリウム(和光純薬(株)製)、及
び、40mlのエタノール(東京化成(株)製)をオートク
レーブ中に添加し、10気圧の水素雰囲気下、100℃で4時
間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分
析すると、原料がほぼ消費され,1-シクロペンタノール
2-カルボン酸エチルの生成が確認された。室温に冷却
後、反応液を用いて日本化学会誌(Bull.Chem.Soc.Jp
n.)68,36-55(1995)に記載された方法に準じて、ジアス
テレオ比、及び、不斉収率を算出した。反応収率は99%
以上であり、ジアステレオ比は99.9対0.1(トランス:
シス、99.8%de、GC分析)であり、不斉収率は9%ee(s)で
あった。
【0035】反応収率とジアステレオ比の分析条件は上
記文献記載条件と異なるために、分析条件を以下に記載
した。 GC(ガスクロマトグラフィー): カラム;CBP-20,50m×0.25mm,0.4μm(SHIMADZU),カラム
圧:1.5kgf/cm2 温度条件;120℃→0.5℃/min→140℃(20min) シクロペンタノン 2-カルボン酸エチル;15.6min、cis-
1-シクロペンタノール 2-カルボン酸エチル;14.6min、
trans-1-シクロペンタノール 2-カルボン酸エチル;22.
1min 分析結果;シクロペンタノン 2-カルボン酸エチル: cis-1-シクロペンタノール 2-カルボン酸エチル: trans-1-シクロペンタノール 2-カルボン酸エチル =0.1以下:0.1:99.9 実施例6 実施例5と同様にして、実施例3で調整したルテニウム
錯体を用いて、シクロペンタノン 2-カルボン酸エチル
を還元した。触媒量はケトンに対して1/500molである。
【0036】反応収率:99%以上(GC) ジアステレオ比:>99.99対<0.01(トランス:シス、>9
9.98%de) 不斉収率は3%ee(s)であった。
【0037】ジアステレオ選択性は比較例1(従来技
術)の場合と比較して2600倍以上向上し、ほぼ純粋にト
ランス体を得ることができた。
【0038】実施例7 実施例5と同様にして、実施例4で調整したルテニウム
錯体を用いて、シクロペンタノン 2-カルボン酸エチル
を還元した。触媒量はケトンに対して1/10,000molであ
る。
【0039】反応収率:99%以上(GC) ジアステレオ比:99.7対0.3(トランス:シス、99.4%d
e、GC分析値)不斉収率は5%ee(s)であった。
【0040】実施例8 実施例1の錯体を用いて、2-ペンタノンの還元反応を行
った。 反応条件:触媒量;ケトン:触媒=5000:1 反応温度:
100℃ 水素圧:10気圧反応時間:3時間 反応収率は98%であり、不斉収率は6%ee(S)であった。 分析条件:反応収率 GC(ガスクロマトグラフィー): カラム;CBP-20,50m×0.25mm,0.4μm(SHIMADZU),カラム
圧;2kgf/cm2温度;40℃ 不斉収率 GC(ガスクロマトグラフィー): カラム;ChiradexB-TA,20m×0.25mm,0.12μm(東京化
成),カラム圧;1kgf/cm2、カラム温度;40℃ 実施例9 実施例1で調整した錯体溶液(溶媒留去前、触媒量はケ
トンに対して1/500 mol)と3.80gの2-メトキシシクロヘ
キサノン(東京化成(株)製)、14mgの水酸化カリウム
(和光純薬(株)製)、及び、40mlのイソプロピルアル
コール(東京化成(株)製)をオートクレーブ中に添加
し、10気圧の水素雰囲気下、100℃で4時間攪拌した。反
応液をガスクロマトグラフィーにより分析すると、原料
がほぼ消費され、2-メトキシ-1-シクロヘキサノールの
生成が確認された。ジアステレオ選択比は、シス:トラ
ンス=2.6:1.0であり、比較例2,3と比較してトラン
スを多く得た。 分析条件:反応収率 GC(ガスクロマトグラフィー): カラム;CBP-20,50m×0.25mm,0.4μm(SHIMADZU),カラム
圧;2kgf/cm2温度;80℃〜1℃/min〜120℃ GCでの保持時間の確認のため、別途2-メトキシシクロ
ヘキサノンをエタノール溶液中で水素化ホウ素ナトリウ
ムを用いて還元し、2-メトキシ-1-シクロヘキサノール
を合成した。
【0041】実施例10 実施例9と同一の反応を反応温度を40℃として行うと、
10気圧の水素雰囲気下、4時間では反応が完結しなかっ
たが(反応収率:5%)、生成物のシス:トランス比は1.
0:8.7となり、トランス体が多く得られた。2-メトキシ
-1-シクロヘキサノールのトランス体を主成分に合成で
きた例は従来知られていない。
【0042】比較例1 アメリカ化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)117,2675-2676(19
95)、J.Org.Chem.,61,4872-4873(1996)などに記載され
た方法に準じて、(S)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)-1,1'-ビナフチル(BINAP、東京化成社製)とルテニ
ウム、及び(S,S)-1,2-ジフェニルエチレンジアミン(環
境科学センター製)の3成分からなる錯体を調製した。
上記錯体を用いて、シクロペンタノン 2-カルボン酸エ
チルの還元反応を、実施例5と同一の条件下に行った。
反応収率は99%であり、ジアステレオ比は97.4対2.6(ト
ランス:シス、95%de、GC分析)であり、不斉収率は91%
eeであった。当該ケトンではトランス体を多く与えた
が、選択性は実施例5、6、7に比べて低い値であっ
た。
【0043】比較例2 比較例1と同様にしてシクロペンタノン 2-カルボン酸
エチルの代わりに2-メトキシシクロヘキサノン(東京化
成(株)製)を用いて、(S)-2,2'-ビス(ジフェニルホ
スフィノ)-1,1'-ビナフチル(BINAP、東京化成社製)と
ルテニウム、及び(S,S)-1,2-ジフェニルエチレンジアミ
ン(環境科学センター製)の3成分からなる錯体を用い
て還元反応を行った。触媒使用量などの反応条件は実施
例9と同一である。
【0044】反応収率;>99% ジアステレオ選択性;シス:トランス=9.7:1.0 トランス選択性は、実施例9、10に比べて低く、シス
体を選択的に与えた。
【0045】比較例3 比較例2と同様にして(S)-2,2'-ビス(ジフェニルホス
フィノ)-1,1'-ビナフチル(BINAP、東京化成社製)とル
テニウム、及び(S,S)-1,2-ジフェニルエチレンジアミン
(環境科学センター製)の3成分からなる錯体の代わり
に、(S,S)-1、2-シクロヘキサンジアミンとのトリス(ト
リフェニルホスフィノ)ルテニウム塩化物から調製され
る錯体を用いて還元反応を行った。錯体調製法は実施例
1と同様である。触媒使用量などの反応条件は実施例9
と同一である。
【0046】反応収率;>99% ジアステレオ選択性;シス:トランス=9.7:1.0 トランス選択性は、実施例9、10に比べて低く、シス
体を選択的に与えた。比較例2と比較して、比較例2で
は嵩高いホスフィン化合物を用いた錯体を適用してもジ
アステレオ選択性が比較例3と全く同一であることか
ら、ホスフィン化合物の嵩高さはジアステレオ選択性に
はほとんど寄与しないことがわかった。本発明の様に、
アミン配位子へのスルホニル基などの導入がジアステレ
オ選択性に寄与することがわかった。
【0047】
【発明の効果】本発明の新規なスルホニルアミド等を配
位子とした第VIII族遷移金属錯体の適用により、カルボ
ニル化合物の還元反応において、ジアステレオ選択性の
高いアルコールを得ることができた。特にトランス体を
選択的に与える特長を有する。公知錯体を用いた場合と
比較して2600倍以上ジアステレオ選択性を向上させて、
ほぼ完全なトランス体を得ることができた場合もある。
本発明により、錯体配位子であるアミンへのスルホニル
基等の導入はケトンなどのカルボニル化合物の還元反応
時のジアステレオ選択性の発現、特にトランス体を主に
与えるために重要であることが明らかにされた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 43/196 C07C 43/196 67/31 67/31 69/757 69/757 C // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07F 15/00 C07F 15/00 A 19/00 19/00 C07M 7:00 C07M 7:00 Fターム(参考) 4G069 AA08 BA27A BA27B BC70A BC70B BE10A BE10B BE17A BE17B BE22A BE22B BE26A BE26B BE33A BE33B BE37A BE37B CB02 4H006 AA02 AC41 BA23 BA39 BA46 BA48 BE20 BJ20 BN20 FE12 GP03 GP21 KA31 4H039 CA60 CB20 4H050 AA01 AB40 WB14 WB16 WB17 WB21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)、もしくは、式(2)で示される
    錯体。 M X Y (PR1R2R3)n(NHR4-A-NHR5)m (1) (式中、Mは第VIII族遷移金属を表し、XおよびYは水素
    原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子を表
    し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R1
    R2、およびR3はアリール基、もしくは、アルキル基を表
    し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R4
    よびR5はアルキルスルホニル基、アリールスルホニル
    基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基 、
    または、ジフェニルホスホニル基のいずれかを表し、そ
    れぞれ同一であっても異なっていてもよい。Aはアルキ
    ル基またはアリール基で置換されたエチレン基を表し、
    nとmは各々1、または、2を表す。) M X Y L (NHR4-A-NHR5)m (2) (式中、Mは第VIII族遷移金属を表し、XおよびYは水素
    原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子を表
    し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Lは
    2座のリン化合物を表し、R4およびR5はアルキルスルホ
    ニル基、アリールスルホニル基、アルキルカルボニル
    基、アリールカルボニル基 、または、ジフェニルホス
    ホニル基のいずれかを表し、それぞれ同一であっても異
    なっていてもよい。Aはアルキル基、または、アリール
    基により置換されたエチレン基を表し、mは1、または、
    2を表す。)
  2. 【請求項2】式(1)、もしくは、式(2)において、
    Mがルテニウムである請求項1記載の錯体。
  3. 【請求項3】式(1)において、R1、R2、R3が全てフェ
    ニル基であり、NHR4-A-NHR5で示されるアミドがメタン
    スルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホ
    ニル基、アセチル基、または、トリフルオロアセチル基
    のいずれかにより置換された、1,2-ジアミノシクロヘキ
    サン、1,2-ジアミノプロパン、または、1,2-ジアミノ-
    1,2-ジフェニルエタンであり、nが2であり、mが1である
    請求項1または2記載の錯体。
  4. 【請求項4】式(2)において、Lが1,2-ビス(ジフェ
    ニルホスフィノ)ベンゼン、または、置換、もしくは、
    非置換の2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビ
    ナフチルであり、NHR4-A-NHR5で示されるアミドがメタ
    ンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスル
    ホニル基、アセチル基、および、トリフルオロアセチル
    基のいずれかにより置換された1,2-ジアミノシクロヘキ
    サン、1,2-ジアミノプロパン、または、1,2-ジアミノ-
    1,2-ジフェニルエタンであり、mが1である請求項1また
    は2記載の錯体。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の錯体を触
    媒として、カルボニル基を有する化合物を還元してアル
    コールを製造する方法。
  6. 【請求項6】カルボニル基を有する化合物が、式(3) 【化1】 (式中、Aは炭素数1〜8のアルキル基、または、炭素数5
    〜14のアリール基を表し、Bは水素、炭素数1〜8のアル
    キル基、置換アミノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、
    アルコキシル基、または、シアノ基を表し、AとBは環状
    に連結されていてもよい。R6は炭素数1〜8のアルキル
    基を表し、kは0から3の整数を表し、lは0、または、1を
    表す。)で示される化合物であり、得られるアルコール
    が、式(4) 【化2】 (式中、A、B、R6、k、lは上記定義に同じ。)で示さ
    れる請求項5記載のアルコールを製造する方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜4のいずれか1項記載の錯体に
    含まれるアミドが光学活性体である錯体を触媒として、
    カルボニル基を有する化合物を還元して光学活性アルコ
    ールを製造することを特徴とする請求項5または6記載
    のアルコールの製造方法。
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