JP2001172262A - 1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンおよびその重合体の製造方法 - Google Patents

1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンおよびその重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2001172262A
JP2001172262A JP35871399A JP35871399A JP2001172262A JP 2001172262 A JP2001172262 A JP 2001172262A JP 35871399 A JP35871399 A JP 35871399A JP 35871399 A JP35871399 A JP 35871399A JP 2001172262 A JP2001172262 A JP 2001172262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
imidazolidinone
alkyl
vinyl
producing
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35871399A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Kaiho
龍夫 海宝
Naoki Asashige
朝重  直樹
Mitsuo Nakamura
光雄 中村
Ryoichi Seki
亮一 関
Hideyuki Yamaguchi
秀幸 山口
Takayuki Kawamori
貴幸 川森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP35871399A priority Critical patent/JP2001172262A/ja
Publication of JP2001172262A publication Critical patent/JP2001172262A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F26/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a single or double bond to nitrogen or by a heterocyclic ring containing nitrogen
    • C08F26/06Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a single or double bond to nitrogen or by a heterocyclic ring containing nitrogen by a heterocyclic ring containing nitrogen

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来公知の方法にも増し、より容易かつ安全
な1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンの
製造方法を提供し、また分子量が十分に大きく、安定性
のあるポリ(1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾ
リジノン)の製造方法を提供する。 【解決手段】 1−アルキル−3−ヒドロキシエチル−
2−イミダゾリジノンまたはこの誘導体を熱分解するこ
とを特徴とする1−アルキル−3−ビニル−2−イミダ
ゾリジノンの製造方法であり、また、1−アルキル−3
−ビニル−2−イミダゾリジノンを、炭素数5〜10の
飽和炭化水素中で重合させることを特徴とするポリ(1
−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノン)の製
造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性ポリマーや
ヨードホール基材、および反応剤基材等として有用なポ
リ(1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノ
ン)、ならびにその原料である1−アルキル−3−ビニ
ル−2−イミダゾリジノンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、1−アルキル−3−ビニル−2−
イミダゾリジノンの製造方法としては、エチレン尿素を
水素化ナトリウムとN,N−ジアルキルエチルクロライ
ドを用い、アルキル化した後、ヨウ化メチルで4級アン
モニウム塩とし、さらに銀触媒で脱離反応を行うことに
より、1−エチル−3−ビニル−2−イミダゾリジノン
(以下、EVIという)の得られることが知られている
(J.MACROMOL.SCI.A9(7),1085-1111,1975 )。
【0003】また、上記EVIをベンゼン溶媒中で2,
2’−アゾビスイソブチロニトリルを用い、重合させる
ことにより、その重合体であるポリ(1−エチル−3−
ビニル−2−イミダゾリジノン)(以下、PEVIとい
う)の得られること、およびそれが代用血液として有用
であることが上記文献に示されている。しかしながら上
記溶媒中にて重合させることにより得られるこのものの
分子量、および分子量の調製等に関しては何らの記述が
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来に知られる1
−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンの製法
では、禁水性で取り扱いの厳しい水素化ナトリウムが用
いられるとともに、高価な銀触媒を必要とし、かつまた
上述のとおり工程数も多いという欠点を有する。
【0005】また、上記文献にはEVIをベンゼン溶媒
中で重合させることは記載しているものの、本発明者ら
の研究によれば、EVIをベンゼンやトルエン、および
キシレン等のような芳香族系炭化水素溶媒中で重合させ
る場合は、分子量が精々1〜2万程度の比較的低分子量
のものしか得られず、より安定かつ高分子量のPEV
I、特に分子量が十数万というような、各種ポリマーや
ヨードホール基材等として有用なポリ(1−アルキル−
3−ビニル−2−イミダゾリジノン)を得ることは極め
て困難である。
【0006】本発明では上記、従来に知られる1−アル
キル−3−ビニル−2−イミダゾリジノン製法のもつ欠
点を全て解消し、より容易かつ安全で、しかもコストを
低く、工業的にも十分に採用し得る1−アルキル−3−
ビニル−2−イミダゾリジノンの製造方法を提供するこ
と、およびポリ(1−アルキル−3−ビニル−2−イミ
ダゾリジノン)の製造においては、より分子量が大き
く、十分に安定性のある重合体の得られる方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的の
ために鋭意検討を重ねた結果、特に原料として1−アル
キル−3−ヒドロキシエチル−2−イミダゾリジノンを
用いこれを脱水すること、あるいは1−アルキル−3−
ヒドロキシエチル−2−イミダゾリジノンを一旦その誘
導体に変換した後、次いで該誘導体を熱分解するという
方法を採用することで、前記従来の製法上でみられた欠
点が全て解消されるものであることを見出した。
【0008】また、ポリ(1−アルキル−3−ビニル−
2−イミダゾリジノン)の製造においては、特定な飽和
炭化水素溶媒中で重合させることにより、分子量の大き
いポリ(1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジ
ノン)の得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0009】すなわち、本発明は、(1) 下記式(I)
〔化3〕
【化3】 (式中、Rは炭素数が1〜6のアルキル基を示す)で表
される1−アルキル−3−ヒドロキシエチル−2−イミ
ダゾリジノンを脱水することを特徴とする、下記式(II)
〔化4〕
【化4】 (式中、Rは前記定義と同じである)で表される1−ア
ルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンの製造方法
であり、また、(2) 前記式(I)で表される1−アルキ
ル−3−ヒドロキシエチル−2−イミダゾリジノンを無
水酢酸、アルコール類、またはアルキルカーボネート類
と反応させ、次いで熱分解することを特徴とする、前記
式(II)で表される1−アルキル−3−ビニル−2−イミ
ダゾリジノンの製造方法であり、また、(3) 脱水または
熱分解を塩基性触媒の存在下で行う上記(1) または(2)
に記載の製造方法であり、また、(4) 前記式(II)で表さ
れる1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノン
を、炭素数5〜10の飽和炭化水素中で重合させること
を特徴とする、ポリ(1−アルキル−3−ビニル−2−
イミダゾリジノン)の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、原料として使用
する1−アルキル−3−ヒドロキシエチル−2−イミダ
ゾリジノン(以下、HEMIという)は公知物質であ
り、たとえば、クロロエチルオキサゾリノンおよびアル
キルアミンとから合成することのできる物質である(た
とえばTetrahedoron Letters No3, p137,1969に記
載)。
【0011】本発明における1−アルキル−3−ビニル
−2−イミダゾリジノンの製法は、HEMIを脱水反応
させるか、またはHEMIを一旦他の化合物と反応させ
てHEMIのアセチル化物、エーテル化物、あるいは炭
酸エステル化物等のような誘導体とした後、次いで該誘
導体を熱分解(脱離反応)することにより行われる。こ
れら脱水または熱分解は、塩基性触媒の存在下で好まし
く進行させることができる。
【0012】上記塩基性触媒としては、リチウム、ナト
リウム、カリウム、セシウム、カルシウムまたはマグネ
シウム等の炭酸塩、カルボン酸塩、アルコラート、もし
くは水酸化物等、あるいは1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミ
ン、4−ジメチルアミノピリジン等のような有機塩基が
あげられ、これらは二種以上が用いられても構わない。
【0013】本発明において、上記塩基性触媒があまり
に少ない場合は反応を進行させることが困難であり、ま
たあまり多く使用してもそれに見合う効果はなく、不経
済にもなることから、塩基性触媒は通常、原料であるH
EMIまたはこの誘導体に対して、通常0.001〜3
倍モルの範囲で、より好ましくは0.005〜1倍モル
の範囲で使用する。
【0014】本発明において、HEMIのそのものを脱
水し、1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノ
ンを得るには、塩基性触媒の存在下でHEMIを通常、
圧力1〜100hPaのもとで、温度を100〜500
℃の範囲、より好ましくは150〜300℃とすること
により可能である。
【0015】また、本発明ではHEMIを直接脱水する
ことのみならず、一旦その誘導体とした後に熱分解する
という反応形態が挙げられる。より具体的にはHEMI
を無水酢酸、アルコール類、またはアルキルカーボネー
ト類等と反応させて、HEMIのアセチル化物、エーテ
ル化物、あるいは炭酸エステル化物とした後、次いでそ
のものを熱分解するという方法が挙げられる。このよう
な方法を採用する場合は、HEMIを直接脱水する場合
にも増して、より低温で反応させることができ、しかも
より収率よく目的物を得ることが可能である。
【0016】上記アルコール類としては炭素数が1〜6
のアルコールを用いるのが好ましく、またアルキルカー
ボネート類としては、1つのアルキル基の炭素数が1〜
4であるジアルキルカーボネートを用いるのが好まし
い。
【0017】また、上記アセチル化物、エーテル化物、
あるいは炭酸エステル化物というような、HEMIの誘
導体への反応は無溶媒下に行なわせることが可能である
が、溶媒の存在下で反応させても構わない。使用可能な
反応溶媒としては本反応に不活性なものであれば何れで
もよく、たとえばトルエン、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、キシレン、およびベンゼン等が挙げられる。
【0018】本発明において、上記脱水または熱分解に
要する反応時間は、圧力や温度等の条件に左右されて一
定しないが、通常は0.5〜12時間の範囲である。
【0019】次に、本発明におけるポリ(1−アルキル
−3−ビニル−2−イミダゾリジノン)の製造方法は、
1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンを炭
素数が5〜10である飽和炭化水素溶媒中で重合させる
ことにより行われ、このような溶媒中で重合させること
により、分子量が5万〜100万程度(質量平均分子量
であり、光散乱法により測定される値のものをいう)の
ポリ(1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノ
ン)を得ることが可能となる。
【0020】上記飽和炭化水素溶媒としては、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、
シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シ
クロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、メチルシ
クロペンタン、メチルシクロヘキサン、およびこれらの
異性体等が挙げられ、二種以上の混合溶媒であってもよ
い。
【0021】本発明のポリ(1−アルキル−3−ビニル
−2−イミダゾリジノン)の製法において、上記溶媒の
使用量は、1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリ
ジノンに対し、通常0.5〜50質量倍の量、より好ま
しくは1〜10質量倍の量が用いられる。
【0022】上記重合反応は公知の重合開始剤、たとえ
ば2,2’−アゾビスイソブチロニトリルや2,2’−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の存在
下に行われ、使用量は1−アルキル−3−ビニル−2−
イミダゾリジノンの量に対して、通常、0.1〜10モ
ル%の範囲である。重合は反応液を昇温することにより
行うことができ、通常50℃以上、反応液の沸点までの
範囲で可能であり、また重合に要する反応時間は、温度
等の条件に左右され一定しないが、通常1〜12時間で
ある。
【0023】
【実施例】以下、本発明による1−アルキル−3−ビニ
ル−2−イミダゾリジノンおよびポリ(1−アルキル−
3−ビニル−2−イミダゾリジノン)の製造方法を、例
をあげ、さらに詳細に説明する。以下において%は全て
質量基準であり、また得られるポリ(1−アルキル−3
−ビニル−2−イミダゾリジノン)の分子量は質量平均
分子量であって、光散乱法により得られた数値のもので
ある。
【0024】実施例1(1−メチル−3−ビニル−2−
イミダゾリジノン(以下、MVIという)の製造) 減圧蒸留装置およびオイルバスによる加熱装置のついた
反応器に、1−メチル−3−ヒドロキシエチル−2−イ
ミダゾリジノン14.4gおよび純度86%の水酸化カ
リウム3.3gを入れ、減圧度を40hPaに調節しな
がらオイルバス温度を250℃に昇温した。反応液を1
30℃以上の温度で4時間加熱し、留出する成分を集め
た。この留分を再度減圧蒸留し、0.8hPa、70℃
で留出する成分を集めることにより、MVIの4.8g
を得た(収率38%)。得られたこのものの分析値を下
記に示す。 NMRσ ppm 6.77(dd,15.8Hz,9Hz,1H),4.02(d,9Hz,1
H),4.0(d,15.8Hz,1H) 、3.37 〜3.33(brs,4H),2.66(s,3
H,CH3) IR cm-1 2932,2880,1708,1626,1498,1444,1286,12
62,980,822 MS Cl MH+ 127
【0025】実施例2(MVIの製造) 蒸留装置のついた反応器に、1−メチル−3−ヒドロキ
シエチル−2−イミダゾリジノン14.4g、炭酸カリ
ウム0.2gおよび炭酸ジエチル70.8gを入れ、反
応に伴って生成するエタノールを留去しながら、125
〜128℃の温度で3時間反応させた。反応液を冷却
後、炭酸カリウムを濾去し、過剰の炭酸ジエチルをエバ
ポレーターを用いて留去させた。次いで、上記とは別の
減圧蒸留装置の付いた反応器に炭酸カリウム0.4gを
入れ、オイルバス温度を195℃とした後、反応器の減
圧度を27hPaに調節しながら、上記で得られた液を
約1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに1時間加熱
し、温度110℃以上で留出する成分を集めた。この留
分を再度減圧蒸留し、0.8hPa、70℃で留出する
成分を集めることにより、MVIの6.9gを得た(収
率55%)。
【0026】実施例3(MVIの製造) 反応器に1−メチル−3−ヒドロキシエチル−2−イミ
ダゾリジノン14.4g、トルエン27.3gおよび無
水酢酸24.5gを入れ、100℃で1時間反応させ
た。次いで反応液中のトルエンをエバポレーターを用い
て留去し、さらに減圧蒸留により7hPa、約140℃
で留出する成分を集めた。次いで、上記とは別の減圧蒸
留装置の付いた反応器に、上記で得られた留分とナトリ
ウムメチラート3.0gを入れ、減圧度を33hPaに
調節しながらオイルバス温度を200℃に昇温した。4
時間加熱し、120℃以上で留出する成分を集めた。こ
の留分を再度減圧蒸留し、0.8hPa、70℃で留出
する成分を集めることにより、MVIの6.0gを得た
(収率48%)。
【0027】実施例4(EVIの製造) 蒸留装置の付いた反応器に1−エチル−3−ヒドロキシ
エチル−2−イミダゾリジノン15.8g、炭酸カリウ
ム0.2gおよび炭酸ジエチル70.8gを入れ、反応
に伴って生成するエタノールを留去しながら125〜1
28℃の温度で3時間反応させた。反応液を冷却後、炭
酸カリウムを濾去し、過剰の炭酸ジエチルをエバポレー
ターを用いて留去させた。次いで、上記とは別の減圧蒸
留装置の付いた反応器に炭酸カリウム0.4gを入れ、
オイルバス温度を210℃とした後、反応器の減圧度を
16hPaに調節しながら、上記で得られた液を約1時
間かけて滴下した。滴下終了後さらに1時間加熱し、温
度120℃以上で留出する成分を集めた。この留分を再
度減圧蒸留し、0.5hPa、74℃で留出する成分を
集めることにより、EVIの7.3gを得た(収率52
%)。
【0028】実施例5(1−ブチル−3−ビニル−2−
イミダゾリジノン(以下、BVIという)の製造) 蒸留装置の付いた反応器に1−ブチル−3−ヒドロキシ
エチル−2−イミダゾリジノン18.6g、炭酸カリウ
ム0.2gおよび炭酸ジエチル70.8gを入れ、反応
に伴って生成するエタノールを留去しながら、125〜
128℃の温度で3時間反応させた。反応液を冷却後、
炭酸カリウムを濾去し、過剰の炭酸ジエチルをエバポレ
ーターを用いて留去させた。次いで、上記とは別の減圧
蒸留装置の付いた反応器に炭酸カリウム0.4gを入
れ、オイルバス温度を210℃とした後、反応器の減圧
度を13hPaに調節しながら、上記で得られた液を約
1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに1時間加熱
し、温度140℃以上で留出する成分を集めた。この留
分を再度減圧蒸留し、0.7hPa、97℃で留出する
成分を集めることにより、BVIの7.9gを得た(収
率47%)。
【0029】実施例6(MVIの製造) 蒸留装置のついた反応器に、1−メチル−3−ヒドロキ
シエチル−2−イミダゾリジノン14.4g、炭酸カリ
ウム0.2gおよび炭酸ジメチル45.0gを入れ、反
応に伴って生成するメタノールを留去しながら、90〜
100℃の温度で3時間反応させた。反応液を冷却後、
炭酸カリウムを濾去し、過剰の炭酸ジメチルをエバポレ
ーターを用いて留去させた。次いで、上記とは別の減圧
蒸留装置の付いた反応器に炭酸カリウム0.4gを入
れ、オイルバス温度を195℃とした後、反応器の減圧
度を21hPaに調節しながら、上記で得られた液を約
1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに1時間加熱
し、温度120℃以上で留出する成分を集めた。この留
分を再度減圧蒸留し、0.8hPa、70℃で留出する
成分を集めることにより、MVIの6.3gを得た(収
率50%)。
【0030】実施例7(ポリ(1−メチル−3−ビニル
−2−イミダゾリジノン)(以下、PMVIという)の
製造) 反応器にシクロヘキサン9mlを入れ、窒素を通気し溶
存酸素を除去した後、2,2’−アゾビスイソブチロニ
トリル50mgおよびMVIの3.78gを加え、窒素
気流下70℃で4時間反応させた。次いで反応液よりシ
クロヘキサンを除去した後、トルエン8mlおよびメタ
ノール2mlを加え、固形分を溶解させた。この溶液を
エーテル150ml中に滴下し、析出した結晶を濾取し
た。これを減圧乾燥し、PMVIの3.1gを得た。得
られたこのものの粘度(5%水溶液,20℃)は2.9
cStであり、また分子量は14.0万であった。
【0031】実施例8(PMVIの製造) 反応器にヘキサン9mlを入れ、窒素を通気し溶存酸素
を除去した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
50mgおよびMVIの3.78gを加え、窒素気流下
70℃で4時間反応させた。次いで反応液よりヘキサン
を除去した後、トルエン8mlおよびメタノール2ml
を加え、固形分を溶解させた。この溶液をエーテル15
0ml中に滴下し、析出した結晶を濾取した。これを減
圧乾燥し、PMVIの3.2gを得た。得られたこのも
のの粘度(5%水溶液,20℃)は3.1cStであ
り、また分子量は15.0万であった。
【0032】実施例9(PEVIの製造) MVIに代え、原料にEVIの4.20gを用いる他は
実施例7と同様の操作を行い、PEVIの3.3gを得
た。得られたこのものの粘度(5%水溶液,20℃)は
3.2cStであり、また分子量は14.2万であっ
た。
【0033】実施例9(ポリ(1−ブチル−3−ビニル
−2−イミダゾリジノン)(以下、PBVIという)の
製造) 反応器にヘキサン12mlを入れ、窒素を通気し溶存酸
素を除去した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル85mgおよびBVIの5.04gを加え、窒素気流
下70℃で4時間反応させた。次いで反応液を冷却後、
カラムクロマト(酢酸エチル:メタノール=1:1)に
て精製し、濃縮乾固および真空乾燥することによりPB
VIの4.0gを得た。得られたこのものの分子量は1
4.6万であった。
【0034】比較製造例1(PMVIの製造) 反応器にベンゼン9mlを入れ、窒素を通気し溶存酸素
を除去した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
50mgおよびMVIの3.78gを加え、窒素気流下
70℃で6時間反応させた。次いで反応液を冷却後、反
応液をエーテル300ml中に滴下し、析出した結晶を
濾取した。これを減圧乾燥し、PMVIの3.0gを得
た。得られたこのものの粘度(5%水溶液,20℃)は
1.7cStであり、また分子量は1.1万であった。
【0035】比較製造例2(PMVIの製造) ベンゼンに代え、溶媒にトルエン9mlを用いる他は比
較製造例1と同様の操作を行い、PMVIの3.3gを
得た。得られたこのものの粘度(5%水溶液,20℃)
は1.8cStであり、また分子量は1.3万であっ
た。
【0036】比較製造例3(PEVIの製造) MVIに変え、原料にEVIの4.20gを用いた他は
比較製造例2と同様の操作を行い、PEVIの2.6g
を得た。得られたこのものの粘度(5%水溶液,20
℃)は1.9cStであり、また分子量は1.3万であ
った。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明による1−アルキ
ル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンの製造方法によ
れば、従来技術にみられるような取り扱いの厳しい物質
や高価な触媒を使用せずとも、また少ない工程数におい
て、容易に目的物を得ることができる。
【0038】また、本発明によるポリ(1−アルキル−
3−ビニル−2−イミダゾリジノン)の製造方法によれ
ば、従来公知の方法にも増して、高分子量のポリ(1−
アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノン)を容易
に得ることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 光雄 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 (72)発明者 関 亮一 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 (72)発明者 山口 秀幸 千葉県茂原市茂原1579番地 (72)発明者 川森 貴幸 千葉県茂原市茂原1517番地 Fターム(参考) 4J100 AQ19P CA01 DA38 FA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)〔化1〕 【化1】 (式中、Rは炭素数が1〜6のアルキル基を示す)で表
    される1−アルキル−3−ヒドロキシエチル−2−イミ
    ダゾリジノンを脱水することを特徴とする、下記式(II)
    〔化2〕 【化2】 (式中、Rは前記定義と同じである)で表される1−ア
    ルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記式(I)で表される1−アルキル−
    3−ヒドロキシエチル−2−イミダゾリジノンを無水酢
    酸、アルコール類、またはアルキルカーボネート類と反
    応させ、次いで熱分解することを特徴とする、前記式(I
    I)で表される1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾ
    リジノンの製造方法。
  3. 【請求項3】 脱水または熱分解を塩基性触媒の存在下
    で行う請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記式(II)で表される1−アルキル−3
    −ビニル−2−イミダゾリジノンを、炭素数5〜10の
    飽和炭化水素中で重合させることを特徴とする、ポリ
    (1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノン)
    の製造方法。
JP35871399A 1999-12-17 1999-12-17 1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンおよびその重合体の製造方法 Pending JP2001172262A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35871399A JP2001172262A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンおよびその重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35871399A JP2001172262A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンおよびその重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001172262A true JP2001172262A (ja) 2001-06-26

Family

ID=18460739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35871399A Pending JP2001172262A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンおよびその重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001172262A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016145315A (ja) * 2015-01-30 2016-08-12 東ソー株式会社 ポリ−n−ビニルイミダゾリドン構造を有する温度応答性ポリマー

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016145315A (ja) * 2015-01-30 2016-08-12 東ソー株式会社 ポリ−n−ビニルイミダゾリドン構造を有する温度応答性ポリマー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20070011507A (ko) N-히드록시 환상 이미드 화합물의 제조법
KR101083147B1 (ko) 요오헥솔의 제조 방법
CN111217791B (zh) 依鲁司他中间体及其制备方法
JP2001172262A (ja) 1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンおよびその重合体の製造方法
JP3314417B2 (ja) N−ビニルホルムアミドの製造法
JPH069610A (ja) 置換1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体の製法
US9988488B2 (en) Catalyst for poly(lactide) synthesis and uses thereof
JP3069297B2 (ja) ポリエステルの製造方法
FI88028B (fi) Foerfarande foer framstaellning av -hydroxismoersyra och dess salter medelst hydrolysering av oligomerer av -hydroxismoersyra vid basiska betingelser
JP3042122B2 (ja) N−シアノアセトアミジン誘導体の製造方法
US5959148A (en) Purification process of N-vinylformamide
US8288579B2 (en) Method for producing N-methacryloyl-4-cyano-3-trifluoromethylaniline
JP3717277B2 (ja) 高純度の1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンおよびその製造方法
EP0985658B1 (en) Process for producing l-valine benzyl ester p-toluenesulfonate
JP2824781B2 (ja) N,n′―ビス―(2―ヒドロキシエチル)―ピペラジンの製法
WO2004106314A1 (ja) オキセタン環含有ビフェニル化合物の製造方法
JP4428730B2 (ja) 2,5−ジヒドロフランの製造法
EP0748803B1 (en) Process for producing carboxylic acid derivative
US20080275252A1 (en) Atipamezole Hydrochloride Crystallization Method
JP2004244340A (ja) α−ハロゲノカルボン酸エステルの製造方法
SU1331860A1 (ru) Способ получени 1-хлор-1-фенилэтана
JPH0248559A (ja) 不飽和カルボン酸アミドの製造方法
CN114829337A (zh) 1-(4-苄氧基-苄基)-3-甲基-硫脲的新型晶型的制备方法
RU2033413C1 (ru) Способ получения сложных эфиров n-метиленкарбокси-9-акридона
CN116947796A (zh) 一种合成香豆素-3-羧酸酯的方法