JP2001172208A - 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物及びそれらの製造方法 - Google Patents

芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物及びそれらの製造方法

Info

Publication number
JP2001172208A
JP2001172208A JP35926199A JP35926199A JP2001172208A JP 2001172208 A JP2001172208 A JP 2001172208A JP 35926199 A JP35926199 A JP 35926199A JP 35926199 A JP35926199 A JP 35926199A JP 2001172208 A JP2001172208 A JP 2001172208A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
unsubstituted
general formula
compound
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35926199A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Hashimoto
充 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP35926199A priority Critical patent/JP2001172208A/ja
Publication of JP2001172208A publication Critical patent/JP2001172208A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真感光体の電荷輸送材料、有機電界発
光素子の電荷輸送材料や発光材料、あるいは各種の有機
半導体素子に用いられる新規な有機化合物を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される新規芳香族
メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデ
ヒド化合物、およびそれらの製造方法を提供する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体の
電荷輸送材料、有機電界発光素子の電荷輸送材料や発光
材料、あるいは各種の有機半導体素子に用いられる材料
として有用な新規芳香族メチリデン化合物、それを製造
するための芳香族アルデヒド化合物、及びそれらの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】物質の電界発光現象を利用する電界発光
素子は、液晶素子に比べて自己発光型であるために視認
性が高く、ディスプレーなどに用いる場合に鮮明な表示
が可能である。また、完全固体素子であるために耐衝撃
性に優れる等の特徴を有しており、今後、薄型ディスプ
レイ,液晶ディスプレイのバックライト,あるいは平面
光源などに広く用いられることが期待されている。
【0003】現在実用化されている電界発光素子には、
硫化亜鉛等の無機材料を用いた分散型電界発光素子があ
るが、この分散型電界発光素子は、その駆動に比較的高
い交流電圧を必要とすることから、駆動回路が複雑にな
ったり、また輝度が低いなどの問題があり、あまり広く
実用化されていないのが実状である。
【0004】一方、有機材料を用いる有機電界発光素子
は、特開平63-264629号公報において、電子輸送性の有
機蛍光物質と、正孔輸送性の有機物を積層して、電子と
正孔の両キャリヤーを、蛍光物質層中に注入して発光さ
せる積層構成の素子が提案された。この素子では、10V
以下の駆動電圧で、1000cd/m2 以上の発光が得られると
されており、その後、この提案を発端として周辺の活発
な研究が行われるようになっている。現在では、様々な
材料や素子構成等が提案され、実用化に向けた研究開発
が活発に行われている。
【0005】その一方で、これまでに提案された材料を
用いる有機電界発光素子には、まだ様々な問題や課題が
あることも事実である。いくつかの例を挙げれば、駆動
状態、あるいは非駆動状態にもかかわらず、保存するこ
とだけで素子の機能が劣化して発光輝度が低下したり、
また駆動時、あるいは非駆動時にダークスポットと呼ば
れる発光しない領域が発生、成長したりする劣化が起こ
り、最終的には素子が短絡して破壊が起こったりする現
象を挙げることができる。このような現象は、そこで用
いられている材料の本質的な問題と考えられるところが
大きいといえるが、現状では、実用的に寿命が充分であ
るとは言い難く、実用化に当たっては、比較的短い寿命
で対応可能なデバイスに限定されてしまう状況にある。
また、素子のカラー化を考える場合に、それに対応でき
る方式や、発光材が充分には用意されていないこと等が
挙げられる。いずれにしても、これらの問題や課題を解
決し、有機電界発光素子の広範な実用化を目指すには、
そこで用いられる、新たな高性能な発光材料、電荷輸送
材料等の新しい材料の開発が待望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
有機電界発光素子の実状に鑑みなされたもので、低電圧
で高輝度な発光、耐久性に優れた有機電界発光素子を実
現させるために、特に発光材として有用な新規化合物、
それを製造するための芳香族アルデヒド化合物、及びそ
れらの製造方法を提供することにある。それにより、高
輝度発光で高耐久な有機電界発光素子を実現させること
に寄与せしめる事にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1の手段は、下記一般式(1)で表さ
れる化合物である。
【0008】
【化14】
【0009】[但し、上記式中R21は、非置換もしくは
置換アルキル基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハ
ロゲン基、シアノ基又はニトロ基を表し、n21は0、1、
2、3又は4の整数を表す。n21が2、3又は4の整数のと
き、R21は、複数の同一置換基からなる場合、複数の異
なる置換基からなる場合のいずれであってもよい。また
R3 1およびR41は、水素、非置換もしくは置換アルキル
基、非置換もしくは置換シクロアルキル基、非置換もし
くは置換芳香族基又は非置換もしくは置換芳香族複素環
基を表し、R31およびR41は、互いに同一の置換基であっ
ても異なる置換基であってもよい。] 第2の手段は、下記一般式(2)で表される化合物であ
る。
【0010】
【化15】
【0011】[但し、上記式中R22は、非置換もしくは
置換アルキル基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハ
ロゲン基、シアノ基又はニトロ基を表し、n22は0、1、
2、3又は4の整数を表す。n22が2、3又は4の整数のと
き、R22は、複数の同一置換基からなる場合、複数の異
なる置換基からなる場合のいずれであってもよい。] 第3の手段は、下記一般式(3)で表される化合物と、
下記一般式(4)で表される化合物とを反応させること
を特徴とする、一般式(1)で表される化合物の製造方
法である。
【0012】
【化16】
【0013】
【化17】
【0014】[但し、上記式中R23は、非置換もしくは
置換アルキル基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハ
ロゲン基、シアノ基又はニトロ基を表し、n23は0、1、
2、3又は4の整数を表す。n23が2、3又は4の整数のと
き、R23は、複数の同一置換基からなる場合、複数の異
なる置換基からなる場合のいずれであってもよい。また
R3 3およびR43は、水素、非置換もしくは置換アルキル
基、非置換もしくは置換シクロアルキル基、非置換もし
くは置換芳香族基又は非置換もしくは置換芳香族複素環
基を表し、R33およびR43は、互いに同一の置換基であっ
ても異なる置換基であってもよい。R10はアルキル基を
表す。] 第4の手段は、下記一般式(5)で表される化合物と、
下記一般式(6)で表される化合物とを反応させること
を特徴とする、一般式(1)で表される化合物の製造方
法である。
【0015】
【化18】
【0016】[但し、上記式中R20はアルキル基を表
す。]
【0017】
【化19】
【0018】[但し、上記式中R24は、非置換もしくは
置換アルキル基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハ
ロゲン基、シアノ基又はニトロ基を表し、n24は0、1、
2、3又は4の整数を表す。n24が2、3又は4の整数のと
き、R24は、複数の同一置換基からなる場合、複数の異
なる置換基からなる場合のいずれであってもよい。また
R3 4およびR44は、水素、非置換もしくは置換アルキル
基、非置換もしくは置換シクロアルキル基、非置換もし
くは置換芳香族基又は非置換もしくは置換芳香族複素環
基を表し、R34およびR44は、互いに同一の置換基であっ
ても異なる置換基であってもよい。]第5の手段は、下
記一般式(5)で表される化合物と、下記一般式(7)
で表される化合物とを反応させることを特徴とする、一
般式(2)で表される化合物の製造方法である。
【0019】
【化20】
【0020】[但し、上記式中R20はアルキル基を表
す。]
【0021】
【化21】
【0022】[但し、上記式中R25は、非置換もしくは
置換アルキル基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハ
ロゲン基、シアノ基又はニトロ基を表し、n25は0、1、
2、3又は4の整数を表す。n25が2、3又は4の整数のと
き、R25は、複数の同一置換基からなる場合、複数の異
なる置換基からなる場合のいずれであってもよい。] 第6の手段は、下記一般式(5)で表される化合物と、
下記一般式(8)で表される化合物とを反応させ、下記
一般式(9)で表されるアセタール化合物を得た後、該
アセタール化合物をアルデヒド化合物に誘導することを
特徴とする、一般式(2)で表される化合物の製造方法
である。
【0023】
【化22】
【0024】[但し、上記式中R20はアルキル基を表
す。]
【0025】
【化23】
【0026】[但し、上記式中R26は、非置換もしくは
置換アルキル基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハ
ロゲン基、シアノ基又はニトロ基を表し、n26は0、1、
2、3又は4の整数を表す。n26が2、3又は4の整数のと
き、R26は、複数の同一置換基からなる場合、複数の異
なる置換基からなる場合のいずれであってもよい。また
R3 0はアルキル基を表す。]
【0027】
【化24】
【0028】[但し、上記式中R27は、非置換もしくは
置換アルキル基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハ
ロゲン基、シアノ基又はニトロ基を表し、n27は0、1、
2、3又は4の整数を表す。n27が2、3又は4の整数のと
き、R27は、複数の同一置換基からなる場合、複数の異
なる置換基からなる場合のいずれであってもよい。また
R4 0はアルキル基を表す。] 第7の手段は、下記一般式(2)で表される化合物と、
下記一般式(10)で表される化合物とを反応させるこ
とを特徴とする、一般式(1)で表される化合物の製造
方法である。
【0029】
【化25】
【0030】[但し、上記式中R22は、非置換もしくは
置換アルキル基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハ
ロゲン基、シアノ基又はニトロ基を表し、n22は0、1、
2、3又は4の整数を表す。n22が2、3又は4の整数のと
き、R22は、複数の同一置換基からなる場合、複数の異
なる置換基からなる場合のいずれであってもよい。]
【0031】
【化26】
【0032】[但し、R35およびR45は、水素、非置換も
しくは置換アルキル基、非置換もしくは置換シクロアル
キル基、非置換もしくは置換芳香族基又は非置換もしく
は置換芳香族複素環基を表し、R35およびR45は、互いに
同一の置換基であっても異なる置換基であってもよい。
またR50はアルキル基を表す。] 本発明による、一般式(1)で表される化合物は、有機
電界発光素子の構成材料として有用であり、特に発光材
として優れたものである。また一般式(2)で表される
化合物は、一般式(1)で表される化合物を製造する際
の有用な中間体である。本発明により提供されるそれら
化合物、ならびにそれらの製造方法は、高輝度発光で高
耐久な有機電界発光素子の実現に大きく貢献するもので
ある。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)で表される
化合物は、大別して三通りの合成経路、すなわち、一般
式(3)で表されるアルデヒド誘導体と、一般式(4)
で表されるメチルホスホン酸エステル誘導体との反応、
一般式(5)で表されるメチルホスホン酸エステル誘導
体と、一般式(6)で表されるベンズアルデヒド誘導体
との反応、一般式(2)で表されるアルデヒド誘導体
と、一般式(10)で表されるメチルホスホン酸エステ
ル誘導体との反応により製造することが出来る。このほ
か、上記のそれぞれの合成経路において、そこで用いる
メチルホスホン酸エステル誘導体の代わりに、対応する
メチルトリアリールフォスフォニウム塩を用いることな
ども可能である。
【0034】これらの反応は、いずれもアルデヒドと活
性メチレンとの反応であり、通常、有機溶媒中で塩基を
用いて行われる。反応溶媒としては水あるいはメタノー
ル、エタノール、ブタノール、アミルアルコール等のア
ルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、クロルベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水
素、ヂエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロルメタン、ジ
クロルエタン等のハロゲン化炭化水素、ピリジン、キノ
リン等の複素環式芳香族炭化水素、その他N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげら
れ、通常一般の有機溶媒はすべて使用可能である。また
反応に際して用いられる塩基としては炭酸カリウム、炭
酸ナトリウム、水酸化カリウムあるいは水酸化ナトリウ
ムなどの無機塩基、トリエチルアミン、トリエタノール
アミン、ピリジンあるいはヘキサメチレンテトラミン等
の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキ
シド、カリウムブトキシド等のアルコール類のアルカリ
金属塩、その他ナトリウムアミド等が挙げられる。用い
る塩基の量としては、触媒量から化学当量以上まで、必
要に応じ用いることが出来る。
【0035】反応の温度としては、約−10℃ないし約
150℃で行われるが、通常約0℃ないし約80℃で行
うことが好ましい。反応時間としては、一般に反応温度
との関係で左右され、通常30分ないし100時間程度
であるが、各原料の組み合わせにより、適宜選択される
べきである。
【0036】反応終了後、反応混合物から目的物を得る
には、濃縮や貧溶媒による希釈などにより粗製品を取り
出し、好ましくは水洗などによって無機分を取り除いて
から、カラムクロマトグラフィーや再結晶など、一般に
用いられる精製方法によって純粋な目的物を得ることが
出来る。
【0037】次に、本発明の他の物質である一般式
(2)で表される化合物について述べる。
【0038】一般式(2)で表される化合物は、上記で
述べた一般式(5)で表されるメチルホスホン酸エステ
ル誘導体と、一般式(7)で表されるテレフタルアルデ
ヒド誘導体との反応、またはテレフタルアルデヒド誘導
体の代わりに、一般式(8)で表されるテレフタルアル
デヒド誘導体のモノジアルキルアセタールを用いて、得
られる一般式(9)のアセタール化合物を得た後、該ア
セタール化合物をアルデヒド化合物に誘導することによ
っても得ることが出来る。これらの反応も、上記一般式
(1)の合成反応と同様にアルデヒドと活性メチレンと
の反応であり、通常、有機溶媒中で塩基を用いて行われ
る。ここで用いられる反応溶媒および塩基は、上記一般
式(1)の合成経路で説明した物と同様な物を用いるこ
とが出来る。また反応の条件についても同様である。
【0039】次に、本発明の一般式(1)で表される化
合物の具体例を(表1)ないし(表10)に示すが、本
発明はこれに限定されるものではない。なお化合物の例
示に当たり、(表1)から(表8)では、各表の冒頭に
基本構造を一般式として表し、それに続けて各化合物の
部分構造または置換基のみを表すことで表記した。(表
9)および(表10)では、各化合物の化学構造全体を
示したが、共通する部分については括弧でくくり、その
数を表記することにより略記した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
【0049】
【表10】
【0050】先にも述べて様に、本発明による、一般式
(1)で表される化合物は、有機電界発光素子の構成材
料として有用であり、特に発光材として優れたものであ
る。また一般式(2)で表される化合物は、一般式
(1)で表される化合物を製造する際の有用な中間体で
ある。本発明により提供されるそれら化合物、ならびに
それらの製造方法は、高輝度発光で高耐久な有機電界発
光素子の実現に大きく貢献するものであるが、以下に本
発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0051】
【実施例】次に本発明の具体例を説明する。
【0052】(実施例1) [化合物番号1-1の製造例(1)]α-フェニルスチルベ
ン-4’-イルメチルホスホン酸ジエチル12.19gおよび2,
4,6-トリホルミルメシチレン2.04gをN,N-ジメチルホル
ムアミド75gに溶解し、カリウムtert-ブトキシド4.25
gを室温にて10分間にわたり少量ずつ添加した。その
後、室温にて100時間撹拌してから、メタノール及び水
を加え、析出結晶を濾取、水洗、乾燥して粗製品を得
た。
【0053】次にこの粗製品を固定相シリカゲル、移動
相としてトルエンでカラムクロマトを行い、淡黄色の成
分を分取した。トルエンを留去して得られた淡黄色の樹
脂状物を、トルエン及びヘキサンの混合溶媒より再結晶
し、淡黄色針状結晶として精製品3.47g(収率36%)を
得た。融点は223.5-225.5℃であった。このものの元素
分析値は、炭素93.50%(化合物番号1-1としての計算値
93.71%)、水素6.22%(化合物番号1-1としての計算値
6.29%)、窒素0%(化合物番号1-1としての計算値0
%)であった。赤外線吸収スペクトル測定(KBr錠剤
法)を行った結果を図1に示す。プロトン核磁気共鳴ス
ペクトル測定(溶媒CDCl3、内部標準TMS)の結果を図2
に示す。赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)の測定結
果から下記のことがわかる。 ・CH伸縮振動(芳香族):3048cm-1 ・CH伸縮振動(アルケン):3018cm-1 ・CH伸縮振動(アルカン):2954cm-1 また、プロトン核磁気共鳴スペクトルの測定結果から下
記のことがわかる。 ・芳香環環プロトン及びアルケンプロトン:δ=6.4〜7.
4ppm(51H) ・芳香族置換メチルプロトン:δ=2.3ppm(9H) また、マススペクトルより、分子イオンピークm/z=960
が観測された。
【0054】以上のことより、上記で得られた精製品は
化合物番号1-1であることが確認された。
【0055】(実施例2) [化合物番号1-1の製造例(2)]2,4,6-トリメチルメ
シチレン-α,α’,α’’-トリイルトリホスホン酸ヘキ
サエチル1.14g、4’-ホルミル-α-フェニルスチルベン
1.71gをN,N−ジメチルホルムアミド20gに溶解し、カ
リウムtert−ブトキシド0.74gを室温にて10分間にわた
り添加した。その後、室温にて100時間撹拌してから、
水約30mlを加え、析出結晶を濾取、水洗、次いでエタノ
ールで洗浄してから乾燥し、粗製品1.72gを得た。次に
この粗製品を実施例1と同様にカラムクロマトによる精
製、次いで再結晶を行い、1.16g(収率60%)の精製品
を得た。融点は223.5-225.5℃であった。このものの元
素分析値は、炭素93.47%(化合物番号1-1としての計算
値93.71%)、水素6.24%(化合物番号1-1としての計算
値6.29%)、窒素0%(化合物番号1-1としての計算値0
%)であった。また、赤外線吸収スペクトル、プロトン
核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルは、第1の実
施例で得た化合物と一致し、両者は同一物質で化合物番
号1-1であることを確認した。
【0056】(実施例3) [請求項2記載化合物の製造例(1)]テレフタルアル
デヒド 8.05g及び1,3,5-トリメチルベンゼン-α,
α’,α’’, -トリイルトリホスホン酸ヘキサエチル5.
71gをN,N−ジメチルホルムアミド75gに溶解し、5〜10
℃でカリウムtert−ブトキシド4.25gを30分間にわたり
少量ずつ添加した。その後室温にて30時間攪拌下に反応
させた後、冷水約150mlを加え沈殿を瀘取、水洗、乾燥
した。次に、この粗製品をN,N-ジメチルホルムアミド、
クロルベンゼンから再結晶し黄色結晶1.83gを得た。融
点は300℃以上であった。このものの元素分析値は、炭
素84.33%(請求項2記載化合物としての計算値84.68
%)、水素5.81%(請求項2記載化合物としての計算値
5.92%)、窒素0%(請求項2記載化合物としての計算
値0%)であった。
【0057】(実施例4) [請求項2記載化合物の製造例(2)]テレフタルアル
デヒド モノジエチルアセタール6.25g及び1,3,5-トリ
メチルベンゼン-α,α’,α’’-トリイルトリホスホン
酸ヘキサエチル5.71gをN,N-ジメチルホルムアミド75g
に溶解し、5〜10℃でカリウムtert−ブトキシド4.25g
を30分間にわたり少量ずつ添加した。その後室温にて20
時間攪拌下に反応させた後、濃塩酸34.1gを加えて80〜
85℃で1時間攪拌した後、冷水約150mlを加えた。次に
析出している結晶を瀘取、水洗、乾燥して粗製品を得
た。融点は300℃以上であった。このものの元素分析値
は、炭素84.55%(請求項2記載化合物としての計算値8
4.68%)、水素5.83%(請求項2記載化合物としての計
算値5.92%)、窒素0%(請求項2記載化合物としての
計算値0%)であった。
【0058】(実施例5) [化合物番号1-1の製造例(3)]ジフェニルメチルホ
スホン酸ジエチル9.13gおよび第3の実施例および第4
実施例にその製造例を示した請求項2記載化合物5.11g
をN,N-ジメチルホルムアミド75gに溶解し、カリウムte
rt-ブトキシド4.25gを5〜10℃、10分間にわたって添加
した。その後、室温にて20時間撹拌してから、メタノー
ル約200mlを加え、析出結晶を濾取、水洗、乾燥して粗
製品5.10gを得た。次にこの粗製品を第1の実施例と同
様にカラムクロマトによる精製を行い、3.78gの精製品
を得た。融点は235.5-238.0℃であった。このものの元
素分析値は、炭素93.56%(化合物番号1-1としての計算
値93.71%)、水素6.13%(化合物番号1-1としての計算
値6.29%)、窒素0%(化合物番号1-1としての計算値0
%)であった。
【0059】(実施例6)陽極として、透明電極である
インジウム錫酸化物(ITO)の薄膜をあらかじめ形成し
たガラス基板(ITOガラス基板)の電極上に、正孔輸送
層、発光層、電子輸送層、陰極として、アルミニウム/
リチウム(Al/Li)電極を順次蒸着により形成して、本
発明の有機電界発光素子を作製した。具体的には、先
ず、ITOガラス基板、正孔輸送材料としてN,N'-ジフェニ
ル-N,N'-ビス(3-メチルフェニル)ベンジジン(TP
D)、発光材料として本発明の化合物番号1-1の芳香族メ
チリデン化合物、電子輸送材料としてトリス(8-ヒドロ
キシキノリノ)アルミニウム(Alq)を真空蒸着装置に
セットし、10-4Paまで排気した。次にITOガラス基板の
電極上に、正孔輸送材であるTPDを0.1〜0.5nm/秒の蒸着
速度で蒸着し、正孔輸送層を50nm形成した。次に、発光
材料である化合物番号1-1を0.1〜0.5nm/秒の蒸着速度で
蒸着し、発光層を50nm形成した。続いて電子輸送材料で
あるAlqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚10nmの電子輸
送層を形成した。
【0060】さらにLiを0.01〜0.02nm/秒、Alを1〜2nm/
秒の蒸着速度で同時に蒸着し、Al/Li電極を形成した。
その厚さは150nmとした。これらの蒸着はいずれも真空
を破らずに連続して行い、また膜厚は水晶振動子によっ
てモニターすることにより制御した。素子作製後、直ち
に乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、有機電界発光素
子を作成した。この様にして作成した素子に、電圧を印
加したところ、均一な水色の発光が得られた。
【0061】
【発明の効果】上述のように、本発明に関わる芳香族メ
チリデン化合物を用いた本発明の有機電界発光素子は、
発光特性に優れ、且つ、安定性にも優れた長寿命の素子
である。従って、本発明の化合物ならびにそれらの製造
方法は、工業的に極めて重要なものであると言うことが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施例における化合物の赤外線吸
収スペクトルを示す図
【図2】本発明第1の実施例における化合物のプロトン
核磁気共鳴スペクトルを示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/06 615 C09K 11/06 615 H05B 33/14 H05B 33/14 B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物。 【化1】 [但し、上記式中R21は、非置換もしくは置換アルキル
    基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シ
    アノ基又はニトロ基を表し、n21は0、1、2、3又は4の整
    数を表す。n21が2、3又は4の整数のとき、R21は、複数
    の同一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からな
    る場合のいずれであってもよい。またR3 1およびR41は、
    水素、非置換もしくは置換アルキル基、非置換もしくは
    置換シクロアルキル基、非置換もしくは置換芳香族基又
    は非置換もしくは置換芳香族複素環基を表し、R31およ
    びR41は、互いに同一の置換基であっても異なる置換基
    であってもよい。]
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で表される化合物。 【化2】 [但し、上記式中R22は、非置換もしくは置換アルキル
    基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シ
    アノ基又はニトロ基を表し、n22は0、1、2、3又は4の整
    数を表す。n22が2、3又は4の整数のとき、R22は、複数
    の同一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からな
    る場合のいずれであってもよい。]
  3. 【請求項3】 下記一般式(3)で表される化合物と、
    下記一般式(4)で表される化合物とを反応させること
    を特徴とする請求項1記載の化合物の製造方法。 【化3】 【化4】 [但し、上記式中R23は、非置換もしくは置換アルキル
    基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シ
    アノ基又はニトロ基を表し、n23は0、1、2、3又は4の整
    数を表す。n23が2、3又は4の整数のとき、R23は、複数
    の同一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からな
    る場合のいずれであってもよい。またR3 3およびR43は、
    水素、非置換もしくは置換アルキル基、非置換もしくは
    置換シクロアルキル基、非置換もしくは置換芳香族基又
    は非置換もしくは置換芳香族複素環基を表し、R33およ
    びR43は、互いに同一の置換基であっても異なる置換基
    であってもよい。R10はアルキル基を表す。]
  4. 【請求項4】 下記一般式(5)で表される化合物と、
    下記一般式(6)で表される化合物とを反応させること
    を特徴とする請求項1記載の化合物の製造方法。 【化5】 [但し、上記式中R20はアルキル基を表す。] 【化6】 [但し、上記式中R24は、非置換もしくは置換アルキル
    基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シ
    アノ基又はニトロ基を表し、n24は0、1、2、3又は4の整
    数を表す。n24が2、3又は4の整数のとき、R24は、複数
    の同一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からな
    る場合のいずれであってもよい。またR3 4およびR44は、
    水素、非置換もしくは置換アルキル基、非置換もしくは
    置換シクロアルキル基、非置換もしくは置換芳香族基又
    は非置換もしくは置換芳香族複素環基を表し、R34およ
    びR44は、互いに同一の置換基であっても異なる置換基
    であってもよい。]
  5. 【請求項5】 下記一般式(5)で表される化合物と、
    下記一般式(7)で表される化合物とを反応させること
    を特徴とする請求項2記載の化合物の製造方法。 【化7】 [但し、上記式中R20はアルキル基を表す。] 【化8】 [但し、上記式中R25は、非置換もしくは置換アルキル
    基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シ
    アノ基又はニトロ基を表し、n25は0、1、2、3又は4の整
    数を表す。n25が2、3又は4の整数のとき、R25は、複数
    の同一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からな
    る場合のいずれであってもよい。]
  6. 【請求項6】 下記一般式(5)で表される化合物と、
    下記一般式(8)で表される化合物とを反応させ、下記
    一般式(9)で表されるアセタール化合物を得た後、前
    記アセタール化合物をアルデヒド化合物に誘導すること
    を特徴とする請求項2記載の化合物の製造方法。 【化9】 [但し、上記式中R20はアルキル基を表す。] 【化10】 [但し、上記式中R26は、非置換もしくは置換アルキル
    基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シ
    アノ基又はニトロ基を表し、n26は0、1、2、3又は4の整
    数を表す。n26が2、3又は4の整数のとき、R26は、複数
    の同一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からな
    る場合のいずれであってもよい。またR3 0はアルキル基
    を表す。] 【化11】 [但し、上記式中R27は、非置換もしくは置換アルキル
    基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シ
    アノ基又はニトロ基を表し、n27は0、1、2、3又は4の整
    数を表す。n27が2、3又は4の整数のとき、R27は、複数
    の同一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からな
    る場合のいずれであってもよい。またR4 0はアルキル基
    を表す。]
  7. 【請求項7】 下記一般式(2)で表される化合物と、
    下記一般式(10)で表される化合物とを反応させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の化合物の製造方法。 【化12】 [但し、上記式中R22は、非置換もしくは置換アルキル
    基、非置換もしくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シ
    アノ基又はニトロ基を表し、n22は0、1、2、3又は4の整
    数を表す。n22が2、3又は4の整数のとき、R22は、複数
    の同一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からな
    る場合のいずれであってもよい。] 【化13】 [但し、R35およびR45は、水素、非置換もしくは置換ア
    ルキル基、非置換もしくは置換シクロアルキル基、非置
    換もしくは置換芳香族基又は非置換もしくは置換芳香族
    複素環基を表し、R35およびR45は、互いに同一の置換基
    であっても異なる置換基であってもよい。またR50はア
    ルキル基を表す。]
JP35926199A 1999-12-17 1999-12-17 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物及びそれらの製造方法 Pending JP2001172208A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35926199A JP2001172208A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物及びそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35926199A JP2001172208A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物及びそれらの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001172208A true JP2001172208A (ja) 2001-06-26

Family

ID=18463595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35926199A Pending JP2001172208A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物及びそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001172208A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003080761A1 (ja) * 2002-03-25 2005-07-21 出光興産株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003080761A1 (ja) * 2002-03-25 2005-07-21 出光興産株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100964232B1 (ko) 실리콘 함유 화합물 및 이를 이용한 유기 전계 발광 장치
KR20150006199A (ko) 유기전기 소자용 화합물을 이용한 유기전기소자 및 그 전자 장치
KR20080064948A (ko) 스틸벤 유도체, 발광 소자 및 발광 장치
JPH11323323A (ja) 発光材料
JP4612846B2 (ja) ビスキノキサリン化合物および有機発光素子
JP2000204051A (ja) 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物、及びそれらの製造方法
JP2004059556A (ja) テトラアリールメタン誘導体、及びその製造方法
JP2000212103A (ja) 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物、及びそれらの製造方法
JP3518816B2 (ja) オキサジアゾール化合物およびその製造方法
JP2001172208A (ja) 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物及びそれらの製造方法
JP4884613B2 (ja) 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物、メチルスチリル化合物、及びそれらの製造方法
US6630607B2 (en) Aromatic methylidene compounds, aromatic aldehyde compounds and methylstyryl compounds used to prepare the methylidene compounds, and methods for preparing these compounds
JP2004059557A (ja) テトラアリールメタン誘導体、及びその製造方法
JP2000159698A (ja) 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物、及びそれらの製造方法
JP2000204082A (ja) 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物、及びそれらの製造方法
JP2004059555A (ja) テトラアリールメタン誘導体、及びその製造方法
JPH08311051A (ja) オキサジアゾール誘導体及びその製造方法
JP2002220354A (ja) 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物及びメチルスチリル化合物、並びにそれらの製造方法
JP2004091342A (ja) 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための化合物、それらの製造方法、及び芳香族メチリデン化合物を用いた有機電界発光素子
JP2002212114A (ja) 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物及びメチルスチリル化合物、並びにそれらの製造方法
JP2002212115A (ja) 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物及びメチルスチリル化合物、並びにそれらの製造方法
JP2002220355A (ja) 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物及びメチルスチリル化合物、並びにそれらの製造方法
JP2003231652A (ja) 芳香族メチリデン化合物、及びその製造方法
JP2002212113A (ja) 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物及びメチルスチリル化合物、並びにそれらの製造方法
JP2003231650A (ja) 芳香族メチリデン化合物、及びその製造方法