JP2000204082A - 芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物、及びそれらの製造方法 - Google Patents

芳香族メチリデン化合物、それを製造するための芳香族アルデヒド化合物、及びそれらの製造方法

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JP2000204082A
JP2000204082A JP11006624A JP662499A JP2000204082A JP 2000204082 A JP2000204082 A JP 2000204082A JP 11006624 A JP11006624 A JP 11006624A JP 662499 A JP662499 A JP 662499A JP 2000204082 A JP2000204082 A JP 2000204082A
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Mitsuru Hashimoto
充 橋本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低電圧で高輝度な発光、耐久性に優れた有機
電界発光素子を実現。 【解決手段】 下記一般式(化1)で表される化合物。 【化1】 [R21は、非置換又は置換アルキル基、非置換又は置換
アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基およびニトロ基、
n21は0〜4の整数。n21が2〜4の整数のとき、R21は、複
数の同一置換基からなる場合、複数の異なる置換基から
なる場合のいずれでもよい。またR31及びR41は、水素
(但しR31及びR41が同時に水素である場合を除く)、非
置換又は置換アルキル基(但しR31及びR41が同時にアル
キル基である場合を除く)、非置換又は置換シクロアル
キル基(但しR31およびR41が同時にシクロアルキル基で
ある場合を除く)、非置換又は置換芳香族基、非置換又
は置換芳香族複素環基を表し、R31及びR41は、互いに同
一の置換基でも異なる置換基でもよい。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体の
電荷輸送材料、有機電界発光素子の電荷輸送材料や発光
材料、あるいは各種の有機半導体素子に用いられる材料
として有用な新規芳香族メチリデン化合物、それを製造
するための芳香族アルデヒド化合物、及びそれらの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】物質の電界発光現象を利用する電界発光
素子は、液晶素子に比べて自己発光型であるために視認
性が高く、ディスプレーなどに用いる場合に鮮明な表示
が可能である。また、完全固体素子であるために耐衝撃
性に優れる等の特徴を有しており、今後、薄型ディスプ
レイ,液晶ディスプレイのバックライト,あるいは平面
光源などに広く用いられることが期待されている。
【0003】現在実用化されている電界発光素子には、
硫化亜鉛等の無機材料を用いた分散型電界発光素子があ
るが、この分散型電界発光素子は、その駆動に比較的高
い交流電圧を必要とすることから、駆動回路が複雑にな
ったり、また輝度が低いなどの問題があり、あまり広く
実用化されていないのが実状である。
【0004】一方、有機材料を用いる有機電界発光素子
は、1987年にC.W.Tangらによって、電子輸
送性の有機蛍光物質と、正孔輸送性の有機物を積層し
て、電子と正孔の両キャリヤーを、蛍光物質層中に注入
して発光させる積層構成の素子が提案されてから、一躍
脚光を浴びるところとなった。(C.W.Tang and S.A.VAN
Slyke,Appl.Phys.Lett.,vol.51,pp.913〜915(1987) ;
特開平63−264629号公報)。この素子では、1
0V以下の駆動電圧で、1000cd/m2 以上の発
光が得られるとされており、その後、この提案を発端と
して周辺の活発な研究が行われるようになっている。
【0005】現在では、様々な材料や素子構成等が提案
され、実用化に向けた研究開発が活発に行われている。
【0006】その一方で、これまでに提案された材料を
用いる有機電界発光素子には、まだ様々な問題や課題が
あることも事実である。いくつかの例を挙げれば、駆動
状態、あるいは非駆動状態にもかかわらず、保存するこ
とだけで素子の機能が劣化して発光輝度が低下したり、
また駆動時、あるいは非駆動時にダークスポットと呼ば
れる発光しない領域が発生、成長したりする劣化が起こ
り、最終的には素子が短絡して破壊が起こったりする現
象を挙げることができる。
【0007】このような現象は、そこで用いられている
材料の本質的な問題と考えられるところが大きいといえ
るが、現状では、実用的に寿命が充分であるとは言い難
く、実用化に当たっては、比較的短い寿命で対応可能な
デバイスに限定されてしまう状況にある。
【0008】また、素子のカラー化を考える場合に、そ
れに対応できる方式や、発光材が充分には用意されてい
ないこと等が挙げられる。いずれにしても、これらの問
題や課題を解決し、有機電界発光素子の広範な実用化を
目指すには、そこで用いられる、新たな高性能な発光材
料、電荷輸送材料等の新しい材料の開発が待望されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
有機電界発光素子の実状に鑑みなされたもので、低電圧
で高輝度な発光、耐久性に優れた有機電界発光素子を実
現させるために、特に発光材として有用な新規化合物、
それを製造するための芳香族アルデヒド化合物、及びそ
れらの製造方法を提供することにある。それにより、高
輝度発光で高耐久な有機電界発光素子を実現させること
に寄与せしめる事にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は一般式(化1)で表される化合物。
【0011】[但し、上記式中R21は、非置換または置
換アルキル基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲ
ン基、シアノ基およびニトロ基を表し、n21は0、1、2、
3、4の整数を表す。n21が2、3、4の整数のとき、R21
は、複数の同一置換基からなる場合、複数の異なる置換
基からなる場合のいずれでもよい。またR31およびR41
は、水素(但しR31およびR41が同時に水素である場合を
除く)、非置換または置換アルキル基(但しR31およびR
41が同時にアルキル基である場合を除く)、非置換また
は置換シクロアルキル基(但しR31およびR41が同時にシ
クロアルキル基である場合を除く)、非置換または置換
芳香族基、非置換または置換芳香族複素環基を表し、R3
1およびR41は、互いに同一の置換基であっても異なる置
換基であってもよい。] 一般式(化2)で表される化合物。[但し、上記式中R2
2は、非置換または置換アルキル基、非置換または置換
アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基およびニトロ基を
表し、n22は0、1、2、3、4の整数を表す。n22が2、3、4
の整数のとき、R22は、複数の同一置換基からなる場
合、複数の異なる置換基からなる場合のいずれであって
もよい。] 一般式(化3)で表される化合物と、一般式(化4)で
表される化合物とを反応させることを特徴とする、一般
式(化1)で表される化合物の製造方法。
【0012】[但し、上記式中R23は、非置換または置
換アルキル基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲ
ン基、シアノ基およびニトロ基を表し、n23は0、1、2、
3、4の整数を表す。n23が2、3、4の整数のとき、R23
は、複数の同一置換基からなる場合、複数の異なる置換
基からなる場合のいずれであってもよい。またR33およ
びR43は、水素(但しR33およびR43が同時に水素である
場合を除く)、非置換または置換アルキル基(但しR33
およびR43が同時にアルキル基である場合を除く)、非
置換または置換シクロアルキル基(但しR33およびR43が
同時にシクロアルキル基である場合を除く)、非置換ま
たは置換芳香族基、非置換または置換芳香族複素環基を
表し、R33およびR43は、互いに同一の置換基であっても
異なる置換基であってもよい。R10はアルキル基を表
す。] 一般式(化5)で表される化合物と、一般式(化6)で
表される化合物とを反応させることを特徴とする、一般
式(化1)で表される化合物の製造方法。
【0013】[但し、(化5)中R20はアルキル基を表
す。] [但し、(化6)中R24は、非置換または置換アルキル
基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲン基、シア
ノ基およびニトロ基を表し、n24は0、1、2、3、4の整数
を表す。n24が2、3、4の整数のとき、R24は、複数の同
一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からなる場
合のいずれであってもよい。またR34およびR44は、水素
(但しR34およびR44が同時に水素である場合を除く)、
非置換または置換アルキル基(但しR34およびR44が同時
にアルキル基である場合を除く)、非置換または置換シ
クロアルキル基(但しR34およびR44が同時にシクロアル
キル基である場合を除く)、非置換または置換芳香族
基、非置換または置換芳香族複素環基を表し、R34およ
びR44は、互いに同一の置換基であっても異なる置換基
であってもよい。] 一般式(化5)で表される化合物と、一般式(化7)で
表される化合物とを反応させることを特徴とする、一般
式(化2)で表される化合物の製造方法。
【0014】[但し、(化5)中R20はアルキル基を表
す。] [但し、(化7)中R25は、非置換または置換アルキル
基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲン基、シア
ノ基およびニトロ基を表し、n25は0、1、2、3、4の整数
を表す。n25が2、3、4の整数のとき、R25は、複数の同
一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からなる場
合のいずれであってもよい。] 一般式(化5)で表される化合物と、一般式(化8)で
表される化合物とを反応させ、一般式(化9)で表され
るアセタール化合物を得た後、該アセタール化合物をア
ルデヒド化合物に誘導することを特徴とする、請求項2
記載化合物の製造方法。
【0015】[但し、(化5)中R20はアルキル基を表
す。] [但し、(化8)中R26は、非置換または置換アルキル
基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲン基、シア
ノ基およびニトロ基を表し、n26は0、1、2、3、4の整数
を表す。n26が2、3、4の整数のとき、R26は、複数の同
一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からなる場
合のいずれであってもよい。またR30はアルキル基を表
す。] [但し、(化9)中R27は、非置換または置換アルキル
基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲン基、シア
ノ基およびニトロ基を表し、n27は0、1、2、3、4の整数
を表す。n27が2、3、4の整数のとき、R27は、複数の同
一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からなる場
合のいずれであってもよい。またR40はアルキル基を表
す。] および一般式(化2)で表される化合物と、一般式(化
10)で表される化合物とを反応させることを特徴とす
る、一般式(化1)で表される化合物の製造方法であ
る。
【0016】[但し、(化2)中R22は、非置換または
置換アルキル基、非置換または置換アルコキシ基、ハロ
ゲン基、シアノ基およびニトロ基を表し、n22は0、1、
2、3、4の整数を表す。n22が2、3、4の整数のとき、R22
は、複数の同一置換基からなる場合、複数の異なる置換
基からなる場合のいずれであってもよい。] [但し、(化10)中R35およびR45は、水素(但しR35
およびR45が同時に水素である場合を除く)、非置換ま
たは置換アルキル基(但しR35およびR45が同時にアルキ
ル基である場合を除く)、非置換または置換シクロアル
キル基(但しR35およびR45が同時にシクロアルキル基で
ある場合を除く)、非置換または置換芳香族基、非置換
または置換芳香族複素環基を表し、R35およびR45は、互
いに同一の置換基であっても異なる置換基であってもよ
い。またR50はアルキル基を表す。] 本発明による、一般式(化1)で表される化合物は、有
機電界発光素子の構成材料として有用であり、特に発光
材として優れたものである。また一般式(化2)で表さ
れる化合物は、一般式(化1)で表される化合物を製造
する際の有用な中間体である。本発明により提供される
それら化合物、ならびにそれらの製造方法は、高輝度発
光で高耐久な有機電界発光素子の実現に大きく貢献する
ものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)で表される
化合物は、大別して三通りの合成経路、すなわち、一般
式(化3)で表されるアルデヒド誘導体と、一般式(化
4)で表されるメチルホスホン酸エステル誘導体との反
応、一般式(化5)で表されるメチルホスホン酸エステ
ル誘導体と、一般式(化6)で表されるベンズアルデヒ
ド誘導体との反応、一般式(化2)で表されるアルデヒ
ド誘導体と、一般式(化10)で表されるメチルホスホ
ン酸エステル誘導体との反応により製造することが出来
る。
【0018】このほか、上記のそれぞれの合成経路にお
いて、そこで用いるメチルホスホン酸エステル誘導体の
代わりに、対応するメチルトリアリールフォスフォニウ
ム塩を用いることなども可能である。
【0019】これらの反応は、いずれもアルデヒドと活
性メチレンとの反応であり、通常、有機溶媒中で塩基を
用いて行われる。反応溶媒としては水あるいはメタノー
ル、エタノール、ブタノール、アミルアルコール等のア
ルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、クロルベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水
素、ヂエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロルメタン、ジ
クロルエタン等のハロゲン化炭化水素、ピリジン、キノ
リン等の複素環式芳香族炭化水素、その他N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげら
れ、通常一般の有機溶媒はすべて使用可能である。
【0020】また反応に際して用いられる塩基としては
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムあるい
は水酸化ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミ
ン、トリエタノールアミン、ピリジンあるいはヘキサメ
チレンテトラミン等の有機塩基、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムブトキシド等のア
ルコール類のアルカリ金属塩、その他ナトリウムアミド
等が挙げられる。用いる塩基の量としては、触媒量から
化学当量以上まで、必要に応じ用いることが出来る。
【0021】反応の温度としては、約−10°Cないし
約150°Cで行われるが、通常約0°Cないし約80
°Cで行うことが好ましい。反応時間としては、一般に
反応温度との関係で左右され、通常30分ないし100
時間程度であるが、各原料の組み合わせにより、適宜選
択されるべきである。
【0022】反応終了後、反応混合物から目的物を得る
には、濃縮や貧溶媒による希釈などにより粗製品を取り
出し、好ましくは水洗などによって無機分を取り除いて
から、カラムクロマトグラフィーや再結晶など、一般に
用いられる精製方法によって純粋な目的物を得ることが
出来る。
【0023】次に、本発明の他の物質である一般式(化
2)で表される化合物について述べる。一般式(化2)
で表される化合物は、上記で述べた一般式(化5)で表
されるメチルホスホン酸エステル誘導体と、一般式(化
7)で表されるテレフタルアルデヒド誘導体との反応、
またはテレフタルアルデヒド誘導体の代わりに、一般式
(化8)で表されるテレフタルアルデヒド誘導体のモノ
ジアルキルアセタールを用いて、得られる一般式(化
2)のアセタール化合物を得た後、該アセタール化合物
をアルデヒド化合物に誘導することによっても得ること
が出来る。
【0024】これらの反応も、上記一般式(化1)の合
成反応と同様にアルデヒドと活性メチレンとの反応であ
り、通常、有機溶媒中で塩基を用いて行われる。ここで
用いられる反応溶媒および塩基は、上記一般式(化1)
の合成経路で説明した物と同様な物を用いることが出来
る。また反応の条件についても同様である。
【0025】次に、本発明の一般式(化1)で表される
化合物の具体例を表1ないし表10に示すが、本発明は
これに限定されるものではない。なお化合物の例示に当
たり、(表1)から(表8)では、各表の冒頭に基本構
造を一般式として表し、それに続けて各化合物の部分構
造または置換基のみを表すことで表記した。また(表
9)および(表10)では、各化合物の化学構造全体を
表記した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
【0033】
【表8】
【0034】
【表9】
【0035】
【表10】
【0036】先にも述べて様に、本発明による、一般式
(化1)で表される化合物は、有機電界発光素子の構成
材料として有用であり、特に発光材として優れたもので
ある。
【0037】また一般式(化2)で表される化合物は、
一般式(化1)で表される化合物を製造する際の有用な
中間体である。本発明により提供されるそれら化合物、
ならびにそれらの製造方法は、高輝度発光で高耐久な有
機電界発光素子の実現に大きく貢献するものであるが、
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0038】次に本発明の具体例を説明する。 (実施例1) 化合物番号1−1の製造例(1) α−フェニルスチルベン−4’−イルメチルホスホン酸
ジエチル8.13gおよび3,3-ジホルミルキノキサリン
1.86gをN,N−ジメチルホルムアミド50gに溶
解し、カリウム tert−ブトキシド2.84gを5
〜10°C、10分間にわたって添加した。
【0039】その後、室温にて20時間撹拌してから、
メタノール300mlを加え、析出結晶を濾取、水洗、乾
燥して粗製品6.35gを得た。次にこの粗製品をトル
エンから再結晶して精製品3.94gを黄色の結晶とし
て得た。融点250.0〜252.5°C。このものの
元素分析値は、炭素90.34%(化合物番号1−1と
しての計算値90.40%)、水素5.60%(化合物
番号1−1としての計算値5.54%)、窒素4.03
%(化合物番号1−1としての計算値4.06%)であ
った。
【0040】(実施例2) 化合物番号1−1の製造例(2) 2,3-ジメチルキノキサリン-α,α’-ジイルジホスホン
酸テトラエチル2.15g、4’−ホルミル−α−フェ
ニルスチルベン2.84gをN,N−ジメチルホルムア
ミド30gに溶解し、5〜10°CでNaOCH3 の2
8%メタノール溶液2.88gを10分間にわたり滴下
した。その後、室温にて20時間撹拌してから、酢酸約
2ml、次いでメタノール約70mlを加え、析出結晶を濾
取、水洗、乾燥して粗製品3.43gを得た。
【0041】次にこの粗製品を約120mlのトルエンか
ら再結晶して精製品1.45gを黄色結晶として得た。
融点250.0〜252.5°C。このものの元素分析
値は、炭素90.31%(化合物番号1−1としての計
算値90.40%)、水素5.59%(化合物番号1−
1としての計算値5.54%)、窒素4.01%(化合
物番号1−1としての計算値4.06%)であった。
【0042】(実施例3) 請求項2記載化合物の製造例(1) テレフタルアルデヒド5.37g及び2,3-ジメチルキノ
キサリン-α,α’-ジイルジホスホン酸テトラエチル
4.30gをN,N−ジメチルホルムアミド30gに溶
解し、5〜10°Cでカリウム tert−ブトキシド
2.83gを30分間にわたり少量ずつ添加した。その
後室温にて30時間攪拌下に反応させた後、冷水約15
0mlを加え沈殿を瀘取、水洗、乾燥した。
【0043】次に、この粗製品を固定相シリカゲル、移
動相酢酸エチルにてカラムクロマトを行い、黄色の成分
を分取した。この黄色成分をトルエンから再結晶して、
精製品1.33gを得た。融点203.0〜204.5
°C。このものの元素分析値は、炭素79.86%(請
求項2記載化合物としての計算値79.98%)、水素
4.60%(請求項2記載化合物としての計算値4.6
5%)、窒素7.09%(請求項2記載化合物としての
計算値7.17%)であった。
【0044】(実施例4) 請求項2記載化合物の製造例(2) テレフタルアルデヒド モノジエチルアセタール4.1
7g及び2,3-ジメチルキノキサリン-α,α’-ジイルジ
ホスホン酸テトラエチル4.30gをN,N−ジメチル
ホルムアミド30gに溶解し、5〜10°Cでカリウム
tert−ブトキシド2.83gを30分間にわたり
少量ずつ添加した。その後室温にて22時間攪拌下に反
応させた後、濃塩酸22.7gを加えて80〜85°C
で1時間攪拌した後、冷水約150mlを加えた。
【0045】次に析出している結晶を瀘取、水洗、乾燥
して粗製品を黄色の結晶として3.12g得た。次いで
トルエンより再結晶して精製品2.67gを得た。融点
203.0〜204.5°C。このものの元素分析値
は、炭素79.89%(請求項2記載化合物としての計
算値79.98%)、水素4.63%(請求項2記載化
合物としての計算値4.65%)、窒素7.18%(請
求項2記載化合物としての計算値7.17%)であっ
た。
【0046】(実施例5) 化合物番号1−1の製造例(3) ジフェニルメチルホスホン酸ジエチル6.09gおよび
実施例5および実施例6にその製造例を示した請求項2
記載化合物3.90gをN,N−ジメチルホルムアミド
50gに溶解し、カリウム tert−ブトキシド2.
83gを5〜10°C、10分間にわたって添加した。
その後、室温にて20時間撹拌してから、メタノール約
50mlを加え、析出結晶を濾取、水洗、乾燥して粗製品
6.83gを得た。
【0047】次にこの粗製品をトルエンから再結晶し精
製品3.53gを黄色の結晶として得た。融点250.
0〜252.5°C。このものの元素分析値は、炭素9
0.40%(化合物番号1−1としての計算値90.4
0%)、水素5.63%(化合物番号1−1としての計
算値5.54%)、窒素3.98%(化合物番号1−1
としての計算値4.06%)であった。
【0048】(実施例6)陽極として、透明電極である
インジウム錫酸化物(ITO)の薄膜をあらかじめ形成
したガラス基板(ITOガラス基板)の電極上に、正孔
輸送層、発光層、電子輸送層、陰極として、アルミニウ
ム/リチウム(Al/Li)電極を順次蒸着により形成
して、本発明の有機電界発光素子を作製した。
【0049】具体的には、先ず、ITOガラス基板、正
孔輸送材料としてN,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3−メ
チルフェニル)ベンジジン(TPD)、発光材料として
本発明の化合物番号1−1の芳香族メチリデン化合物、
電子輸送材料としてトリス(8−ヒドロキシキノリノ)
アルミニウム(Alq)を真空蒸着装置にセットし、10
−4Paまで排気した。
【0050】次にITOガラス基板の電極上に、正孔輸
送材であるTPDを0.1〜0.5nm/秒の蒸着速度
で蒸着し、正孔輸送層を50nm形成した。次に、発光
材料である化合物番号1−1を0.1〜0.5nm/秒
の蒸着速度で蒸着し、発光層を50nm形成した。続い
て電子輸送材料であるAlqを0.1nm/秒の速度で蒸
着し、膜厚10nmの電子輸送層を形成した。
【0051】さらにLiを0.01〜0.02nm/
秒、Alを1〜2nm/秒の蒸着速度で同時に蒸着し、
Al/Li電極を形成した。その厚さは150nmとし
た。これらの蒸着はいずれも真空を破らずに連続して行
い、また膜厚は水晶振動子によってモニターすることに
より制御した。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の
取り出しを行い、有機電界発光素子を作成した。この様
にして作成した素子に、電圧を印加したところ、均一な
黄緑色の発光が得られた。
【0052】
【発明の効果】上述のように、本発明に関わる芳香族メ
チリデン化合物を用いた本発明の有機電界発光素子は、
発光特性に優れ、且つ、安定性にも優れた長寿命の素子
である。
【0053】従って、本発明の化合物ならびにそれらの
製造方法は、工業的に極めて重要なものであると言うこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物番号1-1の赤外線吸収スペクト
ルを示す図

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(化1)で表される化合物。 【化1】 [但し、上記式中R21は、非置換または置換アルキル
    基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲン基、シア
    ノ基およびニトロ基を表し、n21は0、1、2、3、4の整数
    を表す。n21が2、3、4の整数のとき、R21は、複数の同
    一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からなる場
    合のいずれであってもよい。またR31およびR41は、水素
    (但しR31およびR41が同時に水素である場合を除く)、
    非置換または置換アルキル基(但しR31およびR41が同時
    にアルキル基である場合を除く)、非置換または置換シ
    クロアルキル基(但しR31およびR41が同時にシクロアル
    キル基である場合を除く)、非置換または置換芳香族
    基、非置換または置換芳香族複素環基を表し、R31およ
    びR41は、互いに同一の置換基であっても異なる置換基
    であってもよい。]
  2. 【請求項2】下記一般式(化2)で表される化合物。 【化2】 [但し、上記式中R22は、非置換または置換アルキル
    基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲン基、シア
    ノ基およびニトロ基を表し、n22は0、1、2、3、4の整数
    を表す。n22が2、3、4の整数のとき、R22は、複数の同
    一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からなる場
    合のいずれであってもよい。]
  3. 【請求項3】下記一般式(化3)で表される化合物と、
    下記一般式(化4)で表される化合物とを反応させるこ
    とを特徴とする、請求項1記載化合物の製造方法。 【化3】 【化4】 [但し、上記式中R23は、非置換または置換アルキル
    基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲン基、シア
    ノ基およびニトロ基を表し、n23は0、1、2、3、4の整数
    を表す。n23が2、3、4の整数のとき、R23は、複数の同
    一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からなる場
    合のいずれであってもよい。またR33およびR43は、水素
    (但しR33およびR43が同時に水素である場合を除く)、
    非置換または置換アルキル基(但しR33およびR43が同時
    にアルキル基である場合を除く)、非置換または置換シ
    クロアルキル基(但しR33およびR43が同時にシクロアル
    キル基である場合を除く)、非置換または置換芳香族
    基、非置換または置換芳香族複素環基を表し、R33およ
    びR43は、互いに同一の置換基であっても異なる置換基
    であってもよい。R10はアルキル基を表す。]
  4. 【請求項4】下記一般式(化5)で表される化合物と、
    下記一般式(化6)で表される化合物とを反応させるこ
    とを特徴とする、請求項1記載化合物の製造方法 【化5】 [但し、上記式中R20はアルキル基を表す。] 【化6】 [但し、上記式中R24は、非置換または置換アルキル
    基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲン基、シア
    ノ基およびニトロ基を表し、n24は0、1、2、3、4の整数
    を表す。n24が2、3、4の整数のとき、R24は、複数の同
    一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からなる場
    合のいずれであってもよい。またR34およびR44は、水素
    (但しR34およびR44が同時に水素である場合を除く)、
    非置換または置換アルキル基(但しR34およびR44が同時
    にアルキル基である場合を除く)、非置換または置換シ
    クロアルキル基(但しR34およびR44が同時にシクロアル
    キル基である場合を除く)、非置換または置換芳香族
    基、非置換または置換芳香族複素環基を表し、R34およ
    びR44は、互いに同一の置換基であっても異なる置換基
    であってもよい。]
  5. 【請求項5】一般式(化5)で表される化合物と、下記
    一般式(化7)で表される化合物とを反応させることを
    特徴とする、請求項2記載化合物の製造方法。 【化7】 [但し、上記式中R25は、非置換または置換アルキル
    基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲン基、シア
    ノ基およびニトロ基を表し、n25は0、1、2、3、4の整数
    を表す。n25が2、3、4の整数のとき、R25は、複数の同
    一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からなる場
    合のいずれであってもよい。]
  6. 【請求項6】一般式(化5)で表される化合物と、下記
    一般式(化8)で表される化合物とを反応させ、下記一
    般式(化9)で表されるアセタール化合物を得た後、該
    アセタール化合物をアルデヒド化合物に誘導することを
    特徴とする、請求項2記載化合物の製造方法。 【化8】 [但し、上記式中R26は、非置換または置換アルキル
    基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲン基、シア
    ノ基およびニトロ基を表し、n26は0、1、2、3、4の整数
    を表す。n26が2、3、4の整数のとき、R26は、複数の同
    一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からなる場
    合のいずれであってもよい。またR30はアルキル基を表
    す。] 【化9】 [但し、上記式中R27は、非置換または置換アルキル
    基、非置換または置換アルコキシ基、ハロゲン基、シア
    ノ基およびニトロ基を表し、n27は0、1、2、3、4の整数
    を表す。n27が2、3、4の整数のとき、R27は、複数の同
    一置換基からなる場合、複数の異なる置換基からなる場
    合のいずれであってもよい。またR40はアルキル基を表
    す。]
  7. 【請求項7】一般式(化2)で表される化合物と、下記
    一般式(10)で表される化合物とを反応させることを
    特徴とする、請求項1記載化合物の製造方法。 【化10】 [但し、R35およびR45は、水素(但しR35およびR45が同
    時に水素である場合を除く)、非置換または置換アルキ
    ル基(但しR35およびR45が同時にアルキル基である場合
    を除く)、非置換または置換シクロアルキル基(但しR3
    5およびR45が同時にシクロアルキル基である場合を除
    く)、非置換または置換芳香族基、非置換または置換芳
    香族複素環基を表し、R35およびR45は、互いに同一の置
    換基であっても異なる置換基であってもよい。またR50
    はアルキル基を表す。]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004006355A2 (en) * 2002-07-10 2004-01-15 E.I. Du Pont De Nemours And Company Charge transport compositions which are quinazoline derivatives and electronic devices made with such compositions

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US8293139B2 (en) 2002-07-10 2012-10-23 E I Du Pont De Nemours And Company Charge transport compositions and electronic devices made with such compositions
US8529796B2 (en) 2002-07-10 2013-09-10 E I Du Pont De Nemours And Company Charge transport compositions and electronic devices made with such compositions

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