JP2001170216A - 球技用ボール - Google Patents
球技用ボールInfo
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Abstract
バルブ取付け部分をできるだけ柔らかい状態とした球技
用ボールを提供する。 【解決手段】 複数枚の皮革パネル13,14を球形に
縫い合わせて表皮層12を形成し、皮革パネルの裏面の
複数枚の布17a,17b,17C,17dよりなる補
強層17にバルブ7上端の鍔状部分8aを糸26で縫い
合わせて、しっかりと固定し、蹴った衝撃などでバルブ
が皮革パネルから剥離し位置ズレを起こして空気注入に
支障を来すことがないように図ると共に、皮革パネルと
補強層の間に緩衝材層19を設けて反発弾性等を他の部
分とできるだけ近い構成とした。
Description
ハンドボール等の球技用ボール、特に縫い構造の球技用
ボールに関する。
構造の違いから縫いボールと貼りボールの2種類に大別
される。縫いボールとは、複数枚の皮革パネルを、その
周辺を内側に折り曲げて縫い合わせ、これにゴムチュー
ブを収納した構造を有する。球形を保つために皮革パネ
ルの裏面に複数枚の布が接着されて補強層が形成され
る。他方貼りボールとは、ゴムチューブの表面に数千メ
ートル分のナイロン糸をランダムな方向に巻き、球形を
維持する補強層を形成した後、この補強層上に皮革パネ
ルを接着するのである。
が狭くかつ深いことからグリップ性すなわち手に持った
とき掴みやすいこと、蹴球時等のボールコントロール
性、飛距離に優れること、及び感触が柔らかいことから
ボールが体にぶつかったとき或いは蹴球時における衝撃
が抑えられるという利点がある。それ故最近では、縫い
ボールの方が広く使用されるようになりつつある。な
お、皮革層としては、天然皮革、人工皮革その他の皮革
様の材料が使用される。
しては、例えば図5に示す構造が採用されることが多
い。すなわちゴム製バルブの上端に薄い円形の鍔状部材
が形成され、これが空気注入用孔を形成した皮革パネル
の裏面に、布片が当てられて糸にて縫い合わされるので
ある。縫い合わせることで、バルブが皮革パネルから剥
離することを防止し、かつ皮革パネルに対するバルブの
位置合わせを確実にするのである。また、バルブが取り
つけられる皮革パネルのみ、その裏面に別途支持片が配
置され、これに開けた孔にバルブを嵌め込み、支持片は
皮革パネルの端部において縫い合わせる構造も公知であ
る(実公昭36−8228号公報)。
にあっては、バルブ1の固定部分に布片2が糸3で皮革
パネル4に縫い合わせられるため、この部分が硬くな
り、これが体に当たったとき痛いこと、またイレギュラ
ーバウンドの原因となること、さらに外観上も見栄えが
よくないという問題がある。また糸は表皮層表面に露出
しているために、使用を繰り返すうちに摩耗して擦り切
れ、バルブが外れるおそれがあるという問題がある。さ
らに上記公報に開示の構造にあっては、バルブを取りつ
ける皮革パネルのみ支持片が設けられるため、この皮革
パネル部分の反発弾性が他の部分と異なること、支持片
と皮革パネルとは接着されていないから、蹴球等が繰り
返されるうちにバルブの中心が皮革パネルの空気注入孔
からずれ、以後空気の注入操作ができなくなるという問
題が発生する。
であり、バルブと表皮層との結合を確実にするとともに
バルブ取付け部分の反発弾性等、物性を他の部分にでき
るだけ近い構成とした球技用ボールを提供するものであ
る。
る球技用ボールは、球形中空体のゴム製チューブ、該チ
ューブに形成された空気注入のためのゴム製バルブ、複
数枚の多角形皮革パネルの周辺を縫い合わせて形成され
た上記チューブを被覆する表皮層を備え、上記皮革パネ
ルは、上記多角形形状の皮革層と、上記多角形形状の布
を複数枚重ね合わせて上記皮革層下面に接着した補強層
とからなる球技用ボールにおいて、上記バルブの上面に
該バルブと一体に鍔状部分が形成され、該鍔状部分は、
上記皮革層下面において上記補強層と糸にて縫い合わさ
れてなるものである。
補強層に糸にて縫い合わされるから、両者は強固に結合
する。また糸の上端は皮革層にて覆われるから、これが
ボール表面に露出することはない。
は、少なくとも上記バルブが取りつけられる上記皮革層
と上記補強層との間に緩衝材層が介在せしめられてな
る。かかる構成において、本来他の部分より硬くなるバ
ルブ取付け部分の皮革層表面が柔らかくなる。
は、上記表皮層が、12枚の5角形皮革パネルと20枚
の6角形皮革パネルからなり、サッカーボール又はハン
ドボールとすることができるものである。かかる構成に
おいてバルブは、1枚の例えば6角形皮革パネルの中央
に位置せしめられ、この皮革パネルの中央に空気注入用
の孔が穿設される。
ボールの例を示し、6は、天然ラテックスゴム等の空気
非透過性を有する弾性材料にて球形中空体に形成された
チューブ、7は、チューブ6に圧搾空気を注入するため
の天然ラテックスよりなるゴム製バルブであり、上端部
とそれより少し下方の部分とに、それぞれ円板状の鍔状
部分8a,8bが一体形成されている。また、バルブ7
の中央には、空気注入針(図示せず)が差し込まれる細
い孔21が途中まで形成されている。22は、この孔2
1の下部にスリット状に形成された切欠部で、針はこの
切欠部22を突き抜けて、チューブ6内に差し込まれ、
空気が注入されるのである。
で、バルブ7と同様、天然ラテックスゴム等の弾性材料
からなり、その上端部には円板状の鍔状部10が一体形
成されており、そしてこの鍔状部10は、チューブ6に
おけるバルブ取り付け部分に凹設した凹部11に座する
ようになっている。
チューブ6のバルブ取り付け部分に取り付けられると、
バルブ7の下部の鍔状部分8bは、バルブ取り付け部分
に形成した凹部11に座して、バルブホルダー9の鍔状
部10の上面に乗り、チューブ6表面より僅か突出した
状況にセットされる。そして、このバルブホルダー9を
介して、バルブ7はチューブ6に加硫接着により、結合
されている。
的には12枚の5角形皮革パネル13と20枚の6角形
皮革パネル14よりなる表皮層であり、各皮革パネル1
3、14の周辺は内側に折り込まれて糸15にて縫い合
わされ、球形に構成されている。皮革パネル13、14
は、表面の皮革層16とその下面に設けられ蹴球した際
の衝撃をやわらげる作用をなすEPDMフォーム等より
なる緩衝材層19と、この緩衝材層19の下面に接着さ
れた複数枚、図示の例では4枚の布17a,17b,1
7c,17dよりなる補強層17にて構成される。皮革
層16として、天然皮革、人工皮革が使用される。
ネル14の中心には、空気注入用孔18が形成され、こ
こに空気注入針(図示せず)が入り込む。
付ける皮革パネル14に、他の部分と差のある反発弾性
とならないように、それが必要とされる。図2に示す例
では、全ての皮革パネル13,14に緩衝材層19を設
けたが、バルブ7を取り付けた皮革パネル14のみにこ
れを設ける構造としてもよい。バルブ7を取り付けた皮
革パネル14は、硬い感触となりやすいからである。そ
して、この緩衝材層19にも、上記表面の皮革層16に
設けた空気注入用孔18と連通するように、その中心に
同径の大きさの空気注入用孔23が形成されている。
b,17c,17dとして、綿布又は綿とポリエステル
の混紡布が使用され、上2枚が綿布、下2枚が綿とポリ
エステルの混紡布とする。そして、これら布17a,1
7b,17c,17dにも、その中心に、皮革層16お
よび緩衝材層19の空気注入用孔18,23と連通する
空気注入用孔24が形成されている。
17c,17dは、縦糸と横糸を交差させて織った織布
が使用され、4枚の布17a,17b,17c,17d
はその縦糸方向が、交互に直交するごとく配置されてい
る。これにより、補強層17の縦糸方向と横糸方向の引
張強度が等しくなる。織布は、縦糸方向及び横糸方向に
対し45度方向等、角度をつけた方向に引っ張った場
合、大きな伸縮作用が得られ(バイアス効果)、ボール
5に外力が加わったとき、外力に応じて伸縮し、衝撃を
緩和する。また織布の縦糸及び横糸方向には、強い引張
強度を有するから、皮革パネル13、14を強化する作
用を果たす。
dは、その4枚がラテックスゴム糊にて接着されて1枚
の補強層17とされた後に、5角形又は6角形に裁断さ
れる。
形に裁断した補強層17の中央に位置させ、バルブ7の
上端の鍔状部分8aを補強層17下面に当てがって、そ
のバルブ中央の細い孔21と補強層17側の空気注入用
孔24とを一致させる。
ブ7の鍔状部分8aと補強層17とを、図3及び図4に
示すように、糸26にて、空気注入用孔18を中心とし
たその左右両側の二カ所で、2糸針ずつ縫い合わせて、
バルブ7を補強層17に縫い付け固定する。糸26とし
ては、ポリエステル糸が使用できる。
補強層17の上に位置する緩衝材層19と、一番上の皮
革層16とを、ラテックス糊にて両者接着した後、これ
も5角形又は6角形に裁断する。
に裁断された皮革層16と緩衝材層19に、バルブ7を
下面に縫い付けている補強層17とを重ね合わせ、クロ
ロプレン系ゴム糊により両者を接着せしめる。
び布17a,17b,17c,17dは、クロロプレン
系ゴム糊にて接着されて1枚の皮革パネルとされる。
ボール5に真球性、形状維持性、耐久性を付与するとと
もにチューブ6を保護する作用をなすのである。なお、
補強層17には、布17a,17b,17c,17dの
間にCR、ポリウレタン、EPDM等の発泡材よりなる
緩衝層を介在させることも、またポリエステルフィル
ム、PVCフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロ
ピレンフィルム等強度の高いフィルムよりなる強化層を
介在させることもできる。
れて皮革層16及び補強層17ともに隣接する皮革パネ
ル13、14と糸15にて縫い合わされている。
複数枚の布17a,17b,17c,17dから成る補
強層17に縫い合わせることで、バルブ7を皮革層16
に取り付けた構造なので、バルブ7は皮革層16に強固
に固定され、皮革層16から剥離するおそれはなくな
る。しかも、その縫いつける糸26の上面は皮革層16
で覆われていて、表面に露出しないので、ボールの外観
も良くなり、また糸26が使用により擦り切れて、バル
ブ6が外れるというようなことも無くなる。
例をあげて説明したが、これに限らすハンドボールにも
適用できる。この場合、皮革パネルの形状はサッカーボ
ールのそれと同一であるが、ボールの直径が異なるので
ある。
その上面に一体形成されている鍔状部分を、糸にて、表
面の皮革パネル下に位置する補強層に縫い合わせて取り
付ける構造としたので、バルブは補強層に強固に結合さ
れ、もって皮革パネルにも強固に結合される。よって、
バルブが皮革パネルから剥離するようなことはなくな
り、バルブの中心と皮革パネルの空気注入孔とがずれ
て、空気注入操作に支障が生ずるといった問題も起こら
なくなる。
っていて皮革パネルの表面には露出しないので、外観上
の見栄えも良く、またその糸が使用による擦り切れてし
まうというような心配もなく、長期の使用を可能にす
る。
バルブが取り付けられる皮革層には、これと、その下に
位置する補強層との間に緩衝層を介在せしめることによ
って、本来他の部分より硬くなるバルブ取り付け部分の
皮革層表面を柔らかくする工夫を施したので、ボールの
どこを蹴っても一様に反発し、イレギュラーバンドも少
なくなり、反発弾性等が一様で使用勝手の良い球技用ボ
ールとなる。
を12枚の5角形皮革パネルと20枚の6角形皮革パネ
ルとから構成せしめることによって、サッカーボール又
はハンドボールとすることができる。そして、その表皮
層のうちの一枚、例えば6角形皮革パネルの中央に設け
た空気注入用孔と、その下部に配置されているバルブに
設けた中心の空気注入用との一致が、バルブが皮革パネ
ルに強固に固定されていることで維持されているので、
ボールがバウンドして強い衝撃を受けても、孔同士がず
れて使用不能になるおそれは少なく、サッカー競技用、
ハンドボール競技用のボールとして好適なものとなる。
正面図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 球形中空体のゴム製チューブ、該チュー
ブに形成された空気注入のためのゴム製バルブ、複数枚
の多角形皮革パネルの周辺を縫い合わせて形成された上
記チューブを被覆する表皮層を備え、上記皮革パネル
は、上記多角形形状の皮革層と、上記多角形形状の布を
複数枚重ね合わせて上記皮革層下面に接着した補強層と
からなる球技用ボールにおいて、上記バルブの上面に該
バルブと一体に鍔状部分が形成され、該鍔状部分は、上
記皮革層下面において上記補強層と糸にて縫い合わされ
てなることを特徴とする球技用ボール。 - 【請求項2】 少なくとも上記バルブが取りつけられる
上記皮革層と上記補強層との間に緩衝材層が介在せしめ
られてなることを特徴とする請求項1に記載の球技用ボ
ール。 - 【請求項3】 上記表皮層が、12枚の5角形皮革パネ
ルと20枚の6角形皮革パネルからなり、上記競技用ボ
ールがサッカーボール又はハンドボールであることを特
徴とする請求項1又は2に記載の球技用ボール。
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