JPH0524354Y2 - - Google Patents
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- JPH0524354Y2 JPH0524354Y2 JP1986047207U JP4720786U JPH0524354Y2 JP H0524354 Y2 JPH0524354 Y2 JP H0524354Y2 JP 1986047207 U JP1986047207 U JP 1986047207U JP 4720786 U JP4720786 U JP 4720786U JP H0524354 Y2 JPH0524354 Y2 JP H0524354Y2
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Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
<産業上の利用分野>
本考案は、バレーボール、サツカーボール等の
球技用ボールであつて補強層として織物布を縫い
合わせてなる布層を有するボールに関する。
球技用ボールであつて補強層として織物布を縫い
合わせてなる布層を有するボールに関する。
<従来の技術>
従来この種球技用ボールにおいて、ゴム製中空
チユーブ、縫製布層、ゴム薄層、皮革層よりなる
構造は公知である(例えば米国特許第2,091,
455号明細書)。尚、現行のバレーボール等の製品
には、布片を縫合して補強のための布層を構成し
たものはなく、大半が糸巻補強層(チユーブに数
千m分のナイロン糸等を巻きつけて形成した層)
を使用している(例えば特公昭58−31934号公
報)。
チユーブ、縫製布層、ゴム薄層、皮革層よりなる
構造は公知である(例えば米国特許第2,091,
455号明細書)。尚、現行のバレーボール等の製品
には、布片を縫合して補強のための布層を構成し
たものはなく、大半が糸巻補強層(チユーブに数
千m分のナイロン糸等を巻きつけて形成した層)
を使用している(例えば特公昭58−31934号公
報)。
<考案が解決しようとする問題点>
近時特に婦人用バレーボール或いは少年サツカ
ー等において、ボール衝突時の痛感を少なくし、
手や脚に一層フイツトするソフトな感触を有する
バレーボール、サツカーボールの現実が強く望ま
れている。しかし糸巻補強層を使用した現行のボ
ールにあつては、触感のソフト化を飛躍的に向上
させることは困難である。本考案者等は糸巻層に
代えて布層即ち織物等の布を複数枚縫い合わせて
球形とし、これにチユーブを収納した構造を採用
すれば、よりソフトな触感のボールが実現される
ことを発見するに至り、その具体的構造につき
種々検討した。
ー等において、ボール衝突時の痛感を少なくし、
手や脚に一層フイツトするソフトな感触を有する
バレーボール、サツカーボールの現実が強く望ま
れている。しかし糸巻補強層を使用した現行のボ
ールにあつては、触感のソフト化を飛躍的に向上
させることは困難である。本考案者等は糸巻層に
代えて布層即ち織物等の布を複数枚縫い合わせて
球形とし、これにチユーブを収納した構造を採用
すれば、よりソフトな触感のボールが実現される
ことを発見するに至り、その具体的構造につき
種々検討した。
縫製布層は、ボールにソフト感を与えると同時
に寸法安定性、真球性及び耐久性をボールに付与
する機能をも有するものである。しかし特に布の
縫合部において耐久性が弱く、この部分から破れ
が生じるという問題がある。実際上記米国特許に
見られる縫構造、即ち縫合部をチユーブ側に突出
させた構造では、圧縮試験(ボールの直径方向に
33%圧縮を繰り返す試験)の結果、約15万回が限
度であつた。
に寸法安定性、真球性及び耐久性をボールに付与
する機能をも有するものである。しかし特に布の
縫合部において耐久性が弱く、この部分から破れ
が生じるという問題がある。実際上記米国特許に
見られる縫構造、即ち縫合部をチユーブ側に突出
させた構造では、圧縮試験(ボールの直径方向に
33%圧縮を繰り返す試験)の結果、約15万回が限
度であつた。
本考案者等は、かかる問題に対処すべく、布層
を構成する布片の縫代を、チユーブ側に180°折り
返すことにより、縫合部の強度を向上させること
を既に提案している(実願昭61−32121号)。かか
る構造であれば、縫合部強度は向上するが、縫代
を180°折り返す作業が必要となり、更に粘着剤若
しくは接着剤を用いて折り返し状態を維持させる
必要がある等製造工程が面倒なものとなるという
新たな問題が生じていた。
を構成する布片の縫代を、チユーブ側に180°折り
返すことにより、縫合部の強度を向上させること
を既に提案している(実願昭61−32121号)。かか
る構造であれば、縫合部強度は向上するが、縫代
を180°折り返す作業が必要となり、更に粘着剤若
しくは接着剤を用いて折り返し状態を維持させる
必要がある等製造工程が面倒なものとなるという
新たな問題が生じていた。
<問題点を解決するための手段>
本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、布片縫合部の強度を上げると同時に、その作
業を容易なものとする新規な球技用ボールを実現
するものである。即ち、本考案に係る球技用ボー
ルにあつては、布層は複数枚の布片が球形に縫合
されてなり、かつ各々の布片の縫代は、その主要
部がチユーブ側に位置せしめられるとともに、縫
代を含む縫合部に接着剤よりなる縫合補強材が塗
布若しくは浸透せしめられてなるものである。
で、布片縫合部の強度を上げると同時に、その作
業を容易なものとする新規な球技用ボールを実現
するものである。即ち、本考案に係る球技用ボー
ルにあつては、布層は複数枚の布片が球形に縫合
されてなり、かつ各々の布片の縫代は、その主要
部がチユーブ側に位置せしめられるとともに、縫
代を含む縫合部に接着剤よりなる縫合補強材が塗
布若しくは浸透せしめられてなるものである。
<作用>
第1図に示すように、布片3,3を縫い合わせ
て形成した球形袋状の布層2に、空気を抜いた状
態のチユーブ1を収納し、収納孔を閉じた後これ
に圧搾空気を注入して膨張させると、布層2に弾
性接触し、布層2はチユーブ1の内圧を受ける。
布片3,3の縫代7,7は、通常その両端が共に
一方へ倒されて縫合されるのであるが、中間部分
においては、不規則な形に折り返され、例えば両
端部とは逆方向に重なつて折り返されたり、或い
は各々180°振り分けられたりすることがある。図
の例では、右側へ重なつて折り返された例を示
す。かかる縫代7,7の折り状態は、人為的に決
定されるものではなく、チユーブ1の内圧を受け
て、不規則に決まるのである。縫合部10には、
補強剤、具体的には接着剤が塗布若しくは浸透せ
しめられているから、縫代の折り形状とは無関係
に縫合強度は高く、この部分から破れが拡がるこ
とはない。<実施例> 第1図ないし第3図において、1は圧搾空気が
封入された前述のチユーブで、ブチルゴム等空気
透過性の小さいゴムにて中空球体に形成されてな
る。このチユーブ1には、空気を注入するための
バルブ(図示せず)が固着されており、該バルブ
を介してチユーブ1内圧は、約0.4〜0.5Kg/cm2
(バレーボール場合)となるよう空気が注入され
るのである。2はチユーブ1を被覆し、補強層と
してはたらく前述の布層で、略台形の布片3を12
枚縫合して球形に形成したものである。一対の布
片3,3は、その最長辺A同士縫い合わされ、そ
の中心縫合線4を介して左右対称な等辺4辺形片
5が形成される。このようにして形成された等辺
4辺形片5は6枚形成され、その各中心縫合線
4,4…が隣接4辺形片5,5…同士直交する如
く並置されて縫合される。6は、等辺4辺形片5
の一辺を未縫合状態で残したチユーブ収納孔であ
る。ここで布片3の形状は、4つの片A,B,
C,C(但しA>B>C,B=2C)よりなる略台
形であつて、チユーブ1の表面を覆うことができ
る大きさ(第2図に破線で示す)よりも僅か大き
く裁断され、約1cm幅の縫代7が設けられてい
る。上記破線部分は縫合線8である。略台形の布
片3は、チユーブ1球面へ沿わせるためにその片
A,B,Cは僅か外方へ湾曲せしめられている。
9は、縫合部10に染み込んだ補強剤で、縫合部
分の布の経糸と緯糸の空隙を充填し、両者を強固
に結合し、さらにミシン糸11周囲の孔(図示せ
ず)を充填し、その拡大を阻止するものである。
この補強剤9の材料として、例えば次の接着剤が
使用できる。即ちウレタン系接着剤であるクリス
ボン(登録商標)AH−420(大日本インキ化学工
業株式会社製)、或いは、タケラツク(登録商標)
A−353(主剤)及びタケネート(登録商標)A−
3(硬化剤)(武田薬品工業株式会社製)、或いは
ナイロン系接着剤であるラツカマイド(登録商
標)5003(大日本インキ化学工業株式会社製)等
である。
て形成した球形袋状の布層2に、空気を抜いた状
態のチユーブ1を収納し、収納孔を閉じた後これ
に圧搾空気を注入して膨張させると、布層2に弾
性接触し、布層2はチユーブ1の内圧を受ける。
布片3,3の縫代7,7は、通常その両端が共に
一方へ倒されて縫合されるのであるが、中間部分
においては、不規則な形に折り返され、例えば両
端部とは逆方向に重なつて折り返されたり、或い
は各々180°振り分けられたりすることがある。図
の例では、右側へ重なつて折り返された例を示
す。かかる縫代7,7の折り状態は、人為的に決
定されるものではなく、チユーブ1の内圧を受け
て、不規則に決まるのである。縫合部10には、
補強剤、具体的には接着剤が塗布若しくは浸透せ
しめられているから、縫代の折り形状とは無関係
に縫合強度は高く、この部分から破れが拡がるこ
とはない。<実施例> 第1図ないし第3図において、1は圧搾空気が
封入された前述のチユーブで、ブチルゴム等空気
透過性の小さいゴムにて中空球体に形成されてな
る。このチユーブ1には、空気を注入するための
バルブ(図示せず)が固着されており、該バルブ
を介してチユーブ1内圧は、約0.4〜0.5Kg/cm2
(バレーボール場合)となるよう空気が注入され
るのである。2はチユーブ1を被覆し、補強層と
してはたらく前述の布層で、略台形の布片3を12
枚縫合して球形に形成したものである。一対の布
片3,3は、その最長辺A同士縫い合わされ、そ
の中心縫合線4を介して左右対称な等辺4辺形片
5が形成される。このようにして形成された等辺
4辺形片5は6枚形成され、その各中心縫合線
4,4…が隣接4辺形片5,5…同士直交する如
く並置されて縫合される。6は、等辺4辺形片5
の一辺を未縫合状態で残したチユーブ収納孔であ
る。ここで布片3の形状は、4つの片A,B,
C,C(但しA>B>C,B=2C)よりなる略台
形であつて、チユーブ1の表面を覆うことができ
る大きさ(第2図に破線で示す)よりも僅か大き
く裁断され、約1cm幅の縫代7が設けられてい
る。上記破線部分は縫合線8である。略台形の布
片3は、チユーブ1球面へ沿わせるためにその片
A,B,Cは僅か外方へ湾曲せしめられている。
9は、縫合部10に染み込んだ補強剤で、縫合部
分の布の経糸と緯糸の空隙を充填し、両者を強固
に結合し、さらにミシン糸11周囲の孔(図示せ
ず)を充填し、その拡大を阻止するものである。
この補強剤9の材料として、例えば次の接着剤が
使用できる。即ちウレタン系接着剤であるクリス
ボン(登録商標)AH−420(大日本インキ化学工
業株式会社製)、或いは、タケラツク(登録商標)
A−353(主剤)及びタケネート(登録商標)A−
3(硬化剤)(武田薬品工業株式会社製)、或いは
ナイロン系接着剤であるラツカマイド(登録商
標)5003(大日本インキ化学工業株式会社製)等
である。
2枚の布片3,3の縫い合わせは、布片3,3
を重ねた上で、その縫合線8をミシン糸にて11
により縫い合わせる。この縫合作業の際、ミシン
針の前方若しくは後方にノズル(図示せず)が配
置され、該ノズルより補強剤9例えば上記接着剤
溶液が縫合部10に連続的に供給され、縫合線8
を中心として幅約5mmにわたつて補強剤9が浸透
せしめられる。この幅は、約3mm〜10mmの範囲に
て、適当に設定される。また、補強剤9は、縫代
7,7…側にずらして、供給することもできる。
縫代7,7部分を強化しておけば、糸11による
引張力が縫代7,7…に加わり、布組織の繊維を
開放端側へ押し、ホツレを生じさせようとして
も、上記強化部分の存在によりこれが阻止される
からである。かくして縫合された12枚の布片3,
3…よりなる袋状の布層2は、チユーブ収納孔6
より裏返され、縫代7,7…部分が布層2内側に
位置せしめられる。
を重ねた上で、その縫合線8をミシン糸にて11
により縫い合わせる。この縫合作業の際、ミシン
針の前方若しくは後方にノズル(図示せず)が配
置され、該ノズルより補強剤9例えば上記接着剤
溶液が縫合部10に連続的に供給され、縫合線8
を中心として幅約5mmにわたつて補強剤9が浸透
せしめられる。この幅は、約3mm〜10mmの範囲に
て、適当に設定される。また、補強剤9は、縫代
7,7…側にずらして、供給することもできる。
縫代7,7部分を強化しておけば、糸11による
引張力が縫代7,7…に加わり、布組織の繊維を
開放端側へ押し、ホツレを生じさせようとして
も、上記強化部分の存在によりこれが阻止される
からである。かくして縫合された12枚の布片3,
3…よりなる袋状の布層2は、チユーブ収納孔6
より裏返され、縫代7,7…部分が布層2内側に
位置せしめられる。
布層2は、収納孔6よりチユーブ1が収納され
た後、縫代7′が重ね合わされミシンにより縫い
合わされる。この縫代7′は、他の縫代7と異な
り、布層2の外側に位置する。この縫代7′は、
各々180°折り返され、接着剤若しくは粘着剤に
て、布片3,3にそれぞれ固定される。然る後、
チユーブ1に圧搾空気が注入され、チユーブ1が
膨張せしめられる。このチユーブ1の膨張に伴つ
て、チユーブ1側に折られた縫代7,7′…は、
不規則に折れ曲がる。例えば第1図に示す如く、
縫代7,7が重なり合つて一方の布片3側へ折れ
曲がつた場合、この折れ曲がりによる布層2の厚
さの増加は、チユーブ1の形状変化によち吸収さ
れ、布層2の表面は球状に保たれる。また収納孔
6部分の縫代7′は、各々180°折り返すことによ
り、その厚さ増加は最小限に抑えられる。
た後、縫代7′が重ね合わされミシンにより縫い
合わされる。この縫代7′は、他の縫代7と異な
り、布層2の外側に位置する。この縫代7′は、
各々180°折り返され、接着剤若しくは粘着剤に
て、布片3,3にそれぞれ固定される。然る後、
チユーブ1に圧搾空気が注入され、チユーブ1が
膨張せしめられる。このチユーブ1の膨張に伴つ
て、チユーブ1側に折られた縫代7,7′…は、
不規則に折れ曲がる。例えば第1図に示す如く、
縫代7,7が重なり合つて一方の布片3側へ折れ
曲がつた場合、この折れ曲がりによる布層2の厚
さの増加は、チユーブ1の形状変化によち吸収さ
れ、布層2の表面は球状に保たれる。また収納孔
6部分の縫代7′は、各々180°折り返すことによ
り、その厚さ増加は最小限に抑えられる。
布層2の材質としては、ポリエステル・コツト
ン混紡(65%−35%)(通称金巾)、ナイロン100
%、ポリエステル100%等の紡績糸の平織布、或
いはフイラメント糸の平織布が使用でき、その打
込数(1インチ当りの糸の本数)は、30−30ない
し150−150の範囲で使用できる。また糸11とし
ては、40ないし30番手の引張強度の大きい糸、例
えばアラミド繊維、ナイロン或いはポリエステル
のミシン糸が使用され、ミシンピツチは、1.5mm
とすることができる。
ン混紡(65%−35%)(通称金巾)、ナイロン100
%、ポリエステル100%等の紡績糸の平織布、或
いはフイラメント糸の平織布が使用でき、その打
込数(1インチ当りの糸の本数)は、30−30ない
し150−150の範囲で使用できる。また糸11とし
ては、40ないし30番手の引張強度の大きい糸、例
えばアラミド繊維、ナイロン或いはポリエステル
のミシン糸が使用され、ミシンピツチは、1.5mm
とすることができる。
布層2は、圧搾空気を封入したチユーブ1を内
蔵するからチユーブ1より圧力を受け一定の緊張
状態にある。かかる緊張状態は、形態及び略最大
限に達し、糸自信の伸びが開始されようとする複
合状態にあるよう糸の材質、太さ等が調整され
る。即ち、第4図に示すように布層2には、チユ
ーブ1より荷重Qが加わり伸びPの状態で安定化
している。図中O−P間が形態伸び、P以上が糸
の伸びを示す。一例をあげると、金巾の形態伸び
の最大値は約5%であり、このときの荷重は、地
の目(経糸)方向が3Kg、緯糸方向が、1.8Kgで
ある。布層2が形態伸びの最大値付近で保持され
るのは次のような理由による。即ち、布層2の伸
びがこの値より小さいとボールの触感が悪くなり
チユーブ1内の所定圧力が保てず、また所定の大
きさにも維持できない。また伸びがこの値より大
きいと、硬質感が現れて触感が悪くなり、また縫
製精度の影響が大きく現れ真球性の維持が難しく
なるという問題が生じるのである。
蔵するからチユーブ1より圧力を受け一定の緊張
状態にある。かかる緊張状態は、形態及び略最大
限に達し、糸自信の伸びが開始されようとする複
合状態にあるよう糸の材質、太さ等が調整され
る。即ち、第4図に示すように布層2には、チユ
ーブ1より荷重Qが加わり伸びPの状態で安定化
している。図中O−P間が形態伸び、P以上が糸
の伸びを示す。一例をあげると、金巾の形態伸び
の最大値は約5%であり、このときの荷重は、地
の目(経糸)方向が3Kg、緯糸方向が、1.8Kgで
ある。布層2が形態伸びの最大値付近で保持され
るのは次のような理由による。即ち、布層2の伸
びがこの値より小さいとボールの触感が悪くなり
チユーブ1内の所定圧力が保てず、また所定の大
きさにも維持できない。また伸びがこの値より大
きいと、硬質感が現れて触感が悪くなり、また縫
製精度の影響が大きく現れ真球性の維持が難しく
なるという問題が生じるのである。
第5図及び第6図は、上記構造を有するバレー
ボールの完成状態を示し、12は布層2を被覆し
て形成された中貼層と呼ばれるゴム薄層、13,
13…はこのゴム薄層12上に接着剤を介して接
着された周辺に薄肉部を有する皮革片で、18枚の
略短冊形状の天然皮革又は合成皮革が貼り合わさ
れる。ここで皮革片13,13…の形状は、布片
3,3…の形状とは異なる。また皮革片13,1
3…の形状はデザイン上慣用されているもので、
皮革片自身には、形状維持性、弾性回復力がない
から、皮革片13,13…を布片3,3…に類似
の形状として、ボール表面に貼着したからといつ
てこれのみで寸法安定性、真球性が向上するとい
うことはない。
ボールの完成状態を示し、12は布層2を被覆し
て形成された中貼層と呼ばれるゴム薄層、13,
13…はこのゴム薄層12上に接着剤を介して接
着された周辺に薄肉部を有する皮革片で、18枚の
略短冊形状の天然皮革又は合成皮革が貼り合わさ
れる。ここで皮革片13,13…の形状は、布片
3,3…の形状とは異なる。また皮革片13,1
3…の形状はデザイン上慣用されているもので、
皮革片自身には、形状維持性、弾性回復力がない
から、皮革片13,13…を布片3,3…に類似
の形状として、ボール表面に貼着したからといつ
てこれのみで寸法安定性、真球性が向上するとい
うことはない。
尚、ボールの軽量化を目的として、ゴム薄層1
2を設けず、布層2に直接接着剤にて皮革片1
3,13…を接着させることもできる。
2を設けず、布層2に直接接着剤にて皮革片1
3,13…を接着させることもできる。
上記実施例に係る球技用ボールを、33%圧縮試
験機にかけて、試験した結果25万回を経過した後
も破れを生じることはなかつた。
験機にかけて、試験した結果25万回を経過した後
も破れを生じることはなかつた。
第7図及び第8図は、補強剤としてテープ状或
いはシート状のホツトメルト型接着剤を使用した
場合を示す。第7図に示す例は、2枚重ね合わせ
た布片3,3の縫合部10に約10mm幅の接着剤シ
ート14を挟み、3者を糸11にて縫い合わせた
構造であり、また第8図に示す例は、2枚の布片
3,3を重ね合わせ、更にその一方の外側に接着
剤シート14を重ねて、糸11にて縫い合わせた
構造である。後者の場合、図示の如く、折り角度
の小さい方の縫代7側に接着剤シート14が位置
するよう設定される。この折り角度の小さい方の
縫合部10が機械的に弱いからである。この2枚
の縫代7,7の折り方向の設定は、隣接する等辺
4辺形片5と縫い合わせる際に、縫代7,7を上
記所定の方向に倒して縫うことにより行われる。
かくすれば、縫代7,7の両端が一方へ倒される
から、その中間の縫代7,7も、それにならつて
殆ど同一方向へ倒れる。しかしながら、中間の特
に中央部分等にあつては、前述した如く逆方向に
折り返されることも起こり得る。それ故、縫代
7,7の全範囲に亘つて確実に接着剤を浸透させ
ようとすれば、前者の構造の方が好ましい。
いはシート状のホツトメルト型接着剤を使用した
場合を示す。第7図に示す例は、2枚重ね合わせ
た布片3,3の縫合部10に約10mm幅の接着剤シ
ート14を挟み、3者を糸11にて縫い合わせた
構造であり、また第8図に示す例は、2枚の布片
3,3を重ね合わせ、更にその一方の外側に接着
剤シート14を重ねて、糸11にて縫い合わせた
構造である。後者の場合、図示の如く、折り角度
の小さい方の縫代7側に接着剤シート14が位置
するよう設定される。この折り角度の小さい方の
縫合部10が機械的に弱いからである。この2枚
の縫代7,7の折り方向の設定は、隣接する等辺
4辺形片5と縫い合わせる際に、縫代7,7を上
記所定の方向に倒して縫うことにより行われる。
かくすれば、縫代7,7の両端が一方へ倒される
から、その中間の縫代7,7も、それにならつて
殆ど同一方向へ倒れる。しかしながら、中間の特
に中央部分等にあつては、前述した如く逆方向に
折り返されることも起こり得る。それ故、縫代
7,7の全範囲に亘つて確実に接着剤を浸透させ
ようとすれば、前者の構造の方が好ましい。
ここで、上記接着剤シート14としては、ポリ
アミド系接着剤であるソフセツト(登録商標、日
本バイリーン株式会社製)、ポリエステル系接着
剤であるケミツト(登録商標、東レ株式会社製)
等が使用できる。
アミド系接着剤であるソフセツト(登録商標、日
本バイリーン株式会社製)、ポリエステル系接着
剤であるケミツト(登録商標、東レ株式会社製)
等が使用できる。
上記接着剤シート14は、成形金型内に収納し
て中貼用のゴム薄層12を加硫する際、或いは同
様に成形金型内にて皮革片13をボール表面へ接
着する際、加熱により溶融し、布層2の縫合部1
0の染み込むのである。
て中貼用のゴム薄層12を加硫する際、或いは同
様に成形金型内にて皮革片13をボール表面へ接
着する際、加熱により溶融し、布層2の縫合部1
0の染み込むのである。
かかる方法を用いても、溶液状の接着剤を使用
した場合と、同様の縫合部補強構造を得ることが
できる。
した場合と、同様の縫合部補強構造を得ることが
できる。
第9図は、更に他の例を示し、補強用接着剤と
して、ゴム糊15を使用した構造を示す。ゴム糊
15は、縫合部10のチユーブ1側表面に塗布さ
れる。このゴム糊15は、布層2内に浸透するこ
とはなく、布層2表面に薄い層を形成する。ゴム
糊15は、乾燥し、接着が完了した後も、弾性を
有するから、縫合部10が硬化するという問題は
生じず、この種ボールに使用して好適である。か
かるゴム糊15として、天然ゴム系ゴム糊を塗布
し補強した布層2をもつボールを、圧縮試験機に
かけて試験した結果、約20万回の耐久性が確認さ
れた。
して、ゴム糊15を使用した構造を示す。ゴム糊
15は、縫合部10のチユーブ1側表面に塗布さ
れる。このゴム糊15は、布層2内に浸透するこ
とはなく、布層2表面に薄い層を形成する。ゴム
糊15は、乾燥し、接着が完了した後も、弾性を
有するから、縫合部10が硬化するという問題は
生じず、この種ボールに使用して好適である。か
かるゴム糊15として、天然ゴム系ゴム糊を塗布
し補強した布層2をもつボールを、圧縮試験機に
かけて試験した結果、約20万回の耐久性が確認さ
れた。
<考案の効果>
本考案によれば、補強剤としてはたらく布層の
縫合部に補強剤が染み込まされ、或いは塗布され
てこの部分の強化が図られるから、布層全体とし
ての耐久性を向上させることができる。
縫合部に補強剤が染み込まされ、或いは塗布され
てこの部分の強化が図られるから、布層全体とし
ての耐久性を向上させることができる。
また本考案によれば、補強剤による縫合部強化
により、チユーブ側へ折られた縫代を、そのまま
放置することができる(即ち180°振り分け等の処
置をする必要がない)から、布層の製造作業を簡
単化することができる。
により、チユーブ側へ折られた縫代を、そのまま
放置することができる(即ち180°振り分け等の処
置をする必要がない)から、布層の製造作業を簡
単化することができる。
さらに本考案によれば、布片の縫代の主要部が
チユーブ側即ちボール内側方向に位置せしめら
れ、この縫代を含む縫合部が補強されるから、球
体としてのボール外形は維持される。
チユーブ側即ちボール内側方向に位置せしめら
れ、この縫代を含む縫合部が補強されるから、球
体としてのボール外形は維持される。
第1図は、本考案一実施例要部斜視図、第2図
は、布片の形状を示す正面図、第3図は、チユー
ブを膨張させた状態の布層正面図、第4図は、布
片の荷重−伸び特性を示す曲線図、第5図は、バ
レーボールの表面形状を示す正面図、第6図は、
第5図−線断面図、第7図及び第8図は、シ
ート状接着剤を使用した場合の補強構造を示す断
面図、第9図は、ゴム糊を使用した場合の補強構
造を示す断面図である。 1……チユーブ、2……布層、3……布片、5
……等辺4辺形片、7,7′……縫代、9……補
強剤、10……縫合部、11……糸。
は、布片の形状を示す正面図、第3図は、チユー
ブを膨張させた状態の布層正面図、第4図は、布
片の荷重−伸び特性を示す曲線図、第5図は、バ
レーボールの表面形状を示す正面図、第6図は、
第5図−線断面図、第7図及び第8図は、シ
ート状接着剤を使用した場合の補強構造を示す断
面図、第9図は、ゴム糊を使用した場合の補強構
造を示す断面図である。 1……チユーブ、2……布層、3……布片、5
……等辺4辺形片、7,7′……縫代、9……補
強剤、10……縫合部、11……糸。
Claims (1)
- 圧搾空気が封入されたゴム製中空球体チユー
ブ、該チユーブ表面を被覆し、ボールに寸法安定
性、真球性及び耐久性を与えるための布層、該布
層上に直接若しくはゴム薄層を介して接着された
皮革層を有する球技用ボールにおいて、上記布層
は、複数枚の布片が球形に縫合されてなり、かつ
各々の布片の縫代は、その主要部が上記チユーブ
側に位置せしめられるとともに、縫代を含む縫合
部に接着剤よりなる補強剤が塗布若しくは浸透せ
しめられたことを特徴とする球技用ボール。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1986047207U JPH0524354Y2 (ja) | 1986-03-31 | 1986-03-31 | |
US06/945,617 US4856781A (en) | 1986-01-16 | 1986-12-23 | Game ball |
CN87100181A CN1006599B (zh) | 1986-01-16 | 1987-01-14 | 用于球赛的球 |
KR870000276A KR870006914A (ko) | 1986-01-16 | 1987-01-15 | 구기용 공(Ball) |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1986047207U JPH0524354Y2 (ja) | 1986-03-31 | 1986-03-31 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62157572U JPS62157572U (ja) | 1987-10-06 |
JPH0524354Y2 true JPH0524354Y2 (ja) | 1993-06-21 |
Family
ID=30867589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1986047207U Expired - Lifetime JPH0524354Y2 (ja) | 1986-01-16 | 1986-03-31 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0524354Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999015242A1 (en) * | 1997-09-22 | 1999-04-01 | Molten Corporation | Ball for game |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003531700A (ja) * | 2000-05-01 | 2003-10-28 | 株式会社モルテン | 球技用ボールおよびその製法 |
JP4787816B2 (ja) * | 2007-12-21 | 2011-10-05 | 株式会社モルテン | 球技用ボール |
-
1986
- 1986-03-31 JP JP1986047207U patent/JPH0524354Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999015242A1 (en) * | 1997-09-22 | 1999-04-01 | Molten Corporation | Ball for game |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62157572U (ja) | 1987-10-06 |
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