JP2001170157A - 薬剤揮散装置 - Google Patents

薬剤揮散装置

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JP2001170157A JP36398599A JP36398599A JP2001170157A JP 2001170157 A JP2001170157 A JP 2001170157A JP 36398599 A JP36398599 A JP 36398599A JP 36398599 A JP36398599 A JP 36398599A JP 2001170157 A JP2001170157 A JP 2001170157A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 暗所においても装飾機能を発揮する薬剤揮散
装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の薬剤揮散装置は、包装体内に揮
散性薬剤と蓄光材とを収容したことを特徴とし、薬剤が
周囲に揮散してその成分に応じた薬剤機能を発揮しつ
つ、包装体に収容した蓄光材が太陽光や蛍光灯等の照明
器具の光(励起光)が照射される明所においてその励起
光を吸収蓄積し、この吸収蓄積した光(蓄積光)を暗所
において徐々に放出発光する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薬剤揮散装置に関
し、特に、装飾機能を発揮する薬剤揮散装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来から、液状やゲル状
の芳香剤や消臭剤等の薬剤を収容した薬剤揮散装置があ
る。この薬剤揮散装置は、揮散性薬剤(芳香剤、消臭
剤、防臭剤、防虫剤等)を包装体に収容した態様のもの
であり、トイレ、部屋、玄関、車の中等に載置し、包装
体の開口部より揮散性薬剤を揮散させて周囲に薬剤機能
を発揮するものである。
【0003】近年においては、その薬剤機能はもちろん
のこと、薬剤揮散装置自体の意匠性、デザイン性の向上
が求められている。例えば香料を含んだ有色透明の揮散
性薬剤を無色の透明乃至半透明の包装体内に収容してな
る薬剤揮散装置等が提案されている。これら従来の薬剤
揮散装置では、収容する揮散性薬剤に任意に選択した色
彩を施したり、包装体自体にデザインを施したり、包装
体内に揮散性薬剤と共に装飾体を収容している。
【0004】このような薬剤揮散装置においては、無色
透明の包装体内に収容した有色透明の揮散性薬剤を包装
体外方から目視することが可能であり、揮散性薬剤を包
装体外方から直接見られることになる。
【0005】しかしながら、包装体や薬剤の色彩等に工
夫を凝らした従来の薬剤揮散装置にあっては、太陽光や
蛍光灯等の照明器具の光によって室内が明るいときはそ
の装飾機能を発揮することができるものの、夜間の車の
中や、夜の就寝時等に照明を消した部屋の中の様な暗所
においては全く目視することができず装飾機能を発揮す
ることができない。
【0006】本発明は上記問題点に着目し、これを解決
せんとしたものであり、その目的は、さらなる意匠性、
デザイン性の向上により商品価値を高め、暗所において
も装飾機能を発揮する薬剤揮散装置を提供することにあ
る。
【0007】
【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決す
るために本発明の薬剤揮散装置は、包装体内に揮散性薬
剤と蓄光材とを収容したことを特徴とする。本発明の他
の薬剤揮散装置は、上記揮散性薬剤をゲル状とした。本
発明の他の薬剤揮散装置は、上記揮散性薬剤を液状とし
た。本発明の他の薬剤揮散装置は、上記畜光材を均一に
分散させた。本発明の他の薬剤揮散装置は、上記包装体
の少なくとも一部を透光性とした。本発明の他の薬剤揮
散装置は、上記包装体に装飾を施した。本発明の他の薬
剤揮散装置は、上記包装体の装飾を畜光処理によるもの
とした。本発明の他の薬剤揮散装置は、上記包装体及び
/又は揮散性薬剤及び/又は畜光材に、同種の色彩若し
くは異種の色彩を施した。本発明の他の薬剤揮散装置
は、上記揮散性薬剤が芳香剤、消臭剤、防臭剤、防虫剤
のうち一種又は複数種を含むものとした。
【0008】
【作用】本発明の薬剤揮散装置は、包装体内に収容した
揮散性薬剤が周囲に揮散してその成分に応じた薬剤機能
を発揮しつつ、包装体内に収容した蓄光材が太陽光や蛍
光灯等の照明器具の光(励起光)が照射される明所にお
いてその励起光を吸収蓄積し、この吸収蓄積した光(蓄
積光)を暗所において徐々に放出発光する。本発明の他
の薬剤揮散装置は、上記揮散性薬剤をゲル状としたこと
により、包装体内に収容される畜光材を所定位置に保つ
ことが液体に比べ容易である。本発明の他の薬剤揮散装
置は、上記揮散性薬剤を液状としたことにより、包装体
内に揮散性薬剤と共に収容した畜光材が、包装体内を遊
動することが可能になる。本発明の他の薬剤揮散装置
は、均一に分散させた畜光材が複数の点在箇所において
ポイント発光するようになる。本発明の他の薬剤揮散装
置は、上記包装体の少なくとも一部を透光性としたこと
により、包装体内に収容した畜光材を包装体の外方から
簡単に目視することが可能になる。本発明の他の薬剤揮
散装置は、上記包装体に装飾を施したことにより、装飾
機能が向上する。本発明の他の薬剤揮散装置は、上記包
装体の装飾を畜光処理によるものとしたことにより、更
に特異な装飾機能を発揮する。本発明の他の薬剤揮散装
置は、上記包装体及び/又は揮散性薬剤及び/又は畜光
材に、同種の色彩若しくは異種の色彩を施したことによ
り、当該装置の美観について選択の範囲を大幅に拡げる
ことが可能になる。本発明の他の薬剤揮散装置は、上記
揮散性薬剤が芳香剤、消臭剤、防臭剤、防虫剤のうち一
種又は複数種を含むものとしたことにより、揮散性薬剤
が周囲に揮散してその成分に応じた薬剤機能を発揮しつ
つ、装飾機能を発揮することが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで図1〜図6は第1の実
施形態、図7は第2の実施形態、図8は第3の実施形
態、図9は第4の実施形態、図10は第5の実施形態で
ある。
【0010】図1〜図6には、ゲル状の芳香剤(揮散性
薬剤)を包装体に収容した装置態様が第1の実施形態と
して示されている。この薬剤揮散装置は、包装体13内
に、芳香剤(揮散性薬剤)11と、複数の蓄光材12と
を収容したものであり、複数の蓄光材12を略均一に分
散させて設けている。
【0011】芳香剤11は、有色透明であり、長期間に
わたって徐々に揮散するものであって、周囲に揮散する
ことで芳香剤機能を発揮する。また芳香剤11は、包装
体13内において略均一に分散して設けられる複数の蓄
光材12を所定位置に保持する。尚、この芳香剤11
は、蓄光材12の発光色と異種の色彩に着色されてい
る。
【0012】包装体13内に設けられた各蓄光材12
は、粒状に形成されたプラスチック製ペレットに蓄光顔
料を練り込んだものである。このペレットに練り込んだ
蓄光顔料が、太陽光や照明器具の光(励起光)を受ける
明所においてその励起光を吸収蓄積した後、この吸収蓄
積した蓄積光を暗所において徐々に放出発光する。従っ
て、上記蓄光材を収容した当該装置芳香剤を所望の場所
に載置することで、暗所においても芳香剤として特異な
美観を起こさせて視覚的に楽しむことが可能であるとい
った装飾機能を発揮することができる。特にここでは、
包装体内に均一に分散させて設けられた蓄光材が複数の
所定点在箇所においてポイント発光するので、このポイ
ント発光によって当該装置をイルミネーションのように
装飾することが可能になり、装飾機能をより向上するこ
とができる。尚、上記蓄光材12は、ペレットに対して
重量比10〜20%の蓄光顔料を練り込んでいるが、蓄
光顔料の混合割合を多くすることで更に高輝度となり、
また透明度(励起光及び蓄光発光の透過率)が良いほど
高輝度になる。
【0013】包装体13は、透明の器状に形成された収
容部材13a及び蓋部材13bからなり、収容する芳香
剤11の成形型を兼ねた収容部材13aの上方開放口外
周が雄ねじ状に形成されており、雌ねじ状に形成された
内周を有する蓋部材13bが収容部材13aの上記開放
口に螺着されており、収容した畜光材12を包装体13
の外方から目視確認することができるようになってい
る。尚、各部材13a,13bは、プラスチックより成
形されている。また蓋部材13bには外方に連通する窓
13b’が設けられており、この窓13b’を通じて芳
香剤が周囲に揮散される。この包装体13では蓋部材1
3bを収容部材13aに対して取り付けるにあたり螺合
手段を採用したが、これに代えて蓋部材13bを収容部
材13aに対して開閉可能に枢着させる枢着手段を採用
してもよい。
【0014】包装体13内に芳香剤11及び蓄光材12
を収容するにあたっては、芳香剤11と蓄光材12との
比重を略同一にし、ゲル化剤、香料、水、及び蓄光材を
撹拌混合することで、蓄光材12を均一に分散させて設
けることができる。尚、この撹拌混合は、収容部材13
aへの注入に先立って予め行なってもよいし、収容部材
13aへ注入した後に行ってもよい。
【0015】この実施形態においては揮散性薬剤として
ゲル状の芳香剤を用いた装置態様について説明したが、
上記芳香剤に代えて又は上記芳香剤と共に消臭剤、防臭
剤、防虫剤等他の薬剤を用いた装置態様とすることがで
きるほか、液状、固形状、ゾル状といった他の様態の薬
剤を用いた装置態様としてもよい。
【0016】図7には、ゲル状の消臭剤(揮散性薬剤)
を包装体に収容した装置態様が第2の実施形態として示
されている。この薬剤揮散装置は、包装体23内に、消
臭剤(揮散性薬剤)21と、蓄光材22とを収容したも
のであり、蓄光材22を複数カ所に層状に設けている。
【0017】消臭剤21は、有色透明であり、長期間に
わたって徐々に揮散する徐放性のものであって、周囲に
揮散することで消臭剤機能を発揮する。また消臭剤21
は、包装体23内において複数カ所に層状に設けられる
ゲル状の蓄光材22を所定位置に保持する。尚、この消
臭剤21は、蓄光材22の発光色と異種の色彩に着色さ
れている。
【0018】包装体23内に設けられた各蓄光材22
は、ゲル状材(半固体)に蓄光顔料を含浸させたもので
あり、上述した第1の実施形態におけるものと概ね同様
であるので重複説明を避けるが、特にここでは、包装体
内に層状に設けられた蓄光材が所定層状範囲においてエ
リア発光するので、このエリア発光によって当該装置を
イルミネーションのように装飾することが可能になり、
装飾機能をより向上することができる。
【0019】包装体23は、透明の器状に形成された収
容部材23a及び蓋部材23bからなり、収容する消臭
剤21の成形型を兼ねた収容部材23aの上方開放口外
周が雄ねじ状に形成されており、雌ねじ状に形成された
内周を有する蓋部材23bが収容部材23aの上記開放
口に螺着されており、収容した畜光材22を包装体23
の外方から目視確認することができるようになってい
る。尚、各部材23a,23bは、プラスチックより成
形されている。また蓋部材23bには外方に連通する窓
23b’が設けられており、この窓23b’を通じて消
臭剤が周囲に揮散される。この包装体23では蓋部材2
3bを収容部材23aに対して取り付けるにあたり螺合
手段を採用したが、これに代えて蓋部材23bを収容部
材23aに対して開閉可能に枢着させる枢着手段を採用
してもよい。
【0020】また包装体23内に消臭剤21及び蓄光材
22を収容するにあたっては、消臭剤21と蓄光材22
との比重を略同一にし、収容部材23aに消臭剤21を
注入して固化する工程と、収容部材23aに蓄光材22
を注入して固化する工程とを繰り返すことで、蓄光材2
2を層状に設けることができる。
【0021】この実施形態においては揮散性薬剤として
ゲル状の消臭剤を用いた装置態様として説明したが、上
記消臭剤に代えて又は上記消臭剤と共に芳香剤、防臭
剤、防虫剤等他の薬剤を用いた装置態様とすることがで
きるほか、液状、固形状、ゾル状等といった他の様態の
薬剤を用いた装置態様としてもよい。
【0022】図8には、固形状の防臭剤(揮散性薬剤)
を包装体に収容した装置態様が第3の実施形態として示
されている。この薬剤揮散装置は、包装体33内に、防
臭剤(揮散性薬剤)31と、複数の蓄光材32とを収容
したものであり、複数の蓄光材32を略均一に分散させ
て設けている。
【0023】防臭剤31は、ゲル状の有色透明であり、
長期間にわたって徐々に揮散するものであって、周囲に
揮散することで防臭剤機能を発揮する。また防臭剤31
は、包装体33内において略均一に分散して設けられる
複数の蓄光材32を所定位置に保持する。尚、この防臭
剤31は、蓄光材32の発光色と異種の色彩に着色され
ている。
【0024】包装体33内に設けられた各蓄光材32
は、粒状に形成されたプラスチック製ペレットに蓄光顔
料を練り込んだものであり、上述した第1の実施形態に
おけるものと概ね同様であるので重複説明を避ける。
【0025】包装体33は、器状に形成された収容部材
33a及び蓋部材33bからなり、防臭剤31を収容す
る収容部材33aの中央部に上方に突出して筒孔状に形
成された被嵌入部に、この被嵌入部に合致するように形
成された筒棒状の嵌入部を有する蓋部材33bが収容部
材33aの上記被嵌入部に挿設されている。尚、各部材
33a,33bは、プラスチックより成形されている。
また蓋部材33bは、収容部材33aの被嵌入部に沿っ
て上下方向に摺動するようになっており、上方に摺動さ
せた状態にすることで、防臭剤31が外方と連通して周
囲に揮散される。この包装体33では蓋部材33bを持
ち上げて使用するため使用状態においては薬剤(防臭剤
31)及び畜光材32が外方から目視することができる
ように露出することになる。そのため、収容部材33a
及び蓋部材33bは必ずしも透明である必要はなく、不
透明のものであっても構わない。
【0026】包装体33内に防臭剤31及び蓄光材32
を収容するあたっては、防臭剤31と蓄光材32との比
重を略同一にし、ゲル化剤、防臭剤、水、及び蓄光材を
撹拌混合し、これをゲル化することで、蓄光材32を均
一に分散させて設けることができる。尚、この撹拌混合
は、図示しない成形型へ注入して行なう。
【0027】この実施形態においては揮散性薬剤として
固形状の防臭剤を用いた装置態様について説明したが、
上記防臭剤に代えて又は上記防臭剤と共に芳香剤、消臭
剤、防虫剤等他の薬剤を用いた装置態様とすることがで
きるほか、液状、固形状、ゾル状等といった他の様態の
薬剤を用いた装置態様としてもよい。
【0028】図9には、液状の芳香剤(揮散性薬剤)を
包装体に収容した装置態様が第4の実施形態として示さ
れている。この薬剤揮散装置は、包装体43内に、芳香
剤(揮散性薬剤)41と、複数の蓄光材42とを収容し
たものである。
【0029】芳香剤41は、有色透明であり、長期間に
わたって徐々に揮散するものであって、周囲に揮散する
ことで芳香剤機能を発揮する。また芳香剤41は、包装
体43内に設けられる複数の蓄光材42を遊動可能に内
包している。尚、この芳香剤41は、蓄光材42の発光
色と異種の色彩に着色されている。
【0030】包装体43内に設けられた各蓄光材42
は、粒状に形成されたプラスチック製ペレットに畜光顔
料を練り込んだものであり、上述した第1の実施形態に
おけるものと概ね同様であるので重複説明を避けるが、
特にここでは当該装置を動かしたとき、例えば車中に載
置した当該装置が車の振動に伴って動いたときに、包装
体43内に液状の芳香剤41と共に収容された蓄光材4
2をそれ以前まで沈殿していた状態から液状の芳香剤中
に舞い上がって浮遊するように遊動させることが可能で
あり、遊動しながら複数の点在箇所においてポイント発
光するので、このポイント発光によって当該装置をイル
ミネーションのように装飾することが可能になり、装飾
機能をより向上することができる。尚、畜光材42と薬
剤との比重を慎重に調整することで、各畜光材42を包
装体内において均一に分散させることも可能であり、各
畜光材42を異なる比重のものにしてもよい。
【0031】包装体43は、透明の器状に形成されてお
り、中央部に棒状の吸液芯44をその一端が液状の芳香
剤41に浸漬されるように設けており、収容した畜光材
42を包装体43の外方から目視確認することができる
ようになっている。尚、包装体43は、プラスチックよ
り成形されている。また吸液芯44が外方に通じてお
り、この吸液芯44を介して芳香剤41が周囲に揮散さ
れる。
【0032】この実施形態においては揮散性薬剤として
液状の芳香剤を用いた装置態様について説明したが、上
記芳香剤に代えて又は上記芳香剤と共に消臭剤、防臭
剤、防虫剤等他の薬剤を用いた装置態様とすることがで
きる。
【0033】図10には、ゲル状の芳香剤(揮散性薬
剤)を包装体に収容した装置態様が第5の実施形態とし
て示されている。この薬剤揮散装置は、包装体53内
に、芳香剤(揮散性薬剤)51と、蓄光材52とを収容
したものであり、蓄光材52を複数カ所に均一に分散さ
せて層状に設けている。
【0034】芳香剤51は、有色透明であり、長期間に
わたって徐々に揮散する徐放性のものであって、周囲に
揮散することで芳香剤機能を発揮する。また芳香剤51
は、包装体53内において複数カ所に均一に分散して設
けられる蓄光材52を所定位置に保持する。尚、この芳
香剤51は、蓄光材52の発光色と異種の色彩に着色さ
れている。
【0035】包装体53内に設けられた各蓄光材52
は、星形粒状に形成されたプラスチック製ペレットに畜
光顔料を練り込んだものであり、上述した第1の実施形
態におけるものと概ね同様であるので重複説明を避け
る。
【0036】包装体53は、透明の器状に形成された収
容部材53a及び蓋部材53bからなり、収容する芳香
剤51の成形型を兼ねた収容部材53aの上方に、蓋部
材53bが嵌着されており、収容した畜光材52を包装
体53の外方から目視確認することができるようになっ
ている。尚、各部材53a,53bは、プラスチックよ
り成形されている。また蓋部材53bには外方に連通す
る窓53b’が設けられており、この窓53b’を通じ
て芳香剤が周囲に揮散される。上記収容部材53aの表
面には、家屋を模して図案化された絵柄53a’が施さ
れている。
【0037】また包装体53内に芳香剤51及び蓄光材
52を収容するにあたっては、芳香剤51と蓄光材52
との比重を略同一にし、ゲル状の芳香剤、水、畜光材を
撹拌混合することで、畜光材52を均一に分散させて設
けることができる。尚、この撹拌混合は、収容部材53
aへの注入に先立って予め行なってもよいし、収容部材
53aへ注入した後に行なってもよい。
【0038】この実施形態においては揮散性薬剤として
ゲル状の芳香剤を用いた装置態様として説明したが、上
記芳香剤に代えて又は上記芳香剤と共に消臭剤、防臭
剤、防虫剤等他の薬剤を用いた装置態様とすることがで
きるほか、液状、固形状、ゾル状等といった他の様態の
薬剤を用いた装置態様としてもよい。
【0039】以上、第1〜第5の実施形態について説明
したが、各装置態様において用いる揮散性薬剤として
は、芳香剤、消臭剤、防臭剤、防虫剤等のうち一種又は
複数種の薬剤を用い、液体、固体、ゲル状、ゾル状等と
いった様態のものを用途に応じて採用することができ
る。尚、薬剤は水性であっても油性であっても構わな
い。揮散性薬剤をゲル状、ゾル状にする場合は、薬剤が
油性のものを用いる場合には吸油性樹脂、水添ヒマシ
油、12−ヒドロキシステアリン酸等によってゲル状、
ゾル状にすることができ、薬剤が水性のものを用いる場
合には高吸水性樹脂、カラギーナン、ジェランガム、ゼ
ラチン等によりゲル状、ゾル状にすることができる。
【0040】上述した各実施形態における蓄光顔料は、
ZnS:Cu(硫化亜鉛:胴)等を主成分としたものの
ほか、ZnS(硫化亜鉛)、CaS(硫化カルシウム)
等を主成分としたものや、これらの表面にラジオアイソ
トープを固着するなどしたもので、蓄光発光は、励起光
の種類と明るさ及び蓄光顔料の種類、周囲の明るさ、目
の暗順応、面積、距離等に左右されるが、暗所でおおよ
そ2〜8時間程度は目視確認することができる。蓄光顔
料の粒度は特に限定されない。
【0041】上記各実施形態において放出発光される蓄
光顔料の発光色、即ち蓄光材の発光色は、上記態様にお
いては黄緑色であるが、目的に応じて任意の色彩に設定
することができる。また、上記各実施形態においては薬
剤を有色透明としたが、無色透明としてもよい。薬剤自
体の色彩と畜光材の色彩とは同種としてもよいが、特に
薬剤自体の色彩と蓄光材の発光色とを異種の色彩にする
ことで、その発光色について鮮明度を損なうことなく、
蓄光顔料の鮮明さを透過させるので、特異な美観を充分
発揮することができる。上述した蓄光材を構成するペレ
ットやゲル状材についても、同様に蓄光顔料の発光色と
異種の色彩にすることが望ましい。
【0042】また蓄光顔料は、そのまま畜光材として用
いてもよく、上記実施形態において述べたプラスチック
製ペレットのような固体のものに練り込んだり、ゲル状
にするなどして、担持体(紙、木、シリカ、ゼオライ
ト、セルロースビーズ等の無機担持体、PP、PE等の
プラスチック)に担持させて畜光材として用いることが
できる。担持体による畜光顔料の担持量は、全体重量の
0.1%〜50%の範囲内で適宜選択することが望まし
い。0.1%を下回る場合には発光が少なく有効な装飾
効果が得られず、50%を越える場合にはコスト的に高
価になり、担持体としてプラスチックを採用して成形す
ることが困難だからである。尚、担持体は、耐薬性を有
するものであればよく、あらゆる形態にすることができ
る。このような固体及び/又は半固体の担持体に蓄光顔
料を含浸させて構成した蓄光材を任意の形態及び配置関
係に設定することにより、文字、図形、記号、若しくは
立体的形状、若しくはこれらの結合、又はこれらと色彩
との結合等を現すことが可能であり、装飾性に富んだ薬
剤揮散装置を提供することができる。
【0043】畜光材を包装体内において均一に分散させ
て設けるには、畜光材と揮散性薬剤との比重を同程度に
する必要がある。畜光顔料はその重量(3〜5g/cm
3 )が比較的重いので、紙、木、PP、セルロースとい
った重量の軽い担持体に担持させた畜光材とすることに
より、揮散性薬剤と比重をあわせることができる。例え
ばPP中に畜光顔料を0.5%〜15%程度担持させる
ことにより揮散性薬剤と比重をあわせることができる。
尚、液状の揮散性薬剤を用いる装置態様ではシビアな調
整が必要であるが、ゲル状の揮散性薬剤を用いる装置態
様ではシビアな調整が不要であり、均一に分散させやす
い。
【0044】また包装体内に液状の揮散性薬剤と共に畜
光材を収容する場合には、当該装置を動かしたとき、例
えば車中に載置した当該装置が車の振動に伴って動いた
ときに、包装体内に液状の芳香剤と共に収容された蓄光
材をそれ以前まで沈殿していた状態から液状の芳香剤中
に舞い上がって浮遊するように遊動させることが可能で
あり、遊動しながら複数の点在箇所においてポイント発
光するので、このポイント発光によって当該装置をイル
ミネ−ションのように装飾することが可能になり、装飾
機能をより向上することができる。
【0045】尚、包装体は、耐薬性を有し、収容した薬
剤を漏洩させないものであることを満たすものであれば
よく、用途に応じた適当な形態とすることができ、包装
体表面にシボや凹凸等の装飾を施したり、畜光顔料でデ
ザインを施すといった畜光処理により装飾を施してもよ
く、広く知られたあらゆる形態のものを採用することが
できる。包装体の材質は、プラスチック等の合成樹脂の
ほか、ガラスを用いてもよく、成形加工、コスト等の任
意の材質を選定すればよい。但し、包装体の少なくとも
一部については、無色であるか有色であるかは問わない
が透明若しくは半透明とし、包装体の内方を外方から目
視確認することができる透光性のものであることを要す
る。
【0046】
【発明の効果】本発明の薬剤揮散装置は、包装体に収容
したゲル状の薬剤が周囲に揮散してその成分に応じた薬
剤機能を発揮しつつ、包装体に収容した蓄光材が太陽光
や蛍光灯等の照明器具の光(励起光)が照射される明所
においてその励起光を吸収蓄積した後、この吸収蓄積し
た光(蓄積光)を暗所において徐々に放出発光するの
で、暗所においても特異な美観を起こさせて視覚的にも
楽しむことが可能であるといった装飾機能を発揮するこ
とができる。
【0047】本発明の他の薬剤揮散装置は、上記揮散性
薬剤をゲル状としたことにより、包装体内に収容される
畜光材を均一に分散させやすくなり、畜光材を所定位置
に保つことができる。
【0048】本発明の他の薬剤揮散装置は、上記揮散性
薬剤を液状としたことにより、包装体内に揮散性薬剤と
共に収容した畜光材が、包装体内を遊動することが可能
になるので、当該装置を動かしたとき、例えば車中に載
置した当該装置が車の振動に伴って動いたときに、包装
体内に液状の芳香剤と共に収容された蓄光材をそれ以前
まで沈殿していた状態から液状の芳香剤中に舞い上がっ
て浮遊するように遊動させることが可能であり、遊動し
ながら複数の点在箇所においてポイント発光するので、
このポイント発光によって動きを付与した装飾機能を発
揮し、当該装置をイルミネーションのように装飾するこ
とが可能になり、装飾機能をより向上することができ
る。
【0049】本発明の他の薬剤揮散装置は、均一に分散
させた畜光材が複数の点在箇所においてポイント発光す
るので、このポイント発光によって当該装置をイルミネ
ーションのように装飾することが可能になり、装飾機能
をより向上することができる。
【0050】本発明の他の薬剤揮散装置は、上記包装体
の少なくとも一部を透光性としたことにより、包装体内
に収容した畜光材を包装体の外方から簡単に目視するこ
とが可能になるので、包装体内に収容した畜光材の発光
を確実に包装体の外方に照射することができる。
【0051】本発明の他の薬剤揮散装置は、上記包装体
に装飾を施したことにより、装飾要素を更に付加され、
装飾機能が向上する。
【0052】本発明の他の薬剤揮散装置は、上記包装体
の装飾を畜光処理によるものとしたことにより、明所の
みならず暗所においても更に特異な装飾機能を発揮す
る。
【0053】本発明の他の薬剤揮散装置は、上記包装体
及び/又は揮散性薬剤及び/又は畜光材に、同種の色彩
若しくは異種の色彩を施すことにより、当該装置の装飾
について選択の範囲を大幅に拡げることが可能になる。
【0054】本発明の他の薬剤揮散装置は、上記揮散性
薬剤が芳香剤、消臭剤、防臭剤、防虫剤のうち一種又は
複数種を含むものとしたことにより、揮散性薬剤が周囲
に揮散してその成分に応じた薬剤機能を発揮しつつ、装
飾機能を発揮することが可能になり、薬剤として用いら
れるだけでなく、視覚的にも楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示した概略正面図であ
る。
【図2】図1の概略平面図である(蓄光材省略)。
【図3】図1の概略底面図である(蓄光材省略)。
【図4】図1の概略右側面図である(蓄光材省略)。
【図5】図1のA−A線に沿う横断面図である。
【図6】図2のB−B線に沿う横断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示した概略斜視図であ
る。
【図8】(a)及び(b)は本発明の他の実施形態を示
した概略縦断面図である。
【図9】(a)及び(b)は本発明の他の実施形態を示
した概略縦断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態を示した概略正面図で
ある。
【符号の説明】
11……芳香剤(揮散性薬剤) 12……蓄光材 13……包装体 13a……収容部材 13b……蓋部材 13b’……窓 21……消臭剤(揮散性薬剤) 22……蓄光材 23……包装体 23a……収容部材 23b……蓋部材 23b’……窓 31……防臭剤(揮散性薬剤) 32……畜光材 33……包装体 33a……収容部材 33b……蓋部材 41……芳香剤(揮散性薬剤) 42……蓄光材 43……包装体 44……吸液芯 51……芳香剤(揮散性薬剤) 52……蓄光材 53……包装体 53a……収容部材 53a’……絵柄 53b……蓋部材 53b’……窓

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 包装体内に揮散性薬剤と蓄光材とを収容
    したことを特徴とする薬剤揮散装置。
  2. 【請求項2】 上記揮散性薬剤をゲル状とした請求項1
    に記載の薬剤揮散装置。
  3. 【請求項3】 上記揮散性薬剤を液状とした請求項1に
    記載の薬剤揮散装置。
  4. 【請求項4】 上記畜光材を均一に分散させた請求項1
    〜3の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
  5. 【請求項5】 上記包装体の少なくとも一部を透光性と
    した請求項1〜4の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
  6. 【請求項6】 上記包装体に装飾を施した請求項1〜5
    の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
  7. 【請求項7】 上記包装体の装飾を畜光処理によるもの
    とした請求項6に記載の薬剤揮散装置。
  8. 【請求項8】 上記包装体及び/又は揮散性薬剤及び/
    又は畜光材に、同種の色彩若しくは異種の色彩を施した
    請求項1〜7の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
  9. 【請求項9】 上記揮散性薬剤が芳香剤、消臭剤、防臭
    剤、防虫剤のうち一種又は複数種を含むものとした請求
    項1〜8の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
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