JP2001167883A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP2001167883A
JP2001167883A JP35319699A JP35319699A JP2001167883A JP 2001167883 A JP2001167883 A JP 2001167883A JP 35319699 A JP35319699 A JP 35319699A JP 35319699 A JP35319699 A JP 35319699A JP 2001167883 A JP2001167883 A JP 2001167883A
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organic electroluminescent
electroluminescent device
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organic compound
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JP35319699A
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English (en)
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Hisato Takeuchi
久人 竹内
Hiromitsu Tanaka
洋充 田中
Makoto Mori
誠 毛利
Seiji Tokito
静士 時任
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い輝度が得られる有機電界発光素子を提供
する。 【解決手段】 陽極と、陰極と、陽極と陰極とに挟持さ
れる一層または複数層の有機化合物層とを備える有機電
界発光素子において、有機化合物層のうち少なくとも一
層に化学式(1) 【化27】 で表わされる有機化合物を含むようにする。クロモン骨
格に二官能性置換基Aを導入してその構造を平面に近い
状態にする。これによって共役系の相互作用を強化する
ことや、脂肪族官能基で結合することによって分極状態
を保つことなどにより、高い発光輝度を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機電界発光素子
に関し、詳しくは、有機電界発光素子を構成する陽極と
陰極とに挟持される一層または複数層の有機化合物層に
含まれる有機化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】有機電界発光素子は、透明ガラス基板上
に、透明な第1電極(例えばITO)と、強い蛍光をも
つ有機化合物を含む有機化合物層と、金属(例えばM
g)により形成された第2電極とを順に積層して構成さ
れている。
【0003】有機化合物層は、例えば正孔輸送機能分子
層と発光機能分子層と電子輸送機能分子層とが順に積層
された3層構造を備えており、第1電極と第2電極とに
電界を印加することによって発光する。電界を印加して
第1電極から正孔を注入すると共に第2電極から電子を
注入すると、注入された正孔と電子は有機化合物層の正
孔輸送機能分子層や発光機能分子層,電子輸送機能分子
層内を移動する際に衝突し再結合して消滅する。この再
結合により生じるエネルギーは発光性分子が励起状態を
生成するのに使われ、この際に発光性分子が蛍光を発す
ることにより有機電界発光素子が発光する。
【0004】この種の有機電界発光素子として化学式
(2)に示すクロモン誘導体を有機発光材料として有機
化合物層に含むものが提案されている(例えば、特開平
7−133482号公報など)。そして、このクロモン
誘導体を有機化合物層に含むことにより高発光効率で高
輝度の有機電界発光素子とすることができるとされてい
る。
【0005】
【化2】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この有
機電界発光素子では高い輝度が得られない場合がある。
化学式(2)に示すクロモン誘導体のR5とR6は独立
の置換基であるか、芳香族環または複素環でつながれて
いる。したがって、クロモン誘導体は、図2に示すよう
に、構成Bと構成Cとが平面的な配置にならず、図3に
示すように、約90度の角度をもって配置されることに
なる。すると、構成Bと構成Cとの共役系の相互作用が
小さくなり、高い輝度が得られなくなってしまう。ま
た、R5とR6とを芳香環または複素環でつないだもの
は、分子全体が1つの共役系になってしまい、高い輝度
が得られない。
【0007】そこで本発明の有機電界発光素子は、上述
の問題を解決し、高い輝度が得られる有機電界発光素子
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の有機電界発光素子は、上述の目的を達成するため
に以下の手段を採った。
【0009】本発明の有機電界発光素子は、陽極と、陰
極と、該陽極と該陰極とに挟持される一層または複数層
の有機化合物層とを備える有機電界発光素子であって、
前記有機化合物層のうち少なくとも一層が、化学式
(1)で表わされる有機化合物を含むことを特徴とす
る。
【0010】ここで、化学式(1)に示すクロモン誘導
体のR1〜R8は、互いに独立しており、例えば水素原
子やハロゲン原子,アルキル基,アリル基,アリール
基,パーフルオロアルキル基,アルコキシ基,シアノ
基,エステル基,カルボキシル基,アミノ基およびこれ
らの誘導体などが適用可能であり、更にこれらの基が所
望の置換基で置換されている構造でもよい。また、隣接
するR1とR2,R2とR3,R3とR4,R5とR
6,R6とR7,R7とR8は互いに結合した脂肪族環
あるいは芳香族環でもよく、これらの脂肪族環または芳
香族環が更に所望の置換基で置換されてなる構造であっ
てもよい。
【0011】化学式(1)に示すクロモン誘導体のA
は、二官能性の脂肪族直鎖または環状鎖が適用可能であ
り、更にこの二官能性の脂肪族直鎖または環状鎖が所望
の置換基で置換されてなる構造であってもよい。Aは炭
素数1〜3の直鎖の炭素のうちのいずれかにより二つの
結合がなされてなることが好ましく、炭素による環状鎖
を有しこの環状鎖を構成する炭素のうちのいずれかの炭
素により二つの結合がなされてなる構造としてもよい。
ここで「二つの結合」は、Aの二官能性を意味してい
る。Aとして適用可能な構造としては、例えばメチレン
基やエチレン基,1,2−プロピレン基,1,3−プロ
ピレン基,1,2−ブチレン基,2,3−ブチレン基,
1,3−ブチレン基,1,1−シクロペンチル基,1,
1−シクロヘキシル基,1,2−シクロペンチル基,
1,2−シクロヘキシル基,1,3−シクロヘキシル基
およびこれらの基が所望の置換基で置換されている構造
を挙げることができるが、これらに限られるものではな
い。
【0012】こうした本発明の有機電界発光素子によれ
ば、前述のクロモン誘導体を有機化合物層の少なくとも
一層に含むことにより、青色〜緑色の高輝度の発光を得
ることができる。これは、クロモン骨格に二官能性置換
基Aを導入して図2における構成Bと構成Cとを平面に
近い状態で固定することによって生じる共役系の相互作
用の強化に起因すると考えられる。また、脂肪族官能基
で結合することにより、構成Bと構成Cとが分極状態を
保つことができるために高い発光輝度を示すことができ
ると考えられる。
【0013】また、本発明の有機電界発光素子によれ
ば、アモルファスな膜が得られることにより、安定した
素子とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明の実施の形態としての有機
電界発光素子の構成の概略を示す構成図である。この有
機電界発光素子は、透明基板10上に第1電極12と、
電界の印加により発光する有機化合物層14と、第2電
極16とが順に積層されて構成されている。
【0015】透明基板10としては、ガラス基板や透明
セラミックス基板,ダイヤモンド基板などを用いること
ができる。第1電極12としては、高い光透過性および
導電性を有する透明電極が用いられ、例えばITO(I
ndium Tin Oxide)やSnO2,In2
3,ポリアニリンなどの薄膜材料を用いることができ
る。第2電極16としては、例えばLi,B,Be,N
a,Mg,Al,K,Ca等のイオン化ポテンシャルの
小さい金属あるいはそれらを含んだ合金等からなる金属
電極を用いることができる。
【0016】有機化合物層14は、電界の印加により発
光する部位であり、例えば発光層の単層構造や正孔輸送
層と発光層の2層構造,正孔輸送層と発光層と電子輸送
層の3層構造などから構成される。なお、有機化合物層
14は、単層、多層のいずれで構成してもよい。なお、
有機化合物層14は、数十から数百nm程度の厚みであ
る。
【0017】この有機化合物層14の材料としては、化
学式(1)で示したクロモン誘導体が、この層14の少
なくとも一部に発光材料またはドーピング材料として用
いられている。
【0018】化学式(1)で示したクロモン誘導体の置
換基R1〜R8は、互いに独立しており、例えば水素原
子やハロゲン原子,アルキル基,アリル基,アリール
基,パーフルオロアルキル基,アルコキシ基,シアノ
基,エステル基,カルボキシル基,アミノ基およびこれ
らの誘導体などが適用可能であり、更にこれらの基が所
望の置換基で置換されている構造でもよい。また、隣接
するR1とR2,R2とR3,R3とR4,R5とR
6,R6とR7,R7とR8は互いに結合した脂肪族環
あるいは芳香族環でもよく、これらの脂肪族環または芳
香族環が更に所望の置換基で置換されてなる構造であっ
てもよい。
【0019】化学式(1)に示すクロモン誘導体の二官
能性置換基Aは、二官能性の脂肪族直鎖または環状鎖が
適用可能であり、更にこの二官能性の脂肪族直鎖または
環状鎖が所望の置換基で置換されてなる構造であっても
よい。二官能性置換基Aは炭素数1〜3の直鎖の炭素の
うちのいずれかにより二つの結合がなされてなることが
好ましく、炭素による環状鎖を有しこの環状鎖を構成す
る炭素のうちのいずれかの炭素により二つの結合がなさ
れてなる構造としてもよい。二官能性置換基Aとして
は、例えば化学式(3)に示されるメチレン基や化学式
(4)に示されるエチレン基,化学式(5)や(6)に
示される1,2−プロピレン基,化学式(7)に示され
る1,3−プロピレン基,化学式(8)や(9)に示さ
れる1,2−ブチレン基,化学式(10)に示される
2,3−ブチレン基,化学式(11)や(12)に示さ
れる1,3−ブチレン基,化学式(13)に示される
1,1−シクロペンチル基,化学式(14)に示される
1,2−シクロペンチル基,化学式(15)に示される
1,1−シクロヘキシル基,化学式(16)に示される
1,2−シクロヘキシル基,化学式(17)に示される
1,3−シクロヘキシル基およびこれらの基が所望の置
換基で置換されている構造を挙げることができる。な
お、化学式(3)〜(17)に示した基やその置換構造
は二官能性置換基Aとして用いることができる例示であ
り、二官能性置換基Aとして用いることが可能な構造は
これらに限られるものではない。
【0020】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【0021】本発明に係るクロモン誘導体と共に有機化
合物層14に用いることのできる材料としては、一般的
に知られる電子輸送機能分子や発光機能分子,正孔輸送
機能分子,マトリックス,バインダーあるいはこれらの
機能を兼ね備えた分子などを挙げることができる。例え
ば、正孔輸送機能分子としては化学式(18)に示され
る正孔輸送機能を備えるトリフェニルアミン4量体(T
PTE)や銅−フタロシアニンなどを挙げることがで
き、電子輸送機能分子としては化学式(19)に示され
る発光機能と電子輸送機能とを備えるアルミキノリノー
ル錯体(Alq3)や化学式(20)に示される発光機
能および電子輸送機能を備えるジフェニルビニルビフェ
ニル(DPVBi)などを挙げることができる。
【0022】
【化18】
【化19】
【化20】
【0023】こうして構成された本発明の実施の形態と
しての有機電界発光素子は、第1電極12を陽極として
用いると共に第2電極16を陰極として用い、これらの
電極から正孔および電子を有機化合物層14に注入する
ことによって生じる有機化合物層14内における正孔と
電子との再結合により、本発明に係るクロモン誘導体や
その他の発光材料が励起され、発光材料に応じた波長の
光を発する。図1の構成では、有機化合物層14内にお
ける発光光は、透明な第1電極12および透明基板10
を透過して素子外部(素子前方)へ射出され視認され
る。
【0024】有機化合物層14内における発光光は、本
発明に係るクロモン誘導体を有機化合物層14に備える
ことによって、青色〜緑色を呈し、その輝度は高いもの
となる。これは、クロモン骨格に二官能性置換基Aを導
入して図2における構成Bと構成Cとを平面に近い状態
で固定することによって生じる共役系の相互作用の強化
に起因すると考えられる。また、脂肪族官能基で結合す
ることにより、構成Bと構成Cとが分極状態を保つこと
ができるために高い発光輝度を示すことができると考え
られる。
【0025】次に、本発明の実施の形態としての有機電
界発光素子の具体的な実施例について、実施例の有機電
界発光素子に用いることができるクロモン誘導体の合成
方法と、合成されたクロモン誘導体を用いる有機電界発
光素子の特性とに分けて説明する。
【0026】1.実施例の有機電界発光素子に使用可能
なクロモン誘導体の一例の合成方法 (1)第1実施例のクロモン誘導体 第1実施例のクロモン誘導体は、化学式(21)で表わ
され、次のように合成することができる。
【0027】
【化21】
【0028】第1実施例のクロモン誘導体は、まず、窒
素雰囲気下でDiisopropylamine 0.
161g(1.59mmol)をDiethyleth
er5mlに加え、アセトン/ドライアイスバスで−7
0℃以下に冷却する。冷却後、n−BuLi(Hexa
ne,1.53M)1.04ml(1.60mmol)
を滴下し、1時間攪拌する。この攪拌した溶液に1,
2,3,6,7,8,11,12−Octahydro
benzo[e]pyren−9(10H)−one
0.40g(1.45mmol)をDiethylet
her 5mlとTHF5mlの混合溶媒に溶解した溶
液を滴下し、−70℃以下で1時間攪拌する。2−Ac
etoxybenzoyl Chloride 0.3
16g(1.59mmol)をTHF10mlに溶解し
た溶液を滴下し、徐々に室温に戻す。そして、1晩攪拌
した後に飽和NH4Cl水溶液100mlを加え、Ac
OEtで抽出する。AcOEt層をNa2SO4で乾燥
し、減圧下で濃縮する。この濃縮したものに酢酸10m
lと濃塩酸1.5mlを加え、室温で1日攪拌する。こ
れを2NのNaOH水溶液で中和し、CHCl3で抽出
する。このときのクロロホルム層をNa2SO4で乾燥
し、濃縮した後の残さをシリカゲルカラム(AcOE
t:Hexane=1:4〜1:3)で精製することに
より黄色粉末の化学式(21)で示される第1実施例の
クロモン誘導体の合成を終了する。実験では、この第1
実施例のクロモン誘導体を298mg得ることができ
た。なお、構造はIRとNMRで確認した。そのときに
データは以下のとおりである。
【0029】IR(KBr):2930,1630,1
620,1570,1465,1420(cm-1) 融点:191.0℃ NMR(CDCl3):8.30(d,1H),7.6
6(t,1H),7.52(d,1H),7.41
(t,1H),7.19(d,1H),7.14(d,
1H),3.57(t,2H),3.11(t,2
H),3.04(t,4H),2.91(m,4H),
2.07(m,4H)
【0030】(2)第2実施例のクロモン誘導体の合成
方法 第2実施例のクロモン誘導体は、化学式(22)で表わ
され、次のように合成することができる。
【0031】
【化22】
【0032】第2実施例のクロモン誘導体は、まず、窒
素雰囲気下でDiisopropylamine 0.
081g(0.80mmol)をDiethyleth
er5mlに加え、アセトン/ドライアイスバスで−7
0℃以下に冷却する。冷却後にn−BuLi(Hexa
ne,1.53M)0.52ml(0.80mmol)
を滴下し、1時間攪拌する。この攪拌した溶液に1,
2,3,6,7,8,11,12−Octahydro
benzo[e]pyren−9(10H)−one
0.20g(0.72mmol)をDiethylet
her 5mlとTHF 3mlの混合溶媒に溶解した
溶液を滴下し、−70℃以下で1時間攪拌する。2−A
cetoxynaphthoyl Chloride
0.198g(0.80mmol)をDiethyle
ther 8mlに溶解した溶液を滴下し、徐々に室温
に戻す。1晩攪拌した後に飽和NH4Cl水溶液50m
lを加え、AcOEtで抽出する。この際のAcOEt
層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。この濃縮
したものに酢酸5mlと濃塩酸1mlを加え、室温で1
日攪拌する。そして、この攪拌したものを2N NaO
H水溶液で中和し、CHCl3で抽出する。クロロホル
ム層をNa2SO4で乾燥し、濃縮した後の残さをシリカ
ゲルカラム(CHCl3)で精製し、さらにTLC(C
HCl3:Hexane=3:1)で精製することによ
り黄色粉末の化学式(22)で示される第2実施例のク
ロモン誘導体の合成を終了する。実験では、この合成で
第2実施例のクロモン誘導体を186mg得ることがで
きた。なお、構造はIRとNMRで確認した。そのとき
にデータは以下のとおりである。
【0033】IR(KBr):2920,1645,1
620,1600,1460,1415(cm-1) 融点:240.8℃ NMR(CDCl3):8.03(d,1H),7.9
3(s,1H),7.90(d,1H),7.57
(t,1H),7.48(t,1H),7.25(s,
1H),7.18(d,1H),7.12(d,1
H),3.63(t,2H),3.11(t,2H),
3.04(t,4H),2.92(m,4H),2.0
7(m,4H)
【0034】(3)第3実施例のクロモン誘導体 第3実施例のクロモン誘導体は、化学式(23)で表わ
され、次のように合成することができる。
【0035】
【化23】
【0036】第3実施例のクロモン誘導体は、まず、窒
素雰囲気下でDiisopropylamine 0.
29g(2.05mmol)をDiethylethe
r20mlに加え、アセトン/ドライアイスバスで−7
0℃以下に冷却する。冷却後n−BuLi(Hexan
e,1.53M)1.30ml(2.08mmol)を
滴下し、1時間攪拌する。この攪拌した溶液に4−Ke
to−4,5,6,7−tetrahydrothia
naphthene 0.285g(1.87mmo
l)をDiethylether 10mlに溶解した
溶液を滴下し、−70℃以下で1時間攪拌する。そし
て、2−Acetoxynaphthoyl Chlo
ride 0.50g(2.02mmol)をTHF
10mlに溶解した溶液を滴下し、徐々に室温に戻す。
1晩攪拌した後に飽和NH4Cl水溶液100mlを加
え、AcOEtで抽出する。AcOEt層をNa2SO4
で乾燥し、減圧下で濃縮する。この濃縮したものに酢酸
10mlと濃塩酸1.5mlを加え、室温で1日攪拌す
る。次に、2NのNaOH水溶液で中和し、CHCl 3
で抽出する。そして、クロロホルム層をNa2SO4で乾
燥し、濃縮した後の残さをシリカゲルカラム(CHCl
3)で精製することにより黄土色粉末の化学式(23)
で示される第3実施例のクロモン誘導体の合成を終了す
る。実験では、この合成で第3実施例のクロモン誘導体
を345mg得ることができた。なお、構造はIRとN
MRで確認した。そのときにデータは以下のとおりであ
る。
【0037】IR(KBr):1640,1600,1
560,1530,1460,1415(cm-1) 融点:193.3℃ NMR(CDCl3):8.80(s,1H),8.0
3(d,1H),7.93(s,1H),7.89
(d,1H),7.57(t,1H),7.49(t,
1H),7.48(d,1H),7.24(d,1
H),3.11(m,4H)
【0038】(4)第4実施例のクロモン誘導体 第4実施例のクロモン誘導体は、化学式(24)で表わ
され、次のように合成することができる。
【0039】
【化24】
【0040】第4実施例のクロモン誘導体は、まず、窒
素雰囲気下でDiisopropylamine 0.
415g(4.10mmol)をDiethyleth
er14mlに加え、アセトン/ドライアイスバスで−
70℃以下に冷却する。冷却後n−BuLi(Hexa
ne,1.53M)2.56ml(4.10mmol)
を滴下し、1時間攪拌する。この撹拌した溶液に9,1
0−Dihydrobenzo[a]pyren−7
(8H)−one 1.0g(3.70mmol)をD
iethylether 6mlに溶解した溶液を滴下
し、−70℃以下で1時間攪拌する。そして、2−Ac
etoxybenzoyl Chloride 0.8
14g(4.10mmol)をTHF10mlに溶解し
た溶液を滴下し、徐々に室温に戻す。1晩攪拌した後に
飽和NH4Cl水溶液100mlを加え、AcOEtで
抽出する。AcOEt層をNa2SO4で乾燥し、減圧下
で濃縮する。この濃縮したものに酢酸10mlと濃塩酸
1.5mlを加え、室温で1日攪拌する。次に2N N
aOH水溶液で中和し、CHCl3で抽出する。そし
て、クロロホルム層をNa2SO4で乾燥し濃縮した後の
残さをシリカゲルカラム(CHCl3)で精製すること
により淡黄色粉末の化学式(24)で示される第4実施
例のクロモン誘導体の合成を終了する。実験では、この
合成で第4実施例のクロモン誘導体を419mg得るこ
とができた。なお、構造はIRとNMRで確認した。そ
のときにデータは以下のとおりである。
【0041】IR(KBr):1625,1610,1
565,1480,1460,1410,1400(c
-1) 融点:297.33℃ NMR(CDCl3):8.75(s,1H),8.3
2(d,1H),8.31(d,1H),8.17
(d,2H),8.13(d,2H),8.06(d,
1H),8.01(t,1H),7.72(d,1
H),7.71(t,1H),7.44(t,1H),
3.63(t,2H),3.17(t,6H)
【0042】(5)第5実施例のクロモン誘導体 第5実施例のクロモン誘導体は、化学式(25)で表わ
され、次のように合成することができる。
【0043】
【化25】
【0044】第5実施例のクロモン誘導体は、まず、窒
素雰囲気下でDiisopropylamine 0.
904g(8.90mmol)をDiethyleth
er10mlに加え、アセトン/ドライアイスバスで−
70℃以下に冷却する。冷却後n−BuLi(Hexa
ne,1.53M)5.84ml(8.93mmol)
を滴下し、1時間攪拌する。この撹拌した溶液に3,4
−Dihydrobenzo[a]pyren−1(2
H)−one 2.0g(8.12mmol)をTHF
15mlに溶解した溶液を滴下し、−70℃以下で1時
間攪拌する。そして、2−Acetoxybenzoy
l Chloride 1.77g(8.91mmo
l)をTHF10mlに溶解した溶液を滴下し、徐々に
室温に戻す。1晩攪拌した後に飽和NH4Cl水溶液1
00mlを加え、AcOEtで抽出する。AcOEt層
をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。この濃縮し
たものに酢酸20mlと濃塩酸3mlを加え、室温で1
日攪拌する。次に、2NNaOH水溶液で中和し、CH
Cl3で抽出する。そして、クロロホルム層をNa2SO
4で乾燥し、濃縮した後の残さをシリカゲルカラム(C
HCl3)で精製することにより黄色粉末の化学式(2
5)で示される第5実施例のクロモン誘導体の合成を終
了する。実験では、この合成で第5実施例のクロモン誘
導体を1.749g得ることができた。なお、構造はI
RとNMRで確認した。そのときにデータは以下のとお
りである。
【0045】IR(KBr):1620,1580,1
560,1525,1460,1410(cm-1) 融点:145.5℃ NMR(CDCl3):9.44(s,1H),8.4
0(s,1H),8.34(d,1H),8.03
(d,2H),7.97(d,1H),7.71(t,
1H),7.65(d,1H),7.49(m,2
H),7.45(t,1H),7.34(d,1H),
2.99(m,4H)
【0046】(6)第6実施例のクロモン誘導体 第6実施例のクロモン誘導体は、化学式(26)で表わ
され、次のように合成することができる。
【0047】
【化26】
【0048】第6実施例のクロモン誘導体は、まず、窒
素雰囲気下でDiisopropylamine 0.
54g(5.34mmol)をDiethylethe
r20mlに加え、アセトン/ドライアイスバスで−7
0℃以下に冷却する。冷却後n−BuLi(Hexan
e,1.53M)3.49ml(5.34mmol)を
滴下し、1時間攪拌する。この撹拌した溶液に6,7−
Dimethoxy−1−tetralone 1.0
0g(4.85mmol)をDiethylether
10mlとTHF5mlの混合溶媒に溶解した溶液を滴
下し、−70℃以下で1時間攪拌する。2−Aceto
xynaphthoyl Chloride 1.32
g(5.31mmol)をTHF15mlに溶解した溶
液を滴下し、徐々に室温に戻す。1晩攪拌した後に飽和
NH4Cl水溶液100mlを加え、AcOEtで抽出
した。AcOEt層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃
縮する。この濃縮したものに酢酸20mlと濃塩酸3m
lを加え、室温で1日攪拌する。次に、2N NaOH
水溶液で中和し、CHCl3で抽出する。そして、クロ
ロホルム層をNa2SO4で乾燥し、濃縮した後の残さを
再結晶(CHCl 3:Hexane=3:1)で精製す
ることにより淡黄色針状結晶の化学式(26)で示され
る第6実施例のクロモン誘導体の合成を終了する。実験
では、この合成で第6実施例のクロモン誘導体を1.4
183g得ることができた。なお、構造はIRとNMR
で確認した。そのときにデータは以下のとおりである。
【0049】IR(KBr):2930,1645,1
615,1600,1570,1560,1515,1
460,1410(cm-1) 融点:230.5℃ NMR(CDCl3):8.83(s,1H),8.0
6(d,1H),8.03(s,1H),7.92
(d,1H),7.59(t,1H),7.55(s,
1H),7.51(t,1H),6.82(s,1
H),4.04(s,3H),3.97(s,3H),
2.96(m,4H)
【0050】2.実施例の有機電界発光素子と比較例 (1)第1実施例の有機電界発光素子 第1実施例の有機電界発光素子は、有機化合物層14の
発光層として化学式(21)で表わされる第1実施例の
クロモン誘導体を用いている。
【0051】第1実施例の有機電界発光素子は次のよう
に作製した。まず、ガラス基板上にITO電極を形成
し、その上に正孔輸送層として化学式(18)で示され
るTPTEを60nm蒸着する。更に化学式(21)で
示されるクロモン誘導体を60nm蒸着し、LiFとA
lを蒸着して第1実施例の有機電界発光素子を完成す
る。
【0052】こうして作製された第1実施例の有機電界
発光素子に対して、室温、窒素ガス雰囲気下で駆動させ
たところ、10mA/cm2の電界の印加により250c
d/m2の発光輝度が得られた。なお、素子の発光は44
3nmにピークを有する青色発光であった。
【0053】(2)第2実施例の有機電界発光素子 第2実施例の有機電界発光素子は、化学式(21)で示
される第1実施例のクロモン誘導体が有機化合物層14
の発光層にドーピングされている。
【0054】この第2実施例の有機電界発光素子は次の
ようにして作製した。まず、ガラス基板上にITO電極
を形成し、その上に正孔輸送層として化学式(18)で
示されるTPTEを60nm蒸着する。更に化学式(2
1)で示されるクロモン誘導体と化学式(20)で示さ
れるDPVBiを20nm蒸着して化学式(21)で示
されるクロモン誘導体を2重量%含む発光層を形成す
る。次に、DPVBiを20nm蒸着した後に化学式
(19)で示されるAlq3を20nm蒸着し、最後に
LiFとAlを蒸着して第2実施例の有機電界発光素子
を完成する。
【0055】こうして作製された第2実施例の有機電界
発光素子に対して、室温、窒素ガス雰囲気下で駆動させ
たところ,10mA/cm2の電界の印加により400c
d/m2の発光輝度が得られた。なお、素子の発光は44
5nmにピークを有する青色発光であった。
【0056】(3)第3実施例の有機電界発光素子 第3実施例の有機電界発光素子は、有機化合物層14の
発光層として化学式(22)で表わされる第2実施例の
クロモン誘導体を用いている。
【0057】第3実施例の有機電界発光素子は、前述の
第1実施例の有機電界発光素子を作製する手順を、化学
式(21)で示される第1実施例のクロモン誘導体に代
えて化学式(22)で示される第2実施例のクロモン誘
導体を用いてそのまま用いて作製した。
【0058】こうして作製された第3実施例の有機電界
発光素子に対して、室温、窒素ガス雰囲気下で駆動させ
たところ,10mA/cm2の電界の印加により300c
d/m2の発光輝度が得られた。なお、素子の発光は51
7nmにピークを有する緑色発光であった。
【0059】(4)第4実施例の有機電界発光素子 第4実施例の有機電界発光素子は、化学式(23)で示
される第3実施例のクロモン誘導体が有機化合物層14
の発光層にドーピングされている。
【0060】第4実施例の有機電界発光素子は、化学式
(23)で示される第3実施例のクロモン誘導体を発光
層にドーピングする以外すべて第2実施例の有機電界発
光素子の作製の手順と同一の手順で作製した。
【0061】作製された第4実施例の有機電界発光素子
に対して、室温、窒素ガス雰囲気下で駆動させたとこ
ろ,10mA/cm2の電界の印加により300cd/m2
の発光輝度が得られた。なお、素子の発光は450nm
にピークを有する青色発光であった。
【0062】(5)比較例の有機電界発光素子 比較例の有機電界発光素子は、次のようにして作製し
た。まず、ガラス基板上にITO電極を形成し、その上
に正孔輸送層として化学式(18)で示されるTPTE
を60nm蒸着する。更に化学式(20)で示されるD
PVBiを60nm蒸着し、最後にLiFとAlを蒸着
して比較例の有機電界発光素子を完成する。
【0063】こうして作製された比較例の有機電界発光
素子に対して、室温、窒素ガス雰囲気下で駆動させたと
ころ,10mA/cm2の電界の印加により115cd/
2の発光輝度が得られた。
【0064】3.評価 第1ないし第4実施例の有機電界発光素子は、いずれも
比較例の有機電界発光素子に比して高い輝度を得てい
る。このことより、化学式(1)で表わされるクロモン
誘導体を有機化合物層14の発光層として用いたり、あ
るいは他の発光材料と共に用いることにより、青〜緑色
発光を高い輝度で得ることができる。
【0065】なお、実施例では、化学式(21)〜(2
6)で示される第1ないし第6実施例のクロモン誘導体
およびこれらを用いた有機電界発光素子について説明し
たが、この6種のクロモン誘導体に限られるものではな
く、化学式(1)で表わされるクロモン誘導体であれば
如何なる構造であってもよい。
【0066】以上、本発明の実施の形態について実施例
を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機電界発光素子の構成の概略を示
す構成図である。
【図2】 従来例のクロモン誘導体の構造を説明する説
明図である。
【図3】 従来例のクロモン誘導体の立体構造を例示す
る構造図である。
【符号の説明】
10 透明基板、12 第1電極、14 有機化合物
層、16 第2電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 毛利 誠 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 時任 静士 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3K007 AB02 CA00 CA01 CA02 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と、陰極と、該陽極と該陰極とに挟
    持される一層または複数層の有機化合物層とを備える有
    機電界発光素子であって、 前記有機化合物層のうち少なくとも一層が、下記の化学
    式(1) 【化1】 で表わされる有機化合物を含むことを特徴とする有機電
    界発光素子。
  2. 【請求項2】 前記化学式(1)のAは、炭素数1〜3
    の直鎖の炭素のうちのいずれかにより二つの結合がなさ
    れてなる有機化合物である請求項1記載の有機電界発光
    素子。
  3. 【請求項3】 前記化学式(1)のAは、炭素による環
    状鎖を有し、該環状鎖を構成する炭素のうちのいずれか
    の炭素により二つの結合がなされてなる有機化合物であ
    る請求項1記載の有機電界発光素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20130119359A1 (en) * 2011-11-16 2013-05-16 Udc Ireland Limited Organic Electroluminescent Element, Material for Organic Electroluminescent Element, and Light Emitting Device, Display Device and Illumination Device Each Using the Element

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