JP2001166598A - 転写装置及び画像形成装置 - Google Patents

転写装置及び画像形成装置

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JP2001166598A
JP2001166598A JP34506499A JP34506499A JP2001166598A JP 2001166598 A JP2001166598 A JP 2001166598A JP 34506499 A JP34506499 A JP 34506499A JP 34506499 A JP34506499 A JP 34506499A JP 2001166598 A JP2001166598 A JP 2001166598A
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cleaning
transfer
dielectric layer
toner
transfer belt
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JP34506499A
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English (en)
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Toshihiro Sugiyama
敏弘 杉山
Hiroshi Ishii
宏 石井
Hiroshi Saito
洋 斉藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーニング部材表面に設けた誘電体層の特
性値を特定することにより、誘電体層によるクリーニン
グ効果を一定以上に維持し、効果的に転写ベルトをクリ
ーニングすることのできる転写装置及び該転写装置を備
えた画像形成装置を提供する。 【解決手段】 転写ベルト21と、転写ベルト21の表
面をクリーニングする、表面に誘電体層を有するクリー
ニングローラ40とを備え、感光体ドラム10上に形成
されたトナー像を転写ベルト21上の転写紙Pに転写す
る転写装置20において、トナー像を形成するトナーの
帯電極性とは逆極性のクリーニングバイアスを、クリー
ニングローラ40に印加する電源45を設け、誘電体層
の体積固有抵抗を1E3Ωcm以上に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写装置、及び、
該転写装置を備えた複写機、ファクシミリ、プリンタ等
の画像形成装置に係り、詳しくは、複数の回転体で支持
され、転写材を担持して搬送する転写ベルトと、該転写
ベルト上の表面をクリーニングするクリーニング部材と
を備え、該像担持体上に形成されたトナー像を該転写ベ
ルト上の転写材に転写する転写装置であって、該クリー
ニング部材表面に誘電体層を有する転写装置、及び、該
転写装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機やプリンタなどの画像形成
装置においては、像担持体上に形成されたトナー像を転
写材に転写するための転写装置が設けられている。この
転写装置としては、例えば、像担持体としての感光体と
回転体としての支持ローラに支持された転写ベルトとが
対向し接触する転写領域に、該転写ベルトで転写材とし
ての転写紙を担持して搬送し、該転写紙が該転写領域を
通過する際に、該転写領域に転写電界を発生させ、この
転写電界によって感光体上に形成されたトナー像を転写
紙に転写させるものが知られている。
【0003】上記構成の転写装置においては、転写ベル
トと感光体とが転写紙を介して接するため、感光体上の
地汚れトナーや転写時の飛散トナーなどが転写ベルト上
に付着し、転写紙の裏汚れや転写不良等の不具合を引き
起こす場合がある。そのため、転写ベルトに付着したト
ナーを除去するためのクリーニング手段を付設すること
が不可欠である。
【0004】転写ベルトのクリーニング手段としては、
従来、トナーの帯電極性と逆極性のクリーニングバイア
スを印加したクリーニング部材としての導電性部材で、
転写ベルト表面を摺擦することにより、該転写ベルト上
のトナーを静電的にクリーニング部材側に移動させる電
界クリーニング方式のクリーニング手段が知られている
(例えば、特開平7−64444号公報、特開平9−1
52788号公報)。この電界クリーニング方式におい
ては、導電性部材と転写ベルトとの間に、転写ベルト上
のトナーが導電性部材に向かう静電気力を及ぼす電界
(以下、バイアス電界という)が形成される。そして、
このバイアス電界により、転写ベルト上のトナーがクリ
ーニング部材側へ移動し、転写ベルト上から除去され
る。
【0005】ところが、上記電界クリーニング方式で
は、充分なクリーニング性能を得ることができず、クリ
ーニング不良が発生する場合があった。特に、転写ベル
トとして体積固有抵抗が1012〜1013Ωcm以上
の高抵抗のものを使用する場合やトナーの帯電量が大き
い場合に発生しやすい。
【0006】高抵抗の転写ベルトを使用する場合には、
抵抗の小さいベルトと比べて誘電分極しやすいこと、及
び、転写時にベルトに付与された転写電荷、すなわちト
ナーの帯電極性と逆極性の電荷が、付与された表面に保
持されやすいこと、などから、トナーが静電的に転写ベ
ルトに吸着される力が大きくなる。また、トナーの帯電
量が大きい場合にも、クーロン力あるいは鏡像力によっ
てトナーが静電的に転写ベルトに吸着されるが大きくな
る。転写ベルト上のトナーは、層状に重なっているた
め、このようにトナーと転写ベルトとの静電吸着力が大
きい場合においては、上層部のトナーでさえも、クリー
ニング電界により導電性部材側へ移動させることができ
ない場合がある。そこで、トナーと転写ベルトとの静電
吸着力が大きい場合に、電界クリーニング方式により良
好なクリーニング性能を得るためには、導電性部材に印
加するクリーニングバイアスを大きくすることが考えら
れる。
【0007】ところが、クリーニングバイアスが大きす
ぎると、クリーニング部材と転写ベルトとの接触部にお
いて転写ベルトの厚み方向で絶縁破壊が生じる場合があ
り、電流がリークしてしまうおそれがある。そして、電
流がリークすると、上記バイアス電界が形成されず、電
界クリーニング方式での充分なクリーニング性能が得ら
れなくなる。また、クリーニングバイアスが大きすぎる
と、転写ベルト上のトナーに、トナーと逆極性の電荷が
注入され、トナーの帯電極性が反転してしまう場合があ
る。このような帯電極性の反転したトナー(以下、反転
トナーという)は、電界クリーニング方式ではクリーニ
ングできないため、クリーニング性能を低下させる原因
となる。
【0008】なお、上記反転トナーは、電荷注入により
発生するだけでなく、例えば、上記感光体上の地肌部に
存在する反転トナーが転写ベルトと接触するときに、転
写ベルト上に付着してしまう場合もあり、このような反
転トナーも、同様にクリーニング性能を低下させる原因
となってしまう。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】そこで、本出願人は、高抵抗の転写ベルト
を使用した場合やトナーの帯電量の大きい場合において
も、従来の電界クリーニング方式よりも良好に転写ベル
ト表面をクリーニングすることができるとともに、反転
トナーをもクリーニングすることができる転写装置及び
該転写装置を備えた画像形成装置を提案した(特願平1
1−301773号)。この転写装置においては、クリ
ーニング部材表面に設けた誘電体層と転写ベルト上のト
ナーとが接触すると、誘電分極により該誘電体層の表面
部にトナーの帯電極性と逆極性の電荷が誘起され、該誘
電体層とトナーとの間に静電吸着力が発生する。これに
より、転写ベルトと誘電体層に挟まれた層状のトナーに
は、該誘電体層との間の静電吸着力(以下、誘電体吸着
力という)と、転写ベルトとトナーとの間の静電吸着力
(以下、ベルト吸着力という)とが働くことになる。そ
して、トナーに働くそれぞれの静電吸着力の大きさは、
トナーとの距離の二乗に反比例するため、転写ベルト表
面の上層部のトナーに対しては、ベルト吸着力よりも誘
電体吸着力が上回り、誘電体層側に移動させ、転写ベル
ト上から除去することができる。したがって、高抵抗の
ベルトを使用した場合やトナーの帯電量の大きい場合に
も、従来の電界クリーニング方式よりも良好に転写ベル
ト表面をクリーニングすることができる。また、誘電体
層表面部には常にトナーの帯電極性と逆極性の電荷が誘
起されるので、帯電極性の反転したトナーも、誘電体層
表面に移動させることができる。これらの結果、転写ベ
ルトのクリーニング不良による転写材の裏汚れや転写不
良等が発生することもない。また、上記先願の明細書に
は、上記トナーの帯電極性と逆極性のクリーニングバイ
アスを上記クリーニング部材に印加するためのバイアス
印加手段を設け、クリーニング部材と上記転写ベルトと
の間に、トナーがクリーニング部材に向かうバイアス電
界を形成することも提案されている。これによれば、誘
電体層によるクリーニング効果に、電界によるクリーニ
ング効果が加わるので、いっそう良好なクリーニング性
能を得ることができる。
【0010】本発明は、上記先願に係る発明についての
更なる研究によりなされたものであり、その目的とする
ところは、クリーニング部材表面に設けた誘電体層の特
性値を特定することにより、誘電体層によるクリーニン
グ効果を一定以上に維持し、効果的に転写ベルトをクリ
ーニングすることのできる転写装置及び該転写装置を備
えた画像形成装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、複数の回転体で支持され、転写
材を担持して搬送する転写ベルトと、該転写ベルトの表
面をクリーニングする、表面に誘電体層を有するクリー
ニング部材とを備え、像担持体上に形成されたトナー像
を該転写ベルト上の転写材に転写する転写装置におい
て、該トナー像を形成するトナーの帯電極性とは逆極性
のクリーニングバイアスを、該クリーニング部材に印加
するバイアス印加手段を設け、該誘電体層の体積固有抵
抗を1E3Ωcm以上に設定したことを特徴とするもの
である。
【0012】請求項1の転写装置においては、転写ベル
ト上のトナーの一部は、誘電体層とトナーとの接触によ
る誘電体層表面部に生じた分極電荷により誘電体層表面
に移動し、また他の一部は、バイアス印加手段により形
成されたバイアス電界により誘電体層表面に移動する。
このとき、上記誘電体層の体積固有抵抗が小さすぎる
と、該誘電体層が導電性を示すようになるため、トナー
との接触による分極電荷がほとんど発生しなくなり、誘
電体層によるクリーニング効果が低減され、電界による
クリーニング効果だけしか得られなくなるおそれがあ
る。また、誘電体層の体積固有抵抗が小さすぎると、電
界によるクリーニング効果を上げるためにクリーニング
部材に印加するクリーニングバイアスが大きくすると、
誘電体層の厚み方向に絶縁破壊が生じるおそれがある。
そこで、この転写装置においては、誘電体層の体積固有
抵抗を1E3Ωcm以上に設定することにより、誘電体
層の導電性が高くなりすぎないようにし、誘電体層によ
るクリーニング効果を一定以上に維持する。また、クリ
ーニングバイアスによる誘電体層の絶縁破壊を防止す
る。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の転写装置に
おいて、上記誘電体層の体積固有抵抗を1E15Ωcm
以下に設定したことを特徴とするものである。
【0014】上記誘電体層の体積固有抵抗が大きすぎる
と、該誘電体層の絶縁性が高くなりすぎて、クリーニン
グ部材と転写ベルトとの間に形成されるバイアス電界が
不十分となり、電界によるクリーニング効果が低減され
るおそれがある。そこで、請求項2の転写装置において
は、誘電体層の体積固有抵抗を1E15Ωcm以下に設
定することにより、上記バイアス電界を十分に確保し、
電界によるクリーニング効果をも一定以上に維持する。
【0015】請求項3の発明は、上記トナーの帯電極性
がマイナスである請求項1又は2の転写装置において、
上記クリーニング部材に印加するクリーニングバイアス
の大きさが、300〜2500Vであることを特徴とす
るものである。
【0016】請求項3の転写装置においては、クリーニ
ング部材に印加するクリーニングバイアスを、300V
以上にすることにより、電界によるクリーニング効果を
十分に確保する。そして、該クリーニングバイアスを2
500V以下にすることにより、使用する電源のコスト
アップが生じないようにする。
【0017】請求項4の発明は、複数の回転体で支持さ
れ、転写材を担持して搬送する転写ベルトと、該転写ベ
ルトの表面をクリーニングする、表面に誘電体層を有す
るクリーニング部材とを備え、像担持体上に形成された
トナー像を該転写ベルト上の転写材に転写する転写装置
において、該ナー像を形成するトナーの帯電極性とは逆
極性のクリーニングバイアスを、該クリーニング部材に
印加するバイアス印加手段を設け、該誘電体層の表面抵
抗を1E4Ω/□以上に設定したことを特徴とするもの
である。
【0018】請求項4の転写装置においては、上記誘電
体層の表面抵抗を1E4Ω/□以上に設定することによ
り、請求項1と同様に、誘電体層の導電性が高くなりす
ぎないようにし、誘電体層によるクリーニング効果を一
定以上に維持する。
【0019】請求項5の発明は、複数の回転体で支持さ
れ、転写材を担持して搬送する転写ベルトと、該転写ベ
ルトの表面をクリーニングする、表面に誘電体層を有す
るクリーニング部材とを備え、像担持体上に形成された
トナー像を該転写ベルト上の転写材に転写する転写装置
において、該誘電体層の比誘電率を3以上に設定したこ
とを特徴とするものである。
【0020】上記誘電体層の比誘電率が小さすぎると、
静電容量が小さくなりすぎて、該誘電体層表面に付着さ
せることのできる電荷量、すなわちトナー量が低下し、
誘電体層によるクリーニング効果が低減されるおそれが
ある。そこで、請求項5の転写装置においては、誘電体
層の比誘電率を3以上に設定することにより、静電容量
を十分に確保し、誘電体層によるクリーニング効果を一
定以上に維持する。
【0021】請求項6の発明は、請求項5の転写装置に
おいて、上記トナー像を形成するトナーの帯電極性と逆
極性のクリーニングバイアスを、上記クリーニング部材
に印加するバイアス印加手段を設けたことを特徴とする
ものである。
【0022】請求項6の転写装置においては、誘電体層
によるクリーニング効果を一定以上に維持するととも
に、電界によるクリーニング効果を得ることができるの
で、より良好に転写ベルト表面をクリーニングすること
ができる。
【0023】請求項7の発明は、像担持体と、該像担持
体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該像担
持体上に形成されたトナー像を転写材に転写する転写装
置とを備えた画像形成装置において、該写装置として、
請求項1、2、3、4、5又は6の転写装置を用いたこ
とを特徴とするものである。
【0024】請求項7の画像形成装置においては、転写
装置として、請求項1、2、3、4、5又は6の転写装
置を用いることにより、誘電体層によるクリーニング効
果を一定以上に維持した状態で、転写ベルト上に付着し
た像担持体上の地汚れトナーや転写時の飛散トナーなど
を良好にクリーニングすることができるので、ベルトの
クリーニング不良による転写材の裏汚れや転写不良等の
発生を防止できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を画像形成装置であ
る電子写真複写機(以下、複写機という)に適用した一
実施形態について説明する。まず、複写機全体の構成及
び動作について説明する。図1は、同複写機の概略構成
図である。図1において、像担持体としての感光体ドラ
ム10が回転可能に取り付けられており、その周囲に
は、帯電装置12、図示しない露光装置、感光体ドラム
上にトナー像を形成するトナー像形成手段としての現像
装置13、クリーニング装置15、除電装置(除電ラン
プ)16等が配設されている。そして、感光体ドラム1
0の下方には、転写装置20が設けられている。
【0026】転写装置20は、回転体としての駆動ロー
ラ22及び従動ローラ23に支持され、転写材としての
転写紙Pを担持して搬送する転写ベルト21を備えてい
る。この駆動ローラ22及び従動ローラ23は、金属な
どの導電性のローラであり、それぞれ接地されている。
また、転写ベルト21の周囲には、転写バイアスローラ
30及び転写ベルト21の表面に接触して該表面をクリ
ーニングするクリーニング部材としてのクリーニングロ
ーラ40などが設けられている。
【0027】転写ベルト21は、ゴム部材からなる無端
ベルトにフッ素系材料を表面コーティングした高抵抗の
ものであり、その体積固有抵抗は1014Ωcmであ
る。また、転写ベルト21は、図中矢印方向に回動し、
図示しない押し上げレバーを押し上げることにより感光
体ドラム10へ当接され、転写終了後、押し上げレバー
により感光体ドラム10から離間されるようになってい
る。
【0028】また、図1に示すように、転写バイアスロ
ーラ30には、転写用の出力電流I を出力する定電流
電源31が接続されており、この転写バイアスローラ3
0と定電流電源31とにより転写ベルト21にトナーの
帯電極性とは逆極性のプラスの転写用電荷を付与する電
荷付与手段を構成している。この転写バイアスローラ3
0から転写ベルト21に供給された電荷の一部は、駆動
ローラ22及び従動ローラ23に流れ込み、帰還電流I
及びIとして定電流電源31に戻される。また、感
光体ドラム10と転写ベルト21とが対向し接触する転
写領域で、感光体10側に流れる転写に寄与する実効的
な転写電流Iが一定電流となるように、次の数1で示
す関係が得られるように出力電流Iを制御する。
【数1】I=I−I−I
【0029】上記構成において、感光体ドラム10は、
帯電装置12によりその表面を一様に帯電された後、露
光装置からの光信号Lを照射され静電潜像を形成され
る。この静電潜像は現像装置13により現像され、顕像
としてのトナー像が形成される。なお、本実施形態にお
いては、スチレンアクリルを母材としたマイナス帯電ト
ナーを使用している。
【0030】そして、転写バイアスローラ30によって
上記転写領域に転写電界が形成され、感光体ドラム10
上のトナー像が、転写ベルト21上の転写紙Pに転写さ
れ、その後、図示しない定着装置へ搬送されて定着され
る。
【0031】一方、トナー像転写後の感光体ドラム10
の表面は、クリーニング装置15により未転写トナーが
除去され、次の帯電に備えて除電装置16により残留電
荷が除電される。
【0032】次に、転写ベルト21のクリーニングにつ
いて説明する。図1において、転写ベルト21はクリー
ニングローラ40により表面がクリーニングされる。こ
のクリーニングローラ40は、図2に示すように、ロー
ラ基体としての芯金41の外周に層厚約100μmの弾
性体層42を被覆したものである。本実施形態において
は、誘電体層42として、抵抗制御剤としてのカーボン
ブラックを分散させたナイロン系材料からなるチューブ
を使用しているが、例えば誘電性材料をコーティングし
てもよい。また、転写ベルト21に対してクリーニング
ローラ40を約1mm食い込ませ、図1中矢印方向に、
転写ベルト21と等速で回転させる。なお、本実施形態
においては、クリーニングローラ40として、ローラ基
体が芯金41からなるハードローラを用いたが、ローラ
基体が例えば弾性体からなるソフトローラを用い、駆動
ローラ22や別途設けた裏当て部材等に対向配置させ
て、転写ベルト21に食い込ませるように構成してもよ
い。また、ハードローラ及びソフトローラに関わらず、
転写ベルト21側をベルト内周面側に設けた裏当て部材
により押圧し、クリーニングローラ40に当接させるよ
うに構成してもよい。
【0033】また、図1に示すように、クリーニングロ
ーラ40の芯金41に、クリーニングバイアスを印加す
るバイアス印加手段としての定電圧電源45が接続さ
れ、例えばプラス500Vのバイアスが印加されるよう
になっている。なお、図示の例では、バイアス印加手段
として、転写用の電荷付与手段である上記定電流電源3
1とは別に定電圧電源45を設けているが、感光体ドラ
ム10への転写電流Iをより正確に制御するために、
定電流電源31がクリーニングローラ40へのバイアス
印加手段としての電源を兼ねるように構成してもよい。
【0034】上記構成において、クリーニングローラ4
0表面の誘電体層42と転写ベルト21上のマイナス帯
電トナーとが接触すると、誘電分極により誘電体層42
表面部にトナーの帯電極性と逆極性、すなわちプラスの
電荷が誘起され、誘電体層42とトナーとの間に静電吸
着力が発生する。このとき、転写ベルト21と誘電体層
42に挟まれた層状のトナーには、該誘電体層との間の
静電吸着力(以下、誘電体吸着力という)と、転写ベル
トとトナーとの間の静電吸着力(以下、ベルト吸着力と
いう)とが働くが、トナーに働くそれぞれの静電吸着力
の大きさは、トナーとの距離の二乗に反比例するため、
転写ベルト21表面の上層部のトナーに対しては、ベル
ト吸着力よりも誘電体吸着力が上回る。このため、転写
ベルト21上にある上層部のトナーが誘電体層側に移動
して、転写ベルト上から除去される。また、誘電体層4
2表面部には常にトナーの帯電極性と逆極性の電荷が誘
起されるので、帯電極性の反転したトナーも、誘電体層
表面に向かって移動させることができる。
【0035】そして、上記誘電体吸着力が維持されると
ともに、定電流電源31によるクリーニングローラ40
と転写ベルト21との間の電位差で、トナーにクリーニ
ングローラ40側に向かうバイアス電界が形成される。
これにより、転写ベルト21上のトナーの一部は、上記
誘電体吸着力で誘電体層42表面に移動し、また他の一
部は、該バイアス電界で誘電体層42表面に移動する。
なお、クリーニングローラ40の誘電体層42表面に移
動したトナーは、ゴムブレード44により掻き取られて
回収される。
【0036】このように、上記構成においては、誘電体
層42によるクリーニング効果と、電界によるクリーニ
ング効果とで、より多くのトナーの除去が可能になり、
良好に転写ベルト21表面をクリーニングすることがで
きる。
【0037】ところで、このように良好なクリーニング
性を得るためには、上記クリーニングローラ40表面に
設けた誘電体層42の特性値を特定することが必要であ
る。例えば、誘電体層42の体積固有抵抗及び表面抵抗
が小さすぎる場合には、誘電体層42が導電性を示すよ
うになるため、トナーとの接触による分極電荷がほとん
ど発生しなくなり、誘電体層42によるクリーニング効
果が低減され、電界によるクリーニング効果だけしか得
られなくなるという不具合が生じるおそれがある。ま
た、誘電体層42の体積固有抵抗及び表面抵抗が小さす
ぎる場合には、電界によるクリーニング効果を上げるた
めにクリーニングローラに印加するクリーニングバイア
スが大きくすると、誘電体層42の厚み方向に絶縁破壊
されるという不具合が生じるおそれがある。
【0038】これら不具合は、上記誘電体層42の体積
固有抵抗を少なくとも1E3Ωcm以上に、また、表面
抵抗を少なくとも1E4Ω/□以上に設定に設定してお
けば、誘電体層42の導電性が高くなりすぎないように
することが可能となる。また、クリーニングバイアスに
よる誘電体層42の絶縁破壊を防止することもできる。
なお、体積固有抵抗(Ωcm)の値は、YHP製の測定
器(商品名:HIGHRESISTANCE METE
R:4329A)を用いて、印加電圧25V、タイマー
10秒の条件で測定した抵抗(Ω)から求めた値であ
る。また、表面抵抗(Ω/□)の値は、三菱化学(株)
製の測定器(商品名:ハイレスタ、プローブ:HA)を
用いて、印加電圧100V、タイマー10秒の条件で求
めた値である。
【0039】一方、上記誘電体層42の体積固有抵抗が
大きすぎる場合には、誘電体層42の絶縁性が高くなり
すぎて、クリーニングローラ40と転写ベルト21との
間に形成されるバイアス電界が不十分となり、電界によ
るクリーニング効果が低減されるおそれがあるが、誘電
体層42の体積固有抵抗が少なくとも1E15Ωcm以
下であれば、バイアス電界を十分に確保し、電界による
クリーニング効果をも一定以上に維持することができ
る。なお、表面抵抗の上限値は特に限定する必要はない
が、本実施形態のように単層の転写ベルト21を用いる
場合には、誘電体層42の表面抵抗を大きくすると、体
積固有抵抗も同時に大きくなるので、表面抵抗の上限値
は、体積固有抵抗の上限値を考慮して設定すればよい。
【0040】また、上記誘電体層42の比誘電率が小さ
すぎると、静電容量が小さくなりすぎて、誘電体層表面
に付着させることのできる電荷量、すなわちトナー量が
低下し、誘電体層42によるクリーニング効果が低減さ
れるおそれがあるが、誘電体層42の比誘電率を3より
も大きくなるように設定することにより、静電容量を十
分に確保することができ、誘電体層42によるクリーニ
ング効果を一定以上に維持することができる。なお、比
誘電率は、YHP製の測定器(商品名:AUTO CA
PACITANCE BRIDGE:4270A)を用
いて、DCバイアス0V、周波数1000Hz、タイマ
ー10秒の条件で求めた静電容量(F)の値から、下記
数1より求めたものである。
【数1】εs=C・d/ε0・S (εsは誘電体の比誘電率、Sは誘電体面積、Dは誘電
体層層厚、ε0は真空の誘電率) また、比誘電率の上限値も特に限定する必要はないが、
本実施形態のように単層の転写ベルト21を用いる場合
には、誘電体層42の比誘電率を大きくすると、それに
伴って体積固有抵抗が小さくなるので、体積固有抵抗の
下限値を考慮して設定すればよい。なお、比誘電率につ
いては、クリーニングローラ40にクリーニングバイア
スを印加しない構成の場合においても、上記の範囲の値
に設定することにより同様の効果を得ることができる。
【0041】次に、図1の複写機にて1万枚(A4横)
コピーを行い、各特性値が以下の範囲内にある誘電体層
42を設けたクリーニングローラ40を用いてクリーニ
ングを行った場合の、クリーニング性能を評価した結果
を説明する。 体積固有抵抗:1E3〜1E15Ωcm 表面抵抗:1E4〜1E15Ω/□ 比誘電率:3〜30 静電容量:100〜7000pF クリーニング性能は、クリーニング後の転写ベルト21
上の残トナーを、無色透明の粘着テープによりテープ両
面に転写し、マクベス濃度計を用いて測定したテープ上
のトナーの光学濃度(ID)の値で評価し、光学濃度
(ID)が小さいほどクリーニング性能が高いことを示
す。なお、クリーニングバイアスは、プラス500Vを
印加した。この評価の結果、誘電体層42の各特性値が
上記範囲内にあるとき、誘電体層を設けない場合の光学
濃度(ID)1.3よりも小さくなり、誘電体層42に
よるクリーニング効果を一定以上得ることができること
が確認された。また、上記範囲内においても、体積固有
抵抗が1E7〜1E14Ωcm、表面抵抗が1E6〜1
E13Ω/□、比誘電率が6〜25、静電容量が500
〜2000pFの範囲では、光学濃度が0.01であ
り、誘電体層42によるクリーニング効果と電界による
クリーニング効果とが十分に発揮され、より良好なクリ
ーニング性能が得られることが確認できた。特に、誘電
体層42の体積固有抵抗が2E9Ωcm、表面抵抗が4
E10Ω/□、比誘電率が11、静電容量が1000p
Fのときに、最大の効果が得られた。なお、この評価に
おいては、クリーニングローラに印加するクリーニング
バイアスが300V以上であれば、電界によるクリーニ
ング効果を十分に得られることが確認されたが、クリー
ニングバイアスを大きくしすぎると、使用する電源のコ
ストアップが生じるため、上限値は2500V程度に設
定するのが適当である。
【0042】以上、本実施形態によれば、クリーニング
ローラ40表面に設けた誘電体層42によるクリーニン
グ効果を一定以上に維持した状態で、転写ベルト21上
に付着した感光体ドラム10上の地汚れトナーや転写時
の飛散トナーなどを効果的にクリーニングすることがで
きる。これにより、転写ベルト21のクリーニング不良
による転写紙Pの裏汚れや転写不良等が発生することな
く、良好な画像を形成することが可能になる。
【0043】
【発明の効果】請求項1乃至6の発明によれば、クリー
ニング部材表面に設けた誘電体層の特性値を特定するこ
とにより、誘電体層によるクリーニング効果を一定以上
に維持することができるので、効果的に転写ベルトをク
リーニングすることができるという優れた効果がある。
【0044】特に、請求項1の発明によれば、誘電体層
の体積固有抵抗を1E3Ωcm以上に設定することによ
り、誘電体層によるクリーニング効果を一定以上に維持
するとともに、クリーニングバイアスによる誘電体層の
絶縁破壊を防止することができるという優れた効果があ
る。
【0045】また特に、請求項2の発明によれば、誘電
体層の体積固有抵抗を1E15Ωcm以下に設定するこ
とにより、誘電体層によるクリーニング効果に加えて、
電界によるクリーニング効果をも一定以上に維持できる
ので、より効果的に転写ベルトをクリーニングすること
ができるという優れた効果がある。
【0046】また特に、請求項3の発明によれば、電界
によるクリーニング効果を十分に確保するとともに、使
用する電源のコストを抑えることができるという優れた
効果がある。
【0047】また特に、請求項6の発明によれば、電界
によるクリーニング効果が加わることにより、より良好
に転写ベルト表面をクリーニングすることができるとい
う優れた効果がある。
【0048】請求項7の発明によれば、転写ベルトのク
リーニング不良による転写材の裏汚れや転写不良等が発
生することなく、良好な画像を形成することができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る複写機の概略構成図。
【図2】同複写機に搭載されたクリーニングローラの断
面図。
【符号の説明】
10 感光体ドラム 12 帯電装置 13 現像装置 15 クリーニング装置(感光体ドラム用) 16 除電装置 20 転写装置 21 転写ベルト 22 駆動ローラ 23 従動ローラ 30 転写バイアスローラ 31 定電流電源 40 クリーニングローラ 41 芯金 42 誘電体層 44 回収ブレード 45 定電圧電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 洋 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H032 AA05 BA05 BA18 BA23 BA30 CA02 CA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の回転体で支持され、転写材を担持し
    て搬送する転写ベルトと、該転写ベルトの表面をクリー
    ニングする、表面に誘電体層を有するクリーニング部材
    とを備え、像担持体上に形成されたトナー像を該転写ベ
    ルト上の転写材に転写する転写装置において、 上記トナー像を形成するトナーの帯電極性とは逆極性の
    クリーニングバイアスを、上記クリーニング部材に印加
    するバイアス印加手段を設け、上記誘電体層の体積固有
    抵抗を1E3Ω以上に設定したことを特徴とする転写装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1の転写装置において、 上記誘電体層の体積固有抵抗を1E15Ωcm以下に設
    定したことを特徴とする転写装置。
  3. 【請求項3】上記トナーの帯電極性がマイナスである請
    求項1又は2の転写装置において、 上記クリーニング部材に印加するクリーニングバイアス
    の大きさが、300〜2500Vであることを特徴とす
    る転写装置。
  4. 【請求項4】複数の回転体で支持され、転写材を担持し
    て搬送する転写ベルトと、該転写ベルトの表面をクリー
    ニングする、表面に誘電体層を有するクリーニング部材
    とを備え、像担持体上に形成されたトナー像を該転写ベ
    ルト上の転写材に転写する転写装置において、 上記トナー像を形成するトナーの帯電極性とは逆極性の
    クリーニングバイアスを、上記クリーニング部材に印加
    するバイアス印加手段を設け、上記誘電体層の表面抵抗
    を1E4Ω/□以上に設定したことを特徴とする転写装
    置。
  5. 【請求項5】複数の回転体で支持され、転写材を担持し
    て搬送する転写ベルトと、該転写ベルトの表面をクリー
    ニングする、表面に誘電体層を有するクリーニング部材
    とを備え、像担持体上に形成されたトナー像を該転写ベ
    ルト上の転写材に転写する転写装置において、 上記誘電体層の比誘電率を3以上に設定したことを特徴
    とする転写装置。
  6. 【請求項6】請求項5の転写装置において、 上記トナー像を形成するトナーの帯電極性と逆極性のク
    リーニングバイアスを、上記クリーニング部材に印加す
    るバイアス印加手段を設けたことを特徴とする転写装
    置。
  7. 【請求項7】像担持体と、該像担持体上にトナー像を形
    成するトナー像形成手段と、該像担持体上に形成された
    トナー像を転写材に転写する転写装置とを備えた画像形
    成装置において、 上記転写装置として、請求項1、2、3、4、5又は6
    の転写装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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