JP2001163263A - 車体側部構造 - Google Patents

車体側部構造

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JP2001163263A
JP2001163263A JP34948699A JP34948699A JP2001163263A JP 2001163263 A JP2001163263 A JP 2001163263A JP 34948699 A JP34948699 A JP 34948699A JP 34948699 A JP34948699 A JP 34948699A JP 2001163263 A JP2001163263 A JP 2001163263A
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JP
Japan
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sill
vehicle body
pillar
body side
side structure
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JP34948699A
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English (en)
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Hiroyuki Miyasaka
浩行 宮坂
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02DCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES [ICT], I.E. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES AIMING AT THE REDUCTION OF THEIR OWN ENERGY USE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 側面衝突時の変形モードを理想的なものと
し、効率的なエネルギー吸収を可能とする。 【解決手段】 車体の左右下部に前後方向に延設された
閉断面骨格部材であるサイドシル1と、車体の左右上部
に前後方向に延設された閉断面骨格部材であるサイドル
ーフレール3と、車体の左右側部に上下方向に延設され
てサイドルーフレール3及びサイドシル1に上下端が結
合された閉断面骨格部材であるセンターピラ ー5とを
備え、センターピラー5の下端Bからサイドシル1に沿
って車体前後方向等距離の箇所にそれぞれ設けられセン
ターピラー5に作用する車幅方向内側への荷重に対して
等距離の箇所の発生反力を該箇所に挟まれる領域の発生
反力よりもほぼ等しく高めるシル補強部21,23を備
えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイドシル、サイ
ドルーフレール及びこれらを結合するピラーからなる車
体側部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車体側部構造としては、特開平1
0−181635号公報に記載されたものがある。この
車体側部構造は、ピラーとしてのセンターピラー、サイ
ドシル、サイドルーフレール等を含んでボディサイドユ
ニットが構成され、このボディサイドユニットが軽合金
の鋳物によって一体に成形されたものである。従って、
車体の軽量化を図ることができると共に、部品点数の削
減を行うことができる。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車体側部構造では、側面衝突時のサイドシル及びセンタ
ーピラーの変形モードを理想的に制御することが難し
く、効率的なエネルギー吸収特性を得ることには限界が
あった。このため材料的には軽量化を図ることができて
も、厚肉にしてエネルギー吸収量を増大する必要がある
など、軽量化にも限界があった。
【0003】本発明は、側面衝突時のピラー周辺の変形
モードを制御し、より効率的なエネルギー吸収特性を得
ることができ、より軽量化を可能とする車体側部構造の
提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、車体
の左右下部に前後方向に延設された閉断面骨格部材であ
るサイドシルと、車体の左右上部に前後方向に延設され
た閉断面骨格部材であるサイドルーフレールと、車体の
左右側部に上下方向に延設されて前記サイドルーフレー
ル及びサイドシルに上下端が結合された閉断面骨格部材
であるピラーとを備え、前記ピラーの下端から前記サイ
ドシルに沿って車体前後方向等距離の箇所にそれぞれシ
ル補強部を設け、前記ピラーに作用する車幅方向内側へ
の荷重に対して前記等距離の箇所の発生反力を該箇所に
挟まれる領域の発生反力よりもほぼ等しく高めたことを
特徴とする。
【0005】請求項2の発明は、請求項1記載の車体側
部構造であって、前記シル補強部は、前記サイドシルを
前後複数の部材で構成することによる該部材相互の結合
部であることを特徴とする。
【0006】請求項3の発明は、請求項2記載の車体側
部構造であって、前記シル補強部の近傍に車体フロアの
骨格部であるクロスメンバが結合されて該クロスメンバ
の一部がシル補強部よりもピラー側でサイドシルに車幅
方向で重なるとき、該クロスメンバの一部にサイドシル
のシル補強部間での車幅方向への変形を許容するための
易変形部を設けたことを特徴とする。
【0007】請求項4の発明は、請求項1記載の車体側
部構造であって、前記シル補強部は、一方が前記サイド
シルを前後複数の部材で構成することによる該部材相互
の結合部で構成され、他方が前記左右サイドシル間を結
合する車体フロアの骨格部であるクロスメンバで構成さ
れたことを特徴とする。
【0008】請求項5の発明は、請求項2〜4の何れか
に記載の車体側部構造であって、前記結合部は、前記部
材の端部が厚肉に形成されて相互に重ね合わされたもの
であることを特徴とする。
【0009】請求項6の発明は、請求項1記載の車体側
部構造であって、前記シル補強部は、前記ピラーの下端
からサイドシルに沿って車体前後方向等距離の箇所の肉
厚を該箇所間中央部側の肉厚に対し等しく厚肉にして構
成したことを特徴とする。
【0010】請求項7の発明は、請求項1記載の車体側
部構造であって、前記シル補強部は、前記サイドシルの
シルアウター部の上下中間が頂点となりかつ該頂点がシ
ル補強部間のピラー側に向き漸次肉厚が一般部の肉厚ま
で三角形状に減少する厚肉にして構成したことを特徴と
する。
【0011】請求項8の発明は、請求項1記載の車体側
部構造であって、前記シル補強部は、前記左右サイドシ
ル間を結合する車体フロアの骨格部であるクロスメンバ
で構成したことを特徴とする。
【0012】請求項9の発明は、請求項1〜8の何れか
に記載の車体側部構造であって、前記ピラーに、前記サ
イドシルと前記サイドルーフレールとの間のほぼ中央で
補強するピラー補強部を設けたことを特徴とする。
【0013】請求項10の発明は、請求項9記載の車体
側部構造であって、前記サイドルーフレールは、前後複
数の部材で構成され、各部材の結合部を前記シル補強部
及びピラー補強部を結ぶ線の延長上に位置させたことを
特徴とする。
【0014】請求項11の発明は、請求項9又は10記
載の車体側部構造であって、前記ピラー補強部は、前記
ピラーの一部を厚肉にして形成したことを特徴とする。
【0015】請求項12の発明は、請求項9又は10記
載の車体側部構造であって、前記ピラー補強部は、前記
ピラーに設けるリブの高さの設定により形成したことを
特徴とする。
【0016】請求項13の発明は、請求項9又は10記
載の車体側部構造であって、前記ピラー補強部は、前記
ピラーに設けるリブの数の設定により形成したことを特
徴とする。
【0017】請求項14の発明は、請求項9〜13の何
れかに記載の車体側部構造であって、前記サイドシルの
結合部の車体側方から見た合わせラインは、前記シル補
強部及びピラー補強部を結ぶ線に沿って傾斜しているこ
とを特徴とする。
【0018】請求項15の発明は、請求項10〜13の
何れかに記載の車体側部構造であって、前記サイドシル
及びサイドルーフレールの結合部の車体側方から見た合
わせラインは、前記シル補強部及びピラー補強部を結ぶ
線に沿って傾斜していることを特徴とする。
【0019】請求項16の発明は、請求項1〜15の何
れかに記載の車体側部構造であって、前記ピラーと該ピ
ラーが結合されるサイドルーフレール及びサイドシルの
少なくとも一部とを軽金属の鋳物材で一体に形成したこ
とを特徴とする。
【0020】
【発明の効果】請求項1の発明では、側面衝突時にはピ
ラーに作用する車幅方向内側への荷重に対して、ピラー
の下端からサイドシルに沿って車体前後方向等距離の箇
所にそれぞれ設けられたシル補強部が当該箇所の発生反
力を該箇所に挟まれる領域の発生反力よりもほぼ等しく
高めるため、サイドシルはピラーの下端をほぼ中心とす
る曲げ変形となる。このためピラーの捩れ変形が抑制さ
れ、ピラー上端のサイドルーフレール側を頂点としてピ
ラー下端及びサイドシルが車幅方向へ曲げ変形するモー
ドとなり、衝突エネルギーを主にサイドシル及びピラー
の曲げ変形によって吸収することができ、効率的なエネ
ルギー吸収を行うことができる。従って、ピラーやサイ
ドシルの板厚をより薄くすることができ、より軽量化を
図ることも可能である。
【0021】請求項2の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、シル補強部を前後複数の部材で構成したサイ
ドシルの部材相互の結合部で構成することによって、簡
単に形成することができ、構造を簡単にすることができ
る。
【0022】請求項3の発明では、請求項2の発明の効
果に加え、車体構造上、シル補強部の近傍に車体フロア
の骨格部であるクロスメンバを配置する必要がある場合
でも、クロスメンバの一部に設けた易変形部によってサ
イドシルのシル補強部間での車幅方向内側への変形を許
容することができ、衝突エネルギをピラーの曲げ変形と
サイドシルの曲げ変形とによって効率的に吸収すること
ができる。また、クロスメンバによって車体フロア側へ
荷重を伝達、分散することができ、エネルギー吸収量を
より効率的に行うことができる。
【0023】請求項4の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、シル補強部は前後複数の部材で構成したサイ
ドシルの部材相互の結合部で一方が構成され、他方が左
右サイドシル間を結合する車体フロアの骨格部であるク
ロスメンバで構成されることによって、別部材を付加す
ることなく簡単に形成することができる。
【0024】また、他方のクロスメンバを介して車体フ
ロア側へ荷重を伝達、分散することができ、エネルギー
吸収をより効率的に行うことができる。
【0025】請求項5の発明では、請求項2〜4の何れ
かの発明の効果に加え、シル補強部を構成する結合部
は、サイドシルを構成する部材の端部が厚肉に形成され
て相互に重ね合わされたものであるため、溶接熱による
材料強度低下があっても側面衝突時の車幅方向内側への
荷重に対する発生反力をシル補強部間の発生反力よりも
ほぼ等しく高めることができ、衝突エネルギを主にサイ
ドシルの曲げ変形とピラーの曲げ変形とで吸収すること
ができるという変形モードを確実に維持することができ
る。
【0026】請求項6の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、シル補強部はサイドシルのピラーの下端から
サイドシルに沿って車体前後方向等距離の箇所の肉厚を
該箇所間中央部側の肉厚に対して等しく厚肉にして構成
したので、側面衝突時の車幅方向内側への荷重によって
サイドシルをシル補強部間において確実に曲げ変形させ
ると共に、ピラーに捩りが発生せず、上端のサイドルー
フレール側を頂点として曲げ変形させることができ、よ
り確実に効率的なエネルギー吸収を行うことができる。
【0027】請求項7の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、サイドシルへ働く車幅方向内側への荷重によ
って、三角形状の厚肉部の頂点側に応力が集中し、サイ
ドシルのシルアウター部に上下方向の潰れ変形を生じさ
せ、広範囲な変形とすることができるため、局部変形を
防止できると共に、サイドシルの広範囲で十分なエネル
ギー吸収を行うことができる。
【0028】請求項8の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、クロスメンバを介して車体フロアに荷重を伝
達し分散することができるため、より効率的にエネルギ
ー吸収を行うことができる。また、サイドシルが前後複
数の部材で構成され、これら部材相互は結合部によって
結合される構造でも、側面衝突時の車幅方向内側への荷
重はクロスメンバで受けることができ、結合部に発生す
る荷重を低減することができる。
【0029】請求項9の発明では、請求項1〜8の何れ
かの発明の効果に加え、衝突程度が進んだ後、衝突荷重
がピラーのサイドシルとサイドルーフレールとの間の中
央部側に作用した場合でも、ピラー補強部が該中央部側
を補強しているため、ピラーの上端側を支点とした曲げ
変形を維持することができ、効率的なエネルギー吸収を
維持することができる。
【0030】請求項10の発明では、請求項9の発明の
効果に加え、衝突程度が進み、ピラーのサイドシルとサ
イドルーフレールとの間の中央側に入力を受けた際、ピ
ラーの変形が、ピラー補強部を通る線の延長上にあるサ
イドルーフレールの各結合部とサイドシルのシル補強部
とを支持点とした変形となるため、ピラー及びサイドル
ーフレールの結合部において捩れ荷重は作用することが
ない。つまり、ピラー上端及び下端、さらにはサイドル
ーフレールの各結合部にも捩り荷重が発生せず、ピラー
の曲げ荷重として受けることができ、衝突エネルギーを
効率的に吸収することができる。
【0031】請求項11の発明では、請求項9又は10
の発明の効果に加え、ピラーの中央部側を厚肉にするこ
とによって、ピラーのサイドシルとサイドルーフレール
との間の中央部側を補強することができ、衝突程度が進
んだ場合においてもピラーの曲げ変形により効率的なエ
ネルギー吸収を維持することができる。
【0032】請求項12の発明では、請求項9又は10
の発明の効果に加え、ピラーに設けるリブの段差の設定
によってピラーのサイドシルとサイドルーフレールとの
間の中央部側を補強することができ、衝突程度が進んだ
場合でもピラーの曲げ変形を維持することができ、衝突
エネルギーを効率的に吸収することができる。
【0033】請求項13の発明では、請求項9又は10
の発明の効果に加え、ピラーに設けるリブの数の設定に
よりピラーのサイドシルとサイドルーフレールとの間の
中央部側を補強することができ、衝突程度が進んだ場合
でもピラーの曲げ変形を維持することができ、効率的な
エネルギー吸収を確実に維持することができる。
【0034】請求項14の発明では、請求項9〜13の
何れかの発明の効果に加え、サイドシルの結合部の合わ
せラインをシル補強部及びピラー補強部を結ぶ線に沿っ
て傾斜させたため、例えば結合部を溶接する場合には該
溶接部に剥離力ではなく剪断力が作用することになり、
高い溶接強度を得ることができる。
【0035】請求項15の発明では、請求項10〜13
の何れかの発明の効果に加え、サイドシル及びサイドル
ーフレールの結合部の合わせラインをシル補強部及びピ
ラー補強部を結ぶ線に沿って傾斜させているため、結合
部を溶接する場合でも溶接部には剥離力ではなく剪断力
が作用することになり、高い溶接強度を得ることができ
る。
【0036】請求項16の発明では、請求項1〜15の
何れかの発明の効果に加え、ピラーとピラーが結合され
るサイドルーフレール及びサイドシルの少なくとも一部
とを軽金属の鋳物材で一体に形成することによって、部
品点数を少なくすることができ、製造組立が容易で、よ
り軽量化を図ることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1〜図16は
本発明の一実施形態を示している。まず図1は、本発明
の第1実施形態を適用した車体の概略斜視図を示してい
る。この図1のように、車体側部構造としてサイドシル
1、サイドルーフレール3、ピラーとしてセンターピラ
ー5、フロントピラー7、リヤピラー9を備えている。
尚、図1にはプラットホーム11とルーフ構造体13も
同時に示されている。
【0038】本実施形態において、サイドシル1、サイ
ドルーフレール3、各ピラー5,7,9などの車体側部
構造とプラットホーム11、ルーフ構造体13の骨格部
などの基本的な構成部分はアルミニウム合金、マグネシ
ウム合金等の軽金属で形成されている。特に、サイドシ
ル1、サイドルーフレール3、各ピラー5,7,9など
の車体側部構造は、軽金属の鋳物で形成されている。
【0039】前記サイドシル1は、車体の左右下部に前
後方向に延設された閉断面骨格部材である。前記サイド
ルーフレール3は車体の左右上部に前後方向に延設され
た閉断面骨格部材である。前記センターピラー5は車体
の左右側部に上下方向に延設されて前記サイドルーフレ
ール3及びサイドシル1に上下端が結合された閉断面骨
格部材である。
【0040】本実施形態において、前記サイドシル1及
びサイドルーフレール3はそれぞれ複数の部材で構成さ
れ、該部材相互が前後方向に結合されたものである。図
2は要部の分解斜視図であり、この図2のように、サイ
ドシル1は中間部材15、前部材17、後部材19で構
成され、それぞれ前後の結合部21,23(図では分離
状態)によって結合されている。また、前記サイドルー
フレール3は中間部材25と前部材27、後部材29と
から構成され、各部材25,27,29相互が結合部3
1,33(図では分離状態)において結合されたもので
ある。
【0041】図2においては、センターピラー5、サイ
ドシル1、サイドルーフレール3共に閉断面構造のうち
アウタ部のみ示しているが、センターピラー5及びサイ
ドシル1には対応するインナ部が同様に分割構造によっ
て形成されているものであり、それぞれアウタ部に合わ
せて溶接されることにより閉断面構造の骨格部材を構成
している。
【0042】またサイドルーフレール3は中間部材2
5、前部材27,後部材29がインナ部を構成してお
り、前記ルーフ構造体13側に備えられたアウタ部が該
インナ部としての中間部材25、前部材27、後部材2
9に合わせて溶接されることにより、閉断面骨格部材を
構成している。
【0043】前記サイドシル1の結合部21の前側に
は、クロスメンバとしての車体フロア35のセカンドク
ロスメンバ37が位置し、後側の結合部23のさらに後
側には同リヤシートクロスメンバ39が位置し、それぞ
れ左右のサイドシル1間を結合している。
【0044】前記のようにサイドシル1、サイドルーフ
レール3、センターピラー5はそれぞれ軽金属で形成さ
れているが、特に図3の要部の側面図のように、センタ
ーピラー5のアウタ部5aと、サイドシル1のアウタ部
である中間部材15と、サイドルーフレール3のインナ
部である中間部材25とは鋳物材によって一体に形成さ
れている。尚、図3の部材に結合されるインナ部側は、
例えばサイドシル1の中間部15に対応するインナ部
と、センターピラー5のアウタ部5aに対応するインナ
部とが軽金属の鋳物材によって一体に形成されている。
【0045】そして、本実施形態において、前記サイド
シル1の結合部21,23はシル補強部を構成してお
り、センターピラー5の下端からサイドシル1に沿って
車体前後方向等距離の箇所にそれぞれ設けられ、センタ
ーピラーの下端部に作用する車幅方向内側への荷重に対
して前記箇所の発生反力を該箇所に挟まれる領域である
中間部材15の部分の発生反力よりもほぼ等しく高める
構成となっている。
【0046】前記センターピラー5の上端及び下端とし
ては、次のように定義する。例えば図4の要部の分解側
面図のように、センターピラー5の車体前後方向の幅の
中央を上下に通る線41と、サイドルーフレール3の上
下幅の中央を前後に通る線との交点をAとし、同様に線
41とサイドシル1の上下中央を前後に通る線との交点
をBとした場合、センターピラー5の上端をA、同下端
をBとする。
【0047】そして結合部21,23の上下中央の点を
D,Fとしたとき、点D,B間の距離d1と、点B,F
間の距離d2とを等しく設定している。さらに本実施形
態においては、図5の要部の分解側面図のように、セン
ターピラー5にサイドシル1とサイドルーフレール3と
の間の中央部側の若干サイドルーフレール3寄りに該セ
ンターピラー5を補強する後述するピラー補強部47が
設けられ、該ピラー補強部47の中央をC点で示し、サ
イドルーフレール3の各結合部31,33の上下中央の
点をG,Eとすると、点G,Eは点C,Fを結ぶ線43
の延長上と、点C,Dを結ぶ線45の延長上に位置して
いる。すなわち、サイドルーフレール3の結合部31,
33は、シル補強部である結合部21,23及びピラー
補強部46を結ぶ線43,45の延長上に位置させた構
成となっている。
【0048】また、各結合部23,31,21,33の
車体側方から見た合わせラインは、前記線43,45に
沿って傾斜している。結合部21,23,31,33の
合わせラインの傾斜角は、セダンタイプの自動車で約6
0°となっている。なお、これらの傾斜設定は本実施形
態におけるもので、前記各シル補強部としての結合部2
1,23のセンターピラー5の下端からの距離d1,d
2が等しく設定されるものであれば、他の構成は変更す
ることもできる。
【0049】さらに本実施形態においては、シル補強部
としての各結合部21,23は、前記各部材15,1
7,19の端部が厚肉に形成されて相互に重ね合わされ
たものである。これを結合部21を代表して説明すると
図6の要部断面図のようになっている。例えば、部材1
7の端部17aは一般部の肉厚tよりも厚い肉厚t
に設定されている。また、部材15の端部15aは一般
部の肉厚tに対し厚い肉厚tに設定されている。こ
れらの端部15a,17aが重ね合わされ、合わせライ
ンに沿って溶接Wで相互に結合されている。結合部23
についても同様の構成である。なお、端部15a,17
aはそれぞれ一般部の肉厚と同等にすることもでき、こ
の場合でも結合部21,23は重ね合わせて結合するこ
とによって一般部よりも強度、剛性が高くなり、車幅方
向内側への荷重に対して発生反力が相対的に高くなり、
シル補強部としての機能は奏するものである。
【0050】前記サイドルーフレール3の結合部31,
33については、図6と同様に、端部の肉厚を一般部の
肉厚よりも厚くして重ね合わせ、同様に合わせラインに
沿って溶接することもでき、また端部の肉厚を一般部の
肉厚と同等にするなどして、溶接によって結合すること
も可能である。
【0051】図7は前記センターピラー5のピラー補強
部47の構造例を示したもので、(a)の一実施形態に
おいては、センターピラー5の一部であるアウタ部5a
の外壁5bを厚肉にして形成している。この厚肉による
ピラー補強部47はその厚肉部分が上下方向に自然消滅
するように漸次減少するように形成されている。
【0052】また図7(b)はピラー補強部47の変形
例を示したもので、この例ではピラー補強部47をリブ
49の設定によって構成している。このリブ49を設け
ることによるピラー補強部47は、リブ49の高さの設
定、あるいは数の設定によって形成することができる。
すなわち、リブ49の高さの設定の場合は、センターピ
ラー5の他の箇所に設けるリブに比較して、ピラー補強
部47の部分におけるリブ49の高さを高くして、他の
部分よりも強度、剛性を高めて補強構造とすることがで
きる。但し、ピラー補強部47のみにリブを設ける構成
にすることもできる。リブ49の数の設定によるピラー
補強部47は、センターピラー5の他の箇所に設けるリ
ブに対してピラー補強部47においてリブ49の数を増
加し補強構造とすることができる。尚、ピラー補強部4
7は外壁5bを厚肉にすると同時にリブを設定し、ある
いはリブの高さの設定と数の設定とを同時に行うことに
よって補強構造とすることもできる。
【0053】次に、作用を説明する。まず、図8作用説
明図のように、側面衝突時に車体側方からセンターピラ
ー5へ荷重が作用する。通常、側面衝突時前半では、セ
ンターピラー5への下方に荷重F1が作用する。その
後、側面衝突の程度が進むと、入力が上方へと移動し、
側面衝突後半にはセンターピラー5の中央部側に荷重F
2が作用することになる。
【0054】図9は、係る側面衝突時の荷重入力に対
し、サイドシル1の曲げ強度分布を示している。まず、
シル補強部としての結合部21,23、例えばD点、F
点以外では部材の一般部の曲げ強度となるため略一定の
強度となっている。一方、結合部21,23の部分、例
えばD点、F点では部材の端部の重ね合わせ構造となっ
ており、且つ本実施形態においては部材の端部が厚肉に
形成されて重ね合わされているので、一般部に比較して
高い曲げ強度となっている。
【0055】従って、センターピラー5が側面衝突前半
で荷重F1を受けると、サイドシル1には点Bを中心に
曲げ入力が作用することになる。図10のスケルトン図
のように結合部21,23の点D,Fは、点Bに対して
等長な位置(d1=d2)に設定されていると共に、曲
げ強度が一般部よりも高いため、D点及びF点を支持点
とし、B点が変形の中央点となる曲げ変形となり、セン
ターピラー5自身に捩り荷重が作用することがない。
【0056】すなわち図11の要部分解側面図のよう
に、前記荷重F1がQ点に入力された場合、サイドシル
1のD点、F点、サイドルーフレール3のE点、G点に
はそれぞれQ点とを結ぶ線に沿って力P1,P2が作用
することになる。そして、Q点への入力により、センタ
ーピラー5の一方の支持点となるF,Gを結ぶ線43に
対しQ点は距離L1を有しているため、Q点に作用する
荷重F1によりセンターピラー5には捩り力T1が作用
することになる。またセンターピラー5の他方の支持点
D,Eを結ぶ線45に対しては、距離L2によって捩り
力T2が作用することになる。
【0057】この場合、Q点に対する距離L1,L2は
略等しいため、捩り力T1,T2は略等しく、しかも捩
り力T1,T2の向きが逆であるため、相互に打ち消し
合うことになり、センターピラー5には捩り力が働かな
いか、僅かなものとなる。従って、センターピラー5は
上端A点を頂点として車幅方向内側へ全体的に曲げ変形
することになり、またサイドシル3は結合部21,23
間において略均等に湾曲するように曲げ変形し且つ潰れ
変形することになる。かかるセンターピラー5及びサイ
ドシル1の変形によって、理想的な変形モードになる
か、あるいはこれに近づけることができ、側面衝突前半
におけるエネルギー吸収を効率的に行うことができる。
【0058】また、図11のように、結合部21,2
3,31,33には、合わせラインに沿った方向である
線43,45と若干ずれた方向に力P1,P2が作用す
ることになるが、側面衝突前半時における力P1,P2
はまだそれほど大きくはならず、またP1,P2の線4
5,43からのずれもそれほど大きくはないため、結合
部21,23,31,33の溶接部に対する剥離方向へ
の力は僅かなものとなり、結合部21,23,31,3
3の結合強度は高く維持することができる。
【0059】さらに、本実施形態においては、セカンド
クロスメンバ37、リヤシートクロスメンバ39が結合
部21,23の前後にずれて位置しているため、図12
(a)の変形前から(b)の側面衝突前半の変形後にお
いてもセカンドクロスメンバ37、リヤシートクロスメ
ンバ39によって変形モードが影響を受けることはな
く、前記理想的な変形モードを維持することが可能であ
る。しかも、セカンドクロスメンバ37、リヤシートク
ロスメンバ39によって車体フロア35を補強すること
ができ、サイドメンバ1の変形によって、車体フロア3
5に作用する車幅方向内側への荷重をセカンドクロスメ
ンバ37、リヤシートクロスメンバ39によっても伝達
し、且つ車体フロア35全体に分散することができ、よ
り効率的に衝突エネルギーの吸収を行うことができる。
【0060】次に、図13の要部斜視図、図14の同ス
ケルトン図のように、側面衝突によって変形がさらに進
む側面衝突後半には、センターピラー5のピラー補強部
47の点Cに荷重F2が作用する。この荷重F2が作用
するC点は、前記のようにセンターピラー5の支持点と
なる点F,Gを通る線43及び点D,Eを通る線45上
に位置しているため、センターピラー5には荷重F2に
よって捩り荷重が作用することがない。しかも、このC
点においては、ピラー補強部47となっているため、セ
ンターピラー5は、図14のように点Cの上部側におい
て上端Aを頂点とした車幅方向内側への曲げ変形を維持
することができると共に、点Cよりも下側においてサイ
ドシル1の変形の進行と同時にC点側を支点とするよう
な車幅方向内側への曲げ変形となり、全体として逆S字
型の変形となる。従って、係る場合にも、センターピラ
ー5及びサイドシル1の理想的なあるいはこれに近い変
形モードとすることができ、効率的なエネルギー吸収を
行うことができるとともに、乗員の居住空間を確実に維
持することができる。
【0061】また図14のように荷重F2がC点に作用
すると、それぞれの結合部21,33,23,31にも
力P3,P4が働くことになる。この場合、荷重F2が
作用するC点は、結合部21のD点、結合部33のE点
を結ぶ線45及び結合部23のF点、結合部31のG点
を結ぶ線43の交点となるため、各結合部21,23,
31,33に作用する力は線45,43上の引っ張り荷
重P3,P4となる。この時の各結合部21,23,3
1,33に働く力P3,P4を図15(a)の要部分解
側面図に示している。
【0062】そして本実施形態においては、各結合部2
1,23,31,33の合わせラインが線45,43に
沿った方向となっているため、結合部21,23,3
1,33の溶接部に発生する荷重は図15の(b),
(c)の要部拡大図のように剪断荷重τのみとなる。一
般に、溶接強度は剪断方向が強く、剥離方向が相対的に
弱いため、上記のように剪断荷重τのみが作用する構造
であると、高い溶接強度を得ることができる。しかも、
結合部21,23,31,33の合わせラインはサイド
シル1、サイドルーフレール3に対して斜めに設定され
ているため、直交する場合に比べてその溶接長さを長く
することができ、かかる点からも高い溶接強度を得るこ
とができる。
【0063】すなわち本実施形態においては、側面衝突
後半における荷重F2の状態が、側面衝突前半における
荷重F1の状態よりもより厳しい状況において、各結合
部21,23,31,33に剪断荷重τのみを作用させ
ることにより、全体として高い溶接強度を得ることがで
き、理想的な変形モードを確実に得ることが可能とな
る。
【0064】また本実施形態においては、各結合部2
1,23,31,33をその端部を厚肉にして重ね合わ
せ、溶接結合しているため、溶接熱による材料の強度低
下を防ぎ、高い接合強度を確実に得ることができ、結合
部21,23をシル補強部として確実に機能させること
ができる。
【0065】尚、比較のために、図16の要部スケルト
ン図,図17の要部側面図において、サイドルーフレー
ル3の例えば結合部31のG点がセンターピラー5の補
強部47のC点とサイドシル1の結合部23のF点を結
ぶ線51上にない場合を説明する。
【0066】図16,図17のように、サイドルーフレ
ール3の前側の結合部31のG点は、C点とF点を結ん
だ線51の外側に位置している。このため荷重F2に対
しセンターピラー5の支持点となるG点とF点とを結ん
だ線51に対して入力点Cは距離L3を有することにな
る。その結果、C点に荷重F2が作用すると、結合部3
1のG点及び結合部23のF点には距離L3に応じた捩
り荷重Tが発生し、センターピラー5自身に捩り変形が
生じる。同時に、センターピラー5の上端や下端にも捩
り変形が起こる。その上、結合部23や結合部31に
は、荷重F2及び距離L3による捩り荷重Tが作用する
ため、剪断荷重τのみではなく、剥離荷重も作用するこ
とになる。
【0067】従って、このような状況においても衝突エ
ネルギーを十分に吸収したり溶接強度を高めるために、
部材を必要以上に厚肉にしたり、部材を大型化して溶接
長さを十分に確保するなどの必要が生じ、大幅な重量増
と大型化を招く原因となる。これに対し、上記のような
構造にすることによって、本願発明の実施形態では、最
低限の肉厚と最低限の溶接長さを確保すればよく、大幅
な重量軽減と小型化を図ることができるものである。
【0068】(第2実施形態)図18は本発明の第2実
施形態に係り、(a)は要部の斜視図、(b)は(a)
のXVIIIb−XVIIIb矢視断面図、(c)は変形後の拡大断
面図をそれぞれ示している。尚、上記実施形態と対応す
る構成部分には同符号を付して説明する。
【0069】本実施形態においては、センターピラー5
の下端であるB点からサイドシル1に沿って車体前後方
向等距離(d1=d2)の箇所D,Fをほぼ等しく厚肉
にしてシル補強部53、55をそれぞれ形成したもので
ある。すなわち、D点、F点における肉厚t1,t2を
B点の肉厚t0に対し等しく厚肉に形成したものであ
る。B点からD点に至る肉厚変化は漸次増大させてい
る。本実施形態においては、サイドシル1の部材の結合
に関わらず、厚肉によるシル補強部53,55としてい
るが、かかる構造に加えて、部材の結合による補強構造
を同時に採用することもできる。
【0070】そして、このような厚肉にしたシル補強部
53,55によって、側面衝突前半時に荷重F1を受け
た際にシル補強部53,55のD点、F点を支持点と
し、中央のB点を中心にした図18(c)のようなサイ
ドシル1の曲がり変形及び潰れ変形を行わせることがで
き、理想的な、あるいはこれに近い変形モードにより効
率的なエネルギー吸収と高い溶接強度とを維持すること
ができる。
【0071】(第3実施形態)図19は本発明の第3実
施形態に係り、(a)は要部の斜視図、(b)は要部の
一部切欠き正面図、(c)は作用説明図である。尚、第
1実施形態と対応する構成部分には同符合を付して説明
する。
【0072】本実施形態においては、サイドシル1のシ
ル補強部53が厚肉にして構成され、該シル補強部53
の肉厚は、サイドシル1のシルアウタ部である中間部材
15の端部15aで一般部の肉厚よりも厚く形成され、
該端部15aの肉厚が三角形状15bに減少するものと
した。該三角形状15bの肉厚は、中間部材15の上下
中間が頂点となり、該頂点がシル補強部間のセンターピ
ラー5側に向き、漸次一般部の肉厚まで減少するものと
した。尚、端部15aは第1実施形態と同様に、前部材
に結合されている。尚、図19では示していないが、後
方側のシル補強部(図18のシル補強部55に対応す
る)も同様な構成となっている。
【0073】従って、本実施形態においては、側面衝突
前半時に荷重F1を受けると、サイドシル1がシル補強
部53及び図示しない他方のシル補強部間において第1
実施形態と同様に車幅方向内側へ曲げ変形、潰れ変形す
る。加えて、三角形状15bの肉厚減少によって、三角
形状15bの頂点に応力が集中し、サイドシル1にシル
補強部間における上下方向の潰れ変形を促進させ、広範
囲に変形させることができる。このため、サイドシル1
の局部変形を防止できると共に、サイドシル1で広範囲
のエネルギー吸収を行うことができ、より効率的なエネ
ルギー吸収を行うことが可能となる。
【0074】(第4実施形態)図20は本発明の第4実
施形態に係り、(a)は要部の平面図、(b)は変形後
の平面図である。
【0075】本実施形態においては、シル補強部である
結合部21,23の近傍に、車体フロアの骨格部である
クロスメンバとしてのセカンドクロスメンバ37、リヤ
シートクロスメンバ39が結合されて、両クロスメンバ
37,39の一部がシル補強部としての結合部21,2
3よりもセンターピラー側でサイドシル1に車幅方向で
重なる構造である。かかる構造において、クロスメンバ
37,39の一部、すなわち結合部21,23に対向す
る部分を斜めにカットし、易変形部57,59を設け
た。
【0076】従って、図20(b)のように側面衝突に
よってサイドシル1が結合部21,23間で車幅方向内
側へ湾曲し、且つ潰れ変形するとき、易変形部57,5
9が容易に変形することによって、サイドシル1を拘束
しすぎることなく曲げ変形させることができ、より理想
的、あるいはこれに近い変形モードにより効率的なエネ
ルギー吸収を行うことができる。
【0077】さらに本実施形態では、セカンドクロスメ
ンバ37、リヤシートクロスメンバ39においても荷重
を受け、且つ車体フロア35全体にも荷重分散を行うた
め、より効率的なエネルギー吸収を行うことができる。
【0078】(第5実施形態)図21,図22は本発明
の第5実施形態に係り、図21(a)、図22(a)は
要部の平面図、図21(b)、図22(b)は変形後の
平面図である。
【0079】本実施形態において、シル補強部は、一方
がサイドシル1を前後複数の部材で構成することによる
部材相互の結合部で構成され、他方が左右サイドシル1
間を結合する車体フロアの骨格部であるクロスメンバで
構成されたものである。
【0080】具体的には図21(a)では、センターピ
ラーよりも後側の結合部23が一方のシル補強部を構成
し、セカンドクロスメンバ37が他方の補強部61を構
成する。そして、センターピラーの下端であるB点に対
し、一方のシル補強部である結合部23の点Fまでの距
離d2と、他方のシル補強部61のD点までの距離d1
は、等距離に設定されている。図22(a)では、セン
ターピラーの前方側の結合部21が一方のシル補強部を
構成し、リヤシートクロスメンバ39が他方のシル補強
部63を構成する。そして図21(a)と同様に、D
点、B点間の距離d1とB点、F点間の距離d2は等距
離に設定されている。
【0081】従って、側面衝突時に図21(a)の構造
では図21(b)のように、セカンドクロスメンバ37
で構成するシル補強部61と、結合部23との間でサイ
ドシル1が車幅方向内側へ湾曲し、且つ潰れ変形するこ
とになる。また図22(a)の構造では図22(b)の
ように、結合部21とリヤシートクロスメンバ39によ
って構成したシル補強部63との間で、サイドシル1が
車幅方向へ湾曲し、且つ潰れ変形することになる。
【0082】従って、何れの場合も理想的、あるいはこ
れに近い変形モードによって、側面衝突時に効率的なエ
ネルギー吸収を行うことができる。また図21の例では
セカンドクロスメンバ37により、また図22の例では
リヤシートクロスメンバ39によっても荷重伝達を行う
ことができ、且つ車体フロア35全体に荷重分散するこ
とができ、より効率的なエネルギー吸収を行うことがで
きる。
【0083】(第6実施形態)図23は本発明の第6実
施形態に係り、(a)は要部平面図、(b)は変形後の
平面図である。本実施形態においては、シル補強部6
5,67を左右サイドシル1間を結合する車体フロア3
5の骨格部であるクロスメンバで構成したものである。
具体的には、セカンドクロスメンバ37、リヤシートク
ロスメンバ39の双方がサイドシル1の結合部21,2
3よりもセンターピラー寄りに位置して結合されてい
る。そして、シル補強部65,67のD点、F点がセン
ターピラー下端であるB点に対して有する距離d1,d
2は、等距離に設定されている。
【0084】従って、本実施形態においても図23
(b)のように、側面衝突時にサイドシル1がシル補強
部65,67間において車幅方向内側へ湾曲し、且つ潰
れ変形する理想的なあるいはこれに近い変形モードにす
ることができ、側面衝突時に効率的なエネルギー吸収を
行うことができる。また本実施形態では、セカンドクロ
スメンバ37、リヤシートクロスメンバ39によっても
荷重伝達を行うことができ、且つ車体フロア35全体に
荷重分散を行うことができ、より効率的なエネルギー吸
収を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を適用した車体構造の斜
視図である。
【図2】第1実施形態に係り、要部の分解斜視図であ
る。
【図3】第1実施形態に係り、センターピラーとサイド
シル及びサイドルーフレールの一部との側面図である。
【図4】第1実施形態に係り、要部の概略分解側面図で
ある。
【図5】第1実施形態に係り、要部の概略分解側面図で
ある。
【図6】第1実施形態に係り、結合部の拡大断面図であ
る。
【図7】第1実施形態に係り、(a)はセンターピラー
のピラー補強部の拡大断面図、(b)は変形例に係る実
施形態のピラー補強部の拡大断面図である。
【図8】第1実施形態の作用を説明し、(a)は側面衝
突前半の荷重作用図、(b)は側面衝突後半の荷重作用
図である。
【図9】第1実施形態に係り、衝突前半の荷重状態とサ
イドシルの強度分布とを示す要部斜視図である。
【図10】第1実施形態に係り、衝突前半の荷重状態と
サイドシルの変形を示すスケルトン図である。
【図11】第1実施形態に係り、センターピラーの捩り
状態を説明する概略分解側面図である。
【図12】第1実施形態に係り、クロスメンバとの関係
を示し、(a)は変形前、(b)は変形後の説明図であ
る。
【図13】第1実施形態に係り、衝突後半の荷重状態と
強度分布とを示す概略斜視図である。
【図14】第1実施形態に係り、衝突後半の荷重状態と
サイドシルの変形とを示すスケルトン図である。
【図15】衝突後半の各結合部の荷重状態を示し、
(a)は各結合部に働く力を示す概略分解側面図、
(b)はサイドシルの結合部に働く剪断力を示す要部拡
大側面図、(c)はサイドルーフレールの結合部に働く
剪断力を示す要部拡大側面図である。
【図16】第1実施形態の比較例に係り、衝突後半にお
けるセンターピラーの捩りを示すスケルトン図である。
【図17】第1実施形態の比較例に係り、(a)は衝突
後半における結合部での捩り力を示す説明図、(b)は
サイドシルの結合部に働く捩り力の拡大側面図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係り、(a)は要部
の斜視図、(b)は(a)のXVIIIb−XVIIIb矢視断面
図、(c)は変形後の要部拡大断面図である。
【図19】本発明の第3実施形態に係り、(a)は要部
の斜視図、(b)は要部の一部切り欠き正面図、(c)
は変形後の要部斜視図である。
【図20】本発明の第4実施形態に係り、(a)は要部
の平面図、(b)は変形後の平面図である。
【図21】本発明の第5実施形態に係り、(a)は要部
の平面図、(b)は変形後の平面図である。
【図22】本発明の第5実施形態の他の例に係り、
(a)は要部の平面図、(b)は変形後の平面図であ
る。
【図23】本発明の第6実施形態に係り、(a)は要部
の平面図、(b)は変形後の平面図である。
【符号の説明】
1 サイドシル 3 サイドルーフレール 5 センターピラー(ピラー) 15 中間部材(サイドシルの部材) 17 前部材(サイドシルの部材) 15a,17a 部材の端部 19 後部材(サイドシルの部材) 21,23 結合部(シル補強部) 25 中間部材(サイドルーフレールの部材) 27 前部材(サイドルーフレールの部材) 29 後部材(サイドルーフレールの部材) 31,33 結合部 37 セカンドクロスメンバ(クロスメンバ) 39 リヤシートクロスメンバ(クロスメンバ) 43,45 シル補強部及びピラー補強部を結ぶ線 47 ピラー補強部 49 リブ 53,55,61,63,65,67 シル補強部

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の左右下部に前後方向に延設された
    閉断面骨格部材であるサイドシルと、車体の左右上部に
    前後方向に延設された閉断面骨格部材であるサイドルー
    フレールと、車体の左右側部に上下方向に延設されて前
    記サイドルーフレール及びサイドシルに上下端が結合さ
    れた閉断面骨格部材であるピラーとを備え、 前記ピラーの下端から前記サイドシルに沿って車体前後
    方向等距離の箇所にそれぞれシル補強部を設け、前記ピ
    ラーに作用する車幅方向内側への荷重に対して前記等距
    離の箇所の発生反力を該箇所に挟まれる領域の発生反力
    よりもほぼ等しく高めたことを特徴とする車体側部構
    造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車体側部構造であって、 前記シル補強部は、前記サイドシルを前後複数の部材で
    構成することによる該部材相互の結合部であることを特
    徴とする車体側部構造。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車体側部構造であって、 前記シル補強部の近傍に車体フロアの骨格部であるクロ
    スメンバが結合されて該クロスメンバの一部がシル補強
    部よりもピラー側でサイドシルに車幅方向で重なると
    き、該クロスメンバの一部にサイドシルのシル補強部間
    での車幅方向への変形を許容するための易変形部を設け
    たことを特徴とする車体側部構造。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の車体側部構造であって、 前記シル補強部は、一方が前記サイドシルを前後複数の
    部材で構成することによる該部材相互の結合部で構成さ
    れ、他方が前記左右サイドシル間を結合する車体フロア
    の骨格部であるクロスメンバで構成されたことを特徴と
    する車体側部構造。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4の何れかに記載の車体側部
    構造であって、 前記結合部は、前記部材の端部が厚肉に形成されて相互
    に重ね合わされたものであることを特徴とする車体側部
    構造。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の車体側部構造であって、 前記シル補強部は、前記ピラーの下端からサイドシルに
    沿って車体前後方向等距離の箇所の肉厚を該箇所間中央
    部側の肉厚に対し等しく厚肉にして構成したことを特徴
    とする車体側部構造。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の車体側部構造であって、 前記シル補強部は、前記サイドシルのシルアウター部の
    上下中間が頂点となりかつ該頂点がシル補強部間のピラ
    ー側に向き漸次肉厚が一般部の肉厚まで三角形状に減少
    する厚肉にして構成したことを特徴とする車体側部構
    造。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の車体側部構造であって、 前記シル補強部は、前記左右サイドシル間を結合する車
    体フロアの骨格部であるクロスメンバで構成したことを
    特徴とする車体側部構造。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかに記載の車体側部
    構造であって、 前記ピラーに、前記サイドシルと前記サイドルーフレー
    ルとの間の中央側で補強するピラー補強部を設けたこと
    を特徴とする車体側部構造。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の車体側部構造であっ
    て、 前記サイドルーフレールは、前後複数の部材で構成さ
    れ、各部材の結合部を前記シル補強部及びピラー補強部
    を結ぶ線の延長上に位置させたことを特徴とする車体側
    部構造。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10記載の車体側部構造
    であって、 前記ピラー補強部は、前記ピラーの一部を厚肉にして形
    成したことを特徴とする車体側部構造。
  12. 【請求項12】 請求項9又は10記載の車体側部構造
    であって、 前記ピラー補強部は、前記ピラーに設けるリブの高さの
    設定により形成したことを特徴とする車体側部構造。
  13. 【請求項13】 請求項9又は10記載の車体側部構造
    であって、 前記ピラー補強部は、前記ピラーに設けるリブの数の設
    定により形成したことを特徴とする車体側部構造。
  14. 【請求項14】 請求項9〜13の何れかに記載の車体
    側部構造であって、 前記サイドシルの結合部の車体側方から見た合わせライ
    ンは、前記シル補強部及びピラー補強部を結ぶ線に沿っ
    て傾斜していることを特徴とする車体側部構造。
  15. 【請求項15】 請求項10〜13の何れかに記載の車
    体側部構造であって、 前記サイドシル及びサイドルーフレールの結合部の車体
    側方から見た合わせラインは、前記シル補強部及びピラ
    ー補強部を結ぶ線に沿って傾斜していることを特徴とす
    る車体側部構造。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15の何れかに記載の車体
    側部構造であって、 前記ピラーと該ピラーが結合されるサイドルーフレール
    及びサイドシルの少なくとも一部とを軽金属の鋳物材で
    一体に形成したことを特徴とする車体側部構造。
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