JP2001162643A - 複合材料のインサート射出成形方法および自動車用内装材 - Google Patents

複合材料のインサート射出成形方法および自動車用内装材

Info

Publication number
JP2001162643A
JP2001162643A JP34901699A JP34901699A JP2001162643A JP 2001162643 A JP2001162643 A JP 2001162643A JP 34901699 A JP34901699 A JP 34901699A JP 34901699 A JP34901699 A JP 34901699A JP 2001162643 A JP2001162643 A JP 2001162643A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection
insert
resin
composite material
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34901699A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Harada
浩次 原田
Hitoshi Kawachi
斉 河内
Hideyuki Taguchi
秀之 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP34901699A priority Critical patent/JP2001162643A/ja
Publication of JP2001162643A publication Critical patent/JP2001162643A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • B29C44/02Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles for articles of definite length, i.e. discrete articles
    • B29C44/12Incorporating or moulding on preformed parts, e.g. inserts or reinforcements
    • B29C44/1285Incorporating or moulding on preformed parts, e.g. inserts or reinforcements the preformed part being foamed
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • B29C44/02Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles for articles of definite length, i.e. discrete articles
    • B29C44/12Incorporating or moulding on preformed parts, e.g. inserts or reinforcements
    • B29C44/14Incorporating or moulding on preformed parts, e.g. inserts or reinforcements the preformed part being a lining

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インサート原料の表面性やクッション性を損な
わずに、射出成形により複合材料の残部を短時間で一体
成形することができる複合材料のインサート射出成形方
法を提供する。 【解決手段】複合材料の一部を構成する予め樹脂成形さ
れたインサート原料を、射出金型のキャビティ内の所定
位置にセットしたのち、前記インサート原料を構成する
樹脂の(溶融温度−20℃)以上の溶融温度を有する熱
可塑性樹脂に易流動化剤を添加した射出原料をキャビテ
ィの残部に前記インサート原料の機能を阻害しない射出
温度で射出充填するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合材料のインサ
ート射出成形方法およびこの方法で得られる自動車用内
装材に関する。
【0002】
【従来の技術】ドアトリム、インストルメントパネル
(以下、「インパネ」と記す)、ラゲッジサイドトリム
等の自動車内装材や家具などのように、クッション性が
要求される部材には、化粧シートなどの表面材の裏側に
発泡体などのクッション性を有する芯材や裏打ち材等を
積層した複合材料が使用されている。
【0003】この種の複合材料を成形する方法として
は、以下のような方法が既に提案されている。 毛皮などの表面材となる表皮生地をインサート原料
として予め金型キャビティ内にインサートしたのち、芯
材(外装体)部分を形成する射出樹脂を金型キャビティ
内に射出充填し、芯材の射出成形と同時に表皮生地を芯
材に貼着する方法(特開昭53−105559号公報参
照)。
【0004】 真空成形やパウダスラッシュ製法(藤
原ほか:自動車技術,vol43,No.5,P74〜80(1989)参照)
等を用いて予め成形した表面材(表皮)と、基材とをイ
ンサート原料として金型キャビティ内に入れ、表面材と
基材との間に半硬質ウレタン樹脂を注入し発泡させて発
泡体からなる芯材と表面材および基材とを一体に成形す
る方法。 表皮材と発泡体の複層シートを加熱して、真空成形
用金型内にセットし、更に真空成形用の金型形状と同形
状に予め射出成形により賦形された基材をセットし、金
型内を真空状態にして、金型内に表皮材と発泡体の複層
シートを密着せしめるとともに、複層シートと基材の接
着を同時に行うことにより一体成形する方法(同時接着
法)。
【0005】しかし、上記〜の方法を用いて表面材
あるいは基材等と発泡体からなる芯材あるいはクッショ
ン材等とを一体に成形しようとする場合、つぎのように
な問題があった。
【0006】すなわち、の方法は、特開昭53−10
5559号公報のように、射出金型内にインサートする
インサート原料が毛皮などの耐熱性が高い材料であれば
問題がないが、通常の射出成形においては、熱可塑性樹
脂の溶融温度(結晶性樹脂の場合、融点)+50〜80
℃で成形を行っているので、インサート原料が、射出樹
脂と同等もしくはそれ以下の溶融温度を有する材料で形
成されている場合、樹脂の射出に伴ってインサート原料
が溶融するためにインサート原料にしわが寄ったり、ひ
どい場合にはインサート原料が破れるなどの問題があ
り、得られる複合材料の成形不良や外観不良を招く恐れ
がある。
【0007】特に、インサート原料が発泡体である場
合、射出樹脂を射出成形すると、射出樹脂の熱で発泡体
が潰れたり、破れ、クッション性を阻害する恐れもあ
る。そこで、このような問題を回避しようとして射出樹
脂の射出時の温度を低温にして成形した場合、射出時の
充填圧が高くなりすぎてゲート近傍で発泡体が破れる、
もしくは流動末端まで射出樹脂を充填できないという問
題がある。
【0008】一方、の方法は、予めスラッシュ成形型
もしくは真空成形金型や射出成形金型で賦形された表面
材となるインサート原料と基材となるインサート原料と
を別々の工程で準備する必要がある。このため、それぞ
れの部材(金型)の寸法合わせが必要であり、各金型の
開発に膨大な時間を要している。しかも、の方法にお
いても、インサート原料の溶融温度が射出原料の溶融温
度より低い場合、の方法と同様の問題が生じる。
【0009】の方法は、予め真空成形金型と同寸法の
射出成形品を別工程で準備する必要があるため、の方
法と同様に、それぞれの部材(金型)の寸法合わせが必
要であり、各金型の開発に膨大な時間を要している。し
かも、の方法においても、インサート原料の溶融温度
が射出原料の溶融温より低い場合、の方法と同様の問
題が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑みて、予め金型内にセットされる複合材料の一部を構
成するインサート原料の融点または軟化点が、金型内に
射出される射出樹脂の融点または軟化点と同等あるいは
それ以下である場合、或いは、発泡体等のようにインサ
ート原料の剛性が低い場合であっても、インサート原料
の表面性やクッション性を損なわずに、射出成形により
複合材料の残部を短時間で一体成形することができる複
合材料のインサート射出成形方法を提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1に記載の発明にかかる複合
材料のインサート射出成形方法 (以下、「請求項1の
成形方法」と記す)は、複合材料の一部を構成する予め
樹脂成形されたインサート原料を、射出金型のキャビテ
ィ内の所定位置にセットしたのち、前記インサート原料
を構成する樹脂の(溶融温度−20℃)以上の溶融温度
を有する熱可塑性樹脂に易流動化剤を添加した射出原料
をキャビティの残部に前記インサート原料の機能を阻害
しない射出温度で射出充填するようにした。
【0012】本発明の請求項2に記載の発明にかかる複
合材料のインサート射出成形方法(以下、「請求項2の
成形方法」と記す)は、請求項1の成形方法において、
インサート原料として、発泡体または発泡体に熱可塑性
樹脂シートが積層された複合体を用いるようにした。
【0013】本発明の請求項3に記載の発明にかかる複
合材料のインサート射出成形方法(以下、「請求項3の
成形方法」と記す)は、請求項1の成形方法において、
インサート原料として、常温にて形状回復性を有する発
泡体を用いるようにした。
【0014】本発明の請求項4に記載の発明にかかる複
合材料のインサート射出成形方法(以下、「請求項4の
成形方法」と記す)は、請求項1〜請求項3のいずれか
の成形方法において、射出原料の金型充填時の温度を、
インサート原料を構成する樹脂の(溶融温度+35℃)
以下とした。
【0015】本発明の請求項5に記載の発明にかかる複
合材料のインサート射出成形方法(以下、「請求項5の
成形方法」と記す)は、請求項1〜請求項4のいずれか
の成形方法において、易流動化剤として不活性ガスを用
いるようにした。
【0016】本発明の請求項6に記載の発明にかかる複
合材料のインサート射出成形方法(以下、「請求項6の
成形方法」と記す)は、請求項1〜請求項5のいずれか
の成形方法において、インサート原料が発泡体であっ
て、インサート原料の射出充填後の体積が、射出充填前
の体積の50%以上となるようにした。
【0017】本発明の請求項7に記載の発明にかかる自
動車用内装材は、請求項1〜請求項6のいずれかの成形
方法を用いて製造するようにした。
【0018】本発明において、溶融温度とは、結晶性樹
脂の場合、融点を意味し、非晶性樹脂の場合、ビカット
軟化温度を意味する。また、インサート原料としては、
通常シート状のものが用いられるが、厚みの厚い異形状
のものでも構わない。
【0019】インサート原料を構成する樹脂としては、
特に限定されないが、加熱融着可能な樹脂が好ましく、
たとえば、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−
プロピレン共重合体,エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリブテン,
塩素化ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレ
ン,スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体,スチレ
ン−イソプレン−スチレン系樹脂、ポリメチルアクリレ
ート,エチレン−エチルアクリレート共重合体等のアク
リル樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩素系樹脂、ポリフッ化
エチレン等のフッ素系樹脂、6−ナイロン,6,6−ナ
イロン,12−ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレ−ト等の
ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポ
リアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、珪素樹脂、
熱可塑性ウレタン、各種エラストマー等の熱可塑性樹脂
が挙げられ、これらのうち、リサイクル性や、焼却時に
有害ガスを発生しない等の理由からポリオレフィン系樹
脂、特に、ポリエチレンやポリプロピレンが好ましい。
【0020】上記の熱可塑性樹脂は、単体で用いても構
わなし、2種以上を用いてアロイ状態、ブレンド状態、
コンポジット状態とされていても構わない。また、上記
の熱可塑性樹脂を主成分とするとともに、副成分として
充填材などを加えたものを用いるようにしても構わな
い。
【0021】射出原料となる樹脂としては、特に限定さ
れないが、上記インサート原料に用いるのと同様の熱可
塑性樹脂が挙げられる。
【0022】請求項2の成形方法でインサート原料とし
て用いられる発泡体もしくは発泡体と熱可塑性樹脂シー
トの複合体としては、特に限定されないが、クッション
性を備えているものが好ましい。発泡体の主成分も、特
に限定されるものではなく、高分子材料、特に合成樹脂
が好ましい。ただし、発泡性であれば、天然樹脂であっ
てもよい。上記合成樹脂としては、熱可塑性樹脂であっ
てもよいし、熱硬化性樹脂であってもよい。
【0023】インサート原料の厚みは、特に限定される
ものではなく、好ましくは、射出成形時の射出原料の充
填時の圧力によって変形可能な厚みがよい。
【0024】請求項3の成形方法でインサート原料とし
て用いられる常温にて形状回復性を有する発泡体(以
下、「SRF」と記す)とは、特開平9−71675号
公報に開示されているような、独立気泡率が5%以上、
好ましくは50%以上の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あ
るいは天然樹脂からなる発泡体であって、弾性変形領域
内の歪み幅で収縮され、少なくとも1方向に徐々に形状
回復する発泡体を言う。
【0025】本発明において、射出原料の射出充填時の
温度は、射出時の熱によってインサート原料の機能を阻
害しない温度、すなわち、インサート原料の全体を熱変
形あるいは溶融せず、インサート原料の表面のみを溶融
状態にできる温度以下であれば特に限定されないが、請
求項4の成形方法のように、射出原料の射出時の温度を
インサート原料を構成する樹脂の(溶融温度+35℃)
以下とすることが好ましく、溶融温度以上(溶融温度+
30℃)以下がより好ましい。
【0026】すなわち、溶融温度+35℃を越える温度
で射出樹脂を射出した場合、インサート原料にしわや破
れが発生する恐れが高い。また、溶融温度を下回る射出
温度で射出した場合、インサート原料と射出原料との界
面でインサート原料が溶解しないため、インサート原料
部分と射出原料部分とが巧く融着せず、接着強度が弱く
製品によっては問題となる場合がある。
【0027】易流動化剤は、射出成形される熱可塑性樹
脂の流動性を向上するものであれば、特に限定されない
が、請求項5の成形方法のように、不活性ガスを用いる
ことが頼ましい。不活性ガスとしては、好ましくは常温
・常圧で気体である物質であって、熱可塑性樹脂を劣化
させないものであれば良く、例えば、炭酸ガス、窒素、
アルゴン、ネオン、ヘリウム、酸素等の不活性ガスが挙
げられる。これらは単独で使用されても良いし、2種以
上併用されてもよい。
【0028】ここで、易流動化剤が常温・常圧で気体状
態である物質の場合、複合材料中、射出成形により成形
される部分の状態は、特に限定されないが、内部に気泡
を含む発泡状態でもよく、更に好ましくは内部に気泡を
含まない中実のソリッド状態がよい。易流動化剤の射出
樹脂への配合割合は、特に限定されず、射出樹脂の射出
温度に応じて適宜経験的に求めることができる。
【0029】なお、熱可塑樹脂に常温・常圧で気体状態
のガスを高圧下で溶解させる方法としては、常温・常圧
で気体状態のガスを溶融状態の熱可塑性樹脂に溶解させ
る方法と、固体状態の熱可塑性樹脂に溶解させる方法と
があるが、どちらの方法を使用してもよく、両者を併用
してもよい。溶融状態の熱可塑性樹脂に常温・常圧で気
体状態のガスを高圧下で溶解させる方法としては、ベン
トタイプスクリュー押出機を使用して、シリンダの途中
からベント部分に混入する方法等が挙げられる。なお、
この場合、溶融状態の熱可塑性樹脂で圧力シールを行う
ことが必要である。
【0030】固体状態の熱可塑性樹脂に常温・常圧で気
体状態のガスを高圧下で溶解させる方法としては、たと
えば、以下のような方法が挙げられる。 (1)予め高圧容器等でペレット又はパウダー状態の熱
可塑性樹脂に、常温・常圧で気体状態のガスを溶解させ
る方法。
【0031】(2)射出成形装置のポッパから固体輸送
部に至る領域に常温・常圧で気体状態のガスを供給し、
溶解させる方法。なお、上記(2)の方法の場合、シリ
ンダから常温・常圧で気体状態のガスが揮発してないよ
うスクリュー駆動軸およびホッパに耐圧シール構造を組
み入れることが好ましい。請求項6の成形方法では、イ
ンサート原料の射出充填後の体積が射出充填前の体積の
50%以上に限定されるが、その理由は、インサート原
料の射出充填後の体積が射出充填前の体積の50%以上
であると、発泡体にクッション性を求める場合、クッシ
ョン性が十分確保できなくなる恐れがあるためである。
【0032】本発明において、自動車用内装材として
は、特に限定されないが、たとえば、インパネ、ドアト
リム、ラゲッジサイドトリム等が挙げられる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1〜図3は、本発
明にかかるインサート射出成形方法の1つの実施の形態
であるドアトリムの成形方法をあらわしている。
【0034】図1〜図3において、1は射出成形機、1
1は射出成形機1の射出シリンダ、12は耐圧ホッパ、
13は耐圧ホッパ12の上方に設けられたホッパ、14
は易流動化剤として使用する常温・常圧で気体状態の不
活性ガスである炭酸ガスのボンベ、141は圧力調整パ
ルブ、121,122,123,124はバルブ、2は
射出成形用の金型、21は固定型、22は可動型であ
る。そして,この方法は、まず、基材部分を形成する低
密度ポリエチレンをホッパ13に投入し、バルブ122
を開放して耐圧ホッパ12に供給した後、バルブ12
2,123,124を閉じ、圧力調整バルブ141によ
り圧力を調整した炭酸ガスをバルブ121を経て、耐圧
ホッパ12に導入し、所定時間一定温度に加温した状態
で保持し、耐圧ホッパ12内において、炭酸ガスを低密
度ポリエチレンに溶解させて射出原料を得る。
【0035】つぎに、射出シリンダ11で射出原料を計
量した後に、図2に示すように、複合材料の一部を構成
する予めドアトリムの芯材形状に成形されたポリエレチ
ン製の発泡シートからなるインサート原料4を金型2の
キャビティ25内の所定位置にインサートして、金型2
を閉じる。つぎに、図3に示すように、射出シリンダ1
1の計量部で計量された溶融状態の射出原料5をインサ
ート原料4の樹脂の融点以上融点+35℃以下の射出樹
脂温度で、インサート原料を体積減少率が50%未満と
なる射出圧力でキャビティ25の残部に射出充填し、そ
の後、射出樹脂5を十分に冷却した後に、金型2を開
き、図4に示すように、発泡体からなる芯材61と低密
度ポリエチレンからなる基材62からなるドアトリム用
の複合材料6を取り出す。
【0036】そして、この複合材料6に図示していない
が、皮革や織布等の表面材を接着剤を介して芯材61の
露出面を覆うように貼着することによって、ドアトリム
を完成することができる。
【0037】この方法は、以上のように、低密度ポリエ
チレンに易流動化剤としての炭酸ガスを溶解させた射出
原料5を用い、インサート原料4の融点以上融点+35
℃以下の射出温度にして基材62部分を射出成形するこ
とができる。すなわち、射出樹脂5の温度がインサート
原料4の融点以上融点+35℃以下であるので、射出充
填時にインサート原料4にしわが寄ったり、破れたりす
ることがない。また、射出樹脂5の流動性もよいため、
射出樹脂5を流動末端まで確実に充填できるとともに、
射出圧も下げることができ、インサート原料4が破れた
り潰れたりすることもなくなる。
【0038】したがって、得られる複合材料6は、芯材
61のクッション性が損なわれなず、良好な表面状態の
複合材料とすることができる。しかも、ウレタン樹脂な
どは、焼却時に青酸ガス等の有害物質を発生させるた
め、条例などによって焼却処分できない物質として認定
している市町村があり、リサイクル性に問題があるが、
上記で得られる複合材料6は、芯材61および基材62
がポリエチレン製であるため、焼却しても有害ガスの発
生がない上、リサイクル性にも富んでいる。
【0039】本発明は、上記の実施の形態に限定されな
い。たとえば、常温・常圧で気体状態のガスの供給は、
ガスボンペ14から直接行ってもよいし、プランジャポ
ンプ等を用いて加圧供給するようにしてもよい。また、
上記の実施の形態では、複合材料6の成形後、表面材を
芯材61の表面に接着一体化するようになっているが、
芯材となる発泡シートの1面に予め表面材を一体に設け
たものをインサート原料として用いるようにしても構わ
ない。
【0040】さらに、上記の実施の形態では、発泡体が
予め芯材形状に成形されていたが、シート状の発泡体を
インサート原料として金型のキャビティ内にセットし、
射出樹脂の射出充填と同時に射出圧によってインサート
原料を金型の型面に沿うように成形するようにしても構
わない。また、上記の実施の形態では、射出樹脂の射出
温度がインサート原料4の融点以上であったが、インサ
ート原料4の射出樹脂との界面が射出樹脂のアンカー穴
が多数形成されたような粗面の場合、融点未満の射出温
度で射出するようにしても構わない。
【0041】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。
【0042】(実施例1)図1に示す成形装置を用い
て、以下のようにして複合材料を得た。低密度ポリエチ
レン樹脂(三菱化学社製:LJ800、融点106℃)
100重量部に対し炭酸ガスを4.5重量部溶解させて
得た射出原料5を140℃に設定された射出成形機1の
射出シリンダ11内に供給し、射出原料5を溶融混練し
ながら充填量だけ射出シリンダ(可塑化混練装置)11
の計量部で計量した。
【0043】射出原料5を射出シリンダ11で計量した
後に、図2に示すように金型2のキャビティ25内にイ
ンサート原料4を設置して、金型2を閉じた。ここで、
インサート原料4としては、厚さ5mmのポリエチレン発
泡シート(積水化学工業社製:ソフトロン、ポリエチレ
ンの融点111℃)を使用した。次に、図3に示すよう
に、射出シリンダ11で計量された射出原料5を、厚み
3mmのキャビティ25の残部25´に充填した。その
後、射出原料5を十分に冷却した後に、金型2を開き、
図5に示すようなポリエチレン発泡体からなる芯材61
と低密度ボリエチレンからなる基材62とが一体化され
た平板状の複合材料6´を取り出した。
【0044】得られた複合材料6´の発泡体部分に破れ
は観察されず、図5に示す芯材61部分は、その厚みが
3.8mmで、その体積減少率が24%で、十分なクッシ
ョン性が認められた。
【0045】(比較例1)易流動化剤である炭酸ガスを
溶解させずに190℃に設定された射出成形機1の射出
シリンダ11内に供給した以外は、実施例1と同様にし
て複合材料を得た。得られた複合材料の発泡シート部分
は、図6のごとく中央部で破れ、射出樹脂が芯材61部
分の裏側まで回り込んでいた。また、芯材61部分は、
その厚みが0.5mmで、その体積減少率が90%で、ク
ッション性が認められなかった。
【0046】(比較例2)易流動化剤である炭酸ガスを
溶解指せずに140℃に設定された射出成形機1の射出
シリンダ11内に供給した以外は、実施例1と同様にし
て複合材料を得ようとしたところ、樹脂の粘度が非常に
高いため、キャビティ25の残部25´内に低密度ポリ
エチレン樹脂を充填することができなかった。
【0047】(実施例2)以下のようにして得た厚さ
3.0mmのSRFシートをインサート原料として用いた
以外は、実施例1と同様にして平板状の複合材料を得
た。なお、キャビティ25の残部25´の厚みは3.0
mmであった。
【0048】〔SRFシート〕低密度ポリエチレン(住
友化学社製、G201、融点108℃)100重量部、
アゾジカルボンアミド(ADCA)15重量部、酸化亜
鉛2重量部を配合してなる樹脂組成物を、150℃のロ
ールで溶融混練した後、温度150℃、圧力15.3M
Paで5分間プレスして厚さ3.2mmのシートを作製し
た。得られたシートを、240℃に加熱されたオーブン
にて、板状に発泡させ、厚さ10mm、発泡倍率30倍、
独立気泡率86%の発泡体シートを得た。
【0049】得られた発泡体シートにφ0.5mmの針で
4個/cm2 の孔を開けた後、発泡シートをプレス板に挟
み、厚さが1.0mmになるまでこれを圧縮し、この状態
で15分間保持した。つぎに、プレス板を外し厚さ3.
0mmのSRFシートを得た。
【0050】得られた複合材料とインサート射出成形を
行っていないSRFのブランク材を温度45℃の環境下
で3日間放置した後に観察を行った。観察の結果、イン
サート射出成形を行っていないSRFのブラング材の厚
みは9.5mmまで回復していた。また、複合材料のSR
Fに破れは観察されなかった。そして、SRF部分の厚
みが6.0mmまで回復し(回復率66%)、十分なクッ
ション性が確認された。
【0051】(比較例3)易流動化剤である炭酸ガスを
溶解させずに170℃に設定された射出成形機1のシリ
ンダ11内に供給した以外は、実施例2と同様にして複
合材料を得た。得られた複合材料は、SRFの中央部に
破れが観察された。また、SRF部分の厚みが2.0mm
と、初期厚み3.0mmより薄くなっており、全く形状回
復がみられないばかりでなく、気泡の潰れが確認され
た。したがって、全くクッション性がなかった。
【0052】(比較例4)易流動化剤である炭酸ガスを
溶解させずに140℃に設定された射出成形機1のシリ
ンダ11内に供給した以外は、実施例2と同様にして複
合材料を得ようとしたところ、樹脂の粘度が非常に高い
ため、キャビティ25内に低密度ポリエチレン樹脂を充
填することができなかった。
【0053】
【発明の効果】本発明にかかる複合材料のインサート射
出成形方法は、以上のように構成されているので、金型
に予めインサートするインサート原料の耐熱性が低い、
または剛性が低いものであっても、射出樹脂の射出によ
ってインサート原料の機能を損なわずにインサート原料
と射出原料とが一体化された複合材料を成形することが
てきる。したがって、今までは表皮材、発泡シート、表
皮材と発泡シート等の真空成形等の別工程別金型にて、
基材を射出成形により別工程で成形し、その後両部品を
更に接着するという工程が、一段の成形で可能になるた
めに、製造工程が簡略化できる。
【0054】特に、請求項6の成形方法によれば、イン
サート原料である発泡体にクッション性を求める場合、
クッション性を十分確保した複合材料を成形することが
できる。
【0055】本発明にかかる自動車用内装材は、上記の
ような成形方法を用いるようにしたので、今までは表皮
材、発泡シート、表皮材と発泡シート等の真空成形等の
別工程別金型にて、基材を射出成形により別工程で成形
し、その後両部品を更に接着するという工程が、一段の
成形で可能になるために、成形コストの削減、各部材用
金型のコストの削減、各金型の寸法合わせ等の開発時間
の大幅削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる複合材料のインサート射出成形
方法に用いる成形装置の1例をあらわす説明図である。
【図2】図1の成形装置を用いたインサート射出成形方
法の1つの工程を説明する説明図である。
【図3】図2の工程の後工程を説明する説明図である。
【図4】図1の成形装置を用いて得られる複合材料の1
例をあらわす断面図である。
【図5】実施例1で得られた複合材料の断面図である。
【図6】比較例1で得られた複合材料の断面図である。
【符号の説明】
2 射出金型 25 キャビティ 25´ 残部(キャビティ) 4 インサート原料 5 射出原料 6,6´ 複合材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 31:58 B29L 31:58 Fターム(参考) 4F206 AA07 AB02 AB07 AD05 AD07 AD17 AD20 AD35 AG03 AH26 JA07 JB20 JF05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合材料の一部を構成する予め樹脂成形さ
    れたインサート原料を、射出金型のキャビティ内の所定
    位置にセットしたのち、前記インサート原料を構成する
    樹脂の(溶融温度−20℃)以上の溶融温度を有する熱
    可塑性樹脂に易流動化剤を添加した射出原料をキャビテ
    ィの残部に前記インサート原料の機能を阻害しない射出
    温度で射出充填する複合材料のインサート射出成形方
    法。
  2. 【請求項2】インサート原料が、発泡体または発泡体に
    熱可塑性樹脂シートが積層された複合体である請求項1
    に記載の複合材料のインサート射出成形方法。
  3. 【請求項3】インサート原料が、常温にて形状回復性を
    有する発泡体である請求項1に記載の複合材料のインサ
    ート射出成形方法。
  4. 【請求項4】射出原料の金型充填時の温度が、インサー
    ト原料を構成する樹脂の(溶融温度+35℃)以下であ
    る請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の複合材料
    のインサート射出成形方法。
  5. 【請求項5】易流動化剤が不活性ガスである請求項1〜
    請求項4のいずれか1項に記載の複合材料のインサート
    射出成形方法。
  6. 【請求項6】インサート原料が発泡体であって、インサ
    ート原料の射出充填後の体積が、射出充填前の体積の5
    0%以上である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記
    載の複合材料のインサート射出成形方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜請求項6のいずれか1項の複合
    材料のインサート射出成形方法で得られてなる自動車用
    内装材。
JP34901699A 1999-12-08 1999-12-08 複合材料のインサート射出成形方法および自動車用内装材 Pending JP2001162643A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34901699A JP2001162643A (ja) 1999-12-08 1999-12-08 複合材料のインサート射出成形方法および自動車用内装材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34901699A JP2001162643A (ja) 1999-12-08 1999-12-08 複合材料のインサート射出成形方法および自動車用内装材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001162643A true JP2001162643A (ja) 2001-06-19

Family

ID=18400929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34901699A Pending JP2001162643A (ja) 1999-12-08 1999-12-08 複合材料のインサート射出成形方法および自動車用内装材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001162643A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009092198A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Ntn Corp 電鋳軸受
US8469596B2 (en) 2007-10-10 2013-06-25 Ntn Corporation Electroformed bearing and method of manufacturing same
CN105034267A (zh) * 2015-06-26 2015-11-11 柳州市旭臻机械制造有限公司 仪表板上部支架成形的模具

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8469596B2 (en) 2007-10-10 2013-06-25 Ntn Corporation Electroformed bearing and method of manufacturing same
JP2009092198A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Ntn Corp 電鋳軸受
CN105034267A (zh) * 2015-06-26 2015-11-11 柳州市旭臻机械制造有限公司 仪表板上部支架成形的模具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0887168B1 (en) Method of molding a fiber-reinforced resin laminate and a laminated molding
US6660195B2 (en) Process for producing a skin material-laminated foamed thermoplastic resin molding
JP2002079545A (ja) 射出発泡成形方法、並びにそれに適した射出成形機および樹脂組成物
JPH1058573A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂発泡成形体およびその製造方法
JP4611968B2 (ja) 発泡物品、特に自動車の内装用トリム要素、及びその製造方法
EP2993086A1 (en) Manufacture of an article having a decorative covering overlying an injection molded substrate having a cellular structure
EP0723844A1 (en) Resin molding and production method for same
JP2001162643A (ja) 複合材料のインサート射出成形方法および自動車用内装材
JP4529250B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造方法
WO2000035651A1 (fr) Stratifie moule et son procede de production
JP3298657B2 (ja) 自動車用内装部品
JP2000343547A (ja) 多層成形品の製造方法
JP4033323B2 (ja) 表皮材積層発泡樹脂成形品の製造方法
JP3626246B2 (ja) 積層成形品の成形方法
JPH091582A (ja) 多層成形品の製造方法
JP3318460B2 (ja) 積層成形品の製造方法
JP3340186B2 (ja) 積層成形体の製造方法
JP2000094469A (ja) 繊維含有軽量樹脂成形品の成形方法および成形品
US20010016255A1 (en) Foamed thermoplastic resin article
WO2024071426A1 (ja) 発泡成形品、車両用部材及び車両用バックドア
JPH06179380A (ja) 車両用内装部品及びその製造方法
JP2000301645A (ja) 多層成形品およびその製造方法
JP4026363B2 (ja) 多層成形体の製造方法
JP2000280388A (ja) 積層表皮材およびこれを用いた表皮一体成形品ならびにその製造方法
JP4580095B2 (ja) 発泡熱可塑性樹脂成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081022

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090318