JP2001162181A - 穀粒処理装置用アタッチメントおよび穀粒処理装置 - Google Patents

穀粒処理装置用アタッチメントおよび穀粒処理装置

Info

Publication number
JP2001162181A
JP2001162181A JP34772499A JP34772499A JP2001162181A JP 2001162181 A JP2001162181 A JP 2001162181A JP 34772499 A JP34772499 A JP 34772499A JP 34772499 A JP34772499 A JP 34772499A JP 2001162181 A JP2001162181 A JP 2001162181A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
rice
grains
attachment
basket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34772499A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuoki Sugawara
万起 菅原
Ikuo Oshima
郁夫 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba TEC Corp filed Critical Toshiba TEC Corp
Priority to JP34772499A priority Critical patent/JP2001162181A/ja
Publication of JP2001162181A publication Critical patent/JP2001162181A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】少量の穀粒を、その損傷を抑制しつつ短時間で
処理できる穀粒処理装置用アタッチメントと、このアタ
ッチメントを用いる穀粒処理装置を提供する。 【解決手段】穀粒処理装置としての精米機1は、装置本
体3に取り付ける容器4の内部に配置する分離かご5、
容器4およびかご5の各上端開口4a、5aを開閉する
蓋6、かご5内に収容する穀粒を掻き回す掻き回し具7
に取り付けられてかご5内の穀粒の動き得る空間の容積
を制限する制限部53を有する穀粒処理装置用アタッチ
メント2などを備える。容器4内にかご5を取り付け、
それらの中央に配置された回転軸29に取り付けられた
掻き回し具7をその外側覆うように径太の制限部53を
取り付け、玄米をかご5内に入れて蓋6をする。玄米
は、かご5内の縁部において高く積層され、玄米同士が
擦れ合う回数、および時間を増やされるとともに、自重
により飛び跳ねてぶつかり合うのを抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、乾いた状
態の玄米、麦、あるいは蕎麦などの穀粒から糠などを一
部ないしは全部除去したり、白米を洗米、あるいは研米
する穀粒処理装置に用いるアタッチメント、およびこの
アタッチメントを取り付けて用いる穀粒処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】穀粒処理装置として、例えば、一般家庭
用の精米装置の中には、この装置が有する容器の内部に
所定量の玄米をまとめて入れ、それら玄米の穀粒を掻き
回し具で掻き回して、穀粒同士を互いに擦り合わせるこ
とによって穀粒から糠の一部ないしは全部を分離させ、
所定量の部搗き米あるいは白米を得ることができるもの
がある。このような一般家庭用の精米装置は、平均的な
日本の家庭の家族の構成人数に合わせて設計されてお
り、おおよそ1合から5合の玄米を精米するのに適した
ものが多い。すなわち、この精米装置が有する容器は最
大でおおよそ5合の玄米を収容できる容積を有してい
る。また、精米する玄米の穀粒の量に応じて、かつ、そ
れらの穀粒を所望の状態に精米できるように、穀粒を掻
き回す掻き回し具の回転速度、および穀粒を掻き回す時
間などを変化させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の精米装置は、精
米する玄米の穀粒の量が少ない場合、例えば、1合の玄
米を精米する場合には、容器内に穀粒4合分以上の空間
が空くとともに、穀粒自体による重しの作用が大幅に低
減するので、穀粒を掻き回している最中に容器内で穀粒
が飛び跳ね易くなり、それにともなって穀粒が欠けた
り、割れたりし易い。このような穀粒の飛び跳ねを防ぐ
ためには、例えば、掻き回し具の回転速度を下げて、穀
粒を低速で掻き回さなければならないが、そのようにす
ると精米に時間がかかってしまう。
【0004】また、精米する玄米の穀粒の量が少ない場
合には、穀粒同士の接触の機会が減少するのにともなっ
て、糠の除去性能が低下するので、すべての玄米の穀粒
から糠を略均一に除去するためには、穀粒を掻き回す時
間を長くして、穀粒同士の接触回数および接触時間など
を増やさなければならない。
【0005】このため、精米する玄米の穀粒の量が少な
いにも拘わらず、精米にかかる時間がかえって長くなっ
てしまう。また、精米時間が長くなるのに伴なって、穀
粒自体の温度が上昇し、乾燥して割れ易くなるので、炊
飯後の米粒の風味が損われ易くなる。
【0006】よって、本発明が解決しようとする課題
は、少量の穀粒の処理を、その損傷を抑制しつつ短時間
で処理できる穀粒処理装置用アタッチメント、およびこ
のアタッチメントを取り付けて用いる穀粒処理装置を得
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1の発明に係る穀粒処理装置用アタッチメン
トは、穀粒を収容する分離かごの内部に収容された前記
穀粒を、前記分離かごの内部において回転する掻き回し
具で掻き回すことにより所定の処理を施す穀粒処理装置
用のアタッチメントであって、前記分離かごの内部に出
し入れ自在に取り付けられて、前記分離かごの内部に収
容された前記穀粒群の上面より上方の実質的な前記分離
かごの内容積を減じる制限部を有していることを特徴と
するものである。
【0008】この発明の穀粒処理装置用アタッチメント
は、分離かごの内部に収容される穀粒が少量の場合に使
用され、その使用により分離かご内の穀粒が実際に動き
得る空間の容積を、制限部に小さくできる。これによ
り、分離かごの中において掻き回し具により掻き回され
る穀粒が飛び跳ねたりするのを抑制できる。
【0009】また、前記請求項1の発明を実施するにあ
たり、この発明に従属する請求項2の発明のように、前
記制限部は、前記分離かご内の中央部に配置される円筒
形状をなし、この制限部の外周面と前記分離かごの内周
面との間に前記穀粒の収容領域を形成する構成とすると
よい。
【0010】この発明の穀粒処理装置用アタッチメント
によれば、制限部を分離かごの内部の中央部に配置する
ので、分離かごの中に収容された穀粒を、制限部の外周
面と前記分離かごの内周面との間に形成される収容領域
に収容できる。これにより、分離かご内に収容する穀粒
が少量でも、その積層を多くできるとともに、回転移動
距離が長い掻き回し具の径方向外側端部を用いて穀粒を
掻き回すことができるので、穀粒同士が接触し合う機
会、および接触し合う時間などを多くできる。よって、
穀粒を効率よく処理できる。
【0011】また、前記請求項1または2の発明を実施
するにあたり、これらの発明に従属する請求項3の発明
のように、前記制限部に、前記掻き回し具に着脱自在に
接続される接続部を設けて、前記掻き回し具と一体に回
転する構成とするとよい。
【0012】また、前記請求項3の発明を実施するにあ
たり、この発明に従属する請求項4の発明のように、前
記接続部が、円筒形状の前記制限部の下端に開放されて
前記掻き回し具のブレードに嵌合するものであって、こ
のブレードと前記接続部との間の隙間、および前記制限
部の下端面と前記分離かごの底壁内面との間の隙間を、
1mm以下とした構成とするとよい。
【0013】この発明の穀粒処理装置用アタッチメント
によれば、制限部の接続部が、分離かごの底壁付近にお
いて、掻き回し具のブレードと嵌合し合うように設けら
れている。それとともに、制限部の接続部と掻き回し部
のブレードとの隙間、および制限部の下端面と分離かご
の底壁内面との隙間が、それそれ1mm以下に形成され
ている。これらにより、分離かご内に収容された穀粒
が、それらの隙間から内側にさらに入り込み難くでき
る。よって、穀粒をさらに無駄なく、かつ、より効率よ
く処理できる。
【0014】また、前記請求項1または3の発明を実施
するにあたり、これらの発明に従属する請求項5の発明
のように、前記制限部は、前記分離かごの内部に収容さ
れた前記穀粒群の上側に配設されて、前記分離かごの実
質的な内容積を上方から制限する構成とするとよい。
【0015】この発明の穀粒処理装置用アタッチメント
によれば、分離かごの内部に収容される穀粒が少量の場
合に、分離かご内の穀粒が自由に動き得る空間の容積
を、穀粒上に配置された制限部により小さくできる。そ
れにより、分離かごの中において掻き回し具により掻き
回される穀粒が飛び跳ねたりするのをより抑制できる。
よって、穀粒同士が勢いよくぶつかり合うなどして欠け
たり、割れたりするのをより抑制できる。
【0016】また、前記請求項5の発明を実施するにあ
たり、この発明に従属する請求項6の発明のように、前
記制限部が前記掻き回し具と一体に回転されるととも
に、この制限部に、それより上側の空気を前記掻き回し
具の回転にともなって前記分離かご内の前記穀粒に向け
て送風する斜めの通気部を有するファン部を設けた構成
とするとよい。
【0017】この発明の穀粒処理装置用アタッチメント
によれば、このアタッチメントが掻き回し具とが一体に
回転するとともに、この回転にともなって、制限部に設
けられたファン部により分離かごの内部に収容された穀
粒に向けて、通気部を通して空気を積極的に吹き付ける
ことができる。これにより、分離かご内の穀粒の処理中
における温度上昇を抑制できるので、穀粒に溜まった熱
で穀粒が乾燥し過ぎて、処理中あるいは処理後に穀粒が
割れたりするのを抑制できるとともに、穀粒の風味が損
われるのを抑制できる。よって、穀粒の品質を殆ど落す
ことなく処理できる。
【0018】また、前記請求項1〜6の発明を実施する
にあたり、これらの発明に従属する請求項7の発明に係
る穀粒処理装置は、回転軸を回転させる駆動機構が内蔵
された装置本体と、この装置本体に一体にもしくは着脱
自在に設けられ、前記回転軸が内部に突設されるととも
に、上端が開口されている容器と、この容器の内部に上
方から挿脱自在に配置されて前記容器の内面との間に分
離室を形成するとともに、前記回転軸が内側に突出さ
れ、かつ、周壁に前記穀粒の大きさよりも僅かに小さい
複数の分離孔が設けられた上端が開口されている分離か
ごと、この分離かごおよび前記容器のそれぞれの上端開
口を開閉する蓋と、前記容器および前記分離かごの内側
において前記回転軸に着脱自在に取り付けられて前記回
転軸と一体に回転される掻き回し具と、前記請求項1〜
6のうちのいずれか1項に記載のアタッチメントと、を
具備する構成とするとよい。
【0019】この発明の穀粒処理装置によれば、前記請
求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の穀粒処理装置
用アタッチメントを取り付けて用いる。これにより、請
求項1〜6のいずれか1項に記載の作用を得て、少量の
穀粒を処理する場合に、その損傷を防止しつつ短時間で
穀粒を処理できる高品質な穀粒処理装置を得ることがで
きる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
に係る穀粒処理装置用アタッチメント2を取り付けて用
いる同じく本発明の第1の実施の形態に係る穀粒処理装
置1を、図1〜図6に基づいて説明する。
【0021】穀粒処理装置1は、装置本体3と、この装
置本体3に設けられる容器4と、この容器4の内部に配
置される分離かご5と、この分離かご5の上端開口5a
および容器4の上端開口4aを開閉する蓋6と、分離か
ご5内に配置されて、分離かご5内に収容された穀粒を
掻き回す掻き回し具7と、分離かご5内に出し入れ自在
に配置される穀粒処理装置用アタッチメント2などから
構成されている。なお、この穀粒処理装置1は、本実施
形態においては、精米機1として用いられるものとす
る。
【0022】装置本体3は、図1および図3に示されて
いるように、ボディケース3aと、ボトムケース3b
と、トップカバー3cとをそれぞれ連結して組み立てら
れている。これらのケース3a,3b,3cは、それぞ
れ、軽量かつ割れ難い材質、例えば、合成樹脂製で形成
されていることが好ましい。装置本体3の内部には、図
3に示されているように、装置本体3を水平に配置した
状態において、同じく水平な姿勢となるように金属製の
支持板8が配置されている。また、装置本体3は、その
一端部寄りに台状に形成されている容器載置部9を有し
ているとともに、この容器載置部9から外れた位置に
は、トップカバー3cによって上方から覆われている状
態で、支持板8に固定された駆動モータ10が内蔵され
ている。
【0023】支持板8には、図3に示されているよう
に、これに連結された第1軸受ホルダ11を介して第1
軸受12が取り付けられている。また、第1軸受12に
よって、これを貫通する出力軸13が、支持板8に対し
て垂直な姿勢で回転自在に支持されている。出力軸13
の上端は、ボディケース3aの内側から、上面が開口さ
れた容器載置部9の載置部凹部9aの内側中央部に突出
され、この上端部には駆動側カップリング14が取り付
けられている。
【0024】駆動モータ10のモータ軸10aの下端部
は、支持板8を下方に貫通しており、このモータ軸10
aと出力軸13とは、伝動手段を介して連結されてい
る。装置本体3に内蔵されている駆動モータ10、出力
軸13、および前記伝動手段は駆動機構15を構成して
いる。前記伝動手段は、例えば、図3に示されているよ
うに、モータ軸10aに固定されている駆動プーリ16
と、出力軸13の下端部に固定されている減速用従動プ
ーリ17と、これら両プーリ16,17にわたって巻き
掛けられているベルト18とから構成されている。
【0025】トップカバー3cの上面壁は、図1および
図2に示されているように、操作パネルとして用いられ
ており、この上面壁にはタイマースイッチ19および洗
米スイッチ20が取り付けられている。精米される玄米
の量に応じた精米時間を設定するタイマースイッチ19
は、ダイアル操作されるものであり、このタイマースイ
ッチ19が操作されると、出力軸13は駆動機構15を
介して、例えば、2400rpm〜3000rpmで回
転される。洗米スイッチ20は、押圧されている時間に
限って駆動モータ10を運転させる押しボタン式のフラ
ッシュスイッチであって、これを押圧操作すると、駆動
モータ10への通電回路が切り替わって出力軸13は駆
動機構15を介して、例えば、3500rpmで回転さ
れる。なお、図1および図2に示されているように、ト
ップカバー3cの上面壁には、精米する玄米の量と精米
時間との目安を表示したスイッチ設定表21が取り付け
られている。このスイッチ設定表21にしたがって、タ
イマースイッチ19の目盛り合わせがなされるととも
に、洗米スイッチ20の押圧回数が指定されるようにな
っている。
【0026】トップカバー3cの上面壁には、容器載置
部9側に寄せて中空のスイッチ凸部22が上方へ突出し
て一体に形成されているとともに、このスイッチ凸部2
2の上端部側面には、図1に示されているように、スイ
ッチ凸部開口22aが開けられている。スイッチ凸部2
2の内部には、スイッチ凸部開口22aに臨んで図示し
ないスイッチ連動部材が収容されていて、この連動部材
は、スイッチ凸部開口22aから挿入される後述するス
イッチ操作凸部48により押し動かされ、これに伴なっ
て装置本体3に内蔵された図示しない常開の安全スイッ
チをオン状態にさせるものである。この安全スイッチが
オンした状態でのみ、タイマースイッチ19および洗米
スイッチ20の操作が有効となる。つまり、駆動モータ
10へ通電されるようになっている。なお、モータ軸1
0aの上端部には、図3に示されているように、駆動モ
ータ10を冷却するための冷却用ファン23が連結され
ている。
【0027】装置本体3の容器載置部9上には、上端に
開口4aが設けられている有底円筒形状の容器4が、こ
の容器4の下面に連結されている容器台24を載置部凹
部9aに着脱自在に嵌合されることにより取り付けられ
る。容器4は、軽量かつ割れ難い合成樹脂、あるいは容
器4の内部の米粒の精米状態を、その外側から目で確認
できる透明なガラスなどで作られることが好ましい。容
器4は、図1〜図4に示されているように、その周壁4
bの外周面から、例えば、一体に突設された把手25を
有している。それとともに、容器4は、その容器上端開
口縁4d上において、この把手25から180°離れた
位置に、容器4の径方向外側に突出する凸形状部からな
る固定係合部26を有している。把手25は、例えば、
側面視コ字形状に形成されているが、これに限るもので
はなく、半円形状のものであってもよい。また、固定係
合部26は、本実施形態においては容器4の注ぎ口を兼
ねているが、本発明においては必ずしも兼用する必要は
ない。また、図3に示されているように、固定係合部2
6の先端部下面は平面で形成されている。
【0028】図3および図4に示されているように、容
器4の底壁4cの中央部には、これを貫通して第2軸受
ホルダ27が取り付けられており、この第2軸受ホルダ
27の下端部には、容器台24が連結されている。第2
軸受ホルダ27に内蔵されている第2軸受28には、そ
の中央部を上下方向に貫通して、かつ、容器4の底壁4
cに対して垂直な姿勢で、回転軸29が回転自在に支持
されている。この回転軸29は、容器4の中心部に配置
されており、その下端部には、容器載置部9への容器4
の着脱に伴なって、駆動側カップリング14に着脱自在
に噛み合って係合する被動側カップリング30が取り付
けられている。また、回転軸29の第2軸受28より上
側の部分は駆動軸部29aをなしている。
【0029】第2軸受ホルダ27は、容器4内に配置さ
れる分離かご嵌合部27aを有している。この分離かご
嵌合部27aは、回転軸29と同心の円形の環状フラン
ジからなる。また、本実施形態においては、この精米機
1を用いて洗米も行なえることから、容器4は水密構造
となっている。そのために、容器4の底壁4cと第2軸
受ホルダ27との間には、図3および図4に示されてい
るように、環状の底部防水パッキング31が挟み込まれ
ている。それとともに、第2軸受ホルダ27の上端部内
面と、第2軸受28と、回転軸29との間にも、回転軸
29が摺接する環状の軸部防水パッキング32が取り付
けられている。
【0030】分離かご5は、図3および図4に示されて
いるように、上端に開口5aが設けられているかご本体
33と、中空の中心筒体34とから構成されており、容
器4の内部に、その上端開口4aから挿脱自在に配置さ
れる。かご本体33は、耐摩耗性に優れている材質、例
えば、ステンレスなどの金属で作られていることが好ま
しい。また、中心筒体34は軽量で割れ難い材質、例え
ば、合成樹脂などで作られていることが好ましい。な
お、かご本体33および中心筒体34を、ともに合成樹
脂製として一体に形成しても構わない。
【0031】かご本体33は、円筒形状のかご周壁33
aの下端に、かご底壁32bが一体に取り付けられて形
成されている。それとともに、かご周壁33aの上端開
口、すなわち、分離かご5の上端開口縁5cにおいて、
その全周にわたって、かつ、かご周壁33aの径方向外
側に向けて、かご周壁33aに対して垂直に張り出す環
状の張り出しフランジ35が、かご周壁33aと一体に
形成されている。このかご本体33の張り出しフランジ
35を除いたかご本体33の主部は、容器4よりも小径
であるとともに、容器4の深さよりも浅い有底円筒形状
に形成されている。
【0032】かご本体33には、図3および図4に示さ
れているように、そのかご周壁33aの略全域にわたっ
て、かご周壁33aの内側と外側とを貫通して複数の周
壁分離孔36が開けられている。同様に、図2に示され
ているように、かご底壁33bにも、その略全域にわた
って、かご底壁33bの内側と外側とを貫通して複数の
底壁分離孔37が開けられている。本実施形態において
は、周壁分離孔36および底壁分離孔37は、いずれも
分離かご5の内部に収容される穀粒としての玄米が精白
される際に、玄米から分離した表皮や米糠などは通過で
きるが、米粒は通過できない程度の大きさに形成されて
いる。
【0033】分離かご5の中心筒体34は、図2〜図4
に示されているように、かご底壁33bの中央部を貫通
して、かご底壁33bに第1リベット38によって固定
されている。中心筒体34の上下両端はいずれも開口さ
れているとともに、この中心筒体34の高さは、分離か
ご5の中に所定の最大規定容量の玄米を収容した場合に
おける玄米群がつくる上面よりも上側に突出される高さ
に設定されている。それにより、精米作業中および精米
作業終了後などに分離かご5を傾けて、分離かご5内の
米粒を流出させる際にも、それら米粒群がつくる上面よ
りも中心筒体34の上部が上方に突出しているので、米
粒が中心筒体34の内部に入り難くできる。よって、米
粒を殆ど無駄にすることなく分離かご5から取り出すこ
とができる。
【0034】また、かご底壁33bの下側に突出してい
る中心筒体34の下端部は、容器4が有する第2軸受ホ
ルダ27の分離かご嵌合部27aと着脱自在に嵌合し合
う第2軸受ホルダ嵌合部34aとしての役割を兼ねてい
る。この第2軸受ホルダ嵌合部34aの内径Aの大きさ
と、分離かご嵌合部27aの径Bの大きさとは、AがB
よりも僅かに大きく形成されており、第2軸受ホルダ嵌
合部34aと分離かご嵌合部27aとが互いに嵌合し合
った際に、第2軸受ホルダ27と中心筒体34とが、互
いに周方向にずれないようになっている。すなわち、分
離かご5を容器4の内部に正しく配置した後に、分離か
ご5の内部において回転軸29が回転しても、分離かご
5が回転軸29とともに回転することがないように形成
されている。
【0035】また、この分離かご5は、図3に示されて
いるように、容器4の内部に正しく配置された状態にお
いて、張り出しフランジ35と、かご本体33のかご周
壁33aおよびかご底壁33bと、容器4の容器周壁4
bおよび容器底壁4cとによって、精米作業によって玄
米の粒から剥離される表皮や米糠などを収容する分離室
としての糠室Cを形成する。かご本体33のかご周壁3
3aおよびかご底壁33bに設けられている周壁分離孔
36および底壁分離孔37は、米粒が通ることができな
い程度の大きさに形成されているので、精米作業終了後
においては、分離かご5の内部には所望の状態に精米さ
れた米粒だけが残り、糠室Cには精米作業によって玄米
の粒から剥離された表皮や米糠など、米粒以外の不要物
のみが収容される。
【0036】蓋6は、図1〜図3に示されているよう
に、容器4の上部に着脱自在に取り付けられる。この蓋
6は、蓋本体45、およびこの蓋本体45の外周部に設
けられた把手係合体46などから構成されている。
【0037】蓋本体45は、図2に示されているよう
に、その表面側上方から臨んだ形状が略円形に形成され
ており、容器4の上端開口縁4dの外側に係合するよう
になっている。蓋本体45の外周部には、容器4の注ぎ
口を兼ねている固定係合部26に引っ掛けられて係合し
合う注ぎ口引っ掛け部47と、この注ぎ口引っ掛け部4
7の近傍に、その一側面側から見た形状がL字形状に形
成されているスイッチ操作凸部48とが、それぞれ一体
に突設されている。注ぎ口引っ掛け部47は、図2に示
されているように、平面視コ字形状に形成されている。
それとともに、注ぎ口引っ掛け部47の中央部は、図3
に示されているように、側方から臨んだ断面がL字形状
に形成されている引っ掛け部位47aをなしており、か
つ、この引っ掛け部位47aの裏側である蓋本体45の
中央部側は開放されている。
【0038】なお、この蓋本体45は、分離かご5の内
部を透視可能な透明度が高い材質、例えば、合成樹脂の
一種であるAS(アクリロニトリル・スチレン樹脂)、
あるいは透明ガラスなどで形成されていることが好まし
い。これにより、精米作業中あるいは精米作業終了後の
分離かご5の内部の米粒の精白度を、蓋6を開けること
なく、随時、目で確認できる。よって、精米作業開始時
から精米作業終了時まで、すなわち、米粒が所望の状態
に精白されるまで、精米機1の作動とその停止を一々繰
り返すとともに、蓋6を何度も開け閉めして精米の進行
状態を確めつつ、精米作業を行なうという、煩わしい手
間を省くことができる。
【0039】把手係合体46は、図2〜図4に示されて
いるように、蓋本体45の外周部の注ぎ口引っ掛け部4
7から180°離れた位置において、蓋本体45と一体
に形成されている部材取り付け部45aに嵌着されて取
り付けられている。この把手係合体46は、容器4の把
手25の上部を弾性変形しつつ挟み込むことにより、把
手25に着脱可能に係合する、相対向する一対の弾性挟
持片46aを有している。
【0040】また、この把手係合体46の上側近傍に
は、図1〜図4に示されているように、蓋本体45か
ら、その径方向外側に向かって張り出すように、カバー
凸部49が蓋本体45と一体に形成されている。このカ
バー凸部49は、人が把手25を片手で握ったまま、そ
の手の親指で下側から容易に押し上げるのに適する位置
に設けられている。したがって、このカバー凸部49を
備えることは、蓋50を開く際の押し上げ操作を片手の
親指で容易にできる点で優れている。なお、この把手係
合体46は、弾性に富むとともに弾性変形に対する耐久
性が高い材質、例えば、合成樹脂の一種であるPOM
(ポリアセタール)などで形成されていることが好まし
い。
【0041】蓋6には、図1〜図4に示されているよう
に、その縁部を除く略全域にわたって、かつ、蓋本体4
5の表面と裏面とを貫通して複数の小孔からなる通気孔
50が開けられている。これらの通気孔50は、米粒が
通過できない程度の大きさに形成されているので、精米
作業中などに、分離かご5の内部に収容されている米粒
を容器4の内部に保持したまま、精米作業などに伴って
生じる熱だけを、図3中破線矢印で示すように、容器4
内の空気とともに容器4の外部に放出できる。よって、
精米作業中および精米作業終了後の米粒の温度上昇を抑
制して、米粒が乾燥し過ぎることを防止でき、米粒が割
れたり、欠けたり、あるいはその調理後の風味が損われ
るのを防止するのに有効である。
【0042】また、蓋6の裏面中心部には、ストッパ凸
起51が一体に突設されている。このストッパ凸起51
は、容器4の内部に、分離かご5、掻き回し具7、およ
び後述する穀粒処理装置用アタッチメント2を正しく取
り付けた後に、容器4に蓋6を正しく取りつけた際に、
このストッパ凸起51の先端と穀粒処理装置用アタッチ
メント2の上端壁54とが、僅かの隙間を空けて近接し
ている程度の大きさに形成されている。これにより、容
器4に、分離かご5、掻き回し具7、および穀粒処理装
置用アタッチメント2が正しく取り付けられていない場
合には、ストッパ凸起51が穀粒処理装置用アタッチメ
ント2の上端壁に当接するので、容器4に蓋6を正しく
取り付けることができない。よって、精米機1の使用者
などに、分離かご5、掻き回し具7、および穀粒処理装
置用アタッチメント2を正しく取り付けるように注意を
促すことができるので、この精米機1の使用者が、正し
い使用方法で、かつ、安全にこの精米機1を使用し易い
という点で有効である。
【0043】さらに、蓋6の裏面外周部には、その外周
に沿って環状のリブ52が一体に突設されている。この
リブ52は、その先端が分離かご5の張り出しフランジ
35とかご周壁33aとの接続部よりも僅かに外側にお
いて、張り出しフランジ35の上面と、米粒の大きさ以
下の隙間を設けて位置する、あるいは接するような大き
さに形成されている。これにより、容器4だけではな
く、分離かご5にも実質的に蓋をして、容器上端開口4
aおよび分離かご上端開口5aのそれぞれを閉じた状態
にできるとともに、張り出しフランジ35の上面にも米
粒がたまらないようにできる。
【0044】掻き回し具7は、図3に示されているよう
に、分離かご5の内部において回転軸29の駆動軸部2
9aに、その上方から着脱自在に嵌合されて取り付けら
れている。これにより、掻き回し具7は、出力軸13の
回転にしたがって、回転軸27とともに回転する。
【0045】掻き回し具7は、図2〜図5に示されてい
るように、掻き回し具本体39、この掻き回し具本体3
9の内部に取り付けられている駆動軸部嵌合部材40、
および掻き回し具本体39の外周部の下端部に設けられ
ているブレード41などから構成されている。掻き回し
具本体39は、例えば、軽量かつ割れ難い合成樹脂製で
あることが好ましい。また、駆動軸部嵌合部材40は、
例えば、軽量かつ割れ難い合成樹脂製、もしくは軽金属
製であることが好ましい。さらに、掻き回し具本体39
と駆動軸部嵌合部材40とは、ともに合成樹脂を用いて
一体に成形しても構わない。また、ブレード41は、1
枚以上設けられていることが好ましく、本実施形態にお
いては、2枚で一対となるように、掻き回し具本体39
の外周下端部に互いに180°離されて設けられている
後述する一対のブレード連結部43にそれぞれ1つずつ
取り付けられている。これらのブレード41は、耐摩耗
性に優れている材質、例えば、ステンレス製であること
が好ましい。
【0046】掻き回し具本体39は、その上端が閉じら
れているとともに、その下端が開口されている筒状に形
成されているとともに、その上端壁の中央部内面から一
体に突設されている円筒形状の中央筒部39aの下端部
に駆動軸部嵌合部材40が連結されている。この駆動軸
部嵌合部材40は、回転軸29の駆動軸部29aに対し
て、その軸方向には着脱自在に嵌合されるとともに、そ
の周方向には相対回転しないように嵌合されるものであ
る。すなわち、掻き回し具7は、分離かご5の内部の中
央部に突出されて配置される回転軸29に嵌合されるこ
とにより、互いにずれることなく一体に回転される。ま
た、掻き回し具7が回転軸29に正しく取り付けられた
状態においては、掻き回し具本体39の外周壁内面と中
央筒部39aの外周壁外面との間に形成されている環状
空隙42に、分離かご5の中心筒体34が入り込み、掻
き回し具本体39と中心筒体34とが接触しないように
なっている。
【0047】一対のブレード41は、本実施形態におい
ては、その長手方向と直交する断面がコ字形状となるよ
うに、ステンレスの薄板を折り曲げて形成されている。
これにより、ブレード41は、かご周壁33aの内面と
対向する穀粒押し出し面41aと、この穀粒押し出し面
41aの上下に連なるブレード上面41bおよびブレー
ド下面41cとを有している。また、穀粒押し出し面4
1aとブレード上面41bおよびブレード下面41cと
の境界は、急峻なエッジではなく、丸みを帯びた緩やか
な曲面となるように形成されている。また、穀粒押し出
し面41aの幅は、ブレード上面41bおよびブレード
下面41cのそれぞれの幅よりも大きく形成されている
ため、穀粒押し出し面41aは、ブレード41の表面上
で最大の面積を占めている。さらに、穀粒押し出し面4
1a、ブレード上面41b、およびブレード下面41c
の各表面の略全域にわたって、それら各面41a〜41
cと穀粒とが互いに引っ掛かり易くなるように、小さな
凸起部41dが複数個形成されている。
【0048】また、一対のブレード41のそれぞれの掻
き回し具本体39側の一端部は、掻き回し具本体39の
下端部から一体に張り出されて設けられている一対のブ
レード連結部43に、それぞれ2箇所ずつ第2リベット
によって固定されている。このような固定によって、一
対のブレード41は、図3に示されているように、回転
軸29に掻き回し具本体39を嵌合させて正しく取り付
けた状態においては、ブレード下面41cが、かご底壁
33bの内面に接近するように配置される。
【0049】さらに、一対のブレード41は、図2およ
び図5に示されているように、それぞれのブレード連結
部43と連結されている側の一端部から、それぞれの他
端部に向かって、掻き回し具本体39の中心からの半径
が大きくなるようにブレード連結部43に固定されてい
る。すなわち、容器4の内側に分離かご5を配置し、回
転軸29に掻き回し具7を嵌合させて取り付けた状態に
おいて、これらを上方から臨んで見ると、一対のブレー
ド41は、分離かご5の中心部から分離かご5のかご周
壁33aに向かって次第に近付くような緩やかな円弧状
となるようにブレード連結部43に固定されている。言
い換えれば、一対のブレード41は、それぞれのブレー
ド連結部43と連結されている側の一端部から、それぞ
れの他端部に向かって、それぞれの穀粒押し出し面41
aとかご周壁33aの内面との、分離かご5の半径方向
に沿った間隔が次第に狭まるようにブレード連結部43
に固定されている。
【0050】本実施形態の穀粒処理装置用アタッチメン
ト2は、図6に示されているように、上端が閉じられて
いるとともに、下端が開放されている有底円筒形状に形
成されている制限部53のみから構成されている。この
制限部53は、図2および図3に示されているように、
前述の掻き回し具7に正しく取り付けられた状態におい
て、その外径の大きさが、掻き回し具本体39の外径よ
りも大きく、かつ、分離かご5のかご周壁33aの内径
よりも小さく形成されている。また、この制限部53
は、図3に示されているように、前述の掻き回し具7に
正しく取り付けられた状態において、その軸方向の長さ
が、分離かご5のかご本体33の深さよりも僅かに短く
形成されている。制限部53を分離かご5の内部に取り
付けることにより、制限部53の外周面53aと、分離
かご5の周壁33aの内面33cとの間に、米粒を収容
する収容領域としての収容室Fを形成する。
【0051】制限部53の上端壁54の内面には、掻き
回し具本体39と中心を同一にして嵌合し合う、円筒形
状に形成されている掻き回し具嵌合体55が一体に突設
されている。この掻き回し具嵌合体55の内径Dの大き
さと、掻き回し具本体39の外径Eの大きさとは、Dが
Eよりも僅かに大きく形成されており、掻き回し具嵌合
体55と掻き回し具本体39とが互いに嵌合し合った際
に、制限部53と掻き回し具7とが、互いに周方向にず
れないようになっている。すなわち、制限部53は、掻
き回し具7を回転させた際に、制限部53と掻き回し具
7とが一体に回転できるように形成されている。
【0052】また、制限部53の下端部56には、掻き
回し具7が有している一対のブレード41およびブレー
ド連結部43と互いに係合し合う、接続部としての一対
の掻き回し具係合部57が切り欠かれて設けられてい
る。この掻き回し具係合部57は、図2および図3に示
されているように、前述の一対のブレード41およびブ
レード連結部43を、掻き回し具本体39の周方向に沿
って跨ぐように、制限部53の下端部56において、そ
の周方向に沿って、互いに180°離されて設けられて
いる。また、これら一対の掻き回し具係合部57の制限
部53の軸方向に沿った高さは、制限部53を掻き回し
具7に正しく取りつけた際に、制限部53の下端面56
aと、分離かご52のかご底壁33bの内面33dとの
隙間の大きさが、分離かご5内の米粒の大きさよりも小
さくなるように形成されている。具体的には、本実施形
態においては、制限部53の下端面56aと、分離かご
52のかご底壁33bの内面33dとの隙間の大きさ
は、1mm以下に形成されている。
【0053】さらに、これら一対の掻き回し具係合部5
7の大きさは、これが一対のブレード41およびブレー
ド連結部43と係合した際に、それらの隙間、すなわ
ち、制限部53と掻き回し具7との接続部の隙間の大き
さが、ここから内側に米粒が入り込まない程度の大きさ
になるように形成されている。具体的には、本実施形態
においては、一対のブレード41およびブレード連結部
43と、一対の掻き回し具係合部57との隙間の大きさ
は、1mm以下に形成されている。
【0054】よって、分離かご5に収容された米粒の殆
どを、分離かご5の縁部に位置させることができる。す
なわち、分離かご5に収容された米粒の殆どを、収容室
Fにおいて無駄なく精米できる。
【0055】なお、この制限部53の外径の大きさは、
分離かご5の内部に収容される米粒の量に応じた所定の
大きさに形成されていることが好ましい。
【0056】次に、本実施形態の精米機1を用いた、少
量の玄米の精米作業について説明する。
【0057】まず、精米作業に先立って、精米機1を組
み立てるとともに、分離かご5内に少量の玄米を収容す
る。
【0058】まず、装置本体3に載置されている状態、
あるいは装置本体3から外されている状態の容器4内
に、その上端開口4aを通して分離かご5を、この分離
かご5の張り出しフランジ35が容器4の上端開口縁4
dに上方から引っ掛かるまで収容する。それにより、分
離かご5のかご本体33が容器4内に吊持された状態と
なって収容される。
【0059】この容器4の内部への分離かご5の収容に
際して、分離かご5が有する中心筒体34の第2軸受ホ
ルダ嵌合部34aの内周と、容器4が有する第2軸受ホ
ルダ27の分離かご嵌合部27aの外周とは互いに嵌合
し合う。これらの嵌合部27aと34aとの嵌合によ
り、容器4に対する分離かご5の径方向の芯出しがなさ
れるとともに、中心筒体34の内部には、分離かご嵌合
部27aを有している第2軸受ホルダ27を軸方向に貫
通している回転軸29の駆動軸部29a側が挿入され
る。
【0060】以上説明した容器4への分離かご5の収容
状態は、図2および図3に示されている。このような収
容状態において、かご本体33のかご周壁33aは容器
4の容器周壁4bの内面4eから離されて配置されると
ともに、かご本体33のかご底壁33bは容器4の容器
底壁4cから離されて配置されるので、容器4とかご本
体33との間には、かご本体33の側方および下方にわ
たって連続するとともに、かご本体5のかご周壁33a
およびかご底壁33bに設けられている周壁分離孔36
および底壁分離孔37を通してかご本体33に連通する
空隙、つまり、玄米から分離された表皮や米糠などを溜
めるための糠室Cが形成される。この糠室Cの上端開口
は、容器上端開口4aの一部であり、容器4の上端開口
縁4dに引っ掛けられた分離かご5の張り出しフランジ
35によって閉じられる。
【0061】次に、分離かご5内に、その上端開口5a
を通して掻き回し具7を収容して、その中央筒部39a
を回転軸29の駆動軸部29aに嵌合させるとともに、
駆動軸部嵌合部材40を駆動軸部29aに係合させて取
り付ける。このようにして、回転軸29に掻き回し具7
が取り付けられた状態は、図2および図3に示されてい
る。この取り付け状態においては、前述したように、容
器4に対して分離かご5が径方向に芯出しされているの
で、回転軸29に取り付けられた掻き回し具7が有する
一対のブレード41が、分離かご5のかご周壁33aに
接触することはない。
【0062】次に、掻き回し具7に制限部53を取り付
ける。制限部53を、掻き回し具7に、その上方から掻
き回し具本体39を覆うように被せる。制限部53が有
する掻き回し具嵌合体55を掻き回し具本体39に嵌合
させて、掻き回し具本体39の上端壁の上面と、制限部
53の上端壁54の下面とが当接して、この制限部53
の押し込みが止められるまで、制限部53を掻き回し具
7に対して押し込む。それとともに、制限部53の下端
部56に設けられている一対の掻き回し具係合部57
を、掻き回し具7が有する一対のブレード41およびブ
レード連結部43と隙間なく当接させる。
【0063】次に、所望量の少量の玄米を分離かご5の
内部に収容する。前述したように、制限部53は、掻き
回し具7に取り付けられて分離かご5の中央部に配設さ
れている。制限部53と掻き回し具7との接続部の隙間
は米粒の大きさよりも小さい1mm以下に設定されてい
る。それとともに、制限部39の下端部56と分離かご
5のかご底壁33bとの隙間の大きさも米粒の大きさよ
りも小さ1mm以下に設定されている。これにより、分
離かご5内の玄米は、制限部53の内部に入ることな
く、分離かご5の縁部に形成されている収容室Fに、蓋
6の裏面の近くまで高く積層された状態で収容される。
すなわち、分離かご5内に収容される玄米の量が少量で
も、これら玄米群の上方には隙間が殆ど空いていない状
態に保持することができるので、後述する掻き回し作業
中において、玄米が飛び跳ねて欠けたり、あるいは割れ
たりするのを抑制できる。それとともに、前述した掻き
回し具7が有する一対のブレード41のかご周壁33a
寄りの部分により、遠心力を効率よく利用しつつ、か
つ、まんべんなく玄米は掻き回される。
【0064】次に、容器4に蓋6を取り付ける。まず、
蓋6が有する注ぎ口引っ掛け部47の引っ掛け部位47
aを、容器4が有する固定係合部26の下面側から引っ
掛ける。そして、蓋6が有する把手係合体46の弾性挟
持片46aが、容器4の把手25と弾性係合して、把手
25を、その幅方向両側から挟み込むように、前述の引
っ掛け部位47aと固定係合部26との係合部分を支点
として、把手係合体46を把手25に向かって下ろす。
把手係合体46が把手25と係合するとともに、蓋本体
45の縁部およびリブ52が、容器4の上端開口縁4d
上に配置されている分離かご5の張り出しフランジ35
と当接して、その下げ降ろしが止められることによっ
て、蓋6の容器4への取り付けを終了とする。この状態
において、容器4の上端開口4aおよび分離かご5の上
端開口5aのそれぞれは、図3に示されているように、
蓋6で閉じられているので、精米作業中に米粒が分離か
ご5および容器4の外に飛び出るおそれがない。また、
分離かご5は、その張り出しフランジ35が蓋本体45
の縁部と容器4の上端開口縁4dとによって上下から挟
み込まれているので、精米作業中に上下方向にぶれた
り、周方向に回転するおそれが低い。
【0065】次に、以上説明したような手順で組み立て
られた容器4、分離かご5、蓋6、掻き回し具7、およ
び制限部53を、分離かご5内に収容された玄米ととも
に、装置本体3に取り付ける。この場合、予め装置本体
3の容器載置部9に容器4が載置してある場合でも、あ
るいは、装置本体3から外してある状態で容器4、分離
かご5、蓋6、掻き回し具7、および制限部53を組み
立てた場合でも、始めは、図1および図3に示されてい
るように、容器4の把手25が、装置本体3のトップカ
バー3cとは周方向反対側に位置する姿勢で、容器4を
容器載置部9の上に載置する。
【0066】その後、図1中実線矢印で示されている方
向に、つまり、把手25をトップカバー3c側に寄せる
ように、容器4を回動させることにより、容器4を装置
本体3に取り付ける。この取り付け作業が完了した状態
は、図2に示されている。この取り付け状態では、図3
に示されているように、駆動側カップリング14と被動
側カップリング30とが互いに噛み合わされて、装置本
体3側から掻き回し具7側への動力伝達が可能な状態と
なって接続されているとともに、載置部凹部9aの内周
面と容器台24の内周面との図示しない係合により、容
器4が容器載置部9の上方に抜け出すことが防止されて
いる。また、蓋6のスイッチ操作凸部48が、図2に示
されているように、装置本体3のスイッチ凸部22の開
口22aに入り込んで、図示しない安全スイッチがオン
状態に保持される。
【0067】以上説明したように、容器4などを装置本
体3に取り付けた後、分離かご5内に収容された玄米の
量に応じて、スイッチ設定表21を参照しつつ、タイマ
ースイッチ19のタイマー時間を設定することにより、
後述するような乾式構造による玄米からの表皮や米糠の
分離、つまり、精米(精穀)、あるいは研米(研穀)が
実施される。
【0068】すなわち、装置本体3内の駆動機構15が
作動され、その出力軸13の回転が駆動側カップリング
14および被動側カップリング30を介して回転軸29
に伝達されて、この回転軸29の回転とともに掻き回し
具7が分離かご5内で回転される。図2中実線矢印は、
掻き回し具7の回転する向きを示している。この図2中
実線矢印で示されている向きに掻き回し具7が回転する
ことによって、分離かご5内に収容されている米粒は、
分離かご5内の縁部に形成されている収容室Fにおい
て、掻き回し具7が有する一対のブレード41の穀粒押
し出し面41aから回転力を受けつつ、分離かご5の径
方向に沿って、その内側から外側に向けて押し出され
る。このような分離かご5内における掻き回し具7の高
速回転によって、分離かご5内の玄米が掻き回されるの
で、これらの米粒の回転運動による遠心力の働きに伴な
って、分離かご5内の玄米は、図3中実線矢印で示され
ているような向きに沿って、それが通過不可能な多数の
周壁分離孔36および底壁分離孔37が開けられている
かご周壁内面33cおよびかご底壁内面33dのそれぞ
れに押し付けられつつ対流する。
【0069】この場合、一対のブレード41は、掻き回
し具7に取り付けられている側の一端部から他端部に向
かって、分離かご5のかご周壁33aの内面33cに次
第に近付くように、前述した回転する向きに対して後退
する円弧形状をなしているので、ブレード41が有する
穀粒押し出し面41aの円弧形状外面に沿って、米粒が
容易に逃げ動くことを許している。そのため、分離かご
5のかご周壁33aの内面33cと対向するブレード4
1の穀粒押し出し面41aに米粒が当接する際の衝撃力
を和らげて米粒の割れや欠けなどを抑制しつつ、ブレー
ド41によって米粒をかご周壁33aの内面33cに向
けて円滑に押し出して、それにより、米粒をかご周壁3
3aの内面33cに押し付けつつ、米粒を分離かご5内
の収容室Fにおいて掻き回すことができる。
【0070】前述したように、掻き回し具7の回転に伴
なって高速で掻き回される米粒は、遠心力の作用によっ
て、回り止めされている分離かご5のかご周壁33aの
内面33cに押し付けられつつ回転する。米粒は、かご
周壁33aの内面33cの上部側に向けて押し上げられ
た後、重力によって、かご周壁33aの内面cの下部側
に向けて落ちるので、分離かご5内の米粒は、図3中実
線矢印で示されているように、上下方向に対流しつつ、
まんべんなく掻き回される。
【0071】以上説明したように、収容室F内における
掻き回しに伴なう玄米の米粒同士の擦れ合い、および米
粒と分離かご5および掻き回し具7との擦れ合いによ
り、まず、玄米の表皮および糠層などが取り除かれる精
米が行われ、この後に引き続いて精白された米粒(白
米)に対する前述した糠取り(研米)が行われる。同時
に、剥がされた表皮や生成された米糠などに対する遠心
分離作用が、分離かご5のかご周壁33aに複数個開け
られている周壁分離孔36において働き、分離された表
皮および米糠などは周壁分離孔36を通過して、かご周
壁33aおよびかご底壁33b、張り出しフランジ3
5、および容器周壁4bおよび容器底壁4cで形成され
ている糠室Cに収容される。
【0072】同様にして、収容室F内において、ブレー
ド41によってかご底壁33bに沿って押し動かされる
玄米の米粒についても、かご底壁33bに複数個開けら
れている底壁分離孔37において米粒から表皮および米
糠などを分離でき、これらの分離された表皮および米糠
などは底壁分離孔37を通過して糠室Cに収容される。
しかるに、このような玄米の米粒からの表皮および米糠
などの分離に伴なって、分離かご5内には、表皮および
米糠などが取り除かれた米粒のみが残される。また、こ
の場合、玄米とブレード41の各面41a〜41cとの
擦れ合いにおいては、それら各面41a〜41cに設け
られている凸起部41dによって、玄米の表皮層などを
効率よく擦ることができるので、少量の玄米群を精米す
るのに要する時間、ひいてはそれら少量の玄米群を精米
してから研米が完了するまでの乾式処理時間を短縮でき
る。
【0073】次に、以上説明した精米あるいは研米後の
米粒および米糠などの容器4内からの取出し手順につい
て説明する。
【0074】まず始めに、容器4の把手25にしている
蓋6の把手係合体46を、蓋6のカバー凸部49を下方
から親指などで押し上げることにより把手25から外
す。引き続き、容器4の固定係合部26と蓋6の注ぎ口
引っ掛け部47との係合部分を支点としてカバー凸部4
9を上方に回動させて、容器4の固定係合部26と引っ
掛かり合っている蓋6の注ぎ口引っ掛け部47を外す。
これにより、容器4の上端部から蓋6を取り外し、その
状態において、容器4内から分離かご5を取り出す。
【0075】次に、かご本体33内から掻き回し具7お
よび制限部53を取り外した後、図示しないボールなど
の上方において分離かご5を逆さまにして、分離かご5
内から米粒を取り出す。分離かご5は、前述した構成に
より、容器4から容易に取り出せるので、この分離かご
5内からの米粒の取り出しは、容器4および装置本体3
に制約されることなく容易に行なうことができる。
【0076】なお、前述したように、容器4内からの分
離かご5の取り外しは、かご本体33に掻き回し具7お
よび制限部53が取り付けられている状態、すなわち、
分離かご5の中心筒体34が掻き回し具7および制限部
53によって覆われている状態で行われるので、分離か
ご5内に収容されている米粒が、その収容されている量
の多少に拘わらず、その中心筒体34を通って分離かご
5の外に漏れ出すおそれがない。
【0077】また、前述した糠室Cに貯えられた米糠お
よび表皮などは、容器4内から分離かご5を取り外すこ
とにより、糠室Cの上端を閉じている分離かご5の張り
出しフランジ35に邪魔されることなく、容器4の内部
から容易に取り出すことができる。さらに、本実施形態
においては、容器4を装置本体3から取り外すことがで
きるので、装置本体3に制約されることなく、容器4を
単独の状態で流しなどに運んで米糠などの取り出し、お
よび容器4の内部の洗浄などを容易に行なうことができ
る。
【0078】なお、本実施形態の精米機1においては、
前述した玄米からその米糠や表皮などを取り除く精米作
業に引き続いて、同じく前述した容器4内からの米糠な
どの除去を経た後、米粒の洗米を行なうことができる。
この洗米作業は、容器4の外に取り外された分離かご5
ごと、この分離かご5内の米粒を軽く水で濡らして水切
りをした後、再び分離かご5を容器4内に取り付けて、
さらに前述の組み立て手順で掻き回し具7、制限部5
3、および蓋6などを装置本体3に取り付けた後に行わ
れる。
【0079】この洗米作業における精米機1の運転は、
タイマースイッチ19は使用されず、分離かご5内に収
容されている米粒の量に応じて、洗米スイッチ20を数
回、瞬間的に押すことによる駆動モータ10の断続運転
により行われる。これにより、米粒を削りすぎることな
く掻き回して、洗米作業を行なうことができる。この後
には、前述の取り外し手順に従って、米粒ごと分離かご
5を容器4から取り出して、流しなどにおいて分離かご
5を水に浸した状態で、分離かご5から掻き回し具7お
よび制限部53を取り外して、米粒を軽く濯ぎ洗いする
ことにより、洗米作業が完了する。
【0080】前述のような米粒の処理によれば、精米作
業あるいは研米作業において、不要な米糠などが米粒か
ら分離されるので、これらの作業に引き続いて精米機1
を用いて洗米作業を行なう場合、あるいは精米機1を用
いることなく手作業で洗米作業を行なう場合にも、濯ぎ
水に溶け出す米糠の量を最小限に押さえることができ
る。これにより、洗米作業において米粒から分離して濯
ぎ水に溶け出した米糠を含んだ水を米粒が再び吸い込ん
で、米粒が糠臭くなることを抑制できる。よって、これ
らの精米、研米、および洗米作業をした後の炊飯の際に
おいても、米の風味を損うおそれを極めて低くできる。
【0081】以上説明したように、掻き回し具7に制限
部53を取り付けた本実施形態の精米機1によれば、分
離かご5内に収容される玄米の量が少量の場合、それら
玄米群を分離かご5内の縁部に寄せるとともに、高く積
層させて、それら玄米群の上方の隙間を小さくできる。
よって、精米機1を作動させて、掻き回し具7が回転し
ている最中に、玄米が飛び跳ねて欠けたり、割れたりす
るのを抑制しつつ、ブレード41の径方向外側の部分で
遠心力を効率よく利用して玄米をまんべんなく掻き回す
ことができる。それとともに、掻き回し具7と制限部5
3との接続部分、および制限部53の下端部56とかご
底壁33bの内面との隙間は、ここから内側に米粒が入
らない程度の大きさに形成されているので、玄米を無駄
なく掻き回すことができる。これにより、分離かご5内
に収容される玄米の量が少量であっても、米粒の損傷を
抑制しつつ、米粒同士の擦れ合う回数、および擦れ合っ
ている時間を増やすことができるので、精米する米粒が
少量でも、糠取り、研米、あるいは洗米などの米粒の処
理を短時間で行ない、高品質の白米を得ることができ
る。
【0082】次に、本発明の第2の実施の形態に係る穀
粒処理装置用アタッチメント102を取り付けて用いる
同じく本発明の第2の実施の形態に係る穀粒処理装置1
01を、図7〜図9に基づいて説明する。
【0083】この第2実施形態の穀粒処理装置としての
精米機101は、穀粒処理装置用アタッチメント102
が、前述の第1実施形態の穀粒処理装置用アタッチメン
ト2と異なっているだけで、その他の構成、作用、およ
び効果はすべて同じである。よって、その異なっている
部分だけについて説明し、その他のすべての説明は省略
する。また、図面についても、精米機1の斜視図をはじ
めとする、同一の構成部分の図面は省略し、本実施形態
の穀粒処理装置用アタッチメント102の特徴をよく理
解することのできる図面のみを示し、これらの図7〜図
9において、前述の第1実施形態と同一部分には同一符
号を付してある。
【0084】本実施形態の穀粒処理装置用アタッチメン
ト102は、図9に示されているように、その中心部に
掻き回し具7が貫通し、かつ、嵌合するための掻き回し
具嵌合孔103が開けられている中空の薄い円板形状に
形成されている制限部104のみから構成されている。
この掻き回し具嵌合孔103の内径は、掻き回し具本体
39の外径よりも僅かに大きく形成されており、掻き回
し具本体39に、その軸線上上方から嵌合できるように
なっている。それとともに、制限部104と掻き回し具
7とは、掻き回し具本体39の外周面上から突出されて
設けられている位置決め凸部106によって、互いに軸
方向および周方向にずれないように係合し合っている。
【0085】また、制限部104は、図7および図8に
示されているように、その外径が分離かご5の内径より
も僅かに小さく形成されており、前述のように掻き回し
具7に取り付けられた際に、制限部104の外周部と分
離かご5のかご周壁33aの内面33cとの隙間を米粒
が通過し難い大きさに形成されている。
【0086】また、本実施形態の制限部104の軸方向
に沿った一側面の外周部には、径方向内側から外側に向
かうに連れて肉薄となるテーパ状面105が形成されて
いる。制限部104を掻き回し具7に取り付ける際に
は、このテーパ状面105が上側を向くように掻き回し
具7に取り付ける。これにより、精米などの作業中に、
米粒が制限部104の外周部と分離かご5のかご周壁3
3aの内面33cとの隙間を通過して制限部104の上
側に押し出されても、その米粒は掻き回し具7と一体に
回転している制限部104の遠心力によって、制限部1
04の外周部まで押し出され、そこに形成されているテ
ーパ状面105の沿って制限部104の下方に落され
る。よって、分離かご5内に収容されている米粒を、図
8中実線矢印で示されているような向きに沿って、まん
べんなく掻き回すことができる。
【0087】この第2実施形態の精米機101は、以上
説明した点以外は、すべて第1実施形態の穀粒処理装置
1と同じであるので、この第2実施形態の精米機1を用
いることにより、本発明の課題を解決できるのは勿論で
あるが、前記構成の穀粒処理装置用アタッチメント10
2を備えた第2実施形態は、以下の点で優れている。
【0088】本実施形態の穀粒処理装置用アタッチメン
ト102は、掻き回し具7に、その軸線上上方から取り
付ける落とし蓋方式の制限部104から構成されてい
る。これにより、玄米群の上方の隙間を、殆ど消失させ
ることができる。よって、精米作業中などに米粒が掻き
回されて、上方に飛び跳ねて、米粒が欠けたり、割れた
りするのをより抑制できる。
【0089】次に、本発明の第3の実施の形態に係る穀
粒処理装置用アタッチメント202を取り付けて用いる
同じく本発明の第3の実施の形態に係る穀粒処理装置2
01を、図10〜図12に基づいて説明する。
【0090】この第3実施形態の穀粒処理装置としての
精米機201は、穀粒処理装置用アタッチメント202
が、前述の第1実施形態の穀粒処理装置用アタッチメン
ト2と異なっているだけで、その他の構成、作用、およ
び効果はすべて同じである。よって、その異なっている
部分だけについて説明し、その他のすべての説明は省略
する。また、図面についても、精米機1の斜視図をはじ
めとする、同一の構成部分の図面は省略し、本実施形態
の穀粒処理装置用アタッチメント202の特徴をよく理
解することのできる図面のみを示し、これらの図10〜
図12において、前述の第1実施形態と同一部分には同
一符号を付してある。
【0091】本実施形態の穀粒処理装置用アタッチメン
ト202は、図11および図12に示されているよう
に、掻き回し具7、第1実施形態の制限部53、および
第2実施形態の制限部104が一体に形成されて構成さ
れている。また、本実施形態において制限部104は、
その厚さが均一に形成されている。それとともに、制限
部104には、その軸方向に沿った両端面を貫通すると
ともに、その軸方向に対して捩られて、通気部としての
空気スリット203が複数個、制限部104の周方向に
沿って断続的に設けられている。
【0092】具体的には、本実施形態においては、制限
部104に空気スリット203が8個開けられており、
ファン部204を形成している。これらの空気スリット
203は、図10中実線矢印で示されている穀粒処理装
置用アタッチメント202の回転する向きに沿って、そ
れぞれの上端開口203bが、それぞれの下端開口20
3aよりも上流側に位置するように開けられている。こ
れにより、図12中実線矢印R1で示す向きに、掻き回
し具7が回転すると、制限部104も、図12中実線矢
印R2で示す向きに、掻き回し具76と一体に回転す
る。この際、ファン部204の回転により、各空気スリ
ット203を通して、それらの上端開口203b側から
下端開口203a側に向けて空気が対流される。
【0093】この第3実施形態の精米機201は、以上
説明した点以外は、すべて第1実施形態の穀粒処理装置
1と同じであるので、この第3実施形態の精米機1を用
いることにより、本発明の課題を解決できるのは勿論で
あるが、前記構成の穀粒処理装置用アタッチメント20
2を備えた第3実施形態は、以下の点で優れている。
【0094】本実施形態の穀粒処理装置用アタッチメン
ト202は、掻き回し具7と、制限部53および制限部
104とが一体に形成されているので、部品点数を少な
くできるとともに、軽量化できる。また、分離かご5内
に収容された米粒を、制限部53によって分離かご5内
の縁部に形成されている収容室Fに寄せることができる
とともに、制限部104によって米粒群の上方の隙間を
塞ぐことができる。よって、極少量の玄米を精米する場
合においても、図12中実線矢印で示されているよう
に、精米作業中に米粒が対流している際に、米粒が飛び
跳ねて欠けたり、割れたりするのをさらに効果的に抑制
できる。
【0095】さらに、精米機201の作動中において、
図11中実線矢印で示されているように制限部104の
下方で掻き回されている米粒に熱が溜まっても、制限部
104に形成されているファン部204が、図11中二
点鎖線の矢印で示されているように、容器4内の空気を
積極的に対流させることにより、制限部104の上方か
らその下方の米粒群に向けて空気を吹き付ける。これに
より、収容室F内で掻き回されている米粒がもつ熱が、
分離かご5の周壁33aに設けられている周壁分離孔3
6を通して分離かご5の外部に逃される。この熱は、図
12中破線矢印で示されているように、蓋6に設けられ
ている複数の通気孔50を通して容器4の外部に逃され
る。また、以上説明したような放熱作用により冷却され
た容器4内の空気は、前述と同様にして、精米作業中は
ファン部204により米粒群に向けて吹き付けられる。
よって、精米作業中に米粒が熱を帯びることによって、
米粒が割れたり、欠けたり、あるいは米粒がもつ風味が
損われるおそれを極めて効果的に抑制できる。
【0096】なお、本発明は前記第1〜第3の実施の形
態には制約されない。例えば、穀粒処理装置1,10
1,201は、米粒だけではなく、麦や蕎麦などの処理
にも用いることができる。この場合、分離かご5を、こ
れが有する周壁分離孔36および底壁分離孔37の大き
さを、処理する穀粒の大きさや形状に合わせて形成した
複数の種類を用意することによって、穀粒の種類に応じ
た様々な処理を丁寧に、かつ、容易に施すことができ
る。
【0097】また、制限部53、および制限部104
は、分離かご5内に収容される穀粒の量に応じて、サイ
ズの異なる複数のものを予め用意しておいても構わな
い。これにより、より丁寧に穀粒の処理を行なうことが
できる。
【0098】さらに、掻き回し具7が有するブレード4
1の数は、2本ではなく、3本や4本でも構わない。ま
た、ブレード41の各面41a〜41cの表面も、凸起
部41dを設けるだけではなく、波状のスリットを設け
たりしても構わない。
【0099】また、第3実施形態の穀粒処理装置用アタ
ッチメント202は、掻き回し具7と制限部53とだけ
を一体に形成し、第2実施形態と同様に、制限部104
をそれらとは別体に形成しても構わない。この場合、第
2実施形態と同様に、一体に形成された掻き回し具7お
よび制限部53の外周面上から位置決め凸部を突出して
設け、この位置決め凸部によって掻き回し具7および制
限部53と制限部104とが互いに軸方向および周方向
にずれないように係合させればよい。
【0100】また、既存、もしくは駆動モータ10の回
転数を調理用と精米用とに切り替え可能なスイッチを有
する新たなフードプロセッサに、前述の第1〜第3実施
形態の穀粒処理装置用アタッチメント1,102,20
2を取り付けることができるようにしても構わない。こ
の場合、前述と同様にして、精米あるいは糠取りなどの
処理を施すことができるので、既存、もしくは新たなフ
ードプロセッサの汎用性を高めることができる。
【0101】さらに、本発明の穀粒処理装置用アタッチ
メント2は、例えば、以下のような装置にも適用でき
る。すなわち、装置本体3の容器載置部9に着脱自在に
載置される容器4の上側に、蓋6を貫通して装置本体6
の駆動機構15によって回転されるとともに、上下動可
能な回転軸29を下向きに設けて、この回転軸29に掻
き回し具7を接続して、さらにこの掻き回し具7に穀粒
処理装置用アタッチメント2を取り付けて、容器4内に
挿脱自在に収容される分離かご5に、その上方から回転
軸29、掻き回し具7、および穀粒処理装置用アタッチ
メント2を挿入するとともに、容器4と装置本体3とを
連結して、この状態で駆動機構15を作動させることに
よって、玄米などの精穀および米糠の除去などを同時に
行なう穀粒処理装置1にも適用できる。この場合には、
容器4には回転軸29を設ける必要がないとともに、分
離かご5のかご底壁33bにも回転軸29が貫通する孔
部を設けなくてもよい。よって、容器4および分離かご
5の製造が簡単にできる。
【0102】
【発明の効果】請求項1〜6に記載の発明に係る穀粒処
理装置用アタッチメント、およびこれらの穀粒処理装置
用アタッチメントを取り付けて用いる請求項7に記載の
発明に係る穀粒処理装置によれば、それらのアタッチメ
ントが有している制限部により、少量の穀粒でも積層を
多くして穀粒同士の接触の機会を増やしたり、あるいは
穀粒が自由に動き得る空間を消失ないしは減少させるこ
とができる。よって、少量の穀粒について糠取り、洗
米、あるいは研米などの穀粒の処理を行なう場合におい
て、処理する穀粒の損傷を抑制しつつ短時間で処理でき
るアタッチメント、およびこのアタッチメント取り付け
て使用する穀粒処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る穀粒処理装置
を示す斜視図。
【図2】図1に示されている穀粒処理装置を示す平面
図。
【図3】図1に示されている穀粒処理装置を示す断面
図。
【図4】図1に示されている穀粒処理装置の装置本体以
外の構成を分解して示す断面図。
【図5】(A)は、図1に示されている穀粒処理装置が
備える掻き回し具を示す斜視図。(B)は、図5(A)
に示されている掻き回し具を示す下面図。
【図6】図1に示されている穀粒処理装置に用いられる
本発明の第1の実施の形態に係る穀粒処理装置用アタッ
チメントが備える第1制限部材を示す斜視図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る穀粒処理装置
を示す平面図。
【図8】図7に示されている穀粒処理装置を示す断面
図。
【図9】図7に示されている穀粒処理装置に用いられる
本発明の第2の実施の形態に係る穀粒処理装置用アタッ
チメントが備える第2制限部材を示す斜視図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る穀粒処理装
置を示す平面図。
【図11】図10に示されている穀粒処理装置を示す断
面図。
【図12】図10に示されている穀粒処理装置に用いら
れる本発明の第3の実施の形態に係る穀粒処理装置用ア
タッチメントを示す斜視図。
【符号の説明】
1,101,201…精米機(穀粒処理装置) 2,102,202…穀粒処理装置用アタッチメント 3…装置本体 4…容器 4a…容器上端開口 4e…容器内面 5…分離かご 5a…分離かご上端開口 6…蓋 7…掻き回し具 15…駆動機構 29…回転軸 33a…分離かご周壁 33c…分離かご周壁内面(分離かご内周面) 33d…分離かご底壁内面 36…周壁分離孔 41…ブレード 53,104…制限部(穀粒処理装置用アタッチメン
ト) 53a…制限部外周面 56…制限部下端部 56a…制限部下端面 57…掻き回し具係合部(接続部) 203…空気スリット(通気部) 204…ファン部 C…糠室(分離室) F…収容室(収容領域)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀粒を収容する分離かごの内部に収容さ
    れた前記穀粒を、前記分離かごの内部において回転する
    掻き回し具で掻き回すことにより所定の処理を施す穀粒
    処理装置用のアタッチメントであって、前記分離かごの
    内部に出し入れ自在に取り付けられて、前記分離かごの
    内部に収容された前記穀粒群の上面より上方の実質的な
    前記分離かごの内容積を減じる制限部を有していること
    を特徴とするアタッチメント。
  2. 【請求項2】 前記制限部は、前記分離かご内の中央部
    に配置される円筒形状をなし、この制限部の外周面と前
    記分離かごの内周面との間に前記穀粒の収容領域を形成
    することを特徴とする請求項1に記載の穀粒処理装置用
    アタッチメント。
  3. 【請求項3】前記制限部に、前記掻き回し具に着脱自在
    に接続される接続部を設けて、前記掻き回し具と一体に
    回転することを特徴とする請求項1または2に記載の穀
    粒処理装置用アタッチメント。
  4. 【請求項4】 前記接続部が、円筒形状の前記制限部の
    下端に開放されて前記掻き回し具のブレードに嵌合する
    ものであって、このブレードと前記接続部との間の隙
    間、および前記制限部の下端面と前記分離かごの底壁内
    面との間の隙間を、1mm以下としたことを特徴とする
    請求項3に記載の穀粒処理装置用アタッチメント。
  5. 【請求項5】 前記制限部は、前記分離かごの内部に収
    容された前記穀粒群の上側に配設されて、前記分離かご
    の実質的な内容積を上方から制限することを特徴とする
    請求項1または3に記載の穀粒処理装置用アタッチメン
    ト。
  6. 【請求項6】 前記制限部が前記掻き回し具と一体に回
    転されるとともに、この制限部に、それより上側の空気
    を前記掻き回し具の回転にともなって前記分離かご内の
    前記穀粒に向けて送風する斜めの通気部を有するファン
    部を設けたことを特徴とする請求項5に記載の穀粒処理
    装置用アタッチメント。
  7. 【請求項7】 回転軸を回転させる駆動機構が内蔵され
    た装置本体と、この装置本体に一体にもしくは着脱自在
    に設けられ、前記回転軸が内部に突設されるとともに、
    上端が開口されている容器と、 この容器の内部に上方から挿脱自在に配置されて前記容
    器の内面との間に分離室を形成するとともに、前記回転
    軸が内側に突出され、かつ、周壁に前記穀粒の大きさよ
    りも僅かに小さい複数の分離孔が設けられた上端が開口
    されている分離かごと、 この分離かごおよび前記容器のそれぞれの上端開口を開
    閉する蓋と、 前記容器および前記分離かごの内側において前記回転軸
    に着脱自在に取り付けられて前記回転軸と一体に回転さ
    れる掻き回し具と、 前記請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のアタッ
    チメントと、 を具備することを特徴とする穀粒処理装置。
JP34772499A 1999-12-07 1999-12-07 穀粒処理装置用アタッチメントおよび穀粒処理装置 Pending JP2001162181A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34772499A JP2001162181A (ja) 1999-12-07 1999-12-07 穀粒処理装置用アタッチメントおよび穀粒処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34772499A JP2001162181A (ja) 1999-12-07 1999-12-07 穀粒処理装置用アタッチメントおよび穀粒処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001162181A true JP2001162181A (ja) 2001-06-19

Family

ID=18392170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34772499A Pending JP2001162181A (ja) 1999-12-07 1999-12-07 穀粒処理装置用アタッチメントおよび穀粒処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001162181A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100718325B1 (ko) * 2003-11-17 2007-05-15 청비룡 주식회사 정곡장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100718325B1 (ko) * 2003-11-17 2007-05-15 청비룡 주식회사 정곡장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5250428B2 (ja) 撹拌手段を持つ調理器具および関連する方法
KR100888091B1 (ko) 마늘 박피기
JP2001162181A (ja) 穀粒処理装置用アタッチメントおよび穀粒処理装置
KR102370467B1 (ko) 구황작물 박피장치
JP2009220073A (ja) 胚芽付き搗精米、搗精用部材、撹拌式精米機および胚芽付き搗精米の製造方法
JP3514988B2 (ja) 穀類用粉取り器とそのアタッチメント
JP2000218181A (ja) 穀粒処理装置
JP3657797B2 (ja) 穀粒処理装置とそのかき回し具
JP3683730B2 (ja) 穀粒処理装置
JP3600748B2 (ja) 穀粒処理装置
JP3657796B2 (ja) 精米機
JP2002066354A (ja) 穀粒処理装置
JP2000218177A (ja) 穀粒処理装置
JP3631909B2 (ja) 穀粒処理装置とそのかき回し具
CN113679254A (zh) 包括带有蒸汽喷射的搅拌叶片的烹饪设备
JP3657799B2 (ja) 穀粒処理装置
JP2001293383A (ja) 穀粒処理装置
JP3514989B2 (ja) 調理器
JP3751808B2 (ja) 穀粒処理装置
KR101432576B1 (ko) 자동 감자 박피기
JP3683729B2 (ja) 洗米機能を有する精米機
JP2001259443A (ja) 精米器
JP2002292293A (ja) 家庭用精米器
JPH09239280A (ja) 洗米器
JP2001096176A (ja) 研米機