JP3657797B2 - 穀粒処理装置とそのかき回し具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、玄米、白米、麦、蕎麦等の穀粒の糠(胚芽や糠層及びでん粉層のうち穀粒から剥離したもの、又は種皮等の混ざった微紛物等であって、以下「糠」と略称する。)を乾式構造によって取り去る家庭用精米機等の穀粒処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭用精米機の中には、回転軸を回転させる駆動機構が内蔵された装置本体と、この装置本体に一体的に設けられかつ上端が開口された容器と、多数の分離孔を有するとともに、前記容器の内面との間に糠室を形成して前記容器内に出し入れ可能に収容される分離かごと、前記容器内の中央部に配設される回転軸に着脱可能に取付けられて前記分離かご内で回転されるかき回し具と、を具備したものが提供されている。この精米機のかき回し具は、回転軸に嵌合して取付けられる合成樹脂製のかき回し具本体と、この本体の半径方向に突出された2枚の精米はねとから形成されており、両精米はねはいずれもその根元部において捻られていて斜めとなっている。
【0003】
この精米機によれば、分離かご内に収容した玄米をかき回し具の回転により分離かご内でかき回し、それに伴って米同士を擦り合わせながら玄米から生じる糠を分離かごの分離孔に通して前記糠室に分離し、玄米を精米できる。
【0004】
しかし、既述のようにかき回し具の半径方向に突出している精米はねは、玄米を分離かごの内周面に向けて押出す面を有していないため、前記精米にあたって玄米の動きをある程度制限しつつ玄米同士を擦り合わせる作用が低く、しかも、この精米はねはかき回し具本体の半径方向に延びているので、かき回しに伴って玄米に与える衝撃が大きく、玄米を破損し易い傾向があり、しかも、精米はねが捻られていることによって、精米量が少ない場合には玄米が上方へ弾かれ易く、したがって、玄米の精白度や低い場合(7分つき以下)には、精白むらを生じ易い。
【0005】
そこで、こうした問題を改善するために本発明者は、回転軸に取付けられるかき回し具本体と、この本体に片持ち支持された一枚以上のブレードとを備え、かつ、ブレードが分離かごの内周面に対向する垂直状の材料押し出し面を有するとともに、ブレードの自由端に行く程材料押し出し面と分離かごの内周面との間の距離が狭まるように設けられるかき回し具を開発し、特願平10−327997号として既に出願済みである。
【0006】
このかき回し具を備えた精米機によれば、ブレードの材料押し出し面で玄米を分離かごの内周面に押付けることができるので、玄米同士の擦れ合い強くなるとともに、玄米と分離かごの内周面及びブレードとの擦れ合いも強くなるので、精米作用を向上でき、しかも、玄米に与える衝撃を緩和して玄米の破損を少なくできるとともに、玄米を弾き上げる斜面がないので、玄米が少量の場合でも精白むらを少なくできる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記かき回し具はモータの動力により高速回転(例えば2400rpm〜3000rpm)されるので、既述のような材料押し出し面を有した片持ち構造のブレードには、高速回転に伴う遠心力が作用する。特に、玄米の量が少ない場合には前記遠心力の影響が大である。又、このかき回し具により分離かご内でかき回されている最中の玄米の密度は一様ではなく、かき回しに従う疎密があり、ブレードの材料押し出し面と分離かごとの間に挟み込まれる玄米の密度が高い場合には、その密度に応じた反作用を受けてブレードはその裏面方向に押される。
【0008】
そのため、既述の玄米の密度のばらつきと遠心力との兼ね合いによって、かき回し具本体に片持ち支持されたブレードは、その表裏(肉厚)方向に不断に変動する力を繰り返し受ける。したがって、こうした繰り返し荷重に拘らず、ブレードが破損しないように配慮する必要がある。
【0009】
本発明が解決しようとする第1の課題は、穀粒のかき回しに伴うブレードの破損を防止できる穀粒処理装置用のかき回し具を得ることにある。
【0010】
又、本発明が解決しようとする第2の課題は、前記第1の課題を解決できる穀粒処理装置を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、中央部に回転軸が配設される上端開口の容器にこの容器内面との間に糠室を形成して出し入れ可能に収容されるとともに多数の分離孔を有した上端開口の分離かご内に配設され、かつ、前記回転軸に取付けられるかき回し具本体と、垂直状の材料押し出し面を有して前記かき回し具本体に片持ち支持されて自由端に行く程前記材料押し出し面と前記分離かごの内周面との間の距離が狭まるように設けられる一枚以上のブレードとを備え、前記分離かご内に収容された穀粒をかき回して前記穀粒から前記糠室に糠を分離する穀粒処理装置用のかき回し具を前提とする。
【0012】
そして、前記第1の課題を解決するために、請求項1の発明は、前記ブレードの断面積の変化を前記ブレードの前記材料押し出し面の裏面側に一体に突出された補強リブの幅の変化に依存させて、前記ブレードの断面積を、前記かき回し具本体のブレード連結部に支持された前記ブレードの根元部よりも前記自由端側程小さくしたことを特徴とするものである。
【0013】
この請求項1の発明において、分離かご内で高速回転されるかき回し具のブレードの根元部には、穀粒のかき回しに伴って遠心力やブレードの裏面方向への力が一番多く作用するが、この根元部の断面積が他の部分より大きいから、前記根元部の強度を高めることができる。それだけではなく、片持ちのブレードの断面積はその根元部よりも自由端側程小さいので、自由端側の質量が小さくなり、それに伴いブレードの根元部に作用する遠心力を軽減できる。しかも、前記断面積の変化に従い、ブレードは自由端側程撓み易くなるので、このブレードの材料押し出し面と分離かごとの間に挟まれる穀粒の密度にしたがってブレードがその裏面方向への荷重を受ける際に、ブレードの自由端部側が容易に撓んで、前記荷重がブレードの根元部に集中しないようにできる。
【0015】
又、請求項1の発明を実施するにあたり、この発明に従属する請求項2の発明のように、前記材料押し出し面の上下両縁に前記材料押し出し面の裏面側に折れ曲がる前記補強リブを有して、長手方向と直交する断面がコの字形状をなす金属板製の前記ブレードを備えるとよい。このようにすると、補強リブの曲げ加工に伴い、これらリブと材料押し出し面とが丸みを帯びて連なり、これらの面の境に急峻なエッジが設けられることがないため、分離かご内周面へのブレードによる穀粒の押し出しにおいて、前記エッジと穀粒の接触がある場合のように必要以上の穀粒が削り取られることを防止できる。
【0016】
又、前記第2の課題を解決するために、請求項3の発明は、回転軸を回転させる駆動機構が内蔵された装置本体と、この装置本体に一体的に設けられ又は前記装置本体とは別体であってこの装置本体に着脱可能に取付けられかつ上端が開口された容器と、多数の分離孔を有するとともに、前記容器の内面との間に糠室を形成して前記容器内に出し入れ可能に収容される分離かごと、前記容器内の中央部に配設される回転軸に着脱可能に取付けられて前記分離かご内で回転される前記請求項1又は2に記載のかき回し具と、を具備したものである。
【0017】
この請求項3の発明において、分離かごは容器内にセットされて、この分離かごと容器との間には糠室が形成され、又、セットされた分離かごの中央部に位置された回転軸にはかき回し具が取付けられる。そして、この発明の穀粒処理装置は、容器が装置本体と一体的である場合には、分離かご内に玄米等の穀粒を適当量投入してから、装置本体の駆動機構を動作させて使用され、又、容器が装置本体とは別体である場合には、この容器を装置本体に取付けるとともに、その前後において分離かご内に玄米等の穀粒を適当量投入してから、装置本体の駆動機構を動作させて使用される。
【0018】
駆動機構の動作により、分離かごの中央部に配設された回転軸及びこの軸に取付けられたかき回し具は、静止状態の分離かご内で回転して、分離かご内に既に投入された玄米等の穀粒をかき回す。このかき回しにおいてブレードは、その材料押し出し面に沿わせて穀粒を逃がし動かしながら、分離かごの内周面に向けて押し動かす。このような穀粒のかき回しに伴い、穀粒の糠が、分離かごに開けられている多数の分離孔を通過して容器と分離かごとの間の糠室に溜められ、分離かご内には糠が取り去られた米等の穀粒が残される。そして、かき回し具は前記請求項1又は2の内のいずれかに記載の発明に係るものであるから、このかき回し具のブレードが前記かき回しにおいて破損することを既述のように防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る精米機について図1〜図12を参照して説明する。この精米機は、装置本体と、これに着脱される穀粒処理アタッチメントとから形成される。
【0020】
図1〜図3中1は合成樹脂製の装置本体である。装置本体1は、ボディケース1aと、ボトムケース1bと、トップカバー1cとを連結して組立てられている。図3に示されるように装置本体1内には金属製の支持板2が水平な姿勢で配置されている。装置本体1は台状をなす容器載置部3を有し、この載置部3から外れた位置にはトップカバー1cで上方から覆われる駆動モータ4が内蔵され、このモータ4は支持板2に取付けられている。
【0021】
図3に示されるように支持板2にはこれに連結された軸受ホルダ6を介して軸受7が取付けられ、軸受7にはこれを貫通する出力軸8が垂直な姿勢で回転自在に支持されている。出力軸8の上端部は、上面が開口された容器載置部3の凹部3a内中央部に突出され、この上端部には駆動側カップリング9が取付けられている。
【0022】
駆動モータ4のモータ軸4aの下端部は支持板2を下方に貫通しており、このモータ軸4aと出力軸8とは伝動手段を介して連結されている。装置本体1に内蔵された駆動モータ4、出力軸8、及び伝動手段は駆動機構10をなしている。前記伝動手段は、例えばモータ軸4aに固定された駆動プーリ11と、出力軸8の下端部に固定された減速用従動プーリ12と、これら両プーリ11、12にわたって巻き掛けられたベルト13とから形成されている。
【0023】
図1及び図2に示されるようにトップカバー1cの上面壁は操作パネルとして用いられており、この壁にはタイマースイッチ14と洗米スイッチ15とが取付けられている。精米される玄米の量に応じた精米時間を設定するタイマースイッチ14はダイアル操作されるものであり、このスイッチ14が操作されたときに出力軸8は前記駆動機構10を介して例えば2400rpm〜3000rpmで回転される。なお、図1及び図2中16は玄米の量と精米時間との目安及び白米量と洗米時間との目安を示したスイッチ設定表であり、この表16にしたがってタイマースイッチ14の目盛り合せがされるとともに、洗米スイッチ15の押圧回数が指定されるようになっている。洗米スイッチ15は押圧されている時間に限って駆動モータ4を運転させる押し釦式のフラッシュスイッチであって、これを押圧操作したときには、前記駆動モータ4への通電回路が切換わって前記出力軸8は前記駆動機構10を介して例えば3500rpmで回転されるようになっている。
【0024】
トップカバー1cの上面壁には容器載置部3側に寄せて中空のスイッチ凸部17が上方へ突出して一体に形成されて、この凸部17の上端部側面には図1に示される開口17aが開けられている。スイッチ凸部17の内部には開口17aに臨んで図示しないスイッチ連動部材が収容されていて、この連動部材は、開口17aに挿入される後述のスイッチ操作凸部54により押し動かされ、それに伴い装置本体1に内蔵された図示しない常開の安全スイッチをオンさせるものである。この安全スイッチがオンした状態でのみ前記両スイッチ14、15の操作が有効、つまり、駆動モータ4への通電が実現されるようになっている。なお、図3中18はモータ軸4aの上端部に連結されたモータ冷却用のファンを示している。
【0025】
次に、穀粒処理アタッチメントについて説明する。このアタッチメントは図4等に示されるように容器21と、分離かご31と、かき回し具41と、蓋51とを備えている。
【0026】
すなわち、図1〜図3に示されるように容器載置部3上には、上面が開口された合成樹脂製や透明ガラス製の有底円筒状容器21が、その下面に連結された容器台22を前記凹部3aに着脱可能に嵌合して取付けられている。容器21は、その周壁21bの外周面から例えば一体に突設された把手23を有しているとともに、この把手23から180°離れた開口縁に径方向外側に突出する注ぎ口24を有している。把手23は例えば側面視コ字状をなしているが、これに限るものではない。図3に示されるように注ぎ口24の先端部下面は平面で形成されている。
【0027】
図3〜図5に示されるように容器21の底壁21aの中央部には、これを貫通して軸受ホルダ25が取付けられ、このホルダ25の下端部には容器台22が連結されている。軸受ホルダ25に内蔵された軸受26には、その中央部を上下方向に貫通して回転軸27が垂直な姿勢で支持されている。回転軸27は容器21の中央部に配置されており、その下端部には、容器載置部3への容器21の着脱に伴って前記カップリング9に着脱自在に噛み合い係合する被動側カップリング28が取付けられている。回転軸27の軸受26より上側部分は駆動軸部27aをなしている。
【0028】
軸受ホルダ25は容器21内に位置されるホルダ嵌合部25aを有している。この嵌合部25aは回転軸27と同心の円形の環状フランジ部からなる。又、本実施形態では洗米をする関係から容器21は水密構造となっている。そのために、図5に示されるように底壁21aと軸受ホルダ25との間に環状の防水パッキング29が挟み込まれているとともに、軸受ホルダ25の上端部内面と軸受26と回転軸27との間に、回転軸27が摺接する環状の防水パッキング30が設けられている。
【0029】
容器21に出し入れ自在な分離かご31は、図5、図6等に示されるように上面が開口された金属製のかご本体32と、合成樹脂製の中心筒体33とから形成されている。なお、かご本体32を合成樹脂製とする場合には中心筒体33を一体に形成できる。
【0030】
かご本体32は、円筒形状のかご周壁32aの下端にかご底壁32bを一体に設け、かつ、かご周壁32aの上端開口縁にその周方向に連続しかつ外側に向けて水平状に張り出す環状の張出しフランジ34を一体に設けて形成されている。このかご本体32の張出しフランジ34を除いたかご主部は、容器21よりも小径であるとともに、容器21の深さよりも短い有底円筒形状をなしている。外側に水平状に突出する張出しフランジ34は、その外周部34aが容器21の上端開口縁21cに上側から引っ掛る大きさに形成されている。この張出しフランジ34は一部に回り止め部としての蓋係合凸部34bを有しており、この凸部34bは本実施形態においては前記注ぎ口24に被さるようになっている。なお、張出しフランジ34の外周部34aには、その全周に亘って連続する折り返しが下面側に折り曲げられていて、板金のエッジに指が触れないように外周部34aの端が丸みを帯びた構成となっている。
【0031】
図5に代表して示されるように分離かご31のかご周壁32aにはその略全域にわたり多数の分離孔35が開けられているとともに、図6に代表して示されるように分離かご31のかご底壁32bにもその略全域にわたり多数の分離孔36が開けられている。これら分離孔35、36はいずれも分離かご31内に収容されて精白された穀粒例えば白米の通過を妨げる大きさの小穴からなる。
【0032】
図5に示されるように前記中心筒体33は分離かご31のかご底壁32bの中央部を貫通してかご底壁32bにリベット37で止められている。中心筒体33の上下両端はいずれも開放されているが、この筒体33の高さは、分離かご31内に最大規定容量の玄米を収容した場合における玄米群が作る上面より上側に突出される高さに設定されている。それにより、精米時および精米後に分離かご31を傾けて内部の玄米を流出させるときにも、米群が作る上面よりも中心筒体33の上部が上方に突出していて、米が中心筒体33内に入り込まないようにしてある。かご底壁32bの下側に突出した中心筒体33の下端部は、前記ホルダ嵌合部25aに着脱可能に嵌合されるかご嵌合部33aとして用いられている。この嵌合部33aの内径Aとホルダ嵌合部25aの径BとはA≒Bの関係にある。
【0033】
図3に示されるように容器21内において回転軸27には、これに上方から着脱自在に嵌合されて出力軸8の回転にしたがって回転軸27とともに回転されるるかき回し具41が取付けられている。
【0034】
図3、図6、図9〜図12に示されるようにかき回し具41は、合成樹脂の一体成形品からなるかき回し具本体42と、この本体42に内蔵された合成樹脂製又は軽金属製の軸係合部材43と、一枚以上例えば一対のブレード44を備えている。
【0035】
かき回し具本体42は上端が閉じられるとともに下端が開口された筒状をなし、その上端壁の中央部内面から一体に突設された中央筒部42aの下端部に軸係合部材43が連結されている。この部材43は、回転軸27の駆動軸部27aに対して軸方向には着脱自在に嵌合されるとともに、周方向には相対回転しないように係合する(言い換えれば回転軸27と一緒に回転するように引っ掛る)ものである。したがって、かき回し具41は分離かご31の中央部に配置される回転軸27に取付けられて、この回転軸27と一緒に回転されるものであり、この取付け状態では、かき回し具本体42の外周壁と中央筒部42aとの間の環状空隙45に、前記中心筒体33が入り込んで、かき回し具本体42の内外周壁と中心筒体33とが接触しないようになっている。
【0036】
かき回し具本体42の外周面下端部にはブレード44と同数のブレード連結部46が一体に張出して設けられている。これら連結部46は、図9等に示されるように張出し部47の縁に垂直状の連結端部48を一体に設けて形成されている。連結端部48は、平面視略円弧状をなしているとともに、その複数箇所に上下方向に貫通する連結孔48aを有している。
【0037】
一対のブレード44は、その長手方向と直交する断面がコの字形をなすように金属板例えば耐摩耗性に優れるステンレスの薄板を折り曲げてなる。したがって、ブレード44は、玄米がない状態でかご周壁32aと対向する材料押し出し面44aとこの上下に連なった補強リブとしての上下面44b、44cを有しており、材料押し出し面44aと上下面44b、44cとの境界は、急峻なエッジではなく丸みを帯びている。材料押し出し面44aの幅は上下面44b、44cの幅よりも大であり、それにより、材料押し出し面44aはブレード44の中で最大の面積を占めている。そして、各面44a〜44cのいずれにも表側に突出する小さな凸部が略全域に渡って形成されている。
【0038】
これらのブレード44は、その一端部をブレード連結部46の連結端部48の上下両面及び外側面にわたって嵌合するとともに、上下両面44b、44c及び連結孔48aを通ってかしめられる複数のリベット49a、49bを介して連結端部48に連結されている。この連結により両ブレード44は夫々かき回し具本体42に片持ち支持されている。なお、リベット49a、49bに代わる固定具としては、ねじを用いても良いが、リベット49a、49bを用いることは、ブレード44の片持ち状態に弛みを生じる恐れがない点で優れている。一対のブレード44は、図3に示されるように回転軸27にかき回し具本体42を嵌合して取付けた状態で、その下面44cがかご底壁32bに接近して設けられるようになっている。
【0039】
かき回し具本体42に連結された一対のブレード44は、図6に示されるように分離かご31内に配置された状態で上方から見て、分離かご31の中央部からかご周壁32a側に行くほどかご周壁32aの内周面に次第に近付けられている。言い換えれば、ブレード44は、ブレード連結部46側の一端部、すなわち、根元部Eから他端の自由端Fに行くにしたがってかご周壁32aの内周面と材料押し出し面44aとの間の距離(分離かご31の半径方向に沿う距離)を次第に狭めるように、例えば、円弧状に形成されている。なお、図6及び図12中Pはブレード44の材料押し出し面44aがなす円弧の中心を示している。又、本発明においてブレード44は、前記のようにかご周壁32aの内周面と材料押し出し面44aとの間の距離を次第に狭めて設けられるものであれば、直線状のものでもよく、或いは裏面方向に折れ曲がる折り曲げ部を一個所以上有しているものであってもよい。
【0040】
ブレード44と一体の補強リブ、つまり、上下一対の前記上下面44b、44cは、いずれもブレード44の略全長に亘って延びているとともに、これらの材料押し出し面44aの裏面側への突出幅は、ブレード連結部46に連結されたブレード44の根元部E、より正確にはリベット49bが通った根元部分が最も広く、この根元部分よりブレード44の自由端Fに行くほど連続的又は段階的に狭くしてある。それによって、断面コの字形のブレード44の各部の断面積は、ブレード44の根元部Eよりも自由端F側程小さく設定されている。
【0041】
図1〜図3に示されるように前記容器21の上端開口にはこれを開閉する蓋51が着脱可能に取付けられている。透明な合成樹脂からなる蓋51は、略円形をなして容器21の上端開口縁の外側に嵌合するものであって、その外周部に、互いに180°離れて把手引掛け部52と注ぎ口引掛け部53とを夫々設けているとともに、注ぎ口引掛け部53側に寄せてL字状のスイッチ操作凸部54が一体に突設されている。
【0042】
図3、図7、図8に示されるように把手引掛け部52は、蓋51とは別に成形された弾性に富む合成樹脂材の成形品であって、これは、蓋51に一体に形成された部材取付け部51aに嵌着して取付けられている。この引掛け部52は前記把手23の上部に着脱可能に弾性係合する相対向する一対の弾性挟持片52aを有している。分離かご31の回り止めとなる注ぎ口引掛け部53は、蓋51と一体に形成されたものであって、図2に示されるように平面視コ字形であってその中央部は図3に示されるように断面L形の引掛け部位53aをなしていて、この部位53aの裏側(蓋51の中央部側)は開放されている。
【0043】
この蓋51を容器21に取付けるには、まず、かき回し具41及び分離かご31が収容された容器21に対して、注ぎ口引掛け部53が前下がりとなる斜めの姿勢で、その引掛け部位53aを容器21の注ぎ口24の下面に引掛けてから、この注ぎ口24を支点として把手引掛け部52側が下がるように押し下げて回動させればよい。それにより、把手引掛け部52の弾性挟持片52aの弾性変形を伴って、その下端部側が把手23の上部側面を通過し、その通過終了とともに弾性挟持片52aが互いに近付くように弾性復帰して、蓋51を下方に呼び込む力を与えながら把手23の上部を弾性的に挟持するものであり、こうして容器21及び分離かご31を覆って蓋51が取付けられる。こうした容器21への蓋51の取付けによって、容器21の上端開口縁21cと蓋51の周部内面との間に前記張出しフランジ34が挟まれる。又、以上の取付け手順の逆に、把手引掛け部52を押上げて把手23から外した後、注ぎ口引掛け部53を注ぎ口24から外すことにより、蓋51を容器21から取外すことができる。
【0044】
なお、図1〜図3、図7、図8において、符号55は蓋51に一体成形されて把手引掛け部52の上側近傍に張出したカバー凸部であり、把手23を握った片手の親指で押上げるのに適する位置に設けられている。したがって、カバー凸部55を備えることは蓋51を開くときの押上げ操作を親指で容易にできる点で優れている。又、蓋51にはその周部を除く全域にわたって多数の通気孔56が開けられているとともに、中心部裏面には下向きのストッパ突起57が一体に突設されている。米が通過できない程度の小さな通気孔56を設けることは、精米に伴って生じる熱を外部に放出して、精白された米の温度を下げて白米が乾燥し過ぎないようにするために有効である。又、ストッパ突起57は、回転軸27にかき回し具41が正しく取付けられていない場合に、このかき回し具41の上面に当って蓋51の取付けを妨げ、それにより、かき回し具41を適正にセットさせることを余儀なくさせることができる点で有効である。更に、蓋51の周部内面には環状をなすリブ58が設けられ、その先端は前記張出しフランジ34の根元部上面に米の大きさ以下の隙間を設けて近接されており、それによって、張出しフランジ34の上面に米がたまらないようにしている。
【0045】
次に、精穀例えば玄米を精米する場合を説明する。まず、装置本体1に載置された状態、又は装置本体1から外れた状態の穀粒処理アタッチメントの容器21内に、その上端の開口を通して分離かご31を、このかご31の張出しフランジ34が容器21の上端開口縁21cに上方から引っ掛るまで収容する。それにより、分離かご31のかご本体32が容器21内に吊持された状態に収容される。
【0046】
この収容にあたり、張出しフランジ34の蓋係合凸部34bが容器21の注ぎ口24に覆い被さるように、分離かご31は容器21に対して位置合せされる(図6参照)。また、前記収容に際して、分離かご31が有する中心筒体33のかご嵌合部33aが、容器21側のホルダ嵌合部25aの外周に嵌合されるから、これらの嵌合により容器21に対する分離かご31の径方向の芯出しがなされるとともに、中心筒体33内にはホルダ嵌合部25aを有した軸受ホルダ25を軸方向に貫通した回転軸27の駆動軸部27a側が挿入される。
【0047】
こうした分離かご31の収容状態は図5に示される。この収容状態において、かご本体32のかご周壁32aが容器21の周壁21bの内周面から離れて配置されるとともに、かご本体32のかご底壁32bも容器21の底壁21aの内面から離れて配置されるから、かご本体32と容器21との間には、かご本体32側方及び下方にわたって連続するとともに前記各分離孔35、36を通してかご本体32内に連通する空隙、つまり、玄米から分離された糠を溜めるための糠室Cが形成される。そして、この糠室Cの上端開口は容器21の上端開口縁21cに引掛けられた分離かご31の張出しフランジ34によって閉じられている。
【0048】
次に、分離かご31内にその上端開口を通してかき回し具41を収容して、その中央筒部42aを回転軸27の駆動軸部27aに嵌合するとともに、軸係合部材43を駆動軸部27aに係合して取付ける。こうして回転軸27にかき回し具41が取付けられた状態は図6に示される。この取付け状態では、既述のように容器21に対して分離かご31が芯出しされているので、回転軸27に取付けられたかき回し具41のブレード44が分離かご31のかご周壁32aに干渉することがない。
【0049】
この後、所望量の玄米を分離かご31内に収容してから、容器21の上端開口にその把手23及び注ぎ口24を利用して蓋51を既述の取付け手順により被着して、この蓋51を容器21の上端部に取付けて分離かご31の上端開口をカバーするとともに、このかご31の張出しフランジ34を前記上端開口縁21cと蓋51の周部との間に挟み込んで分離かご31を上下方向に動かないように保持する。又、張出しフランジ34の蓋係合凸部34bで覆われた容器21の注ぎ口24には、蓋51の注ぎ口引掛け部53が引掛けられて、この引掛け部53の引掛け部位53aの両側に連なる部分が、蓋係合凸部34bの根元部分D(図6参照)にその幅方向両側から当るように位置されるので、これらの係合によって分離かご31は周方向に回り止めされる。したがって、後述の精米時において分離かご31が不用意に動揺することを防止できる。なお、以上のようにして組立てられた穀粒処理アタッチメントの状態は図3に示されている。
【0050】
次に、このアタッチメントを、装置本体1に取付ける。この場合、予め装置本体1の容器載置部3に容器21が載置してある場合にも、又、装置本体1から外れた状態で前記アタッチメントを組立てた場合でも、はじめは、図1及び図3に示されるように容器21の把手23が装置本体1のトップカバー1cとは逆側に位置する姿勢で容器載置部3に載せた後に、図1中矢印方向、つまり、把手23がトップカバー1c側に寄せられるように前記アタッチメント全体を回動させることにより、装置本体1への取付けが行われる。この取付け完了の状態は図2に示されている。この取付け状態では、図3に示されるように駆動側カップリング9と被動側カップリング28とが互いに噛み合わされて、装置本体1側からかき回し具41への動力伝達が可能な状態に接続されるとともに、前記凹部3aの内周面と前記容器台22の外周面との図示しない引っ掛りにより、容器21が容器載置部3の上方へ抜け出すことが防止されている。又、蓋51のスイッチ操作凸部54が、図2に示されるように装置本体1のスイッチ凸部17の開口17aに入り込んで、図示しない安全スイッチがオン状態に保持される。
【0051】
そして、以上のセット完了後に、分離かご31内に投入された玄米の量に応じて精米スイッチ、つまり、タイマースイッチ14のタイマ時間を設定することにより、以下のような乾式構造による糠の分離、つまり、精米(精穀)ないしは研米(研穀)が実施される。
【0052】
すなわち、装置本体1内の駆動機構10が動作され、その出力軸8の回転がカップリング9、28を介して回転軸27に伝達されて、この軸27とともにかき回し具41が分離かご31内で回転される。図6中矢印は回転方向を示す。そのため、このかき回し具41の一対のブレード44の材料押し出し面44aによって、分離かご31内の米は回転力を受けながらかご周壁32aに向けて押出される。こうした分離かご31内でのかき回し具41の高速回転によって、分離かご31内の玄米がかき回されるから、この米の回転運動による遠心力の働きに伴い、分離かご31内の玄米はそれが通過不能な多数の分離孔35が開けられているかご周壁32aの内周面に押付けられながら回転する。
【0053】
この場合、ブレード44が、かき回し具41の中央部から外周部に行くほど分離かご31のかご周壁32aの内周面に次第に近づくように回転方向に対して後退する形状例えば円弧状をなしているから、ブレード44における材料押し出し面44aの円弧状外面に沿って容易に米が逃げ動くことを許すことができる。そのため、分離かご31のかご周壁32aと対向するブレード44の材料押し出し面44aに米が当接する際の衝撃力を和らげて米の破損を少なくしつつ、ブレード44によって米をかご周壁32aの内周面に向けて円滑に押出して、それにより、米をかご周壁32aの内周面に押付けながら米を分離かご31内でかき回すことができる。
【0054】
更に、材料押し出し面44aの面積は上下面44b、44cの面積よりも大きく、ブレード44の中で最大であり、このような大きな押し出し面積によって米をかご周壁32a方向に押出すから、かき回し具41の回転に伴うかご周壁32a方向へのブレード41による米の押し出しがより容易に行われ、したがって、分離かご31内での米のかき回し性能がよい。しかも、ブレード44の材料押出し面44aとこれに連なった上下面44b、44cとの境には急峻なエッジがなく、前記境は丸みを帯びているので、かき回される玄米が前記境によって必要以上に削り取られることを防止できる。なお、前記境が急峻なエッジとなっている場合には、ブレード44の回転に伴ってかご周壁32a方向へ押出されようとする米が、前記エッジとの接触により必要以上に削り取られてしまう。
【0055】
前記のようにかき回し具41の回転に伴って高速で回転される米は、遠心力の作用によって静止状態の分離かご31のかご周壁32aの内周面に押付けられながら回転しつつ、かご周壁32aの内周面の上部側に向けて移動した後、重力によって分離かご31の中央部側においてかご底壁32b方向に移動されるから、分離かご31内の米は上下方向に対流(図3中矢印で示す)しながらまんべんなくかき回される。
【0056】
したがって、こうしたかき回しに伴う玄米同士の擦れ合い、及び玄米と分離かご31及びかき回し具41との擦れ合いにより、はじめに玄米の糠層が取除かれる精米が行われ、この後に引続いて精白された米(白米)に対する前記糠取り(研米)が行われる。同時に、生成された糠に対する遠心分離作用が、かご周壁32aに設けられた各分離孔35において働き、糠は分離孔35を通過してかご周壁32aと容器21との間の糠室C部分に至り、この部分から容器21の底部の糠室C部分に溜められる。同様に、ブレード44でかご底壁32bに沿って押し動かされる玄米についても、かご底壁32bに設けられた米の通過を妨げる多数の分離孔36において糠を米から分離でき、これら分離孔36を通って分離された糠は容器21の底部の糠室C部分に溜められる。そして、このような米糠の分離に伴って、分離かご31内には糠が取り去られた米が残される。この場合、玄米とブレード44の各面44a〜44cとの擦れ合いにおいては、各面44a〜44cに設けた小凸部によって玄米の表皮層を効率よく擦ることができるので、精米に要する時間、ひいては精米から研米が完了するまでの穀粒の乾式処理時間を短くできる。
【0057】
しかも、本実施形態のかき回し具41の円弧状をなすブレード44は、そのかき回し具本体42側(回転方向前側)の端部のみをかき回し具本体42に連結してこの本体42に対して片持ち支持されていて、ブレード44の回転方向後側は自由端となっていてかき回し具本体42には連結されていない。そのため、ブレード44の両端や中間部を複数本のリブでかき回し具本体42に支持する場合のように、米から分離される糠が付着する部分(前記リブ)が少ないので、かき回し具41への糠の付着を少なく抑制できるものであり、したがって、使用後におけるかき回し具41の清掃を容易化できる。
【0058】
その上、ブレード44を片持ち支持したことにより、ブレード44の自由端部側とかき回し具本体42との間に図6中符号Sで示すスペースを確保できる。そのため、ブレード連結部46によって覆われるかご底壁32bの分離孔36が少なくなり、したがって、スペースSに位置される米とかご底壁32bの分離孔36との接触の機会が大きくなるから、分離孔36での糠の分離性能を向上できる。
【0059】
ところで、既述の精米動作において、分離かご31内で高速回転されるかき回し具41のブレード44は、玄米のかき回しに伴って遠心力が作用するとともに、既述のようにブレード44の材料押し出し面44aと分離かご31の内周面との間に挟まれる玄米の密度にしたがってブレード44の裏面方向への力を受ける。これら遠心力と前記裏面方向への力の作用方向は互いに逆であるから、かき回し具41に片持ち支持されたブレード44の根元部Eには、その表裏方向に繰り返し荷重が一番多く作用する。
【0060】
しかし、ブレード44の耐久性は以下の理由により優れているから、前記繰り返し荷重に拘らずブレード44の根元部Eでの破損を確実に防止できる。
【0061】
すなわち、ブレード44自体の強度を補強する補強リブとしての上下面44b、44cの幅を、ブレード44の根元部Eよりも自由端F側に行く程次第に狭くしたことにより、結局のところ、ブレード44の長手方向と直交する方向に沿う前記根元部Eの断面積を、他の部分よりも大きく確保して、前記根元部Eの強度を高めることができる。加えて、片持ちのブレード44の断面積は前記根元部Eよりも自由端F側程小さいので、自由端F側の質量が少なくなり、それにしたがって前記根元部Eに作用する遠心力を軽減できる。その上、前記断面積の変化に従い、ブレード44はその自由端F側程撓み易くなるので、このブレード44の自由端F側がその裏面方向への荷重を受ける際に、前記自由端F側が容易に撓んで、前記荷重がブレード44の根元部Eに集中しないようにできる。
【0062】
以上のようにブレード44の根元部Eの強度が大きいこととあいまって、玄米のかき回しに伴って前記根元部Eに作用する繰り返し荷重を小さくできるので、ブレード44の根元部Eの耐久性が向上されて、ブレード44がその根元部Eにおいて破損することを確実に防止できる。
【0063】
なお、前記ブレード44の構成とは異なり、材厚が厚くかつ上下面の幅が一様なブレード、言い換えれば、ブレードの各部の断面積がどの部分でも同じブレードを採用する場合には、その自由端側の質量が増えて、その分遠心力が大きくなるとともに、自由端部側の剛性が高く撓みずらくなる。そのため、結局はブレードの根元部への繰り返し荷重が増えてしまい、ブレードの根元部の強度が高められているにも拘らず、そこで破損する恐れがあり、本実施形態のような耐久性を得ることは難しい。
【0064】
本実施形態におけるかき回し具41のブレード44は、必要な耐摩耗性を得るためにステンレス製としてあるにも拘らず、断面コ字状として必要な強度を得ているので、このブレード44を薄いステンレス板で作ることができ、それに伴いかき回し具41を軽量にできる。したがって、前記駆動機構10の負荷を軽減できるとともに、かき回し具41のアンバランスに基づく振動及び騒音を低く抑制できる。
【0065】
又、精米ないしは研米されて分離かご31内に残された米び糠室C内の糠の取出しは次の手順で行なえばよい。まず、容器21の上端部から蓋51を既述の手順で取外した状態において、容器21から分離かご31を上方に取外し、次に、このかご31内のかき回し具41を取外してから、分離かご31を逆さにするなどの操作を、容器21及び装置本体1に制約されることなく、これらとは無関係な状態で容易に行なうことができ、それによって分離かご31内の白米を取出すことができる。なお、前記のように容器21からの分離かご31の取出しは、分離かご31内にかき回し具41が収容された状態で行われ、したがって、このかき回し具41により分離かご31の中心筒体33が覆われているので、米が多量であっても前記筒部33を通って分離かご31内の米が漏れ出すことはない。又、容器21内に溜められた糠は、以上の分離かご31の取外しに伴い、この分離かご31に邪魔されることなく容器21内から容易に取出すことができる。
【0066】
しかも、本実施形態では、容器21を装置本体1から外せるので、装置本体1に制約されることなく容器21を単独の状態で流しに運んで糠の取出し及び容器21内の掃除等を容易に行なうことができる。
【0067】
なお、本実施形態の精米機においては、糠の除去を伴う精米後に既述の糠の取出しを経てから洗米を行なうことができる。この洗米は、容器21外に取外された分離かご31内の白米を軽く水で濡らして水切りをした後、再び分離かご31を容器21内にセットするとともに、既述の組立手順で穀粒処理アタッチメントを組立てて装置本体1にセットして行われる。この場合の運転においては、タイマースイッチ14は使用されず、分離かご31内の白米量に応じて洗米スイッチ15を数回瞬間的に押して駆動モータ4が断続運転される。それにより、かき回し具41が白米を削り過ぎることなくかき回して、洗米が行われる。そして、この後には、既述の取外し手順にしたがって、白米ごと分離かご31を取出して、流しにおいて分離かご31を水に浸した状態で、分離かご31内からかき回し具41を取外して、軽く白米を濯ぎ洗いすることにより洗米作業が完了する。
【0068】
既述のような米の処理によれば、精米ないしは研米において糠が米から分離されるので、前記精米機を用いた洗米作業によらずに手作業で洗米をする場合にも、又、前記精米機を用いた洗米作業をする場合にも、濯ぎ水に含まれる糠量が極めて少ないので、洗米において溶けた糠を含んだ水を米が吸込んで米が糠臭くなることを抑制できる。したがって、この後における炊飯により米をおいしく炊くことができる。
【0069】
図13(A)(B)は本発明の第2の実施の形態を示している。この第2実施形態において平面視円弧状のブレード44は、合成樹脂製かき回し具本体42のブレード連結部46の先端部に、一体成形され片持ち支持されている。このブレード44は、図13(B)に示すように垂直状の材料押し出し面44aの上下両縁に、材料押し出し面44aの裏面方向に折れ曲がるように突出する補強リブとしての上下面44b、44cを一体に設けて形成されているとともに、材料押し出し面44aの一端部裏面においてブレード連結部46と一体に連続して設けられている。そして、図13(A)に示すように前記上下面44b、44cの幅は、いずれもブレード44の根元部Eよりも自由端F側に行くほど次第に狭くなるように形成されている。したがって、ブレード44の長手方向と直交する方向の断面積は、ブレード44の根元部Eよりも自由端F側に行くほど次第に小さくなっている。なお、この第2実施形態においてブレード44の各面44a〜44cの表面に金属メッキ層を設けるとよい。このようにする場合には、合成樹脂製ブレード44の表面が硬質でかつ緻密な組織となるので、玄米との接触によるブレード44の表面の摩耗を防止できるとともに、かき回し具41の体裁を向上できる点で優れている。そして、以上説明した点以外の精米機及びかき回し具41の構成は図13(A)(B)に示されない部分を含めて前記第1の実施の形態と同じであり、同一構成については第1実施形態の該当部分と同じ符号を付してある。
【0070】
この第2実施形態においても、ブレード44の根元部Eから自由端Fに至る断面積の変化により、前記第1の実施の形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できるものである。しかも、第2実施形態では、ブレード44がかき回し具本体42に一体成形されているので、ブレード44をかき回し具本体42に連結して支持するための固定部品及びその取付け作業を省略できる利点もある。
【0071】
図14(A)(B)は本発明の第3の実施の形態を示している。この第3実施形態において平面視円弧状のブレード44は、合成樹脂製かき回し具本体42のブレード連結部46の先端部に、一体成形され片持ち支持されている。このブレード44の表裏方向に沿う肉厚はブレード44の根元部Eよりも自由端F側に行くほど次第に小さくしてある。したがって、ブレード44の長手方向と直交する方向の断面積は、ブレード44の根元部Eよりも自由端F側に行くほど次第に小さくなっている。そのため、ブレード44は、円弧状外表面、つまり、材料押し出し面44aを有しているとともに、この面44aの上下縁に連なる上下面44b、44cを有している。なお、この第3実施形態においてもブレード44の各面44a〜44cの表面に金属メッキ層を設けてもよく、又、図14に示すように断面コの字形の金属薄板からなるカバー部材50を前記各面44a〜44cに接着等により被着して、ブレード44を、前記肉厚変化を呈する合成樹脂製ブレード本体と金属薄板製カバー部材50との二枚合せ構造としてもよい。この二枚合せ構造においては、カバー部材50により前記ブレード本体の玄米との接触による摩耗を防止できるとともに、かき回し具41の体裁を向上できる点で優れている。そして、以上説明した点以外の精米機及びかき回し具41の構成は図14(A)(B)に示されない部分を含めて前記第1の実施の形態と同じであり、同一構成については第1実施形態の該当部分と同じ符号を付してある。
【0072】
この参考例においても、ブレード44の根元部Eから自由端Fに至る断面積の変化により、前記第1の実施の形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できるものである。
【0073】
なお、本発明は前記各実施の形態には制約されない。例えば、既存のフードプロセッサ又は駆動モータの回転数を調理用と精米用とに切換え得るスイッチを有する新たなフードプロセッサに、前記構成の穀粒処理アタッチメントを取付けても、既述の精米及び糠取りができるので、このようにする場合にはフードプロセッサの汎用性を高めることができる。
【0074】
又、本発明は、精米だけに適用されるものではなく、米以外の穀粒に対して精米と同様の処理を行なう精穀ないしは研穀を実施することが可能である。又、本発明においては前記第1実施形態で採用した洗米スイッチを省略してもよい。又、ブレードの断面積の変化を補強リブで行なう場合に、補強リブはブレードの上下面とは別であってもよい。
【0075】
更に、本発明は以下のものにも適用できる。すなわち、装置本体の容器載置部に着脱自在に載置される容器の上側に、装置本体の駆動機構によって回転されるとともに上下動可能な回転軸を下向きに設けて、この軸にかき回し具を連結し、容器内に出し入れ自在に収容された分離かごに、その上方から回転軸及びかき回し具を挿入するとともに、容器と装置本体を連結し、この状態で駆動機構を動作させることにより、玄米等の精穀と糠の除去とを同時に行なう穀粒処理装置にも適用できる。この場合には、容器には回転軸を設ける必要がないとともに、分離かごの底壁にも回転軸が通る構造を要しないものである。
【0076】
又、前記各実施形態では、容器に取付けられる蓋によって容器に対する分離かごの回り止めをしたが、分離かごの容器に対する回り止め手段は蓋とは別に設けることができる。又、蓋を設けることは、かき回し具のブレードによって弾かれる穀粒が分離かご外に飛び出さないようにするために有効であるが、分離かごのかご本体が深いものである場合には、蓋を省略して実施することも可能である。更に、本発明において、容器は前記第1実施形態のように装置本体とは別体ではなく、装置本体から取外せないように一体的に設けられていてもよい。
【0077】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0078】
請求項1又は2に記載の発明に係る穀粒処理装置用のかき回し具によれば、片持ちのブレードの根元部の強度が大きいこととあいまって、穀粒のかき回しに伴って前記根元部に作用する繰り返し荷重が小さいので、穀粒のかき回しに伴うブレードの破損を確実に防止できる。
【0079】
請求項3に記載の発明に係る穀粒処理装置によれば、前記請求項1又は2に記載の発明に係る穀粒処理装置用のかき回し具を備えて、穀類をかき回して精穀や研穀、又は、洗穀等の処理をするから、前記第2の課題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る精米機全体を示す斜視図。
【図2】図1に示された精米機の平面図。
【図3】図1に示された精米機の断面図。
【図4】図1に示された精米機の穀粒処理アタッチメントを分解して示す断面図。
【図5】図4に示された穀粒処理アタッチメントが備える容器に分離かごを収容した状態の断面図。
【図6】図4に示された穀粒処理アタッチメントが備える容器に分離かご及びかき回し具を収容した状態の平面図。
【図7】図4に示された穀粒処理アタッチメントが備える蓋を裏返して示す斜視図。
【図8】図4に示された穀粒処理アタッチメントが備える容器と蓋との結合状態を示す図。
【図9】図4に示された穀粒処理アタッチメントが備えるかき回し具を一部分解して示す斜視図。
【図10】図9に示されたかき回し具の下面図。
【図11】図9に示されたかき回し具を一部断面して示す側面図。
【図12】図9に示されたかき回し具の平面図。
【図13】(A)は本発明の第2の実施の形態に係る穀粒処理装置が備えるかき回し具を示す平面図。(B)は図13(A)に示されたかき回し具を一部断面して示す側面図。
【図14】 (A)は本発明の参考例に係る穀粒処理装置が備えるかき回し具を示す平面図。
(B)は図14(A)に示されたかき回し具を一部断面して示す側面図。
【符号の説明】
1…装置本体、
3…容器載置部、
10…駆動機構、
21…容器、
27…回転軸、
31…分離かご、
35、36…分離孔、
41…かき回し具
42…かき回し具本体、
44…ブレード、
44a…ブレードの材料押し出し面、
44b…ブレードの上面(補強リブ)、
44c…ブレードの下面(補強リブ)、
46…ブレード連結部、
C…糠室、
E…ブレードの根元部、
F…ブレードの自由端。

Claims (3)

  1. 中央部に回転軸が配設される上端開口の容器にこの容器内面との間に糠室を形成して出し入れ可能に収容されるとともに多数の分離孔を有した上端開口の分離かご内に配設され、かつ、前記回転軸に取付けられるかき回し具本体と、垂直状の材料押し出し面を有して前記かき回し具本体に片持ち支持されて自由端に行く程前記材料押し出し面と前記分離かごの内周面との間の距離が狭まるように設けられる一枚以上のブレードとを備え、前記分離かご内に収容された穀粒をかき回して前記穀粒から前記糠室に糠を分離する穀粒処理装置用のかき回し具であって、
    前記ブレードの断面積の変化を前記ブレードの前記材料押し出し面の裏面側に一体に突出された補強リブの幅の変化に依存させて、前記ブレードの断面積を、前記かき回し具本体のブレード連結部に支持された前記ブレードの根元部よりも前記自由端側程小さくしたことを特徴とする穀粒処理装置用のかき回し具。
  2. 前記材料押し出し面の上下両縁に前記材料押し出し面の裏面側に折れ曲がる前記補強リブを有して、長手方向と直交する断面がコの字形状をなす金属板製の前記ブレードを備えたことを特徴とする請求項1に記載の穀粒処理装置用のかき回し具。
  3. 回転軸を回転させる駆動機構が内蔵された装置本体と、
    の装置本体に一体的に設けられ又は前記装置本体とは別体であってこの装置本体に着脱可能に取付けられかつ上端が開口された容器と、
    多数の分離孔を有するとともに、前記容器の内面との間に糠室を形成して前記容器内に出し入れ可能に収容される分離かごと、
    前記容器内の中央部に配設される回転軸に着脱可能に取付けられて前記分離かご内で回転される前記請求項1又は2に記載のかき回し具と、
    を具備した穀粒処理装置。
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