JP2001161984A - 遊技機 - Google Patents

遊技機

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JP2001161984A
JP2001161984A JP35241799A JP35241799A JP2001161984A JP 2001161984 A JP2001161984 A JP 2001161984A JP 35241799 A JP35241799 A JP 35241799A JP 35241799 A JP35241799 A JP 35241799A JP 2001161984 A JP2001161984 A JP 2001161984A
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Japan
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payout
ball
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power supply
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JP35241799A
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English (en)
Inventor
Shohachi Ugawa
詔八 鵜川
Fumitaka Sekine
史高 関根
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遊技制御手段から払出制御手段に対する情報
伝達に関する負荷をより低減できる遊技機を提供する。 【解決手段】 入賞球信号処理において、遊技制御手段
は、払出停止状態であるか否か確認する。払出停止状態
は、払出制御手段に対して払出停止指示のコマンドを送
出した後の状態である。払出停止状態でなければ、球切
れ状態フラグまたは満タンフラグがオンになったか否か
を確認する。いずれかがオン状態に変化したときには、
共通の払出停止指示を示す賞球制御コマンドが払出制御
手段に対して送出される。払出制御手段は、払出停止指
示を示す賞球制御コマンドに応じて賞球払出を停止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊技者の操作に応
じて遊技が行われるパチンコ遊技機、コイン遊技機、ス
ロット機等の遊技機に関し、特に、遊技盤における遊技
領域において遊技者の操作に応じて遊技が行われる遊技
機に関する。
【0002】
【従来の技術】遊技機として、遊技球などの遊技媒体を
発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けら
れている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞する
と、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。
遊技媒体の払い出しは払出機構によって行われる。そし
て、払出機構は、払出制御手段によって制御される。従
って、遊技機の遊技進行を制御する遊技制御手段から、
入賞に応じた賞球個数が払出制御基板に指示される。払
出制御手段は、その指示に応じた個数の遊技媒体を払出
機構から払い出す制御を行う。
【0003】また、遊技者は、コイン投入によって、あ
るいは、カード挿入口にプリペイドカード等を挿入して
遊技球の貸し出しを受ける。遊技機の払出機構は、コイ
ン投入やカード挿入を検出して所定個数の遊技球を遊技
者に払い出す。払出機構は払出制御手段によって制御さ
れるので、遊技球の貸し出し制御も払出制御手段によっ
て実行される。
【0004】一般に、遊技者に対して払い出される遊技
球は、遊技機裏面の遊技球貯留部に貯留されている。遊
技球貯留部において貯留球がなくなると遊技球の払出を
行うことができないので、遊技球貯留部や貯留部下流に
は遊技球を検出するためのセンサが設けられている。そ
して、センサによって貯留球がなくなったことが検出さ
れると、遊技制御手段は、払出制御手段に対して払出の
ための貯留球がなくなったこと通知する。また、遊技球
貯留部に払出のための遊技球がたまったことが検出され
ると、遊技制御手段は、払出制御手段に対してその旨を
通知する。
【0005】払い出された遊技球は、遊技機下部に設け
られている打球供給皿に貯留される。打球供給皿の下部
には、打球供給皿からあふれた遊技球を貯留する余剰玉
受皿(下皿)が設けられている。しかし、下皿の貯留可
能量には限界があり、許容量を越えて遊技球を貯留する
ことはできないので、下皿にも遊技球を検出するための
センサが設けられている。そして、センサによって貯留
球が許容量に達したことが検出されると、遊技制御手段
は、払出制御手段に対して下皿満タンを通知する。ま
た、下皿満タンが解消されたことが検出されると、遊技
制御手段は、払出制御手段に対してその旨を通知する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、遊技制
御手段は、遊技媒体払出制御に関して、貯留数の不足、
貯留数不足の解消、下皿満タンおよび下皿満タンの解消
を払出制御手段に対して通知する必要がある。払出制御
手段は、貯留数の不足の通知を受けたときでも下皿満タ
ンの通知を受けたときでも、遊技媒体の払出を停止す
る。また、貯留数不足の解消の通知を受けたとき、およ
び下皿満タン解消の通知を受けたときに、遊技媒体の払
出を再開する。すなわち、結果的に払出制御手段が同一
動作を行うのに対して、複数種類の通知が遊技制御手段
から払出制御手段に対してなされる。遊技制御手段から
払出制御手段に対する情報伝達は、遊技制御手段におけ
るプログラム容量節減等の観点から、できるだけ簡便で
あることが望ましい。情報伝達に要する負荷が軽減すれ
ば、それだけ遊技制御に回せるプログラム容量が増える
等の利点が生ずるからである。
【0007】そこで、本発明は、遊技制御手段から払出
制御手段に対する情報伝達に関する負荷をより低減でき
る遊技機を提供すること目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による遊技機は、
遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり所定の条件
成立に応じて遊技媒体が景品として払い出される遊技機
であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、少な
くとも景品としての遊技媒体を払い出すことが可能な払
出手段と、遊技制御手段からの情報に応じて払出手段に
遊技媒体を払い出させる制御を行う払出制御手段とを備
え、遊技制御手段が、遊技媒体の払出の完了とは異なる
複数の払出停止条件のうち、いずれかの条件が成立した
ときには共通の情報によって払出制御手段に対して払出
停止を指令することを特徴とする。
【0009】さらに、遊技制御手段が、払出が可能にな
った場合に、いずれの停止条件による払出停止状態であ
っても共通の情報によって払出制御手段に対して払出停
止解除を指令するように構成されていてもよい。
【0010】遊技媒体の払出を停止するための条件の一
つは、例えば、払出可能な遊技媒体の貯留量が所定量を
下回ったときであり、遊技媒体の払出を再開するための
条件の一つは、例えば、遊技媒体の貯留量が所定量以上
となったことである。なお、「所定量」は、1つの量で
ある場合もあるし、所定範囲である場合も含まれる。す
なわち、条件は、ある特定の値(例えば28個)、を下
回ったときでもよいし、ある特定範囲(例えば27〜2
8個)を下回ったときでもよい。特定範囲を下回ったと
は、条件成立の検出タイミング等に応じて、例えば、2
7個を下回ったときに条件成立と判定されることもある
し、28個を下回ったときに条件成立と判定されること
もあることを意味する。
【0011】払出手段における払出可能な遊技媒体の貯
留量が所定量を下回ったか否かを検出するための検出手
段が設けられ、遊技制御手段が、検出手段による検出結
果に応じて遊技媒体の払出を停止するための条件または
遊技媒体の払出を再開するための条件が成立したか否か
を検出するように構成されていてもよい。
【0012】払い出された遊技媒体を貯留する遊技者側
貯留手段を有し、遊技媒体の払出を停止するための条件
の一つは、例えば、遊技者側貯留手段における貯留量が
貯留許容量を越えたときであり、遊技媒体の払出を再開
するための条件の一つは、例えば、遊技者側貯留手段に
おける貯留量が貯留許容量以下となったことである。
【0013】遊技者側貯留手段の貯留量が貯留許容量を
越えたことを検出するための検出手段が設けられ、遊技
制御手段が、検出手段による検出結果に応じて遊技媒体
の払出を停止するための条件または遊技媒体の払出を再
開するための条件が成立したか否かを検出するように構
成されていてもよい。この場合にも、検出手段の検出タ
イミングや貯留環境等に応じて、許容量にはある程度の
範囲が存在する場合がある。
【0014】遊技制御手段は、一方向にのみ信号を伝達
可能な不可逆性送信手段を介して払出制御手段への情報
を送出するように構成されていてもよい。
【0015】遊技制御手段は、払出制御手段が受信可能
に情報を一回だけ出力するように構成されていてもよ
い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチン
コ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチン
コ遊技機1を正面からみた正面図、図2はパチンコ遊技
機1の内部構造を示す全体背面図、図3はパチンコ遊技
機1の機構板を背面からみた背面図である。なお、ここ
では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本
発明はパチンコ遊技機に限られず、例えばコイン遊技機
やスロット機等であってもよい。
【0017】図1に示すように、パチンコ遊技機1は、
額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠
2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の
下部には、打球供給皿3からあふれた払出球を貯留する
余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作
ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、
遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技
盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
【0018】遊技領域7の中央付近には、複数種類の図
柄を可変表示するための可変表示部9と7セグメントL
EDによる可変表示器10とを含む可変表示装置8が設
けられている。この実施の形態では、可変表示部9に
は、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアが
ある。可変表示装置8の側部には、打球を導く通過ゲー
ト11が設けられている。通過ゲート11を通過した打
球は、玉出口13を経て始動入賞口14の方に導かれ
る。通過ゲート11と玉出口13との間の通路には、通
過ゲート11を通過した打球を検出するゲートスイッチ
12がある。また、始動入賞口14に入った入賞球は、
遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ17によって
検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作
を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞
球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされ
る。
【0019】可変入賞球装置15の下部には、特定遊技
状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開
状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の
形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段とな
る。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球の
うち一方(Vゾーン)に入った入賞球はVカウントスイ
ッチ22で検出される。また、開閉板20からの入賞球
はカウントスイッチ23で検出される。可変表示装置8
の下部には、始動入賞口14に入った入賞球数を表示す
る4個の表示部を有する始動入賞記憶表示器18が設け
られている。この例では、4個を上限として、始動入賞
がある毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯している表
示部を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表
示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減ら
す。
【0020】遊技盤6には、複数の入賞口19,24が
設けられ、遊技球の入賞口19,24への入賞は入賞口
スイッチ19a,24aによって検出される。遊技領域
7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ
25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収
するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左
右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設け
られている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED2
8aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられて
いる。
【0021】そして、この例では、一方のスピーカ27
の近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ5
1が設けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給玉が
切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられてい
る。さらに、図1には、パチンコ遊技台1に隣接して設
置され、プリペイドカードが挿入されることによって球
貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0022】カードユニット50には、使用可能状態で
あるか否かを示す使用可表示ランプ151、カード内に
記録された残額情報に端数(100円未満の数)が存在
する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられる
度数表示LEDに表示させるための端数表示スイッチ1
52、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技
機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器15
3、カードユニット50内にカードが投入されているこ
とを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体として
のカードが挿入されるカード挿入口155、およびカー
ド挿入口155の裏面に設けられているカードリーダラ
イタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放
するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0023】打球発射装置から発射された打球は、打球
レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7
を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートス
イッチ12で検出されると、可変表示器10の表示数字
が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動入賞
口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄
の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9内の図
柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなけ
れば、始動入賞記憶を1増やす。
【0024】可変表示部9内の画像の回転は、一定時間
が経過したときに停止する。停止時の画像の組み合わせ
が大当り図柄の組み合わせであると、大当り遊技状態に
移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過する
まで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞
するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球
が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出
されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行わ
れる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウン
ド)許容される。
【0025】停止時の可変表示部9内の画像の組み合わ
せが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合
には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高
確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態とな
る。また、可変表示器10における停止図柄が所定の図
柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所
定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、可
変表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が
高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と
開放回数が高められる。
【0026】次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造につ
いて図2を参照して説明する。可変表示装置8の背面で
は、図2に示すように、機構板36の上部に球貯留タン
ク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に
設置された状態でその上方から遊技球が球貯留タンク3
8に供給される。球貯留タンク38内の遊技球は、誘導
樋39を通って球払出装置に至る。
【0027】機構板36には、中継基板30を介して可
変表示部9を制御する可変表示制御ユニット29、基板
ケース32に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等
が搭載された遊技制御基板(主基板)31、可変表示制
御ユニット29と遊技制御基板31との間の信号を中継
するための中継基板33、および遊技球の払出制御を行
う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出
制御基板37が設置されている。さらに、機構板36の
下部には、モータの回転力を利用して打球を遊技領域7
に発射する打球発射装置34と、遊技効果ランプ・LE
D28a,28b,28c、賞球ランプ51および球切
れランプ52に信号を送るためのランプ制御基板35が
設置されている。
【0028】また、図3はパチンコ遊技機1の機構板を
背面からみた背面図である。球貯留タンク38に貯留さ
れた玉は誘導樋39を通り、図3に示されるように、球
切れ検出器(球切れスイッチ)187a,187bを通
過して球供給樋186a,186bを経て球払出装置9
7に至る。球払出装置97から払い出された遊技球は、
連絡口45を通ってパチンコ遊技機1の前面に設けられ
ている打球供給皿3に供給される。連絡口45の側方に
は、パチンコ遊技機1の前面に設けられている余剰玉受
皿4に連通する余剰玉通路46が形成されている。入賞
にもとづく景品球が多数払い出されて打球供給皿3が満
杯になり、ついには遊技球が連絡口45に到達した後さ
らに遊技球が払い出されると遊技球は、余剰玉通路46
を経て余剰玉受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出
されると、感知レバー47が満タンスイッチ48を押圧
して満タンスイッチ48がオンする。その状態では、球
払出装置97内のステッピングモータの回転が停止して
球払出装置97の動作が停止するとともに打球発射装置
34の駆動も停止する。
【0029】賞球払出制御を行うために、入賞口スイッ
チ(図示せず)、始動口スイッチ17およびVカウント
スイッチ22からの信号が、主基板31に送られる。主
基板31のCPU56は、始動口スイッチ17がオンす
ると6個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知
る。また、カウントスイッチ23がオンすると15個の
賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。そし
て、入賞口スイッチがオンすると10個の賞球払出に対
応した入賞が発生したことを知る。なお、この実施の形
態では、例えば、入賞口24に入賞した遊技球は、入賞
口24からの入賞球流路に設けられている入賞口スイッ
チ24aで検出され、入賞口19に入賞した遊技球は、
入賞口19からの入賞球流路に設けられている入賞口ス
イッチ19aで検出される。
【0030】次に、機構板36に設置されている中間ベ
ースユニットの構成について説明する。中間ベースユニ
ットには、球供給樋186a,186bや球払出装置9
7が設置される。図4に示すように、中間ベースユニッ
トの上下には連結凹突部182が形成されている。連結
凹突部182は、中間ベースユニットと機構板36の上
部ベースユニットおよび下部ベースユニットを連結固定
するものである。
【0031】中間ベースユニットの上部には通路体18
4が固定されている。そして、通路体184の下部に球
払出装置97が固定されている。通路体184は、カー
ブ樋174(図3参照)によって流下方向を左右方向に
変換された2列の遊技球を流下させる払出球通路186
a,186bを有する。払出球通路186a,186b
の上流側には、球切れスイッチ187a,187bが設
置されている。球切れスイッチ187a,187bは、
払出球通路186a,186b内の遊技球の有無を検出
するものであって、球切れスイッチ187a,187b
が遊技球を検出しなくなると球払出装置97における払
出モータ(図4において図示せず)の回転を停止して球
払出が不動化される。
【0032】なお、球切れスイッチ187a,187b
は、払出球通路186a,186bに27〜28個程度
の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止
片188によって係止されている。
【0033】通路体184の中央部は、内部を流下する
遊技球の玉圧を弱めるように、左右に湾曲する形状に形
成されている。そして、払出球通路186a,186b
の間に止め穴189が形成されている。止め穴189の
裏面は中間ベースユニットに設けられている取付ボスが
はめ込まれる。その状態で止めねじがねじ止めされて、
通路体184は中間ベースユニットに固定される。な
お、ねじ止めされる前に、中間ベースユニットに設けら
れている係止突片185によって通路体184の位置合
わせを行えるようになっている。
【0034】通路体184の下方には、球払出装置97
に遊技球を供給するとともに故障時等には球払出装置9
7への遊技球の供給を停止する球止め装置190が設け
られている。球止め装置190の下方に設置される球払
出装置97は、直方体状のケース198の内部に収納さ
れている。ケース198の左右4箇所には突部が設けら
れている。各突部が中間ベースユニットに設けられてい
る位置決め突片に係った状態で、中間ベースユニットの
下部に設けられている弾性係合片にケース198の下端
がはめ込まれる。
【0035】図5は球払出装置97の分解斜視図であ
る。球払出装置97の構成および作用を図5を参照して
説明する。この実施形態における球払出装置97は、ス
テッピングモータ(払出モータ)289がスクリュー2
88を回転させることによりパチンコ玉を1個ずつ払い
出す。なお、球払出装置97は、入賞にもとづく景品球
だけでなく、貸し出すべき遊技球も払い出す。
【0036】図5に示すように、球払出装置97は、2
つのケース198a,198bを有する。それぞれのケ
ース198a,198bの左右2箇所に、球払出装置9
7の設置位置上部に設けられた位置決め突片に当接され
る係合突部280が設けられている。また、それぞれの
ケース198a,198bには、球供給路281a,2
81bが形成されている。球供給路281a,281b
は湾曲面282a,282bを有し、湾曲面282a,
282bの終端の下方には、球送り水平路284a,2
84bが形成されている。さらに、球送り水平路284
a,284bの終端に球排出路283a,283bが形
成されている。
【0037】球供給路281a,281b、球送り水平
路284a,284b、球排出路283a,283b
は、ケース198a,198bをそれぞれ前後に区画す
る区画壁295a,295bの前方に形成されている。
また、区画壁295a,295bの前方において、玉圧
緩衝部材285がケース198a,198b間に挟み込
まれる。玉圧緩衝部材285は、球払出装置97に供給
される玉を左右側方に振り分けて球供給路281a,2
81bに誘導する。
【0038】また、玉圧緩衝部材285の下部には、発
光素子(LED)286と受光素子(図示せず)とによ
る払出モータ位置センサが設けられている。発光素子2
86と受光素子とは、所定の間隔をあけて設けられてい
る。そして、この間隔内に、スクリュー288の先端が
挿入されるようになっている。なお、玉圧緩衝部材28
5は、ケース198a,198bが張り合わされたとき
に、完全にその内部に収納固定される。
【0039】球送り水平路284a,284bには、払
出モータ289によって回転させられるスクリュー28
8が配置されている。払出モータ289はモータ固定板
290に固定され、モータ固定板290は、区画壁29
5a,295bの後方に形成される固定溝291a,2
91bにはめ込まれる。その状態で払出モータ289の
モータ軸が区画壁295a,295bの前方に突出する
ので、その突出の前方にスクリュー288が固定され
る。スクリュー288の外周には、払出モータ289の
回転によって球送り水平路284a,284bに載置さ
れた遊技球を前方に移動させるための螺旋突起288a
が設けられている。
【0040】そして、スクリュー288の先端には、発
光素子286を収納するように凹部が形成され、その凹
部の外周には、2つの切欠部292が互いに180度離
れて形成されている。従って、スクリュー288が1回
転する間に、発光素子286からの光は、切欠部292
を介して受光素子で2回検出される。
【0041】つまり、発光素子286と受光素子とによ
る払出モータ位置センサは、スクリュー288を定位置
で停止するためのものであり、かつ、払出動作が行われ
た旨を検出するものである。なお、発光素子286、受
光素子および払出モータ289からの配線は、まとめら
れてケース198a,198bの後部下方に形成された
引出穴から外部に引き出されコネクタに結線される。
【0042】遊技球が球送り水平路284a,284b
に載置された状態において、払出モータ289が回転す
ると、スクリュー288の螺旋突起288aによって、
遊技球は、球送り水平路284a,284b上を前方に
向かって移動する。そして、遂には、球送り水平路28
4a,284bの終端から球排出路283a,283b
に落下する。このとき、左右の球送り水平路284a,
284bからの落下は交互に行われる。すなわち、スク
リュー288が半回転する毎に一方から1個の遊技球が
落下する。従って、1個の遊技球が落下する毎に、発光
素子286からの光が受光素子によって検出される。
【0043】図4に示すように、球払出装置97の下方
には、球振分部材311が設けられている。球振分部材
311は、振分用ソレノイド310によって駆動され
る。例えば、ソレノイド310のオン時には、球振分部
材311は右側に倒れ、オフ時には左側に倒れる。振分
用ソレノイド310の下方には、近接スイッチによる賞
球カウントスイッチ301Aおよび球貸しカウントスイ
ッチ301Bが設けられている。入賞にもとづく賞球時
には、球振分部材311は右側に倒れ、球排出路283
a,283bからの玉はともに賞球カウントスイッチ3
01Aを通過する。また、球貸し時には、球振分部材3
11は左側に倒れ、球排出路283a,283bからの
玉はともに球貸しカウントスイッチ301Bを通過す
る。従って、球払出装置97は、賞球時と球貸し時とで
払出流下路を切り替えて、所定数の遊技媒体の払出を行
うことができる。
【0044】このように、球振分部材311を設けるこ
とによって、2条の玉流路を落下してきた玉は、賞球カ
ウントスイッチ301Aと球貸しカウントスイッチ30
1Bとのうちのいずれか一方しか通過しない。従って、
賞球であるのか球貸しであるのかの判断をすることな
く、賞球カウントスイッチ301Aと球貸しカウントス
イッチ301Bの検出出力から、直ちに賞球数または球
貸し数を把握することができる。
【0045】図6は、主基板31における回路構成の一
例を示すブロック図である。なお、図6には、払出制御
基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発
射制御基板91および表示制御基板80も示されてい
る。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技
機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ12、
始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウン
トスイッチ23入賞口スイッチ19a,24a、満タン
スイッチ48および賞球カウントスイッチ301Aから
の信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可
変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および開閉
板20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの
指令に従って駆動するソレノイド回路59と、始動記憶
表示器18の点灯および滅灯を行うとともに7セグメン
トLEDによる可変表示器10と装飾ランプ25とを駆
動するランプ・LED回路60とが搭載されている。
【0046】また、基本回路53から与えられるデータ
に従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部
9の画像表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す
始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホ
ール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して
出力する情報出力回路64を含む。
【0047】基本回路53は、ゲーム制御用のプログラ
ム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用さ
れる記憶手段の一例であるRAM55、制御用のプログ
ラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポ
ート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,
RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、
CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。
なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともR
AM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI
/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていても
よい。また、I/Oポート部57は、マイクロコンピュ
ータにおける情報入出力可能な端子である。
【0048】さらに、主基板31には、電源投入時に基
本回路53をリセットするための初期リセット回路65
と、基本回路53から与えられるアドレス信号をデコー
ドしてI/Oポート部57のうちのいずれかのI/Oポ
ートを選択するための信号を出力するアドレスデコード
回路67とが設けられている。なお、球払出装置97か
ら主基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図4
ではそれらは省略されている。
【0049】遊技球を打撃して発射する打球発射装置は
発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モー
タ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力
は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわ
ち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の
操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御され
る。
【0050】なお、この実施の形態では、主基板31の
CPU56が可変表示器(普通図柄表示器)18の表示
制御を行うが、普通図柄表示器も、表示制御基板80に
搭載されている表示制御手段によって制御されるように
構成してもよい。また、ランプ制御基板35に搭載され
ているランプ制御手段が、遊技領域内のランプ・LED
も制御するように構成してもよい。
【0051】図7は、払出制御基板37および球払出装
置97の構成要素などの賞球に関連する構成要素を示す
ブロック図である。図7に示すように、満タンスイッチ
48からの検出信号は、中継基板71を介して主基板3
1のI/Oポート57に入力される。満タンスイッチ4
8は、余剰玉受皿4の満タンを検出するスイッチであ
る。
【0052】球切れスイッチ187(187a,187
b)からの検出信号は、中継基板72および中継基板7
1を介して主基板31のI/Oポート57に入力され
る。球切れ検出スイッチ167は球貯留タンク38内の
補給玉の不足を検出するスイッチであり、球切れスイッ
チ187は、払出球通路内の遊技球の有無を検出するス
イッチである。
【0053】入賞があると、払出制御基板37には、主
基板31から賞球個数を示す賞球制御コマンドが入力さ
れる。賞球個数を示す賞球制御コマンドは、入力バッフ
ァ回路373を介してI/Oポート372aに入力され
る。入力バッファ回路373における各バッファは、主
基板31から払出制御基板37へ向かう方向にのみ信号
を通過させることができる。従って、払出制御基板37
側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。払出制
御基板37内の回路に不正改造が加えられても、不正改
造によって出力される信号が主基板31側に伝わること
はない。また、主基板31において、賞球制御コマンド
を出力する出力ポート577,578の外側にバッファ
回路68(不可逆性送信手段)が設けられている。この
ような構成によれば、外部から主基板31の内部に入力
される信号が阻止されるので、払出制御基板37から主
基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインを
より確実になくすことができる。
【0054】主基板31のCPU56は、球切れスイッ
チ187からの検出信号が球切れ状態を示しているか、
または、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状
態を示していると、球払出禁止を指示する賞球制御コマ
ンドを送出する。球払出禁止を指示する賞球制御コマン
ドを受信すると、払出制御基板37の払出制御用CPU
371は、球払出処理を停止する。
【0055】さらに、賞球カウントスイッチ301Aお
よび球貸しカウントスイッチ301Bからの検出信号
も、中継基板72および中継基板71を介して主基板3
1のI/Oポート57に入力される。また、賞球カウン
トスイッチ301Aおよび球貸しカウントスイッチ30
1Bは、球払出装置97の賞球機構部分に設けられ、実
際に払い出された賞球を検出する。
【0056】入賞があると、払出制御基板37には、主
基板31の出力ポート(ポートG,H)577,578
から賞球個数を示す賞球制御コマンドが入力される。出
力ポート577は8ビットのデータを出力し、出力ポー
ト578は1ビットのストローブ信号(INT信号)を
出力する。賞球個数を示す賞球制御コマンドは、入力バ
ッファ回路373を介してI/Oポート372aに入力
される。払出制御用CPU371は、I/Oポート37
2aを介して賞球制御コマンドを入力し、賞球制御コマ
ンドに応じて球払出装置97を駆動して賞球払出を行
う。なお、この実施の形態では、払出制御用CPU37
1は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくと
もRAMが内蔵されている。
【0057】払出制御用CPU371は、出力ポート3
72gを介して、貸し玉数を示す球貸し個数信号をター
ミナル基板160に出力し、ブザー駆動信号をブザー基
板75に出力する。ブザー基板75にはブザーが搭載さ
れている。さらに、出力ポート372eを介して、エラ
ー表示用LED374にエラー信号を出力する。
【0058】さらに、払出制御基板37の入力ポート3
72bには、中継基板72を介して、賞球カウントスイ
ッチ301Aの検出信号の検出信号が入力される。払出
制御基板37からの払出モータ289への駆動信号は、
出力ポート372cおよび中継基板72を介して球払出
装置97の賞球機構部分における払出モータ289に伝
えられる。また、払出制御基板37から振分用ソレノイ
ド310への駆動信号は、出力ポート372dおよび中
継基板72を介して球払出装置97の振分用ソレノイド
310に伝えられる。
【0059】カードユニット50には、カードユニット
制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、
カードユニット50には、端数表示スイッチ152、連
結台方向表示器153、カード投入表示ランプ154お
よびカード挿入口155が設けられている(図1参
照)。残高表示基板74には、打球供給皿3の近傍に設
けられている度数表示LED、球貸しスイッチおよび返
却スイッチが接続される。
【0060】残高表示基板74からカードユニット50
には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ信号およ
び返却スイッチ信号が払出制御基板37を介して与えら
れる。また、カードユニット50から残高表示基板74
には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信
号および球貸し可表示信号が払出制御基板37を介して
与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の
間では、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要
求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)
およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)がI/Oポ
ート372fを介してやりとりされる。
【0061】パチンコ遊技機1の電源が投入されると、
払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カード
ユニット50にPRDY信号を出力する。カードユニッ
ト50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチ
が操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カード
ユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板
37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅
延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコ
ンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力す
る。そして、払出制御基板37の払出制御用CPU37
1は、BRQ信号に応じてえXS信号をオンするととも
に、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し玉を遊技
者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用
CPU371は、カードユニット50にEXS信号をオ
フ状態にする。
【0062】以上のように、カードユニット50からの
信号は全て払出制御基板37に入力される構成になって
いる。従って、球貸し制御に関して、カードユニット5
0から主基板31に信号が入力されることはなく、主基
板31の基本回路53にカードユニット50の側から不
正に信号が入力される余地はない。なお、主基板31お
よび払出制御基板37には、ソレノイドおよびモータや
ランプを駆動するためのドライバ回路が搭載されている
が、図7では、それらの回路は省略されている。
【0063】この実施の形態では、主基板31および払
出制御基板37におけるRAMは、バックアップ電源で
バックアップされている。すなわち、遊技機に対する電
力供給が停止しても、所定期間はRAMの内容が保存さ
れる。そして、各CPUは、電源電圧の低下を検出する
と、所定の処理を行った後に電源復旧待ちの状態にな
る。また、電源投入時に、各CPUは、RAMにデータ
が保存されている場合には、保存データにもとづいて電
源断前の状態を復元する。
【0064】図8は、電源監視および電源バックアップ
のためのCPU56周りの一構成例を示すブロック図で
ある。図8に示すように、第1の電源監視回路(第1の
電源監視手段)からの電圧低下信号が、CPU56のマ
スク不能割込端子(NMI端子)に接続されている。第
1の電源監視回路は、遊技機が使用する各種直流電源の
うちのいずれかの電源の電圧を監視して電源電圧低下を
検出する回路である。この実施の形態では、VSLの電源
電圧を監視して電圧値が所定値以下になるとローレベル
の電圧低下信号を発生する。VSLは、遊技機で使用され
る直流電圧のうちで最大のものであり、この例では+3
0Vである。従って、CPU56は、割込処理によって
電源断の発生を確認することができる。なお、この実施
の形態では、第1の電源監視回路は、後述する電源基板
に搭載されている。
【0065】図8には、初期リセット回路65も示され
ているが、この実施の形態では、初期リセット回路65
は、第2の電源監視回路(第2の電源監視手段)も兼ね
ている。すなわち、リセットIC651は、電源投入時
に、外付けのコンデンサに容量で決まる所定時間だけ出
力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイ
レベルにする。すなわち、リセット信号をハイレベルに
立ち上げてCPU56を動作可能状態にする。また、リ
セットIC651は、第1の電源監視回路が監視する電
源電圧と等しい電源電圧であるVSLの電源電圧を監視し
て電圧値が所定値(第1の電源監視回路が電圧低下信号
を出力する電源電圧値よりも低い値)以下になるとロー
レベルの電圧低下信号を発生する。従って、CPU56
は、第1の電源監視回路からの電圧低下信号に応じて所
定の電力供給停止時処理を行った後、システムリセット
される。なお、この実施の形態では、リセット信号と第
2の電源監視回路からの電圧低下信号とは同一の信号で
ある。
【0066】図8に示すように、リセットIC651か
らのリセット信号は、NAND回路947に入力される
とともに、反転回路(NOT回路)944を介してカウ
ンタIC941のクリア端子に入力される。カウンタI
C941は、クリア端子への入力がローレベルになる
と、発振器943からのクロック信号をカウントする。
そして、カウンタIC941のQ5出力がNOT回路9
45,946を介してNAND回路947に入力され
る。また、カウンタIC941のQ6出力は、フリップ
フロップ(FF)942のクロック端子に入力される。
フリップフロップ942のD入力はハイレベルに固定さ
れ、Q出力は論理和回路(OR回路)949に入力され
る。OR回路949の他方の入力には、NAND回路9
47の出力がNOT回路948を介して導入される。そ
して、OR回路949の出力がCPU56のリセット端
子に接続されている。このような構成によれば、電源投
入時に、CPU56のリセット端子に2回のリセット信
号(ローレベル信号)が与えられるので、CPU56
は、確実に動作を開始する。
【0067】そして、例えば、第1の電源監視回路の検
出電圧(電圧低下信号を出力することになる電圧)を+
22Vとし、第2の電源監視回路の検出電圧を+9Vと
する。そのように構成した場合には、第1の電源監視回
路と第2の電源監視回路とは、同一の電源VSLの電圧を
監視するので、第1の電圧監視回路が電圧低下信号を出
力するタイミングと第2の電圧監視回路が電圧低下信号
を出力するタイミングの差を所望の所定期間に確実に設
定することができる。所望の所定期間とは、第1の電源
監視回路からの電圧低下信号に応じて電力供給停止時処
理を開始してから電力供給停止時処理が確実に完了する
までの期間である。
【0068】この例では、第1の電源監視手段が検出信
号を出力することになる第1検出条件は+30V電源電
圧が+22Vにまで低下したことであり、第2の電源監
視手段が検出信号を出力することになる第2検出条件は
+30V電源電圧が+9Vにまで低下したことになる。
ただし、ここで用いられている電圧値は一例であって、
他の値を用いてもよい。
【0069】ただし、監視範囲が狭まるが、第1の電圧
監視回路および第2の電圧監視回路の監視電圧として+
5V電源電圧を用いることも可能である。その場合に
も、第1の電圧監視回路の検出電圧は、第2の電圧監視
回路の検出電圧よりも高く設定される。
【0070】CPU56等の駆動電源である+5V電源
から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一
部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によっ
てバックアップされ、遊技機に対する電源が断しても内
容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、初
期リセット回路65からリセット信号が発せられるの
で、CPU56は、通常の動作状態に復帰する。そのと
き、必要なデータがバックアップされているので、停電
等からの復旧時には停電発生時の遊技状態に復帰するこ
とができる。
【0071】なお、図8では、電源投入時にCPU56
のリセット端子に2回のリセット信号(ローレベル信
号)が与えられる構成が示されたが、リセット信号の立
ち上がりタイミングが1回しかなくても確実にリセット
解除されるCPUを使用する場合には、符号941〜9
49で示された回路素子は不要である。その場合、リセ
ットIC651の出力がそのままCPU56のリセット
端子に接続される。
【0072】図9は、遊技機の電源基板910の一構成
例を示すブロック図である。電源基板910は、主基板
31、表示制御基板80、音声制御基板70、ランプ制
御基板35および払出制御基板37等の電気部品制御基
板と独立して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板
および機構部品が使用する電圧を生成する。この例で
は、AC24V、VSL(DC+30V)、DC+21
V、DC+12VおよびDC+5Vを生成する。また、
バックアップ電源となるコンデンサ916は、DC+5
Vすなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインか
ら充電される。
【0073】トランス911は、交流電源からの交流電
圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ9
15に出力される。また、整流回路912は、AC24
Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバ
ータ913およびコネクタ915に出力する。DC−D
Cコンバータ913は、+22V、+12Vおよび+5
Vを生成してコネクタ915に出力する。コネクタ91
5は例えば中継基板に接続され、中継基板から各電気部
品制御基板および機構部品に必要な電圧の電力が供給さ
れる。なお、トランス911の入力側には、遊技機に対
する電源供給を停止したり開始させたりするための電源
スイッチ918が設置されている。
【0074】DC−DCコンバータ913からの+5V
ラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成す
る。バックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの
間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コ
ンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が遮断され
たときの電気部品制御基板のバックアップRAM(電源
バックアップされているRAMすなわち記憶内容保持状
態となりうる記憶手段)に対して記憶状態を保持できる
ように電力を供給するバックアップ電源となる。また、
+5Vラインとバックアップ+5Vラインとの間に、逆
流防止用のダイオード917が挿入される。
【0075】なお、バックアップ電源として、+5V電
源から充電可能な電池を用いてもよい。電池を用いる場
合には、+5V電源から電力供給されない状態が所定時
間継続すると容量がなくなるような充電池が用いられ
る。
【0076】また、電源基板910には、上述した第1
の電源監視回路を構成する電源監視用IC902が搭載
されている。電源監視用IC902は、VSL電源電圧を
導入し、VSL電源電圧を監視することによって電源断の
発生を検出する。具体的には、VSL電源電圧が所定値
(この例では+22V)以下になったら、電源断が生ず
るとして電圧低下信号を出力する。なお、監視対象の電
源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されている回路素
子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電圧であ
ることが好ましい。この例では、交流から直流に変換さ
れた直後の電圧であるVSLが用いられている。電源監視
用IC902からの電圧低下信号は、主基板31や払出
制御基板37等に供給される。
【0077】電源監視用IC902が電源断を検知する
ための所定値は、通常時の電圧より低いが、各電気部品
制御基板上のCPUが暫くの間動作しうる程度の電圧で
ある。また、電源監視用IC902が、CPU等の回路
素子を駆動するための電圧(この例では+5V)よりも
高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監
視するように構成されているので、CPUが必要とする
電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、
より精密な監視を行うことができる。さらに、監視電圧
としてVSL(+30V)を用いる場合には、遊技機の各
種スイッチに供給される電圧が+12Vであることか
ら、電源瞬断時のスイッチオン誤検出の防止も期待でき
る。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+3
0V作成の以降に作られる+12Vが落ち始める以前の
段階でそれの低下を検出できる。よって、+12V電源
の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するよ
うになるが、+12Vより早く低下する+30V電源電
圧を監視して電源断を認識すれば、スイッチ出力がオン
状態を呈する前に電源復旧待ちの状態に入ってスイッチ
出力を検出しない状態となることができる。
【0078】また、電源監視用IC902は、電気部品
制御基板とは別個の電源基板910に搭載されているの
で、第1の電源監視回路から複数の電気部品制御基板に
電圧低下信号を供給することができる。電圧低下信号を
必要とする電気部品制御基板が幾つあっても第1の電源
監視手段は1つ設けられていればよいので、各電気部品
制御基板における各電気部品制御手段が後述する復帰制
御を行っても、遊技機のコストはさほど上昇しない。
【0079】なお、図9に示された構成では、電源監視
用IC902の検出出力(電圧低下信号)は、バッファ
回路918,919を介してそれぞれの電気部品制御基
板(例えば主基板31と払出制御基板37)に伝達され
るが、例えば、1つの検出出力を中継基板に伝達し、中
継基板から各電気部品制御基板に同じ信号を分配する構
成でもよい。また、電圧低下信号を必要とする基板数に
応じたバッファ回路を設けてもよい。
【0080】次に遊技機の動作について説明する。図1
0は、主基板31におけるCPU56が実行するメイン
処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電源
が投入されると、メイン処理において、CPU56は、
まず、停電からの復旧時であったか否か確認する(ステ
ップS1)。停電からの復旧時であったか否かは、例え
ば、電源断時にバックアップRAM領域に設定される電
源断フラグによって確認される。
【0081】停電からの復旧時であった場合には、バッ
クアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリ
ティチェック)を行う(ステップS3)。不測の電源断
が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領
域のデータは保存されていたはずであるから、チェック
結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合に
は、内部状態を電源断時の状態に戻すことができないの
で、停電復旧時でない電源投入時に実行される初期化処
理を実行する(ステップS4,S2)。
【0082】チェック結果が正常であれば、CPU56
は、内部状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復
旧処理を行うとともに(ステップS5)、電源断フラグ
をクリアする(ステップS6)。
【0083】停電からの復旧時でない場合には、CPU
56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS1,
S2)。その後、メイン処理では、タイマ割込フラグの
監視(ステップS6)の確認が行われるループ処理に移
行する。なお、ループ内では、表示用乱数更新処理(ス
テップS7)も実行される。
【0084】なお、ここでは、ステップS1で停電から
の復旧か否かを確認し、停電からの復旧時であればパリ
ティチェックを行ったが、最初に、パリティチェックを
実行し、チェック結果が正常でなければ停電からの復旧
ではないと判断してステップS2の初期化処理を実行
し、チェック結果が正常であれば遊技状態復帰処理を行
ってもよい。すなわち、パリティチェックの結果をもっ
て停電からの復旧であるか否かを判断してもよい。
【0085】また、停電復旧処理を実行するか否か判断
する場合に、すなわち、遊技状態を復旧するか否か判断
する際に、保存されていたRAMデータにおける特別プ
ロセスフラグ等や始動入賞記憶数データによって、遊技
機が遊技待機状態(図柄変動中でなく、大当り遊技中で
なく、確変中でなく、また、始動入賞記憶がない状態)
であることが確認されたら、遊技状態復旧処理を行わず
に初期化処理を実行するようにしてもよい。
【0086】通常の初期化処理では、図11に示すよう
に、レジスタおよびRAMのクリア処理(ステップS2
a)と、必要な初期値設定処理(ステップS2b)が行
われた後に、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるよ
うにCPU56に設けられているタイマレジスタの初期
設定(タイムアウトが2msであることと繰り返しタイ
マが動作する設定)が行われる(ステップS2c)。す
なわち、ステップS2cで、タイマ割込を能動化する処
理と、タイマ割込インタバルを設定する処理とが実行さ
れる。
【0087】従って、この実施の形態では、CPU56
の内部タイマが繰り返しタイマ割込を発生するように設
定される。この実施の形態では、繰り返し周期は2ms
に設定される。そして、図12に示すように、タイマ割
込が発生すると、CPU56は、タイマ割込フラグをセ
ットする(ステップS11)。
【0088】CPU56は、ステップS8において、タ
イマ割込フラグがセットされたことを検出すると、タイ
マ割込フラグをリセットするとともに(ステップS
9)、遊技制御処理を実行する(ステップS10)。以
上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理
は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の
形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなさ
れ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるが、
タイマ割込処理で遊技制御処理を実行してもよい。
【0089】図13は、ステップS10の遊技制御処理
を示すフローチャートである。遊技制御処理において、
CPU56は、まず、表示制御基板80に送出される表
示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定する処
理を行った後に(表示制御データ設定処理:ステップS
21)、表示制御コマンドを出力する処理を行う(表示
制御データ出力処理:ステップS22)。
【0090】次いで、各種出力データの格納領域の内容
を各出力ポートに出力する処理を行う(データ出力処
理:ステップS23)。また、ホール管理用コンピュー
タに出力される大当り情報、始動情報、確率変動情報な
どの出力データを格納領域に設定する出力データ設定処
理を行う(ステップS24)。さらに、パチンコ遊技機
1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の
異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警
報が発せられる(エラー処理:ステップS25)。
【0091】次に、遊技制御に用いられる大当り判定用
の乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処
理を行う(ステップS26)。
【0092】さらに、CPU56は、特別図柄プロセス
処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス制御
では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序
で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当
する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄
プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更
新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステッ
プS28)。普通図柄プロセス処理では、7セグメント
LEDによる可変表示器10を所定の順序で制御するた
めの普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選
び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラ
グの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0093】さらに、CPU56は、スイッチ回路58
を介して、ゲートセンサ12、始動口センサ17、カウ
ントセンサ23および入賞口スイッチ19a,24aの
状態を入力し、各入賞口や入賞装置に対する入賞があっ
たか否か判定する(スイッチ処理:ステップS29)。
CPU56は、さらに、停止図柄の種類を決定する乱数
等の表示用乱数を更新する処理を行う(ステップS3
0)。
【0094】また、CPU56は、払出制御基板37と
の間の信号処理を行う(ステップS31)。すなわち、
所定の条件が成立すると払出制御基板37に賞球制御コ
マンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている
払出制御用CPUは、賞球制御コマンドに応じて球払出
装置97を駆動する。
【0095】以上のように、メイン処理には遊技制御処
理に移行すべきか否かを判定する処理が含まれ、CPU
56の内部タイマが定期的に発生するタイマ割込にもと
づくタイマ割込処理で遊技制御処理に移行すべきか否か
を判定するためのフラグがセットされるので、遊技制御
処理の全てが確実に実行される。つまり、遊技制御処理
の全てが実行されるまでは、次回の遊技制御処理に移行
すべきか否かの判定が行われないので、遊技制御処理中
の全ての各処理が実行完了することは保証されている。
【0096】従来の一般的な遊技制御処理は、定期的に
発生する外部割込によって、強制的に最初の状態に戻さ
れていた。図13に示された例に則して説明すると、例
えば、ステップS31の処理中であっても、強制的にス
テップS21の処理に戻されていた。つまり、遊技制御
処理中の全ての各処理が実行完了する前に、次回の遊技
制御処理が開始されてしまう可能性があった。
【0097】なお、ここでは、主基板31のCPU56
が実行する遊技制御処理は、CPU56の内部タイマが
定期的に発生するタイマ割込にもとづくタイマ割込処理
でセットされるフラグに応じて実行されたが、定期的に
(例えば2ms毎)信号を発生するハードウェア回路を
設け、その回路からの信号をCPU56の外部割込端子
に導入し、割込信号によって遊技制御処理に移行すべき
か否かを判定するためのフラグをセットするようにして
もよい。
【0098】そのように構成した場合にも、遊技制御処
理の全てが実行されるまでは、フラグの判定が行われな
いので、遊技制御処理中の全ての各処理が実行完了する
ことが保証される。
【0099】図14は、電源基板910の第1の電源監
視回路からの電圧低下信号にもとづくNMIに応じて実
行される停電発生NMI処理の一例を示すフローチャー
トである。停電発生NMI処理において、CPU56
は、まず、割込禁止に設定する(ステップS41)。停
電発生NMI処理ではRAM内容の保存を確実にするた
めにチェックサムの生成処理を行う。その処理中に他の
割込処理が行われたのではチェックサムの生成処理が完
了しないうちにCPUが動作し得ない電圧にまで低下し
てしまうことがことも考えられるので、まず、他の割込
が生じないような設定がなされる。なお、停電発生NM
I処理におけるステップS43〜S49は、電力供給停
止時処理の一例である。
【0100】なお、割込処理中では他の割込がかからな
いような仕様のCPUを用いている場合には、ステップ
S41の処理は不要である。
【0101】次いで、CPU56は、電源断フラグが既
にセットされているか否か確認する(ステップS4
2)。電源断フラグが既にセットされていれば、以後の
処理を行わない。電源断フラグがセットされていなけれ
ば、以下の電力供給停止時処理を実行する。すなわち、
ステップS43からステップS49の処理を実行する。
【0102】まず、各レジスタの内容をバックアップR
AM領域に格納する(ステップS43)。さらに、バッ
クアップRAM領域のバックアップチェックデータ領域
に適当な初期値を設定し(ステップS44)、初期値お
よびバックアップRAM領域のデータについて順次排他
的論理和をとって(ステップS45)、最終的な演算値
をバックアップパリティデータ領域に設定する(ステッ
プS46)。その後、電源断フラグをセットする(ステ
ップS47)。また、RAMアクセス禁止状態にする
(ステップS48)。電源電圧が低下していくときに
は、各種信号線のレベルが不安定になってRAM内容が
化ける可能性があるが、このようにRAMアクセス禁止
状態にしておけば、バックアップRAM内のデータが化
けることはない。そして、全ての出力ポートをオフ状態
にする(ステップS49)。
【0103】次いで、CPU56は、ループ処理にはい
る。すなわち、何らの処理もしない状態になる。従っ
て、図8に示されたリセットIC651からのリセット
信号によって外部から動作禁止状態にされる前に、内部
的に動作停止状態になる。よって、電源断時に確実にC
PU56は動作停止する。その結果、上述したRAMア
クセス禁止の制御および動作停止制御によって、電源電
圧が低下していくことに伴って生ずる可能性がある異常
動作に起因するRAMの内容破壊等を確実に防止するこ
とができる。
【0104】なお、この実施の形態では、停電発生NM
I処理では最終部でプログラムをループ状態にしたが、
ホールト(HALT)命令を発行するように構成しても
よい。
【0105】また、RAMアクセス禁止にする前にセッ
トされる電源断フラグは、上述したように、電源投入時
において停電からの復旧か否かを判断する際に使用され
る。また、ステップS41からS49の処理は、第2の
電源監視手段が電圧低下信号を発生する前に完了する。
換言すれば、第2の電源監視手段が電圧低下信号を発生
する前に完了するように、第1の電圧監視手段および第
2の電圧監視手段の検出電圧の設定が行われている。
【0106】この実施の形態では、電力供給停止時処理
開始時に、電源断フラグの確認が行われる。そして、電
源断フラグが既にセットされている場合には電力供給停
止時処理を実行しない。上述したように、電源断フラグ
は、電力供給停止時処理が完了したことを示すフラグで
ある。従って、例えば、リセット待ちのループ状態で何
らかの原因で再度NMIが発生したとしても、電力供給
停止時処理が重複して実行されてしまうようなことはな
い。
【0107】ただし、割込処理中では他の割込がかから
ないような仕様のCPUを用いている場合には、ステッ
プS42の判断は不要である。
【0108】図15は、バックアップパリティデータ作
成方法を説明するための説明図である。ただし、図15
に示す例では、簡単のために、バックアップデータRA
M領域のデータのサイズを3バイトとする。電源電圧低
下にもとづく停電発生処理において、図15(A)に示
すように、バックアップチェックデータ領域に、初期デ
ータ(この例では00H)が設定される。次に、「00
H」と「F0H」の排他的論理和がとられ、その結果と
「16H」の排他的論理和がとられる。さらに、その結
果と「DFH」の排他的論理和がとられる。そして、そ
の結果(この例では「39H」)がバックアップパリテ
ィデータ領域に設定される。
【0109】電源が再投入されたときには、停電復旧処
理においてパリティ診断が行われるが、図15(B)は
パリティ診断の例を示す説明図である。バックアップ領
域の全データがそのまま保存されていれば、電源再投入
時に、図15(A)に示すようなデータがバックアップ
領域に設定されている。
【0110】ステップS51の処理において、CPU5
6は、バックアップRAM領域のバックアップパリティ
データ領域に設定されていたデータ(この例では「39
H」)を初期データとして、バックアップデータ領域の
各データについて順次排他的論理和をとる処理を行う。
バックアップ領域の全データがそのまま保存されていれ
ば、最終的な演算結果は、「00H」、すなわちバック
アップチェックデータ領域に設定されているデータと一
致する。バックアップRAM領域内のデータにビット誤
りが生じていた場合には、最終的な演算結果は「00
H」にならない。
【0111】よって、CPU56は、最終的な演算結果
とバックアップチェックデータ領域に設定されているデ
ータとを比較して、一致すればパリティ診断正常とす
る。一致しなければ、パリティ診断異常とする。
【0112】以上のように、この実施の形態では、遊技
制御手段には、遊技機の電源が断しても、所定期間電源
バックアップされる記憶手段(この例ではバックアップ
RAM)が設けられ、電源投入時に、CPU56(具体
的にはCPU56が実行するプログラム)は、記憶手段
がバックアップ状態にあればバックアップデータにもと
づいて遊技状態を回復させる遊技状態復旧処理(ステッ
プS5)を行うように構成される。
【0113】この実施の形態では、図9に示されたよう
に電源基板910に第1の電源監視手段が搭載され、図
8に示されたように主基板31に第2の電源監視手段が
搭載されている。そして、電源電圧が低下していくとき
に、第2の電源監視手段(この例ではリセットIC65
1)が電圧低下信号(システムリセット信号)を発生す
る時期は、第1の電源監視手段(この例では電源監視用
IC902)が電圧低下信号を発生する時期よりも後に
なるように設定されている。
【0114】すると、CPU56は、第1の電源監視手
段(電源監視用IC902)からの電圧低下信号にもと
づいて停電発生処理(電力供給停止時処理)を実行した
後にループ状態に入るのであるが、ループ状態におい
て、リセット状態に入ることになる。すなわち、CPU
56の動作が完全に停止する。ループ状態においては+
5V電源電圧値が徐々に低下するので入出力状態が不定
になるが、CPU56はリセット状態になるので、不定
データにもとづいて異常動作してしまうことは防止され
る。
【0115】このように、この実施の形態では、CPU
56が、第1の電源監視手段からの検出出力の入力に応
じてループ状態に入るとともに、第2の電源監視手段か
らの検出出力の入力に応じてシステムリセットされるよ
うに構成したので、電源断時に確実なデータ保存を行う
ことができ、遊技者に不利益がもたらされることを防止
することができる。
【0116】なお、この実施の形態では、第1の電源監
視回路と第2の電源監視回路とが、同一の電源電圧を監
視しているが、異なる電源電圧を監視してもよい。例え
ば、電源基板910の第1の電源監視回路が+30V電
源電圧を監視し、主基板31の第2の電源監視回路が+
5V電源電圧を監視してもよい。そして、第2の電源監
視回路がローレベルの電圧低下信号を発生するタイミン
グは第1の電源監視回路が電圧低下信号を発生するタイ
ミングに対して遅くなるように、主基板31の第2の電
源監視回路のしきい値レベル(電圧低下信号を発生する
電圧レベル)が設定される。例えば、しきい値は4.2
5Vである。4.25Vは、通常時の電圧より低いが、
CPU56が暫くの間動作しうる程度の電圧である。
【0117】また、上記の実施の形態では、CPU56
は、マスク不能割込端子(NMI端子)を介して電源基
板からの第1の電圧低下信号(第1の電源監視手段から
の電圧低下信号)を検知したが、第1の電圧低下信号を
マスク可能割込割込端子(IRQ端子)に導入してもよ
い。その場合には、割込処理(IRQ処理)で電力供給
停止時処理が実行される。
【0118】図16は、図13に示された遊技制御処理
におけるスイッチ処理(ステップS29)の賞球制御に
関連する部分を示すフローチャートである。スイッチ処
理において、CPU56は、球切れスイッチ187によ
って球切れを検出すると球切れフラグをセットする(ス
テップS121,S122)。また、球切れスイッチ1
87によって球切れでないことを検出すると球切れフラ
グをリセットする(ステップS121,S123)。
【0119】次いで、満タンスイッチ48によって下皿
満タンを検出すると満タンフラグをセットする(ステッ
プS124,S125)。また、満タンスイッチ48に
よって下皿満タンでないことを検出すると満タンフラグ
をリセットする(ステップS124,S126)。
【0120】さらに、カウントスイッチ23がオンした
ことを検出すると、大入賞口用カウンタを+1し(ステ
ップS131,S132)、入賞口スイッチ19a,2
4aのいずれかがオンしたことを検出すると、普通入賞
口用カウンタを+1し(ステップS133,S13
4)、始動口スイッチ17がオンしたことを検出すると
始動入賞口用カウンタを+1する(ステップS135,
S136)。
【0121】なお、大入賞口用カウンタ、普通入賞口用
カウンタおよび始動入賞口用カウンタは、それぞれの入
賞口への入賞数を計数するためのカウンタである。
【0122】図17は、主基板31から払出制御基板3
7に送信される賞球制御コマンドのビット構成の一例を
示す説明図である。図17に示すように、1バイト中の
上位4ビットが制御指定部として使用され、下位4ビッ
トが賞球数を示す領域として用いられる。
【0123】図18に示すように、制御指定部におい
て、ビット7,6,5,4が「0,1,0,0」であれ
ば払出個数指定コマンドであることを示し、「0,1,
0,1」であれば払出指定コマンドであることを示す。
払出個数指定コマンドは、主基板31のCPU56が入
賞を検出すると直ちに払出制御基板37に送出される。
【0124】ビット7,6,5,4が「1,0,0,
0」である払出停止指定コマンドは、補給玉がなくなっ
たことが検出されたとき、または余剰玉受皿4が満タン
が検出されたときに主基板31から送信される。また、
ビット7,6,5,4が「1,0,1,0」である払出
停止解除指定コマンドは、補給球が存在し、かつ、余剰
玉受皿4の満タンが解除されているときに主基板31か
ら送信される。
【0125】図7に示されたように、賞球制御コマンド
は、出力ポート577を介して送信される。そして、こ
の実施の形態では、図19に示すように、主基板31か
ら賞球制御コマンドD7〜D0が出力されるときに、賞
球制御INT信号が5μs以上ローレベルになる。賞球
制御INT信号は、払出制御基板37において、払出制
御用CPU371の割込端子に接続されている。よっ
て、払出制御用CPU371は、割り込みがあると、賞
球制御コマンドD7〜D0が主基板31から送出された
ことを認識でき、割込処理において賞球制御コマンド受
信処理を行う。
【0126】なお、図17に示されたコマンド構成は一
例であって、他の構成にしてもよい。例えば、1バイト
中の上位下位を、図17に示された構成とは逆にしても
よい。また、コマンドの長さも一例であって、例えば、
2バイト構成であってもよい。
【0127】図20および図21は、図13に示された
遊技制御処理における入賞球信号処理(ステップS3
1)の一例を示すフローチャートである。この例では、
入賞球信号処理において、まず、払出停止状態であるか
否か確認する(ステップS201)。払出停止状態は、
払出制御基板37に対して払出停止指示のコマンドを送
出した後の状態である。払出停止状態でなければ、上述
した球切れ状態フラグまたは満タンフラグがオンになっ
たか否かを確認する(ステップS202)。
【0128】いずれかがオン状態に変化したときには、
払出停止指示を示す賞球制御コマンドを出力ポート57
7(図7参照)に出力し(ステップS203)、INT
信号をオン状態にする(ステップS204)。また、5
μsのディレイ時間の後(ステップS205)、INT
信号をオフ状態にする(ステップS206)。この結
果、図19に示されたようなタイミングで、払出停止指
示を示す賞球制御コマンドが払出制御基板37に対して
送出される。なお、ステップS202において、いずれ
か一方のフラグが既にオン状態であったときに他方のフ
ラグがオン状態になったときには、払出停止指示を示す
賞球制御コマンドの送出制御(ステップS204〜S2
06)は行われない。
【0129】また、払出停止状態であれば、球切れ状態
フラグおよび満タンフラグがともにオフ状態になったか
否かを確認する(ステップS211)。ともにオン状態
となったときには、払出停止解除指示を示す賞球制御コ
マンドを出力ポート577に出力し(ステップS21
2)、INT信号をオン状態にする(ステップS21
3)。また、5μsのディレイ時間の後(ステップS2
14)、INT信号をオフ状態にする(ステップS21
5)。
【0130】次いで、CPU56は、入賞に応じた賞球
個数を払出制御基板37に送出する制御を行う。この実
施の形態では、大入賞口を経た入賞については15個の
賞球を払い出し、始動入賞口14を経た入賞については
6個の賞球を払い出し、その他の入賞口24および入賞
球装置を経た入賞については10個の賞球を払い出すと
する。
【0131】CPU56は、まず、大入賞口用カウンタ
の値をチェックする(ステップS361)。上述したよ
うに、大入賞口用カウンタは、遊技球が大入賞口に入賞
してカウントスイッチ23がオンするとカウントアップ
される。大入賞口用カウンタの値が0でない場合には、
15個の払出個数指示を示す賞球制御コマンドを出力ポ
ート577に出力し(ステップS362)、INT信号
をオン状態にする(ステップS363)。また、5μs
のディレイ時間の後(ステップS364)、INT信号
をオフ状態にする(ステップS365)。そして、大入
賞口用カウンタの値を−1し(ステップS366)、払
出指令個数累積値に15を加算する(ステップS36
7)。
【0132】大入賞口用カウンタの値が0であれば、普
通入賞口用カウンタの値をチェックする(ステップS3
71)。上述したように、普通入賞口用カウンタは、遊
技球が入賞口に入賞して入賞口スイッチ19a,24a
がオンするとカウントアップされる。普通入賞口用カウ
ンタの値が0でない場合には、10個の払出個数指示を
示す賞球制御コマンドを出力ポート577に出力し(ス
テップS372)、INT信号をオン状態にする(ステ
ップS373)。また、5μsのディレイ時間の後(ス
テップS374)、INT信号をオフ状態にする(ステ
ップS375)。そして、普通入賞口用カウンタの値を
−1し(ステップS376)、払出指令個数累積値に1
0を加算する(ステップS377)。
【0133】普通入賞口用カウンタの値が0であれば、
始動入賞口用カウンタの値をチェックする(ステップS
381)。上述したように、始動入賞口用カウンタは、
遊技球が始動入賞口に入賞して始動口スイッチ17がオ
ンするとカウントアップされる。始動入賞口用カウンタ
の値が0でない場合には、6個の払出個数指示を示す賞
球制御コマンドを出力ポート577に出力し(ステップ
S382)、INT信号をオン状態にする(ステップS
383)。また、5μsのディレイ時間の後(ステップ
S384)、INT信号をオフ状態にする(ステップS
385)。そして、普通入賞口用カウンタの値を−1し
(ステップS386)、払出指令個数累積値に6を加算
する(ステップS387)。
【0134】以上にようにして、遊技制御手段から払出
制御基板37に対して、払出制御手段が受信可能に賞球
制御コマンドが一回だけ送出される。
【0135】賞球個数を決定するときに、すなわち、払
出個数を決定するときに(ステップS362,S37
2,S382)、CPU56が実行するプログラムにお
いて15個、10個または6個を記載してもよいが、こ
の実施の形態では、各個数が、ROM54のデータ領域
に記載されている。そして、賞球個数を決定するとき
に、ROM54におけるデータ領域を参照する。図22
にメモリマップの例を示す。この例では、ROM領域は
アドレスE000(H)〜FFFF(H)に割り当てら
れ、ROM領域において、プログラムを含まないデータ
領域がE200(H)〜EDFF(H)に割り当てら
れ、プログラム領域がEE00(H)〜F7FF(H)
に割り当てられている。
【0136】そして、データ領域中に、賞球個数を示す
「15」、「6」、「10」が設定されている。「A
A」は「15」が設定されているアドレスのラベルであ
る。
【0137】図23は、賞球個数「15」を決定すると
きの具体的なプログラム例を示す。図23(A)はプロ
グラムにおいて個数が記載されている例、図23(B)
はこの実施の形態で用いられる例を示す。図23(A)
に示す例では、即値「15」がアキュムレータにロード
され、その後、アキュムレータの内容がラベルDATA
で指定される領域に設定されている。ラベルDATAで
指定される領域は、例えば、ステップS362,S37
2,S382における出力ポート577である。
【0138】図23(A)に示すプログラム構成による
と、賞球個数を示す「15」がプログラム領域に書き込
まれていることになる。そして、賞球個数を変更する場
合には、プログラム領域の内容を書き換える必要があ
る。図23(A)に示された構成は比較的簡単な例であ
ってプログラム変更時に誤りが生じにくいが、プログラ
ム容量節減等のために複雑なプログラム構造になってい
る場合には、賞球個数を変更する際に、他の部分に悪影
響を与えるような変更がなされる可能性がある。
【0139】図23(B)に示す例では、ラベルSSで
指定されるデータ領域の内容がアキュムレータにロード
され、その後、アキュムレータの内容がラベルDATA
で指定される領域に設定されている。このようなプログ
ラム構成によると、賞球個数を変更する場合には、ラベ
ルSSに対応したデータ領域に設定されている数値を変
更するだけでよく、プログラム領域の内容を変更しなく
てよい。例えば、15の賞球個数を14個に変更すると
きには、ラベルSSに対応したデータ領域に設定されて
いる数値を14に変更するだけでよい。
【0140】このように賞球個数を決定する際にデータ
領域に設定されている値を参照するように構成しておけ
ば、基本的な遊技内容は変わらないが入賞に応じて払い
出される賞球数が異なる遊技機を開発する場合に、プロ
グラム変更に起因する誤りが発生する余地がなくなる。
すなわち、より安全に、プログラム変更を行うことがで
きる。
【0141】また、ステップS367,S377,S3
87における払出個数累積値を加算する際の加算値も、
データ領域を参照して決定される。
【0142】なお、この実施の形態では、入賞順に関わ
りなく、入賞に対して賞球個数の多いものから順に払出
制御基板37に対して賞球個数が通知されるが、入賞順
に賞球個数を通知するようにしてもよい。
【0143】次に、払出制御用CPU371による払出
制御について説明する。図24は、電源監視および電源
バックアップのための払出制御用CPU371周りの一
構成例を示すブロック図である。図24に示すように、
第1の電源監視回路(第1の電源監視手段)からの電圧
低下信号が、バッファ回路960を介して払出制御用C
PU371のマスク不能割込端子(NMI端子)に接続
されている。第1の電源監視回路は、遊技機が使用する
各種直流電源のうちのいずれかの電源の電圧を監視して
電源電圧低下を検出する回路である。この実施の形態で
は、VSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値以下にな
るとローレベルの電圧低下信号を発生する。VSLは、遊
技機で使用される直流電圧のうちで最大のものであり、
この例では+30Vである。従って、払出制御用CPU
371は、割込処理によって電源断の発生を確認するこ
とができる
【0144】払出制御基板37には、初期リセット回路
975も搭載されているが、この実施の形態では、初期
リセット回路975は、第2の電源監視回路(第2の電
源監視手段)も兼ねている。すなわち、リセットIC9
76は、電源投入時に、外付けのコンデンサに容量で決
まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経
過すると出力をハイレベルにする。また、リセットIC
976は、電源基板910に搭載されている第1の電源
監視回路が監視する電源電圧と等しい電源電圧であるV
SLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(例えば+9
V)以下になるとローレベルの電圧低下信号を発生す
る。従って、電源断時には、リセットIC976からの
電圧低下信号がローレベルになることによって払出制御
用CPU371がシステムリセットされる。なお、図2
4に示すように、電圧低下信号はリセット信号と同じ出
力信号である。
【0145】リセットIC976が電源断を検知するた
めの所定値は、通常時の電圧より低いが、払出制御用C
PU371が暫くの間動作しうる程度の電圧である。ま
た、リセットIC976が、払出制御用CPU371が
必要とする電圧(この例では+5V)よりも高い電圧を
監視するように構成されているので、払出制御用CPU
371が必要とする電圧に対して監視範囲を広げること
ができる。従って、より精密な監視を行うことができ
る。
【0146】+5V電源から電力が供給されていない
間、払出制御用CPU371の内蔵RAMの少なくとも
一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源がバ
ックアップ端子に接続されることによってバックアップ
され、遊技機に対する電源が断しても内容は保存され
る。そして、+5V電源が復旧すると、初期リセット回
路975からリセット信号が発せられるので、払出制御
用CPU371は、通常の動作状態に復帰する。そのと
き、必要なデータがバックアップされているので、停電
等からの復旧時には停電発生時の遊技状態に復帰するこ
とができる。
【0147】以上のように、この実施の形態では、電源
基板910に搭載されている第1の電源監視回路が、遊
技機で使用される直流電圧のうちで最も高い電源VSLの
電圧を監視して、その電源の電圧が所定値を下回ったら
電圧低下信号(電源断検出信号)を発生する。電源断検
出信号が出力されるタイミングでは、IC駆動電圧は、
まだ各種回路素子を十分駆動できる電圧値になってい
る。従って、IC駆動電圧で動作する払出制御基板37
の払出制御用CPU371が所定の電力供給停止時処理
を行うための動作時間が確保されている。
【0148】なお、ここでも、第1の電源監視回路は、
遊技機で使用される直流電圧のうちで最も高い電源VSL
の電圧を監視することになるが、電源断検出信号を発生
するタイミングが、IC駆動電圧で動作する電気部品制
御手段が所定の電力供給停止時処理を行うための動作時
間が確保されるようなタイミングであれば、監視対象電
圧は、最も高い電源VSLの電圧でなくてもよい。すなわ
ち、少なくともIC駆動電圧よりも高い電圧を監視すれ
ば、電気部品制御手段が所定の電力供給停止時処理を行
うための動作時間が確保されるようなタイミングで電源
断検出信号を発生することができる。
【0149】その場合、上述したように、監視対象電圧
は、賞球カウントスイッチ301A等の遊技機の各種ス
イッチに供給される電圧が+12Vであることから、電
源断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる電圧で
あることが好ましい。すなわち、スイッチに供給される
電圧(スイッチ電圧)である+12V電源電圧が落ち始
める以前の段階で、電圧低下を検出できることが好まし
い。よって、少なくともスイッチ電圧よりも高い電圧を
監視することが好ましい。
【0150】なお、図24に示された構成では、初期リ
セット回路975は、電源投入時に、コンデンサの容量
で決まる期間のローレベルを出力し、その後ハイレベル
を出力する。すなわち、リセット解除タイミングは1回
だけである。しかし、図8に示された主基板31の場合
と同様に、複数回のリセット解除タイミングが発生する
ような回路構成を用いてもよい。
【0151】図25は、払出制御用CPU371のメイ
ン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、
払出制御用CPU371は、まず、RAM領域をクリア
する等の初期値設定処理を行う(ステップS701)。
なお、内蔵RAMの電源バックアップされたRAM領域
(バックアップRAM領域)にデータが設定されている
場合には、それらの領域のクリア処理はなされない。そ
の後、この実施の形態では、払出制御用CPU371
は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確
認を行うループ処理に移行する。
【0152】ステップS701の初期化処理では、後述
する総合個数記憶および貸し玉個数記憶の値が0でない
場合には、非バックアップRAM領域をクリアする。そ
して、賞球再開のための設定を行う。例えば、賞球中処
理中フラグのセット等を行う。なお、バックアップRA
M領域であっても、賞球個数に関わらない領域であるな
らば、それらのアドレスを指定してクリアするようにし
てもよい。さらに、それら処理の他に、2ms毎に定期
的にタイマ割込がかかるように払出制御用CPU371
に設けられているタイマレジスタの初期設定(タイムア
ウトが2msであることと繰り返しタイマが動作する設
定)が行われる。すなわち、タイマ割込を能動化する処
理と、タイマ割込インタバルを設定する処理とが実行さ
れる。
【0153】従って、この実施の形態では、払出制御用
CPU371の内部タイマが繰り返しタイマ割込を発生
するように設定される。この実施の形態では、繰り返し
周期は2msに設定される。そして、図26に示すよう
に、タイマ割込が発生すると、払出制御用CPU371
は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS71
1)。
【0154】払出制御用CPU371は、ステップS7
02において、タイマ割込フラグがセットされたことを
検出すると、タイマ割込フラグをリセットするとともに
(ステップS703)、払出制御処理を実行する(ステ
ップS705)。以上の制御によって、この実施の形態
では、払出制御処理は2ms毎に起動されることにな
る。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフ
ラグセットのみがなされ、払出制御処理はメイン処理に
おいて実行されるが、タイマ割込処理で払出制御処理を
実行してもよい。
【0155】図27は、払出制御用CPU371が内蔵
するRAMの使用例を示す説明図である。この例では、
バックアップRAM領域に総合個数記憶(例えば2バイ
ト)および貸し玉個数記憶が形成されている。総合個数
記憶は、主基板31の側から指示された払出個数の総数
を記憶するものである。貸し玉個数記憶は、未払出の球
貸し個数を記憶するものである。なお、バックアップR
AM領域には、各種フラグ類を設定するための領域もあ
る。また、図27では、非バックアップ領域も示されて
いるが、払出制御用CPU371が内蔵するRAMは全
て電源バックアップされていてもよい。
【0156】図28は、割込処理による賞球制御コマン
ド受信処理を示すフローチャートである。主基板31か
らの賞球制御INT信号は払出制御用CPU371の割
込端子に入力されている。よって、主基板31からの賞
球制御INT信号がオン状態になると、払出制御用CP
U371に割込がかかり、図28に示す賞球制御コマン
ドの受信処理が開始される。
【0157】賞球制御コマンドの受信処理において、払
出制御用CPU371は、まず、賞球制御コマンドデー
タの入力に割り当てられている入力ポートから1バイト
のデータを読み込む(ステップS852)。読み込んだ
データが払出個数指示コマンドであれば(ステップS8
53)、払出個数指示コマンドで指示された個数を総合
個数記憶に加算する(ステップS855)。そうでなけ
れば、通信終了フラグをセットする(ステップS85
4)。なお、通信終了フラグは、この例では、払出個数
指示コマンド以外のコマンドを受信したことを示すフラ
グである。
【0158】以上のように、払出制御基板37に搭載さ
れた払出制御用CPU371は、主基板31のCPU5
6から送られた払出個数指示コマンドに含まれる賞球数
をバックアップRAM領域(総合個数記憶)に記憶す
る。
【0159】図29〜図32は、払出制御処理(ステッ
プS705)の一例を示すフローチャートである。この
例では、払出制御用CPU371は、まず、払出停止中
であるか否か確認する(ステップS471)。払出停止
中でなければ、主基板31から払出停止指示を示す賞球
制御コマンドを受信したか否か確認する(ステップS4
72)。受信していれば、払出モータ289を停止する
とともに(ステップS473)、内部状態を払出停止状
態に設定する(ステップS474)。すなわち、払出制
御手段は、賞球払出も球貸しも停止する状態になる。
【0160】なお、この実施の形態では、払出停止指示
のコマンドを受信したら直ちに払出モータ289を停止
するが、そのように制御するのではなく、切りのよいと
ころで払出モータ289を停止するようにしてもよい。
例えば、遊技球の払出を25個単位で実行し、一単位の
払出が完了した時点で払出モータ289を停止するとと
もに、内部状態を払出停止状態に設定するようにしても
よい。上述したように、球切れスイッチ187a,18
7bは、払出球通路186a,186bに27〜28個
程度の遊技球が存在することを検出できるような位置に
設置されているので、主基板31の遊技制御手段が球切
れを検出しても、その時点から少なくとも25個の払出
は可能である。従って、一単位の払出が完了した時点で
払出停止状態にしても問題は生じない。また、一単位の
区切りで払出停止状態とすれば、払出再開時の制御が容
易になる。
【0161】払出停止状態であれば、払出制御用CPU
371は、主基板31から払出停止解除指示を示す賞球
制御コマンドを受信したか否か確認する(ステップS4
75)。受信していなければ、ステップS471に戻
る。払出停止解除指示を示す賞球制御コマンドを受信し
ていれば、内部状態の払出停止状態を解除する(ステッ
プS476)。すなわち、払出制御手段は、賞球払出お
よび球貸しができる状態に戻る。
【0162】払出停止状態でなければ、払出制御用CP
U371は、ステップS481以降の処理を行う。ステ
ップS481において、払出制御用CPU371は、現
在球貸し中であるか否か確認する。球貸し中であれば、
ステップS532の球貸し中の処理に移行する。球貸し
中でない場合には、賞球処理中であるか否か確認する
(ステップS482)。賞球処理中であれば、ステップ
S513の賞球処理中の処理に移行する。
【0163】賞球処理中でもなければ、遊技機の外部機
器としてのカードユニット50からの球貸し要求信号で
あるBRQ信号がオンになっているかどうか確認する
(ステップS483)。BRQ信号がオンになっていれ
ば、ステップS491以降の処理を行う。BRQ信号が
オンになっていなければ、すなわち球貸し要求が発生し
ていなければ、総合個数記憶が0であるか否か確認する
(ステップS491)。総合個数記憶が0であれば、す
なわち、賞球払出を開始する必要がない場合には、処理
を終了する。
【0164】なお、この実施の形態では、ステップS4
81〜S491の判断によって球貸しが賞球処理よりも
優先されることになるが、賞球処理が球貸しに優先する
ようにしてもよい。
【0165】ステップS492において、払出制御用C
PU371は、球貸し処理中フラグをオンし、球貸し個
数カウンタに単位数を設定して(ステップS493)、
EXS信号をオンする(ステップS494)。単位数
は、例えば所定単位である100円で貸し出される遊技
球の数(例えば25個)である。そして。球払出装置9
7の下方の球振分部材311を球貸し側に設定するため
に振分用ソレノイド310を駆動する(ステップS49
5)。また、払出モータ289をオンして(ステップS
496)、図32に示す球貸し中の処理に移行する。
【0166】なお、払出モータ289をオンするのは、
厳密には、カードユニット50が受付を認識したことを
示すためにBRQ信号をOFFとしてからである。ま
た、球貸し個数カウンタはバックアップRAM領域の貸
し玉個数記憶に形成されている。また、球貸し処理中フ
ラグもバックアップRAM領域に設定される。
【0167】ステップS491において総合個数記憶が
0でなければ、賞球払出を開始する処理を行う。すなわ
ち、賞球処理中フラグをオンし(ステップS505)、
球払出装置97の下方の球振分部材311を賞球側に設
定し(ステップS506)、払出モータ289をオンす
る(ステップS507)。そして、賞球払出中処理に移
行する。なお、賞球処理中フラグは、バックアップRA
M領域に設定される。
【0168】ステップS513以降の処理は賞球払出中
の処理である。賞球払出中の処理において、払出制御用
CPU371は、賞球カウントスイッチ301Aの検出
出力によって遊技球の払出がなされたか否かの確認を行
う。そして、1個の払出が行われたことを確認したら
(ステップS513)、総合個数記憶の値を−1する
(ステップS514)。また、総合個数記憶の値が0に
なったら(ステップS515)、払出モータ289をオ
フするとともに(ステップS516)、賞球処理中フラ
グをオフする(ステップS517)。
【0169】総合個数記憶の内容は、遊技機の電源が断
しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源に
よって保存される。従って、所定期間中に電源が回復す
ると、払出制御用CPU371は、総合個数記憶の内容
にもとづいて賞球払出処理を継続することができる。
【0170】払出制御用CPU371は、電源投入時
に、バックアップRAM領域のデータを確認するだけ
で、通常の初期設定処理を行うのか賞球中の状態を復元
するのか決定できる。すなわち、簡単な判断によって、
未払出賞球について賞球処理再開を行うことができる。
【0171】なお、払出制御用CPU371は、主基板
31から指示された賞球個数を総合個数記憶で総数とし
て管理したが、賞球数毎(例えば15個、10個、6
個)に管理してもよい。例えば、賞球数毎に対応した個
数カウンタを設け、払出個数指定コマンドを受信する
と、そのコマンドで指定された個数に対応する個数カウ
ンタを+1する。そして、賞球数毎の賞球払出が終了す
ると、対応する個数カウンタを−1する。その場合に
も、各個数カウンタはバックアップRAM領域に形成さ
れる。よって、遊技機の電源が断しても、所定期間中に
電源が回復すれば、払出制御用CPU371は、各個数
カウンタの内容にもとづいて賞球払出処理を継続するこ
とができる。
【0172】図32は、払出制御用CPU371による
払出制御処理における球貸し中の処理を示すフローチャ
ートである。球貸し処理において、払出制御用CPU3
71は、球貸しカウントスイッチ301Bの検出出力に
よって遊技球の払出がなされたか否かの確認を行う。そ
して、1個の払出が行われたことを確認したら(ステッ
プS532)、球貸し個数カウンタの値を−1する(ス
テップS533)。また、球貸し個数カウンタの値が0
になったら(ステップS534)、カードユニット50
に対して、次の球貸し要求の受付が可能になったことを
示すためにEXS信号をオフにする(ステップS53
5)。また、払出モータ289をオフするとともに(ス
テップS535)、球貸し処理中フラグをオフする(ス
テップS537)。
【0173】なお、球貸し要求の受付を示すEXS信号
をオフにした後、所定期間内に再び球貸し要求信号であ
るBRQ信号がオンしたら、払出モータをオフせずに球
貸し処理を続行するようにしてもよい。すなわち、所定
単位(この例では100円単位)毎に球貸し処理を行う
のではなく、球貸し処理を連続して実行するように構成
することもできる。
【0174】貸し玉個数記憶の内容は、遊技機の電源が
断しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源
によって保存される。従って、所定期間中に電源が回復
すると、払出制御用CPU371は、貸し玉個数記憶の
内容にもとづいて球貸し処理を継続することができる。
【0175】図33は、払出制御用CPU371が第1
の電源監視手段からの割込に応じて実行される停電発生
割込処理を示すフローチャートである。電源基板910
の電源監視用IC902が電源電圧の低下を検出すると
電圧低下信号が電圧低下を示す状態となり、停電発生割
込処理が開始される。停電発生割込処理において、払出
制御用CPU371は、割込禁止に設定し(ステップS
801)、RAMアクセス禁止状態に設定し(ステップ
S802)、出力ポートをオフ状態にして(ステップS
803)、ループ処理に入る。すなわち、何らの処理も
しない状態になる。
【0176】従って、図24に示されたリセットIC9
76からのリセット信号によって外部から動作禁止状態
(システムリセット)にされる前に、内部的に動作停止
状態になる。よって、電源断時に確実に払出制御用CP
U371は動作停止する。その結果、電源電圧が低下し
ていくことに伴って生ずる可能性がある異常動作に起因
するRAMの内容破壊等を確実に防止することができ
る。
【0177】なお、この実施の形態では、停電発生割込
処理では最終部でプログラムをループ状態にしたが、ホ
ールト(HALT)命令を発行するように構成してもよ
い。また、割込処理中には他の割込がかからないような
仕様のCPUを用いた場合にはステップS801の処理
は不要である。また、この実施の形態では、停電発生割
込処理(電力供給停止時処理)はNMIに応じて実行さ
れるが、電源基板からの第1の電圧低下信号(第1の電
源監視手段からの電圧低下信号)をマスク可能割込割込
端子(IRQ端子)に導入して、割込処理(IRQ処
理)で電力供給停止時処理を実行してもよい。
【0178】図34は、払出制御用CPU371が電源
投入時に実行する初期化処理(ステップS701)の一
部を示すフローチャートである。電源が投入され、また
は、電源が復旧したときには、払出制御用CPU371
は、まず、バックアップRAM領域に形成されている総
合個数記憶または貸し玉個数記憶の値が0でないかどう
か確認する(ステップS901)。0である場合には、
前回の電源オフ時に未払出賞球はなかったことになるの
で、通常の初期設定処理を行う。すなわち、レジスタお
よび全RAM領域をクリアして(ステップS903)、
スタックポインタの初期設定を行う(ステップS90
4)。
【0179】総合個数記憶または貸し玉個数記憶の値が
0でない場合には、アドレスを指定してレジスタと非バ
ックアップRAM領域をクリアする(ステップS90
5)。そして、賞球または球貸し再開のための設定を行
う。例えば、球貸し処理中フラグのセット等を行う(ス
テップS906)。なお、バックアップRAM領域であ
っても、賞球個数に関わらない領域であるならば、それ
らのアドレスを指定してクリアするようにしてもよい。
【0180】このように、払出制御用CPU371は、
電源投入時に、バックアップRAM領域のデータを確認
するだけで、通常の初期設定処理を行うのか賞球払出中
または球貸し中の状態を復元するのか決定できる。つま
り、未払出の遊技球数および賞球処理中フラグと球貸し
処理中フラグとはバックアップRAMに保存されている
ので、払出制御用CPU371は、賞球処理中フラグま
たは球貸し処理中フラグがセットされていれば、総合個
数記憶または貸し玉個数記憶の内容に応じた処理を続行
することができる。すなわち、簡単な判断によって、未
払出賞球または未払出貸し玉について処理再開を行うこ
とができる。
【0181】上記の実施の形態では、バックアップRA
M領域の貸し玉個数記憶に記憶されている球貸しに関す
る情報は、球貸し個数カウンタの値である。すなわち、
1回の所定単位(この例では100円に対応する単位
数:25個)における未払出遊技球数である。しかし、
複数回の所定単位の全てについての未払出貸し玉数を貸
し玉個数記憶に記憶してもよい。その場合、例えば、5
00円分の球貸しの要求、すなわち、所定単位の5回分
の球貸し要求を、払出制御用CPU371は、あらかじ
め全て受け付け、所定単位5回分の球貸しを行うべき旨
の情報をバックアップRAM領域の貸し玉個数記憶に記
憶する。
【0182】そのような制御によって、カードユニット
50から所定回連続して球貸し要求が出力される場合
に、全ての要求が順次受け付けられる。そして、受け付
けたが、その受付に対してまだ払い出しが開始されてい
ないものについては球貸し回数カウンタの値に保存され
る。
【0183】球貸し回数カウンタおよび球貸し個数カウ
ンタの値はバックアップRAM領域における貸し玉個数
記憶に記憶されるので、遊技機に対する電源が断しても
所定期間は保存される。そして、その所定期間内に電源
が回復すれば、払出制御用CPU371は、保存されて
いる球貸し回数カウンタおよび球貸し個数カウンタの値
にもとづいて球貸し処理を続行することができる。すな
わち、払出制御手段が、複数回の球貸し要求を全て受け
付けて、その後に順次球貸し処理を実行するように構成
されている場合でも、遊技者に対して球貸しに関する不
利益を与えることのない制御が実現される。
【0184】また、複数回の球貸し要求の受付が開始さ
れると同時に実際の球貸し処理も開始されるように構成
してもよいが、事前に複数回の球貸し要求を全て受け付
け、受付完了後に実際の球貸し処理を開始するように構
成してもよい。
【0185】また、上記の実施の形態では、停電等の電
源断が生じたときの電力供給停止時処理として単にRA
Mアクセス禁止を行っただけであるが、RAM内のデー
タを対象としてパリティデータを作成し、作成したパリ
ティデータも保存するようにしてもよい。そして、電源
投入時の処理において、パリティデータにもとづく確認
を行い、RAM内のデータが正しく保存されていたこと
を確認したら、保存されているデータにもとづく賞球払
出処理または球貸し処理を続行するようにしてもよい。
【0186】以上に説明したように、この実施の形態で
は、払い出される遊技球の不足が検知されたとき(球切
れ時)にも、下皿満タンで遊技球を払い出すべきでない
ときの、同一のコマンドである払出停止指示のコマンド
が遊技制御手段から払出制御手段に通知される(図20
参照)。そして、払出制御手段は、払出停止指示に応じ
て賞球払出を停止する。すなわち、賞球停止をすべき条
件が異なっていても、共通のコマンドが遊技制御手段か
ら払出制御手段に送出される。従って、遊技制御手段か
ら払出制御手段に対する情報伝達に関する負荷が低減さ
れる。その結果、遊技制御手段におけるプログラム容量
が節減されて遊技制御に回せるプログラム容量が増える
等の利点が生ずる。
【0187】また、球切れ解除についても、下皿満タン
の解消についても、同一のコマンドである払出停止解除
指示のコマンドが遊技制御手段から払出制御手段に通知
される。そして、払出制御手段は、払出停止指示に応じ
て賞球払出を可能な状態に戻す。すなわち、賞球停止解
除の原因が異なっていても、共通のコマンドが遊技制御
手段から払出制御手段に送出される。その結果、やは
り、遊技制御手段から払出制御手段に対する情報伝達に
関する負荷が低減される。
【0188】また、払出制御手段は、払出停止指示に応
じて球貸しを停止する。すなわち、球貸し停止をすべき
条件が異なっていても、共通のコマンドが遊技制御手段
から払出制御手段に送出される。従って、遊技制御手段
から払出制御手段に対する情報伝達に関する負荷が低減
される。その結果、遊技制御手段におけるプログラム容
量が節減されて遊技制御に回せるプログラム容量が増え
る等の利点が生ずる。
【0189】そして、払出制御手段は、払出停止指示に
応じて球貸しを可能な状態に戻す。すなわち、球貸し停
止解除の原因が異なっていても、共通のコマンドが遊技
制御手段から払出制御手段に送出される。その結果、や
はり、遊技制御手段から払出制御手段に対する情報伝達
に関する負荷が低減される。
【0190】なお、上記の実施の形態では、払出制御手
段は払出停止指示のコマンドを受信すると球貸しも賞球
払出もともに停止し、払出停止解除指示に応じて球貸し
も賞球払出もともに可能な状態に戻したが、賞球に関す
る払出停止指示と球貸しに関する払出停止指示とを別コ
マンドとし、賞球に関する払出停止解除指示と球貸しに
関する払出停止解除指示とを別コマンドとしてもよい。
その場合でも、賞球停止/停止解除をすべき条件が異な
っていても共通のコマンドが遊技制御手段から払出制御
手段に送出され、球貸し停止/停止解除をすべき条件が
異なっていても共通のコマンドが遊技制御手段から払出
制御手段に送出されるように構成することができる。
【0191】しかし、払出制御手段が払出停止指示のコ
マンドを受信すると、球貸しも賞球払出もともに停止
し、払出停止解除指示のコマンドを受信すると、球貸し
も賞球払出もともに可能な状態にすれば、すなわち、1
つのコマンドで、球貸しも賞球払出も停止し、また、停
止状態を解除すれば、それぞれについての停止指示コマ
ンドおよび停止解除指示コマンドを用いる場合に比べて
遊技制御手段から払出制御手段に対する情報伝達に関す
る負荷がさらに低減される。
【0192】なお、上記の実施の形態では、払出手段は
球貸しも賞球払出も行える構成であったが、球貸しを行
う機構と賞球払出を行う機構とが独立していても本発明
を適用することができる。その場合、球貸しを行う機構
と賞球払出を行う機構とが独立していても、払出制御手
段が両方の機構を制御するように構成されていれば、上
記の実施の形態のように1つのコマンドで球貸しも賞球
払出も停止/停止解除を指示するように構成することが
より有効になる。
【0193】また、遊技制御手段において、入賞に応じ
た賞球個数を決定する場合にプログラムには個数が直接
記述されていず、データ領域が参照されることによっ
て、賞球個数が決定される。よって、入賞に応じた賞球
個数が異なる機種を開発するときでも、データ変更が容
易である。なお、上記の実施の形態では、遊技機として
第1種パチンコ遊技機を例にしたが、本発明は他のタイ
プのパチンコ遊技機や他の遊技機例えばスロット機にも
適用可能である。例えば、スロット機において、賞球と
して払い出されるメダル数をデータ領域に記載しておけ
ば、賞球個数が異なる機種を開発するときでも、データ
変更が容易である。
【0194】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、遊技機
を、少なくとも景品としての遊技媒体を払い出すことが
可能な払出手段と、遊技制御手段からの情報に応じて払
出手段に遊技媒体を払い出させる制御を行う払出制御手
段とを備え、遊技制御手段が、遊技媒体の払出の完了と
は異なる複数の払出停止条件のうちのいずれかの条件が
成立したときには共通の情報によって払出制御手段に対
して払出停止を指令するように構成したので、遊技制御
手段から払出制御手段に対する情報伝達に関する負荷が
低減され、遊技制御手段におけるプログラム容量が節減
されて遊技制御に回せるプログラム容量が増える等の効
果がある。
【0195】さらに、遊技制御手段が、払出が可能にな
った場合に、いずれの停止条件による払出停止状態であ
っても共通の情報によって払出制御手段に対して払出停
止解除を指令するように構成されている場合には、遊技
制御手段から払出制御手段に対する情報伝達に関する負
荷がさらに低減される。
【0196】遊技媒体の払出を停止するための条件の一
つが、払出可能な遊技媒体の貯留量が所定量を下回った
ときであり、遊技媒体の払出を再開するための条件の一
つが、遊技媒体の貯留量が所定量以上となったことであ
る場合には、貯留量が所定量を下回ったときの払出停止
および所定量以上になったときの払出停止解除の通知
が、遊技制御手段から払出制御手段に対する情報伝達に
関する負荷を大きくすることはない。
【0197】遊技制御手段が、払出可能な遊技媒体の貯
留量が所定量を下回ったか否かを検出するための検出手
段による検出結果に応じて遊技媒体の払出を停止するた
めの条件または遊技媒体の払出を再開するための条件が
成立したか否かを検出するように構成されている場合に
は、検出手段による検出結果に応じた通知が、遊技制御
手段から払出制御手段に対する情報伝達に関する負荷を
大きくすることはない。
【0198】払い出された遊技媒体を貯留する遊技者側
貯留手段を有し、遊技媒体の払出を停止するための条件
の一つが、遊技者側貯留手段における貯留量が貯留許容
量を越えたときであり、遊技媒体の払出を再開するため
の条件の一つが、遊技者側貯留手段における貯留量が貯
留許容量以下となったことである場合には、払い出され
た遊技媒体を貯留する遊技者側貯留手段の貯留許容量を
越えたときの払出停止および貯留許容量以下になったと
きの払出停止解除の通知が、遊技制御手段から払出制御
手段に対する情報伝達に関する負荷を大きくすることは
ない。
【0199】遊技者側貯留手段における貯留量が貯留許
容量を越えたことを検出するための検出手段が設けら
れ、遊技制御手段が、検出手段による検出結果に応じて
遊技媒体の払出を停止するための条件または遊技媒体の
払出を再開するための条件が成立したか否かを検出する
ように構成されている場合には、検出手段による検出結
果に応じた通知が、遊技制御手段から払出制御手段に対
する情報伝達に関する負荷を大きくすることはない。
【0200】遊技制御手段が、一方向にのみ信号を伝達
可能な不可逆性送信手段を介して情報を送出するように
構成されている場合には、主基板への不正信号の入力が
防止され、不正行為を受けにくくすることができる効果
がある。
【0201】遊技制御手段が、払出制御手段が受信可能
に情報を一回だけ出力するように構成されている場合に
は、遊技制御手段における制御コマンド送出のための制
御が簡略化される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた正面図であ
る。
【図2】 パチンコ遊技機の内部構造を示す全体背面図
である。
【図3】 パチンコ遊技機の機構板を背面からみた背面
図である。
【図4】 機構板に設置されている中間ベースユニット
周りの構成を示す正面図である。
【図5】 球払出装置を示す分解斜視図である。
【図6】 遊技制御基板(主基板)の回路構成を示すブ
ロック図である。
【図7】 払出制御基板および球払出装置の構成要素な
どの賞球に関連する構成要素を示すブロック図である。
【図8】 電源監視および電源バックアップのためのC
PU周りの一構成例を示すブロック図である。
【図9】 電源基板の一構成例を示すブロック図であ
る。
【図10】 主基板におけるCPUが実行するメイン処
理を示すフローチャートである。
【図11】 初期化処理を示すフローチャートである。
【図12】 2msタイマ割込処理を示すフローチャー
トである。
【図13】 遊技制御処理を示すフローチャートであ
る。
【図14】 停電発生NMI処理を示すフローチャート
である。
【図15】 バックアップパリティデータ作成方法を説
明するための説明図である。
【図16】 遊技制御処理におけるスイッチ処理を示す
フローチャートである。
【図17】 賞球制御コマンドの構成例を示す説明図で
ある。
【図18】 賞球制御コマンドのビット構成を示す説明
図である。
【図19】 賞球制御コマンドデータの出力の様子を示
すタイミング図である。
【図20】 遊技制御処理における入賞球信号処理を示
すフローチャートである。
【図21】 遊技制御処理における入賞球信号処理を示
すフローチャートである。
【図22】 メモリマップの例を示す説明図である。
【図23】 賞球個数を決定するときの具体的なプログ
ラム例を示す説明図である。
【図24】 電源監視および電源バックアップのための
払出制御用CPU周りの一構成例を示すブロック図であ
る。
【図25】 払出制御用CPUが実行するメイン処理を
示すフローチャートである。
【図26】 払出制御用CPUの2msタイマ割込処理
を示すフローチャートである。
【図27】 払出制御手段におけるRAMの一構成例を
示す説明図である。
【図28】 払出制御用CPUが実行するコマンド受信
処理を示すフローチャートである。
【図29】 払出制御処理を示すフローチャートであ
る。
【図30】 払出制御処理を示すフローチャートであ
る。
【図31】 払出制御処理を示すフローチャートであ
る。
【図32】 払出制御処理を示すフローチャートであ
る。
【図33】 払出制御用CPUが実行する停電発生割込
処理を示すフローチャートである。
【図34】 払出制御用CPUの初期化処理の一例を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
31 遊技制御基板(主基板) 37 払出制御基板 53 基本回路 56 CPU 97 球払出装置 301A 賞球カウントスイッチ 301B 球貸しカウントスイッチ 371 払出制御用CPU

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊技者が所定の遊技を行うことが可能で
    あり所定の条件成立に応じて遊技媒体が景品として払い
    出される遊技機であって、 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、 少なくとも景品としての遊技媒体を払い出すことが可能
    な払出手段と、 前記遊技制御手段からの情報に応じて前記払出手段に遊
    技媒体を払い出させる制御を行う払出制御手段とを備
    え、 前記遊技制御手段は、遊技媒体の払出の完了とは異なる
    複数の払出停止条件のうち、いずれの条件が成立したと
    きでも共通の情報によって前記払出制御手段に対して払
    出停止を指令することを特徴とする遊技機。
  2. 【請求項2】 遊技制御手段は、払出が可能になった場
    合に、いずれの停止条件による払出停止状態であっても
    共通の情報によって前記払出制御手段に対して払出停止
    解除を指令する請求項1記載の遊技機。
  3. 【請求項3】 遊技媒体の払出を停止するための条件の
    一つは払出可能な遊技媒体の貯留量が所定量を下回った
    ときであり、遊技媒体の払出を再開するための条件の一
    つは遊技媒体の貯留量が所定量以上となったことである
    請求項2記載の遊技機。
  4. 【請求項4】 払出手段における払出可能な遊技媒体の
    貯留量が所定量を下回ったか否かを検出するための検出
    手段が設けられ、 遊技制御手段は、前記検出手段による検出結果に応じて
    遊技媒体の払出を停止するための条件または遊技媒体の
    払出を再開するための条件が成立したか否かを検出する
    請求項3記載の遊技機。
  5. 【請求項5】 払い出された遊技媒体を貯留する遊技者
    側貯留手段を有し、 遊技媒体の払出を停止するための条件の一つは前記遊技
    者側貯留手段における貯留量が貯留許容量を越えたとき
    であり、遊技媒体の払出を再開するための条件の一つは
    前記遊技者側貯留手段における貯留量が貯留許容量以下
    となったことである請求項1ないし請求項4記載の遊技
    機。
  6. 【請求項6】 遊技者側貯留手段の貯留量が貯留許容量
    を越えたことを検出するための検出手段が設けられ、 遊技制御手段は、前記検出手段による検出結果に応じて
    遊技媒体の払出を停止するための条件または遊技媒体の
    払出を再開するための条件が成立したか否かを検出する
    請求項5記載の遊技機。
  7. 【請求項7】 遊技制御手段は、一方向にのみ信号を伝
    達可能な不可逆性送信手段を介して払出制御手段への情
    報を送出する請求項1ないし請求項6記載の遊技機。
  8. 【請求項8】 遊技制御手段は、払出制御手段が受信可
    能に情報を一回だけ出力する請求項1ないし7記載の遊
    技機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010269196A (ja) * 2010-09-09 2010-12-02 Sophia Co Ltd 遊技機
JP2012125630A (ja) * 2012-03-30 2012-07-05 Sophia Co Ltd 遊技機

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