JP2001159811A - 平版印刷版の製版方法、及び、後露光装置 - Google Patents

平版印刷版の製版方法、及び、後露光装置

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JP2001159811A
JP2001159811A JP34457299A JP34457299A JP2001159811A JP 2001159811 A JP2001159811 A JP 2001159811A JP 34457299 A JP34457299 A JP 34457299A JP 34457299 A JP34457299 A JP 34457299A JP 2001159811 A JP2001159811 A JP 2001159811A
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plate
post
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propen
acid
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JP34457299A
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English (en)
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Susumu Yoshida
進 吉田
Takashi Okuno
敬 奥野
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光重合層を備えたPS版の現像処理後に露光
と同時に加熱する後露光処理時の後露光条件をPS版の
厚みやサイズ、版種等に応じて常に適切に設定でき、操
作ミス等により設定した後露光条件が異なることによる
損失が生じる恐れがなく、処理効率も向上できる平版印
刷版の製版方法、及び、後露光装置を得る。 【解決手段】 後露光装置17の後露光制御部34が、
プレートセッター14に入力された各種設定情報をオン
ラインで取得し、該取得した各種設定情報に基いて、P
S版の版種、版厚、及び版サイズの組合せに応じた紫外
線照射量のテーブルから紫外線照射量を選択し、前記選
択した紫外線照射量となるように後露光部32及び搬送
機構を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版の製版
方法及び後露光装置にかかり、特に、コンピュータ等の
デジタル信号からレーザ等を用いて直接製版できる、い
わゆるダイレクト製版可能な平版印刷版の製版方法及び
後露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、感光性平版印刷版(以下「PS
版」という)は、感光性平版印刷版処理装置(以下「P
S版プロセッサー」という)によって現像処理される。
このPS版プロセッサーにおいて現像処理は、画像が記
録されたPS版を現像槽内に搬送しながら現像槽に貯留
された現像液に浸漬し、現像液中に設けた回転ブラシロ
ーラ等の擦り手段によってPS版の非画像部分の感光層
を除去することによりなされる。このPS版プロセッサ
ーでは、現像液による処理が終了したPS版は、水洗部
で洗浄水によって水洗いされた後(水洗処理)、不感脂
化処理部でガム液が塗布されることにより不感脂化処理
が施された後、版面保護等の処理が連続して行われる。
【0003】一般に、PS版の感光層としては、ジアゾ
樹脂や、光架橋型や、光重合型が使用されている。中で
も光重合型の光重合性感光層は、露光・現像後に紫外線
と熱によりさらに重合反応を起こさせることができる。
そのため、高耐刷用のPS版では、より均一な網点再現
を得るために、紫外線照射と同時に加熱して光重合層硬
化処理を行う後露光装置により、現像後のPS版をさら
に重合させて版の強度を上げ、小点の耐刷性を向上させ
ることが知られている。
【0004】現像後のPS版をさらに重合させるための
後露光処理時の後露光条件は、PS版の厚みや版サイ
ズ、PS版の種類(以下、版種と称す。)によって異な
る。一般には、1台の後露光装置によって複数種類のP
S版の後露光処理を行うため、PS版の後露光処理を開
始する前に後露光処理対象となるPS版の厚みや、版サ
イズ、版種等の条件を手動で後露光装置に入力して、適
した後露光条件となるまで待ってから後露光処理を開始
するように制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、設定し
た温度条件が不適切であったり、操作ミス等により設定
した条件が異なると、所望の画質の版が得られないた
め、新たに露光処理からしなおさねばならず、多大な損
失が出てしまうという問題がある。また、一般に後露光
処理時の後露光条件等はユーザが手動で入力するため、
常に後露光処理対象となるPS版に適切な後露光条件と
なるように後露光装置を調整することは難しく、また、
条件の変更のし忘れや入力ミスなどの操作ミスが生じる
ことは避けられない。
【0006】また、後露光装置の光源として、例えば、
水銀ランプを使用した場合、紫外線露光による紫外線
と、露光時に水銀ランプから発生した熱エネルギーによ
って、光重合層の重合を促進させることができるが、露
光時に水銀ランプから発生した熱エネルギーによってP
S版はかなりの高温(約140℃〜180℃)になる。
そのため、現像処理(乾燥処理)後の比較的低温のPS
版を直ちに後露光装置内に送り込むと、PS版に反りが
発生することがあり、問題である。
【0007】さらに、近年では、省エネ化の要求が高ま
ってきており、装置のランニングコストを下げることも
重要な課題となっている。
【0008】以上のことから本発明では、現像後のPS
版に施す後露光処理をPS版の厚みやサイズ、版種等に
応じて常に適切に設定でき、操作ミス等により設定した
温度条件が異なることによる損失が生じる恐れがなく、
処理効率も向上できる平版印刷版の製版方法及び後露光
装置を得ることを目的とする。また、画像品質を下げる
ことなく消費電力が抑えられる平版印刷版の製版方法及
び後露光装置を得ることも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、光重合性感光層を有する平版印刷
原版を露光、現像後、全面を露光と同時に加熱する後露
光処理を施す平版印刷版の製版方法であって、前記後露
光処理の条件を前段の工程で使用した版情報に基づいて
決定し、該決定された条件となるように、前記現像処理
済みの平版印刷版を後露光する。
【0010】すなわち、請求項1の発明の平版印刷版の
製版方法では、現像工程で現像された光重合性感光層を
有する露光処理済みの平版印刷版に対し、現像工程の前
又は後に、前段の工程で使用した版情報に基づいて後露
光条件を決定し、該決定した後露光条件により前記平版
印刷版を露光と同時に加熱することにより得る。
【0011】なお、後露光工程の前段の工程は、後露光
工程の前段にある工程のうち、少なくとも、パソコン上
で原稿を作成する編集工程、編集工程において作成され
た原稿をPS版に焼き付ける露光工程、及び露光工程で
焼き付けられた原稿を現像する現像工程を含む工程の中
の少なくとも1つの工程であり、1つの工程で使用した
版情報を用いるように構成してもよいし、複数の前段の
工程の各工程で使用した版情報の1部を選択して又は全
てを用いるように構成してもよい。
【0012】版情報は、版の厚みや、版サイズ、及び版
種の少なくとも1つを含んでおり、請求項1の発明で
は、このような版情報をユーザが手動で入力するのでは
なく、後露光工程の前段の工程の装置にインプットされ
た版情報に基づいて後露光条件を決定しているので、変
更のし忘れや入力ミスなどの操作ミスが生じることな
く、処理対象となる平版印刷版に対して常に最適な後露
光条件で確実に後露光処理することができる。
【0013】版種としては、例えば、新聞用PS版、高
耐刷用PS版及び高画質用PS版等があり、版厚として
は、例えば、0.12mm、0.15mm、0.2m
m、0.24mm、0.3mm、0.4mm等の種類が
あり、版サイズとしては、小版が、例えば、254mm
×391mm、中版が、例えば、縦×横が650mm×
550mm、大版が、例えば、縦×横が1030mm×
800mmや1130mm×930mm等がある。
【0014】また、版サイズと厚さとの代表的なものと
しては、版サイズが254mm×391mmで厚さ0.
12mmの平板印刷板や、版サイズが650mm×55
0mmで厚さ0.24mmの平板印刷板や、版サイズが
1030mm×800mm又は1130mm×930m
mで厚さ0.3mmの平板印刷板等である。勿論これら
の版サイズ、厚さに限るものではない。
【0015】版情報として平版印刷版の厚さが入力され
ている場合、平版印刷版の厚さが厚いと支持体であるア
ルミ板の厚さも厚くなるので、熱が支持体を伝わって外
部に逃げ易く、平版印刷版に付与される露光量及び加熱
容量が大きくなるように制御する。
【0016】また、平版印刷版の厚さが薄いと支持体で
あるアルミ板の厚さも薄くなるので、アルミ板の厚さが
厚い場合と比較して熱が支持体を伝わって外部に逃げ難
く、かつ、感光層の厚さも薄くなるため、平版印刷版に
付与される露光量及び加熱容量が平版印刷版の厚さが厚
い場合よりも小さくなるように制御する。これにより、
平版印刷版の表面温度が厚さに関わりなく均一化でき
る。
【0017】なお、露光量は、光源の出力と照射時間と
の積であり、加熱容量は、加熱温度と加熱時間との積に
より決定される値である。また、露光量は、例えば、光
源を版面に対して垂直な方向に移動させて光源から版面
までの距離を変更することによっても制御することが可
能である。
【0018】また、版情報として版サイズが入力されて
いる場合、幅が大きく、かつ、長さが長いサイズ(以
下、Lサイズと称す。)の平版印刷版であれば、アルミ
板の面積が大きくなるので熱容量が大きく、後露光手段
から平版印刷版に付与される露光量及び加熱容量が大き
くなるように制御し、幅が小さく、かつ、長さが短いサ
イズ(以下、Sサイズと称す。)の平版印刷版であれ
ば、面積及び熱容量は小さいので、Lサイズの平版印刷
版と比較して平版印刷版に付与される露光量及び加熱容
量が小さくなるように制御する。
【0019】具体的には、例えば、複数の光源により平
版印刷版を露光と同時に加熱して後露光熱処理を行う構
成の場合、Lサイズのときは全ての光源を点灯し、Sサ
イズのときは、半分の数の光源を点灯し、LサイズとS
サイズの中間のMサイズのときは、3/4の数の光源を
点灯するなどのように制御すると良い。
【0020】この場合、単位面積あたりに必要な光源数
(すなわち、露光量及び加熱量)を求めておくことで、種
々の版サイズに応じて必要な光源数(すなわち、露光量
及び加熱量)を決定できる。なお、版サイズに応じて光
源の点灯数を変更する構成とした場合、予め定めた温度
以下とならないように制御するすスタンバイモードを設
けるのが好ましい。このような構成とすることにより、
光源の点灯による消費電力が少なくなり、省エネルギー
化を図れるので好ましい。
【0021】さらに、版情報として版種が入力されてい
る場合、例えば、版種が新聞用PS版である場合は、露
光量を多く、かつ、加熱温度を高くして加熱時間を短く
なるように後露光条件を決定し、耐刷性を向上させるた
めに充分に大きな露光量及び加熱容量が与えられるよう
に制御する。また、版種が高耐刷用PS版である場合、
耐刷性を向上させるために充分な露光量及び加熱量が必
要であるが、温度を高くしすぎると好ましくないため、
温度をそれほど高くせずに露光時間を長くして必要な露
光量及び加熱容量を確保するように後露光条件を決定
し、耐刷性を向上させるために充分に大きな露光量及び
加熱容量が与えられるように制御するとよい。
【0022】例えば、版種Aでは、版表面の温度(以
下、版面温度と称す。)が80℃以上200℃以下で2
0秒以上120秒以下の範囲が好適な露光量及び加熱容
量の範囲であり、より好ましくは、100℃以上150
℃以下で30秒以上90秒以下の範囲である。したがっ
て、実際に必要な最低の露光量及び加熱容量は110℃
で60秒又は140℃で20秒となる。上述したよう
に、加熱温度を高くしすぎると好ましくないため、加熱
温度を比較的高くできる場合でも、140℃で20秒程
度とし、通常は120℃で50秒程度とするとよい。勿
論、版種の種類によってそれぞれ適正な温度範囲がある
ので上記値に限定するものではない。
【0023】また、版種が高画質用PS版である場合
は、中程度の露光量及び加熱容量となるように又は後露
光なしとなるように露光温度及び露光時間を決定して、
全面に均一に後露光されるようにすることで網点品質を
揃えるように制御する。なお、版種としては、上記で述
べた新聞用PS版、高耐刷用PS版及び高画質用PS版
等の他に種々のものがあるが、それぞれに最適な後露光
条件となるように制御される。
【0024】このように、版情報として版種が入力され
ている場合、後露光処理が必要な版種と不要な版種との
判別が明確にでき、さらに後露光処理が必要な版種のう
ち加熱温度を比較的高くできるものとできないものなど
のように、詳細な情報が得られるので、後露光処理対象
となるPS版に応じてより一層適切な設定が可能とな
る。
【0025】更に、平板印刷板の厚さと版サイズ、版種
の全ての情報が版情報として入力されている場合には、
それぞれの厚さと版サイズ、版種の組合せに応じて最適
となるように決定される後露光条件とする。例えば、版
情報として、平板印刷板の厚さ、版サイズ及び版種が入
力されている場合の代表的な例について簡単に説明す
る。
【0026】例えば、版厚が0.4mmで、版サイズが
1130mm×930mmの大判高耐刷用PS版の場
合、重合度(硬化率)を高めるため、露光量及び加熱容
量が最大となるように後露光条件を決定する。また、例
えば、版厚が0.24mmで、版サイズが650mm×
550mmの中判高耐刷用PS版の場合、画質重視のた
め均一に後露光し、網点品質をそろえるため、露光量及
び加熱容量が中程度となるように後露光条件を決定す
る。さらに、例えば、線画のものであまり耐刷を必要と
しないPS版(高耐刷用又は高画質用の版種でユーザが
高耐刷不要と判断したPS版)や、版厚が0.12mm
で、版サイズが254mm×391mmの小判高耐刷用
PS版の場合、露光量及び加熱容量が最小(加熱しない
場合も含む)となるように後露光条件を決定する。
【0027】また、請求項2に記載した発明は、上記請
求項1に記載の光重合性感光層を有する露光処理済みの
平版印刷版の現像前処理方法を実現する後露光装置であ
り、光重合性感光層を有する平版印刷版の現像後に、前
記平版印刷版を露光と同時に加熱する後露光手段と、前
記後露光手段により前記光重合性感光層を有する現像処
理済みの平版印刷版を露光と同時に加熱する際に、前段
に設けられた装置から入力された版情報に基づいて後露
光条件を決定し、該決定した後露光条件となるように前
記後露光手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0028】すなわち、請求項2の発明では、後露光装
置の制御手段が、前段に設けられた装置から入力された
版情報に基づいて前記平版印刷版に与える後露光条件を
決定し、該決定された後露光条件で後露光手段が前記平
版印刷版を加熱するため、実際に加熱対象となる平板印
刷板の版の厚み、版サイズ、及び版種に合わせて適切な
後露光条件にすることができ、また、変更のし忘れや入
力ミスなどの操作ミスが生じることなく加熱処理を施す
ことができる。
【0029】また、前段の装置に版情報が入力され、前
段の装置が処理を開始する前の時点で制御手段が前記版
情報を取得し、前記平版印刷版に最適な後露光条件を決
定するように構成することもでき、このような構成とす
ることで、現在後露光している版の処理が終了後、直ち
に次に処理する版に適した後露光条件となるように後露
光装置の後露光条件を変更できるので、次の後露光条件
となるまでの時間を短縮でき、処理効率を向上できる。
これは、特に、異なる種類の版が次にセットされ後露光
条件が大幅に変更される場合に有利である。
【0030】このような加熱分布の制御は、光重合性感
光層を有する現像処理済みの平版印刷版に対し、前段に
設けられた装置から入力された版情報に基づいて後露光
条件を決定し、該決定した後露光条件で前記平版印刷版
が加熱されるように前記平版印刷版を加熱する後露光プ
ログラムにより行う。この後露光プログラムは、予め後
露光装置の記録媒体に記録させていても良いし、後露光
装置とは別体の記録媒体に記憶させ、該記録媒体からイ
ンストールしてもよい。
【0031】また、後露光条件を決定する為の版情報
は、前記平版印刷版を加熱する後露光手段の前段に設け
られた装置からオンライン又はオフラインで取得または
入力したものを用いることができる。
【0032】さらに、本発明で用いる光重合性感光層を
有する平版印刷版は、支持体上に、光重合性感光層と、
該感光層を保護するための保護層とが順に積層された感
光性平板印刷版が好適である。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態では、
図1に示す様に、パソコン10、ワークステーション1
2、プレートセッター(露光装置)14、及びPS版プ
ロセッサー16、後露光装置17から構成された製版シ
ステムに本発明を適用した場合について説明する。
【0034】また、本実施の形態で用いる感光性平版印
刷板(以下、PS版と称す。)としては、裏面にバック
コート層が設けられたアルミニウム支持体の表面に有機
下塗層、光重合性感光層、オーバーコート層が順に設け
られた構成のものとすることができる。なお、PS版の
詳細については後述する。
【0035】本実施の形態の製版システムは、パソコン
10、ワークステーション12、プレートセッター1
4、PS版プロセッサー16、及び後露光装置17が全
てオンライン接続されており、パソコン10に入力され
た画像データ、版厚、版サイズ及びPS版の種類(版
種)などの各種設定情報が、オンラインでプレートセッ
ター14、PS版プロセッサー16及び後露光装置17
に出力可能である。
【0036】パソコン10には、例えば、スキャナーな
どの画像読取手段から読み込んだ画像をディスプレイに
表示しながら編集したり、ディスプレイ上に文字や画像
を新規に作成し、印刷対象の画像を作成するアプリケー
ションがインストールされている。
【0037】このアプリケーションは、ユーザにより作
成された画像を、例えば、アウトラインや、塗りつぶし
領域の面積率及び塗りつぶし領域の透過率等を指示する
描画コマンド等のベクトル形式の画像データとしてワー
クステーション12に出力する。また、画像の作成と同
時にキーボードからユーザによって入力された、例え
ば、露光対象となるPS版の版種、版厚、及び版サイズ
等の各種設定情報を、前記ベクトル形式の画像データと
共にテキストデータとしてワークステーション12に出
力する。
【0038】ワークステーション12には、ラスタイメ
ージプロセッサ(以下、RIPと称す。)、プレートセ
ッター14のドライバーソフトがインストールされてい
る。
【0039】RIPは、ベクトル形式の画像データを解
釈して階調を持ったドットの並びとして展開した、TI
FF形式のファイル(以下、TIFFファイルと称す。)
やGIFファイル等のラスタ形式の画像データに変換す
るアプリケーションであり、本実施の形態では、ベクト
ル形式の画像データをタグ形式のヘッダ部とイメージデ
ータ部とから構成されたTIFFファイルに変換する。
【0040】プレートセッター14のドライバーソフト
はTIFFファイル及びテキスト形式のPS版の版種、
版厚、及び版サイズ等の各種設定情報を、プレートセッ
ター14で解析できるイメージフォーマットに変換して
プレートセッター14に出力するソフトウエアである。
【0041】したがって、ワークステーション12で
は、パソコン10から入力された描画コマンド等のベク
トル形式の画像データをTIFFファイルに変換した
後、このTIFFファイル及びPS版の版種、版厚、及
び版サイズなどの各種設定情報を、プレートセッター1
4のドライバーソフトが、プレートセッター14で解析
できるイメージフォーマットに変換した後、プレートセ
ッター14に出力する。
【0042】プレートセッター14は、ROM、RAM
及びCPUからなるセッター制御部18を含んでいる。
ROMにはプレートセッター14を制御するための各種
プログラムが記憶され、RAMには、プレートセッター
14で解析できるイメージフォーマット形式のTIFF
ファイル及び各種設定情報が一旦記憶される。
【0043】CPUは、ROMから各種プログラムを呼
び出し、該プログラムに基いてRAMから読み込んだT
IFFファイル及び前述した各種設定情報に基いて、例
えば、プレートセッター14の搬送手段(図示せず)の
搬送速度を制御するための制御信号やレーザ光源(図示
せず)のオンオフ駆動信号、及び露光量の調整を行うた
めのレーザ駆動信号などの各種制御信号を生成し、該各
種制御信号によるプレートセッター14の駆動制御を行
う。これにより、プレートセッター14は、パソコン1
0上で選択された画像に応じて最適な条件でPS版の露
光処理を行うこととなる。
【0044】プレートセッター14としては、エクスタ
ーナルドラム(アウタードラム)型、フラットベット
型、及び、インナードラム型のものを用いることができ
る。また、使用する光源としては、例えば、InGaN
系の半導体レーザなどの紫外から可視光領域(360n
m〜450nm)の半導体レーザや、488nmや51
4.5nmのArレーザ、532nmのFD−YAGレ
ーザ等を用いたものが、出力、寿命、安定性、及びコス
ト面などで好ましい。なお、プレートセッター14の露
光処理については公知のため、ここでは詳細な説明は省
略する。
【0045】さらに、セッター制御部18のROMに
は、PS版プロセッサー16のドライバーソフト及び後
露光装置17のドライバーソフトがインストールされて
おり、処理対象のPS版の版種、版厚、及び版サイズな
どの各種設定情報は、PS版プロセッサー16と後露光
装置17に並列して出力される。
【0046】すなわち、PS版プロセッサー16のドラ
イバーソフトは、版種、版厚、及び版サイズなどの各種
設定情報を、PS版プロセッサー16で解析できるフォ
ーマットに変換した後、PS版プロセッサー16に出力
し、また、後露光装置17のドライバーソフトは、版
種、版厚、及び版サイズなどの各種設定情報を、後露光
装置17で解析できるフォーマットに変換した後、後露
光装置17に出力する。なお、後露光装置17について
は後述する。
【0047】PS版プロセッサー16は、大別して、加
熱部、第1水洗部、現像部、第2水洗部、フィニッシャ
ー部、乾燥部及びプロセッサー制御部30から構成さ
れ、複数対の搬送ローラから構成された搬送機構によ
り、PS版が加熱部から第1水洗部、現像部、第2水洗
部、フィニッシャー部及び乾燥部の順に搬送され、PS
版が各部を通過中に各部において処理される構成であ
る。
【0048】すなわち、加熱部は、加熱制御を開始する
前に、プレートセッター14からオンライン入力された
各種設定情報に基いて加熱条件を決定し、処理対象のP
S版に適した加熱条件で現像処理前にPS版を加熱する
ことによって、熱処理不足や熱処理オーバー等の不都合
なく、PS版の光重合性感光層における画像形成領域
(すなわち、露光領域)の硬化を促進させる。
【0049】加熱部において加熱処理されたPS版は第
1水洗部に搬送され、第1水洗部を通過中に水洗及びブ
ラッシング等により最上層のオーバーコート層が取り除
かれる。その後、現像部に送り出され、現像部を通過中
に現像処理されて非露光領域の不要な感光層が取り除か
れる。
【0050】さらに、現像処理されたPS版は第2水洗
部に導かれ、第2水洗部においてPS版表面に付着する
現像液が除去された後、フィニッシャー部においてガム
液が塗布されてから、乾燥部で乾燥処理される。なお、
その他のPS版プロセッサー16の処理については、公
知であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0051】ここで、本発明において好適な現像液につ
いて以下に説明する。
【0052】(アルカリ剤)現像工程で使用する現像液
および現像補充液は、pH9.0〜13.5、より好ま
しくは10.0〜13.3のアルカリ水溶液が好適であ
る。
【0053】かかる現像液および現像補充液としては従
来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例え
ば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、重炭酸ナトリウ
ム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同
カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カ
リウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウ
ム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ剤
が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジ
イソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブ
チルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチ
レンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いら
れる。
【0054】これらのアルカリ剤の中で好ましいのはケ
イ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩水溶液で
ある。その理由はケイ酸塩の成分である酸化ケイ素Si
2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率(一般に[SiO
2]/[M2O]のモル比で表す)と濃度によってpHや
現像性の調節が可能とされるためである。例えば、Si
2/ K2Oのモル比が0.5〜2.0(即ち[Si
2]/[K2O]が0.5〜2.0)であって、SiO
2の含有量が1〜4重量%のケイ酸カリウムの水溶液か
らなるアルカリ金属ケイ酸塩が本発明に好適に用いられ
る 更に他の好ましいアルカリ剤としては弱酸と強塩基から
なる緩衝液が挙げられる。かかる緩衝液として用いられ
る弱酸としては、酸解離定数(pKa)10.0〜13.
3を有するものが好ましく、特にpKaが11.0〜1
3.1のものが好ましい。また、例えばスルホサリチル
酸の場合、第3解離定数は11.7であり、本発明に好
適に使用できる。即ち、多塩基酸の場合、少なくとも1
つの酸解離定数が上記範囲内にあれば本発明に使用でき
る。
【0055】このような弱酸としては、Pergamo
n Press社発行のIONISATION CON
STANTS OF ORGANIC ACIDS I
NAQUEOUS SOLUTIONなどに記載されて
いるものから選ばれ、例えば2,2,3,3,−テトラ
フルオロプロパノール−1(pKa 12.74)、トリ
フルオロエタノール(同12.37)、トリクロロエタ
ノール(同12.24)などのアルコール類、ピリジン
−2−アルデヒド(同12.68)、ピリジン−4−ア
ルデヒド(同12.05)などのアルデヒド類、ソルビ
トール(同13.0)、サッカロース(同12.7)、2
−デオキシリボース(同12.61)、2−デオキシグ
ルコース(同12.51)、グルコース(同12.4
6)、ガラクトース(同12.35)、アラビノース
(同12.34)、キシロース(同12.29)、フラク
トース(同12.27)、リボース(同12.22)、マ
ンノース(同12.08)、L−アスコルビン酸(同1
1.34)などの糖類、サリチル酸(同13.0)、3−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(同12.84)、カテコ
ール(同12.6)、没食子酸(同12.4)、スルホサ
リチル酸(同11.7)、3,4−ジヒドロキシベンゼン
スルホン酸(同12.2)、3,4−ジヒドロキシ安息
香酸(同11.94)、1,2,4−トリヒドロキシベ
ンゼン(同11.82)、ハイドロキノン(同11.5
6)、ピロガロール(同11.34)およびレゾルシノ
ール(同11.27)などのフェノール性水酸基を有す
る化合物、2−ブタノンオキシム(同12.45)、ア
セトキシム(同12.42)、1,2−シクロヘプタン
ジオンヂオキシム(同12.3)、2−ヒドロキシベン
ズアルデヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグリ
オキシム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム
(同11.37)、アセトフェノンオキシム(同11.3
5)などのオキシム類、2−キノロン(同11.7
6)、2−ピリドン(同11.65)、4−キノロン
(同11.28)、4−ピリドン(同11.12)、5−
アミノ吉草酸(同10.77)、2−メルカプトキノリ
ン(同10.25)、3−アミノプロピオン酸(同10.
24)などのアミノ酸類、フルオロウラシル(同13.
0)、グアノシン(同12.6)、ウリジン(同12.
6)、アデノシン(同12.56)、イノシン(同12.
5)、グアニン(同12.3)、シティジン(同12.
2)、シトシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同1
2.1)、キサンチン(同11.9)などの核酸関連物
質、他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.
32)、1−アミノ−3,3,3−トリフルオロ安息香
酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸
(同12.10)、1,1,−エチリデンジホスホン酸
(同11.54)、1,1−エチリデンジホスホン酸1
−ヒドロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾール
(同12.86)、チオベンズアミド(同12.8)、ピ
コリンチオアミド(同12.55)、バルビツル酸(同
12.5)などの弱酸が挙げられる。
【0056】これらの弱酸に組み合わせる強塩基として
は、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムお
よび同リチウムが用いられる。
【0057】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以
上を組み合わせて用いられる。
【0058】これらのアルカリ緩衝剤の中で好ましいの
は、スルホサリチル酸、サリチル酸、サッカロースおよ
びソルビトールと水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウ
ムとを組み合わせたものである。中でも好ましい組み合
わせはソルビトールと水酸化カリウムまたは水酸化ナト
リウムである。
【0059】上記の各種アルカリ剤は濃度および組み合
わせによりpHを好ましい範囲内に調整して使用され
る。
【0060】(界面活性剤)本発明に好適な現像液およ
び補充液には、現像性の促進や現像カスの分散および印
刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種
々界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活
性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系お
よび両性界面活性剤が挙げられる。
【0061】界面活性剤の好ましい例としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
スチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪
酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、
ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレ
ングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部
分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシ
エチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン
脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、
N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン
脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非
イオン性界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、
ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン
酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩
類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルス
ルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェ
ニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリン
ナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二
ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂
肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニル
エーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステ
ル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
リン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合
物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合
物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン
縮合物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩
類、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アン
モニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩
類、ポリエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性界
面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸
類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダ
ゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げ
た界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、
ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキ
シブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えるこ
ともでき、それらの界面活性剤もまた包含される。
【0062】更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフ
ルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤であ
る。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニ
オン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などの
カチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイ
ド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、
パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基
含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性
基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。
【0063】上記の界面活性剤は、単独もしくは2種以
上を組み合わせて使用することができ、現像液中に0.
001〜10重量%、より好ましくは0.01〜5重量
%の範囲で添加される。
【0064】(現像安定化剤)本発明に好適な現像液お
よび補充液には、種々現像安定化剤が用いられる。それ
らの好ましい例として、特開平6−282079号公報
記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、
テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラア
ルキルアンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロ
マイドなどのホスホニウム塩およびジフェニルヨードニ
ウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例とし
て挙げられる。
【0065】更には、特開昭50−51324号公報記
載のアニオン界面活性剤または両性界面活性剤、また特
開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオニック
ポリマー、特開昭56−142528号公報に記載され
ている水溶性の両性高分子電解質がある。
【0066】更に、特開昭59−84241号公報のア
ルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特
開昭60−111246号公報記載のポリオキシエチレ
ン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面
活性剤、特開昭60−129750号公報のポリオキシ
エチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレン
ジアミン化合物、特開昭61−215554号公報記載
の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコー
ル、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を
有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公
報の酸またはアルコールに4モル以上のエチレンオキシ
ドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合
物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
【0067】(有機溶剤)現像液および現像補充液には
更に必要により有機溶剤が加えられる。かかる有機溶剤
としては、水に対する溶解度が約10重量%以下のもの
が適しており、好ましくは5重量%以下のものから選ば
れる。例えば、1−フェニルエタノール、2−フェニル
エタノール、3−フェニル−1−プロパノール、4−フ
ェニル−1−ブタノール、4−フェニル−2−ブタノー
ル、2−フェニル−1−ブタノール、2−フェノキシエ
タノール、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキ
シベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコー
ル、p−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコ
ール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノ
ール、3−メチルシクロヘキサノールおよび4−メチル
シクロヘキサノール、N−フェニルエタノールアミンお
よびN−フェニルジエタノールアミンなどを挙げること
ができる。有機溶剤の含有量は使用液の総重量に対して
0.1〜5重量%である。その使用量は界面活性剤の使
用量と密接な関係があり、有機溶剤の量が増すにつれ、
界面活性剤の量は増加させることが好ましい。これは界
面活性剤の量が少なく、有機溶剤の量を多く用いると有
機溶剤が完全に溶解せず、従って、良好な現像性の確保
が期待できなくなるからである。
【0068】(還元剤)本発明に好適な現像液および補
充液には更に還元剤が加えられる。これは印刷版の汚れ
を防止するものであり、特に感光性ジアゾニウム塩化合
物を含むネガ型感光性平版印刷版を現像する際に有効で
ある。好ましい有機還元剤としては、チオサリチル酸、
ハイドロキノン、メトール、メトキシキノン、レゾルシ
ン、2−メチルレゾルシンなどのフェノール化合物、フ
ェニレンジアミン、フェニルヒドラジンなどのアミン化
合物が挙げられる。更に好ましい無機の還元剤として
は、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸水素
酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジチオン酸な
どの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩などを挙げることができる。これらの還元剤のうち汚
れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。これ
らの還元剤は使用時の現像液に対して好ましくは、0.
05〜5重量%の範囲で含有される。
【0069】(有機カルボン酸)本発明に好適な現像液
および補充液には更に有機カルボン酸を加えることもで
きる。好ましい有機カルボン酸は炭素原子数6〜20の
脂肪族カルボン酸および芳香族カルボン酸である。脂肪
族カルボン酸の具体的な例としては、カプロン酸、エナ
ンチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸およびステアリン酸などがあり、特に好まし
いのは炭素数8〜12のアルカン酸である。また炭素鎖
中に二重結合を有する不飽和脂肪酸でも、枝分かれした
炭素鎖のものでもよい。
【0070】芳香族カルボン酸としてはベンゼン環、ナ
フタレン環、アントラセン環などにカルボキシル基が置
換された化合物で、具体的には、o−クロロ安息香酸、
p−クロロ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安
息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒ
ドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、
2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ
安息香酸、没食子酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ
−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸な
どがあるがヒドロキシナフトエ酸は特に有効である。
【0071】上記脂肪族および芳香族カルボン酸は水溶
性を高めるためにナトリウム塩やカリウム塩またはアン
モニウム塩として用いるのが好ましい。本発明で用いる
現像液の有機カルボン酸の含有量は格別な制限はない
が、0.1重量%より低いと効果が十分でなく、また1
0重量%以上ではそれ以上の効果の改善が計れないばか
りか、別の添加剤を併用する時に溶解を妨げることがあ
る。従って、好ましい添加量は使用時の現像液に対して
0.1〜10重量%であり、よりこのましくは0.5〜
4重量%である。
【0072】(その他)本発明に好適な現像液および補
充液には、更に必要に応じて、消泡剤および硬水軟化剤
などを含有させることもできる。硬水軟化剤としては例
えば、ポリリン酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩
およびアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、
ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラ
ミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミント
リ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ジアミノシクロヘ
キサンテトラ酢酸および1,3−ジアミノ−2−プロパ
ノールテトラ酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそ
れらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム
塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジア
ミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリア
ミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテト
ラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチ
ルエチレンジアミントリ(メチレンホスホン酸)および
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸やそれら
のナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩を挙
げることができる。
【0073】このような硬水軟化剤はそのキレート化力
と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値
が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像
液に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜
0.5重量%の範囲である。この範囲より少ない添加量
では所期の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲
より多い場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでて
くる。
【0074】現像液および補充液の残余の成分は水であ
るが、更に必要に応じて当業界で知られた種々の添加剤
を含有させることができる。
【0075】また、現像液および補充液は使用時よりも
水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水
で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。こ
の場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度
が適当である。
【0076】現像液温度は15〜40℃が好ましく、更
に好ましくは20〜35℃である。現像時間は5〜60
秒が好ましく、更に好ましくは7〜40秒である。
【0077】このようにPS版プロセッサー16により
処理が施されたPS版は、続いて、後露光装置17に導
かれる。
【0078】後露光装置17は、大別して、後露光部
(後露光手段)32、後露光制御部(制御手段)34及
び搬送機構36から構成され、複数対の搬送ローラから
構成された搬送機構36により、処理後のPS版が搬送
されている間に、PS版を紫外線と熱に晒すことによっ
て画像形成領域(すなわち、露光領域)の感光層にさらに
光重合反応を起こさせて、露光領域の硬化を促進させ
る。
【0079】後露光部32は、ヒータとして水銀ランプ
40を備え、水銀ランプ40により、処理済みのPS版
に対して紫外線を照射すると同時に、紫外線の照射時に
発生した熱エネルギーにより処理済みのPS版を加熱す
る。この水銀ランプ40は、後露光装置17内のPS版
の搬送路の略中央位置に、光軸が搬送路に対して垂直と
なるように設けられている。また、水銀ランプ40は、
拡散光を照射するため、等速度で搬送されるPS版の全
面(搬送方向及び幅方向)に対して均等な量の熱及び紫
外線を付与することができる。
【0080】なお、好適な水銀ランプ40の仕様を、以
下に示す。
【0081】 軸光度 :1000〜3300(cd) ビームの開き :120〜140(°) ビーム光束 :3300〜26000(lm) 全光束 :4100〜64000(lm) 相関色温度 :3700(K) 平均清色評価数 :58(Ra) また、好適な水銀ランプ40の外形寸法は、全長Lが3
15mm、外径φが180mmとされ、図2に示される
ような波長スペクトル分布となっている。
【0082】この水銀ランプ40は、照射範囲中央の光
軸付近が最も露光量(熱量)が多く、この光軸付近を中
心に輪状に拡がるように徐々に低下していく。そのた
め、図3に示すように、搬送路の中央部が最も露光量
(熱量)が多く、挿入側及び排出側にかけて徐々に小さ
くなる。なお、一般にヒータとして使用できる光源(又
は光熱源)は、照射範囲中央の光軸付近が最も露光量
(又は光熱量)が多く、この光軸付近を中心に輪状に拡
がるように徐々に低下していくので、ヒータとして使用
できる全ての光源(又は光熱源)についても同様の現象
が生じている。
【0083】本実施の形態では、挿入口から所定長さま
での領域を予熱領域HP、搬送経路の中央部の領域を実
加熱領域HM、及び実加熱領域HMから排出口までの領
域を除熱領域HCとし、予熱領域HP及び除熱領域HC
のそれぞれが50℃以上100℃以下の温度範囲、か
つ、実加熱領域HMが100℃以上180℃以下の温度
範囲となるように、水銀ランプ40の出力を制御する
る。
【0084】これにより、後露光装置17内の搬送経路
を通過するPS版は、まず、予熱領域HPにおいて予熱
され、実加熱領域HMにおいて充分に加熱された後、除
熱領域HCにおいて所熱されてから排出されることな
る。このような温度分布とすることにより、PS版の急
加熱及び急冷却を緩和することができ(PS版の反りの
防止)、かつ、搬送中に必要な紫外線を照射(本来の後
露光の目的であるフォトポリマー版の表面の硬質化)す
ることができるので、好ましい。
【0085】また、後露光制御部34は、RAM、RO
M及びCPUから構成され、プレートセッター14から
入力された各種設定情報が入力される。
【0086】RAMにはプレートセッター14から入力
された各種設定情報が記憶される。ROMには、PS版
の版種、版厚、及び版サイズの組合せに応じてPS版に
与える紫外線照射量(水銀ランプ40の出力と照射時間
との積;すなわち、露光量)のテーブルが記憶されてい
る。なお、紫外線と同時に発生した熱もPS版に与えら
れるがこの加熱量は紫外線照射量と相関関係があるた
め、紫外線照射量を決定することにより加熱量も決定さ
れる。そのため、ここでは、紫外線照射量Qを選択する
ことで、露光量及び加熱量を決定するものとする。紫外
線照射量のテーブルとしては、例えば、表1及び表2に
示すように、ショートランの場合(表1)とロングラン
の場合(表2)とで分け、厚みとサイズとの組合せに応
じて紫外線照射量Qを定めている。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】なお、表1及び表2において各紫外線照射
量Qの関係は、以下のようになっている。すなわち、表
1において、サイズが大きくなればなるほど必要な紫外
線照射量も多くなるため、Q1<Q2<Q3、Q4<Q
5<Q6、Q7<Q8<Q9であり、また、厚みが厚く
なるほど必要な紫外線照射量も多くなるため、Q1<Q
4<Q7、Q2<Q5<Q8、Q3<Q6<Q9であ
る。表2も同様の理由から、Q11<Q12<Q13、
Q14<Q15<Q16、Q17<Q18<Q19であ
り、また、Q11<Q14<Q17、Q12<Q15<
Q18、Q13<Q16<Q19である。
【0090】さらに、ショートランよりもロングランの
方が必要な紫外線照射量も多くなるため、表1において
最も大きな紫外線照射量であるQ9よりも表2において
最も小さな紫外線照射量であるQ11の方が大きいとい
う関係となっている。
【0091】また、ROMには、RAMに記憶された前
記各種設定情報に基いて、例えば、上述したような紫外
線照射量のテーブルから、読み込んだ設定情報に最適な
紫外線照射量を選択し、該選択した紫外線照射量に基い
てヒータ(水銀ランプ)の駆動電圧を制御する制御信号V
cを生成する後露光プログラムが記憶されている。
【0092】ここで、後露光プログラムにより後露光制
御部34のCPUで実行されるヒータの駆動電圧の制御
について図4のフローチャートを参照しながら説明す
る。ステップ100では、まず、RAMに記憶された各
種設定情報を読み込む。
【0093】次のステップ102では、RAMから読み
込んだ各種設定情報に基づき紫外線照射量のテーブルか
ら紫外線照射量を選択する。例えば、上述した紫外線照
射量のテーブルを用いる場合、版種がショートランで、
版サイズがMサイズ、厚みがd2であれば、表1からQ
5を選択する。
【0094】次のステップ104では、選択された後露
光条件となるようにヒータ駆動回路(図示せず)に与え
る制御信号Vc及び搬送機構によるPS版の搬送速度を
制御する搬送制御信号を生成し、本ルーチンを終了す
る。この制御信号Vcにより後露光部32のヒータ出力
及び搬送速度が調整された後露光条件となるように制御
されることとなる。
【0095】なお、紫外線照射量のテーブルを記憶する
代わりに各種設定情報に応じて個別に決定される紫外線
照射量の変換特性のグラフを記憶し、読み込んだ各種設
定情報に対応する紫外線照射量の変換特性のグラフを読
出し、該グラフにより紫外線照射量を算出するように構
成することもできる。また、紫外線照射量の代わりに加
熱容量を指標として紫外線照射量及び加熱量を決定する
ことも可能である。
【0096】このように後露光装置17は、プレートセ
ッターで使用した厚み、サイズ及び版種等の版情報をオ
ンラインで取得し、該取得した版情報に基いて後露光処
理時の温度条件を決定し、該温度条件となるように後露
光制御部34が後露光部32の出力を制御している。そ
のため、後露光処理時の温度条件をPS版の厚みやサイ
ズ、版種等に応じて常に適切に設定でき、操作ミス等に
より設定した温度条件が異なることによる損失が生じる
恐れがなく、処理効率も向上できる。
【0097】また、ユーザが各種設定情報を入力する必
要がないため、操作ミス等による損失などの発生を回避
でき、また、つぎの後露光条件への切り換えが効率よく
行えるので、PS版プロセッサー16による処理から後
露光装置17による処理にわたっての処理効率も向上で
きる。
【0098】なお、本実施の形態では、後露光装置17
は、プレートセッター14で使用した版情報に基いて後
露光条件を決定するように構成したが、PS版プロセッ
サー16で使用した版情報に基いて後露光条件を決定す
るように構成したり、プレートセッター14で使用した
版情報の1部又は全部及びPS版プロセッサー16で使
用した版情報1部又は全部の版情報に基いて後露光条件
を決定するように構成することもできる。
【0099】なお、本実施の形態の製版システムに好適
なPS版としては、光重合性の感光層と該感光層を保護
するオーバーコート層(保護層)を含むものであればよい
が、好ましくは、アルミニウム板に親水化処理を施した
支持体上に、付加重合可能なエチレン性二重結合を有す
る化合物と波長450nm以上の光で活性化する光重合
開始系と架橋性基を側鎖に有する重合体とを含有する光
重合性感光層を有するものを使用すると良い。
【0100】以下、好適なPS版について詳細に説明す
る。 〔アルミニウム支持体〕まず、PS版のアルミニウム支
持体は、寸度的に安定なアルミニウムを主成分とする金
属であり、アルミニウムまたはアルミニウム合金からな
る。純アルミニウム板の他、アルミニウムを主成分と
し、微量の異元素を含む合金板、又はアルミニウム(合
金)がラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィ
ルム又は紙の中から選ばれる。更に、特公昭48−18
327号に記載されているようなポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にアルミニウムシー卜が結合された複
合体シートでもかまわない。
【0101】以下の説明において、上記に挙げたアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金からなる基板をアルミニ
ウム基板と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含
まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネ
シウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンな
どがあり、合金中の異元素の含有量は10重量%以下で
ある。本発明では純アルミニウム板が好適であるが、完
全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難である
ので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このよう
に本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特
定されるものではなく、従来より公知公用の素材のも
の、例えばJIS A 1050、JISA 110
0、JIS A 3103、JIS A 3005など
を適宜利用することができる。
【0102】また、本発明に用いられるアルミニウム基
板の厚みは、およそ0.1mm〜0.6mm程度であ
る。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさ及びユ
ーザーの希望により適宜変更することができる。
【0103】〔親水化処理〕上述したアルミニウム基板
には、後述する砂目立て等の処理が適宜施された後、基
板表面にシリケート、またはポリビエルホスホン酸等に
よる親水化処理が施される。皮膜はSi、またはP元素
量として2〜40mg/m2、より好ましくは4〜30
mg/m2形成される。なお、塗布量は蛍光X線分析法
により測定できる。
【0104】上記の親水化処理は、アルカリ金属ケイ酸
塩、またはポリビニルホスホン酸が1〜30重量%、好
ましくは2〜15重量%であり、25℃のpHが10〜
13である水溶液に、陽極酸化皮膜が形成されたアルミ
ニウム基板を、例えば15〜80℃で0.5〜120秒
浸漬する。
【0105】また、アルカリ金属ケイ酸塩としては、ケ
イ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムなど
が使用できる。アルカリ金属ケイ酸塩水溶液のpHを高
くするために使用される水酸化物としては水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがある。
【0106】なお、上記の処理液にアルカリ土類金属塩
もしくは第IVB族金属塩を配合してもよい。アルカリ
土類金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロレン
チウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸
塩や、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸
塩、ホウ酸塩などの水溶性の塩が挙げられる。
【0107】第IVB族金属塩として、四塩化チタン、
三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタン
カリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジル
コニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウ
ム、四塩化ジルコニウムなどを挙げることができる。
【0108】アルカリ土類金属塩もしくは、第IVB族
金属塩は単独又は2以上組み合わせて使用することがで
きる。これらの金属塩の好ましい範囲は0.01〜10
重量%であり、更に好ましい範囲は0.05〜5.0重
量%である。
【0109】また、米国特許第3,658,662号明
細書に記載されているようなシリケート電着も有効であ
る。更に、特公昭46−27481号、特開昭52−5
8602号、特開昭52−30503号に開示されてい
るような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化
処理および親水化処理を組合せた表面処理も有用であ
る。
【0110】〔親水性下塗り層〕このようにしてシリケ
ート処理されたアルミニウム基板上には必要に応じて下
記親水性下塗り層を設けることができる。
【0111】水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン
酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合
体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)
もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好
適である。
【0112】この有機(樹脂)下塗層に用いられる有機
化合物としては例えば、カルボキシメチルセルロース、
デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホ
ン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有
してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、
アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジ
ホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホス
ホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチ
ルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの
有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン
酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およ
びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン殿、グリ
シンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタ
ノールアミンの塩酸塩などのとドロキンル基を有するア
ミンの塩酸塩などから選ばれるが、二種以上混合して用
いてもよい。
【0113】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことができる。即ち、水またはメタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれら
の混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアル
ミニウム基板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水また
はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの
有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物
を溶解させた溶液に、アルミニウム基板を浸漬して上記
有機化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗
浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方
法では、上記の有機化合物の0.005〜10重量%の
濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコ
ーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布な
どいずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法で
は、溶液の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは
0.05〜5重量%であり、浸漬温度は20〜90℃、
好ましくは25〜50℃であり、浸債時間は0.1秒〜
20分、好ましくは2秒〜1分である。
【0114】これに用いる溶液はアンモニア、トリエチ
ルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、
リン酸などの酸性物質によりpHを調節し、pH1〜1
2の範囲で使用することもできる。また、光重合性平版
印刷版の調子再現性改良のために、黄色染料を添加する
こともできる。
【0115】有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜20
0mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg
/m2である。上記の被覆量が2mg/m2より少ないと
十分な耐刷性が得られない。また、200mg/m2
り大きくても同様である。
【0116】またアルミニウム支持体は、途中更にフッ
化ジルコニウム酸カリウム、リン酸塩等の水溶液への浸
漬処理などの表面処理がなされてもかまわない。
【0117】〔光重合性感光層〕本発明で用いられる光
重合性感光層の主な成分は、付加重合可能なエチレン性
二重結合を含む化合物、光重合開始剤、有機高分子結合
剤等であり、必要に応じ、着色剤、可塑剤、熱重合禁止
剤等の種々の化合物が添加される。
【0118】付加重合可能な二重結合を含む化合物は、
末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましく
は2個以上有する化合物の中から任意に選択することが
できる。
【0119】例えばモノマー、プレポリマー、すなわち
2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合
物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつも
のである。
【0120】モノマーおよびその共重合体の例として
は、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレ
イン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステ
ル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのア
ミド等が挙げられる。
【0121】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソル
ビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリ
レート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトー
ルヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリ
ゴマー等がある。
【0122】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペシタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレー
ト、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールナ
トラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキ
シ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメ
タン、ビス〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニ
ル〕ジメチルメタン等がある。
【0123】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。
【0124】クロトン酸エステルとしては、エチレング
リコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジ
クロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、
ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
【0125】イソクロトン酸エステルとしては、エチレ
ングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトー
ルジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロト
ネート等がある。
【0126】マレイン酸エステルとしては、エチレング
リコールジマレート、トリエチレングリコールジマレー
ト、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテ
トラマレート等がある。
【0127】さらに、前述のエステルモノマーの混合物
も挙げることができる。
【0128】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等がある。
【0129】その他の例としては、特公昭48−417
08号公報中に記載されている1分子中に2個以上のイ
ソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、
下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニル
モノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合性ビ
ニル基を含有するビエルウレタン化合物等が挙げられ
る。
【0130】 CH2=C(R5)COOCH2CH(R6)OH……(A) (ただし、R5およびR6はHまたはCH3を示す。)
【0131】また、特開昭51−37193号に記載さ
れているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−
64183号、特公昭49−43191号、特公昭52
−30490号各公報に記載されているようなポリエス
テルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル
酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のア
クリレートやメタクリレートを挙げることができる。さ
らに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜
308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよび
オリゴマーとして紹介されているものも使用することが
できる。なお、これらの使用量は、全成分に対して5〜
70重量%(以下%と略称する。)、好ましくは10〜
50%である。
【0132】光重合開始剤としては、使用する光源の波
長により、特許、文献等で公知である種々の光開始剤、
あるいは2種以上の光開始剤の併用系(光開始系)を適
宜選択して使用することができる。
【0133】450nm以上の可視光線、Arレーザ
ー、半導体レーザーの第2高調波、SHG−YAGレー
ザーを光源とする場合にも、種々の光開始系が提案され
ており、例えば米国特許第2,850,445号に記載
のある種の光還元性染料、例えばローズベンガル、エオ
シン、エリスロシンなど、あるいは、染料と開始剤との
組み合わせによる系、例えば染料とアミンの複合開始系
(特公昭44−20189号)、ヘキサアリールビイミ
ダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系(特公昭4
5−37377号)、ヘキサアリールビイミダゾールと
p−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの系(特公昭
47−2528号、特開昭54−155292号)、環
状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系(特開昭4
8−84183号)、環状トリアジンとメロシアニン色
素の系(特開昭54−151024号)、3−ケトクマ
リンと活性剤の系(時開昭52−112681号、特開
昭58−15503号)、ビイミダゾール、スチレン誘
導体、チオールの系(特開昭59−140203号)、
【0134】有機過酸化物と色素の系(特開昭59−1
504号、特開昭59−140203号、特開昭59−
189340号、特開昭62−174203号、特公昭
62−1641号、米国特許第4766055号)、染
料と活性ハロゲン化合物の系(特開昭63−17181
05号、特開昭63−258903号、特願平2−63
054号など)、染料とボレート化合物の系(特開昭6
2−143044号、特開昭62−150242号、特
開昭64−13140号、特開昭64−13141号、
特開昭64−13142号、特開昭64−13143
号、特開昭64−13144号、特開昭64−1704
8号、特開平1−229003号、特開平1−2983
48号、特開平1−138204号など)、ローダニン
環を有する色素とラジカル発生剤の系(特開平2−17
9643号、特開平2−244050号)、チタノセン
と3−ケトクマリン色素の系(特開昭63−22111
0号)、チタノセンとキサンテン色素さらにアミノ基あ
るいはウレタン基を含む付加重合可能なエチレン性不飽
和化合物を組み合わせた系(特開平4−221958
号、特開平4−219756号)、チタノセンと特定の
メロシアニン色素の系(特開平6−295061号)、
チタノセンとベンゾピラン環を有する色素の系(特願平
7−164583)等を挙げることができる。
【0135】本発明において光重合性開始系として用い
られるチタノセン化合物は、前記した増感色素との共存
下で光照射した場合、活性ラジカルを発生し得るチタノ
セン化合物であればいずれであってもよく、例えば、特
開昭59−152396号、特開昭61−151197
号公報に記載されている公知の化合物を適宜に選択して
用いることができる。
【0136】さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエ
ニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニ
ル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル
−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフ
ェニ−1−イル(以下「A−1」ともいう。)、ジ−シ
クロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テ
トラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエ
ニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−
1−イル、ジ−シクロペンタジフェニル−Ti−ビス−
2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペン
タジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−
1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビ
ス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−
イル(以下「A−2」ともいう。)、ジ−メチルシクロ
ペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラ
フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジ
エニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−
イル、ビス(シクロペンタジエエル)−ビス(2,6−
ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニ
ウム(以下「A−3」ともいう。)等を挙げることがで
きる。
【0137】光重合性組成物に用いられるチタノセン化
合物は単独でまたは2種以上併用して用いることができ
る。
【0138】これらの光重合開始剤の使用量は、エチレ
ン性不飽和化合物100重量部に対し、0.05〜10
0重量部、好ましくは0.1〜70重量部、更に好まし
くは0.2〜50重量部の範囲で用いることができる。
【0139】光重合性組成物は、通常、バインダーとし
て有機高分子重合体を含有するが、本発明では架橋性基
を側鎖に有する重合体を用いる。このような有機高分子
重合体(以下、単にポリマーともいう)としては、それ
自身が架橋性基(不飽和基ともいう)およびカルボキシ
ル基を側鎖に有し、且つ架橋性基が下記一般式〔I〕
【0140】
【化1】
【0141】〔式中R1〜R5は水素、ハロゲノ、カルボ
キシル、スルホ、ニトロ、シアノ、アミド、アミノやそ
れぞれ置換基を有していてもよいアルキル、アリール、
アルコキン、アリーロキン、アルキルアミノ、アリール
アミノ、環状アルキル、アルキルスルホニル、アリール
スルホニルから選ばれた基であり、Zは酸素、硫黄、N
HまたはNR(Rはアルキル基)から選ばれる〕で表わ
されるところに特徴がある。
【0142】更に、光重合性感光層のバインダーとして
用いられる、架橋性基を側鎖に有するポリマーは、米国
特許第3,376,138号、第3,556,792
号、第3,556,793号各明細書により公知である
が、開示されているポリマーは、ポリマーそのものが、
光架橋性レジストとして使われており、本実施の形態で
述べる光重合性組成物のバインターとしての使用方法と
は明白な相異がある。
【0143】上記ポリマーの合成方法には、大別して次
の2つの方法がある。
【0144】(A法):カルボン酸、カルボン酸ハライ
ド、カルボン酸無水物基を側鎖として有する幹ポリマー
に対して、後記一般式〔I−a〕で示される化合物を高
分子反応させて、
【0145】
【化2】
【0146】(式中、R1〜R5は一般式〔I〕:の場合
と同義)で示される架橋性基を−COO−、−COS
−、−CONH−または−CONR−の各連結基を介し
て導入する方法。
【0147】(B法):前記一般式〔I〕で示される架
橋性基とさらに該架橋性基よりも付加重合反応性に富ん
だエチレン性不飽和基とを有するモノマーを不飽和カル
ボン酸と共重合させて、ポリマーを得る方法。
【0148】
【化3】
【0149】〔式中、R1〜R5は一般式〔I〕の場合と
同義であり、YはOH、−SH、−NH2、−NHR
(Rはアルキル基)またはハロゲン原子を示す。〕 上記一般式〔I−a〕におけR1〜R5のアルキル基は、
直鎖、分枝、または環状であってもよく、炭素数1〜7
のものが好ましく、これらのアルキル基には更に炭素数
1〜2のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルコキシカル
ボニル基、フェニル基、ヒドロキシ基などの置換基を有
していてもよく、R1〜R5のアリール基としてはフェニ
ル基、フリル基が好ましく、これにはハロゲノ基(例え
ばクロロ、ブロモなど)、ヒドロキシ基、炭素数1〜7
のアルキル基、アリール基(例えばフェニル、メトキン
フェニルなど)、炭素数1〜7個のアルコキシ基、ニト
ロ基、アミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基などの置
換基を有していてもよい。R1〜R5のアルコキシ基とし
ては炭素数1〜7のものが好ましく、アリールオキシ基
としてはフェニルオキン基が好ましく、これには炭素数
1〜7のアルキルもしくはアルコキシ基などの置換基を
有していてもよい。R1〜R5のアルキルアミノ基として
は、炭素故1〜15のものが好ましく、アリールアミノ
基としてはフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基が好ま
しい。R1〜R5のアルキルスルホニル基としては炭素数
1〜15のものが好ましく、アリールスルホニル基とし
てはフェニルスルホニル基などが好ましく、これには炭
素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ
基、アミノ基などの置換基を有していてもよい。
【0150】上記A法をさらに詳しく示すと、幹ポリマ
ーとしてはアクリル酸又はメタアクリル酸の共重合体お
よび当該共重合体を高分子反応により酸ハロゲン化物と
した共重合体があげられる。又、マレイン酸無水物、イ
タコン酸無水物等の共重合体があげられる。共重合する
コモノマーとしては、スチレンまたはそのアルキル置換
誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アリ
ールエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタク
リル酸アリールエステル、または脂肪族ビニルエステル
があげられる。好ましくはアクリル酸またはメタアクリ
ル酸とアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸ベンジルとの共重合体があげられる。これらの共重合
体に架橋性基を導入するには一般式〔I−a〕で示され
る架橋性アルコール、アミン、チオール、ハロゲン化物
を所定反応条件下、反応溶媒中に前述の共重合体と混合
溶解し、反応触媒および重合禁止剤とを加え加熱するこ
とによって得られる。具体的にはメタクリル酸とメタク
リル酸ベンジルの共重合体を例にとって以下に示す。
【0151】攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器および
温度計を備えつけた300mlの三つ口フラスコ中にポ
リ(メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル=27/73
モル比)19.8g、反応溶媒として酢酸エチレングリ
コールモノメチルエーテルを40.2g、架橋性基を含
有する試薬としてアリル臭素化物6.0g、触媒として
トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド10.4
gおよび重合禁止剤としてパラメトキシフェノール0.
01gを加え混合溶解し、窒素雰囲気下70℃にて13
時間加熱攪拌を行った。冷却後メチルエチルケトンを加
え遊離する四級塩を除去する。さらにメタノールを加え
て希釈し希塩酸中に注いで沈殿させる。水洗し後吸引濾
過をし、真空乾燥させると得られるポリマーの収量は1
3.6gであった。アリル基は幹ポリマーのカルボン酸
に対して35%導入された。
【0152】
【化4】
【0153】無水マレイン酸の共重合体に該架橋性基を
導入する合成例は米国特許第2,047,398号明細
書に記載された方法で行なうことができ、これにより無
水マレイン酸部が開環した不飽和エステル、アミド、チ
オエステル等が導入される。なお、無水マレイン酸共重
体への架橋性基の導入方法としては、特開昭48−82
902号公報に記載の類似例があげられるが、この方法
による架橋性基はマレイン酸イミドの窒素原子に結合し
ており、明白に前述のポリマーとは異なった化合物であ
り、本発明に使用される架橋性基を側鎖に有するポリマ
ーとは区別される。
【0154】一方、B法をさらに詳しく示すと、該架橋
性基を有する少なくとも2つ以上の炭素−炭素二重結合
を含むモノマーは、既知合成法により該架橋性基を有す
るアルコール、アミン、チオールと不飽和カルボン酸、
好ましくはアクリル酸またはメタクリル酸との縮合反応
により合成される。この少なくとも2つ以上の不飽和基
を含むモノマーを不飽和カルボン酸、好ましくはアクリ
ル酸またはメタクリル酸と共重合させることにより該架
橋性基を有する共重合体を得る。共重合するモノマー
は、不飽和カルボン酸に付け加えてさらに他のモノマー
が共重合されてもよく、例えばアクリル酸アルキル、メ
タクリル酸アルキル、メタクリル酸ベンジル、メタクリ
ル酸−2−ヒドロキンエチル、アクリロニトリル等が挙
げられる。
【0155】以下、メタクリル酸アリルとメタクリル酸
との共重合例を示す。類似の合成法として、米国特許第
2,047,398号明細書に記載の方法があげられ
る。
【0156】攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器、滴下
漏斗および温度計を設置した3リットルの4口フラスコ
に反応溶媒として1,2−ジクロルエタン1.68リッ
トルを入れ窒素置換しながら70℃に加熱した。滴下漏
斗にメタクリル酸アリル100.8g、メタクリル酸
7.6gおよび重合開始剤として2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.68gを0.
44リットルの1,2−ジクロルエタンに溶解して入れ
ておき、2時間かけてこの混合溶液をフラスコ中に撹拌
しながら滴下した。
【0157】滴下終了後さらに反応温度70℃で5時間
攪拌し反応を完結した。加熱終了後重合禁止剤としてパ
ラメトキンフェノール0.04gを加え反応溶液を50
0mlまで濃縮し、この濃縮液を4リットルのヘキサン
に加えて沈殿させ、真空乾燥後61g(収率56%)の
共重合ポリマーを得た。このとき粘度は80℃のメチル
エチルケトンで〔η〕=0.068であった。
【0158】前記一般式〔I−a〕で示される代表的な
化合物は、アリルアルコール、2−メチルアリルアルコ
ール、クロチルアルコール、3−クロル−2−プロペン
−1−オール、3−フェニル−2−プロペン−1−オー
ル、3−(ヒドロキンフェニル)−2−プロペン−1−
オール、3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペ
ン−1−オール、3−(3・4−ジヒドロキシフェニ
ル)−2−プロペン−1−オール、3−(2・4−ジヒ
ドロキシフェニル−2−プロペン−1−オール、3−
(3・4・5−トリヒドロキンフェニル)−2−プロペ
ン−1−オール、3−(3−メトキシ−4−ヒドロキン
フェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3・4
−ジヒドロキシ−5−メトキシフェニル)−2−プロペ
ン−1−オール、3−(3・5−ジメトキシ−4−ヒド
ロキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−プロペ
ン−1−オール、3−(4−メトキシフェニル)−2−
プロペン−1−オール、3−(4―エトキンフェニル)
−2−プロペン−1−オール、3−(2−メトキシフェ
ニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3・4−ジ
メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−
(3−メトキシ−4−プロポキシフェニル)−2−プロ
ペン−1−オール、
【0159】3−(2・4・6−トリメトキシフェニ
ル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−メトキシ
−4−ベンジルオキシフェニル)−2−プロペン−1−
オール、3−1−(3’−メトキンフェニル)−4−ベ
ンジルオキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、
3−フェノキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オ
ール、3−(3・4・5−トリメトキシフェニル)−2
−プロペン−1−オール、3−(4−メチルフェニル)
−2−プロペン−1−オール、3−フェニル−3−(2
・4・6−トリメチルフェニル)−2−プロペン−1−
オール、3・3−{ジ−(2・4・6−トリメチルフェ
ニル)}−2−プロペン−1−オール、3−フェニル−
3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オー
ル、3・3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、
3−(2−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オー
ル、3−(3−クロルフェニル)−2−プロペン−1−
オール、3−(4−クロルフェニル)−2−プロペン−
1−オール、3−(2・4−ジクロルフェニル)−2−
プロペン−1−オール、3−(2−ブロムフェニル)−
2−プロペン−1−オール、3−ブロム−3−フェニル
−2−プロペン−1−オール、3−クロル−3−フェニ
ル−2−プロペン−1−オール、3−(4−ニトロフェ
ニル)−2−プロペン−1−オール、
【0160】3−(2−ニトロフェニル)−2−プロペ
ン−1−オール、3−(3−ニトロフェニル)−2−プ
ロペン−1−オール、2−メチル−3−フェニル−2−
プロペン−1−オール、2−メチル−3−(4−クロル
フェニル)−2−プロペン−1−オール、2−メチル−
3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オー
ル、2−メチル−3−(4−アミノフェニル)−2−プ
ロペン−1−オール、2−メチル−3・3−ジフェニル
−2−プロペン−1−オール、2−エチル−1・3−ジ
フェニル−2−プロペン−1−オール、2−エトキシメ
チレン−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、2
−フェノキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オー
ル、2−メチル−3−(4−メトキシフェニル)−2−
プロペン−1−オール、2・3−ジフェニル−2−プロ
ペン−1−オール、1・2・3−トリフェニル−2−プ
ロペン−1−オール、2・3・3−トリフェニル−2−
プロペン−1−オール、2−エトキシ−3−フェニル−
2−プロペン−1−オール、1.3−ジフェニル−2−
プロペン−1−オール、1−(4−メチルフェニル)−
3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニ
ル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−
オール、1−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)
−2−プロペン−1−オール、1−(4−メトキシフェ
ニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、
【0161】1・3−ジ(4−クロルフェニル)−2−
プロペン−1−オール、1−(4−ブロムフェニル)−
3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニ
ル−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−
オール、1・3−ジ(2−ニトロフェニル)−2−プロ
ペン−1−オール、1−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−
フェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−
プロペン−1−オール、1・1−ジ(4−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オー
ル、1・1・3−トリフェニル−2−プロペン−1−オ
ール、1・1・3・3−テトラフェニル−2−プロペン
−1−オール、1−(4−メチルフェニル)−3−フェ
ニル−2−プロペン−1−オール、1−(ドデシルスル
ホニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、
1−フェニル−2−プロペン−1−オール、1・2−ジ
フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−
2−メチル−2−プロペン−1−オール、1−シクロヘ
キシル−2−プロペン−1−オール、1−フェノキシ−
2−プロペン−1−オール、2−ベンジル−2−プロペ
ン−1−オール、1・1−ジ(4−クロルフェニル)−
2−プロペン−1−オール、1−カルボキシ−2−プロ
ペン−1−オール、
【0162】1−カルボキシアミド−2−プロペン−1
−オール、1−シアノ−2−プロペン−1−オール、1
−スルホ−2−プロペン−1−オール、2−エトキシ−
2−プロペン−1−オール、2−アミノ−2−プロペン
−1−オール、3−(3−アミノ−4−メトキシフェニ
ルスルホニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4
−メチルフェニルスルホニル)−2−プロペン−1−オ
ール、3−フェニルスルホニル−2−プロペン−1−オ
ール、3−ベンジルスルホニル−2−プロペン−1−オ
ール、3−アニリノスルホニル−2−プロペン−1−オ
ール、3−(4−メトキシアニリノスルホニル)−2−
プロペン−1−オール、8−アニリノ−2−プロペン−
1−オール、3−ナフチルアミノ−2−プロペン−1−
オール、3−フェノキシ−2−プロペン−1−オール、
3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オー
ル、3−(3−メチルフェノキン)−2−プロペン−1
−オール、3−(2・4−ジメチルフェニル)−2−プ
ロペン−1−オール、1−メチル−3−カルボキシ−2
−プロペン−1−オール、3−カルボキシ−2−プロペ
ン−1−オール、3−ブロム−3−カルボキシ−2−プ
ロペン−1−オール、1−カルボキシ−3−クロル−3
−メチル−2−プロペン−1−オール、1−カルボキシ
−3−メチル−2−プロペン−1−オール、
【0163】1−(2−カルベトキシイソプロピル)−
3−メチル−2−プロペン−1−オール、1−(1−カ
ルベトキシプロピル)−2−プロペン−1−オール、1
−(1−カルベトキシエチル)−3−メチル−2−プロ
ペン−1−オール、1−カルベトキシ−3−クロルー3
−メチル−2−プロペン−1−オール、1−カルベトキ
シメチレン−3−メチル−2−プロペン−1−オール、
1−アミド−2・3−ジメチル−2−プロペン−1−オ
ール、1−シアノ−3−メチル−2−プロペン−1−オ
ール、3−スルホ−2−プロペン−1−オール、3−ブ
トキシ−2−プロペン−1−オール、1−シクロへキン
ル−3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−プロ
ペン−1−オール、3−シクロベンジル−2−プロペン
−1−オール、3−フリル−2−プロペン−1−オー
ル、3−クロム−2−プロペン−1−オール、3−ブロ
ム−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−クロ
ル−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−ブロ
ム−2−プロペン−1−オール、1−カルボイソブトキ
シ−3−クロル−3−メチル−2−プロペン−1−オー
ル、2−クロル−3−フェニル−2−プロペン−1−オ
ール(2−クロルシンナミルアルコール)、2−ブロム
−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−ブロ
ムシンナミルアルコール)、
【0164】2−ブロム−3−(4−ニトロフェニル)
−2−プロペン−1−オール、2−フルオロ−3−フェ
ニル−2−プロペン−1−オール(2−フルオロシンナ
ミルアルコール)、2−フルオロ−3−(4−メトキシ
フェニル)−2−プロペン−1−オール、2−ニトロ−
3−クロル−3−フェニル−2−プロペン−1−オー
ル、2−ニトロ−3−フェニル−2−プロペン−1−オ
ール(2−ニトロシンナミルアルコール)、2−シアノ
−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−シア
ノシンナミルアルコール)、2−クロル−2−プロペン
−1−オール(2−クロルアリルアルコール)、2−ブ
ロム−2−プロペン−1−オール(2−ブロムアリルア
ルコール)、2−カルボキシ−2−プロペン−1−オー
ル(2−カルボキシアリルアルコール)、2−カルベト
キシ−2−プロペン−1−オール(2−カルベトキシア
リルアルコール)、2−スルホン酸−2−プロペン−1
−オール(2−スルホン酸アリルアルコール)、2−ニ
トロ−2−プロペン−1−オール(2−ニトロアリルア
ルコール)、2−ブロム−3・3−ジフルオロ−2−プ
ロペン−1−オール、2−クロル−3・3−ジフルオロ
−2−プロペン−1−オール、2−フルオロ−3−クロ
ル−2−プロペン−1−オール、2・3−ジブロム−3
−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、2・3−ジ
ヨード−3−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、
2・3−ジブロム−2−プロペン−1−オール、2−ク
ロル−3−メチル−2−プロペン−1ーオールが挙げら
れる。また上記具体例において、1位のアルコールをチ
オアルコールやアミン、ハロゲンで置き換えた化合物も
勿論使用できる。
【0165】ポリマー中の架橋性基含有量の好ましい範
囲はそれぞれ共重合モル比で、10〜90モル%、5〜
60モル%、より好ましい範囲は20〜70モル%、1
0〜40モル%である。
【0166】また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸
性セルロース誘導体がある。この外に水酸基を有する付
加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用で
ある。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレー
ト/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重
合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)ア
クリレート(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の
付加重合性ビニルモノマー)共重合体が好適である。こ
の他に水溶性有機高分子として、ポリビエルピロリドン
やポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮
膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミドや
2,2−ビス−(4−ヒドロキンフェニル)−プロパン
とエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
これらの有機高分子重合体は全組成中に任意な量を混和
させることができる。しかし90重量%を超える場合に
は形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えな
い。好ましくは10〜90%、より好ましくは30〜8
0%である。また光重合可能なエチレン性不飽和化合物
と有機高分子重合体は、重量比で1/9〜9/1の範囲
とするのが好ましい。より好ましい範囲は2/8〜8/
2であり、更に好ましくは3/7〜7/3である。
【0167】また、本発明においては以上の基本成分の
他に感光性組成物の製造中あるいは保存中において重合
可能なエチレン性不飽和化合物の不要な熱重合を阻止す
るために少量の熱重合禁止剤を添加することが望まし
い。適当な熱重合禁止剤としてはハロイドキノン、p−
メトキンフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノ
ン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−
6−t―ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒ
ドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。
熱重合禁止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約
0.01%〜約5%が好ましい。また必要に応じて、酸
素による重合阻害を防止するためたべヘン酸やベヘン酸
アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後
の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級
脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5%〜約1
0%が好ましい。
【0168】更に感光層の着色を目的として、着色剤を
添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシア
ニン系顔料(C.I.Pigment Blue15:
3,15:4,15:6など)、アゾ系顔料、カーボン
ブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレッ
ト、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキノ
ン系染料、シアニン系染料がある。染料および顔料の添
加量は全組成物の約0.5%〜約20%が好ましい。
【0169】加えて、硬化皮膜の物性を改良するため
に、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタ
レート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加
剤を加えてもよい。
【0170】これらの添加量は全組成物の10%以下が
好ましい。
【0171】光重合性組成物を支持体上に塗布する際に
は種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここで使
用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、
テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキ
サノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチ
ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプ
ロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメ
トキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、3−メトキンプロピルアセテ
ート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル
などがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使
用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃
度は、1〜50重量%が適当である。
【0172】本発明における光重合性組成物には、塗布
面質を向上するために界面活性剤を添加することができ
る。
【0173】その被覆量は乾燥後の重量で約0.lg/
2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましく
は0.3〜5g/m2である。更に好ましくは0.5〜
3g/m2である。
【0174】〔オーバーコート層〕本発明(C)のオー
バーコート層は酸素遮断性のオーバーコート層であり、
このオーバーコート層は水溶性ビニル重合体を含有す
る。オーバーコート層に含まれる水溶性ビニル重合体と
しては,ポリビニルアルコール、およびその部分エステ
ル、エーテルおよびアセタール、またはそれらに必要な
水溶性を有せしめるような実質的量の末置換ビニルアル
コール単位を含有するその共重合体が挙げられる。ポリ
ビニルアルコールとしては、71〜100%加水分解さ
れ、重合度が300〜2400の範囲のものが挙げられ
る。具体的には株式会社クラレ製PVA−105、Pv
A−110、PVA−117、PVA−117H、PV
A−120、PVA−124、PVA−124H、PV
A−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−2
03、PVA−204、PVA−205、PVA−21
0、PVA−217、PVA−220、PVA−22
4、PVA−217EE、PVA−220、PVA−2
24、PVA−217EE、PVA−217E、PVA
−220E、PVA−224、PVA−405、PVA
−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。上
記の共重合体としては、88〜100%加水分解された
ポリビニルアセテートクロロアセテートまたはプロピオ
ネート、ポリビエルホルマールおよびポリビエルアセタ
ールおよびそれらの共重合体が挙げられる。その他有用
な重合体としてはポリビニルピロリドン、ゼラチンおよ
びアラビアゴムが挙げられ、これらは単独または、併用
して用いても良い。
【0175】オーバーコート層を塗布する際用いる溶媒
としては、純水が好ましいが、メタノール、エタノール
などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類を純水と混合しても良い。そして塗布溶液
中の固形分の濃度は1〜20重量%が適当である。
【0176】また、オーバーコート層にはさらに塗布性
を向上させるための界面活性剤、皮膜の物性を改良する
ための水溶性の可塑剤等の公知の添加剤を加えても良
い。水溶性の可塑剤としてはたとえばプロピオンアミ
ド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトー
ル等がある。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマ
ーなどを添加しても良い。
【0177】その被覆量は乾燥後の重量で約0.1/m
2〜約15/m2の範囲が適当である。より好ましくは
1.0/m2〜約5.0/m2である。
【0178】なお、本実施の形態では説明のため、ワー
クステーション12に1つのパソコンをオンライン接続
した構成としているが、もちろん1つに限らず、複数の
パソコンをオンライン接続することができる。同様に、
本実施の形態では説明のため、プレートセッター14に
1つのPS版プロセッサー16と1つの後露光装置17
をオンライン接続した構成としているが、もちろん1つ
に限らず、PS版プロセッサー16と後露光装置17の
うち、少なくとも一方が複数個プレートセッター14に
オンライン接続する構成とすることができる。
【0179】なお、プレートセッター14に複数のパソ
コン、複数のPS版プロセッサー16及び複数の後露光
装置17をオンライン接続した場合は、後露光条件を変
える場合などの条件設定をより効率的に行えるので、ロ
ス時間を少なくすることができ、効率的である。
【0180】また、本実施の形態では、プレートセッタ
ー14にPS版プロセッサー16と後露光装置17とを
並列してオンライン接続し、プレートセッター14で使
用した各種設定情報をパラレルでPS版プロセッサー1
6と後露光装置17に出力する構成について説明した
が、もちろんこの構成に限らず、例えば、プレートセッ
ター14にPS版プロセッサー16をオンライン接続
し、PS版プロセッサー16に後露光装置17をオンラ
イン接続して、プレートセッター14で使用した各種設
定情報をPS版プロセッサー16が使用し、PS版プロ
セッサー16が使用した各種設定情報を後露光装置17
が使用するように構成することも可能である。
【0181】また、本実施の形態では、ワークステーシ
ョンから出力する画像データをTIFFファイルとした
が、もちろん、本発明はTIFFファイルに限定するも
のではなく、例えば、低解像度の画像データとフィルム
と版の転移特性カーブとトンボの種類と位置データ品質
管理のための色彩濃度情報と裁ちトンボと断裁のための
情報とから構成されるPPFファイルや、GIFファイ
ル等のようにイメージデータを含む標準的なフォーマッ
ト形式の画像データを使用することができる。
【0182】また、本実施の形態では、プレートセッタ
ー14とPS版プロセッサー16とをオンラインで接続
した構成としたが、本発明ではオンラインに限らず、通
信回線を介して接続する構成としたり、記憶媒体にプレ
ートセッター14の情報をセッター情報として記憶さ
せ、この記憶媒体をPS版プロセッサー16が読込むこ
とによりセッター情報の受け渡しを行う様に構成するこ
ともできる。
【0183】なお、本実施の形態では、ROMに、版
種、版厚、及び版サイズの組合せに応じた紫外線照射量
のテーブルが記憶された場合について述べたが、版種に
応じた紫外線照射量のテーブル、版厚に応じた紫外線照
射量のテーブル、及び版サイズに応じた紫外線照射量の
テーブルの少なくとも1つを記憶させ、記憶されたテー
ブルに基いて紫外線照射量及び加熱容量を決定するよう
にしても良い。
【0184】例えば、後露光部32のヒータとして上述
した水銀ランプ40を使用し、PS版を80cmの搬送
経路に100cm/分の速度で搬送させる場合、版厚に
応じた紫外線照射量のテーブルとして、版厚が0.15
mmの場合は190V、0.24mmの場合は195
V、0.3mmの場合は200V、0.4mmの場合は
210V等のように版厚に応じて厚くなるアルミニウム
基板の厚みが厚くなるに従って駆動電圧を大きくしたテ
ーブルとする。なお、この数値は一例であり、本発明は
この数値に限定するものではない。
【0185】また、本実施の形態では、後露光プログラ
ムを後露光制御部34のROMに記憶しているが、本発
明はこれに限定されず、該後露光プログラムをフロッピ
ィディスクに記憶すると共に、コンピュータ本体にハー
ドディスクを備え、フロッピィディスクから該プログラ
ムを読み取り、ハードディスクにインストールしても良
い。また、前記後露光プログラムを有線または無線のネ
ットワークに電話回線などの伝送手段により伝送してイ
ンストールしても良い。
【0186】なお、前記後露光プログラムはフロッピィ
ディスクに記憶することに限定されず、CD−ROM、
磁気テープに該プログラムを格納し、該CD−ROM、
磁気テープからパソコンのハードディスクにインストー
ルしても良い。また、前記後露光プログラムを格納した
ハードディスクを備えるようにしてもよい。さらにパソ
コンのハードディスクやRAMに直接後露光プログラム
を書き込むようにしてもよい。このように上記後露光プ
ログラムは、有形の記録媒体及び伝送手段の少なくとも
一方により流通することができる。
【0187】なお、上記では、ヒータの駆動電圧を制御
することによって、後露光条件を制御する例について説
明したが、ヒータの駆動電圧を一定とし、PS版の搬送
速度を制御することによって後露光条件を制御してもよ
く、断熱版を設けてヒータからの熱を遮断するシャッタ
ー機構により後露光条件を制御するようにしてもよい。
【0188】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、P
S版プロセットサーによる処理後に施す後露光処理時の
後露光装置の温度条件をPS版の厚みやサイズ、版種等
に応じて常に適切に設定でき、操作ミス等により設定し
た温度条件が異なることによる損失を生じる恐れがな
く、処理効率も向上できる、という効果がある。
【0189】また、後露光装置内の温度が適切な温度と
するまでの時間を効率的に切り替えることができるの
で、ロス時間を短縮して処理効率を上げることができ、
これにより、省エネ化することができる、という効果が
ある。
【0190】また、後露光装置が複数の光源を使用する
場合、後露光処理条件に応じて光源の点灯数を変えるこ
とにより、消費電力を抑えることができるので、例え
ば、全ての光源を点灯状態として一定の条件で後露光処
理を行う場合に比較して省エネルギー化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の製版システムのデータの流れを
示す概略説明図である。
【図2】後露光装置内に設けられた水銀ランプの波長−
強度特性図である。
【図3】後露光装置内の搬送経路での温度分布特性図で
ある。
【図4】図1の後露光装置内の後露光部のCPUの作用
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 パソコン 12 ワークステーション 14 プレートセッター 16 PS版プロセッサー 17 後露光装置 18 セッター制御部 30 プロセッサー制御部 32 後露光部 34 後露光制御部 36 搬送機構 40 水銀ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H084 AA30 AA36 BB13 CC05 2H096 AA00 AA07 EA02 EA04 GA08 HA01 HA03 JA04 2H097 JA05 LA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光重合性感光層を有する平版印刷原版を
    露光、現像後、全面を露光と同時に加熱する後露光処理
    を施す平版印刷版の製版方法であって、 前記後露光処理の条件を、前段の工程で使用した版情報
    に基づいて決定する平版印刷版の製版方法。
  2. 【請求項2】 光重合性感光層を有する平版印刷版の現
    像後に、前記平版印刷版を露光と同時に加熱する後露光
    手段と、 前記後露光手段により前記光重合性感光層を有する現像
    処理済みの平版印刷版を後露光する際に、前段に設けら
    れた装置から入力された版情報に基づいて後露光条件を
    決定し、該決定した後露光条件となるように前記後露光
    手段を制御する制御手段と、 を備えた後露光装置。
JP34457299A 1999-12-03 1999-12-03 平版印刷版の製版方法、及び、後露光装置 Pending JP2001159811A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007063744A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Fujifilm Corporation 平版刷版の後露光方法、後露光装置、露光装置、露光用器具、現像方法、及び現像装置
US7300728B2 (en) 2002-03-01 2007-11-27 Kodak Graphic Communications Canada Company Processor unit with provision for automated control of processing parameters

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US7300728B2 (en) 2002-03-01 2007-11-27 Kodak Graphic Communications Canada Company Processor unit with provision for automated control of processing parameters
WO2007063744A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Fujifilm Corporation 平版刷版の後露光方法、後露光装置、露光装置、露光用器具、現像方法、及び現像装置

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