JP2001159425A - 軸受部品及びその製造方法 - Google Patents

軸受部品及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001159425A
JP2001159425A JP34235599A JP34235599A JP2001159425A JP 2001159425 A JP2001159425 A JP 2001159425A JP 34235599 A JP34235599 A JP 34235599A JP 34235599 A JP34235599 A JP 34235599A JP 2001159425 A JP2001159425 A JP 2001159425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
white metal
manufacturing
base material
bearing component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34235599A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Ito
昌行 伊藤
Kunihiko Wada
国彦 和田
Itaru Senda
格 千田
Masaki Kataoka
正記 片岡
Mamoru Sato
守 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP34235599A priority Critical patent/JP2001159425A/ja
Publication of JP2001159425A publication Critical patent/JP2001159425A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/14Special methods of manufacture; Running-in
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2223/00Surface treatments; Hardening; Coating
    • F16C2223/30Coating surfaces
    • F16C2223/42Coating surfaces by spraying the coating material, e.g. plasma spraying
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2223/00Surface treatments; Hardening; Coating
    • F16C2223/30Coating surfaces
    • F16C2223/46Coating surfaces by welding, e.g. by using a laser to build a layer
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2226/00Joining parts; Fastening; Assembling or mounting parts
    • F16C2226/30Material joints
    • F16C2226/40Material joints with adhesive

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】薄肉化のための機械加工が不要になり、また有
機溶剤を使用した脱脂作業や下地処理としてのメッキ作
業が無くなり、しかもホワイトメタル層に偏析が無く、
軸受基材との密着性も良好にする。 【解決手段】軸受基材にホワイトメタル層からなる耐摩
耗コーティング層を有する軸受部品の製造方法におい
て、軸受基材の軸受面にホワイトメタル層をTIG溶接
法で0.2mm〜2.0mm厚さに肉盛り溶接する溶接
工程と、前記肉盛り溶接したホワイトメタル層の上に、
ホワイトメタル層を1.0mm〜30.0mmの厚さで
かつ気孔率が20%以下に緻密に溶射方法でコーティン
グするコーティング処理工程と、前記ホワイトメタル層
が形成された軸受基材に対し、加熱炉でホワイトメタル
の融点温度以下で加熱による拡散密着熱処理を行う拡散
密着熱処理工程とからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受基材の軸受面
にホワイトメタルからなる耐摩耗層を有する軸受部品及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、軸受基材の軸受面にはホワイト
メタルがライニングされている。このホワイトメタルの
ライニングは鋳造法または肉盛り溶接法によって行われ
ている。この鋳造法は、軸受基材を約摂氏80度の有機
溶剤浴に浸積して十分に脱脂洗浄し、次に錫メッキまた
は半田メッキを下地処理として施した後に、ホワイトメ
タルを置き注ぎ鋳造法や遠心鋳造法によってライニング
するものである。また、肉盛り溶接法は、軸受面にTI
G溶接法を用いて2.0mm乃至5.0mm厚さにライ
ニングしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋳造法
はホワイトメタルライニング層を必要厚さの2倍近い肉
厚に鋳造し、鋳造後に表面部の欠陥層を機械加工で除去
する必要がある。また、ホワイトメタル層に組成偏析が
多く、軸受基材へのホワイトメタルの密着強度が不均一
になるといった問題があった。
【0004】また、軸受は偏荷重を受けると、ホワイト
メタル層に極部的な摩耗損傷が生じ、この損傷部の補修
が必要になる。しかしながら、鋳造法は損傷部のみにホ
ワイトメタルを盛り肉ライニングすることが困難であ
り、鋳造法による補修はホワイトメタル層を全て一度落
とした後に軸受面全体にホワイトメタルをライニングし
なければならない問題があった。
【0005】また、この鋳造法は、前処理として大量の
有機溶剤を使用しての脱脂作業や下地処理としてのメッ
キ作業があり、作業環境からも問題があった。
【0006】一方、肉盛り溶接法は、ホワイトメタル合
金を肉盛り溶接する時に、基材金属を溶融するためにホ
ワイトメタル合金層に基材金属が混入してホワイトメタ
ル合金の組成希釈したり、硬い相を形成して軸を傷つけ
るといった問題があった。
【0007】本発明はかかる問題を解消するためになさ
れたもので、有機溶剤を使用しての脱脂作業や下地処理
としてのメッキ作業を無くし、欠陥の無いホワイトメタ
ル層を必要厚さに形成するための機械加工を最小限に
し、しかもホワイトメタル層に偏析がなく、軸受基材と
の密着性も良好な優れた軸受部品およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、次のような手段を講じるものである。
【0009】請求項1に対応する発明は、軸受基材にホ
ワイトメタル層からなる耐摩耗コーティング層を有する
軸受部品の製造方法において、軸受基材の軸受面に、ホ
ワイトメタル層をTIG溶接で0.2mm〜2.0mm
厚さに肉盛り溶接する溶接工程と、前記肉盛り溶接した
ホワイトメタル層の上に、ホワイトメタル層を1.0m
m〜30.0mmの厚さでかつ気孔率が20%以下に緻
密に溶射方法でコーティングするコーティング工程と、
前記ホワイトメタル層が形成された軸受基材に対し、加
熱炉でホワイトメタルの融点温度以下で加熱による拡散
密着熱処理を行う拡散密着熱処理工程とからなることを
特徴とする。
【0010】このような製造方法によれば、肉盛り溶接
とホワイトメタル層を1mm〜30mmの厚さで気孔率
を20%以下に緻密に溶射コーティングとホワイトメタ
ルの融点温度以下での拡散密着熱処理により、耐摩耗コ
ーティングの効果を十分に得ることができる。
【0011】また、肉盛り溶接としては、ガス溶接、ア
ーク溶接、レーザ肉盛り溶接等があるが、TIG溶接を
行えば、ホワイトメタルの肉盛り溶接に欠陥が無く、低
コストでの施工を行うことができる。そして、2.0m
m以上の肉盛り溶接では、溶接割れや気孔等の溶接欠陥
ができ易く、したがって0.2mm〜2.0mm厚さに
肉盛り溶接することにより、基材との密着力が強く、溶
接欠陥の無い層が得られる。
【0012】請求項2に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の軸受部品の製造方法において、前記溶射法
によるコーティング工程としては、軸受基材の軸受面に
TIG溶接法で肉盛り溶接したホワイトメタル合金層の
上に、ホワイトメタルを高速フレーム溶射法または超高
速フレーム溶射法を用いて、350m/秒〜1500m
/秒の高速度で溶射して、ホワイトメタルコーティング
層の気孔率を20%以下とし、1.0mm〜30.0m
mの厚さに形成することを特徴とする。
【0013】このような製造方法によれば、上記請求項
1に対応する発明の作用に加えて、ホワイトメタルのコ
ーティング層に気孔等の欠陥の少ない軸受部品を得るこ
とができる。
【0014】請求項3に対応する発明は、請求項1又は
請求項2に対応する発明の軸受部品の製造方法におい
て、上記コーティング工程は、軸受基材の軸受面にTI
G溶接法で肉盛り溶接したホワイトメタル合金層の上
に、ホワイトメタルを溶射施工する前に、溶射施工面を
ブラスト処理によってRaが5μm〜30μm、または
Rmaxが30μm〜300μmの表面粗さにすること
を特徴とする。
【0015】このような製造方法にすれば、上記請求項
1又は請求項2に対応する発明の作用に加えて、溶射施
工面をブラスト処理によってRaが5μm〜30μm、
またはRmaxが30μm〜300μmの表面粗さにす
ることにより粗面化の効果を大きくして溶射施工中に剥
離することがなく、軸受基材へのダメージを小さくする
ことができる。
【0016】請求項4に対応する発明は、前記請求項1
乃至請求項3のいずれかに対応する軸受部品の製造方法
において、上記コーティング処理は、軸受基材の軸受面
にTIG溶接法で肉盛り溶接したホワイトメタル合金層
の上に、ホワイトメタルを溶射施工する際に、空気また
は不活性ガスを吹き付けて軸受基材の温度を摂氏200
度以下に冷却しながらホワイトメタルを溶射コーティン
グすることを特徴とする。
【0017】このような製造方法によれば、上記請求項
1乃至請求項3いずれか対応する発明の作用に加えて、
軸受基材が酸化しないようにしてコーティング層が剥離
し難くすると共に、ホワイトメタルが酸化しないように
して良好な耐摩耗コーティングを得ることができる。
【0018】請求項5に対応する発明は、請求項1乃至
請求項4のいずれかに対応する発明の軸受部品の製造方
法において、上記コーティング処理は、ホワイトメタル
の溶射粉末として粒子径10μm〜300μmのものを
用いることを特徴とする。
【0019】このような製造方法によれば、上記請求項
1乃至4のいずれかに対応する発明の作用に加えて、高
速フレームで加速され易くなり、高速度、高衝撃での溶
射施工をして緻密な層を得ることができると共に、高速
フレーム溶射で溶融され易くなり、溶射効率を良くする
ことができる。
【0020】請求項6に対応する発明は、請求項1乃至
請求項5いずれかに対応する発明の軸受部品の製造方法
において、上記コーティング処理工程は、軸受基材の軸
受面にTIG溶接法で肉盛り溶接したホワイトメタル合
金層の上に、ホワイトメタル溶射粉末として、0〜15
重量%Sb、0〜10重量%Cu、0〜20重量%P
b、0〜30重量%Zn、残部Sn等のSn基ホワイト
メタル、または0〜50重量%Sn、0〜20重量%S
b、0〜5.0重量%Cu、0〜1.5重量%As、残
部Pb等のPb基ホワイトメタル、または5〜15重量
%Sn、0.5〜5.0重量%Cu、2.0重量%以下
Ni、残部Al等のAl基ホワイトメタルを用いるよう
にしたことを特徴とする。
【0021】このような製造方法によれば、上記請求項
1乃至請求項5のいずれかに対応する発明の作用に加え
て、加熱炉中でホワイトメタルの融点温度以下で加熱保
持による拡散密着熱処理を行う際に、拡散密着による緻
密化と共に、Cu化合物、Sb化合物を析出させて、耐
摩耗特性、摺動特性に必要な硬さを得ることができる。
【0022】請求項7に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の軸受部品の製造方法において、上記拡散密
着熱処理工程は、ホワイトメタルがコーティングされた
軸受基材を、加熱炉でホワイトメタルの融点温度以下で
ある摂氏100度〜250度で30分〜50時間加熱保
持することを特徴とする。
【0023】このような製造方法によれば、上記請求項
1に対応する発明の作用に加えて、拡散密着熱処理を十
分に行ってホワイトメタル層に気孔等の欠陥が無くすこ
とができると共に、軸受基材とホワイトメタル層との界
面に開口欠陥が生じないようにすることができる。
【0024】請求項8に対応する発明は、軸受基材にホ
ワイトメタル合金からなる耐摩耗層を有する軸受部品の
製造方法において、ホワイトメタル合金を軸受形状に加
工し、溶接法で軸受基材の軸受面に固定したことを特徴
とする。
【0025】このような製造方法によれば、ホワイトメ
タル合金を軸受形状に機械加工してから、軸受基材に固
定するため、メッキ前処理工程や鋳造工程が無くなり、
施工工程が簡略化ができると共に仕上げ機械加工も少な
くできる。
【0026】また、溶接法の固定として、ガス溶接、ア
ーク溶接、レーザ溶接等を用いることができるが、低融
点材料であるホワイトメタルの溶接にはTIG溶接法が
好ましい。
【0027】請求項9に対応する発明は、軸受基材にホ
ワイトメタル合金からなる耐摩耗層を有する軸受部品の
製造方法において、ホワイトメタル合金を軸受形状に加
工し、拡散接合法でホワイトメタル合金の融点温度以下
で加熱保持して軸受基材の軸受面に固定したことを特徴
とする。
【0028】このような製造方法によれば、拡散接合法
でホワイトメタル合金の固定は、ホワイトメタルの低融
点で拡散性に優れる特徴を利用して軸受基材と拡散反応
での接合するため、密着力を大きくすることができる。
【0029】請求項10に対応する発明は、請求項9に
対応する発明の軸受部品の製造方法において、上記拡散
接合法によりホワイトメタル合金を固定するに際して、
基材接合面に銅(Cu)層を形成したことを特徴とす
る。
【0030】このような製造方法によれば、上記請求項
9に対応する発明の作用に加えて、Cuとホワイトメタ
ルのSnが低い温度で拡散反応するため、軸受基材とホ
ワイトメタル合金の密着力を大きくすることができる。
【0031】請求項11に対応する発明は、請求項9又
は請求項10に対応する発明の軸受部品の製造方法にお
いて、ホワイトメタル合金を固定するに際して、接合面
に0.1kg/cm〜30kg/cmの面圧を負荷
して固定したことを特徴とする。
【0032】このような製造方法によれば、上記請求項
9又は請求項10に対応する発明の作用に加えて、軸受
基材とホワイトメタル合金の密着力を大きくすることが
できる。
【0033】請求項12に対応する発明は、軸受基材に
ホワイトメタル合金からなる耐摩耗層を有する軸受部品
の製造方法において、ホワイトメタル合金を軸受形状に
加工し、ろう付け法でろう材の融点温度以上、ホワイト
合金の融点温度以下に加熱保持して軸受基材の軸受面に
固定したことを特徴とする。
【0034】このような製造方法によれば、軸受基材と
ホワイトメタル合金の間に、Sn−PbやSn−Cu等
の低融点ろう材またはPb半田を用いてろう付けするた
めに、ろう材の接着力により軸受基材とホワイトメタル
合金の密着力を大きくすることができる。
【0035】請求項13に対応する発明は、軸受基材に
ホワイトメタル合金からなる耐摩耗層を有する軸受部品
の製造方法において、ホワイトメタル合金を軸受形状に
加工し、接着剤で軸受基材の軸受面に固定したことを特
徴とする。
【0036】このような製造方法によれば、軸受基材と
ホワイトメタル合金の間に、有機接着剤または樹脂硬化
型接着剤等の接着剤を用いて接着するために、接着剤の
接着力により軸受基材とホワイトメタル合金の密着力を
大きくすることができる。
【0037】請求項14に対応する発明は、請求項12
又は請求項13に対応する発明の軸受部品の製造方法に
おいて、基材およびホワイトメタル合金の固定面をRa
3μm〜20μm又はRmax30μm〜200μmに
粗面化して固定したことを特徴とする。
【0038】このような製造方法によれば、基材および
ホワイトメタル合金の固定面をRa3μm以下、又はR
max30μm以下の粗面化では、粗面化の効果が小さ
いため付着力が小さく、またRa20μm以上、又はR
max200μm以上の粗面化処理すると軸受基材およ
びホワイトメタル合金へのダメージが大きくなるが、基
材およびホワイトメタル合金の固定面の粗面化をRa3
μm〜20μmまたはRmax30μm〜200μmに
することにより、表面積が大きくなり、付着力を大きく
できる。
【0039】請求項15に対応する発明は、請求項1乃
至請求項14に対応する発明のいずれかかの製造方法に
より製作された軸受部品である。
【0040】このような製造方法で製作された軸受部品
によれば、ホワイトメタル層に気孔が少なく緻密であ
り、軸受基材と密着性も良好であり、高速高荷重軸受と
なし得る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0042】本実施の形態では、次のようにして軸受部
品を製造する。
【0043】すなわち、軸受基材の軸受面に、ホワイト
メタル層を0.2mm〜2.0mm厚さに肉盛り溶接す
る(溶接工程)。この溶接工程で、上記のような厚さに
しているのは、ホワイトメタル層を0.2mm以下の肉
盛り溶接だと基材との密着力が得られにくく、2.0m
m以上の肉盛り溶接では、溶接割れや溶接欠陥(気孔
等)ができ易いためである。
【0044】次に、上記肉盛り溶接したホワイトメタル
層の上に、ホワイトメタル層を1.0mm〜30.0m
m厚さで、且つ気孔率が20%以下に緻密に溶射法でコ
ーティングする(コーティング工程)。このコーティン
グ工程で、上記のような値の厚さと気孔率としているの
は、ホワイトメタル層の厚さが1mm以下では耐摩耗コ
ーティングの効果が小さく、厚さが30mm以上になる
と溶射コーティング中に剥離し易くなるためである。
【0045】その後、上記ホワイトメタル層が形成され
た軸受基材に対し、加熱炉でホワイトメタルの融点温度
以下で加熱による拡散密着熱処理を行う(拡散密着熱処
理工程)。このような拡散密着熱処理を行うことによ
り、肉盛り溶接したホワイトメタル層と溶射で形成した
ホワイトメタル層の拡散反応により密着力を良好にする
ことができる。
【0046】ここで、上記各工程について詳細に述べ
る。
【0047】上記肉盛り溶接工程としては、ガス溶接、
アーク溶接、レーザ肉盛り溶接等があるが、特にホワイ
トメタルの肉盛り溶接に欠陥が無く、低コストでの施工
としてTIG溶接法が好ましく、またホワイトメタル層
を0.2mm〜2.0mm厚さに肉盛り溶接することに
より、基材との密着力が強く、溶接欠陥の無い層が得ら
れる。
【0048】上記コーティング工程としては、軸受基材
の軸受面にTIG溶接法で肉盛り溶接したホワイトメタ
ル合金層の上に、ホワイトメタルを高速フレーム溶射法
(HVOF)または超高速フレーム溶射法(HP/HV
OF)を用いて、350m/秒〜1500m/秒の高速
度でホワイトメタルを溶射し、ホワイトメタルコーティ
ング層の気孔率を20%以下とし、1.0mm〜30.
0mm厚さに形成する。
【0049】このようにすれば、ホワイトメタルのコー
ティング層に気孔等の欠陥の少ない軸受部品を得ること
ができる。
【0050】また、上記コーティング工程での条件とし
ては、次の通りである。
【0051】(1)コーティング工程において、ホワイ
トメタルを溶射施工する前に、溶射施工面をブラスト処
理によってRaが5μm〜30μm、またはRmaxが
30μm〜300μmの表面粗さにする。
【0052】上記のような表面粗さにするのは、軸受溶
射施工面の表面粗さがRa5μm以下、又はRmax3
0μm以下では粗面化の効果が小さく溶射施工中に剥離
し易く、またRa30μm以上、又はRmax300μ
m以上にブラスト処理するとTIG溶接法で肉盛り溶接
したホワイトメタル合金層のダメージが大きくなるため
である。
【0053】(2)コーティング工程において、ホワイ
トメタルを溶射施工する際に、空気、又は不活性ガスを
吹き付けて軸受基材の温度を摂氏200度以下に冷却し
ながら、ホワイトメタルを溶射コーティングする。これ
は軸受基材の温度が摂氏200度以上になると軸受基材
が酸化してコーティング層が剥離し易くなり、またホワ
イトメタルが酸化や溶融して良好な耐摩耗コーティング
が得られなためである。
【0054】(3)コーティング工程において、ホワイ
トメタルの溶射粉末として粒子径10μm〜300μm
のものを用いる。これは、粉末粒径が10μm以下では
高速フレームでも加速され難く、高速度、高衝撃での溶
射施工ができないために緻密な層が得られず、また粒子
径が300μm以上では高速フレーム溶射で溶融され難
く、溶射効率が悪くなるためである。
【0055】(4)コーティング工程において、ホワイ
トメタルの溶射粉末として球形の粉末を用いる。このよ
うな形状の溶射粉末を用いることにより、溶射時の空気
抵抗が小さくなり、高速度、高衝撃での溶射施工して緻
密で密着力の大きなホワイトメタル層を得ることができ
る。
【0056】(5)コーティング工程において、ホワイ
トメタル溶射粉末として、0〜15重量%Sb、0〜1
0重量%Cu、0〜20重量%Pb、0〜30重量%Z
n、残部Sn等のSn基ホワイトメタル、または0〜5
0重量%Sn、0〜20重量%Sb、0〜5.0重量%
Cu、0〜1.5重量%As、残部Pb等のPb基ホワ
イトメタル、または5〜15重量%Sn、0.5〜5.
0重量%Cu、2.0重量%以下Ni、残部Al等のA
l基ホワイトメタルを用いる。
【0057】このような成分のホワイトメタル溶射粉末
を用いることにより、加熱炉中でホワイトメタルの融点
温度以下で加熱保持による拡散密着熱処理を行う際に、
拡散密着による緻密化と共に、Cu化合物、Sb化合物
を析出させて、耐摩耗特性、摺動特性に必要な硬さを得
ることができる。
【0058】上記拡散密着熱処理工程において、ホワイ
トメタルがコーティングされた軸受基材を、加熱炉でホ
ワイトメタルの融点温度以下である摂氏100度〜25
0度で30分〜50時間加熱保持する。
【0059】このような温度及び時間としているのは、
摂氏100度以下、または30分以下の加熱保持では拡
散密着熱処理が不十分で、ホワイトメタル層に気孔等の
欠陥が多く残り、密着力も小さくなり、また摂氏250
度以上または50時間以上加熱保持ではホワイトメタル
層が溶融して流れ落ちたり、軸受基材とホワイトメタル
層の界面に開口欠陥ができるためである。
【0060】また、上記拡散密着熱処理工程において、
ホワイトメタル層の硬さをブリネル硬度18〜35とす
る。
【0061】このような硬度としているのは、ホワイト
メタル層の硬さをブリネル硬度18以下では軸受摺動摩
耗が多くなり、ブリネル硬度が35以上では軸を傷つけ
たり、摩耗するためである。
【0062】一方、軸受基材にホワイトメタル合金から
なる耐摩耗層を有する軸受部品の製造方法において、軸
受基材の軸受面に、ホワイトメタル合金を軸受形状に加
工して固定する。
【0063】この固定方法としては次のような手法があ
る。
【0064】(a)軸受基材の軸受面に、ホワイトメタ
ル合金を溶接で固定する。
【0065】この溶接法としては、ガス溶接、アーク溶
接、レーザ溶接等があるが、低融点材料であるホワイト
メタルの溶接にはTIG溶接法が好ましい。
【0066】(b)軸受基材の軸受面に、ホワイトメタ
ル合金を拡散接合法でホワイトメタル合金の融点温度以
下で加熱保持して固定する。
【0067】この拡散接合法でホワイトメタル合金を固
定することにより、ホワイトメタルの低融点で拡散性に
優れるという特徴を利用して軸受基材と拡散反応で接合
するため、密着力を大きくすることができる。
【0068】この拡散接合法において、基材接合面に銅
(Cu)層を形成してから固定する。
【0069】このようにすれば、Cuとホワイトメタル
のSnが低い温度で拡散反応するため、軸受基材とホワ
イトメタル合金の密着力を大きくすることができる。
【0070】また、拡散接合法において、接合面に0.
1kg/cm〜30kg/ cm の面圧を負荷して
固定する。
【0071】これは、接合面に0.1kg/ cm
下の負荷では軸受基材とホワイトメタル合金の接触が不
十分となり拡散反応が起こり難く、また30kg/cm
の面圧となるとホワイトメタル合金が変形するため、
接合面に0.1kg/cm〜30kg/cmの面圧
を負荷して固定すれば、軸受基材とホワイトメタル合金
の密着力を大きくすることができる。
【0072】(c)軸受基材の軸受面に、ホワイトメタ
ル合金をろう付け法でろう材の融点温度以上、ホワイト
メタル合金の融点温度以下に加熱保持して固定する。
【0073】このろう付け法でホワイトメタル合金を固
定することにより、軸受基材とホワイトメタル合金の間
に、Sn−PbやSn−Cu等の低融点ろう材またはP
b半田を用いてろう付けするために、ろう材の接着力に
より軸受基材とホワイトメタル合金の密着力を大きくす
ることができる。
【0074】(d)軸受基材の軸受面に、ホワイトメタ
ル合金を接着剤を用いて固定する。
【0075】この接着剤によるホワイトメタル合金の固
定は、軸受基材とホワイトメタル合金の間に、有機接着
剤または樹脂硬化型接着剤等の接着剤を用いて接着する
ために、接着剤の接着力により軸受基材とホワイトメタ
ル合金の密着力を大きくすることができる。
【0076】(e)さらに、ろう付け法または接着剤を
用いた固定法において、基材およびホワイトメタル合金
の固定面をRa3μm〜20μmまたはRmax30μ
m〜200μmに粗面化して固定する。
【0077】これは、基材およびホワイトメタル合金の
固定面をRa3μm以下、またはRmax30μm以下
の粗面化では、粗面化の効果が小さく、付着力が小さく
なり、また、 Ra20μm以上、またはRmax20
0μm以上の粗面化処理すると軸受基材およびホワイト
メタル合金へのダメージが大きくなることから、基材お
よびホワイトメタル合金の固定面の粗面化をRa3μm
〜20μmまたはRmax30μm〜200μmにする
ことにより、表面積を大きく、付着力を大きくすること
ができる。
【0078】上述したような製造方法により作製した軸
受部品を図1乃至図2に例示する。
【0079】図1はラジアル軸受に適用した場合を示す
もので、軸受基材1の円柱状の内壁面にホワイトメタル
被覆層2を形成したものである。図2はスラスト軸受に
適用した場合を示すもので、軸受基材3の平面にホワイ
トメタル被覆層4を形成したものである。
【0080】以上のような各軸受部品において、軸受基
材の軸受面に、ホワイトメタル層を0.2mm〜2.0
mm厚さにTIG溶接で肉盛り溶接した後、肉盛り溶接
したホワイトメタル層の上に、ホワイトメタル層を1m
m〜30mmの厚さで、且つ気孔率が20%以下に緻密
に溶射法でコーティングする。次に、前記ホワイトメタ
ル層が形成された軸受基材に対し、加熱炉でホワイトメ
タルの融点温度以下で加熱による拡散密着熱処理を行な
うことにより、軸受耐摩耗コーティング、摺動特性の効
果を十分に得ることができると共に、コーティング層の
剥離を生じ難くすることができる。
【0081】一方、軸受基材の軸受面に、ホワイトメタ
ル合金を軸受形状に機械加工した後、溶接法による固
定、拡散接合法による固定、ろう付け法による固定、接
着剤による固定等により軸受基材とホワイトメタル合金
の密着力が大きくなり、軸受の耐摩耗特性、摺動特性の
効果を十分に得ることができると共に、ホワイトメタル
合金の剥離を生じ難くすることができる。
【0082】
【実施例】以下、上記実施の形態に基づく軸受部品及び
その製造方法の具体的な実施例について説明する。
【0083】(実施例1)軸受基材として縦300m
m、横500mm、厚さ250mmの炭素鋼(SS40
0)に直径320mm、長さ300mmの半円柱形の軸
受部を設け、その軸受面に、TIG溶接法によりホワイ
トメタル(WJ2種:9.0重量%Sb、6.0重量%
Cu、および残部Sn)を1.0mm厚さに肉盛り溶接
した。
【0084】続いて、肉盛り溶接したホワイトメタル層
に溶射前処理としてブラスト装置でアルミナグリット
(#30)でブラスト圧力を3kg/cmで表面粗さ
をRmax200μmにした後に、超高速フレーム溶射
(HP/HVOF)法の一つであるJP−5000溶射
でホワイトメタル(WJ2種)の溶射粉末(粒子径30
〜100μmの球形粉末)を用いて1000m/秒の超
高速度で溶射を行い、10mm厚さにコーティングし
た。また、溶射中に軸受基材に空気を吹き付け、軸受基
材の温度を摂氏150度にした。この時のコーティング
層の気孔率は3%であった。
【0085】次に、このホワイトメタルをコーティング
した軸受基材を加熱炉中で摂氏225度で25時間加熱
保持して拡散密着熱処理を行った。この拡散密着熱処理
後のホワイトメタル層の気孔率は0.7%であった。こ
の後、ホワイトメタル層の表面を機械加工によりRa
0.25μm以下の粗さに仕上げ加工を行った。
【0086】図3は以上のような軸受部品の製造工程の
流れを示すものである。
【0087】そして、このようにして得られた軸受部品
を、軸受摺動試験に用いた。
【0088】軸受摺動試験は、12Cr鋼の300mm
径の円柱形の棒を軸に用い、軸受面の面圧を200kg
/cmとして、軸の回転を3,000rpmで1時間
行った。
【0089】軸受摺動試験結果、12Cr鋼の軸に傷等
が無く、焼き付きも起こらなかった。また、軸受のコー
ティングしたホワイトメタル層にも問題となるような傷
や極部的な摩耗損傷が無く、摺動特性が良好であった。
しかも、ホワイトメタル層がほとんど摩耗しておらず耐
摩耗性も良好であった。
【0090】このように、優れた軸受部品を得ることが
できる。
【0091】(実施例2)軸受基材として縦300m
m、横500mm、厚さ250mmの炭素鋼(SS40
0)に直径320mm、長さ300mmの半円柱形の軸
受部を設け、その軸受面に、TIG溶接法によりホワイ
トメタル(WJ2種:9.0重量%Sb、6.0重量%
Cu、および残部Sn)を1.0mm厚さに肉盛り溶接
した。
【0092】続いて、肉盛り溶接したホワイトメタル層
に溶射前処理としてブラスト装置でアルミナグリット
(#15)でブラスト圧力を3kg/cmで表面粗さ
をRmax250μmにした後に、高速フレーム溶射
(HVOF)法の一つであるダイヤモンドジェット(D
J)溶射でホワイトメタル(WJ2種)の溶射粉末(粒
子径30〜100μmの球形粉末)を用いて800m/
秒の超高速度で溶射を行い、10mm厚さにコーティン
グした。また、溶射中に軸受基材に空気を吹き付け、軸
受基材の温度を摂氏180度にした。この時のコーティ
ング層の気孔率は7%であった。
【0093】次に、このホワイトメタルをコーティング
した軸受基材を加熱炉中で摂氏225度で36時間加熱
保持して拡散密着熱処理を行った。この拡散密着熱処理
後のホワイトメタル層の気孔率は1.6%であった。こ
の後、ホワイトメタル層の表面を機械加工によりRa
0.25μm以下の粗さに仕上げ加工を行った。
【0094】以上のような軸受部品の製造工程の流れ
は、図3に示すように実施例1と同様である。
【0095】そして、このようにして得られた軸受部品
を、軸受摺動試験に用いた。
【0096】軸受摺動試験は、12Cr鋼の300mm
径の円柱形の棒を軸に用い、軸受面の面圧を200kg
/cmとして、軸の回転を3,000rpmで1時間
行った。
【0097】軸受摺動試験結果、12Cr鋼の軸に傷等
が無く、焼き付きも起こらなかった。また、軸受のコー
ティングしたホワイトメタル層にも問題となるような傷
や極部的な摩耗損傷が無く、摺動特性が良好であった。
しかも、ホワイトメタル層がほとんど摩耗しておらず耐
摩耗性も良好であった。
【0098】このように、優れた軸受部品を得ることが
できる。
【0099】(実施例3)軸受基材として縦300m
m、横500mm、厚さ250mmの炭素鋼(SS40
0)に直径320mm、長さ300mmの半円柱形の軸
受部を設け、その軸受面を溶射前処理としてブラスト装
置でアルミナグリット(#30)でブラスト圧力を4k
g/cmで表面粗さをRmax120μmにした後
に、超高速フレーム溶射(HP/HVOF)法の一つで
あるJP−5000溶射で銅(Cu)を約0.1mm厚
さにコーティングした。
【0100】次に、ホワイトメタル合金を直径320m
m、長さ300mm、厚さ10mmの半円筒形状に加工
し、上記銅層を形成した軸受部に拡散接合法を用いて固
定した。拡散接合法は、銅層を形成した軸受部に半円筒
形状に加工したホワイトメタル合金を接触させ、接合面
に10kg/cmの面圧を負荷し、真空炉を用いて摂
氏200度に5時間保持して行った。
【0101】図4は以上のような軸受部品の製造工程の
流れを示すものである。
【0102】そして、このようにして得られた軸受部品
を、軸受摺動試験に用いた。
【0103】軸受摺動試験は、12Cr鋼の300mm
径の円柱形の棒を軸に用い、軸受面の面圧を200kg
/cmとして、軸の回転を3,000rpmで1時間
行った。
【0104】軸受摺動試験結果、12Cr鋼の軸に傷等
が無く、焼き付きも起こらなかった。また、軸受のコー
ティングしたホワイトメタル層にも問題となるような傷
や極部的な摩耗損傷が無く、摺動特性が良好であった。
また、軸受基材とホワイトメタル合金との付着力が6.
5kg/ mmと高く、しかもホワイトメタル層がほ
とんど摩耗しておらず耐摩耗性も良好であった。
【0105】このように、優れた軸受部品を得ることが
できる。
【0106】(実施例4)軸受基材として縦300m
m、横500mm、厚さ250mmの炭素鋼(SS40
0)に直径320mm、長さ300mmの半円柱形の軸
受部を設け、その軸受面を溶射前処理としてブラスト装
置でアルミナグリット(#30)でブラスト圧力を4k
g/cmで表面粗さをRmax120μmにした。
【0107】次に、ホワイトメタル合金を直径320m
m、長さ300mm、厚さ10mmの半円筒形状に加工
し、上記粗面化した軸受部にろう付け法を用いて固定し
た。ろう付け法は、粗面化した軸受部にろう材としてS
n−Pb(JIS:Sn65Pb)はんだの0.5mm
厚さのシートを用い、半円筒形状に加工したホワイトメ
タル合金を接触させ、ろう付け面に2kg/cmの面
圧を負荷し、真空炉を用いて摂氏200度に15分間保
持して行った。
【0108】図5は以上のような軸受部品の製造工程の
流れを示すものである。
【0109】そして、このようにして得られた軸受部品
を、軸受摺動試験に用いた。
【0110】軸受摺動試験は、12Cr鋼の300mm
径の円柱形の棒を軸に用い、軸受面の面圧を200kg
/cmとして、軸の回転を3,000rpmで1時間
行った。
【0111】軸受摺動試験結果、12Cr鋼の軸に傷等
が無く、焼き付きも起こらなかった。また、軸受のコー
ティングしたホワイトメタル層にも問題となるような傷
や極部的な摩耗損傷が無く、摺動特性が良好であった。
また、軸受基材とホワイトメタル合金との付着力が4.
0kg/ mmと高く、しかもホワイトメタル層がほ
とんど摩耗しておらず耐摩耗性も良好であった。
【0112】このように、優れた軸受部品を得ることが
できる。
【0113】
【発明の効果】以上のように本発明によれは、薄肉化の
ための機械加工が不要になり、また有機溶剤を使用した
脱脂作業や下地処理としてのメッキ作業が無くなり、し
かもホワイトメタル層に偏析が無く、軸受基材との密着
性も良好にできる優れた軸受部品およびその製造方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る軸受部品をラジアル
軸受に適用した場合の一例を示す概要図。
【図2】本発明の実施の形態に係る軸受部品をスラスト
軸受に適用した場合の一例を示す概要図。
【図3】本発明による軸受部品の製造方法の実施例1及
び実施例2における工程の流れを示す図。
【図4】本発明による軸受部品の製造方法の実施例3に
おける工程の流れを示す図。
【図5】本発明による軸受部品の製造方法の実施例4に
おける工程の流れを示す図。
【符号の説明】
1……軸受基材 2……被覆層 3……軸受基材 4……被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 33/12 F16C 33/12 A Z (72)発明者 千田 格 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 片岡 正記 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 佐藤 守 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 3J011 BA02 BA08 DA02 JA02 KA02 KA03 MA01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受基材にホワイトメタル層からなる耐
    摩耗コーティング層を有する軸受部品の製造方法におい
    て、軸受基材の軸受面にホワイトメタル層をTIG溶接
    法で0.2mm〜2.0mm厚さに肉盛り溶接する溶接
    工程と、前記肉盛り溶接したホワイトメタル層の上に、
    ホワイトメタル層を1.0mm〜30.0mmの厚さで
    且つ気孔率が20%以下に緻密に溶射方法でコーティン
    グするコーティング処理工程と、前記ホワイトメタル層
    が形成された軸受基材に対し、加熱炉でホワイトメタル
    の融点温度以下で加熱による拡散密着熱処理を行う拡散
    密着熱処理工程とからなることを特徴とする軸受部品の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の軸受部品の製造方法
    において、前記溶射法によるコーティング処理工程とし
    ては、軸受基材の軸受面にTIG溶接法で肉盛り溶接し
    たホワイトメタル合金層の上に、ホワイトメタルを高速
    フレーム溶射法または超高速フレーム溶射法を用いて、
    350m/秒〜1500m/秒の高速度で溶射して、ホ
    ワイトメタルコーティング層の気孔率を20%以下と
    し、1.0mm〜30.0mmの厚さに形成することを
    特徴とする軸受部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の軸受部品の
    製造方法において、上記コーティング処理工程は、軸受
    基材の軸受面にTIG溶接法で肉盛り溶接したホワイト
    メタル合金層の上に、ホワイトメタルを溶射施工する前
    に、溶射施工面をブラスト処理によってRaが5μm〜
    30μm、またはRmaxが30μm〜300μmの表
    面粗さにすることを特徴とする軸受部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の軸受部品の製造方法において、上記コーティング処理
    工程は、軸受基材の軸受面にTIG溶接法で肉盛り溶接
    したホワイトメタル合金層の上に、ホワイトメタルを溶
    射施工する際に、空気または不活性ガスを吹き付けて軸
    受基材の温度を摂氏200度以下に冷却しながらホワイ
    トメタルを溶射コーティングすることを特徴とする軸受
    部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか記載の
    軸受部品の製造方法において、上記コーティング処理工
    程は、ホワイトメタルの溶射粉末として粒子径10μm
    〜300μmのものを用いることを特徴とする軸受部品
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の上記コーティング処理工程は、軸受基材の軸受面にT
    IG溶接法で肉盛り溶接したホワイトメタル合金層の上
    に、ホワイトメタル溶射粉末として、0〜15重量%S
    b、0〜10重量%Cu、0〜20重量%Pb、0〜3
    0重量%Zn、残部Sn等のSn基ホワイトメタル、ま
    たは0〜50重量%Sn、0〜20重量%Sb、0〜
    5.0重量%Cu、0〜1.5重量%As、残部Pb等
    のPb基ホワイトメタル、または5〜15重量%Sn、
    0.5〜5.0重量%Cu、2.0重量%以下Ni、残
    部Al等のAl基ホワイトメタルを用いるようにしたこ
    とを特徴とする軸受部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の軸受部品の製造方法にお
    いて、上記拡散密着熱処理工程は、ホワイトメタルがコ
    ーティングされた軸受基材を、加熱炉でホワイトメタル
    の融点温度以下である摂氏100度〜250度で30分
    〜50時間加熱保持することを特徴とする軸受部品の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 軸受基材にホワイトメタル合金からなる
    耐摩耗層を有する軸受部品の製造方法において、ホワイ
    トメタル合金を軸受形状に加工し、溶接法で軸受基材の
    軸受面に固定したことを特徴とする軸受部品の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 軸受基材にホワイトメタル合金からなる
    耐摩耗層を有する軸受部品の製造方法において、ホワイ
    トメタル合金を軸受形状に加工し、拡散接合法でホワイ
    トメタル合金の融点温度以下で加熱保持して軸受基材の
    軸受面に固定したことを特徴とする軸受部品の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の軸受部品の製造方法に
    おいて、上記拡散接合法によりホワイトメタル合金を固
    定するに際して、基材接合面に銅(Cu)層を形成した
    ことを特徴とする軸受部品の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9又は請求項10記載の軸受部
    品の製造方法において、ホワイトメタル合金を固定する
    に際して、接合面に0.1kg/cm〜30kg/c
    の面圧を負荷したことを特徴とする軸受部品の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 軸受基材にホワイトメタル合金からな
    る耐摩耗層を有する軸受部品の製造方法において、ホワ
    イトメタル合金を軸受形状に加工し、ろう付け法でろう
    材の融点温度以上、ホワイト合金の融点温度以下に加熱
    保持して軸受基材の軸受面に固定したことを特徴とする
    軸受部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 軸受基材にホワイトメタル合金からな
    る耐摩耗層を有する軸受部品の製造方法において、ホワ
    イトメタル合金を軸受形状に加工し、接着剤で軸受基材
    の軸受面に固定したことを特徴とする軸受部品の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項12又は請求項13記載の軸受
    部品の製造方法において、基材およびホワイトメタル合
    金の固定面をRa3μm〜20μmまたはRmax30
    μm〜200μmに粗面化して固定したことを特徴とす
    る軸受部品の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至請求項14に記載のいず
    れかかの製造方法により製作されたことを特徴とする軸
    受部品。
JP34235599A 1999-12-01 1999-12-01 軸受部品及びその製造方法 Pending JP2001159425A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34235599A JP2001159425A (ja) 1999-12-01 1999-12-01 軸受部品及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34235599A JP2001159425A (ja) 1999-12-01 1999-12-01 軸受部品及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001159425A true JP2001159425A (ja) 2001-06-12

Family

ID=18353093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34235599A Pending JP2001159425A (ja) 1999-12-01 1999-12-01 軸受部品及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001159425A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007191780A (ja) * 2006-01-23 2007-08-02 Toshiba Corp 溶射装置及びその方法
JP2009519378A (ja) * 2005-12-13 2009-05-14 エカー グラニュラテ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー カーゲー Sn含有耐久性材料組成物、耐久性被膜の製造方法、およびその使用
TWI558926B (zh) * 2015-11-20 2016-11-21 Metal Ind Res & Dev Ct Bearing manufacturing method
CN115710703A (zh) * 2022-11-16 2023-02-24 山东雷石智能制造股份有限公司 超高速激光熔覆制备耐腐蚀耐磨熔覆层的方法及机床

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009519378A (ja) * 2005-12-13 2009-05-14 エカー グラニュラテ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー カーゲー Sn含有耐久性材料組成物、耐久性被膜の製造方法、およびその使用
EP1977021B1 (de) * 2005-12-13 2014-03-05 ECKA Granules Germany GmbH Sn-haltige hochbelastbare materialzusammensetzung; verfahren zur herstellung einer hochbelastbaren beschichtung und deren verwendung
JP2007191780A (ja) * 2006-01-23 2007-08-02 Toshiba Corp 溶射装置及びその方法
TWI558926B (zh) * 2015-11-20 2016-11-21 Metal Ind Res & Dev Ct Bearing manufacturing method
CN115710703A (zh) * 2022-11-16 2023-02-24 山东雷石智能制造股份有限公司 超高速激光熔覆制备耐腐蚀耐磨熔覆层的方法及机床
CN115710703B (zh) * 2022-11-16 2023-11-03 山东雷石智能制造股份有限公司 超高速激光熔覆制备耐腐蚀耐磨熔覆层的方法及机床

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5723187A (en) Method of bonding thermally sprayed coating to non-roughened aluminum surfaces
EP1877598B1 (en) Magnesium repair and build up
US4449714A (en) Turbine engine seal and method for repair thereof
US20070215677A1 (en) Cold gas-dynamic spraying method for joining ceramic and metallic articles
JP2009519378A (ja) Sn含有耐久性材料組成物、耐久性被膜の製造方法、およびその使用
CN106435567A (zh) 一种压缩机用轴瓦的激光熔覆修复方法
CN107747592A (zh) 一种带增韧中间层的铜基轴瓦及其制备方法
JP3073721B2 (ja) 軸受部品の製造方法
JPH0771744B2 (ja) 複合摺動材料とその製造方法
JP2001159425A (ja) 軸受部品及びその製造方法
JP2980607B1 (ja) 軸受け部品、その製造方法及び補修方法
CN112226723B (zh) 一种大气氛围下含铝合金涂层的制备方法
JP2000266055A (ja) 耐蝕耐摩耗性摺動部材およびその製造方法
JP3425496B2 (ja) 複層金属材の製造方法
JP2001335914A (ja) 軸受金及びその製造方法
US6648207B2 (en) Method for applying self-fluxing coatings to non-cylindrical ferritic objects
JPH03264705A (ja) ガスタービン動翼補修方法
JP2010017760A (ja) Ni基合金と鋼材の接合方法及びその接合体
JP4303447B2 (ja) 二軸シリンダーの製造方法
JP2008190656A (ja) 支承装置及びその製造方法
CN108103497A (zh) 一种制备低温焊接碳化钛涂层的方法
JPS6051549B2 (ja) 溶射材料
CN117431536A (zh) 一种轴承表面涂层加工方法及其应用
JPH03172681A (ja) ピストンリング及びその製造方法
RU2316417C1 (ru) Способ упрочнения или восстановления рабочих поверхностей шеек валов