JP2001159352A - 内燃機関の燃料燃焼式加熱装置 - Google Patents

内燃機関の燃料燃焼式加熱装置

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JP2001159352A
JP2001159352A JP34549499A JP34549499A JP2001159352A JP 2001159352 A JP2001159352 A JP 2001159352A JP 34549499 A JP34549499 A JP 34549499A JP 34549499 A JP34549499 A JP 34549499A JP 2001159352 A JP2001159352 A JP 2001159352A
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fuel
internal combustion
combustion engine
engine
supply pressure
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Toshiyuki Maehara
利之 前原
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Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は吸気管内で燃料を燃焼させることによ
り吸入空気を加熱する内燃機関の燃料燃焼式加熱装置に
関し、始動性の向上を図ることを課題とする。 【解決手段】内燃機関10の機関運転時に燃料を所定圧
力で蓄積すると共に機関停止後も蓄積された燃料を所定
圧に保持する燃料蓄積装置70Aと、この燃料蓄積装置
70Aから圧送される燃料の燃料供給圧をECU12の
指示に基づき制御しバーナ74に供給する供給圧力制御
弁72とを有する。燃料蓄積装置70Aは機関停止後も
燃料を所定圧に保持した状態で蓄積しているため、始動
時であっても、バーナ74に確実に燃料を供給すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の燃料燃焼
式加熱装置に係り、特に吸気管内で燃料を燃焼させるこ
とにより吸入空気を加熱する内燃機関の燃料燃焼式加熱
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平11−2260
3号に開示される如く、内燃機関の始動時に内燃機関の
暖機の促進を図る加熱装置が知られている。この加熱装
置は、燃焼室での燃焼とは別に燃料を燃焼させることに
より空気を加熱する燃焼式ヒータと、この燃焼式ヒータ
に対し燃料を燃料タンクから供給する低圧ポンプとを備
えている。
【0003】低圧ポンプは、内燃機関の出力或いは電動
モータの出力を駆動源とし、燃料を燃焼式ヒータに供給
する。燃焼式ヒータは、低圧ポンプにより圧送された燃
料を燃焼させ冷却水を加熱する。従って、加熱装置を設
けることにより内燃機関の暖機を促進することができ、
始動性の向上を図ることができる。ところで、内燃機関
の始動性の向上を図る別の方法として、上記の燃焼式ヒ
ータを吸気通路に設け、内燃機関の筒内に吸入される吸
入空気を加熱することが考えられる。かかる構成によれ
ば、吸入空気が直接的に加熱されるので、内燃機関の始
動性の向上を効果的に図ることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】燃焼式ヒータが上述の
如く吸気通路に設けられた構成において、燃焼に適した
供給圧の燃料が燃焼式ヒータに供給されることにより、
吸入空気は速やかに加熱され始動性の向上を図ることが
できる。しかしながら、始動時においては燃焼式ヒータ
に供給される供給燃料圧は低くなる傾向がある。
【0005】即ち、低圧ポンプの駆動源として内燃機関
の出力を用いた構成では、始動時は内燃機関の出力が低
いため低圧ポンプの駆動力も小さくなり、燃焼に適した
供給燃料圧の燃料が燃焼式ヒータに供給されないおそれ
がある。また、低圧ポンプの駆動源として電動モータを
用いた構成では、始動時はセルモータの駆動等により消
費電力が高く、これに伴い電動モータの駆動力は小さく
なり、燃焼に適した供給燃料圧の燃料が燃焼式ヒータに
供給されないおそれがある。
【0006】このように、始動時は燃焼式ヒータに供給
される供給燃料圧は低くな傾向があり、供給燃料圧が適
正圧よりも低くなった場合には燃焼式ヒータに着火し難
くなり、始動性が低下するおそれがある。本発明は上記
の点に鑑みてなされたものであり、機関停止時において
も燃料を所定の供給燃料圧で蓄積できる燃料蓄積装置を
設けることにより、始動性の向上を図った内燃機関の燃
料燃焼式加熱装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴
とするものである。請求項1記載の発明は、燃料燃焼式
の加熱手段を備えた内燃機関の燃料燃焼式加熱装置にお
いて、機関運転時に前記燃料を所定圧力で蓄積すると共
に、機関停止後も蓄積された前記燃料を所定圧に保持す
る燃料蓄積装置と、前記燃料蓄積装置から圧送される前
記燃料の燃料供給圧を制御し前記加熱手段に供給する供
給圧力制御手段とを備えることを特徴とするものであ
る。
【0008】本発明において、燃料蓄積装置は機関運転
時に燃料を所定圧力で蓄積し、機関停止後も蓄積された
燃料が所定圧を保持する構成とされている。従って、機
関停止後に内燃機関が始動された際、始動時であっても
燃料蓄積装置から所定圧を有する燃料を加熱手段に向け
圧送することができる。また、供給圧力制御手段は、燃
料蓄積装置から圧送される燃料の燃料供給圧を制御する
ため、加熱手段に供給される燃料の燃料供給圧を燃焼に
適した圧力とすることができる。よって、内燃機関の始
動時であっても、加熱手段に向け適正燃料供給圧の燃料
を供給することが可能となり、燃料量不足による加熱手
段の着火不良の発生を防止することができる。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の内燃機関の燃料燃焼式加熱装置において、燃料噴射
ノズルに昇圧燃料を供給する燃料ポンプから燃料タンク
に還流されるリターン燃料の一部が前記燃料蓄積装置に
供給されるよう構成したことを特徴とするものである。
【0010】燃料ポンプは、燃料タンクから供給される
燃料を昇圧し、この高圧化した燃料を噴射ノズルに供給
するものである。また、噴射ノズルに供給されなかった
燃料、及び噴射ノズルにおいて余剰となった燃料は、リ
ターン燃料として燃料タンクに還流される。この際、本
発明では、燃料タンクに還流されるリターン燃料の一部
が燃料蓄積装置に供給されるよう構成している。リター
ン燃料は燃料ポンプで昇圧されて所定圧力を有している
ため、燃料蓄積装置に燃料を供給するのに別個に供給手
段を設ける必要はなく、燃料燃焼式加熱装置の構成を簡
単化することができる。また、リターン燃料の有する燃
料圧により燃料蓄積装置内における燃料の圧力を昇圧さ
せることができる。
【0011】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは2記載の内燃機関の燃料燃焼式加熱装置において、
前記供給圧力制御手段は、機関始動時に少なくとも機関
回転数,水温に基づき前記燃料供給圧を制御することを
特徴とするものである。本発明では、供給圧力制御手段
が機関回転数,水温に基づき燃料供給圧を制御するた
め、内燃機関の機関状態に対応した圧力の燃料を加熱手
段に供給することができ、よってより確実に始動性の向
上を図ることができる。
【0012】また、請求項4記載の発明は、請求項1乃
至3のいずれかに記載の内燃機関の燃料燃焼式加熱装置
において、前記供給圧力制御手段は、機関始動後に少な
くとも水温,外気温に基づき前記燃料供給圧を制御する
ことを特徴とするものである。本発明では、機関始動後
においても、供給圧力制御手段は水温,外気温に基づき
燃料供給圧を制御する。ところで、内燃機関が特にディ
ーゼル機関である場合、低温度及び始動時では燃焼状態
が悪くなり、燃料が未燃焼のまま排出されて白煙を生じ
ることがある。この白煙は、吸入空気の温度を上昇する
ことにより低減することができる。
【0013】よって、水温,外気温により内燃機関が白
煙を発生し易い状態であるかを検出し、この検出結果に
基づき燃焼手段に供給する燃料の燃料供給圧を制御する
ことにより吸入空気の温度を制御することが可能とな
り、よって白煙の発生を抑制することができる。また、
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記
載の内燃機関の燃料燃焼式加熱装置において、前記燃料
蓄積装置は、前記燃料を加圧する加圧手段を有すること
を特徴とするものである。
【0014】本発明のように、燃料を加圧する加圧手段
を燃料蓄積装置に設けたことにより、内燃機関の運転状
態に拘わらず、燃料蓄積装置内における燃料の加圧を確
実に行なうことができる。また、燃料圧力が低下しても
直ちに加圧できるため、燃料蓄積装置内における燃料の
加圧状態を一定に保持することができ、燃料蓄積装置か
ら供給される燃料の燃料供給圧を安定化させることがで
きる。
【0015】また、請求項6記載の発明は、請求項5記
載の内燃機関の燃料燃焼式加熱装置において、前記加圧
手段を、機関運転中に潤滑される潤滑油が供給されると
共に当該潤滑油の油圧により体積変化を行なう油室によ
り構成し、該油室の体積変化により前記燃料蓄積装置内
の前記燃料を昇圧する構成とし、かつ、前記機関停止後
も前記油室内に潤滑油が保持されるよう構成したことを
特徴とするものである。
【0016】本発明では、加圧手段を構成する油室は、
機関運転中に潤滑油が供給されることにより体積変化を
行い、燃料蓄積装置内の燃料を昇圧するため、燃料蓄積
装置内における燃料の加圧を確実に行なうことができ
る。また、機関停止後も油室内に潤滑油が保持されるた
め、機関停止後も燃料蓄積装置内の燃料の加圧状態は保
持される。よって、内燃機関の始動時であっても、加熱
手段に向けて所定圧力の燃料を供給することが可能とな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面と共に説明する。図1は、本発明の第1実施例
である燃焼式加熱装置を搭載する内燃機関10の全体構
成図を示す。内燃機関10は、電子制御ユニット(以
下、ECUと称す)12により制御される。
【0018】図1に示す如く、内燃機関10は、エアク
リーナ14を備えている。エアクリーナ14は、吸気管
16に接続されており、内燃機関10に吸入される空気
を濾過する機能を有している。吸気管16の内部には、
アクセルペダルと連動して開閉するスロットルバルブ1
8が配設されている。スロットルバルブ18は、後述の
主燃焼室に送られる吸入空気の量を制御する役割を有し
ている。
【0019】吸気管16の、スロットルバルブ18の下
流側には、サージタンク20を介してインテークマニホ
ールド22が連通している。インテークマニホールド2
2内には、その内部を流通する空気の温度に応じた信号
をECU12に出力する吸気温センサ24が配設されて
いる。ECU12はマイクロコンピュータにより構成と
れており、吸気温センサ24の出力信号に基づいてイン
テークマニホールド22に流通する吸入空気の温度(以
下、吸入空気温THAと称す)の検出、及び後述する各
種検出処理及び制御処理を実施する。
【0020】内燃機関10は、シリンダヘッド26を備
えている。シリンダヘッド26の内部には、吸気ポート
28、排気ポート30、および副燃焼室32が形成され
ている。吸気ポート28、排気ポート30、および副燃
焼室32は、各気筒に対応してそれぞれ設けられてい
る。上記のインテークマニホールド22は、吸気ポート
28に連通している。また、排気ポート30には、エギ
ゾーストマニホールド(図示せず)を介して大気に連通
する排気管34が連通している。シリンダヘッド26に
は、先端部が副燃焼室32に露出するように燃料噴射ノ
ズル36およびグロープラグ38が配設されている。
【0021】内燃機関10は、また、シリンダブロック
40を備えている。シリンダブロック40の内部には、
気筒数と同数だけ設けられたピストン42が収納されて
いる。ピストン42は、シリンダブロック40に形成さ
れたボア内で上下に摺動できるように構成されている。
ピストン42、シリンダブロック40、および、シリン
ダヘッド26に囲まれる部位には、主燃焼室44が形成
されている。上記した副燃焼室32は、主燃焼室44の
上方に設けられており、主燃焼室44に連通している。
また、吸気ポート28および排気ポート30は、共に主
燃焼室44に連通している。
【0022】吸気ポート28と主燃焼室44との間には
吸気バルブ(図示せず)が、また、排気ポート30と主
燃焼室44との間には排気バルブ46が、それぞれ設け
られている。吸気バルブおよび排気バルブ46は、ポー
トと主燃焼室44とを開閉する機能を有している。ピス
トン42には、コンロッド50を介してクランクシャフ
ト52が連結されている。シリンダブロック40には、
先端部がクランクシャフト52の表面に対向するように
クランク角センサ54が配設されている。
【0023】クランク角センサ54は、クランクシャフ
ト52の回転角が基準回転角に達する毎に所定の信号を
発生する。ECU12は、クランク角センサ54の出力
信号に基づいて、内燃機関10のクランク角度の基準位
置を検出する。シリンダブロック40の壁中には、ウォ
ータジャケット56が形成されている。シリンダブロッ
ク40には、先端部がウォータジャケット56内に露出
するように水温センサ58が配設されている。
【0024】水温センサ58は、ウォータジャケット5
6内を流通する冷却水の温度に応じた信号をECU12
に向けて出力する。ECU12は、水温センサ58の出
力信号に基づいて、内燃機関10の冷却水の水温THW
を検出する。燃料噴射ノズル36には、燃料噴射ポンプ
60が接続されている。燃料噴射ポンプ60は、クラン
クシャフト52からドライブシャフト61に伝達される
内燃機関10の出力トルクを動力源にして作動するフィ
ードポンプ(図示せず)を備えている。フィードポンプ
は、燃料タンク62に貯留されている燃料を汲み上げて
高圧の燃料を圧送する。
【0025】燃料噴射ポンプ60は、内燃機関10の各
気筒に燃料を噴射すべき時期に、その気筒の燃料噴射ノ
ズル36に対して高圧の燃料を供給する。燃料噴射ノズ
ル36は、燃料噴射ポンプ60から所定圧力を越える燃
料が供給されることにより、その燃料を副燃焼室32の
内部に向けて噴射する。ドライブシャフト61には、所
定回転角ごとに設けられた歯を複数有するロータ(図示
せず)が嵌挿されている。ロータの外周には、回転数セ
ンサ64が配設されている。回転数センサ64は、内燃
機関10のクランクシャフト52が所定回転角回転する
毎にパルス信号をECU12に向けて出力する。ECU
12は、回転数センサ64の出力信号に基づいて内燃機
関10のエンジン回転数NE(機関回転数)を検出す
る。
【0026】燃料噴射ポンプ60には、燃料タンク62
から燃料を汲み上げる際の通路65とは別に、燃料タン
ク62に通じる第1のリターン通路66が連通してい
る。第1のリターン通路66は、スピル弁68及び燃料
噴射ノズル36に接続されている。そして、燃料噴射ポ
ンプ60でスピルされた燃料及び燃料噴射ノズル36で
余剰となった燃料は第1のリターン通路66を介して燃
料タンク62に還流される。
【0027】スピル弁68は、常態で開弁状態を維持
し、ECU12から駆動信号が供給されることにより閉
弁状態となる開閉弁である。スピル弁68が閉弁された
状態で燃料噴射ポンプ60により燃料タンク62から燃
料が汲み上げられると、昇圧された燃料が、燃料噴射ノ
ズル36を介して副燃焼室32内に吐出される。一方、
スピル弁68が開弁された状態で燃料が汲み上げられる
と、高圧の燃料がスピル弁68を介して燃料タンク62
に漏出するため、副燃焼室32に吐出される燃料は減圧
される。ECU12は、副燃焼室32への燃料噴射量が
適量となるように、内燃機関10の運転状態に応じてス
ピル弁68の開閉時期を制御する。
【0028】また、ECU12には、内燃機関の始動・
停止を切り換えるためのイグニションスイッチ(以下、
IGスイッチと称す)69が接続されている。IGスイ
ッチ69は、その状態がオフ、オン、およびスタータオ
ンの3つの状態に順に切り替わるように構成されてい
る。ECU12は、IGスイッチ69の出力信号に基づ
いて、IGスイッチ69がオン状態にあるか否かを判別
すると共に、IGスイッチ69がスタータオン状態にあ
るか否かを判別する。そして、IGスイッチ69がオン
状態にある場合は内燃機関10がプレヒーティングされ
るように所定の機器に駆動信号を供給すると共に、IG
スイッチがスタータオン状態にある場合は内燃機関10
においてクランキングが実行されるようにスタータ(図
示せず)に駆動信号を供給する。
【0029】図2は、本実施例の燃料燃焼式加熱装置の
システム構成を示している。同図に示す如く、燃料が貯
留されている燃料タンク62は、上記の燃料噴射ポンプ
60の吸入側に接続されている。また、燃料噴射ポンプ
60及び燃料噴射ノズル36で余剰となった燃料は、前
記のように第1のリターン通路66を介して燃料タンク
62に還流されるが、その一部は本発明の要部となる燃
料蓄積装置70Aの流入側に供給されるよう構成されて
いる。燃料蓄積装置70Aの吐出側は、供給圧力制御弁
72,及び燃料圧力センサ80を介してバーナ74(燃
焼手段)に接続されている。
【0030】ここで、燃料蓄積装置70Aの詳細構成に
ついて、図8を用いて説明する。燃料蓄積装置70A
は、圧力容器となるタンク90Aの内部に燃料室92,
ダイヤフラム93,及びスプリング94を配設した構成
とされている。タンク90Aは、内部にダイヤフラム9
3が配設されることにより、図中上部に位置する空気室
89と、図中下部に位置する燃料室92Aに画成され
る。燃料タンク62からの燃料は、一方弁95を介して
燃料室92A内に供給される。この一方弁95は、燃料
の燃料室92A内への流入のみを許容し、燃料タンク6
2への逆流を防止するために設けられている。また、前
記したように、燃料室92Aは供給圧力制御弁72,燃
料圧力センサ80を介してバーナ74に接続されてい
る。
【0031】空気室89内には、スプリング94が配設
されている。このスプリング94は、可撓変位するダイ
ヤフラム93を常に燃料室92A側に向け押圧する構成
とされている。また、空気室89が自由にその体積を変
化できるよう、空気室89の上部には空気ぬき96が配
設されている。上記構成とされた燃料蓄積装置70A
は、燃料室92に燃料を蓄積すると共に、この蓄積され
た燃料をダイヤフラム93を介してスプリング94が押
圧することにより所定の圧力に昇圧する。即ち、燃料蓄
積装置70A内に流入した燃料は、加圧された状態で蓄
積される。そして、前記のように供給圧力制御弁72が
動作し、燃料蓄積装置70Aとバーナ74とが接続され
ると、燃料蓄積装置70A内の加圧された燃料は、その
加圧力によりバーナ74に向け圧送される。
【0032】このように、燃料を加圧するダイヤフラム
93及びスプリング94(加圧手段)を燃料蓄積装置7
0Aに設けたことにより、内燃機関の運転状態に拘わら
ず燃料の加圧を確実に行なうことができる。また、燃料
圧力が低下しても直ちに加圧できるため、燃料蓄積装置
70A内における燃料の加圧状態を一定に保持すること
ができる。よって、燃料蓄積装置70Aから供給される
燃料の燃料供給圧を安定化させることができる。
【0033】尚、図8に示す例では、スプリング94を
用いて燃料を加圧する構成としているが、空気ぬき96
を取り除くことにより空気室89を密閉し、空気室89
内の空気圧(いわゆる、空気ばね)により燃料を加圧す
る構成としてもよい。再び図2に戻り、説明を続ける。
供給圧力制御弁72は、常態で燃料蓄積装置70Aと第
2のリターン通路76を接続する状態を維持し、ECU
12から圧力制御弁制御信号が供給されることにより、
燃料蓄積装置70Aとバーナ74を接続する構成とされ
ている。また、燃料蓄積装置70Aとバーナ74を接続
した際、供給圧力制御弁72の開弁度はECU12から
の圧力制御弁制御信号により調整可能な構成とされてい
る。
【0034】燃料蓄積装置70Aの吐出側と供給圧力制
御弁72との間には、燃料タンク62に連通する第2の
リターン通路76が連通している。燃料蓄積装置70A
が作動状態にある状況下において供給圧力制御弁72が
開弁された場合、燃料蓄積装置70Aにおいて所定圧力
に昇圧された状態で蓄積されていた燃料は、供給圧力制
御弁72の開弁度に応じてバーナ74に向け供給する。
【0035】手動ポンプ71は燃料供給通路65と燃料
蓄積装置70Aとの間に配設されており、手動により燃
料供給通路65内の燃料を燃料蓄積装置70Aに供給す
るのに使用されるものである。この手動ポンプ71は、
燃料蓄積装置70A内の燃料量と圧力が、例えば数回の
始動失敗、或いは長期間機関を使用しない時に燃料蓄積
装置70A内の燃料を抜いていた等によりより低下して
いる場合に使用するものである。
【0036】前記のように、供給圧力制御弁72とバー
ナ74との間には燃料圧センサ80が配設されており、
この燃料圧センサ80は供給圧力制御弁72とバーナ7
4との間の通路内の燃料圧力を検出し、その検出信号を
ECU12に向けて出力する。ECU12は、後述する
ように燃料圧センサ80の出力信号に基づいて、バーナ
74に供給される燃料の圧力(以下、燃料圧力PF と称
す)を演算する。
【0037】図3は、本実施例の内燃機関10に用いら
れるバーナ74の取り付け位置を表した図を示す。ま
た、図4は、バーナ74の構成図を示す。尚、図4にお
いては、上半部がバーナ74の断面図を、下半部がバー
ナ74の外形図を、それぞれ示している。図3および図
4に示す如く、バーナ74は、その先端部がサージタン
ク20における吸入空気の吸入部20aの内部に露出す
るようにサージタンク20に配設されている。
【0038】図4に示す如く、バーナ74は、燃料蓄積
装置70Aから吐出された燃料を取り入れるための燃料
吸入口82、及び取り入れた燃料を気化させるフィルタ
84を備えている。また、バーナ74は、ECU12に
接続されるバーナ用グロープラグ86を備えている。バ
ーナ用グロープラグ86は、ECU12からグロー制御
信号が供給されることにより発熱する。このバーナ用グ
ロープラグ86は、所定の温度(例えば900゜C)ま
で熱せられと、フィルタ84により気化された燃料を燃
焼させる。
【0039】バーナ74の、サージタンク20の吸入部
20aの内部に露出した先端部には、吸入部20a内に
開口する開口穴88が複数形成されている。吸気管16
からサージタンク20に流入した吸入空気は、開口穴8
8を通ってバーナ74の内部に取り込まれると共に、バ
ーナ74における燃料の燃焼により加熱された後に開口
88を通ってサージタンク20内に排出される。このよ
うに、吸気管16からサージタンク20に流入した吸入
空気は、バーナ74により加熱される。
【0040】次に、本実施例の燃料燃焼式加熱装置の動
作について説明する。図5及び図6は、本実施例の燃料
燃焼式加熱装置においてECU12が実行する制御ルー
チンの一例のフローチャートである。図5及び図6に示
すルーチンは、その処理が終了するごとに繰り返し起動
されるルーチンである。図5及び図6に示すルーチンが
起動されると、まずステップ10(図では、ステップを
Sと略称している)の処理が実行される。
【0041】ステップ10では、IGスイッチ69がオ
フ状態からオン状態に切り替わったか否かが判別され
る。本ステップ10の処理でIGスイッチ69がオフ状
態であると判断された場合には、今回の制御ルーチンを
終了する。また、ステップ10でIGスイッチ69がオ
フ状態からオン状態に切り替わったと判別された場合
は、次にステップ12の処理が実行される。
【0042】ステップ12では、水温センサ58の出力
信号に基づいて検出された内燃機関10の冷却水の水温
THWが、所定値A(例えば、40℃)以下であるか否
かが判別される。尚、所定値Aは、内燃機関10の始動
性を高く維持できると判断できる冷却水の水温THWの
最小値である。よって、THW>40℃が成立する場合
は、吸入空気を加熱することなく内燃機関10の始動性
を良好に維持できると判断できる。従って、かかる判別
がなされた場合は、ステップ14以降の吸入空気を加熱
する処理は不要であるため、今回の制御ルーチンを終了
する。
【0043】一方、THW≦40℃が成立する場合は、
内燃機関10の始動性の向上を図る必要があると判断で
きる。従って、かかる判別がなされた場合は、次にステ
ップ14の処理が実行される。このステップ14では、
バーナ74のバーナ用グロープラグ86に所定の電流を
流通させる処理が実行される。本ステップ14の処理が
実行されると、ECU12はバーナ用グロープラグ86
にグロー制御信号を供給し(以下、この処理を「グロー
制御信号ON」という)、よってバーナ用グロープラグ
86は加熱される。
【0044】ステップ16では、バーナ用グロープラグ
86が正常であるか否かの自己診断処理が実施される。
即ち、バーナ用グロープラグ86に異常(例えば、断線
等)が発生している場合は、バーナ74に燃料供給を行
なっても燃焼は行なわれない。よって、ステップ16で
バーナ用グロープラグ86に異常が発生していると判断
された場合は、今回の制御ルーチンを終了しバーナ74
に燃料が供給されないよう構成している。
【0045】一方、ステップ16でバーナ用グロープラ
グ86が正常であると判断された場合は、次にステップ
18の処理が実行される。ステップ18では、IGスイ
ッチ69がオン状態からスタータオン状態に切り替わっ
たか否かが判別される。その結果、IGスイッチ69が
オン状態からスタータオン状態に切り替わっていない、
即ちオン状態に維持されていると判別された場合は、次
にステップ20の処理が実行される。
【0046】ステップ20では、ステップ14において
グロー制御信号ONとした後の経過時間が20秒以内で
あるかどうかが判断される。これは、本実施例のバーナ
用グロープラグ86は、燃料に点火が可能となる所定温
度まで昇温されるまで約20秒を要するためである。よ
って、ステップ20の条件が成立しない場合は、再び上
記ステップ18の処理が実行される。
【0047】一方、バーナ用グロープラグ86が20秒
以上電流供給された場合には、バーナ用グロープラグ8
6が過熱状態となり、その結果バーナ74の耐久性が低
下し寿命が短くなるおそれがある。このため、ステップ
20でバーナ用グロープラグ86に対し20秒以上電流
供給されたと判断された場合には、ステップ22におい
てECU12はバーナ用グロープラグ86に対するグロ
ー制御信号の供給を停止する構成としている(以下、こ
の処理を「グロー制御信号OFF」という)。
【0048】一方、ステップ18の処理で、IGスイッ
チ69がオン状態からスタータオン状態に切り替わった
と判別された場合には、次にステップ23の処理が実行
される。ステップ23では、ECU12は回転数センサ
64の出力信号に基づいて内燃機関10のエンジン回転
数NEを検出すると共に、水温センサ58の出力信号に
基づいて冷却水の水温THWを検出する。尚、水温TH
Wに関しては、ステップ12で求めた水温THWをその
まま用いてもよい。
【0049】ステップ24では、先ず上記ステップ23
で検出されたエンジン回転数NEおよび水温THWに基
づいて、バーナ74に供給されるべき燃料供給圧(以
下、始動時目標燃料供給圧P1 と称す)を決定する。図
7は、本実施例においてエンジン回転数NEと目標燃料
供給圧との関係を、水温THW及び吸入空気温度THA
と関係付けて示すマップである。このマップは、ECU
12のメモリに格納されている。
【0050】尚、図7においては、水温THWが低い場
合(THW=THW1)及び吸入空気温度THAが低い
場合(THA=THA1)を実線で、水温THWが低い
場合(THW=THW2>THW1)及び吸入空気温度
THAが低い場合(THA=THA2>THA1)を破
線でそれぞれ示している。また、同図では、図示及び説
明の便宜上、水温THWについてはTHW1とTHW2
の二種類を、また吸入空気温度THAについてはTHA
1とTHA2の二種類の特性のみ図示しているが、実際
には多数の水温THW及び吸入空気温度THAに対する
特性がマップとしてECU12のメモリに格納されてい
る。
【0051】図7に示す如く、本実施例では目標燃料供
給圧の特性が、始動時制御に用いられる始動時制御特性
と、後述する白煙抑制制御に用いられる白煙抑制制特性
とを有している。また、始動時制御特性と白煙抑制制御
は、所定エンジン回転数NE 0 (本実施例では、既定ア
イドリング回転数)を境として切り替わる構成となって
いる。
【0052】尚、以下の説明においては、始動時制御に
おいて設定される目標燃料供給圧を始動時目標燃料供給
圧P1 とし、白煙抑制制御において設定される目標燃料
供給圧を白煙抑制時目標燃料供給圧P2 として言い分け
ることとする。また、始動時目標燃料供給圧P1 と白煙
抑制時目標燃料供給圧P2 を総称する場合には、目標燃
料供給圧というものとする。
【0053】エンジン回転数NEと目標燃料供給圧との
関係は、始動時制御領域及び白煙制御領域のいずれにお
いても、エンジン回転数が増大すると、これに伴い始動
時目標燃料供給圧P1 及び白煙抑制時目標燃料供給圧P
2 も増大する関係となっている。また、始動時制御領域
における始動時目標燃料供給圧P1 の値は、白煙制御領
域における白煙抑制時目標燃料供給圧P2 に比べて小さ
くなっている。これは、始動性の向上を図るために必要
とする燃料量は、白煙の発生を抑制するために必要とす
る燃料量に対して少なくて済むことによる。
【0054】上記ステップ24においては、図7に示す
マップを参照することにより、バーナ74に供給される
べき燃料の始動時目標燃料供給圧P1 が決定される。こ
のように、バーナ74に供給されるべき燃料の始動時目
標燃料供給圧P1 が決定されると、次にECU12は始
動時目標燃料供給圧P1 を実現するための供給圧力制御
弁72の開度(目標弁開度)の演算を行なう。そして、
供給圧力制御弁72に対し、目標弁開度に対応した始動
用の圧力制御弁制御信号を出力する。
【0055】供給圧力制御弁72は、ECU12から圧
力制御弁制御信号が送信されると、燃料蓄成装置70A
と第2のリターン通路76との接続を遮断すると共に、
燃料蓄成装置70Aとバーナ74とを接続する。更に、
供給圧力制御弁72は、ECU12から送信された圧力
制御弁制御信号と対応した弁開度となるよう開弁動作を
行なう。
【0056】前記したように、燃料蓄積装置70Aは、
機関運転時に燃料を燃料室92A(図8参照)に所定圧
力で蓄積し、ダイヤフラム93及びスプリング94によ
り機関停止後も蓄積された燃料が所定圧を保持する構成
とされている。従って、供給圧力制御弁72が開弁する
ことにより、始動時であっても燃料蓄積装置70Aから
所定圧を有する燃料をバーナ74に向け直ちに圧送する
ことができる。
【0057】バーナ74に設けられたバーナ用グロープ
ラグ86は、ステップ24,26の処理により点火に十
分な温度に加熱された状態である。よって、燃料蓄積装
置70Aからバーナ74に圧送された燃料は、バーナ用
グロープラグ86により点火され燃焼される。これによ
り、吸入空気はバーナ74により加熱され、始動性の向
上を図ることができる。
【0058】この際、供給圧力制御弁72は、燃料蓄積
装置70Aから圧送される燃料の燃料供給圧をECU1
2からの圧力制御弁制御信号に基づき始動時目標燃料供
給圧P1 となるよう制御される。よって、内燃機関の始
動時であっても、バーナ74に向け始動時目標燃料供給
圧P1 の燃料を供給することが可能となり、燃料量不足
によるバーナ74の着火不良の発生を防止でき、始動性
の向上を図ることができる。
【0059】続くステップ26では、ECU12はIG
スイッチ69がスタータオン状態からスタータオンオフ
状態に切り替わったか否かを判断する。上記したステッ
プ23,24の処理は、ステップ26でIGスイッチ6
9がスタータオンオフ状態に切り替わったと判断される
まで繰り返し実施される。この際、ECU12は燃料圧
力センサ80からの信号に基づき、燃料蓄積装置70A
から供給圧力制御弁72を介してバーナ74に圧送され
る燃料の実際の燃料圧力(以下、実燃料圧という)を検
出している。そして、ECU12はステップ24の処理
において、実燃料圧が始動時目標燃料供給圧P1 からず
れた場合には、実燃料圧が始動時目標燃料供給圧P1 と
なるよう供給圧力制御弁72の開弁度を制御(フィード
バック制御)している。これにより、バーナ74に圧送
される燃料の燃料圧を始動時目標燃料供給圧P1 に精度
よく一致させることができ、これによりより確実な始動
性の向上を図っている。
【0060】一方、ステップ26においてIGスイッチ
69がスタータオンオフ状態に切り替わったと判断され
ると、処理は図6に示すステップ28に進む。ここで、
IGスイッチ69がスタータオンオフ状態に切り替わっ
た状態は、内燃機関10が始動した状態である。ステッ
プ28では、ECU12は回転数センサ64の出力信号
から求められるエンジン回転数NEに基づき、現在のエ
ンジン回転数NEが所定値(本実施例では、アイドリン
グ回転数NE0 )以上あるか否かが判断される。このス
テップ26の処理は、前記した始動時制御と白煙抑制制
御とを切り替える処理である。
【0061】ステップ28でエンジン回転数NEが所定
値(アイドリング転数NE0 )未満であると判断される
と、処理はステップ30に進む。ステップ30では、E
CU12 は供給圧力制御弁72に対する圧力制御弁制御
信号の出力を停止する(圧力制御信号OFF)。供給圧
力制御弁72は、圧力制御弁制御信号が停止されると、
燃料蓄積装置70Aと第2のリターン通路76とを連通
させる。また、続くステップ32では、ECU12はグ
ロー制御信号OFFとし、今回の制御ルーチンを終了す
る。上記したステップ30,32の処理により、バーナ
74の燃焼は停止する。
【0062】一方、ステップ28でエンジン回転数NE
が所定値(アイドリング転数NE0)以上であると判断
されると、ステップ33の処理が実施される。ステップ
33では、ECU12は回転数センサ64の出力信号に
基づいて内燃機関10のエンジン回転数NEを検出する
と共に、吸気温度センサ24の出力信号に基づいて吸入
空気温度THAを検出する。
【0063】続くステップ34では、先ず上記ステップ
33で検出されたエンジン回転数NEおよび吸入空気温
THAに基づいて、白煙の発生を抑制するためにバーナ
74に供給されるべき燃料供給圧(以下、白煙抑制時目
標燃料供給圧P2 と称す)を決定する。この白煙抑制時
目標燃料供給圧P2 は、ECU12に格納された図7に
示すマップから求められる。
【0064】このように、白煙抑制のためにバーナ74
に供給されるべき燃料の白煙抑制時目標燃料供給圧P2
が決定されると、次にECU12は白煙抑制時目標燃料
供給圧P2 を実現するための供給圧力制御弁72の開度
(目標弁開度)の演算を行なう。そして、供給圧力制御
弁72に対し、目標弁開度に対応した始動用の圧力制御
弁制御信号を出力する。
【0065】供給圧力制御弁72は、ECU12から圧
力制御弁制御信号が送信されると、燃料蓄成装置70A
と第2のリターン通路76とが接続されている場合には
この接続を遮断し、燃料蓄成装置70Aとバーナ74と
を接続する。更に、供給圧力制御弁72は、ECU12
から送信された圧力制御弁制御信号と対応した弁開度と
なるよう開弁動作を行なう。これにより、燃料蓄積装置
70Aから所定圧を有する燃料が、バーナ74に向け圧
送される。
【0066】また、ステップ34の処理時においては、
バーナ74に設けられたバーナ用グロープラグ86は、
ステップ24,26の処理により点火に十分な温度に加
熱された状態を維持している。よって、燃料蓄積装置7
0Aからバーナ74に圧送された燃料は、バーナ用グロ
ープラグ86により点火され燃焼される。これにより、
吸入空気はバーナ74により加熱され、白煙の発生を抑
制することができる。
【0067】この際、供給圧力制御弁72は、燃料蓄積
装置70Aから圧送される燃料の燃料供給圧をECU1
2からの圧力制御弁制御信号に基づき白煙抑制時目標燃
料供給圧P2 となるよう制御される。よって、現在の機
関状態において白煙の抑制に最も適した量の燃料をバー
ナ74に供給することが可能となり、白煙の発生を確実
に抑制することができる。
【0068】続くステップ36では、ECU12は水温
センサ58が出力する信号から得られる水温THWが、
所定温度(本実施例では40℃)以上であるか否かを判
断する。上記したステップ33,34の処理は、ステッ
プ36で水温THWが、所定温度(本実施例では40
℃)以上になったと判断されるまで繰り返し実施され
る。ここで、上記の所定温度(40℃)は、内燃機関1
0で白煙の発生が発生しなくなる冷却水水温である。
【0069】また、前記のようにECU12は燃料圧力
センサ80からの信号に基づき、燃料蓄積装置70Aか
ら供給圧力制御弁72を介してバーナ74に圧送される
実燃料圧を検出している。そして、ECU12はステッ
プ34の処理において、実燃料圧が白煙抑制時目標燃料
供給圧P2 からずれた場合には、実燃料圧が白煙抑制時
目標燃料供給圧P2 となるよう供給圧力制御弁72の開
弁度をフィードバック制御している。これにより、バー
ナ74に圧送される燃料の燃料圧を白煙抑制時目標燃料
供給圧P2 に精度よく一致させることができ、これによ
り白煙の発生をより確実に抑制することができる。
【0070】一方、ステップ36において冷却水の水温
THWが所定値(40℃)以上になったと判断される
と、処理はステップ38に進む。ステップ38では、E
CU12 は供給圧力制御弁72に対する圧力制御弁制御
信号の出力を停止する(圧力制御信号OFF)。供給圧
力制御弁72は、圧力制御弁制御信号が停止されると、
燃料蓄積装置70Aと第2のリターン通路76とを連通
させる。また、続くステップ40では、ECU12はグ
ロー制御信号OFFとし、今回の制御ルーチンを終了す
る。上記したステップ30,32の処理により、バーナ
74の燃焼は停止する。
【0071】続いて、図9及び図10を用いて本発明に
係る加熱装置に適用できる燃料蓄積装置の他実施例につ
いて説明する。尚、図9及び図10において、図8を用
いて説明した燃料蓄積装置70Aと同一構成については
同一符号を付して、その説明を省略する。図9に示す燃
料蓄積装置70Bは、燃料を蓄積するタンク90Bをバ
ーナ74の配設位置に対して高い位置に配設し、燃料の
重さを利用して燃料圧を発生させるよう構成したもので
ある。即ち、供給圧制御弁72が燃料蓄積装置70Bと
バーナ74を接続する状態となった際、タンク90Bの
燃料室92B内に蓄積された燃料は、その重さによりバ
ーナ74に向け圧送される。また、燃料圧は、バーナ7
4に対するタンク90Bの高さを変化させることにより
調整することができる。
【0072】上記構成とされた燃料蓄積装置70Bによ
れば、図8に示した燃料蓄積装置70Aのようにタンク
90A内にダイヤフラム93,スプリング94を設ける
必要はなくなり、タンク90Bの構成の簡単化,及び部
品点数の削減を図ることができる。よって、加熱装置の
コスト低減を図ることができる。また、図10に示す燃
料蓄積装置70Cは、タンク90Cの下部に油室98を
設け、この油室に機関運転中に潤滑される潤滑油が供給
される構成としたことを特徴とするものである。
【0073】この油室98は、燃料が蓄積される燃料室
92Cと油室用ダイヤフラム97により画成されてい
る。また、油室用ダイヤフラム97は可撓変形可能な構
成とされており、よって供給される潤滑油の油圧により
油室98は体積変化できる構成となっている。従って、
油室98に潤滑油が供給され、これに伴い油室98の体
積が増大すると、燃料室92C内の燃料は昇圧される。
【0074】また、油室98には、ECU12により制
御される三方弁99が接続されている。この三方弁99
は、ECU12から送信される三方弁制御信号により、
油室98内への潤滑油の供給量を制御する構成となって
いる。尚、本実施例では、図8に示した実施例と同様に
ダイヤフラム93及びスプリング94を有しており、こ
れらによっても燃料室92C内の燃料を昇圧できる構成
となっている。
【0075】上記構成とされた燃料蓄積装置70Cは、
第1のリターン通路66から燃料が供給されている場
合、ECU12は油室98に潤滑油が供給されないよう
三方弁99を制御している。よって、この燃料供給時に
おいては、油室98の体積は小さくなっており、燃料室
92Cに十分な燃料を蓄積することができる。また、燃
料室92Cに十分な燃料が蓄積されると、ECU12は
油室98に潤滑油を供給するよう三方弁99を制御す
る。これにより、油室98内に潤滑油が供給されその体
積は大きくなり、燃料室92C内の燃料に圧力が印加さ
れる。この際、前記のように燃料室92の上部にはスプ
リング94により弾性付勢されたダイヤフラム93を有
しているため、このダイヤフラム93によっても燃料は
加圧され、確実に所定の圧力まで昇圧させることができ
る。尚、燃料室92Cに十分な燃料が蓄積されたか否か
の判断は、燃料室92Cに設けられた圧力センサ91の
出力から判断することができる。
【0076】また、本実施例の燃料蓄積装置70Cで
は、燃料室92C内の燃料が所定圧力まで加圧された状
態で、油室98に対する潤滑油の供給を停止するよう三
方弁99を制御することにより、燃料室92C内の燃料
を加圧した状態で保持することができる。この加圧状態
は、内燃機関10が停止された後も維持される。よって
本実施例においても、内燃機関の始動時において、燃料
蓄積装置70Cからバーナ74に向けて所定圧力の燃料
を確実に供給することができる。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、次に述べる種々の効果
を実現することができる。 請求項1記載の発明によれ
ば、燃料蓄積装置は始動初期であっても燃料蓄積装置か
ら所定圧を有する燃料を加熱手段に向け圧送し、また供
給圧力制御手段は燃料蓄積装置から圧送される燃料の燃
料供給圧を燃焼に適した圧力に制御した上で燃焼手段に
供給する。よって、内燃機関の始動初期であっても、加
熱手段に向け適正燃料供給圧の燃料を供給することが可
能となり、燃料量不足による加熱手段の着火不良の発生
を防止することができる。
【0078】また、請求項2記載の発明によれば、燃料
蓄積装置に燃料を供給するのに別個に供給手段を設ける
必要はなく、燃料燃焼式加熱装置の構成を簡単化するこ
とができる。また、リターン燃料の有する燃料圧により
燃料蓄積装置内における燃料の圧力を昇圧させることが
できる。また、請求項3記載の発明によれば、供給圧力
制御手段は機関回転数,水温に基づき燃料供給圧を制御
するため、内燃機関の機関状態に対応した圧力の燃料を
加熱手段に供給することができ、よってより確実に始動
性の向上を図ることができる。
【0079】また、請求項4記載の発明によれば、供給
圧力制御手段は水温,外気温により内燃機関が白煙を発
生し易い状態であるかを検出し、この検出結果に基づき
燃焼手段に供給する燃料の燃料供給圧を制御するため、
吸入空気の温度を制御することが可能となり、よって白
煙の発生を抑制することができる。また、請求項5記載
の発明によれば、内燃機関の運転状態に拘わらず、燃料
蓄積装置内における燃料の加圧を確実に行なうことがで
きる。また、燃料圧力が低下しても直ちに加圧できるた
め、燃料蓄積装置内における燃料の加圧状態を一定に保
持することができ、燃料蓄積装置から供給される燃料の
燃料供給圧を安定化させることができる。
【0080】また、請求項6記載の発明によれば、加圧
手段を構成する油室は、機関運転中に潤滑油が供給され
ることにより体積変化を行い、燃料蓄積装置内の燃料を
昇圧するため、燃料蓄積装置内における燃料の加圧を確
実に行なうことができる。また、機関停止後も油室内に
潤滑油が保持されるため、機関停止後も燃料蓄積装置内
の燃料の加圧状態は保持される。よって、内燃機関の始
動初期であっても、加熱手段に向けて所定圧力の燃料を
供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である燃料燃焼式加熱装置
を搭載する内燃機関の全体構成図である。
【図2】本実施例の燃料燃焼式加熱装置のシステム構成
図である。
【図3】本実施例の内燃機関に用いられるバーナの取り
付け位置を表した図である。
【図4】本実施例の内燃機関に用いられるバーナの構成
図である。
【図5】本実施例の燃料燃焼式加熱装置において実行さ
れる制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図6】本実施例の燃料燃焼式加熱装置において実行さ
れる制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図7】本実施例において実施される燃圧制御の一例を
示す図である。
【図8】燃料蓄積装置の具体的構成を示す図である。
【図9】燃料蓄積装置の具体的構成を示す図である。
【図10】燃料蓄積装置の具体的構成を示す図である。
【符号の説明】
10 内燃機関 12 電子制御ユニット(ECU) 19 スロットル開度センサ 20 サージタンク 24 吸気温センサ 36 燃料噴射ノズル 58 水温センサ 60 燃料噴射ポンプ 62 燃料タンク 64 回転数センサ 65 燃料供給通路 66 第1のリターン通路 68 スピル弁 70A〜70C 燃料蓄積装置 71 手動ポンプ 72 供給圧力制御弁 74 バーナ 76 第2のリターン通路 80 燃料圧力センサ 89 空気室 90A〜90C タンク 92A〜92C 燃料室 93 ダイヤフラム 94 スプリング 97 油室用ダイヤフラム 98 油室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 31/04 F02M 31/04 A F02N 17/047 F02N 17/047 E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料燃焼式の加熱手段を備えた内燃機関
    の燃料燃焼式加熱装置において、 機関運転時に前記燃料を所定圧力で蓄積すると共に、機
    関停止後も蓄積された前記燃料を所定圧に保持する燃料
    蓄積装置と、 前記燃料蓄積装置から圧送される前記燃料の燃料供給圧
    を制御し前記加熱手段に供給する供給圧力制御手段とを
    備えることを特徴とする内燃機関の燃料燃焼式加熱装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の燃料燃焼式加
    熱装置において、 燃料噴射ノズルに昇圧燃料を供給する燃料ポンプから燃
    料タンクに還流されるリターン燃料の一部が前記燃料蓄
    積装置に供給されるよう構成したことを特徴とする内燃
    機関の燃料燃焼式加熱装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の内燃機関の燃料
    燃焼式加熱装置において、 前記供給圧力制御手段は、機関始動時に少なくとも機関
    回転数,水温に基づき前記燃料供給圧を制御することを
    特徴とする内燃機関の燃料燃焼式加熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃
    機関の燃料燃焼式加熱装置において、 前記供給圧力制御手段は、機関始動後に少なくとも水
    温,外気温に基づき前記燃料供給圧を制御することを特
    徴とする内燃機関の燃料燃焼式加熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃
    機関の燃料燃焼式加熱装置において、 前記燃料蓄積措置は、前記燃料を加圧する加圧手段を有
    することを特徴とする内燃機関の燃料燃焼式加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の内燃機関の燃料燃焼式加
    熱装置において、 前記加圧手段を、機関運転中に潤滑される潤滑油が供給
    されると共に当該潤滑油の油圧により体積変化を行なう
    油室により構成し、 該油室の体積変化により前記燃料蓄積装置内の前記燃料
    を昇圧する構成とし、 かつ、前記機関停止後も前記油室内に潤滑油が保持され
    るよう構成したことを特徴とする内燃機関の燃料燃焼式
    加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008115869A (ja) * 2006-10-31 2008-05-22 Internatl Engine Intellectual Property Co Llc エンジン冷間始動補助手段の故障中におけるディーゼルパティキュレートフィルタによるhc捕集の減少

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JP2008115869A (ja) * 2006-10-31 2008-05-22 Internatl Engine Intellectual Property Co Llc エンジン冷間始動補助手段の故障中におけるディーゼルパティキュレートフィルタによるhc捕集の減少

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