JP2001158662A - 圧電体磁器組成物 - Google Patents
圧電体磁器組成物Info
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- JP2001158662A JP2001158662A JP33808199A JP33808199A JP2001158662A JP 2001158662 A JP2001158662 A JP 2001158662A JP 33808199 A JP33808199 A JP 33808199A JP 33808199 A JP33808199 A JP 33808199A JP 2001158662 A JP2001158662 A JP 2001158662A
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- piezoelectric ceramic
- piezoelectric
- ceramic composition
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 振動デバイス、フィルターなどに用いる圧電
体磁器材料で、有害な鉛を含まないものを得ること。 【解決手段】 化学式A2+5xBi4−5x(Ti
1−xNbx)5O18で表され、AがBa、Sr、C
aから選ばれる少なくとも1種の元素であって、xが0
≦x<0.3である組成の採用により、従来と同等の特
性を有する圧電体磁器材料が得られる。
体磁器材料で、有害な鉛を含まないものを得ること。 【解決手段】 化学式A2+5xBi4−5x(Ti
1−xNbx)5O18で表され、AがBa、Sr、C
aから選ばれる少なくとも1種の元素であって、xが0
≦x<0.3である組成の採用により、従来と同等の特
性を有する圧電体磁器材料が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動デバイス、フ
ィルター、発振子などに用いられる圧電体磁器材料に係
り、更に詳しくは、鉛を含まず環境への負荷が小さい圧
電体磁器材料の組成に関わるものである。
ィルター、発振子などに用いられる圧電体磁器材料に係
り、更に詳しくは、鉛を含まず環境への負荷が小さい圧
電体磁器材料の組成に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電セラミックス材料として、P
bTiO3、PbZrO3の2成分で構成されるPZT
系セラミックスや、PbTiO3、PbZrO3、Pb
(Mg 0.5Nb0.5)TiO3の3成分で構成され
るPCM系セラミックスが主に用いられてきた。
bTiO3、PbZrO3の2成分で構成されるPZT
系セラミックスや、PbTiO3、PbZrO3、Pb
(Mg 0.5Nb0.5)TiO3の3成分で構成され
るPCM系セラミックスが主に用いられてきた。
【0003】これらの材料が多用されてきたのは、大き
な圧電性を示すことは勿論であるが、それとともに次の
理由が挙げられる。つまり圧電セラミックス材料の用途
は、センサー、アクチュエータ、フィルターなど多岐に
わたり、それぞれに要求される特性も異なるが、上記材
料系では各成分の構成比を調整することにより、要求に
対応した特性が比較的容易に得られるからである。
な圧電性を示すことは勿論であるが、それとともに次の
理由が挙げられる。つまり圧電セラミックス材料の用途
は、センサー、アクチュエータ、フィルターなど多岐に
わたり、それぞれに要求される特性も異なるが、上記材
料系では各成分の構成比を調整することにより、要求に
対応した特性が比較的容易に得られるからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの材料
を構成する成分は、何れも鉛を含む化合物であり、原料
全体で酸化鉛に換算して60重量%以上も含まれてい
る。酸化鉛は、低温でも揮発性が高く、仮焼、焼結など
の製造工程で匣から大気中に洩れ出す可能性がある。ま
た、酸化鉛は還元され易く、仮焼、焼結などの工程で還
元されることもあり、しかも生成した鉛単体が他の金属
に比較して高い揮発性を有する。
を構成する成分は、何れも鉛を含む化合物であり、原料
全体で酸化鉛に換算して60重量%以上も含まれてい
る。酸化鉛は、低温でも揮発性が高く、仮焼、焼結など
の製造工程で匣から大気中に洩れ出す可能性がある。ま
た、酸化鉛は還元され易く、仮焼、焼結などの工程で還
元されることもあり、しかも生成した鉛単体が他の金属
に比較して高い揮発性を有する。
【0005】鉛は、強い毒性を有することが古くから知
られていて、それは生体内の酵素による化学反応を妨げ
ることによると言われている。このため、鉛は環境への
負荷が大変大きな物質であり、対策のための設備投資が
膨大な額となる。また、製造工程以外においても、産業
廃棄物中に鉛を含む圧電体磁器材料が含まれると、鉛が
環境に溶出することも考えられ、これを含まない圧電体
磁器材料が要望されている。
られていて、それは生体内の酵素による化学反応を妨げ
ることによると言われている。このため、鉛は環境への
負荷が大変大きな物質であり、対策のための設備投資が
膨大な額となる。また、製造工程以外においても、産業
廃棄物中に鉛を含む圧電体磁器材料が含まれると、鉛が
環境に溶出することも考えられ、これを含まない圧電体
磁器材料が要望されている。
【0006】そこで、これらの代替材料として、(Bi
0.5Na0.5)TiO3で示されるBi層状化合物
が検討されてきた。しかし、(Bi0.5Na0.5)
TiO3は、電気機械結合係数Ktが40%程度と実用
に供することができる範囲であるが、機械的品質係数Q
mが250程度と低いため、実用化には到らなかった。
0.5Na0.5)TiO3で示されるBi層状化合物
が検討されてきた。しかし、(Bi0.5Na0.5)
TiO3は、電気機械結合係数Ktが40%程度と実用
に供することができる範囲であるが、機械的品質係数Q
mが250程度と低いため、実用化には到らなかった。
【0007】また、Bi層状化合物としてBi4Ti3
O12も検討され、機械的品質係数Qmは、2700と
PZTに比較して十分高いものが得られたが、電気機械
結合係数Ktが小さく、これも実用化されなかった。
O12も検討され、機械的品質係数Qmは、2700と
PZTに比較して十分高いものが得られたが、電気機械
結合係数Ktが小さく、これも実用化されなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題の対
策を検討した結果なされたもので、化学式A2+5xB
i4−5x(Ti1−xNbx)5O18で表され、A
がBa、Sr、Caから選ばれる少なくとも1種の元素
である圧電体磁器組成物において、xが0≦x<0.3
であることを特徴とする圧電体磁器組成物である。
策を検討した結果なされたもので、化学式A2+5xB
i4−5x(Ti1−xNbx)5O18で表され、A
がBa、Sr、Caから選ばれる少なくとも1種の元素
である圧電体磁器組成物において、xが0≦x<0.3
であることを特徴とする圧電体磁器組成物である。
【0009】
【作用】本発明に用いられるの成分の毒性については、
酸化チタンの微粉末を大量に吸引した場合の呼吸器の障
害や、バリウムの炭酸塩を摂取した場合に嘔吐や激しい
下痢を引き起こすことなどが知られている。しかし、本
発明のような組成の圧電体磁器材料として用いた場合で
は、毒性が認められず、鉛を含む圧電体磁器材料に比較
して、環境に対する負荷がはるかに小さい。
酸化チタンの微粉末を大量に吸引した場合の呼吸器の障
害や、バリウムの炭酸塩を摂取した場合に嘔吐や激しい
下痢を引き起こすことなどが知られている。しかし、本
発明のような組成の圧電体磁器材料として用いた場合で
は、毒性が認められず、鉛を含む圧電体磁器材料に比較
して、環境に対する負荷がはるかに小さい。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につ
き、表を参照して具体的に説明する。主成分の原料とし
て高純度の炭酸バリウムBaCO3、炭酸ストロンチウ
ムSrCO3、炭酸カルシウムCaCO3、酸化ビスマ
スBi2O3、酸化チタンTiO2、酸化ニオブNb2
O5を用いた。
き、表を参照して具体的に説明する。主成分の原料とし
て高純度の炭酸バリウムBaCO3、炭酸ストロンチウ
ムSrCO3、炭酸カルシウムCaCO3、酸化ビスマ
スBi2O3、酸化チタンTiO2、酸化ニオブNb2
O5を用いた。
【0011】これらを式A2+5xBi4−5x(Ti
1−xNbx)5O18に対し、Baを使用した場合
で、xを0、0.1、0.2、0.3、0.5、1.0
と設定し、SrまたはCaを使用した場合で、xを0、
0.1、0.2、0.3と設定し、それぞれについて所
要量を秤量した。
1−xNbx)5O18に対し、Baを使用した場合
で、xを0、0.1、0.2、0.3、0.5、1.0
と設定し、SrまたはCaを使用した場合で、xを0、
0.1、0.2、0.3と設定し、それぞれについて所
要量を秤量した。
【0012】秤量した原料を、ボールミルを用いて20
時間混合した。混合した原料を、800℃で1時間保持
して仮焼を行い、ボールミルを用いて10時間粉砕を行
った。次に、バインダーとしてポリビニルアルコールを
用いて造粒し、圧力1トン/cm2で直径が20mm、
厚さが1mmの円盤形状に成形した。
時間混合した。混合した原料を、800℃で1時間保持
して仮焼を行い、ボールミルを用いて10時間粉砕を行
った。次に、バインダーとしてポリビニルアルコールを
用いて造粒し、圧力1トン/cm2で直径が20mm、
厚さが1mmの円盤形状に成形した。
【0013】焼結は、温度1050〜1150℃に2時
間保持して行った。次に、この焼結体の両面に銀電極を
設け、100℃のシリコンオイル中で直流電圧4kV/
mmを電極間に加え、厚み方向に分極して特性評価用の
試料を得た。
間保持して行った。次に、この焼結体の両面に銀電極を
設け、100℃のシリコンオイル中で直流電圧4kV/
mmを電極間に加え、厚み方向に分極して特性評価用の
試料を得た。
【0014】これらの試料について圧電特性及び誘電特
性の測定を行った。圧電特性の測定はLFインピーダン
スアナライザーを用い、共振−反共振法により電気機械
結合係数Ktと機械的品質係数Qmを算出した。また、
誘電特性は、LCRメータを用いて、測定周波数1MH
zで測定を行った。
性の測定を行った。圧電特性の測定はLFインピーダン
スアナライザーを用い、共振−反共振法により電気機械
結合係数Ktと機械的品質係数Qmを算出した。また、
誘電特性は、LCRメータを用いて、測定周波数1MH
zで測定を行った。
【0015】表1は、A2+5xBi4−5x(Ti
1−xNbx)5O18におけるAがBa、Sr、Ca
の場合毎にそれぞれのxの数値について、電気機械結合
係数Kp、Kt、機械的品質係数Qm、及び比誘電率ε
33 t/ε0の測定結果をまとめたものである。
1−xNbx)5O18におけるAがBa、Sr、Ca
の場合毎にそれぞれのxの数値について、電気機械結合
係数Kp、Kt、機械的品質係数Qm、及び比誘電率ε
33 t/ε0の測定結果をまとめたものである。
【0016】
【表1】
【0017】AがBaの場合で、Kp、Ktの欄が空白
となっている組成は、圧電特性が認められなかったもの
である。また、表1には記載しなかったが、AがSr、
Caの場合においても、Baの場合と同様に、x>0.
5の範囲では圧電特性が見られなかった。
となっている組成は、圧電特性が認められなかったもの
である。また、表1には記載しなかったが、AがSr、
Caの場合においても、Baの場合と同様に、x>0.
5の範囲では圧電特性が見られなかった。
【0018】表1において、圧電特性が認められた試料
の機械的品質係数Qmはすべて1000以上である。ま
た誘電率も、すべての試料で100〜200の数値を示
し、フィルターなどの用途に適していることが判る。し
かし、電気機械結合係数Ktについて見ると、x<0.
3の範囲では、どの試料においても30%以上が得られ
たが、x≧0.3の範囲では急激に減少し、実用には適
さない。
の機械的品質係数Qmはすべて1000以上である。ま
た誘電率も、すべての試料で100〜200の数値を示
し、フィルターなどの用途に適していることが判る。し
かし、電気機械結合係数Ktについて見ると、x<0.
3の範囲では、どの試料においても30%以上が得られ
たが、x≧0.3の範囲では急激に減少し、実用には適
さない。
【0019】以上から、化学式A2+5xBi4−5x
(Ti1−xNbx)5O18で表され、AがBa、S
r、Caから選ばれる少なくとも1種の元素であって、
xが0≦x<0.3である圧電体磁器組成物は、電気機
械結合係数Kt、機械的品質係数Qmが高く、フィルタ
ー、振動子などの用途への適用が可能である。
(Ti1−xNbx)5O18で表され、AがBa、S
r、Caから選ばれる少なくとも1種の元素であって、
xが0≦x<0.3である圧電体磁器組成物は、電気機
械結合係数Kt、機械的品質係数Qmが高く、フィルタ
ー、振動子などの用途への適用が可能である。
【0020】上記の例では、Aとして、Ba、Sr、C
aをそれぞれ単独で用いた場合について説明したが、2
種以上の元素を併用した場合についても、同等の特性を
備えた圧電体磁器組成物が得られる。表2は、2種の元
素を組み合わせた例を、表1と同様に組成と特性の測定
結果をまとめて示したものである。
aをそれぞれ単独で用いた場合について説明したが、2
種以上の元素を併用した場合についても、同等の特性を
備えた圧電体磁器組成物が得られる。表2は、2種の元
素を組み合わせた例を、表1と同様に組成と特性の測定
結果をまとめて示したものである。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】以上に詳しく説明したように、本発明に
よれば、鉛をまったく含まない組成で、従来と同等の圧
電特性を示す圧電体磁器組成物が得られ、本発明が電気
電子機器の環境への負荷低減に寄与するところは非常に
大きいものがある。
よれば、鉛をまったく含まない組成で、従来と同等の圧
電特性を示す圧電体磁器組成物が得られ、本発明が電気
電子機器の環境への負荷低減に寄与するところは非常に
大きいものがある。
Claims (1)
- 【請求項1】 化学式A2+5xBi4−5x(Ti
1−xNbx)5O1 8で表され、AがBa、Sr、C
aから選ばれる少なくとも1種の元素である圧電体磁器
組成物において、xが0≦x<0.3であることを特徴
とする圧電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33808199A JP2001158662A (ja) | 1999-11-29 | 1999-11-29 | 圧電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33808199A JP2001158662A (ja) | 1999-11-29 | 1999-11-29 | 圧電体磁器組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001158662A true JP2001158662A (ja) | 2001-06-12 |
Family
ID=18314738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33808199A Pending JP2001158662A (ja) | 1999-11-29 | 1999-11-29 | 圧電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001158662A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002226264A (ja) * | 2001-01-31 | 2002-08-14 | Kyocera Corp | 圧電磁器組成物および圧電共振子 |
JP2002226265A (ja) * | 2001-01-31 | 2002-08-14 | Kyocera Corp | 圧電磁器組成物および圧電共振子 |
CN108911747A (zh) * | 2018-08-09 | 2018-11-30 | 赵娟 | 一种硅钛共掺杂型铌酸铋铷压电陶瓷材料及其制备方法 |
-
1999
- 1999-11-29 JP JP33808199A patent/JP2001158662A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002226264A (ja) * | 2001-01-31 | 2002-08-14 | Kyocera Corp | 圧電磁器組成物および圧電共振子 |
JP2002226265A (ja) * | 2001-01-31 | 2002-08-14 | Kyocera Corp | 圧電磁器組成物および圧電共振子 |
JP4737843B2 (ja) * | 2001-01-31 | 2011-08-03 | 京セラ株式会社 | 圧電磁器組成物および圧電共振子 |
CN108911747A (zh) * | 2018-08-09 | 2018-11-30 | 赵娟 | 一种硅钛共掺杂型铌酸铋铷压电陶瓷材料及其制备方法 |
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