JP2001157879A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法及びその装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気体添加を目的とした気体透過性の膜を介して、気体成分を水溶液に添加することにより水溶液のpHと酸化還元電位を制御することを特徴とする水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法
【請求項2】 気体成分を添加する前の前記水溶液が前もって脱気を行っていることを特徴とする請求項1に記載の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法
【請求項3】 前記気体成分として、複数の気体成分を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法
【請求項4】 前記気体成分として、二酸化炭素又はアンモニアガスを主として使用することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法
【請求項5】 半導体基体、液晶基体、磁性基体または超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄の洗浄水として水素添加水を用い、前記水素添加水に添加する前記気体成分としてアンモニアガスを使用することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法
【請求項6】 半導体基体、液晶基体、磁性基体または超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄の洗浄水としてオゾン添加水を用い、前記オゾン添加水に添加する前記気体成分として二酸化炭素を使用することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法
【請求項7】 請求項5に記載の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法を用いた洗浄方法において、超音波を照射しながら半導体基体、液晶基体、磁性基体または超伝導基体浄することを特徴とする洗浄方法
【請求項8】 請求項1から請求項6に記載の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法を行う装置において、前記気体透過性の膜の一方に前記水溶液を供給し、他方に前記気体成分を供給することを特徴とする水溶液のpH及び酸化還元電位の制御装置。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法及びその装置に係わり、特に半導体基体、液晶基体、磁性基体又は超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄の洗浄水のpH及び酸化還元電位(ORP)の制御の方法及びその装置に関する。より詳細にはウェット洗浄の洗浄水として低い酸化還元電位(ORP)を有する水溶液、特に水素添加水を用い、水素添加水に添加するときにアンモニアガスを使用し、ウェット洗浄の洗浄水として高い酸化還元電位(ORP)を有する水溶液、特にオゾン添加水を用い、オゾン添加水に添加するときに二酸化炭素を使用しpHと酸化還元電位(ORP)を制御する水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水溶液のpH制御は塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどの薬品を薬液供給装置で供給することによって行われているが、薬品の供給方法により水溶液のpHは一定ではなく、ある範囲をもって制御している。また、pH制御のために薬品を添加した水溶液はイオン負荷が高く、イオン交換装置、逆浸透膜装置、脱気装置もしくはこれら複数の装置用いて処理する必要があった。上述した水溶液のpH制御の方法は半導体基体、液晶基体、磁性基体又は超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄の洗浄水のpH制御にも適用されている。
【0003】
半導体基板上に形成される半導体素子はサブクォータミクロン(例えば0.25μm以下)のレベルに高密度かつ微細化している。サブクォータミクロンレベルのLSIの高密度化を達成するためには、半導体基板の表面は超清浄で完全に制御された状態に保たれなければならない。すなわち、半導体基板の表面からは有機物、金属、微粒子、酸化物(酸化膜)等の不純物が除去され、かつ表面は原子オーダで平坦でなければならない。そのため、半導体基板は洗浄を行う必要がある。
【0004】
これまで、半導体基板を洗浄する方法として一般にRCA洗浄と呼ばれる洗浄方法が用いられてきた。この洗浄では、有機物、金属、微粒子、酸化物(酸化膜)に対して除去効果の高いもの、例えば硫酸、アンモニア、過酸化水素、フッ酸と超純水を混合して調製した水溶液が使用されており、これらの水溶液を高温あるいは室温で使用してきた。
【0005】
また、従来の洗浄方法で半導体基板表面の清浄度を確保するためには洗浄工程が複雑で長く、しかも多量に薬品や超純水を必要とするために設備等が大型になり、その結果半導体デバイスの低価格化を阻害する要因となっていた。
【0006】
現在、RCA洗浄に替わり超純水に水素ガスを添加した水素添加水や超純水にオゾンガスを添加したオゾン添加水を洗浄水として使用するウェット洗浄が発明され、洗浄水のpHと酸化還元電位(ORP)を制御することで従来の洗浄方法による洗浄効果を落とすことなく工程数の簡略化と薬品及び超純水使用量の削減を実現することができた(特開平11−57636)。
【0007】
また、ウェット洗浄においてより高い洗浄効果を得るために洗浄水として使用している水素添加水、オゾン添加水のpHは薬品の濃度で制御していた。しかし、薬液供給装置の薬品の注入方法により洗浄水の薬品濃度が一定でないために洗浄水のpHが精密に制御できなかった。また、使用する薬品の品質が悪いために洗浄水の品質を低下させる要因の一つとなっていた。なお、水素ガスとオゾンガスは溶存ガス濃度のみでしか制御していない。そこで、洗浄水のpHと酸化還元電位(ORP)をより簡便かつ精密に制御できる水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、気体添加によりpH及び酸化還元電位(ORP)をより精密に制御できる方法及びその装置を提供すること、特に半導体基体、液晶基体、磁性基体または超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄の洗浄水においてより高い洗浄効果を得るために、気体添加を目的とした気体透過性の膜を介して、適量の気体成分を洗浄水に添加することにより洗浄水のpHと酸化還元電位(ORP)をより簡便かつ精密に制御できる水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、気体添加を目的とした気体透過性の膜を介して、気体成分を水溶液に添加することにより水溶液のpHと酸化還元電位(ORP)を制御することを特徴とする水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法及びその装置を提供するものである。
【0010】
気体成分を添加する前の水溶液が、前もって脱気を行っていることを特徴とする。特に半導体基体、液晶基体、磁性基体または超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄の洗浄水として水素添加水を用いる場合、溶存酸素濃度は少なくとも100μg/リットル以下であることが好ましい。さらに、大気中から水溶液に溶解する窒素、酸素等の気体成分を1μg/リットル以下まで除去することが望ましい。
【0011】
半導体基体、液晶基体、磁性基体または超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄の洗浄水として水素添加水を用い、水素添加水に添加する気体成分としてアンモニアガスを添加しpHと酸化還元電位(ORP)を制御することを特徴とする。また、その洗浄水の溶存水素濃度は0.5mg/リットル以上1.6mg/リットル以下であること、pHは9〜10であること、酸化還元電位(ORP)は−400mV(vs.NHE)以下であることが好ましい。
【0012】
半導体基体、液晶基体、磁性基体または超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄の洗浄水としてオゾン添加水を用い、オゾン添加水に添加する気体成分として二酸化炭素を添加しpHと酸化還元電位(ORP)を制御することを特徴とする。また、その洗浄水の溶存オゾン濃度は2mg/リットル以上であること、pHは4〜5であること、酸化還元電位(ORP)は1300mV(vs.NHE)以上であることが好ましい。
【0013】
半導体基体、液晶基体、磁性基体または超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄の洗浄水として水素添加水を用いる場合、アンモニアガスによりpHと酸化還元電位(ORP)を制御し超音波を照射しながら半導体基体、液晶基体、磁性基体または超伝導基体を洗浄することを特徴とする。
【0014】
気体透過性の膜の一方に水溶液を供給し、他方に気体成分を供給することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法及びその装置で対象とする水溶液は濁質成分が除去されていれば特に制限はなく、例えば活性炭、凝集、膜処理などを用いて処理することによって得ることができる。但し、半導体基体、液晶基体、磁性基体又は超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄の洗浄水の場合、水溶液中の濁質成分以外のイオン、金属、有機物、微粒子などの不純物を取り除いた超純水に気体成分を溶解させたものを用いる。
【0016】
本発明で用いる超純水の製造方法には特に制限はなく、例えば脱イオン水、蒸留水などの一次純水を逆浸透膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜、イオン吸着膜などを用いて処理することによって得ることができる。
【0017】
また、本発明で用いる超純水は25℃における比抵抗率が18.0MΩ・cm以上であること、全有機体炭素量が10μg/リットル以下であること、銅及び鉄などの金属成分がそれぞれ0.02μg/リットル以下であること、0.05μm以上の微粒子が10個/リットル以下であることが好ましい。
【0018】
本発明の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法及びその装置で対象とする気体及びその供給方法に特に制限はないが、安全性、操作性を考慮しアンモニアガス、二酸化炭素が好ましい。さらに、水溶液に添加したアンモニアガス、二酸化炭素は脱気装置もしくは脱炭酸装置で容易に処理することができ、イオン交換装置、逆浸透膜装置、脱気装置もしくはこれら複数の装置を必要としない利点がある。
【0019】
図1は、本発明の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法及びその装置であり、特に半導体基体、液晶基体、磁性基体又は超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄の洗浄水のpHと酸化還元電位(ORP)を制御する工程系統図である。超純水製造装置1で精製した超純水は流量計2を経由して脱気膜装置3に送られる。3は気体透過性の膜を介して超純水と接する気相側が真空ポンプ4により20〜50Torr程度の減圧状態に保たれ、超純水中の気体成分が除去される。ここで除去される気体成分としては、主に窒素、酸素であり25℃の大気平衡状態下においては、それぞれ16mg/リットル、9mg/リットル程度の濃度を有している。特に窒素、酸素を1μg/リットル以下にするには気体透過性の膜の気相側の雰囲気を水分発生器5により水分だけにすれば実現することができる。気体透過性の膜は要求水質に応じて複数本直列もしくは並列に使用しても構わない。脱気された超純水は気体透過性の膜を有する溶解膜装置6に送られる。6でガス供給器7、8から供給された水素、オゾン、アンモニアガス、二酸化炭素等の単体ガス又は水素とアンモニアガス、オゾンと二酸化炭素等の混合気体が流量計9、10とバルブ11、12、13を経由して気体透過性の膜14、15を介して超純水と接する気相側に送られ、洗浄水製造に必要な気体が超純水に供給される。ここで、洗浄水中の水素、オゾン濃度とpH、酸化還元電位(ORP)が制御される。14,15は要求水質に応じて複数本使用しても構わない。
【0020】
6において単体ガスで洗浄水を製造する場合、13の開閉で洗浄水中の水素、オゾン濃度とpHを所定の値に制御する。単体ガスを超純水に供給する順序に特に制限はないが、例えば水素添加水のpHと酸化還元電位(ORP)を制御する場合、7から供給された水素と8から供給されたアンモニアガスは9,10、11、12、13で制御することにより水素は14に、アンモニアガスもしくは水素とアンモニアガスの混合気体は15に送られることが好ましい。また、オゾン添加水のpHと酸化還元電位(ORP)を制御する場合、7から供給された二酸化炭素と8から供給されたオゾンは13を閉にしながら9、10、11、12で制御することにより二酸化炭素は14に、オゾンは15に送られることが好ましい。
【0021】
6において混合気体で洗浄水を製造する場合、11を閉じて洗浄水中の水素、オゾン濃度とpH、酸化還元電位(ORP)を所定の値に制御する。例えば水素添加水のpHと酸化還元電位(ORP)を制御する場合、7、8から供給された水素とアンモニアガスは9,10、12,13で制御して水素とアンモニアガスの混合気体として15に送られることが好ましい。また、オゾン添加水のpHと酸化還元電位(ORP)を制御する場合、7、8から供給された二酸化炭素とオゾンは9,10、12,13で制御してオゾンと二酸化炭素の混合気体として15に送られることが好ましい。なお、混合気体で洗浄水を製造する場合、14をバイパスさせることがより好ましい。またこの場合、11、14、18は必ずしも必要としない。
【0022】
11、12の開閉は、洗浄水の圧力計16、流量計17とガス供給圧力計18、19のいずれかもしくは複数により制御でき、必要時に気体を供給し洗浄水中の水素、オゾン濃度とpH、酸化還元電位(ORP)を所定の値に制御することができる。
【0023】
半導体基体、液晶基体、磁性基体または超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄において、本発明における水溶液のpH及び酸化還元電位の御方法及びその装置でpHと酸化還元電位(ORP)を制御した水素添加水に超音波を照射して半導体基体、液晶基体、磁性基体または超伝導基体を洗浄する場合、照射する超音波の周波数は基体表面の物理的損傷を考慮し、500kHz以上であることが好ましい。また、照射する超音波の周波数が3MHz以上の高周波では超音波の伝搬が劣化するため好ましくない。なお、超音波の照射方法に特に制限はない。
【0024】
図2は本発明の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法及びその装置であり、活性炭、凝集、膜処理により濁質成分が除去された水溶液のpHと酸化還元電位(ORP)を制御する工程系統図である。前処理装置20により濁質成分が除去された水溶液は流量計21を経由して脱気膜装置22に送られる。22は気体透過性の膜を介して水溶液と接する気相側が真空ポンプ23により減圧状態に保たれ、水溶液中の気体成分が除去される。気体透過性の膜は要求水質に応じて複数本直列もしくは並列に使用しても構わない。脱気された水溶液は気体透過性の膜を有する溶解膜装置24に送られる。24でガス供給器25から供給されたアンモニアガス、二酸化炭素等の単体ガスが流量計26とバルブ27を経由して気体透過性の膜28を介して水溶液と接する気相側に送られ、pH制御に必要な気体が供給される。ここで、水溶液のpHが制御される。28は要求水質に応じて複数本直列もしくは並列に使用しても構わない。なお、22、28は濁質成分を除去するために定期的に逆洗浄することが好ましい。
【0025】
27の開閉は、洗浄水の圧力計29、流量計30とガス供給圧力計31のいずれかもしくは複数により制御でき、必要時に気体を供給し水溶液のpHを所定の値に制御することができる。
【0026】
本発明の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法及びその装置に用いる気体透過性の膜に特に制限はない。但し、半導体基体、液晶基体、磁性基体または超伝導基体製造プロセスにおけるウェット洗浄の洗浄水、特にオゾン添加水の場合は、耐オゾン性を考慮してパーフルオロカーボン系の高分子膜により溶存オゾン濃度とpH、酸化還元電位(ORP)を所定の値に制御することが好ましい。
【0027】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されることがないことは言うまでもない。
【0028】
(実施例1)
抵抗率8〜12Ω・cmを有する8インチn型(100)シリコン基板を97wt%硫酸と30wt%過酸化水素を体積比4:1に混合した薬液で120℃、10分間洗浄を行い、超純水でリンスを行った後、0.5wt%フッ化水素酸で1分間処理した。その後、超純水によるリンスを10分間行った。さらに、アルミナ粒子含有水溶液に浸漬させたのち乾燥することによって微粒子汚染基板を作成した。レーザー散乱光検出方式に基づくウェーハ表面異物検査装置(ケーエルエー・テンコール社製)で洗浄処理前の微粒子汚染基板表面の微粒子数を測定した結果、0.12μmより大きな粒子径の微粒子数は4210個であった。
【0029】
図1の装置を用いて、超純水中の溶存酸素濃度を1μg/リットル以下、溶存水素濃度を1.5mg/リットル、アンモニアガスでpH9.5、酸化還元電位(ORP)を−400mV(vs.NHE)以下に制御した水素添加水を周波数1.6MHz(照射密度13W/cm2)の超音波を照射しながらノズル型超音波照射装置に通水し、微粒子汚染基板を1000回転/分にて回転させながら16秒間の洗浄を行った。続けて1500回転/分にて回転させ乾燥を行い、レーザー散乱光検出方式に基づくウェーハ表面異物検査装置(ケーエルエー・テンコール社製)で洗浄処理後の微粒子汚染基板表面の0.12μmより大きな粒子径の微粒子数を測定し、除去率を求めた。
【0030】
(比較例1)
比較例として図1の装置を用いて超純水中の溶存酸素濃度、溶存水素濃度を制御した水素添加水に水酸化アンモニウム水溶液を添加しpHを9.5に制御した後、周波数1.6MHz(照射密度13W/cm2)の超音波を照射しながらノズル型超音波照射装置に通水し、微粒子汚染基板を1000回転/分にて回転させながら16秒間の洗浄を行った。続けて1500回転/分にて回転させ乾燥を行い、レーザー散乱光検出方式に基づくウェーハ表面異物検査装置(ケーエルエー・テンコール社製)で洗浄処理後の微粒子汚染基板表面の0.12μmより大きな粒子径の微粒子数を測定し、除去率を求めた。
【0031】
(比較例2)
比較例として図1の装置を用いて超純水中の溶存酸素濃度、溶存水素濃度を制御した水素添加水を周波数1.6MHz(照射密度13W/cm2)の超音波を照射しながらノズル型超音波照射装置に通水し、微粒子汚染基板を1000回転/分にて回転させながら16秒間の洗浄を行った。続けて1500回転/分にて回転させ乾燥を行い、レーザー散乱光検出方式に基づくウェーハ表面異物検査装置(ケーエルエー・テンコール社製)で洗浄処理後の微粒子汚染基板表面の微粒子数を測定し、除去率を求めた。実施例1及び比較例1〜2の結果を第1表に示す。
【0032】
Figure 2001157879

【0033】
第1表の結果から、気体透過性の膜を介してアンモニアガスを溶解させpHを9.5に制御した水素添加水を用いた実施例1は最も優れた微粒子除去性能を示した。また、水酸化アンモニウム水溶液を添加しpHを9.5に制御した水素添加水を用いた比較例1は洗浄後の基板表面の微粒子数は実施例1に及ばない。これより、アンモニアガスでpHを9.5に制御した水素添加水は、水酸化アンモニウム水溶液でpHを9.5に制御した水素添加水よりも微粒子除去性能が優れていることがわかる。これに対して、pHを制御しない水素添加水を用いた比較例2では基板表面の微粒子の除去が不十分である。
【0034】
(実施例2)
抵抗率8〜12Ω・cmを有する8インチn型(100)シリコン基板を97wt%硫酸と30wt%過酸化水素を体積比4:1に混合した薬液で120℃、10分間洗浄を行い、超純水でリンスを行った後、0.5wt%フッ化水素酸で1分間処理した。その後、超純水によるリンスを10分間行った。さらに、この基板を塩化銅水溶液に浸漬させたのち乾燥することによって銅汚染基板を作成した。全反射蛍光X線分析装置(テクノス社製)で洗浄処理前の銅汚染基板表面の銅濃度及び塩素濃度を測定した結果、銅濃度は2.5×1014原子/cm2であり、塩素濃度は8.5×1012原子/cm2あった。
【0035】
図1の装置を用いて超純水中の溶存オゾン濃度を5mg/リットル、二酸化炭素によりpHを4.0、酸化還元電位(ORP)を1300mV(vs.NHE)以上に制御したオゾン添加水で銅汚染基板を1000回転/分にて回転させながら16秒間の洗浄を行った。続けて1500回転/分にて回転させ乾燥を行い、全反射蛍光X線分析装置(テクノス社製)で洗浄処理後の銅汚染基板表面の銅濃度及び塩素濃度を測定した。
【0036】
(比較例3)
比較例として図1の装置を用いて超純水中の溶存オゾン濃度を5mg/リットル、二酸化炭素によりpHを5.1に制御したオゾン添加水で銅汚染基板を1000回転/分にて回転させながら16秒間の洗浄を行った。続けて1500回転/分にて回転させ乾燥を行い、全反射蛍光X線分析装置(テクノス社製)で洗浄処理後の銅汚染基板表面の銅濃度及び塩素濃度を測定した。
【0037】
(比較例4)
比較例として図1の装置を用いて超純水中の溶存オゾン濃度を5mg/リットルに制御したオゾン添加水に塩酸水溶液を添加しpHを4.0に制御した後で銅汚染基板を1000回転/分にて回転させながら16秒間の洗浄を行った。続けて1500回転/分にて回転させ乾燥を行い、全反射蛍光X線分析装置(テクノス社製)で洗浄処理後の銅汚染基板表面の銅濃度及び塩素濃度を測定した。
【0038】
(比較例5)
比較例として図1の装置を用いて超純水中の溶存オゾン濃度を5mg/リットルに制御したオゾン添加水に塩酸水溶液を添加しpHを5.1に制御した後、銅汚染基板を1000回転/分にて回転させながら16秒間の洗浄を行った。続けて1500回転/分にて回転させ乾燥を行い、全反射蛍光X線分析装置(テクノス社製)で洗浄処理後の銅汚染基板表面の銅濃度及び塩素濃度を測定した。
【0039】
(比較例6)
比較例として図1の装置を用いて超純水中の溶存オゾン濃度を5mg/リットルに制御したオゾン添加水で銅汚染基板を1000回転/分にて回転させながら20秒間の洗浄を行った。続けて1500回転/分にて回転させ乾燥を行い、全反射蛍光X線分析装置(テクノス社製)で洗浄処理後の銅汚染基板表面の銅濃度及び塩素濃度を測定した。実施例2及び比較例3〜6の結果を第2表に示す。
【0040】
Figure 2001157879

【0041】
第2表の結果から、気体透過性の膜を介して二酸化炭素を溶解させpHを4.0に制御したオゾン添加水を用いた実施例2と塩酸を添加しpHを4.0に制御したオゾン添加水を用いた比較例4では基板表面の銅は同程度まで除去されている。一方、塩素原子に関しては、塩素が含まれない実施例2の方が、比較例4よりも優れた除去効果を示す。総じて、二酸化炭素でpHを4.0に制御したオゾン添加水は塩酸でpHを4.0に制御したオゾン添加水よりも優れた洗浄効果が得られることがわかる。これに対してpHを5.1に制御しオゾン添加水を用いた比較例3、比較例5及びpHと酸化還元電位(ORP)を制御しないオゾン添加水を用いた比較例6では基板表面の銅の除去が不十分である。
【0042】
(実施例3)
図1の装置を用いてガス供給器7より流量25sccmの水素ガスを供給し、ガス供給器8よりアンモニアガスを流し、水温21℃、流量1リットル/分の超純水に溶解した。この時、ガス供給圧力計18、19のゲージ圧は共に0.1kgf/cm2であった。
【0043】
アンモニアのガス流量に対するpHの変化量及び溶存水素計(オービスフェアラボラトリーズ製)により計測した溶存水素濃度を図3に示す。
【0044】
(実施例4)
図1の装置を用いてバルブ11を閉、バルブ13を開にしてガス供給器7より流量25sccmの水素ガスとガス供給器8より濃度を可変としたアンモニアガスとの混合ガスを流し、水温21℃、流量1リットル/分の超純水に溶解した。この時、ガス供給圧力計19のゲージ圧は0.1kgf/cm2であった。
【0045】
アンモニアのガス流量に対するpHの変化量及び溶存水素計(オービスフェアラボラトリーズ製)により計測した溶存水素濃度を図4に示す。
【0046】
(実施例5)
図1の装置を用いてガス供給器7より流量25sccmのオゾンガスを供給し、ガス供給器8より二酸化炭素を流し、水温21℃、流量1リットル/分の超純水に溶解した。この時、ガス供給圧力計18、19のゲージ圧は共に0.1kgf/cm2であった。
【0047】
二酸化炭素のガス流量に対するpHの変化量及び溶存オゾン計(アプリクス製)により計測した溶存オゾン濃度を図5に示す。
【0048】
(実施例6)
図1の装置を用いてバルブ11を閉、バルブ13を開にしてガス供給器7より流量25sccmのオゾンガスとガス供給器8より濃度を可変とした二酸化炭素との混合ガスを流し、水温21℃、流量1リットル/分の超純水に溶解した。この時、ガス供給圧力計19のケージ圧は0.1kgf/cm2であった。
【0049】
二酸化炭素のガス流量に対するpHの変化量及び溶存オゾン計(アプリクス製)により計測した溶存オゾン濃度を図6に示す。
【0050】
【発明の効果】
本発明の水溶液のpH及び酸化還元電位の制御方法及びその装置はpHと酸化還元電位(ORP)制御に気体を用いるので水酸化アンモニウム及び塩酸などの溶液の添加で認められたゴミや不純物等の影響は認められず、pHのみをより精密な範囲で制御することができる。
【0051】
また、水溶液のpHと酸化還元電位(ORP)の制御のために添加したアンモニアガス、二酸化炭素はイオン交換装置、逆浸透膜装置、脱気装置もしくはこれら複数の装置を必要とせず、脱気装置もしくは脱炭酸装置で容易に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 洗浄水のpHと酸化還元電位(ORP)の制御装置の概念図である。
【図2】 水溶液のpHと酸化還元電位(ORP)制御装置の概念図である。
【図3】 アンモニアガス流量と水素添加水のpHの関係を示したグラフである。
【図4】 アンモニアガスと水素ガスの混合気体中のアンモニアガス流量と水素添加水のpHの関係を示したグラフである。
【図5】 二酸化炭素流量とオゾン添加水のpHの関係を示したグラフである。
【図6】 二酸化炭素とオゾンガスの混合気体中の二酸化炭素流量と水素添加水のpHの関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 超純水製造装置
2 流量計
3 脱気膜装置
4 真空ポンプ
5 水分発生器
6 溶解膜装置
7 ガス供給器
8 ガス供給器
9 流量計
10 流量計
11 バルブ
12 バルブ
13 バルブ
14 気体透過性の膜
15 気体透過性の膜
16 圧力計
17 流量計
18 ガス供給圧力計
19 ガス供給圧力計
20 前処理装置
21 流量計
22 脱気膜装置
23 真空ポンプ
24 溶解膜装置
25 ガス供給器
26 流量計
27 バルブ
28 気体透過性の膜
29 圧力計
30 流量計
31 ガス供給圧力計
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