JP2001157502A - 播種器およびその製造方法 - Google Patents

播種器およびその製造方法

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JP2001157502A JP34144699A JP34144699A JP2001157502A JP 2001157502 A JP2001157502 A JP 2001157502A JP 34144699 A JP34144699 A JP 34144699A JP 34144699 A JP34144699 A JP 34144699A JP 2001157502 A JP2001157502 A JP 2001157502A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で、播種作業時の作業性に優れた播種器
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 播種器1は、分配孔3が貫設された種子
載置面2aと前記種子載置面2aの外周部にあって種子
の飛散を防止するための側壁部5とを有する上板2と、
分配孔3に対応した播種孔9が貫設されたスライド板4
とを備え、スライド板4は、摺動により分配孔3とこれ
に対応する播種孔9とが種子落下方向において互いに重
なり合う位置へ移動するように種子載置面2aの裏側に
おいて摺動可能に設けられ、かつ、上板2は、側壁部5
と種子載置面2aとが一体成形されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農園芸作物の種子
およびコート種子を所定位置に所定粒ずつ播くために用
いられる播種器およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、各育苗ポットまたは地床に種
子を所定粒ずつ、ほぼ等間隔に播種する際に、作業効率
を高める等の目的で、播種器を用いることが行われてい
る。このような播種器としては、たとえば、実開昭58
−115910号公報に、略筐体形状のスライド式播種
器が開示されている。
【0003】図7(a)は、上記従来のスライド式播種
器の構成を説明するための平面図であり、図7(b)
は、図7(a)のA−A’線断面図である。まず、図7
(a)(b)に示す構成について説明する。
【0004】図7(a)(b)に示すように、播種器6
0は、種子が適当量載置され、該種子を適宜二次元的に
配分するための固定板52と、該固定板52の周囲に設
けられ、種子が外部に飛散することを防止するための側
板55と、該固定板52の板面に縦横方向に貫設された
複数の大孔51と、上記側板55の一方の短手方向端部
55aに設けられたスリット部58より筐体内部に嵌入
され、固定板52の板面上において、該板面に対して略
平行方向に摺動(スライド)可能なスライド板54と、
該スライド板54の板面に、縦横方向に二次元的に貫設
された複数の小孔53とを備えている。また、側板55
において、上記スリット部58が設けられていない方の
短腕部55bには、該短腕部55bの内壁と、スライド
板54の端面との間に種子が挟まらないようにするため
のかぶり部56が設けられている。また、上記短手方向
端部55aとスライド板54の端部54aとの間には、
該スライド板54を所定位置で静止させておくための一
対のスプリング57が設けられている。
【0005】まず、固定板52の筐体内部に適当量投入
された種子またはコート種子は、播種器60を適宜振
動、揺動、回動する等の操作をすることにより、上記小
孔53内に所定粒ごとに配分される。このとき、上記小
孔53と上記大孔51との位置関係は、図7(a)およ
び(b)に示す状態、すなわち、板面を種子落下方向に
見た場合に、互いに対応関係にある小孔53および大孔
51どうしが、互いに重なり合わずに隣り合った位置関
係にある。従って、上記小孔53内に配分された種子
は、スライド板54の下面に当接する固定板52の板面
が底蓋の役目を果たすことにより、上記小孔53内に保
持される。そして、播種器60は、上記短手方向端部5
5aとスライド板54の端部54aとの間に設けられた
一対のスプリング57の作用により、上記のような位置
関係を維持することができる。
【0006】次に、播種器60を所望の播種位置に合わ
せて配置した後、スライド板54の端部54aを上記ス
プリング57の力に抗して筐体内部方向へスライドさせ
ることにより、小孔53の下部に、対応する大孔51を
位置させることができる。これにより、小孔53と大孔
51とが、種子落下方向において重なり合うので、種子
を播種器60の下方に落下させることができ、播種が行
われる。以上のような操作により、各育苗ポットまたは
地床に種子を所定粒ずつ等間隔に播種することができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
播種器60では、スライド板54が、上記スリット部5
8に嵌入され、しかも、固定板52の板面上、すなわち
筐体内部をスライドするよう設けられた構造を有してい
る。このため、固定板52およびその周囲に設けられた
側板55とから構成される筐体は、摺動に伴う摩擦や衝
撃に対してある程度の強度を備えている必要がある。ま
た、スライド板54は、上記のように固定板52の板面
上を往復移動するので、短腕部55bの内壁とスライド
板54の端面との間に種子が挟まらないようにするため
に、かぶり部56等の構造を別に設ける必要もある。
【0008】これらのことから、上記従来の播種器60
は、固定板52の板面の外周部分や側板55として、所
定値以上に厚みを有する厚板を用いなければならないと
いう構造上の制約を受ける。具体的には、播種器60
は、上記厚板を用いなければならないという制約から、
筐体構造を形成するために側板55および固定板52の
各構成単位を互いに貼り合わせなければならない。
【0009】従って上記従来の播種器60は、スライド
板54が摺動する際に生じる摩擦や衝撃に対してはある
程度の強度を備える反面、重量が大きくなり、作業性に
劣るという問題点を有している。
【0010】また、上記従来の播種器60は、上述のよ
うに、スライド板54が、スリット部58に嵌入され、
固定板52の板面上を摺動するよう設けられているた
め、スライド板54と固定板52との間にわずかな間隙
が生じてしまい、種子等がこの間隙に挟まって摩擦を受
けることで崩壊し、スライド板54のすべりが悪化する
ため、作業性がさらに劣化するという問題点を有してい
る。また、この場合、上記間隙を埋めるために、もう一
枚別の板をスライド板54と固定板52の間に貼り付け
る等の構成とすることで、さらに重量が大きくなり、作
業性が劣化するという問題点も派生する。
【0011】この場合、上記間隙に挟まった種子等は、
スプリング57を固定しているビスをはずして、スライ
ド板54を筐体から抜いた後掃除により除去しなければ
ならず、手間がかかるため、作業効率が低下する。
【0012】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的は、軽量で、播種作業時の
作業性に優れた播種器およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題点を解決すべく鋭意検討した。その結果、スライド板
を筐体構造において、種子載置面の裏面側に設けると共
に、該筐体構造を貼り合わせ構造にて形成せず、一体成
形することにより、上記の目的を達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、請求項1の播種器は、上記の課
題を解決するために、種子が通過する分配孔が貫設され
た種子載置面と前記種子載置面の外周部にあって該種子
の飛散を防止するための側壁部とを有する上板と、前記
分配孔に対応した播種孔が貫設されたスライド板とを備
え、該スライド板は、摺動により前記分配孔とこれに対
応する播種孔とが種子落下方向において互いに重なり合
う位置へ移動するように構成されている播種器におい
て、前記スライド板は、前記種子載置面の裏側において
摺動可能に設けられ、かつ、前記上板は、前記側壁部と
前記種子載置面とが一体成形されていることを特徴とし
ている。
【0015】上記の構成によれば、摺動するスライド板
が、上板における種子載置面の裏面側に設けられている
ことで、上板の側壁部にスリット部分を設けてスライド
板を嵌入する等の構成をとることがないので、前記側壁
部および前記種子載置面がスライド板の摺動に伴う摩擦
や衝撃を直接受けることが少ない。このため、上板にス
リット部分を設けてスライド板を嵌入する等の構成をと
る播種器と比較して、上板に要求される強度が少なくて
済むため、側壁部と種子載置面の外周とを厚板で構成し
たり、種子載置面を裏面側から補強するためのリブ構造
等を別に設けたりする必要がない。また、種子載置面の
裏面とスライド板とを密着させることができるので、種
子が前記裏面とスライド板との間隙に挟まることがな
く、崩壊した種子により摩擦が生じて作業性が劣化する
ことを防止できる。
【0016】また、上板は、前記側壁部および前記種子
載置面が一体成形されてなっているので、スライド板が
種子載置面の裏面側で摺動した際に上板が受ける摩擦や
衝撃に対して充分な強度を備えることができ、しかも、
軽量で、播種作業時の作業性に優れた播種器を提供する
ことができる。
【0017】請求項2の播種器は、上記の課題を解決す
るために、請求項1に記載の構成に加えて、上記スライ
ド板を上記種子載置面の裏側に係止する係止部材を備
え、該係止部材へのスライド板の係止により上記上板お
よび/またはスライド板に与えられる応力による歪みを
解消する方向に、上記上板および/またはスライド板に
反りが形成されていることを特徴としている。
【0018】上記の構成によれば、上記係止により上記
上板および/またはスライド板に与えられる応力による
歪みを解消する方向に上記反りが形成されていること
で、該応力による上板および/またはスライド板の歪み
を解消することができる。従って、たとえば、上記種子
載置面が略長方形状を有している場合に、その短手方向
両側壁部付近に、上記種子載置面の長手方向(長辺)に
沿って2つの係止部材が設けられている場合、該係止部
材の取り付け位置において上記種子載置面が種子落下方
向に受ける応力により種子載置面に生じるたわみを、種
子載置面に、上記たわみと逆向きの反りを形成すること
で解消することができる。また、これにより、前記種子
載置面の裏面とスライド板とがより確実に密着し、前記
種子載置面の裏面とスライド板との間に不要な間隙が発
生することをさらに確実に防止できる。よって、該間隙
に種子等が挟まって摩擦を生じ作業性が劣化したり、種
子が浪費されることを防止することができる。
【0019】請求項3の播種器の製造方法は、上記の課
題を解決するために、請求項1に記載の構成に加えて、
上記スライド板を上記種子載置面の裏側に係止する係止
部材を備え、該係止部材へのスライド板の係止により上
記上板および/またはスライド板に与えられる応力によ
る歪みに応じて、上記上板および/またはスライド板に
反りが形成されていることを特徴としている。
【0020】上記の構成によれば、上記係止により上記
種子載置面に与えられる応力による歪みに応じて上記反
りが形成されていることで、前記種子載置面の裏面とス
ライド板とがより確実に密着し、前記種子載置面の裏面
とスライド板との間に不要な間隙が発生することをさら
に確実に防止できる。よって、該間隙に種子等が挟まっ
て摩擦を生じ作業性が劣化したり、種子が浪費されるこ
とを防止することができる。
【0021】請求項4の播種器の製造方法は、上記の課
題を解決するために、少なくとも、種子が通過する分配
孔が貫設された種子載置面と前記種子載置面の外周部に
あって該種子の飛散を防止するための側壁部とを一体成
形することにより前記側壁部と種子載置面とを備えた上
板を形成する第1工程と、前記各分配孔に対応した播種
孔を有するスライド板を形成し、該スライド板を前記分
配孔と播種孔とが種子落下方向にて重なり合う位置へ移
動できるように前記スライド板を前記種子載置面の裏側
に摺動可能に係止する第2工程とを含むことを特徴とし
ている。
【0022】上記の構成によれば、摺動するスライド板
を、上板における種子載置面の裏面側に設けることで、
上板の側壁部にスリット部分を設けてスライド板を嵌入
する等の構成をとる必要がないので、上板がスライド板
の摺動に伴う摩擦や衝撃を直接受け難い。このため、上
板にスリット部分を設けてスライド板を嵌入する等の構
成をとる播種器と比較して、上板に要求される強度が少
なくて済むため、たとえば、上板の側壁部を厚板で構成
したり、上板の種子載置面を補強するためのリブ構造等
を別に設ける必要がない。
【0023】また、上板は、前記側壁部および前記板面
を一体成形することにより形成されるので、スライド板
が種子載置面の裏面側で摺動した際に上板が受ける摩擦
や衝撃に対して充分な強度を付与することができ、しか
も、軽量で、播種作業時の作業性に優れた播種器を得る
ことができる。
【0024】請求項5の播種器の製造方法は、上記の課
題を解決するために、請求項4の構成に加えて、上記第
1工程において、上記上板に係止されるスライド板によ
り上記上板および/またはスライド板に与えられる応力
による歪みを解消する方向に、上記上板に反りを形成す
ることを特徴としている。
【0025】上記の構成によれば、上記係止により上記
上板および/またはスライド板に与えられる応力による
歪みを解消する方向に上記反りを形成することで、該応
力による上板および/またはスライド板の歪みを解消す
ることができる。具体的には、たとえば、上記種子載置
面を略長方形状としたときに、その短手方向両側壁部付
近に、上記種子載置面の長手方向(長辺)に沿って2つ
の係止部材を設けた場合、該係止部材の取り付け位置に
おいて上記種子載置面が種子落下方向に受ける応力によ
り種子載置面に生じるたわみを、種子載置面に、上記た
わみと逆向きの反りを形成することで解消することがで
きる。また、これにより、前記種子載置面の裏面とスラ
イド板とがより確実に密着し、前記種子載置面の裏面と
スライド板との間に不要な間隙が発生することをさらに
確実に防止できる。よって、該間隙に種子等が挟まって
摩擦を生じ作業性が劣化したり、種子が浪費されること
を防止できる播種器を得ることができる。
【0026】請求項6の播種器の製造方法は、上記の課
題を解決するために、請求項4の構成に加えて、上記第
2工程が、上記上板へのスライド板の係止により上記上
板および/またはスライド板に与えられる応力による歪
みに応じて、上記スライド板に反りを形成する工程を含
み、上記上板へのスライド板の係止が上記上板に与えら
れる応力による歪みの方向に応じて行われることを特徴
としている。
【0027】上記の構成によれば、上記係止により上記
種子載置面に与えられる応力による歪みに応じて上記反
りを形成することで、前記種子載置面の裏面とスライド
板とがより確実に密着し、前記裏面とスライド板との間
に不要な間隙が発生することをさらに確実に防止でき
る。よって、該間隙に種子等が挟まって摩擦を生じ作業
性が劣化したり、種子が浪費されることを防止できる播
種器を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図4に基づいて説明すれば、
以下のとおりである。
【0029】図1は、本発明の実施の形態に係る播種器
1の概略構成を示す斜視図である。また、図2は、播種
器1の正面図であり、図3は、平面図である。また、図
4は、図3のA−A’線断面図である。
【0030】図1に示すように、上記播種器1は、上板
2と、前記上板2における種子載置面2aの裏面側に、
種子載置面2aに略平行な方向に沿って摺動可能に設け
られたスライド板4とを備えている。
【0031】前記上板2は、略長方形状の種子載置面2
aと、種子載置面2aの外周部にあって、載置された種
子またはコート種子が周囲へ飛散することを防止するた
めの側壁部5とを備えている。上記種子載置面2aに
は、種子が自由に通過する程度の孔径を有する複数の分
配孔3が貫設されている。該分配孔3は、上板2の種子
載置面2aを貫通するように、該種子載置面2aの縦横
方向に、ほぼ等間隔をおいて複数配列されている。な
お、本実施の形態では、分配孔3を上記のように配列し
たが、配列方法は、特に限定されず、播種しようとする
種子、育苗ポット、あるいは、地床等のサイズや種類、
播種位置等に応じて適宜設定すればよい。
【0032】また、上板2は、材質として、アクリル樹
脂が用いられ、一体成形により形成されている。また、
図4に示すように、上板2の種子載置面2aおよび側壁
部5等は、いずれもほぼ同程度の厚みに設定されてい
る。側壁部5は、図2および図4に示すように、放射状
に傾斜した形状を有している。また、側壁部5の外周部
分には、作業者が保持し易いように、把持部材5cが突
設されている。
【0033】なお、本実施の形態では、上板2の材質と
して、アクリル樹脂を用いたが、上記一体成形する場合
に、上板2の材質として用いられる樹脂としては、具体
的には、たとえば、アクリル樹脂、ポリプロピレンやプ
ロピレン共重合体等のプロピレン、プロピレンを含んで
なるプロピレン系樹脂、塩化ビニル、ナイロン、ポリプ
ロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
(ABS)樹脂等が挙げられる。上記例示の樹脂のう
ち、アクリル樹脂を用いることがより好ましい。アクリ
ル樹脂の中でも、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)が特に好ましい。また、スライド板4および種子載
置面2aは、播種する位置が見えるように、透明な材質
であることが好ましい。
【0034】上板2を一体成形する方法は、特に限定さ
れず、たとえば、ブロー成形、熱成形、射出成形等の一
般的な成形方法を用いることができる。
【0035】本実施の形態では、前記スライド板4は、
種子載置面2aの裏面上において前記上板2の長手方向
側壁部である両長腕部に沿って取り付けられた一対の係
止部材6・6によって、前記種子載置面2aの裏面に略
平行な方向に摺動可能となるように係止されている。ま
た、図1に示すように、上板2の短手方向の一方の側壁
部である短腕部5aに平行して取り付けられた支持部材
10とスライド板4の横板4aとの間には、一対のスプ
リング7が設置されており、該スプリング7により、ス
ライド板4と上板2とが所定の位置関係で静止した状態
に維持されている。
【0036】スライド板4の板面には、上記分配孔3に
対応して、播種孔9が貫設されている。播種孔9は、分
配孔3に比較して大きな孔径を有しており、これによ
り、播種孔9の上方に分配孔3が位置した場合に、分配
孔3上の種子が確実に播種器1下方へ落下するように構
成されている。播種孔9と分配孔3との孔径は、播種器
1が用いられる種子等の種子径や、一つの播種位置に播
種する種子の粒数等に応じて適宜設定すればよく、たと
えば、両者を同じ孔径に設定してもよいが、播種すべき
種子の落下をスムーズに行うためには、上記のように、
播種孔9の孔径を分配孔3の孔径より大きくする構成が
より好ましい。また、分配孔3の孔径は、播種すべき種
子の種子径よりわずかに大きい程度に設定されることが
より好ましい。
【0037】次に、播種器1の動作について以下に説明
する。
【0038】図1〜図4では、スプリング7が設けられ
ていることによって、上板2とスライド板4とが所定の
位置関係で安定に静止した状態を示している。この状態
において、上板2の種子載置面2a上に播種すべき種子
が適当量載置される。次に、播種器1を揺動、傾動、ま
たは回動等させることにより、前記種子が種子載置面2
a上を移動し、分配孔3内に1粒ずつ分配される。な
お、本実施の形態では、種子が一粒ずつ分配する例を示
したが、分配孔3内に分配される種子の数は、特に限定
されず、育苗ポット等の種類や播種方法に応じて1粒〜
数粒、またはそれ以上の範囲で適宜設定すればよい。
【0039】上記のようにして、種子が分配された際に
上板2の種子載置面2aを種子落下方向に見た場合、図
3に示されるように、互いに対応する分配孔3と播種孔
9とが隣り合って並列した状態となっている。分配孔3
下方は、スライド板4の種子載置面2aにより塞がれて
いるので、該種子載置面2aが分配孔3の底蓋の役目を
果たすため、種子は落下することなく分配孔3内に保持
されている。
【0040】次いで、スライド板4の横板4aをスプリ
ング7の力に抗して上板2側に圧縮することにより、ス
ライド板4が上板2方向に摺動して停止する。このと
き、上板2の種子載置面2aを種子落下方向に見た場
合、分配孔3と播種孔9とが上下に重なり合った位置に
ある。このため、分配孔3内の種子がすみやかに播種器
1下方に落下し、これにより、所定位置に確実に播種を
行うことができる。
【0041】なお、播種器1の使用方法としては、通
常、作業者が上板2の両短腕部5a・5b付近において
把持部材5c等を保持し、手作業により播種が行われる
のが一般的である。このため、スプリング7は、作業者
が片手で圧縮できる程度の張力に設定されている。
【0042】なお、本実施の形態の播種器1には、種子
載置面2a上のいずれか一方の長手方向側壁部付近に、
種子よせ部2bが略矩形領域として形成されている。ま
た、該種子よせ部2bと分配孔3との間には、長手方向
に種子が1粒ずつ一列に並ぶ程度に溝が設けられていて
もよい。該溝が設けられることにより、該溝内にはまり
込んだ種子が障壁となって、余剰の種子が分配孔3方向
に移動することを防止することができると共に、種子よ
せ部2bに溜められた種子のうち、適当量を分配孔3付
近に移動させることが容易となり、さらに作業性が向上
する。
【0043】次に、本発明の特徴点である、スライド板
4および一体成形された上板2について、以下に詳細に
説明する。本実施の形態の播種器1は、摺動するスライ
ド板4が、上板2における種子載置面2aの裏面側に設
けられている。従って、上板2の側壁部5の短腕部5a
等にスリット部分を設けてスライド板4を嵌入する等の
構成をとる必要がないので、上板2がスライド板4の摺
動に伴う摩擦や衝撃を直接受け難い。このため、スリッ
ト部分を設けてスライド板4を嵌入する等の構成をとる
従来の播種器と比較して、上板2に要求される強度が少
なくて済むため、上板2の側壁部5を厚板で構成した
り、上板2の種子載置面2aを裏面側より補強するため
のリブ構造等を別に設ける必要がない。
【0044】また、前記スリット部分を用いる場合のよ
うに、スライド板4と上板2との間に余分な間隙が生じ
難いので、該間隙に種子等が挟まることによるスライド
板4のすべりの悪化を抑制できる。
【0045】さらには、スライド板4は、上板2の種子
載置面2a上を往復移動するわけではないので、スライ
ド板4の端面と短腕部5bとの間に種子が挟まるといっ
た事態が生じることがないため、種子を該端面と短腕部
5bとの間付近から隔離するために、短腕部5b付近に
かぶり部等を別に設ける必要がない。
【0046】スライド板4が以上のように設置されてい
るため、上板2の強度を必要以上に高く維持する必要が
なく、また、上板2の側壁部5等を、補強その他の目的
で重厚に形成する必要もない。このため、播種器1は、
上板2を貼り合わせ構造により形成する必要がないので
上板2の形成方法において、構造上の制約を受けること
がない。
【0047】本実施の形態では、以上の点に鑑みて、上
板2が一体成形により形成されている。すなわち、上板
2は、材質としてアクリル樹脂が用いられ、熱成形によ
り、トレー形状に一体成形されている。
【0048】具体的には、上板2は、図4に示されるよ
うに、一体成形により側壁部5および種子載置面2aに
おいて、厚みをほぼ一定に設定されたトレー状の形状を
有しているため、非常に軽量であり、作業性に優れてい
る。また、上板2は、一体成形されていることにより、
上記軽量性を維持しつつ、スライド板4が上板2の種子
載置面2aの裏側面を摺動した際に上板2が受ける程度
の摩擦や衝撃に対して耐え得る程度の強度を備えること
ができる。
【0049】播種器1の大きさは、特に限定されない
が、本実施の形態では、作業者が手作業により播種する
際の作業性に鑑みて、たとえば、長辺×短辺=70×4
0cm程度に設定されている。また、上記分配孔3およ
び播種孔9の個数は特に限定されないが、播種作業効率
を維持するためには、上記例示の大きさを有する播種器
1において、70〜800個の範囲内が好ましく、10
0〜300個程度の範囲内がより好ましい。
【0050】播種器1の製造方法としては、上述の工程
により上板2を一体成形によって形成する工程が含まれ
る方法であれば特に限定されず、従来公知の一般的な工
程を用いることができる。
【0051】なお、上記支持部材10および係止部材6
は、上板2と一体成形されていてもよく、また、貼り合
わせ工程により上板2に取り付けてもよい。また、スラ
イド板4に用いられる材質としては、播種器1の上記軽
量性および優れた作業性が維持される範囲内で適宜選択
することができ、特に限定されないが、透明性、軽量性
を確保するためには、合成樹脂を用いることがより好ま
しい。また、スプリング7は、たとえば、係止部材6に
係止された状態のスライド板4の横板4a側からネジ部
材を差し込み、該ネジ部材がバネを貫通した状態で、該
ネジ部材の先端を支持部材10に嵌合させることにより
取り付けることができる。
【0052】播種器1を用いて播種される種子またはコ
ート種子の種類は特に限定されず、いかなる種類のもの
に用いてもよい。上記種子またはコート種子としては、
白菜、キャベツ、レタス、人参、大根、トマト、玉葱、
葱等の種子およびコート種子が挙げられる。また、上記
播種器1は、上記のように優れた作業性を発揮するた
め、作業効率を向上させることができるので、育苗ポッ
ト等に等間隔に播種する必要がある機械移植に用いられ
る土付苗の栽培時に、特に好適に用いられる。
【0053】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について、図3および図5〜図6(a)、(b)に基づ
いて説明すれば以下のとおりである。なお、前記した実
施の形態1で説明した構成と同一の機能を有する構成に
は、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0054】実施の形態1では、図4に示すように、上
板2の種子載置面2aが平面状に形成されている例を示
した。しかしながら、上板2の材質ならびに大きさによ
っては、該種子載置面2aおよび/またはスライド板4
に以下のような問題が生じる場合がある。すなわち、ス
ライド板4が挿入された状態では、種子載置面2aおよ
びスライド板4が係止部材6・6付近において、種子落
下方向側に力を受ける。このため、用いられる材質によ
っては、種子載置面2a上の係止部材6・6間の中央部
分において種子載置面2aの長手方向に沿って、上向き
(種子落下方向と逆向き)に突出した弧を描くように湾
曲したたわみ(歪み)が発生する場合がある。一方、ス
ライド板4の材質ならびに大きさによっては、スライド
板4の短手方向(短辺)中央部分において、スライド板
4の長手方向に沿って下向き(種子落下方向と同じ向
き)に突出した弧を描くように湾曲した歪みが発生する
場合がある。
【0055】そして、これら種子載置面2aとスライド
板4との組み合わせによっては、図5に示すように、種
子載置面2aおよびスライド板4において、係止部材6
からより離れた部位、すなわち、係止部材6・6間の中
央部分で、該種子載置面2aとスライド板4との間の間
隙がより大きくなるように歪みが生じる。このような状
態では、種子載置面2aとスライド板4との間に歪みに
よる間隙が生じるので、該間隙に種子等が挟まって、摩
擦を生じ、作業性が劣化したり、種子が破損される。ま
た、上記たわみは、用いられる材質による以外にも、係
止部材6が取り付けられている位置によって、その向き
および大きさが変化する。たとえば、係止部材6が、上
記のように、より側壁部5に近い位置で長手方向に設置
されている場合は、たわみは比較的大きく形成される。
【0056】従って、上記上板2および/またはスライ
ド板4は、両者を互いに密着あるいは種子が挟まらない
程度に近接させるために、スライド板4の係止により上
記上板および/またはスライド板4に加えられる応力の
向きや大きさに応じて、つまり、該応力により上記上板
および/またはスライド板4に生じる歪みの向きや大き
さに応じて予め、反りが形成された構造を有しているこ
とが好ましい。
【0057】図6(a)は、本実施の形態に係る播種器
に用いる上板2の形状を概略的に示す断面図であり、図
6(b)は、本実施の形態に係る播種器に用いるスライ
ド板4の形状を概略的に示す断面図である。図6(a)
・(b)は、図3に示す播種器11のA−A’線矢視断
面図においてスライド板4が係止部材6に係止されず、
上板2の種子載置面2aの裏面側に挿入されていない状
態を示している。
【0058】本実施の形態において、上記上板2および
/またはスライド板4に反りを形成することで上記上板
2とスライド板4とを密着あるいは近接させる方法とし
ては、主として、上記上板2および/またはスライド
板4に生じる歪みを解消する向きに上記上板2および/
またはスライド板4に反りを形成する方法、つまり、各
々の板に生じる歪みを、歪みが生じる各々の板に、歪み
とは逆向きに、歪みの大きさに応じた反りを形成するこ
とで歪みを緩和あるいは無くして、上板2とスライド板
4とを密着(近接)させる方法、上記上板2またはス
ライド板4に生じる歪みと同じ向きに、歪みの大きさに
応じた反り(好適には同じ大きさの反り)を他方の板に
形成し、歪みによる両者の形状を合わせることで上記上
板2とスライド板4とを密着(近接)させる方法が挙げ
られる。
【0059】より具体的に説明すれば、たとえば、上記
種子載置面2aに上述した歪みが生じる場合、上記の
方法により上板2とスライド板4とを密着あるいは近接
させるためには、種子載置面2aに、該種子載置面2a
に加えられる応力に応じて、該種子載置面2aに生じる
歪みとは逆向きの反り、つまり、係止部材6に近づくに
従ってスライド板4から離れるように反りを形成する。
すなわち、図6(a)に示すように、種子載置面2aに
該種子載置面2aが、係止部材6・6間の中央部分にお
いて下向きに突出することで凹状の弧を描くように湾曲
した反りを形成する。
【0060】本実施の形態では、種子載置面2aを上記
のように構成することにより、スライド板4が係止部材
6に係止された状態で、上板2の種子載置面2aが、2
つの係止部材6が設けられた2箇所付近において種子落
下方向(重力方向)に力を受け、種子載置面2aの湾曲
とは逆方向に歪みを生じる。この結果、上記種子載置面
2aに形成された反りがスライド板4の係止により種子
載置面2aに与えられる応力による上板の歪みを解消す
ることになるので、上板2の種子載置面2aとスライド
板4とがより確実に密着し、該種子載置面2aとスライ
ド板4との間に不要な間隙が発生することを防止でき
る。従って、これにより、該間隙に種子等が挟まって摩
擦を生じたり、種子が破損したり、破損した種子を掃除
により除去する必要が生じたりすることをさらに確実に
防止することができる。
【0061】なお、図6(a)に示す構成例では、上記
上板2に、上記係止部材6・6形成部間の中央側ほど下
方に突出する弧を描くように反りを形成したが、上記上
板2の反りは、上記種子載置面2aに加えられる応力に
応じて形成すればよく、これに限定されるものではな
い。
【0062】また、前述したように、条件によっては、
スライド板4に歪みが生じる場合もある。この場合は、
スライド板4に、予め、スライド板4に加えられる応力
に応じて、歪みとは逆向きの反りを形成することによ
り、上板2とスライド板4とを互いに密着させることも
可能である。たとえば、図6(b)に示すように、スラ
イド板4の短手方向中央部が、スライド板4の長手方向
に沿って、種子落下方向と逆向きに凸状となるように反
りを形成しておくことで、前記したように、スライド板
4の短手方向中央部分においてスライド板4の長手方向
に沿って下向きに突出した弧を描くように湾曲した歪み
を解消することができる。言い換えれば、スライド板4
に形成される上記反りは、該スライド板4における、係
止部材6に係止される箇所に近いほど、該スライド板4
が種子載置面2aから離れるように形成される。
【0063】また、図5に示すように、上記種子載置面
2aおよびスライド板4に共に歪みを生じる場合は、上
板2に前記図6(a)に示すように反りを形成すると共
に、スライド板4に前記図6(b)に示すように反りを
形成することで、各々の板に生じる歪みを解消し、互い
に密着させることができる。言い換えれば、種子載置面
2aおよびスライド板4に形成される反りは、図6
(a)・(b)に示すように種子載置面2aおよびスラ
イド板4を配置した場合、種子載置面2aにおける係止
部材6・6間の中央部分と、スライド板4の短手方向の
中央部分とが、より近づくように形成することで、各々
の板に生じる歪みを解消し、互いに密着させることがで
きる。
【0064】以上のほか、反りの形成方法として、たと
えば、図5に示すような種子載置面2aの歪みに対し
て、該歪みと同じ向き、好適には、同じ大きさの反り、
すなわち、図6(b)に示すような反りをスライド板4
に形成することもできる。このように、種子載置面2a
の歪みにスライド板4の形状を合わせることで、上記上
板2とスライド板4とを密着させることができる。
【0065】同様に、たとえば、図5に示すようなスラ
イド板4の歪みに対しては、該歪みと同じ向き、好適に
は、同じ大きさの反り、すなわち、図6(a)に示すよ
うな反りを種子載置面2aに形成することにより、スラ
イド板4の歪みに種子載置面2aの形状を合わせること
で、上記上板2とスライド板4とを密着させることがで
きる。上記のような方法により、種子載置面2aとスラ
イド板4とを密着し、間隙をなくすことができる。
【0066】また、これらの反りは、たとえば、実施の
形態1で述べた大きさを有する播種器を用いた場合、種
子載置面2aの端部と中央部分とのひずみ(反りによる
高低差)、および/または、スライド板4の端部と中央
部分とのひずみ(反りによる高低差)がそれぞれ2mm
程度となるように形成することが好ましい。
【0067】また、上記反りは、上記スライド板4の係
止により生じる歪みが解消されるように形成されている
ことが好ましい。すなわち、スライド板4の係止により
生じる種子載置面2aの歪みを解消し、より正確な播種
を行うと共に、取り扱い性、作業性に優れた播種器を形
成するために、上記反りは、種子載置面2a側に設けら
れていることがより好ましい。
【0068】なお、上述した歪みは、夏場やハウス内等
において、播種器が高温下に放置された場合、熱膨張に
より大きくなることがある。しかしながら、上述したよ
うに、上板2および/またはスライド板4に、反り、特
に、歪みを解消する方向に反りを設けることで、反りを
形成しない場合と比較して、大幅に歪みを緩和すること
ができ、歪みによる不都合を緩和することができる。ま
た、夏場やハウス内等において、播種器が高温下に放置
された場合に、熱膨張による歪みを防止するために、こ
のような条件下においてのみ使用される播種器において
は、予め、熱膨張による歪みを解消することができるよ
うに上記上板2および/またはスライド板4に反りを形
成してもよい。
【0069】上記反りの形成方法は、特に限定されず、
従来公知の一般的な方法で形成することができる。すな
わち、上板2を一体成形する際に、種子載置面2aに上
記のような凹状の弧を描くような形状を有するよう成形
すればよい。
【0070】
【発明の効果】請求項1の播種器は、以上のように種子
が通過する分配孔が貫設された種子載置面と前記種子載
置面の外周部にあって該種子の飛散を防止するための側
壁部とを有する上板と、前記分配孔に対応した播種孔が
貫設されたスライド板とを備え、該スライド板は、摺動
により前記分配孔とこれに対応する播種孔とが種子落下
方向において互いに重なり合う位置へ移動するように構
成されている播種器において、前記スライド板は、前記
種子載置面の裏側において摺動可能に設けられ、かつ、
前記上板は、前記側壁部と前記種子載置面とが一体成形
されている構成である。
【0071】それゆえ、摺動するスライド板が、上板に
おける種子載置面の裏面側に設けられていることで、上
板の側壁部にスリット部分を設けてスライド板を嵌入す
る等の構成をとることがないので、前記側壁部および前
記種子載置面がスライド板の摺動に伴う摩擦や衝撃を直
接受けることが少ない。このため、上板にスリット部分
を設けてスライド板を嵌入する等の構成をとる播種器と
比較して、上板に要求される強度が少なくて済むため、
側壁部と種子載置面の外周とを厚板で構成したり、種子
載置面を裏面側から補強するためのリブ構造等を別に設
けたりする必要がない。また、種子載置面の裏面とスラ
イド板とを密着させることができるので、種子が前記裏
面とスライド板との間隙に挟まることがなく、崩壊した
種子により摩擦が生じて作業性が劣化することを防止で
きるという効果を奏する。
【0072】また、上板は、前記側壁部および前記種子
載置面が一体成形されてなっているので、スライド板が
種子載置面の裏面側で摺動した際に上板が受ける摩擦や
衝撃に対して充分な強度を備えることができ、しかも、
軽量で、播種作業時の作業性に優れた播種器を提供でき
るという効果を奏する。
【0073】請求項2の播種器は、以上のように請求項
1に記載の構成に加えて、上記スライド板を上記種子載
置面の裏側に係止する係止部材を備え、該係止部材への
スライド板の係止により上記上板および/またはスライ
ド板に与えられる応力による歪みを解消する方向に、上
記上板および/またはスライド板に反りが形成されてい
る構成である。
【0074】それゆえ、上記係止により上記上板および
/またはスライド板に与えられる応力による歪みを解消
する方向に上記反りが形成されていることで、該応力に
よる上板および/またはスライド板の歪みを解消するこ
とができる。従って、たとえば、上記種子載置面が略長
方形状を有している場合に、その短手方向両側壁部付近
に、上記種子載置面の長手方向(長辺)に沿って2つの
係止部材が設けられている場合、該係止部材の取り付け
位置において上記種子載置面が種子落下方向に受ける応
力により種子載置面に生じるたわみを、種子載置面に、
上記たわみと逆向きの反りを形成することで解消するこ
とができる。また、これにより、前記種子載置面の裏面
とスライド板とがより確実に密着し、前記種子載置面の
裏面とスライド板との間に不要な間隙が発生することを
さらに確実に防止できる。よって、該間隙に種子等が挟
まって摩擦を生じ作業性が劣化したり、種子が浪費され
ることを防止できるという効果を奏する。
【0075】請求項3の播種器の製造方法は、以上のよ
うに請求項1に記載の構成に加えて、上記スライド板を
上記種子載置面の裏側に係止する係止部材を備え、該係
止部材へのスライド板の係止により上記上板および/ま
たはスライド板に与えられる応力による歪みに応じて、
上記上板および/またはスライド板に反りが形成されて
いる構成である。
【0076】それゆえ、上記係止により上記種子載置面
に与えられる応力による歪みに応じて上記反りが形成さ
れていることで、前記種子載置面の裏面とスライド板と
がより確実に密着し、前記種子載置面の裏面とスライド
板との間に不要な間隙が発生することをさらに確実に防
止できる。よって、該間隙に種子等が挟まって摩擦を生
じ作業性が劣化したり、種子が浪費されることを防止で
きるという効果を奏する。
【0077】請求項4の播種器の製造方法は、以上のよ
うに、少なくとも、種子が通過する分配孔が貫設された
種子載置面と前記種子載置面の外周部にあって該種子の
飛散を防止するための側壁部とを一体成形することによ
り前記側壁部と種子載置面とを備えた上板を形成する第
1工程と、前記各分配孔に対応した播種孔を有するスラ
イド板を形成し、該スライド板を前記分配孔と播種孔と
が種子落下方向にて重なり合う位置へ移動できるように
前記スライド板を前記種子載置面の裏側に摺動可能に係
止する第2工程とを含む構成である。
【0078】それゆえ、摺動するスライド板を、上板に
おける種子載置面の裏面側に設けることで、上板の側壁
部にスリット部分を設けてスライド板を嵌入する等の構
成をとる必要がないので、上板がスライド板の摺動に伴
う摩擦や衝撃を直接受け難い。このため、上板にスリッ
ト部分を設けてスライド板を嵌入する等の構成をとる播
種器と比較して、上板に要求される強度が少なくて済む
ため、たとえば、上板の側壁部を厚板で構成したり、上
板の種子載置面を補強するためのリブ構造等を別に設け
る必要がない。
【0079】また、上板は、前記側壁部および前記板面
を一体成形することにより形成されるので、スライド板
が種子載置面の裏面側で摺動した際に上板が受ける摩擦
や衝撃に対して充分な強度を付与することができ、しか
も、軽量で、播種作業時の作業性に優れた播種器を得ら
れるという効果を奏する。
【0080】請求項5の播種器の製造方法は、以上のよ
うに請求項4の構成に加えて、上記第1工程において、
上記上板に係止されるスライド板により上記上板および
/またはスライド板に与えられる応力による歪みを解消
する方向に、上記上板に反りを形成する構成である。
【0081】それゆえ、上記係止により上記上板および
/またはスライド板に与えられる応力による歪みを解消
する方向に上記反りを形成することで、該応力による上
板および/またはスライド板の歪みを解消することがで
きる。具体的には、たとえば、上記種子載置面を略長方
形状としたときに、その短手方向両側壁部付近に、上記
種子載置面の長手方向(長辺)に沿って2つの係止部材
を設けた場合、該係止部材の取り付け位置において上記
種子載置面が種子落下方向に受ける応力により種子載置
面に生じるたわみを、種子載置面に、上記たわみと逆向
きの反りを形成することで解消することができる。ま
た、これにより、前記種子載置面の裏面とスライド板と
がより確実に密着し、前記種子載置面の裏面とスライド
板との間に不要な間隙が発生することをさらに確実に防
止できる。よって、該間隙に種子等が挟まって摩擦を生
じ作業性が劣化したり、種子が浪費されることを防止で
きる播種器を得ることができるという効果を奏する。
【0082】請求項6の播種器の製造方法は、以上のよ
うに請求項4の構成に加えて、上記第2工程が、上記上
板へのスライド板の係止により上記上板および/または
スライド板に与えられる応力による歪みに応じて、上記
スライド板に反りを形成する工程を含み、上記上板への
スライド板の係止が上記上板に与えられる応力による歪
みの方向に応じて行われる構成である。
【0083】それゆえ、上記係止により上記種子載置面
に与えられる応力による歪みに応じて上記反りを形成す
ることで、前記種子載置面の裏面とスライド板とがより
確実に密着し、前記裏面とスライド板との間に不要な間
隙が発生することをさらに確実に防止できる。よって、
該間隙に種子等が挟まって摩擦を生じ作業性が劣化した
り、種子が浪費されることを防止できる播種器を得るこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る播種器の概略構成
を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る播種器の概略構成
を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の一形態に係る播種器の概略構成
を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の一形態に係る播種器の図3にお
けるA−A’線矢視断面図である。
【図5】上記播種器の上板とスライド板との間に歪みが
生じた例を示す図である。
【図6】(a)は、本発明の他の実施の形態に係る播種
器に用いる上板の形状を概略的に示す断面図であり、
(b)は、スライド板の形状を概略的に示す断面図であ
る。
【図7】(a)は、従来の略筐体型のスライド式播種器
の概略構成を説明するための平面図であり、(b)は、
(a)のA−A’線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 播種器 2 上板 2a 種子載置面 3 分配孔 4 スライド板 5 側壁部 6 係止部材 9 播種孔 11 播種器 12 上板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】種子が通過する分配孔が貫設された種子載
    置面と前記種子載置面の外周部にあって該種子の飛散を
    防止するための側壁部とを有する上板と、前記分配孔に
    対応した播種孔が貫設されたスライド板とを備え、該ス
    ライド板は、摺動により前記分配孔とこれに対応する播
    種孔とが種子落下方向において互いに重なり合う位置へ
    移動するように構成されている播種器において、 前記スライド板は、前記種子載置面の裏側において摺動
    可能に設けられ、かつ、前記上板は、前記側壁部と前記
    種子載置面とが一体成形されていることを特徴とする播
    種器。
  2. 【請求項2】上記スライド板を上記種子載置面の裏側に
    係止する係止部材を備え、該係止部材へのスライド板の
    係止により上記上板および/またはスライド板に与えら
    れる応力による歪みを解消する方向に、上記上板および
    /またはスライド板に反りが形成されていることを特徴
    とする請求項1記載の播種器。
  3. 【請求項3】上記スライド板を上記種子載置面の裏側に
    係止する係止部材を備え、該係止部材へのスライド板の
    係止により上記上板および/またはスライド板に与えら
    れる応力による歪みに応じて、上記上板および/または
    スライド板に反りが形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の播種器。
  4. 【請求項4】少なくとも、種子が通過する分配孔が貫設
    された種子載置面と前記種子載置面の外周部にあって該
    種子の飛散を防止するための側壁部とを一体成形するこ
    とにより前記側壁部と種子載置面とを備えた上板を形成
    する第1工程と、 前記各分配孔に対応した播種孔を有するスライド板を形
    成し、該スライド板を前記分配孔と播種孔とが種子落下
    方向にて重なり合う位置へ移動できるように前記スライ
    ド板を前記種子載置面の裏側に摺動可能に係止する第2
    工程とを含むことを特徴とする播種器の製造方法。
  5. 【請求項5】上記第1工程において、上記上板に係止さ
    れるスライド板により上記上板および/またはスライド
    板に与えられる応力による歪みを解消する方向に、上記
    上板に反りを形成することを特徴とする請求項4記載の
    播種器の製造方法。
  6. 【請求項6】上記第2工程が、上記上板へのスライド板
    の係止により上記上板および/またはスライド板に与え
    られる応力による歪みに応じて、上記スライド板に反り
    を形成する工程を含み、上記上板へのスライド板の係止
    が上記上板に与えられる応力による歪みの方向に応じて
    行われることを特徴とする請求項4記載の播種器の製造
    方法。
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