JP2001156600A - 発振器 - Google Patents

発振器

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JP2001156600A
JP2001156600A JP33343799A JP33343799A JP2001156600A JP 2001156600 A JP2001156600 A JP 2001156600A JP 33343799 A JP33343799 A JP 33343799A JP 33343799 A JP33343799 A JP 33343799A JP 2001156600 A JP2001156600 A JP 2001156600A
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mos transistor
voltage
clamp
constant
gate
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Kazuaki Kurooka
一晃 黒岡
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源電圧の変動に対しても、クランプ電圧を
変動させることなく一定値に保持し、安定した発振をお
こなうことができる発振器を得ること。 【解決手段】 クランプ電圧制御回路40が、差動増幅
器30a〜30cのクランプ手段であるnチャネルMO
SトランジスタMN13およびMN14の各バックゲー
トに印加する電圧を、オペアンプ20を用いた負帰還ル
ープにより、電源電圧の変動に影響しない定電圧信号D
に基づいて制御することでクランプ電圧を一定に保持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、PLL(位相制
御ループ)等を構成するVCO(電圧制御発振器)のよ
うな、外部と同期した高速クロックを発生するのに有効
な発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、MOSトランジスタから構成
される差動増幅回路をリング状に複数段接続して発振ル
ープを形成し、各差動増幅回路のバイアス電流によっ
て、発振周波数を制御する発振器が知られている。この
ような発振器において、各差動増幅回路は、通常、二つ
のMOSトランジスタからなるMOSトランジスタ差動
対と、そのMOSトランジスタのそれぞれに直列接続さ
れた二つの負荷素子と、から構成されている。また、上
記した二つのMOSトランジスタのソースには、共通の
バイアス電流が供給され、このバイアス電流に応じて、
差動増幅回路の伝達遅延時間が変化する。すなわち、こ
の伝達遅延時間の変化により、上記した発振周波数の制
御を可能としている。
【0003】ここで、上記した発振器の発振周波数域を
高くするには、各差動増幅回路の出力信号電圧振幅を小
さく抑える必要がある。このため、通常、各差動増幅回
路の出力側にはダイオードによるクランプ手段が設けら
れており、これにより電圧振幅が一定幅以上になるのを
抑えている。
【0004】図3は、上記したような従来の発振器の回
路図である。図3において、発振器100は、複数の差
動増幅回路(80a〜80c)と、pチャネルMOSト
ランジスタMP1およびMP2とnチャネルMOSトラ
ンジスタMN10とからなる負荷制御回路70と、定電
流源9と、を備えて構成されている。
【0005】各差動増幅回路はリング状に多段接続され
ることで発振ループを形成しており、図中、差動増幅回
路80bおよび80cは、差動増幅回路80aと同構成
である。差動増幅回路80aは、MOSトランジスタ差
動対を構成するpチャネルMOSトランジスタMP12
およびMP13と、負荷素子として機能するnチャネル
MOSトランジスタMN11およびMN12と、上記し
たバイアス電流の電流源として機能するpチャネルMO
SトランジスタMP11と、を備えて構成されている。
【0006】また、差動増幅回路80aには、上記した
クランプ手段として、ゲートとドレインとを互いに接続
した形態、すなわちダイオード接続されたnチャネルM
OSトランジスタMN13およびMN14が、MOSト
ランジスタ差動対の負荷素子に対してそれぞれ並列に接
続されている。この構成により、nチャネルMOSトラ
ンジスタMN13およびMN14のゲートの電位がスレ
ッショルド・レベル以上になった際に、図3に示すノー
ドAおよびBの電位の上昇が抑えられ、出力信号電圧振
幅として所定の電圧(クランプ電圧)以上の信号が出力
されることはなくなる。
【0007】さらに、差動増幅回路80aにおいて、M
OSトランジスタ差動対を構成するpチャネルMOSト
ランジスタMP12およびMP13の各ソースは、互い
に接続されるとともに、バイアス電流源として機能する
pチャネルMOSトランジスタMP11を介して電源電
位(Vdd)に接続されている。一方、上記pチャネル
MOSトランジスタMP12およびMP13の各ドレイ
ンはそれぞれ、負荷素子として機能するnチャネルMO
SトランジスタMN11およびMN12を介して接地電
位(Vss)に接続されている。
【0008】この構成により、MOSトランジスタMN
11およびMN12の各ゲートを入力点(IN1,IN
2)とし、各ドレインを出力点(OUT1,OUT2)
とする差動型インバータ動作を可能としている。そし
て、この差動増幅回路80aと同一の回路が多段接続さ
れ、かつその終段の出力が初段の入力に接続されること
により、リング発振回路が形成される。なお、図3にお
いては、このリング発振回路を三つの差動増幅回路80
a〜80cの多段接続として示しているが、その他奇数
段による接続も可能である。
【0009】また、各差動増幅回路において、pチャネ
ルMOSトランジスタMP12およびMP13のソース
からpチャネルMOSトランジスタMP11を介して電
源電位(Vdd)側からバイアス電流が流れるが、pチ
ャネルMOSトランジスタMP11のゲートには定電流
源9が接続されており、上記したバイアス電流は、この
定電流源9によって供給される電流、特にpチャネルM
OSトランジスタMP11のゲートの電位が低くなる引
き込み電流によって制御される。
【0010】また、カスコード接続されたpチャネルM
OSトランジスタMP1およびMP2と、nチャネルM
OSトランジスタMN10と、により負荷制御回路70
が構成されている。この負荷制御回路70において、p
チャネルMOSトランジスタMP1のゲートには、リン
グ発振回路を構成するすべての差動増幅回路80a〜8
0cのpチャネルMOSトランジスタMP11のゲート
とともに、定電流源9により供給される定電流が入力さ
れている。一方、pチャネルMOSトランジスタMP2
のゲートは、接地電位(Vss)に接続されている。
【0011】また、nチャネルMOSトランジスタMN
10は、そのドレインをゲートに接続するとともに、各
差動増幅回路80a〜80cの負荷素子、すなわちnチ
ャネルMOSトランジスタMN11およびMN12の各
ゲートに接続しており、それぞれの対によりカレントミ
ラー回路を構成している。したがって、上記したnチャ
ネルMOSトランジスタMN11およびMN12は、能
動負荷として機能する。さらに、nチャネルMOSトラ
ンジスタMN10のドレインには、カスコード接続され
たpチャネルMOSトランジスタMP1およびMP2に
よる電流が供給される。
【0012】つぎに、この従来における発振器におい
て、上記したクランプ手段によるクランプ動作について
説明する。図4は、クランプ動作を説明するための図で
あり、特に図3に示したノードAおよびBにおける電位
変化を示している。図4(a)に示すように、リング発
振回路を構成する各差動増幅回路においてクランプ手段
が設けられていない場合には、電源電位(Vdd)を上
限として定まる振幅により、ノードAおよびBの電位が
変化する。すなわち、各差動増幅回路の出力信号電圧振
幅が、電源電位(Vdd)の大きさによって引き出さ
れ、これにより高い発振周波数の設定が制限されてい
る。
【0013】一方、ダイオード接続されたnチャネルM
OSトランジスタMN13およびMN14のように、各
差動増幅回路においてクランプ手段を設けた場合には、
図4(b)に示すように、各差動増幅回路の出力信号電
圧振幅(ノードA’、B’)を、nチャネルMOSトラ
ンジスタMN13およびMN14によって定まるクラン
プ電圧を上限とする値まで小さくすることができる。こ
れにより、発振器において得られる信号の発振周波数を
高めることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たクランプ手段では、電源電圧(Vdd)以下のクラン
プ電圧の設定により差動増幅回路の出力信号電圧振幅を
小さくすることができるが、図3に示したように、nチ
ャネルMOSトランジスタMN13およびMN14のバ
ックゲートが各ソースに接続されて基板バイアス効果を
無効としているとともに、電源電圧(Vdd)に依存し
てクランプ電圧が決まってしまうため、電源電圧(Vd
d)が変動すると、それにともなってクランプ電圧も変
動してしまうという問題があった。
【0015】図5は、従来の発振器における電源電圧と
クランプ電圧の関係を説明するための図である。図5に
示すように、電源電圧(Vdd)の上昇にともなって、
クランプ電圧も大きく設定されてしまい、これにより、
クランプ手段によって定まる出力信号電圧振幅の上限も
大きくなってしまう。すなわち、発振器の発振周波数の
上限が、電源電圧(Vdd)に依存して変動し、最終的
に得られる信号の振幅値が不安定となっていた。
【0016】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、電源電圧の変動に対しても、ク
ランプ電圧を変動させることなく一定値に保持し、安定
した発振をおこなうことができる発振器を得ることを目
的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するため、この発明にかかる発振器にあって
は、クランプ手段としてダイオード接続されたMOSト
ランジスタを有する差動増幅回路を備えて構成される発
振器において、前記MOSトランジスタのバックゲート
に印加する電圧を、電源電圧の変動に影響しない定電圧
信号に基づいて制御することによってクランプ電圧を一
定に保持するクランプ電圧制御回路を具備したことを特
徴とする。
【0018】この発明によれば、クランプ電圧制御回路
によって、差動増幅器のクランプ手段であるMOSトラ
ンジスタに対し、そのバックゲートに印加する電圧を、
電源電圧の変動に影響しない定電圧信号に基づいて制御
することでクランプ電圧を一定に保持することができる
ので、たとえば、電源の不安定な動作によって電源電圧
が上昇した際にも、それにともなってクランプ電圧が上
昇することがなくなり、出力信号の電圧振幅を常に所定
の電圧値を示すクランプ電圧以下に抑えることができ
る。
【0019】つぎの発明にかかる発振器にあっては、上
記発明において、前記差動増幅回路を複数備えてリング
状に接続し、前記クランプ電圧制御回路が、前記差動増
幅回路の前記MOSトランジスタのバックゲートにそれ
ぞれ印加する電圧を、電源電圧の変動に影響しない定電
圧信号に基づいて制御することを特徴とする。
【0020】この発明によれば、差動増幅回路を複数備
えてリング状に接続することによりリング発振回路が構
成されているため、より発振周波数を高めることがてき
るとともに、クランプ電圧制御回路により、各差動増幅
回路のクランプ手段であるMOSトランジスタのバック
ゲートに印加する電圧が制御されるので、すべての差動
増幅回路においてクランプ電圧を一定に保持できる。
【0021】つぎの発明にかかる発振器にあっては、ク
ランプ手段を設けた差動増幅回路を複数段リング状に接
続して、各差動増幅回路のクランプ電圧を制御するクラ
ンプ電圧制御回路を備えた発振器において、前記差動増
幅回路が、ゲートに定電流を入力して共通のソースバイ
アス電流を供給する第1のMOSトランジスタと、ソー
スに前記ソースバイアス電流を入力し、ゲートに入力信
号を入力するとともに前記ソースが互いに接続された第
2のMOSトランジスタおよび第3のMOSトランジス
タからなるMOSトランジスタ差動対と、前記第2のM
OSトランジスタに直列に接続されて負荷素子として機
能する第4のMOSトランジスタと、前記第3のMOS
トランジスタに直列に接続されて負荷素子として機能す
る第5のMOSトランジスタと、前記第4のMOSトラ
ンジスタに並列に接続されて前記クランプ手段として機
能する第6のMOSトランジスタと、前記第5のMOS
トランジスタに並列に接続されて前記クランプ手段とし
て機能する第7のMOSトランジスタと、を備えて構成
され、前記クランプ電圧制御回路が、前記第6および第
7のMOSトランジスタのバックゲートに印加する電圧
を、電源電圧の変動に影響しない定電圧信号に基づいて
制御することによってクランプ電圧を一定に保持するこ
とを特徴とする。
【0022】この発明によれば、差動増幅回路を複数備
えてリング状に接続することによりリング発振回路が構
成されるとともに、クランプ電圧制御回路によって、差
動増幅器のクランプ手段である第6および第7のMOS
トランジスタの各バックゲートに印加する電圧を、電源
電圧の変動に影響しない定電圧信号に基づいて制御する
ことでクランプ電圧を一定に保持することができるの
で、複数の差動増幅回路のそれぞれにおいて、出力信号
の電圧振幅を常に所定の電圧値を示すクランプ電圧以下
に抑えることができる。
【0023】つぎの発明にかかる発振器にあっては、上
記発明において、前記第4および第5のMOSトランジ
スタのそれぞれとの対によりカレントミラー回路を構成
する第8のMOSトランジスタと、前記第1のMOSト
ランジスタのゲートに供給される定電流をゲートに入力
して前記第8のMOSトランジスタに定電流を供給する
第9のMOSトランジスタと、を備えて構成される負荷
制御回路を具備したことを特徴とする。
【0024】この発明によれば、負荷制御回路のカレン
トミラー対によって、各差動増幅回路における第4およ
び第5のMOSトランジスタを能動負荷として機能させ
ることができる。
【0025】つぎの発明にかかる発振器にあっては、上
記発明において、前記クランプ電圧制御回路が、負荷素
子として機能するとともに前記第8のMOSトランジス
タとの対によりカレントミラー回路を構成する第10の
MOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタ
のゲートに供給される定電流をゲートに入力して前記第
10のMOSトランジスタに定電流を供給する第11の
MOSトランジスタと、一方の入力端子に前記定電圧信
号を入力し、他方の入力端子を前記第11のMOSトラ
ンジスタのドレインに接続し、出力端子を前記第6およ
び第7のMOSトランジスタのバックゲートに接続した
演算増幅器と、バックゲートを前記演算増幅器の出力端
子に接続し、ゲートとドレインを互いに接続するととも
に、該ドレインを前記演算増幅器の前記他方の入力端子
に接続した第12のMOSトランジスタと、を具備した
ことを特徴とする。
【0026】この発明によれば、クランプ電圧制御回路
が、負荷制御回路を介して差動増幅回路の第4および第
5のMOSトランジスタとともに能動負荷として機能す
る第10のMOSトランジスタと、差動増幅回路の第1
のMOSトランジスタとともに定電流によって制御され
る第11のMOSトランジスタと、を備え、さらに、第
12のMOSトランジスタによって、第11のMOSト
ランジスタのドレインの電位をクランプできるように構
成され、演算増幅器が、その第11のMOSトランジス
タのドレインの電位と、電源電圧の変動に影響しない定
電圧信号との差分結果を、第12のMOSトランジスタ
のバックゲートにフィードバックして第11のMOSト
ランジスタのドレインの電位を上記定電圧信号の電位に
収束させるとともに、収束された差分結果は第6および
第7のMOSトランジスタのバックゲートにも入力され
るので、第6および第7のMOSトランジスタのドレイ
ンの電位が上記した定電圧信号の電位と一致した状態で
保持されること、すなわちクランプ電圧を一定に保持す
ることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、この発明にかかる発振器
の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】この実施の形態にかかる発振器は、差動増
幅回路のクランプ手段を構成するMOSトランジスタの
バックゲートの電位を、電源電圧の変動に影響されない
信号に基づいて制御することにより、クランプ電圧を一
定に保持することを特徴としている。図1は、この実施
の形態にかかる発振器の回路図である。なお、図1にお
いて、図3と共通する部分には同一符号を付して、その
説明を省略する。図1に示す実施の形態にかかる発振器
10において、図3に示した従来の発振器100と異な
る点は、上述した負荷制御回路70とほぼ同様な構成の
クランプ電圧制御回路40を設け、このクランプ電圧制
御回路40により、クランプ手段であるnチャネルMO
SトランジスタMN13およびMN14のバックゲート
の電圧を制御する点である。
【0029】上記したクランプ電圧制御回路40は、図
1に示すように、pチャネルMOSトランジスタMP3
およびMP4と、nチャネルMOSトランジスタMN8
およびMN9と、オペアンプ(演算増幅器)20と、を
備えて構成されている。ここで、pチャネルMOSトラ
ンジスタMP3およびMP4はカスコード接続されてお
り、これらMOSトランジスタに直列にnチャネルMO
SトランジスタMN9が接続されている。そして、pチ
ャネルMOSトランジスタMP3のゲートには、リング
発振回路を構成するすべての差動増幅回路30a〜30
cのpチャネルMOSトランジスタMP11のゲートと
ともに、定電流源9による定電流が入力されている。一
方、pチャネルMOSトランジスタMP4のゲートは、
接地電位(Vss)に接続されている。
【0030】また、nチャネルMOSトランジスタMN
9は、そのゲートを、負荷制御回路70のnチャネルM
OSトランジスタMN10のドレインに接続しており、
これによりカレントミラー回路が構成されている。すな
わち、nチャネルMOSトランジスタMN9は、差動増
幅回路30a〜30cの各nチャネルMOSトランジス
タMN11およびMN12とともに能動負荷として機能
する。
【0031】nチャネルMOSトランジスタMN9のド
レインは、pチャネルMOSトランジスタMP4のドレ
インと接続される一方で、nチャネルMOSトランジス
タMN8のドレインに接続されている。また、nチャネ
ルMOSトランジスタMN8のゲートは、そのドレイン
に接続されるとともにオペアンプ20の逆相入力端子に
接続されている。すなわち、nチャネルMOSトランジ
スタMN8はダイオード接続の形態となり、オペアンプ
20の逆相入力端子には、nチャネルMOSトランジス
タMN9のドレインが接続されている。一方、オペアン
プ20の正相入力端子には、電源電圧(Vdd)の変動
に影響されない定電圧信号Dが入力されている。
【0032】そして、オペアンプ20の出力端子は、n
チャネルMOSトランジスタMN8のバックゲートに接
続されるとともに、リング発振回路を構成する各差動増
幅回路30a〜30cのnチャネルMOSトランジスタ
MN13およびMN14のバックゲートに接続されてい
る。
【0033】すなわち、この実施の形態にかかる発振器
は、従来の発振器にさらに、上述したクランプ電圧制御
回路40を設けている。特に、クランプ電圧制御回路4
0においては、オペアンプ20と、nチャネルMOSト
ランジスタMN8と、によって負帰還ループが構成さ
れ、nチャネルMOSトランジスタMN8と各差動増幅
回路30a〜30cのnチャネルMOSトランジスタM
N13およびMN14は、同一のトランジスタサイズと
している。
【0034】つぎに、このクランプ電圧制御回路40の
動作について説明する。まず、オペアンプ20の正相入
力端子には、電源電圧(Vdd)の変動に影響されない
定電圧信号Dが常に入力されている。この定電圧信号D
は、たとえば、ツェナー・ダイオードを用いて生成さ
れ、各差動増幅回路30a〜30cのクランプ手段に設
定すべきクランプ電圧を示すものである。
【0035】まず、電源電圧(Vdd)の電圧が低下し
た場合を考えると、負荷制御回路70のnチャネルMO
SトランジスタMN10のゲート−ソース間電圧が低下
し、nチャネルMOSトランジスタMN10に供給され
る電流も低下する。このため、カレントミラー回路を構
成するnチャネルMOSトランジスタMN9に供給され
る電流も低下し、このnチャネルMOSトランジスタM
N9への電流供給源もまた電源電圧(Vdd)としてい
ることと相俟って、ノードCの電位も低下する。
【0036】そして、このノードCの電位がクランプ電
圧(定電圧信号D)より小さい場合は、オペアンプ20
からはその差分に応じた正の電圧が出力される。この正
の電圧はnチャネルMOSトランジスタMN8のバック
ゲートに入力されるため、nチャネルMOSトランジス
タMN8のゲートに印加するためのスレッショルド・レ
ベルが高く設定される。よって、この状態においてはダ
イオード接続されたnチャネルMOSトランジスタMN
8は動作しない。
【0037】一方、オペアンプ20の出力は、各差動増
幅回路30a〜30cのnチャネルMOSトランジスタ
MN13およびMN14の各バックゲートにも入力され
ているため、nチャネルMOSトランジスタMN13お
よびMN14においても、そのゲートに印加するための
スレッショルド・レベルが高く設定される。よって、上
記同様に、この状態においてはnチャネルMOSトラン
ジスタMN13およびMN14は動作しない。
【0038】また、電源電圧(Vdd)の電圧が低下し
た状態において、ノードCの電位がクランプ電圧(定電
圧信号D)より高い場合は、オペアンプ20からはその
差分に応じた負の電圧が出力される。この負の電圧はn
チャネルMOSトランジスタMN8のバックゲートに入
力されるため、nチャネルMOSトランジスタMN8に
おいてそのゲートに印加するためのスレッショルド・レ
ベルが低く設定される。
【0039】ここで、ノードCの電位は、電源電圧(V
dd)とともに低下していても、低く設定されたスレッ
ショルド・レベル以上の値を示すため、nチャネルMO
SトランジスタMN8は動作状態となる。このnチャネ
ルMOSトランジスタMN8の動作は、ノードCの電位
を低下させることになり、オペアンプ20の出力(ノー
ドE)、すなわちクランプ電圧とノードCの電位との間
の差分は小さくなる。
【0040】このオペアンプ20の出力は、再びnチャ
ネルMOSトランジスタMN8のバックゲートに入力さ
れるが、その値は、直前のオペアンプ20の出力より小
さいため、nチャネルMOSトランジスタMN8のスレ
ッショルド・レベルを上記設定された値よりも高く設定
する。この動作、すなわち負帰還ループ動作は、ノード
Eがゼロ電位に等しくなる時点まで活性し、ノードCの
電位がクランプ電圧に等しくなった時点で平衡状態を示
す。
【0041】また、オペアンプ20の出力は、各差動増
幅回路30a〜30cのnチャネルMOSトランジスタ
MN13およびMN14のバックゲートにも入力されて
いるため、ノードA’またはB’の電位がクランプ電圧
(定電圧信号D)より高くなった際にも、上記した負帰
還ループの平衡状態への移行によって、ノードA’また
はB’は、ノードCの電位、すなわちクランプ電圧と同
電位となり、出力信号電圧振幅はクランプ電圧を上限と
して抑えられる。
【0042】一方、電源電圧(Vdd)の電圧が上昇し
た場合を考えると、負荷制御回路70のnチャネルMO
SトランジスタMN10のゲート−ソース間電圧が増加
し、nチャネルMOSトランジスタMN10に供給され
る電流も上昇する。このため、カレントミラー回路を構
成するnチャネルMOSトランジスタMN9に供給され
る電流も上昇し、このnチャネルMOSトランジスタM
N9への電流供給源もまた電源電圧(Vdd)としてい
ることと相俟って、ノードCの電位は上昇する。
【0043】この場合においても、ノードCの電位がク
ランプ電圧(定電圧信号D)より小さい場合と大きい場
合が考えられ、上述した説明と同様に、負帰還ループの
動作によって、各差動増幅回路30a〜30cのノード
A’およびB’は、定電圧信号Dの示すクランプ電圧を
上限として設定される。したがって、各差動増幅回路3
0a〜30cは、電源電圧(Vdd)が変動しても、電
源電圧(Vdd)に影響されない定電圧信号Dをクラン
プ電圧として設定することができる。
【0044】図2は、この実施の形態にかかる発振器に
おける電源電圧とクランプ電圧の関係を説明するための
図である。図2に示すように、電源電圧(Vdd)が上
昇しても、上述した動作によって、クランプ電圧は一定
値に設定される。すなわち、クランプ手段によって定ま
る出力信号電圧振幅の上限が電源電圧の変動に影響され
ることなく、発振周波数を高めることができる。
【0045】以上に説明したとおり、実施の形態にかか
る発振器によれば、クランプ手段としてダイオード接続
されたnチャネルMOSトランジスタMN13およびM
N14を設けた複数の差動増幅回路30a〜30cをリ
ング状に接続することで構成される発振器100におい
て、上記したnチャネルMOSトランジスタMN13お
よびMN14のバックゲートに与える電位を、電源電圧
(Vdd)の変動に影響しない定電圧信号Dを入力する
とともに負帰還ループを形成するオペアンプ20によっ
て制御することにより、クランプ手段のクランプ電圧を
常に所定の値に保持することができるので、従来の発振
器のように電源電圧(Vdd)の上昇にともなってクラ
ンプ電圧が変化することがなくなり、常に所定のクラン
プ電圧を上限とした出力信号電圧振幅が得られ、これに
より安定に発振周波数を高めることが可能となる。
【0046】なお、上述した実施の形態においては、バ
イアス電流を供給するためのMOSトランジスタおよび
MOSトランジスタ差動対を構成するMOSトランジス
タとしてそれぞれpチャネルMOSトランジスタを使用
し、カレントミラー回路を構成するMOSトランジスタ
としてnチャネルMOSトランジスタを使用した差動増
幅回路を示したが、それぞれに対して極の異なるMOS
トランジスタを使用した差動増幅回路によりリング発振
回路を構成するものに対しても、本発明を適用すること
ができる。
【0047】この場合、上記した負荷制御回路70、ク
ランプ電圧制御回路40およびクランプ手段を構成する
各MOSトランジスタについても、図1に示したものに
対して逆極のものを使用する。さらにこの場合、クラン
プ手段を形成するMOSトランジスタについては、nチ
ャネルMOSトランジスタをソースフォロワの形態とす
ることもできる。
【0048】
【発明の効果】以上、説明したとおり、この発明によれ
ば、クランプ電圧制御回路によって、差動増幅器のクラ
ンプ手段であるMOSトランジスタに対し、そのバック
ゲートに印加する電圧を、電源電圧の変動に影響しない
定電圧信号に基づいて制御することでクランプ電圧を一
定に保持することができるので、たとえば、電源の不安
定な動作によって電源電圧が上昇した際にも、それにと
もなってクランプ電圧が上昇することがなくなり、出力
信号の電圧振幅を常に所定の電圧値を示すクランプ電圧
以下に抑えることができ、これにより安定した高い発振
周波数を得ることができるという効果を奏する。
【0049】つぎの発明によれば、差動増幅回路を複数
備えてリング状に接続することによりリング発振回路が
構成されているため、より発振周波数を高めることがで
きるとともに、クランプ電圧制御回路により、各差動増
幅回路のクランプ手段であるMOSトランジスタのバッ
クゲートに印加する電圧が制御されるので、すべての差
動増幅回路に対して、クランプ電圧を一定に保持でき、
安定した発振周波数の設定をおこなうことができるとい
う効果を奏する。
【0050】つぎの発明によれば、差動増幅回路を複数
備えてリング状に接続することによりリング発振回路が
構成されるとともに、クランプ電圧制御回路によって、
差動増幅器のクランプ手段であるMOSトランジスタの
各バックゲートに印加する電圧を、電源電圧の変動に影
響しない定電圧信号に基づいて制御することでクランプ
電圧を一定に保持することができるので、複数の差動増
幅回路のそれぞれにおいて、出力信号の電圧振幅を常に
所定の電圧値を示すクランプ電圧以下に抑えることがで
き、これにより安定した高い発振周波数を得ることがで
きるという効果を奏する。
【0051】つぎの発明によれば、負荷制御回路のカレ
ントミラー対によって、各差動増幅回路における負荷素
子であるMOSトランジスタを能動負荷として機能させ
るので、各差動増幅回路間において共通した電流特性を
与えることができ、安定な発振をおこなうことができる
という効果を奏する。
【0052】つぎの発明によれば、クランプ電圧制御回
路において、差動増幅回路の負荷素子であるMOSトラ
ンジスタとともに能動負荷として機能するMOSトラン
ジスタが設けられ、演算増幅器が、一方の入力端子に電
源電圧の変動に影響しない定電圧信号を入力するととも
に、その出力を、上記した能動負荷として機能する各M
OSトランジスタに並列に接続されたダイオード接続の
MOSトランジスタのバックゲート入力することで負帰
還ループを形成し、これにより差動増幅回路の出力点の
電位を上記定電圧信号の電位に収束させるので、電源電
圧の変動に影響されずにクランプ電圧を一定に保持する
ことが可能となり、安定した高い発振周波数を得ること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態にかかる発振器の回路構
成を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態にかかる発振器における
電源電圧とクランプ電圧の関係を示す図である。
【図3】 従来における発振器の回路構成を示す図であ
る。
【図4】 従来の発振器におけるクランプ動作を説明す
るための図である。
【図5】 従来の発振器における電源電圧とクランプ電
圧の関係を説明するための図である。
【符号の説明】
9 定電流源、10,100 発振器、20 オペアン
プ、30a〜30c,80a〜80c 差動増幅回路、
40 クランプ電圧制御回路、70 負荷制御回路、M
N8〜MN13 nチャネルMOSトランジスタ、MP
1〜MP4,MP11〜MN13 pチャネルMOSト
ランジスタ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランプ手段としてダイオード接続され
    たMOSトランジスタを有する差動増幅回路を備えて構
    成される発振器において、 前記MOSトランジスタのバックゲートに印加する電圧
    を、電源電圧の変動に影響しない定電圧信号に基づいて
    制御することによってクランプ電圧を一定に保持するク
    ランプ電圧制御回路を具備したことを特徴とする発振
    器。
  2. 【請求項2】 前記差動増幅回路を複数備えてリング状
    に接続し、前記クランプ電圧制御回路は、前記差動増幅
    回路の前記MOSトランジスタのバックゲートにそれぞ
    れ印加する電圧を、電源電圧の変動に影響しない定電圧
    信号に基づいて制御することを特徴とする請求項1に記
    載の発振器。
  3. 【請求項3】 クランプ手段を設けた差動増幅回路を複
    数段リング状に接続して構成され、各差動増幅回路のク
    ランプ電圧を制御するクランプ電圧制御回路を備えた発
    振器において、 前記差動増幅回路は、 ゲートに定電流を入力して共通のソースバイアス電流を
    供給する第1のMOSトランジスタと、 ソースに前記ソースバイアス電流を入力し、ゲートに入
    力信号を入力するとともに前記ソースが互いに接続され
    た第2のMOSトランジスタおよび第3のMOSトラン
    ジスタからなるMOSトランジスタ差動対と、 前記第2のMOSトランジスタに直列に接続されて負荷
    素子として機能する第4のMOSトランジスタと、 前記第3のMOSトランジスタに直列に接続されて負荷
    素子として機能する第5のMOSトランジスタと、 前記第4のMOSトランジスタに並列に接続されて前記
    クランプ手段として機能する第6のMOSトランジスタ
    と、 前記第5のMOSトランジスタに並列に接続されて前記
    クランプ手段として機能する第7のMOSトランジスタ
    と、 を備えて構成され、 前記クランプ電圧制御回路は、 前記第6および第7のMOSトランジスタのバックゲー
    トに印加する電圧を、電源電圧の変動に影響しない定電
    圧信号に基づいて制御することによってクランプ電圧を
    一定に保持することを特徴とする発振器。
  4. 【請求項4】 前記第4および第5のMOSトランジス
    タのそれぞれとの対によりカレントミラー回路を構成す
    る第8のMOSトランジスタと、 前記第1のMOSトランジスタのゲートに供給される定
    電流をゲートに入力して前記第8のMOSトランジスタ
    に定電流を供給する第9のMOSトランジスタと、 を備えて構成される負荷制御回路を具備したことを特徴
    とする請求項3に記載の発振器。
  5. 【請求項5】 前記クランプ電圧制御回路は、 負荷素子として機能するとともに前記第8のMOSトラ
    ンジスタとの対によりカレントミラー回路を構成する第
    10のMOSトランジスタと、 前記第1のMOSトランジスタのゲートに供給される定
    電流をゲートに入力して前記第10のMOSトランジス
    タに定電流を供給する第11のMOSトランジスタと、 一方の入力端子に前記定電圧信号を入力し、他方の入力
    端子を前記第11のMOSトランジスタのドレインに接
    続し、出力端子を前記第6および第7のMOSトランジ
    スタのバックゲートに接続した演算増幅器と、 バックゲートを前記演算増幅器の出力端子に接続し、ゲ
    ートとドレインを互いに接続するとともに、該ドレイン
    を前記演算増幅器の前記他方の入力端子に接続した第1
    2のMOSトランジスタと、 を具備したことを特徴とする請求項4に記載の発振器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1536561A1 (en) * 2003-11-25 2005-06-01 Texas Instruments Inc. Current controlled oscillator

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