JP2001156474A - 密閉型放熱ケース - Google Patents
密閉型放熱ケースInfo
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- JP2001156474A JP2001156474A JP33264899A JP33264899A JP2001156474A JP 2001156474 A JP2001156474 A JP 2001156474A JP 33264899 A JP33264899 A JP 33264899A JP 33264899 A JP33264899 A JP 33264899A JP 2001156474 A JP2001156474 A JP 2001156474A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 放熱性に優れた電子機器を収納する密閉型放
熱ケースを提供する。 【構成】 密閉された金属筺体11の内壁11aに少な
くとも厚さ5μm以上の黒色塗膜15が形成されている
構成であり、金属筺体11内の電子機器のプリント基板
13に搭載された発熱部品12から放出される熱の内、
金属筺体11の内壁11aに向かって放射する熱線16
(実線で表示)は内壁11aに形成された黒色塗膜15
によって吸収されるので、反射して再び金属筺体11内
の空気中に飛び出す熱線16(点線で表示)の温度は下
がり、熱線16による金属筺体11内の空気温度上昇量
は減少する。即ち、発熱部品12の発熱量の内で熱放射
によるものを効率的に黒色塗膜15が吸収して金属筺体
11の内壁11aに熱伝導で伝えることにより熱線16
の反射を低減する働きをする。金属筺体11は元々熱伝
導率が良好であるから黒色塗膜15が吸収した熱を素早
く外部に放熱する。
熱ケースを提供する。 【構成】 密閉された金属筺体11の内壁11aに少な
くとも厚さ5μm以上の黒色塗膜15が形成されている
構成であり、金属筺体11内の電子機器のプリント基板
13に搭載された発熱部品12から放出される熱の内、
金属筺体11の内壁11aに向かって放射する熱線16
(実線で表示)は内壁11aに形成された黒色塗膜15
によって吸収されるので、反射して再び金属筺体11内
の空気中に飛び出す熱線16(点線で表示)の温度は下
がり、熱線16による金属筺体11内の空気温度上昇量
は減少する。即ち、発熱部品12の発熱量の内で熱放射
によるものを効率的に黒色塗膜15が吸収して金属筺体
11の内壁11aに熱伝導で伝えることにより熱線16
の反射を低減する働きをする。金属筺体11は元々熱伝
導率が良好であるから黒色塗膜15が吸収した熱を素早
く外部に放熱する。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は電子機器の密封型放
熱ケースについて、特に蛍光灯電子安定器の密封ケース
における放熱手段に関するものである。
熱ケースについて、特に蛍光灯電子安定器の密封ケース
における放熱手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気機器の開発にあたって放熱設計があ
る。プリント基板に搭載される各種電子部品は耐熱の差
が大きく、例えば耐熱性の高いコイル部品は巻線の温度
が115℃になっていてもその寿命は40000時間耐
えられるが、他方、温度の影響を受け易い電子部品の代
表である電解コンデンサでは、この部品自身はあまり発
熱しないものの周囲温度の影響を受け易く、例えば10
5℃/3000時間の寿命品を採用しても、電解コンデ
ンサの壁面温度が72℃であったとすると、29500
時間の寿命になる。蓋し、電解コンデンサの寿命は一般
に周囲温度と寿命の関係で、10℃−2倍則が成り立
ち、上記電解コンデンサの例では、次式が成り立つ。 (壁面温度72℃時の寿命)=3000×2
(105-72)/10=29500(時間) 而して、電子機器を収納する筺体内の空気温度を1℃で
も低くすることが肝要であることが判る。
る。プリント基板に搭載される各種電子部品は耐熱の差
が大きく、例えば耐熱性の高いコイル部品は巻線の温度
が115℃になっていてもその寿命は40000時間耐
えられるが、他方、温度の影響を受け易い電子部品の代
表である電解コンデンサでは、この部品自身はあまり発
熱しないものの周囲温度の影響を受け易く、例えば10
5℃/3000時間の寿命品を採用しても、電解コンデ
ンサの壁面温度が72℃であったとすると、29500
時間の寿命になる。蓋し、電解コンデンサの寿命は一般
に周囲温度と寿命の関係で、10℃−2倍則が成り立
ち、上記電解コンデンサの例では、次式が成り立つ。 (壁面温度72℃時の寿命)=3000×2
(105-72)/10=29500(時間) 而して、電子機器を収納する筺体内の空気温度を1℃で
も低くすることが肝要であることが判る。
【0003】従来は、上記電解コンデンサ等の耐熱性の
低い電子部品が発熱部品とともにプリント基板に混載し
ている電子機器では、放熱対策として機器を収納する筺
体の側面、上面、背面等に放熱孔を多数設けている場合
が一般的である。
低い電子部品が発熱部品とともにプリント基板に混載し
ている電子機器では、放熱対策として機器を収納する筺
体の側面、上面、背面等に放熱孔を多数設けている場合
が一般的である。
【0004】筺体に上記放熱孔が設けられない事情があ
る場合、即ち密閉の必要がある場合には筺体内温度を下
げるために、(イ)筺体内に充填物を充填して内部の熱
を筺体外に放出する。(ロ)発熱部品を熱伝導抵抗の小
さい筺体に接触させて筺体を通して放熱する。(ハ)発
熱部品の発熱を極力少なくするため部品の容量に余裕を
持たせる、もしくは筺体を大きくするといった手段が考
えられる。
る場合、即ち密閉の必要がある場合には筺体内温度を下
げるために、(イ)筺体内に充填物を充填して内部の熱
を筺体外に放出する。(ロ)発熱部品を熱伝導抵抗の小
さい筺体に接触させて筺体を通して放熱する。(ハ)発
熱部品の発熱を極力少なくするため部品の容量に余裕を
持たせる、もしくは筺体を大きくするといった手段が考
えられる。
【0005】また、プリント基板に接触するようにヒー
トパイプを巡らして冷水を流して強制的に発熱する電子
部品を冷ます手段や、特開昭50−43464号に開示
されているファンを用いる密閉型機器の冷却手段等もあ
る。このファンを用いる手段を詳述すると、図4に示さ
れるように、密閉状の筺体1内に設けられたシェルフ7
内に表面にIC等の各種電子部品2を搭載したプリント
基板3が多数列をなして装着され、シェルフ7の下部に
設けた適当数のファン4の回転により生ずる気流を各プ
リント基板3の間を通過させ、シェルフ7上面の多数の
孔5から吹き出させて一旦筺体1の内壁に垂直に当たる
ようにし、次いで筺体1とシェルフ7の間の空隙部に導
き、再びファン4に還流するようにする構成になってお
り、シェルフ7の上面の孔5より吹き出た気流(矢印)
は筺体1内壁に垂直に当たるので、この部分の外部への
熱伝導率は非常に高くなり放熱効果が大きいというもの
である。これは筺体1内部の空気の対流による熱の筺体
1内壁への熱伝達を促進して放熱効果を高める手法とい
える。
トパイプを巡らして冷水を流して強制的に発熱する電子
部品を冷ます手段や、特開昭50−43464号に開示
されているファンを用いる密閉型機器の冷却手段等もあ
る。このファンを用いる手段を詳述すると、図4に示さ
れるように、密閉状の筺体1内に設けられたシェルフ7
内に表面にIC等の各種電子部品2を搭載したプリント
基板3が多数列をなして装着され、シェルフ7の下部に
設けた適当数のファン4の回転により生ずる気流を各プ
リント基板3の間を通過させ、シェルフ7上面の多数の
孔5から吹き出させて一旦筺体1の内壁に垂直に当たる
ようにし、次いで筺体1とシェルフ7の間の空隙部に導
き、再びファン4に還流するようにする構成になってお
り、シェルフ7の上面の孔5より吹き出た気流(矢印)
は筺体1内壁に垂直に当たるので、この部分の外部への
熱伝導率は非常に高くなり放熱効果が大きいというもの
である。これは筺体1内部の空気の対流による熱の筺体
1内壁への熱伝達を促進して放熱効果を高める手法とい
える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】結露が生じる恐れが大
きい場所で使用される電子機器の放熱対策は難しい。必
然的に密閉された筺体として放熱する手段が必要とな
る。特に戸外に設置される自動販売機の照明装置や冷蔵
商品ケースに設置される照明装置等ではその蛍光灯電子
安定器(インバータ方式の高周波点灯装置が典型)の放
熱ケースは密閉型とする必要性が高い。
きい場所で使用される電子機器の放熱対策は難しい。必
然的に密閉された筺体として放熱する手段が必要とな
る。特に戸外に設置される自動販売機の照明装置や冷蔵
商品ケースに設置される照明装置等ではその蛍光灯電子
安定器(インバータ方式の高周波点灯装置が典型)の放
熱ケースは密閉型とする必要性が高い。
【0007】前述の(イ)、(ロ)、(ハ)の放熱手段
は何れも筺体やプリント基板の設計が繁雑で高コストと
なるか筺体が大きくなり過ぎる難点があった。
は何れも筺体やプリント基板の設計が繁雑で高コストと
なるか筺体が大きくなり過ぎる難点があった。
【0008】また、ヒートパイプによる冷却手段は最も
放熱効果が期待できるが、高コストで大きな場所を取っ
てしまう問題があるので、蛍光灯電子安定器等のような
小さな容積で低コストが要求される電子機器には採用で
きない。同じ理由で図4のようなファンによる冷却方法
も大型な電子機器ならまだしも、小型の電子機器にはス
ペース的に大きくならざるを得ず、コスト的にも合わな
い。
放熱効果が期待できるが、高コストで大きな場所を取っ
てしまう問題があるので、蛍光灯電子安定器等のような
小さな容積で低コストが要求される電子機器には採用で
きない。同じ理由で図4のようなファンによる冷却方法
も大型な電子機器ならまだしも、小型の電子機器にはス
ペース的に大きくならざるを得ず、コスト的にも合わな
い。
【0009】ところで、熱の伝わりのメカニズムを考察
すると、周知の通り熱伝達には(1)熱伝導、(2)熱
放射、(3)熱対流の3つが考えられる。以下概説する
と、 (1)熱伝導・・・当然ながら金属、特に銀、銅、金、
アルミニウム等は熱伝導率が高く100Kcal/m・
h・℃以上である。これに対して空気は熱伝導率が最も
悪く0.02Kcal/m・h・℃程度である。 (2)熱放射・・・熱も一種の電磁波と考えられ、光と
同じような特性があると考えられている。熱放射は所謂
「熱線」で、光の特性に似た直進性を持つ。例えばスト
ーブの背面に設けられた鏡の反射板は上記直進性を利用
して片側に熱線を集中させるものと言える。金属光沢の
あるものは反射率が高く熱線は殆ど反射されて熱線によ
る熱の吸収が殆ど無いと考えられる。 (3)対流・・・熱せられた空気が動くことによって発
熱体と空気との熱傾斜が大きくなり、放熱効率が良くな
る。大きな電子機器を収納する筺体の場合には前記ファ
ンによる冷却方法で強制的に対流を起こして熱伝導を効
率的に行うことができる。
すると、周知の通り熱伝達には(1)熱伝導、(2)熱
放射、(3)熱対流の3つが考えられる。以下概説する
と、 (1)熱伝導・・・当然ながら金属、特に銀、銅、金、
アルミニウム等は熱伝導率が高く100Kcal/m・
h・℃以上である。これに対して空気は熱伝導率が最も
悪く0.02Kcal/m・h・℃程度である。 (2)熱放射・・・熱も一種の電磁波と考えられ、光と
同じような特性があると考えられている。熱放射は所謂
「熱線」で、光の特性に似た直進性を持つ。例えばスト
ーブの背面に設けられた鏡の反射板は上記直進性を利用
して片側に熱線を集中させるものと言える。金属光沢の
あるものは反射率が高く熱線は殆ど反射されて熱線によ
る熱の吸収が殆ど無いと考えられる。 (3)対流・・・熱せられた空気が動くことによって発
熱体と空気との熱傾斜が大きくなり、放熱効率が良くな
る。大きな電子機器を収納する筺体の場合には前記ファ
ンによる冷却方法で強制的に対流を起こして熱伝導を効
率的に行うことができる。
【0010】以上の熱伝達の仕組みを念頭に密閉ケース
に収納された電子機器の放熱設計を鑑みると、蛍光灯電
子安定器のような小型の機器では、筺体内の対流は先ず
殆ど期待できない。放熱は主として電子機器を密閉収納
する金属筺体の内部の空気が発熱部品によって熱伝導で
熱せられて徐々に空気全体の気温が上昇し、熱せられた
空気と金属筺体の内壁との接触による熱伝導にて筺体の
温度が上昇し筺体の外面から外部に放熱するという熱伝
導の仕組みと、直接に発熱部品からの熱線が筺体の内壁
に当たって一部熱量が吸収されることによって筺体が熱
せられて筺体の外面から外部に放熱する熱放射による仕
組みとが考えられる。
に収納された電子機器の放熱設計を鑑みると、蛍光灯電
子安定器のような小型の機器では、筺体内の対流は先ず
殆ど期待できない。放熱は主として電子機器を密閉収納
する金属筺体の内部の空気が発熱部品によって熱伝導で
熱せられて徐々に空気全体の気温が上昇し、熱せられた
空気と金属筺体の内壁との接触による熱伝導にて筺体の
温度が上昇し筺体の外面から外部に放熱するという熱伝
導の仕組みと、直接に発熱部品からの熱線が筺体の内壁
に当たって一部熱量が吸収されることによって筺体が熱
せられて筺体の外面から外部に放熱する熱放射による仕
組みとが考えられる。
【0011】しかしながら、上記筺体内部の空気を媒介
とした熱伝導のみでは発生した熱を素早く筺体外へ放出
することができない。また、熱放射は殆どが金属筺体の
内壁で反射されてしまうので放熱に寄与する割合は現状
では低い。
とした熱伝導のみでは発生した熱を素早く筺体外へ放出
することができない。また、熱放射は殆どが金属筺体の
内壁で反射されてしまうので放熱に寄与する割合は現状
では低い。
【0012】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、上記熱放射による放熱を飛躍的に高めて発生した
熱を素早く筺体外へ放出するようにした低コストで効率
的な密閉型放熱ケースを提供するものである。
あり、上記熱放射による放熱を飛躍的に高めて発生した
熱を素早く筺体外へ放出するようにした低コストで効率
的な密閉型放熱ケースを提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)電子機器が密閉収納される金属筺体の内壁に少な
くとも厚さ5μm以上の黒色塗膜が形成されていること
を特徴とする密閉型放熱ケースを提供することにより、
上記目的を達成する。 (2)また、特に蛍光灯電子安定器が密閉収納される金
属筺体の内壁に少なくとも厚さ5μm以上の黒色塗膜が
形成されていることを特徴とする密封型放熱ケースを提
供することにより、上記目的を達成する。
くとも厚さ5μm以上の黒色塗膜が形成されていること
を特徴とする密閉型放熱ケースを提供することにより、
上記目的を達成する。 (2)また、特に蛍光灯電子安定器が密閉収納される金
属筺体の内壁に少なくとも厚さ5μm以上の黒色塗膜が
形成されていることを特徴とする密封型放熱ケースを提
供することにより、上記目的を達成する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る電子機器を密閉収納
する密閉型放熱ケースの実施の形態を蛍光灯電子安定器
を収納する金属筺体の場合について図面を基に詳述す
る。
する密閉型放熱ケースの実施の形態を蛍光灯電子安定器
を収納する金属筺体の場合について図面を基に詳述す
る。
【0015】図1の(a)は本発明に係る蛍光灯電子安
定器を収納した密閉型放熱ケース(内壁に黒色塗膜有り
金属筺体)の断面図、(b)はその金属筺体と黒色塗膜
面の拡大図である。図2は同蛍光灯電子安定器を収納し
た密閉型放熱ケース(黒色塗膜無し金属筺体)である。
図3は同蛍光灯電子安定器を収納した従来の放熱孔を設
けた金属筺体を示す断面図である。
定器を収納した密閉型放熱ケース(内壁に黒色塗膜有り
金属筺体)の断面図、(b)はその金属筺体と黒色塗膜
面の拡大図である。図2は同蛍光灯電子安定器を収納し
た密閉型放熱ケース(黒色塗膜無し金属筺体)である。
図3は同蛍光灯電子安定器を収納した従来の放熱孔を設
けた金属筺体を示す断面図である。
【0016】図1〜図3において、符号11は金属筺
体、12はコイル部品等の発熱部品、13はプリント基
板、14は電解コンデンサ、15は黒色塗膜、16の実
線または点線は熱線のイメージである。
体、12はコイル部品等の発熱部品、13はプリント基
板、14は電解コンデンサ、15は黒色塗膜、16の実
線または点線は熱線のイメージである。
【0017】図1において、密閉された金属筺体11内
の発熱部品12から放出される熱は接触している空気に
伝導伝搬されて金属筺体11内の空気温度を上げる成分
と、図1の(b)のように金属筺体11の内壁11aに
直接熱放射される成分とがある。金属筺体11の内壁1
1aには黒色塗膜15が塗装によって形成されているた
め、金属筺体11の内壁11aに向かって熱線16が入
射すると(実線で表示)、その熱の一部が黒色塗膜15
を熱し、金属筺体11の内壁11aに反射して再び黒色
塗膜15を熱し、金属筺体11内の空気中に飛び出す
(点線で表示)。この飛び出した熱線16は入射時の温
度より黒色塗膜15の温度を上げることにより下がって
いる。このことより熱線による金属筺体11内の空気温
度上昇量は減少している。換言すれば、発熱部品12の
発熱量の内で熱放射によるものを効率的に黒色塗膜15
が吸収して鋼板等の金属筺体11の内壁に熱伝導で伝え
ることにより熱線16の反射を低減もしくは防止する働
きをする。金属筺体11は元々熱伝導率が良好であるか
ら黒色塗膜15が吸収した熱を効率的に外部に逃がすこ
とになる。つまり、金属筺体11の内壁に当たって反射
する熱線を黒色塗膜15がどんどん吸収して金属筺体1
1に素早く伝導させることによって外に効率的に放熱さ
せるのである。
の発熱部品12から放出される熱は接触している空気に
伝導伝搬されて金属筺体11内の空気温度を上げる成分
と、図1の(b)のように金属筺体11の内壁11aに
直接熱放射される成分とがある。金属筺体11の内壁1
1aには黒色塗膜15が塗装によって形成されているた
め、金属筺体11の内壁11aに向かって熱線16が入
射すると(実線で表示)、その熱の一部が黒色塗膜15
を熱し、金属筺体11の内壁11aに反射して再び黒色
塗膜15を熱し、金属筺体11内の空気中に飛び出す
(点線で表示)。この飛び出した熱線16は入射時の温
度より黒色塗膜15の温度を上げることにより下がって
いる。このことより熱線による金属筺体11内の空気温
度上昇量は減少している。換言すれば、発熱部品12の
発熱量の内で熱放射によるものを効率的に黒色塗膜15
が吸収して鋼板等の金属筺体11の内壁に熱伝導で伝え
ることにより熱線16の反射を低減もしくは防止する働
きをする。金属筺体11は元々熱伝導率が良好であるか
ら黒色塗膜15が吸収した熱を効率的に外部に逃がすこ
とになる。つまり、金属筺体11の内壁に当たって反射
する熱線を黒色塗膜15がどんどん吸収して金属筺体1
1に素早く伝導させることによって外に効率的に放熱さ
せるのである。
【0018】結果として、金属筺体11内の空気温度上
昇が少なくなり、電解コンデンサ14等の熱に弱い部品
の寿命を延ばすことになる。
昇が少なくなり、電解コンデンサ14等の熱に弱い部品
の寿命を延ばすことになる。
【0019】比較として図2の内壁11aに黒色塗膜1
5が塗布されていない金属筺体11のみの場合には、熱
放射成分については、内壁11aに当たった熱線16が
殆どエネルギーを落とすことなく反射されて金属筺体1
1内を飛び周り、金属筺体11内部の空気温度を上昇さ
せる。このような密閉された金属筺体11のみの密閉ケ
ースの場合、金属筺体11の温度が上がる原理は筺体内
壁11aと内部の熱線16によって加熱された空気との
接触による熱伝導によるものが殆どであると考えられ
る。したがってこの場合の金属筺体11の熱放散は効率
が悪く、金属筺体11の温度上昇以上に熱に弱い電解コ
ンデンサ14等の表面が熱せられるのである。
5が塗布されていない金属筺体11のみの場合には、熱
放射成分については、内壁11aに当たった熱線16が
殆どエネルギーを落とすことなく反射されて金属筺体1
1内を飛び周り、金属筺体11内部の空気温度を上昇さ
せる。このような密閉された金属筺体11のみの密閉ケ
ースの場合、金属筺体11の温度が上がる原理は筺体内
壁11aと内部の熱線16によって加熱された空気との
接触による熱伝導によるものが殆どであると考えられ
る。したがってこの場合の金属筺体11の熱放散は効率
が悪く、金属筺体11の温度上昇以上に熱に弱い電解コ
ンデンサ14等の表面が熱せられるのである。
【0020】比較として図3のような放熱孔22を多数
有する金属筺体21の場合、発熱部品12の放熱は、空
気を伝わる熱伝導、熱線16の放熱孔を通しての外部へ
の熱放射、熱せられた空気の放熱孔22を通しての対流
があるので最も効率的で有利であるが、本発明の前提と
する結露等の問題で放熱孔22が設けられない密閉型ケ
ースの場合には採用できない。
有する金属筺体21の場合、発熱部品12の放熱は、空
気を伝わる熱伝導、熱線16の放熱孔を通しての外部へ
の熱放射、熱せられた空気の放熱孔22を通しての対流
があるので最も効率的で有利であるが、本発明の前提と
する結露等の問題で放熱孔22が設けられない密閉型ケ
ースの場合には採用できない。
【0021】以下に蛍光灯電子安定器を収納した1mm
厚の亜鉛引き鋼板の金属筺体(縦62mm、横210m
m、高さ50mmの大きさで、回路素子を搭載したプリ
ント基板を配置した基台の上に被せるようにして密閉す
る蓋体のもの)中の電解コンデンサ14の壁面温度測定
の実験結果を、上記図1の黒色塗膜15を金属筺体11
の内壁全面に約10μmの厚さに形成したものと、比較
として図2の黒色塗膜無しの金属筺体11と、比較とし
て図3の放熱孔22を設けた金属筺体21(大きさは金
属筺体11と同じ)の各場合について下表に示す。測定
条件として、製品の姿勢は水平置き、製品の周囲温度は
40℃(無風)とした。
厚の亜鉛引き鋼板の金属筺体(縦62mm、横210m
m、高さ50mmの大きさで、回路素子を搭載したプリ
ント基板を配置した基台の上に被せるようにして密閉す
る蓋体のもの)中の電解コンデンサ14の壁面温度測定
の実験結果を、上記図1の黒色塗膜15を金属筺体11
の内壁全面に約10μmの厚さに形成したものと、比較
として図2の黒色塗膜無しの金属筺体11と、比較とし
て図3の放熱孔22を設けた金属筺体21(大きさは金
属筺体11と同じ)の各場合について下表に示す。測定
条件として、製品の姿勢は水平置き、製品の周囲温度は
40℃(無風)とした。
【0022】
【表1】
【0023】上表により、放熱孔22を設けた金属筺体
21が最も電解コンデンサ14の壁面温度上昇分が小さ
い(放熱効果が高い)が、放熱孔22が設けられていな
い密閉型の金属筺体11の場合には、内壁が金属そのま
まの場合よりも黒色塗膜15が形成されている方が放熱
性が良好であることが判る。即ち、電解コンデンサが1
05℃/3000時間の寿命品の場合、48000時間
/at40℃の寿命が保証できることになる。
21が最も電解コンデンサ14の壁面温度上昇分が小さ
い(放熱効果が高い)が、放熱孔22が設けられていな
い密閉型の金属筺体11の場合には、内壁が金属そのま
まの場合よりも黒色塗膜15が形成されている方が放熱
性が良好であることが判る。即ち、電解コンデンサが1
05℃/3000時間の寿命品の場合、48000時間
/at40℃の寿命が保証できることになる。
【0024】なお、黒色塗膜15には耐熱性の合成樹脂
塗料が適材であり、少なくとも5μm以上の厚さを確保
することが熱線を吸収して金属筺体11に熱を伝える吸
収効果を十分に得る意味で必要である。この黒色塗膜1
5は例えば自動車の車体の塗装に利用されている電着塗
装によって10〜25μmの厚さに形成することが処理
コスト面で有利である。また、黒色塗膜15は熱吸収効
果の点から炭のような完全な黒色が望ましいが、藍色そ
の他の黒に近い暗色であってもよい。ここに上記黒色塗
膜15にいう黒色とはこれら黒に近い暗色を含む意味で
ある。また、黒色塗膜15は密閉状態の金属筺体の内壁
全面に形成されることが熱吸収効果の点から望ましいこ
とは明らかであるが、可及的に形成すればよい。仮に金
属筺体11が基台上に設置されたプリント基板13に被
せるような蓋体のものであれば(図1の金属筺体11が
そうである。)、プリント基板13の配設された底面側
の基台を除く金属筺体11の内壁11a(電子機器から
見て上面と側面に該当する)に形成されているだけでも
熱吸収効果は得られる。
塗料が適材であり、少なくとも5μm以上の厚さを確保
することが熱線を吸収して金属筺体11に熱を伝える吸
収効果を十分に得る意味で必要である。この黒色塗膜1
5は例えば自動車の車体の塗装に利用されている電着塗
装によって10〜25μmの厚さに形成することが処理
コスト面で有利である。また、黒色塗膜15は熱吸収効
果の点から炭のような完全な黒色が望ましいが、藍色そ
の他の黒に近い暗色であってもよい。ここに上記黒色塗
膜15にいう黒色とはこれら黒に近い暗色を含む意味で
ある。また、黒色塗膜15は密閉状態の金属筺体の内壁
全面に形成されることが熱吸収効果の点から望ましいこ
とは明らかであるが、可及的に形成すればよい。仮に金
属筺体11が基台上に設置されたプリント基板13に被
せるような蓋体のものであれば(図1の金属筺体11が
そうである。)、プリント基板13の配設された底面側
の基台を除く金属筺体11の内壁11a(電子機器から
見て上面と側面に該当する)に形成されているだけでも
熱吸収効果は得られる。
【0025】以上詳述したように、金属筺体11に放熱
孔が設けられていない密閉型放熱ケース10の場合、金
属筺体11の内壁11aに黒色塗膜15を形成する手段
によって、充填物を充填する手段に比して、コスト、重
量、作業性、省資源の点で改善される。また、電子部品
に余裕を持たせる手段に比べ、コスト、金属筺体の大き
さ、重量の点で改善される。さらにファンによる手段、
ヒートパイプによる手段よりも低コストであり、小さな
容積の電子機器にも適用できることは言うまでもない。
孔が設けられていない密閉型放熱ケース10の場合、金
属筺体11の内壁11aに黒色塗膜15を形成する手段
によって、充填物を充填する手段に比して、コスト、重
量、作業性、省資源の点で改善される。また、電子部品
に余裕を持たせる手段に比べ、コスト、金属筺体の大き
さ、重量の点で改善される。さらにファンによる手段、
ヒートパイプによる手段よりも低コストであり、小さな
容積の電子機器にも適用できることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る密閉型放熱ケースは上記の
ように構成されているため、以下に記載するような効果
を有する。
ように構成されているため、以下に記載するような効果
を有する。
【0027】(1)密閉が必要で放熱孔が設けられない
ような場合の電子機器を収納する放熱ケースとして低コ
ストで良好な放熱性が得られるという優れた効果を有す
る。
ような場合の電子機器を収納する放熱ケースとして低コ
ストで良好な放熱性が得られるという優れた効果を有す
る。
【0028】(2)特に蛍光灯電子安定器といった小型
で、結露の問題がある電子機器に対して安価で簡易な放
熱手段となる。
で、結露の問題がある電子機器に対して安価で簡易な放
熱手段となる。
【0029】
【図1】(a)は本発明に係る蛍光灯電子安定器を収納
した密閉型放熱ケース(黒色塗膜有り)の断面図、
(b)はその筺体と黒色塗膜面の拡大図である。
した密閉型放熱ケース(黒色塗膜有り)の断面図、
(b)はその筺体と黒色塗膜面の拡大図である。
【図2】同蛍光灯電子安定器を収納した密閉型放熱ケー
ス(黒色塗膜無し)である。
ス(黒色塗膜無し)である。
【図3】同蛍光灯電子安定器を収納した従来の放熱孔を
設けた金属筺体を示す断面図である。
設けた金属筺体を示す断面図である。
【図4】特開昭50−43464号に開示されているフ
ァンを用いる密閉型機器の冷却手段を備えた密閉型放熱
ケースの構造を示す斜視図である。
ァンを用いる密閉型機器の冷却手段を備えた密閉型放熱
ケースの構造を示す斜視図である。
1 筺体 2 電子部品 3 プリント基板 4 ファン 5 孔 7 シェルフ 10 密閉型放熱ケース 11 金属筺体 12 発熱部品 13 プリント基板 14 電解コンデンサ 15 黒色塗膜 16 熱線 21 金属筺体 22 放熱孔
Claims (2)
- 【請求項1】 電子機器が密閉収納される金属筺体の内
壁に少なくとも厚さ5μm以上の黒色塗膜が形成されて
いることを特徴とする密閉型放熱ケース。 - 【請求項2】 蛍光灯電子安定器が密閉収納される金属
筺体の内壁に少なくとも厚さ5μm以上の黒色塗膜が形
成されていることを特徴とする密封型放熱ケース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33264899A JP2001156474A (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | 密閉型放熱ケース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33264899A JP2001156474A (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | 密閉型放熱ケース |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001156474A true JP2001156474A (ja) | 2001-06-08 |
Family
ID=18257319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33264899A Pending JP2001156474A (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | 密閉型放熱ケース |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001156474A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003198165A (ja) * | 2001-12-26 | 2003-07-11 | Denso Corp | 電子制御機器 |
CN114568006A (zh) * | 2022-04-28 | 2022-05-31 | 南通蓝拓泽语智能科技有限责任公司 | 一种自调节散热型安防设备用保护柜 |
-
1999
- 1999-11-24 JP JP33264899A patent/JP2001156474A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003198165A (ja) * | 2001-12-26 | 2003-07-11 | Denso Corp | 電子制御機器 |
US6867968B2 (en) | 2001-12-26 | 2005-03-15 | Denso Corporation | Electronic control unit |
CN114568006A (zh) * | 2022-04-28 | 2022-05-31 | 南通蓝拓泽语智能科技有限责任公司 | 一种自调节散热型安防设备用保护柜 |
CN114568006B (zh) * | 2022-04-28 | 2022-07-05 | 南通蓝拓泽语智能科技有限责任公司 | 一种自调节散热型安防设备用保护柜 |
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